JP4068000B2 - 電磁アクチュエータの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子制御4輪駆動車両等のトルク伝達機構等で使用される電磁アクチュエータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電子制御4輪駆動車両のトルク伝達機構等では、左右一対のプラネタリギヤセットと、各プラネタリギヤセットに連結されたサンギヤのトルクを可変制御するための一対のブレーキ機構(クラッチ機構)を含んでいる。各ブレーキ機構(クラッチ機構)は、湿式多板ブレーキ(クラッチ)と、この多板ブレーキ(クラッチ)を作動する電磁アクチュエータを含んでいる。
【0003】
電磁アクチュエータは、環状溝を有するコア(ヨーク)と、コアの環状溝中に挿入されたソレノイドと、所定のギャップを持ってコアと対向するように配置されたアーマチュアと、アーマチュアに連結されたピストンとから構成される。
【0004】
ソレノイドに電流を印加すると、アーマチュアがソレノイドによりコアに引き付けられ推力が発生する。この推力により、アーマチュアと一体に連結されたピストンが多板ブレーキ(クラッチ)を押し付けることで、ブレーキトルク(クラッチトルク)が発生する。
【0005】
旋回方向及び操舵力又は操舵角に基づいて左右のソレノイドに流す電流値を制御して、左右の後ろ車軸への出力トルクを可変に制御することができる。
【0006】
従来のソレノイドの駆動電流制御方法としては、PID制御器を用いた電流フィードバック制御と、スイッチング素子と電流還流用のダイオードを使用したパルス幅変調(PWM)デューティ信号による電流制御の組み合わせが一般的に行われている。
【0007】
PID制御器の比例項定数、積分項定数及び微分項定数を最適値に調整することにより、目標電流に対する駆動電流(実電流)の定常偏差をなくし、電流立ち上がり時に適度なオーバシュートとなるように動作する。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−39231号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2002−225581号公報
【0010】
【特許文献】
特開2002−227882号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のPID制御器を使用した電流フィードバック制御では、電流立ち上がり時の目標電流に対する実電流が遅れ、駆動トルクの応答性が悪化し、車両挙動に不具合が生じてしまう問題がある。
【0012】
また、湿式多板ブレーキ(クラッチ)のブレーキ(クラッチ)プレート及びブレーキ(クラッチ)ディスクは経年変化(磨耗)により劣化し、これに応じてソレノイド非通電時のコアとアーマチュア間の初期ギャップが減少する。初期ギャップが減少すると、ソレノイドのインダクタンス成分が増加し、電流立ち上げ時の応答性が悪化するという問題がある。
【0013】
よって、本発明の目的は、ソレノイドのPWMデューティ駆動における電流の立ち上がり特性を改善可能な電磁アクチュエータの制御装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明によると、溝を有するコア部材と、該コア部材の前記溝中に収容されたソレノイドと、前記コア部材とギャップを持って対向するように配置されたアーマチュア部材とを有する電磁アクチュエータの制御装置であって、前記コア部材と前記アーマチュア部材との間のギャップを検出する手段と、前記ソレノイドを流れる実電流を検出する電流検出手段と、実電流が目標電流に一致するようにフィードバック制御するフィードバック制御器と、目標電流をフィードフォワード制御するフィードフォワード制御器と、前記フィードバック制御器及び前記フィードフォワード制御器の出力に基づいてソレノイド駆動信号を生成するソレノイド駆動信号生成手段とを具備し、前記フィードバック制御器はギャップが大きいときには大きな積分項定数を選択し、ギャップが小さくなるにつれてより小さな積分項定数を選択することを特徴とする電磁アクチュエータの制御装置が提供される。
【0015】
この構成によると、ギャップが小さくなるにつれてより小さな積分項定数を選択するようにしたので、実電流の立ち上がり応答性を向上できるとともにフィードバック制御により定常状態への収斂を迅速に達成することができる。
【0022】
請求項記載の発明によると、フィードフォワード制御器はギャップが大きいときには小さな伝達関数及び/又は小さなゲインを選択し、ギャップが小さくなるにつれてより大きな伝達関数及び/又はゲインを選択する電磁アクチュエータの制御装置が提供される。
【0023】
ソレノイドのインダクタンス成分はギャップが大きいときには小さく、ギャップが小さくなるにつれて大きくなる。よって、ギャップが小さくなるにつれて実電流の立ち上がり応答性が悪くなるので、ギャップが小さくなるにつれて大きな伝達関数及び/又は大きなゲインを選択して目標電流をフィードフォワード制御することにより、ギャップの大小に関わらず実電流の立ち上がりに適度なオーバシュートを発生させることができ、実電流の立ち上がり応答性を向上することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、本発明のソレノイド駆動装置を適用可能なフロントエンジン・フロントドライブ(FF)車ベースの4輪駆動車両の動力伝達装置の概略図が示されている。
【0025】
図1に示すように、動力伝達系は、車両前方に配置されたエンジン2の動力がトランスミッション4の出力軸4aから伝達されるフロントデファレンシャル装置6と、このフロントデファレンシャル装置6からの動力がプロペラシャフト8を介して伝達される増速装置(変速装置)10と、増速装置10からの動力が伝達されるリヤデファレンシャル装置12を主に含んでいる。
【0026】
フロントデファレンシャル装置6は従来周知の構造となっており、トランスミッション4の出力軸4aからの動力をデフケース6a内の複数のギヤ14と出力軸16,18を介して左右の前輪駆動軸20,22に伝達することにより、各前輪が駆動される。
【0027】
リヤデファレンシャル装置12は、後で説明するように、一対のプラネタリギヤセットと、それぞれ多板ブレーキ機構(多板クラッチ機構)の締結を制御する一対の電磁アクチュエータを含んでおり、電磁アクチュエータを制御して左右の後輪駆動軸24,26に動力を伝達することにより、各後輪が駆動される。
【0028】
図2は増速装置(変速装置)10と、増速装置10の下流側に配置されたリヤデファレンシャル装置12の断面図を示している。増速装置10はケーシング28中に回転可能に取り付けられた入力シャフト30と、出力シャフト(ハイポイドピニオンシャフト)32を含んでいる。
【0029】
増速装置10は更に、オイルポンプサブアセンブリ34と、プラネタリキャリアサブアセンブリ38と、直結クラッチサブアセンブリ40と、変速ブレーキ42を含んでいる。
【0030】
増速装置10の下流側に設けられたリヤデファレンシャル装置12は、ハイポイドピニオンシャフト32の先端に形成されたハイポイドピニオンギヤ44を有している。
【0031】
ハイポイドピニオンギヤ44はハイポイドリングギヤ48と噛み合っており、ハイポイドリングギヤ48からの動力は左右に一対設けられたプラネタリギヤセット50A,50Bのリングギヤに入力される。
【0032】
プラネタリギヤセット50A,50Bのサンギヤは左側後ろ車軸24、右側後ろ車軸26周りに回転可能に取り付けられている。プラネタリギヤセット50A,50Bのプラネタリキャリアは、左側後ろ車軸24、右側後ろ車軸26に固定されている。プラネタリキャリアに担持されたプラネットギヤがサンギヤ及びリングギヤに噛み合っている。
【0033】
左右のプラネタリギヤセット50A,50Bは、サンギヤのトルクを可変制御するために設けられたブレーキ機構51(クラッチ機構)に連結される。ブレーキ機構(クラッチ機構)51は、湿式多板ブレーキ(クラッチ)52と、この多板ブレーキ(クラッチ)52を作動する電磁アクチュエータ56を含んでいる。
【0034】
湿式多板ブレーキ(クラッチ)52のブレーキ(クラッチ)プレートはケーシング54に固定され、ブレーキ(クラッチ)ディスクはプラネタリギヤセット50A,50Bのサンギヤに固定されている。
【0035】
電磁アクチュエータ56は、環状溝を有するリング状コア(ヨーク)58と、リング状コア58の環状溝中に挿入された環状ソレノイド60と、リング状コア58に所定のギャップを持って対向するリング状アーマチュア62と、アーマチュア62に連結された環状ピストン64とから構成される。
【0036】
ソレノイド60に電流を印加すると、アーマチュア62がソレノイド60によりコア58に引き付けられて推力が発生する。この推力により、アーマチュア62と一体に連結されたピストン64が多板ブレーキ(クラッチ)52を押し付けることで、ブレーキ(クラッチ)トルクが発生する。
【0037】
これにより、プラネタリギヤセット50A,50Bのサンギヤはそれぞれケーシング54に対して固定され、ハイポイドピニオンシャフト32の駆動力はプラネタリギヤセット50A,50Bのリングギヤ、プラネットギヤ、プラネットキャリアを介して左右の後ろ車軸24,26に伝達される。
【0038】
環状ソレノイド60に流す電流を制御することにより、入力シャフト30の駆動力を直結状態で或いは増速装置10で増速して、左右の後ろ車軸24,26に任意に分配することができ、最適な旋回制御を実現することができる。
【0039】
各ソレノイド60に隣接してサーチコイル66が取り付けられている。サーチコイル66でソレノイド60に通電した際の磁束の強さを検出し、検出した磁束の強さでギャップを推定し、それに見合ったフィードバック、フィードフォワード制御をソレノイド60に対して行う。
【0040】
図3を参照すると、本発明の電磁アクチュエータの制御装置の原理図が示されている。電磁アクチュエータは溝を有するコア部材と、コア部材の溝中に収容されたソレノイド60と、コア部材とギャップを持って対向するように配置されたアーマチュア部材を有している。
【0041】
電磁アクチュエータの制御装置は、フィードフォワード型2自由度制御系で構成されており、ソレノイド60の作動開始時にコア部材とアーマチュア部材との間の初期ギャップを検出する初期ギャップ検出手段70を含んでいる。初期ギャップ検出手段70は、ソレノイド作動停止時又は作動開始時にギャップを検出するか、これらの平均を取って初期ギャップとする。
【0042】
ソレノイド60を流れる実電流は電流検出手段72で検出される。目標電流(指令電流)は目標フィルタ74を介して減算器76に入力される。
【0043】
目標フィルタ74は実電流を目標電流で割り算することにより得られる一フィルタであり、目標フィルタの特性で制御装置全体の応答性が決定される。
【0044】
減算器76で目標フィルタ74を通過した目標電流から電流検出手段72で検出した実電流を減算し、その差分がPID制御器(フィードバック制御器)78に入力される。PID制御器78は実電流が目標電流に一致するようにフィードバック制御する。
【0045】
PID制御器78は、初期ギャップ検出手段70で検出した初期ギャップに応じて、積分項定数を変更する。例えば、予め設定されている複数の積分項定数のうちから、初期ギャップに応じて一つを選択する。
【0046】
フィードフォワード制御器80は目標電流をフィードフォワード制御する。即ち、フィードフォワード制御器80は初期ギャップ検出手段70で検出した初期ギャップに応じて、伝達関数及びゲインを変更して目標電流をフィードフォワード制御する。
【0047】
例えば、フィードフォワード制御器80は初期ギャップに応じて、予め設定されている複数の伝達関数及び複数のゲインのうちからそれぞれ一つを選択する。
【0048】
PID制御器78の出力とフィードフォワード制御器80の出力は加算器82で加算されて、その和がパルス幅変調(PWM)デューティ信号生成手段(ソレノイド駆動信号生成手段)84に入力される。
【0049】
PWMデューティ信号生成手段84は、PID制御器78及びフィードフォワード制御器80の出力の和に基づいてPWMデューティ信号(ソレノイド駆動信号)を生成し、このPWMデューティ信号に基づいてソレノイド60を駆動する。
【0050】
ソレノイド60に実電流が流されると、図2に示した電磁アクチュエータ56のアーマチュア62がソレノイド60によりコア58に引き付けられて推力が発生する。この推力により、アーマチュア62と一体に連結されたピストン64が多板ブレーキ(クラッチ)52を押し付けることで、ブレーキ(クラッチ)トルクが発生する。
【0051】
図4を参照して、本発明実施形態のPID制御器78の構成について説明する。PID制御器78は、比例項定数86と、5個の積分項定数88#1〜88#5と、微分項定数100を有している。
【0052】
比例項定数86の値は例えば2である。積分項定数88#1及び88#2の値は0.6であり、積分項定数88#3の値は0.5であり、積分項定数88#4及び88#5の値は0.33である。
【0053】
積分項定数88#1は初期ギャップ大の時に適用され、初期ギャップが小さくなるにつれて積分項定数88#2〜88#5が適用される。勿論、5つの積分項定数88#1〜88#5の値を異なる値に設定してもよい。
【0054】
PID制御器78は、更に微分項定数100を有している。本実施形態では、この微分項定数100の値が0であるので、実際には微分項制御は行っていない。
【0055】
サーチコイル66で検出した磁束強度は、磁束強度と初期ギャップとを対応付けたマップ90により初期ギャップに変換され、この初期ギャップに対応してマルチポイント・スイッチ92により何れかの積分項定数88#1〜88#5が選択される。
【0056】
目標電流は目標フィルタ74を介して減算器76に入力され、この減算器76で目標電流から実電流が減算されて、その差がPID制御器78に入力される。
【0057】
PID制御器78の比例項の演算では、減算器76の出力に比例項定数2が掛けられてその積が加算器106に入力される。積分項の演算では、減算器76の出力に初期ギャップに応じて選択された積分項定数、例えば0.6が掛けられてその積が加算器94に入力される。
【0058】
加算器94ではマルチポイント・スイッチ92から出力される今回の値と前回の値98が加算されて、その和がリミッタ96を介して加算器106に入力される。
【0059】
微分項の演算では、減算器76の出力に微分項定数0が掛けられて、その積から減算器102で前回の値104が減算され、その差が加算器106に入力される。上述したように、本実施形態では微分項定数100の値が0であるので、微分項演算は行っていない。
【0060】
加算器106では比例項の値、積分項の値及び微分項の値が加算されて、その和がリミッタ108を介して出力される。
【0061】
本実施形態のPID制御器78では、初期ギャップが大きいときには大きな積分項定数を設定し、初期ギャップが小さくなるにつれて積分項定数を段階的に小さくなるように設定している。このような設定値は予め実験により学習した学習値に基づいている。
【0062】
このように、検出した初期ギャップに応じて最適の積分項定数を選択しているため、PWM駆動時の実電流の立ち上がり応答性を向上できると共に、目標電流への収斂を迅速に達成することができる。
【0063】
図5は本発明実施形態のフィードフォワード制御器80の構成を示している。フィードフォワード制御器80は5つの伝達関数110#1〜110#5と、5つのゲイン116#1〜116#5を有している。
【0064】
伝達関数110#1〜110#5はその値が小さい順に並べられ、初期ギャップが大きいときには1番小さな伝達関数110#1が選択され、初期ギャップが小さくなるにつれて伝達関数110#2〜110#5が選択される。
【0065】
同様に、ゲイン116#1〜116#5はその値が小さい順に並べられ、初期ギャップが大きいときには1番小さなゲイン116#1が適用され、初期ギャップが小さくなるにつれてゲイン116#2〜116#5が適用される。
【0066】
サーチコイル66で検出した磁束強度は、磁束強度―初期ギャップ変換マップ112で初期ギャップに変換される。この初期ギャップに基づいて、マルチポイント・スイッチ114が最適な伝達関数、例えば伝達関数110#2を選択し、マルチポイント・スイッチ118が伝達関数110#2に対応するゲイン116#2を選択する。
【0067】
目標電流値に選択された伝達関数110#2が掛けられて、その積が乗算器120に供給される。同様に、目標電流値に選択されたゲイン116#2が掛けられて、その積が乗算器120に供給される。乗算器120では伝達関数110#2とゲイン116#2が掛け合わされて、その積がリミッタ122を介して出力される。
【0068】
乗算器120の出力と図4に示した加算器106の出力は図3の加算器82に供給されて加算され、その和に基づいてPWMデューティ信号生成手段84でPWMデューティ信号が生成される。
【0069】
本実施形態のフィードフォワード制御器80では、初期ギャップが大きいときに小さな伝達関数及び小さなゲインを選択し、多板ブレーキ52が磨耗されて初期ギャップが小さくなるにつれてより大きな伝達関数及びゲインを選択する。
【0070】
ソレノイド60のインダクタンス成分は初期ギャップが大きいときには小さく、多板ブレーキ52が磨耗されて初期ギャップが小さくなるにつれてインダクタンス成分は大きくなる。
【0071】
よって、初期ギャップが小さくなるにつれて実電流の立ち上がり応答性が悪くなるので、本実施形態では初期ギャップが小さくなるにつれて大きな伝達関数及び大きなゲインを選択して、目標電流をフィードフォワード制御する。
【0072】
このように制御することにより、初期ギャップの大小にかかわらず実電流の立ち上がり応答性を向上することができる。
【0073】
以上説明した実施形態では、PID制御器78は複数の積分項定数のうちから初期ギャップに応じた最適値を選択し、フィードフォワード制御器80では複数の伝達関数及びゲインのうちから初期ギャップに応じた最適な伝達関数及びゲインを選択している。
【0074】
本発明の電磁アクチュエータの制御装置は、上述した実施形態に限定されるものではなく、フィードフォワード制御器80の伝達関数及びゲインはそれぞれ一つの設定値に固定し、PID制御器78の積分項定数を初期ギャップに応じて変化させてもよい。
【0075】
同様に、PID制御器78の積分項定数は一つの値に固定し、フィードフォワード制御器80の伝達関数及びゲインを初期ギャップに応じて変更するようにしてもよい。
【0076】
図6は指示トルク0−120kgf・mの時の本発明実施形態とフィードバック制御のみの従来例の電流立ち上がり特性を示している。曲線Aは初期ギャップ1.4mmの時の、曲線Bは初期ギャップ0.4mmの時の本発明の電流立ち上がり特性を示している。一方、曲線Cは初期ギャップ1.4mmの時の、曲線Dは初期ギャップ0.4mmの時の従来方法の電流立ち上がり特性をそれぞれ示している。
【0077】
図6から明らかなように、電流が目標電流の80%、即ち0.8Aに立ち上がるまでの時間は曲線A,Bとも約50msecであり、従来方法の電流立ち上がり特性の曲線C及びDに比較して明らかに立ち上がり応答性に優れている。
【0078】
更に、初期ギャップが小さくなるにつれて大きなフィードフォワード制御量を与えて大きなオーバシュートが発生するように制御することにより、初期ギャップの大小に関わらず同様に改善された実電流の立ち上がり応答性を得ることができる。実電流を速やかに立ち上げた後は、フィードバック制御により迅速に目標電流に近づけることができる。
【0079】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、フィードバック制御器はギャップ検出手段で検出したギャップに応じて、積分項定数を変更するようにしたので、実電流の立ち上がり特性を改善できるとともにフィードバック制御により定常状態への収斂を迅速に達成することができる。
【0080】
請求項2の発明によると、フィードフォワード制御器の伝達関数及び/又はゲインをギャップに応じて変更するので、実電流の立ち上がりに適度なオーバーシュートを発生させることができ、ギャップに応じて実電流の立ち上がり特性を向上することができる。よって、請求項2の発明では、請求項1の発明の効果と相俟ってよりきめ細かく実電流の立ち上がり応答性を向上することができる。
【0081】
請求項3の発明によると、検出したギャップに応じて最適の積分項定数を選択しているため、実電流の立ち上がり応答性を向上できると共に、目標電流への収斂を迅速に達成することができる。
【0082】
請求項4の発明によると、フィードフォワード制御器の伝達関数及び/又はゲインをギャップに応じて変更するようにしたので、実電流の立ち上がりに適度なオーバーシュートを発生させることができ、実電流の立ち上がり応答性を向上することができる。
【0083】
ソレノイドのインダクタンス成分はギャップが大きいときには小さく、ギャップが小さくなるにつれて大きくなる。よって、ギャップが小さくなるにつれて実電流の立ち上がり応答性が悪くなるので、請求項5の発明ではギャップが小さくなるにつれて大きな伝達関数及び/又は大きなゲインを選択するようにしたので、実電流の立ち上がりに適度なオーバシュートを発生させることができ、実電流の立ち上がり応答性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4輪駆動車両の動力伝達系を示す概略図である。
【図2】増速装置(変速装置)及びリヤデファレンシャル装置の断面図である。
【図3】本発明の電磁アクチュエータの制御装置の原理構成を示すブロック図である。
【図4】本発明実施形態のPID制御器の構成を示す図である。
【図5】本発明実施形態のフィードフォワード制御器の構成を示す図である。
【図6】指示トルク0−120kgf・mの時の本発明と従来例の電流立ち上がり特性を示す図である。
【符号の説明】
10 増速装置(変速装置)
12 リヤデファレンシャル装置
24,26 後ろ車軸
30 入力シャフト
32 出力シャフト(ハイポイドピニオンシャフト)
50A,50B プラネタリギヤセット
51 ブレーキ機構
52 湿式多板ブレーキ
56 電磁アクチュエータ
58 コア(ヨーク)
60 環状ソレノイド
62 アーマチュア
66 サーチコイル
70 初期ギャップ検出手段
72 電流検出手段
74 目標フィルタ
78 PID制御器
80 フィードフォワード制御器
84 PWMデューティ信号生成手段

Claims (2)

  1. 溝を有するコア部材と、該コア部材の前記溝中に収容されたソレノイドと、前記コア部材とギャップを持って対向するように配置されたアーマチュア部材とを有する電磁アクチュエータの制御装置であって、
    前記コア部材と前記アーマチュア部材との間のギャップを検出する手段と、
    前記ソレノイドを流れる実電流を検出する電流検出手段と、
    実電流が目標電流に一致するようにフィードバック制御するフィードバック制御器と、
    目標電流をフィードフォワード制御するフィードフォワード制御器と、
    前記フィードバック制御器及び前記フィードフォワード制御器の出力に基づいてソレノイド駆動信号を生成するソレノイド駆動信号生成手段とを具備し、
    前記フィードバック制御器はギャップが大きいときには大きな積分項定数を選択し、ギャップが小さくなるにつれてより小さな積分項定数を選択することを特徴とする電磁アクチュエータの制御装置。
  2. 前記フィードフォワード制御器はギャップが大きいときには小さな伝達関数及び/又は小さなゲインを選択し、ギャップが小さくなるにつれてより大きな伝達関数及び/又はゲインを選択する請求項記載の電磁アクチュエータの制御装置。
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