JP2012072801A - 車両用無段変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダウンシフトの変速応答性を向上させつつ、たとえハンチングが発生しても速やかに収束可能な車両用無段変速機の変速制御装置を提供する。
【解決手段】ダウンシフトの変速指令があった場合、実入力回転数が目標入力回転数より所定値以上オーバーシュートした後、実入力回転数が目標入力回転数より所定値以上アンダーシュートした時にハンチングと判定し、判定後アップシフト用のフィードバックゲインを判定前のフィードバックゲインより小さいハンチング用ゲインに切り替え、オーバーシュート量を抑制する。ハンチングが収束したと判定されると、ハンチング用ゲインを判定前のフィードバックゲインに戻す。ハンチングが発生した時だけアップシフトゲインを修正してオーバーシュートを抑制し、ハンチングが収束すれば元のアップシフトゲインに戻すため、ダウンシフトの変速応答性を犠牲にせずに速やかにハンチングが収束する。
【選択図】 図5
【解決手段】ダウンシフトの変速指令があった場合、実入力回転数が目標入力回転数より所定値以上オーバーシュートした後、実入力回転数が目標入力回転数より所定値以上アンダーシュートした時にハンチングと判定し、判定後アップシフト用のフィードバックゲインを判定前のフィードバックゲインより小さいハンチング用ゲインに切り替え、オーバーシュート量を抑制する。ハンチングが収束したと判定されると、ハンチング用ゲインを判定前のフィードバックゲインに戻す。ハンチングが発生した時だけアップシフトゲインを修正してオーバーシュートを抑制し、ハンチングが収束すれば元のアップシフトゲインに戻すため、ダウンシフトの変速応答性を犠牲にせずに速やかにハンチングが収束する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、車両用無段変速機の変速制御装置、特にダウンシフト時の変速フィーリングを改善するための装置に関するものである。
従来、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間にベルトを巻き掛け、プライマリプーリの油室への供給油量を変速制御弁で流量制御することによって、プーリ比(変速比)を制御すると共に、セカンダリプーリの油室への供給油圧を圧力制御弁で圧力制御することによって、ベルト挟圧を制御するベルト式無段変速機が知られている。
一般に、無段変速機の変速制御は、アクセル開度と車速とに基づき目標入力回転数を決定し、実入力回転数が目標入力回転数に一致するように変速比を制御するものである。ところが、図6に示すように、時刻t1でアクセルペダルを急激に踏み込んだときのように急速なダウンシフト変速指令があった場合には、目標入力回転数Ntもステップ状に上昇するので、その目標入力回転数Ntに実入力回転数Naを追従させようとプライマリプーリ油室の作動油を急激に排出することになる。そのため、図6に破線で示すように、実入力回転数Na1が目標入力回転数Ntを上回る状態(オーバーシュート)と下回る状態(アンダーシュート)とを繰り返すハンチングが発生することがある。このようなハンチングを抑制するため、変速制御用のゲイン設定を低くすると、図6に一点鎖線で示すように実入力回転数Na2の目標入力回転数Ntへの追従性が遅れ、変速応答性が悪化してしまう。
特許文献1には、上述のような変速ハンチングを抑制するための無段変速機の変速制御装置が開示されている。この変速制御装置では、運転者の急加速要求があったとき、目標入力回転数をステップ的に増大させた第1目標入力回転数となるように変速比をフィードバック制御した後、その第1目標入力回転数から最終目標入力回転数へと徐々に増大させる第2目標入力回転数となるように変速比をフィードバック制御している。そして、第2目標入力回転数と実回転数との偏差に基づいてフィードバックの比例ゲインを算出し、第2目標入力回転数へのフィードバック制御開始後のフィードバック制御量を比例ゲインに基づいて求めるものである。
ところが、この制御方法では、目標入力回転数を第1目標入力回転数へステップ的に上昇させた後、第2目標入力回転数を徐々に上昇させるため、変速応答性を犠牲にするという問題がある。変速応答性を高めるためには、第2目標入力回転数の勾配を大きくする必要があるが、これでは制御ばらつきや経時変化等によってオーバーシュートやハンチングが発生する懸念がある。
特許文献2では、目標入力回転数と実入力回転数との偏差に応じてフィードバック制御する際に、そのゲインを上記偏差に応じて可変とし、所定偏差以下では偏差の増大に応じてゲインを増大させ、所定変化以上ではゲインの増大率を制限する変速制御装置が開示されている。
特許文献2の場合も、特許文献1と同様に、最終的な目標入力回転数に到達するまで過渡的な目標入力回転数に設定されるが、過渡的な目標入力回転数の勾配によっては変速応答性が低下するし、制御バラツキなどの影響によってオーバーシュートやハンチングが発生する可能性がある。
本発明の目的は、ダウンシフトの変速応答性を向上させつつ、たとえハンチングが発生しても速やかに収束させることができる車両用無段変速機の変速制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、少なくともアクセル開度と車速とに基づいて目標入力回転数を決定し、実入力回転数が目標入力回転数に一致するように変速比を制御する車両用無段変速機において、ダウンシフトの変速指令があった場合に、実入力回転数が目標入力回転数より所定値以上オーバーシュートした後、実入力回転数が目標入力回転数より所定値以上アンダーシュートした時にハンチングと判定するハンチング判定手段と、前記ハンチング判定後、アップシフト用のフィードバックゲインをハンチング判定前のフィードバックゲインより小さいハンチング用ゲインに切り替え、実入力回転数の目標入力回転数に対するオーバーシュート量を抑制するゲイン切替手段と、前記ハンチングが収束したと判定された場合に、前記ハンチング用ゲインをハンチング判定前のフィードバックゲインに戻す解除手段と、を備えた車両用無段変速機の変速制御装置を提供する。
無段変速機においては、一般にハンチングの発生率は非常に低く、車両によっては全く発生しない場合もある。このような稀にしか発生しないハンチングを防ぐために、従来のようなフィードバックゲインを目標入力回転数と実入力回転数との偏差に応じて変更したり、目標入力回転数を段階的に変化させるといった制御を行うことは、過剰な対策であって、かえって変速応答性を犠牲にするという問題がある。そこで、本発明は、ハンチングが発生した時だけアップシフトゲインを修正してオーバーシュートを抑制し、ハンチングが収束すれば元のアップシフトゲインに戻すことで、ダウンシフトの変速応答性を犠牲にせずに速やかにハンチングを解消することを特徴としている。
本発明では、ダウンシフトの変速指令があった場合に、まず実入力回転数が目標入力回転数より所定値以上オーバーシュートした後、実入力回転数が目標入力回転数より所定値以上アンダーシュートしたかどうかを判定し、オーバーシュートとアンダーシュートの両方が発生した場合にハンチングと判定する。ハンチング判定後、アップシフト用のフィードバックゲインをハンチング判定前のフィードバックゲインより小さいハンチング用ゲインに切り替える。これによって、ハンチング判定後に実入力回転数が目標入力回転数を上回るオーバーシュートが発生しても、アップシフトゲインが小さい分だけオーバーシュート量を抑制でき、ハンチングを収束させることができる。ハンチングが収束したと判定された場合には、ハンチング用ゲインをハンチング判定前のフィードバックゲインに戻すことで、それ以後のダウンシフト時には通常のフィードバックゲインを用いて変速することができる。
このようにアップシフトゲインのみ小さくすることで、ダウンシフト追従性は高いまま、アップシフト応答を抑えるので、変速ハンチングを収束させることができる。ハンチング収束の判定条件としては、例えばアンダーシュート量が所定量以下のまま所定時間が経過した場合や、次の急変速指示があった場合、制御開始から所定時間経過した場合などがある。
無段変速機の変速制御を実施する油圧制御装置としては種々の形式のものが知られている。このうち、プライマリプーリの油室へ作動油を給排する変速制御弁と、指示デューティ比に応じてプライマリプーリの油室へ作動油を供給する方向に変速制御弁を制御するための信号圧を発生するダウンシフト用デューティソレノイド弁と、指示デューティ比に応じてプライマリプーリの油室の作動油を排出する方向に変速制御弁を制御するための信号圧を発生するアップシフト用デューティソレノイド弁と、を用いたものがある。この油圧制御装置の場合、2個のソレノイド弁によってアップシフト/ダウンシフトを制御するため、制御ばらつきの影響を受けやすく、ハンチングが発生しやすい。本発明は、このような油圧制御装置に適用した場合に効果的である。特に、ダウンシフト用デューティソレノイド弁の制御ゲインを変更せず、アップシフト用デューティソレノイド弁の制御ゲインをハンチング発生時のみ切り替えればよいので、制御が簡単になる。なお、変速制御弁は単一の弁である必要はなく、例えばプライマリプーリの油室へ作動油を供給するアップシフト用変速制御弁と、プライマリプーリの油室の作動油を排出するダウンシフト用変速制御弁とを個別に設け、これら変速制御弁にそれぞれデューティソレノイド弁から信号圧を入力してもよい。
以上のように、本発明によれば、ダウンシフト時にハンチングが発生した場合に、アップシフトゲインのみを一時的に小さくしたので、ダウンシフト追従性は高いまま、変速ハンチングを速やかに収束させることができる。ハンチングが発生しない状況では、変速追従性のよい変速ができるので、変速フィーリングを損なうことがない。
図1は本発明に係る無段変速機を搭載した車両の構成の一例を示す。エンジン1の出力軸1aは、無段変速機2を介してドライブシャフト(出力軸)32に接続されている。無段変速機2には、トルクコンバータ3、変速装置4、油圧制御装置7及びエンジン1により駆動されるオイルポンプ6などが設けられている。
無段変速機2は、トルクコンバータ3のタービン軸5の回転を正逆切り替えてプライマリ軸10に伝達する前後進切替装置8、プライマリプーリ11、セカンダリプーリ21及び両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15を有する変速装置4、セカンダリ軸20の動力をドライブシャフト32に伝達するデファレンシャル装置30などで構成されている。タービン軸5とプライマリ軸10とは同一軸線上に配置され、セカンダリ軸20とドライブシャフト32とがタービン軸5に対して平行でかつ非同軸に配置されている。したがって、この無段変速機2は全体として3軸構成とされている。ここで用いられるVベルト15は、公知の圧縮駆動タイプの金属ベルトである。
前後進切替装置8は、遊星歯車機構80と逆転ブレーキB1と直結クラッチC1とで構成されている。逆転ブレーキB1と直結クラッチC1は、それぞれ湿式多板式のブレーキ及びクラッチである。遊星歯車機構80のサンギヤ81が入力部材であるタービン軸5に連結され、リングギヤ82が出力部材であるプライマリ軸10に連結されている。遊星歯車機構80はシングルピニオン方式であり、逆転ブレーキB1はピニオンギヤ83を支えるキャリア84とトランスミッションケースとの間に設けられ、直結クラッチC1はキャリア84とサンギヤ81との間に設けられている。直結クラッチC1を解放して逆転ブレーキB1を締結すると、タービン軸5の回転が逆転され、かつ減速されてプライマリ軸10へ伝えられ、セカンダリ軸20を経てドライブシャフト32がエンジン回転方向と同方向に回転するため、前進走行状態となる。逆に、逆転ブレーキB1を解放して直結クラッチC1を締結すると、キャリア84とサンギヤ81とが一体に回転するので、タービン軸5とプライマリ軸10とが直結され、セカンダリ軸20を経てドライブシャフト32がエンジン回転方向と逆方向に回転するため、後進走行状態となる。
プライマリプーリ11は、プライマリ軸10上に一体に形成された固定シーブ11aと、プライマリ軸10上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ11bとを備えている。可動シーブ11bの背後には、プライマリ軸10に固定されたシリンダ12が設けられ、可動シーブ11bとシリンダ12との間に油室13が形成されている。油室13に供給される作動油を、後述するレシオコントロール弁76,77で流量制御することにより、変速制御が実施される。
セカンダリプーリ21は、セカンダリ軸20上に一体に形成された固定シーブ21aと、セカンダリ軸20上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ21bとを備えている。可動シーブ21bの背後には、セカンダリ軸20に固定されたピストン22が設けられ、可動シーブ21bとピストン22との間に油室23が形成されている。この油室23への供給油圧(セカンダリ圧)を制御することにより、トルク伝達に必要なベルト挟圧力が与えられる。なお、油室23には初期挟圧力を与えるバイアススプリング24が配置されている。
セカンダリ軸20の一方の端部はエンジン側に向かって延び、この端部に出力ギヤ27が固定されている。出力ギヤ27はデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合っており、デファレンシャル装置30から左右に延びるドライブシャフト32に動力が伝達され、車輪が駆動される。
無段変速機2は電子制御装置100(図1参照)によって制御される。電子制御装置100には、エンジン回転数センサ101、車速(又はセカンダリプーリ回転数)センサ102、スロットル開度(又はアクセル開度)センサ103、シフトポジションセンサ104、プライマリプーリ回転数センサ105、ブレーキ信号センサ106、CVTの作動油温センサ107、及びセカンダリ圧を検出する油圧センサ108からそれぞれ検出信号が入力されている。入力信号として、その他の信号を入力してもよいことは勿論である。プライマリプーリ回転数センサ105及び車速センサ102の検出信号により、プーリ比を検出できる。
電子制御装置100は、油圧制御装置7に内蔵された複数のソレノイド弁を制御することで、ライン圧制御、プライマリプーリ11の油室13の流量制御(変速制御)、セカンダリプーリ21の油室23の油圧制御(ベルト挟圧制御)、逆転ブレーキB1及び直結クラッチC1の油圧制御などを実施する。電子制御装置100には図2に示すような変速マップが設定されており、車速とアクセル開度とに応じて目標入力回転数を決定し、油圧制御装置7内のソレノイド弁を制御することによって、プライマリプーリ11の油室13への供給油量を制御し、実入力回転数を目標入力回転数に近づくようにフィードバック制御している。また、エンジントルクと変速比とからベルト伝達トルクを求め、ベルト滑りを発生させない最低限のベルト挟圧力となるように、セカンダリプーリ21の油室23への供給油圧(セカンダリ圧)を目標値へとフィードバック制御している。この際、油圧センサ108で実際のセカンダリ圧が検出される。
図3は油圧制御装置7における変速制御のための油圧回路の一例を示す。DS1,DS2はいずれも常閉型のデューティソレノイド弁である。両ソレノイド弁DS1,DS2には一定圧であるソレノイドモジュレータ圧が常時供給され、電子制御装置100から入力される指示デューティ比に応じた信号圧Pds1、Pds2 を発生する。この実施例では、ソレノイド弁DS1はアップシフト用、ソレノイド弁DS2はダウンシフト用である。
ソレノイド弁DS1,DS2の発生する信号圧Pds1 、Pds2 は、変速制御弁であるアップシフト用レシオコントロール弁76及びダウンシフト用レシオコントロール弁77にそれぞれ供給されている。アップシフト用レシオコントロール弁77の入力ポートにはライン圧PLが供給され、出力ポートがプライマリプーリ11の油室13と接続されている。一方、ダウンシフト用レシオコントロール弁76の入力ポートはプライマリプーリ11の油室13と接続され、出力ポートはドレーンに接続されている。
アップシフト用ソレノイド弁DS1の信号圧Pds1 は両方のレシオコントロール弁76、77の一方側に供給され、プライマリプーリ11の油室13に作動油を供給する方向にレシオコントロール弁76、77を制御している。一方、ダウンシフト用ソレノイド弁DS2の信号圧Pds2は両方のレシオコントロール弁76、77に対して信号圧Pds1 と対向方向に供給され、プライマリプーリ11の油室13の作動油を排出する方向にレシオコントロール弁76、77を制御している。
ここで、本発明の変速制御装置の作動を、図4を参照して説明する。図4はダウンシフト時における無段変速機の入力回転数(プライマリプーリの回転数)の時間変化を示したものであり、特にハンチングが発生した場合の例である。時刻t1でアクセルペダルが急激に踏み込まれると、そのアクセル開度に応じた目標入力回転数Ntが決定され、目標入力回転数がステップ的に上昇する。そのため、実入力回転数Naが目標入力回転数Ntに近づくように、走行条件に応じて設定されたフィードバックゲインを用いて変速が実施される。
変速当初は実入力回転数Naが目標入力回転数Ntより低いので、ダウンシフト用ソレノイド弁DS2が駆動され、アップシフト用レシオコントロール弁77の入力ポートと出力ポートとの間を閉じると共に、ダウンシフト用レシオコントロール弁76の入力ポートと出力ポートとの間を開き、プライマリプーリ11の油室13から作動油をドレーンさせる。これにより、プライマリプーリ11のベルト巻き掛け径が小さくなり、ダウンシフトされる。その時のプライマリプーリ11の実回転数をプライマリプーリ回転数センサ105で検出し、目標入力回転数と実入力回転数との偏差とダウンシフト用のフィードバックゲインとを用いてダウンシフト用ソレノイド弁DS2への指示デューティ比が決定される。つまり、実入力回転数Naが目標入力回転数Ntに近づくようにダウンシフトされる。
目標入力回転数に対して、実入力回転数が下回っている状態から上回る状態(オーバーシュート)に変化した時点(t2)でタイマがカウントを開始する。時刻t2で、実入力回転数と目標入力回転数とが逆転するので、アップシフト用ソレノイド弁DS1が駆動され、アップシフト用レシオコントロール弁77の入力ポートと出力ポートとの間を開くと共に、ダウンシフト用レシオコントロール弁76の入力ポートと出力ポートとの間を閉じ、プライマリプーリ11の油室13へ作動油を供給する。そして、目標入力回転数と実入力回転数との偏差とアップシフト用のフィードバックゲインとを用いてアップシフト用ソレノイド弁DS1への指示デューティ比を決定し、実入力回転数Naが目標入力回転数Ntに近づくようにアップシフトする。
やがて、時刻t3で最大オーバーシュート回転Voに達した後、実入力回転数Naは目標入力回転数Ntに向かって低下し、時刻t4で実入力回転数が目標入力回転数を下回る状態(アンダーシュート)に変化する。そのため、上述のt1〜t2と同じく、目標入力回転数と実入力回転数との偏差とダウンシフト用のフィードバックゲインとを用いてダウンシフト用ソレノイド弁DS2への指示デューティ比を決定し、実入力回転数Naが目標入力回転数Ntに近づくようにダウンシフトする。
時刻t5で最大アンダーシュート回転Vuに達した後、実入力回転数Naは目標入力回転数Ntに向かって上昇し、時刻t6で実入力回転数が目標入力回転数を上回る状態(オーバーシュート)に変化する。そこで、カウント開始時t2から時刻t6までの時間Δtが所定時間内であって、かつ最大オーバーシュート回転Voと最大アンダーシュート回転Vuとが共に所定値以上であると判定された時、「変速ハンチング」と判定する。すなわち、
T1<Δt≦T2 (T1,T2:所定時間)
Vo≧A, |Vu|≧B (A,B:所定値)
T1は例えばカウント開始t2から最大オーバーシュート回転Voに達する(t3)までの時間であり、T2は例えばハンチングの1周期分の時間に基づいて決定され、例えば0.5〜1sec程度である。所定値A,Bは同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
T1<Δt≦T2 (T1,T2:所定時間)
Vo≧A, |Vu|≧B (A,B:所定値)
T1は例えばカウント開始t2から最大オーバーシュート回転Voに達する(t3)までの時間であり、T2は例えばハンチングの1周期分の時間に基づいて決定され、例えば0.5〜1sec程度である。所定値A,Bは同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
時刻t6で「変速ハンチング」と判定した場合には、t6以後に行うアップシフトにおいて、アップシフト用のフィードバックゲインを変速ハンチング専用のフィードバックゲインに修正する。具体的には、アップシフトゲインを小さくする。その結果、アップシフトゲインを小さくしない場合であれば図4の破線で示すように大きくオーバーシュートするような状況であっても、アップシフトゲインを小さくすることで、図4の実線で示すようにオーバーシュートを抑制でき、ハンチングを収束させることができる。
なお、ハンチングが収束したと判断された場合には、「変速ハンチング」判定を解除し、アップシフトゲインを変速ハンチング判定前の値に戻す。具体的には、アンダーシュート量が所定量以下のまま所定時間以上経過した場合、次の急変側指示があった場合、ハンチング判定開始から所定時間以上経過した場合などがある。
次に、本発明にかかる変速制御方法の一例を図5に従って説明する。まず最初に、アクセル開度や車速に基づいて目標入力回転数を決定する(ステップS1)。次に、オーバーシュートを検出したか否かを判定し(ステップS2)、続いてアンダーシュートを検出したか否かを判定する(ステップS3)。オーバーシュートの検出及びアンダーシュートの検出は、それぞれ最大オーバーシュート量Vo及び最大アンダーシュート量Vuが所定値以上であるかどうかで判定する。ステップS2、S3の判定において、いずれか一方でも否定された場合には、通常のフィードバックゲインを用いて変速する(ステップS4)。次に、ハンチング判定を実施する(ステップS5)。この判定は、カウント開始時t2から時刻t6までの時間Δtが所定時間内であって、かつ最大オーバーシュート回転Voと最大アンダーシュート回転Vuとが共に所定値以上であると判定された時、「変速ハンチング」と判定する。もし、変速ハンチングと判定されない場合には、通常のフィードバックゲインを用いて変速し(ステップS4)、変速ハンチングと判定された場合には、アップシフトゲインをハンチング用ゲインに切り替えて変速する(ステップS6)。次に、ハンチングが収束したか否かを判定する(ステップS7)。収束していない場合には、ステップS6を繰り返し、収束している場合には、アップシフトゲインをハンチング判定前(通常)のアップシフトゲインに戻して変速を実施する(ステップS8)。
前記実施例では、変速制御弁としてアップシフト用レシオコントロール弁76とダウンシフト用レシオコントロール弁77の2個の変速制御弁を用いたが、1個の流量制御弁で構成することもできる。また、アップシフト用及びダウンシフト用のデューティソレノイド弁DS1,DS2の信号圧を、2個の変速制御弁76,77の両端にそれぞれ入力したが、特許文献1に示されるように、アップシフト用デューティソレノイド弁DS1の信号圧をアップシフト用変速制御弁76に入力し、ダウンシフト用デューティソレノイド弁DS2の信号圧をダウンシフト用変速制御弁77に入力することもできる。
1 エンジン
2 無段変速機
7 油圧制御装置
11 プライマリプーリ
13 プライマリ油室
21 セカンダリプーリ
23 セカンダリ油室
76 アップシフト用レシオコントロール弁(変速制御弁)
77 ダウンシフト用レシオコントロール弁(変速制御弁)
100 電子制御装置
DS1 アップシフト用デューティソレノイド弁
DS2 ダウンシフト用デューティソレノイド弁
2 無段変速機
7 油圧制御装置
11 プライマリプーリ
13 プライマリ油室
21 セカンダリプーリ
23 セカンダリ油室
76 アップシフト用レシオコントロール弁(変速制御弁)
77 ダウンシフト用レシオコントロール弁(変速制御弁)
100 電子制御装置
DS1 アップシフト用デューティソレノイド弁
DS2 ダウンシフト用デューティソレノイド弁
Claims (1)
- 少なくともアクセル開度と車速とに基づいて目標入力回転数を決定し、実入力回転数が目標入力回転数に一致するように変速比を制御する車両用無段変速機において、
ダウンシフトの変速指令があった場合に、実入力回転数が目標入力回転数より所定値以上オーバーシュートした後、実入力回転数が目標入力回転数より所定値以上アンダーシュートした時にハンチングと判定するハンチング判定手段と、
前記ハンチング判定後、アップシフト用のフィードバックゲインをハンチング判定前のフィードバックゲインより小さいハンチング用ゲインに切り替え、実入力回転数の目標入力回転数に対するオーバーシュート量を抑制するゲイン切替手段と、
前記ハンチングが収束したと判定された場合に、前記ハンチング用ゲインをハンチング判定前のフィードバックゲインに戻す解除手段と、を備えた車両用無段変速機の変速制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010216691A JP2012072801A (ja) | 2010-09-28 | 2010-09-28 | 車両用無段変速機の変速制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010216691A JP2012072801A (ja) | 2010-09-28 | 2010-09-28 | 車両用無段変速機の変速制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012072801A true JP2012072801A (ja) | 2012-04-12 |
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ID=46169192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010216691A Pending JP2012072801A (ja) | 2010-09-28 | 2010-09-28 | 車両用無段変速機の変速制御装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2012072801A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015148311A (ja) * | 2014-02-07 | 2015-08-20 | ジヤトコ株式会社 | 無段変速機の制御装置 |
JP2016166665A (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | ダイハツ工業株式会社 | 無段変速機の制御装置 |
KR102261482B1 (ko) * | 2019-12-10 | 2021-06-07 | 주식회사 현대케피코 | 무단 변속기의 킥다운 시프트 직후 구동 풀리 제어 압력 보정 방법 및 장치 |
-
2010
- 2010-09-28 JP JP2010216691A patent/JP2012072801A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015148311A (ja) * | 2014-02-07 | 2015-08-20 | ジヤトコ株式会社 | 無段変速機の制御装置 |
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