JP4067388B2 - 放熱板付きリードフレーム固定用接着基材 - Google Patents

放熱板付きリードフレーム固定用接着基材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放熱板付きリードフレーム固定用接着基材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体チップの高集積化にともない、リードフレームとチップのワイヤーボンディングの際に、高い位置精度が要求され、これを解決するためにインナーリードフレームの外枠を熱硬化性接着剤が使用された耐熱性テープで固定するという方法が用いられている。しかしながら、この方法ではワイヤーボンディングの際に接着剤よりアウトガスが発生し、リードフレームを汚染する問題がある。また、更なるチップの他ピン化に伴うリードフレーム先端の狭いピッチ化へ適応する場合、つまり、リードフレームがばらつかないように先端を固定する必要がある場合、この方法ではリードフレームの先端固定には適用が困難であった。
【0003】
一方、チップの発熱による回路の誤動作や信頼性低下が問題となっており、これらを防止する方法として、熱伝導率の良い金属等を放熱板としてダイパッド、及びインナーリードの裏面に接着してチップで発生する熱を外部に放熱させるヒートスプレッダー付きパッケージが開発され実用化されている。
【0004】
放熱板の接着は、両面接着剤付きフィルム、もしくは塗布タイプの接着剤を用い、ダイパッド裏面やインナーリードのボンディング面と反対面に貼り付けられている。しかしながら、両面接着剤付きフィルムを用いる方法では、フィルムの材料費が高く、しかも接着フィルムを放熱板に接着させてからリードフレームに貼り合わせる工程も必要となるため、生産コストが高く、通常の半導体装置には適用し難かった。一方、塗布タイプの接着剤を用いる方法では、スクリーン印刷等の特殊な方法で接着剤層を塗工するため作業が煩雑になり、各工程での汚染の問題が発生し、生産コストの面のみならず品質上の問題点もあった。
【0005】
これらの問題を解決する方法として、放熱板用の金属箔に接着剤層を形成し、その後所定の形状に加工し、インナーリードフレームに圧着する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では製造工程は簡略化されるものの、接着剤を開示するものではなく、通常の熱硬化接着剤を用いた場合は、接着剤層付き銅箔をリードフレームに接着する時や、ワイヤーボンディングの際に接着剤よりアウトガスが発生し、リードフレームを汚染する問題が発生する。また、一般的な熱可塑性樹脂を用いた場合は、耐リフロー性が悪いばかりか、ワイヤーボンド時に接着剤層が軟らかくなり、リードフレームのインナーリード部が接着剤層中に沈み込み、銅箔と接触し、絶縁性低下やショートの原因となる。
これらの接着剤はインナーリード材料である銅合金からの銅イオンのマイグレーションを引き起こし易く、長期信頼性という点でも問題を抱えているため、大幅な改善が望まれている。
【0006】
また、接着層として特定ポリイミド構造を有するものを使用する接着テープも提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この接着テープも接着層と耐熱性フィルム状に設けた接着テープの場合には、耐熱性フィルムと接着剤層の界面剥離が起こりやすいという問題があった。また、接着剤単層のテープでは加熱圧着の際に、例えばリードフレームが接着層中に埋没貫通し、絶縁性の確保が困難という問題があった。
【0007】
これを改良する方法として、ガラス転移温度の異なる接着層を用いて放熱板とリードフレームを固定する技術が開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、該技術には具体的な接着剤組成、分子量等開示されていない。そのため分子構造の異なる接着剤では、接着層間及び接着層界面で剥離を起こしやすく、接着層間の密着性及び電気的信頼性が得られないという問題があった。
【0008】
そのため、金属板上にガラス転移温度が異なるポリイミドである接着層Aおよび接着層Bを順次積層した電子部品用接着テープが提案されているが(特許文献4参照)、モノマーに脂肪族系の導入基が用いられており、一般的にそのような系では接着温度が下げられるものの耐熱性は乏しくなるという欠点が有った。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−218284号公報
【特許文献2】
特開平8−325533号公報
【特許文献3】
特開平6−291236号公報
【特許文献4】
特開平10−212460号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、耐湿熱性に優れた熱可塑性ポリイミドを有し、リードフレーム先端を固定する放熱板付き接着基材を提供することである。
また更に、温度85℃、湿度85%RH環境下で168hr放置した後の半田耐熱温度が220℃以上である放熱板付きリードフレーム固定用接着基材を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、金属板上に熱可塑性ポリイミド接着層Aおよび熱可塑性ポリイミド接着層Bが順次積層される放熱板付きリードフレーム固定用接着基材において、熱可塑性ポリイミド接着層Aのガラス転移温度が、熱可塑性ポリイミド接着層Bのガラス転移温度より高く、最外層となる熱可塑性ポリイミド接着層Bを形成する樹脂が、特定のポリイミドを用いた場合、放熱板となる金属板の片面にリードフレームのインナーリード部が接着剤層中に沈み込み、銅箔と接触し、絶縁性低下やショートの発生を抑えることができることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
即ち、本発明は、金属板上に熱可塑性ポリイミド接着層Aおよび熱可塑性ポリイミド接着層Bが順次積層される放熱板付きリードフレーム固定用接着基材において、熱可塑性ポリイミド接着層Aのガラス転移温度が、熱可塑性ポリイミド接着層Bのガラス転移温度より高く、最外層となる熱可塑性ポリイミド接着層Bを形成する樹脂が、ジアミン成分として下記一般式(1)
【0013】
【化2】
Figure 0004067388
(式中、nは、1〜5の整数を示し、Rは、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基である。)で表される化合物、テトラカルボン酸二無水物成分として、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から合成されるものであり、熱可塑性ポリイミドBの厚みが0.1〜2.0μmであることを特徴とする放熱板付きリードフレーム固定用接着基材に関するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、金属板上に熱可塑性ポリイミド接着層Aおよび熱可塑性ポリイミド接着層Bが順次積層される放熱板付きリードフレーム固定用接着基材において、最外層となる熱可塑性ポリイミド接着層Bを形成する樹脂が、ジアミン成分として下記一般式(1)
【0015】
【化3】
Figure 0004067388
(式中、nは、1〜5の整数を示し、Rは、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基である。)で表される化合物、テトラカルボン酸二無水物成分として、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から合成されるものであることが重要である。
【0016】
熱可塑性ポリイミド接着層Bの原料のジアミン化合物である一般式(1)で表される化合物において、式中、Rは各々独立して水素原子、塩素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基等の炭化水素基であり、好ましくは水素原子である。式中、nは、1〜5の整数であり、好ましくは1〜3である。
【0017】
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-(3-アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-(3-(3-アミノフェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン等が挙げられる。
【0018】
熱可塑性ポリミド接着層Bの原料である一般式(1)で表されるジアミン化合物と3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAと略記することがある)のモル比は、好ましくは0.90以上1.0未満であり、より好ましくは0.900〜0.998である。
【0019】
熱可塑性ポリイミド接着層Bのガラス転移温度は、およそ150℃〜200℃であり、熱可塑性ポリイミド接着層Aのガラス転移温度は、これより高ければ特に限定はないが、20℃以上高いものが好ましく、より好ましくは30℃以上高いものである。
【0020】
熱可塑性ポリイミドA層として使用可能なポリイミドとしては、熱可塑性ポリイミドB層より、ガラス転移温度が20℃以上、好ましくは30℃以上高いものであれば、特に限定はなく、具体的な例として、ジアミン成分として、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン等が挙げられ、テトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物等が挙げられる。好ましい具体例として、ジアミンとして4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルを使用し、テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物を使用して得られたもの等が挙げられる。
【0021】
ポリアミド酸またはポリイミドの製造方法を以下に述べる。先ず撹拌機、還流冷却機および窒素導入管を備えた容器中で、ジアミンを有機溶剤に溶解する。次に、この溶液に窒素雰囲気下において芳香族テトラカルボン酸二無水物をジアミンに対して好ましくは0.9以上1.0未満モル当量になるように添加し、0〜90℃で24時間撹拌してポリアミド酸溶液を得る。このポリアミド酸溶液を100〜200℃で撹拌、反応脱水することによりポリイミド溶液を得る。これらのポリアミド酸溶液およびポリイミド溶液は粘度調節のために、有機溶剤にて希釈しても差し支えない。
【0022】
本発明の放熱板付きリードフレーム固定用基材を作製するには、上述した熱可塑性ポリイミド系樹脂を含有する溶液、あるいは、その前駆体であるポリアミド酸を含有する溶液は芳香族テトラカルボン酸二無水物をジアミンに対して0.900〜0.998モル当量になるように使用するのが好ましい。これは、0.900未満であるとフィルム形成が困難になり、0.998を越えると分子量が増大し、重合時の粘度が高くなるため、重合不良が生ずる場合があるためである。また、1.0を超えるようであれば、ガラス転移点以上での分子量が低下し、つまり、弾性率が低下するため、半田耐熱試験で発生するパッケージ中の水蒸気圧に負ける恐れがあり、樹脂内部に膨れが生ずる可能性がある。
【0023】
本発明の放熱板付きリードフレーム固定用基材を作製するには、熱可塑性ポリイミド系樹脂を含有する溶液、あるいは、その前駆体であるポリアミド酸を含有する溶液を、金属板に塗布し乾燥すれば良い。本発明に使用される中間層にある熱可塑性ポリイミドAの厚み範囲は好ましくは5〜100μmの範囲であるが、最終的に放熱板として機能させるのであれば、その厚みは10μm以上20μm以下が好ましい。10μm未満では金属箔の表面粗度を覆うことができにくく、ワイヤーボンディング時に金属と導通を起こす場合があり、100μmを超えると放熱性が損なわれる可能性がある。
【0024】
一方、最外層にある熱可塑性ポリイミドBの厚み範囲は、0.1〜2.0μmの範囲が好ましく、最終的に封止樹脂との密着を保持し、中間層にある熱可塑性ポリイミドとリードフレームの密着を考慮すると、その厚みは0.1μm以上1.0μm以下がより好ましい。0.1μm未満では実用上、塗工抜けが発生し、封止樹脂との密着性が低下することがあり、2.0μmを超えると、リードフレームとの貼り付け性が損なわれる場合がある。
【0025】
本発明に使用される金属板は、最終的には放熱板として機能させるのであれば、その厚みは50μm以上が好ましい。50μm未満では十分な放熱効果が得られない可能性がある。金属板厚みの上限は、ポリイミド系樹脂を連続的に塗布することを考えると、200μm程度が限界である。
【0026】
金属板の種類としては、公知の金属箔、合金箔全てが適用可能であり、特に限定はないが、好ましくは圧延銅箔、電解銅箔、銅合金箔、ステンレス箔が、コスト面、熱伝導性、剛性等の観点から好適である。
【0027】
ポリアミド酸を塗工する金属箔面は、粘着力を向上させるために、銅箔の表面処理などでよく行なわれる電解メッキにより粒子を付着させたり、交流エッチングなどを行なうことも可能である。
【0028】
金属板上あるいはポリイミドフィルム上に、ポリイミド溶液またはポリアミド酸溶液を塗布・乾燥させる方法には特に限定はなく、従来公知のコンパコーター、Tダイ、ロールコーター、ナイフコーター、リバースコーターなどの塗布装置を使用して、塗布し、十分な時間と温度をかけて加熱乾燥し、硬化させればよい。
【0029】
乾燥後のイミド化方法は、イナートオーブンによるバッチ法でも、イミド化炉による連続式でも、公知の方法が用いられ、特にその方法、条件に制限はないが、好ましくはイミド化炉による連続式である。イミド化は好ましくは200〜450℃で行われ、溶剤含有量がポリイミド100重量部に対して0.5重量部を超えない範囲までイミド化する。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0031】
合成例1
<熱可塑性ポリイミドBの前駆体の合成>
ジアミン成分として1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、APBと略記する)10モル、テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAと略記する)9.0モルをそれぞれ秤量し、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒中で混合し、40℃において4時間反応した。反応後の固形分濃度は15重量%であった。得られたポリアミック酸の粘度は200cpsであり、塗工に適したものであった。
【0032】
合成例2
<熱可塑性ポリイミドBの前駆体の合成>
ジアミン成分としてAPB10モル、テトラカルボン酸二無水物としてBTDA9.98をそれぞれ秤量し、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒中で混合し、40℃において4時間反応した。反応後の固形分濃度は15重量%であった。得られたポリアミック酸の粘度は250cpsであり、塗工に適したものであった。
【0033】
合成例3
<熱可塑性ポリイミドBの前駆体の合成>
ジアミン成分としてAPB10モル、テトラカルボン酸二無水物としてBTDA9.75モルをそれぞれ秤量し、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒中で混合し、40℃において4時間反応した。反応後の固形分濃度は15重量%であった。得られたポリアミック酸の粘度は300cpsであり、塗工に適したものであった。
【0034】
合成例4
<熱可塑性ポリイミドAの前駆体の合成>
ジアミン成分として4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル(以下、m−BPと略記する)10モル、テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと略記する)4.8モル、ピロメリット酸二無水物(以下、PMDAと略記する)4.8モルをそれぞれ秤量し、N−メチル−2−ピロリドン溶媒中で混合し、50℃において4時間反応した。反応後の固形分濃度は23重量%であった。得られたポリアミック酸の粘度は10000cpsであり、塗工に適したものであった。
【0035】
合成例5
<熱可塑性ポリイミドBの前駆体の合成>
ジアミン成分として1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン(以下、APPBと略記する)10モル、テトラカルボン酸二無水物としてBTDA9.7モルをそれぞれ秤量し、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒中で混合し、40℃において4時間反応した。反応後の固形分濃度は15重量%であった。得られたポリアミック酸の粘度は200cpsであり、塗工に適したものであった。
【0036】
合成例6
<熱可塑性ポリイミドBの前駆体の合成>
ジアミン成分としてAPB10モル、テトラカルボン酸二無水物としてPMDA9.7モルをそれぞれ秤量し、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒中で混合し、40℃において4時間反応した。反応後の固形分濃度は15重量%であった。得られたポリアミック酸の粘度は200cpsであり、塗工に適したものであった。
【0037】
合成例7
<熱可塑性ポリイミドBの前駆体の合成>
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン21.92g(75ミリモル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン6.21g(25ミリモル)とエチレングリコールビストリメリテート二無水物41.03g(100ミリモル)及びN−メチル−2−ピロリドン300mlを氷温下に導入し、1時間攪拌を続けた。次いで、この溶液を室温で3時間反応させてポリアミド酸を合成した。得られたポリアミド酸に50mlのトルエンと1.0gのp−トルエンスルホン酸を加えて160℃に加熱し、反応の進行に伴ってトルエンと共沸してきた水分を分離しながら、3時間イミド化反応を行った。その後トルエンを留去し、得られたポリイミドワニスをメタノール中に注いで、得られた沈殿物を分離、粉砕、洗浄及び乾燥させる工程を経ることによりポリイミド50.0gを得た。このポリイミドを、テトラヒドロフランに25重量%の濃度になるよう溶解させることにより、塗工用ワニスを得た。
【0038】
合成例8
<熱可塑性ポリイミドAの前駆体の合成>
ジアミン成分として3,3’−ジアミノベンゾフェノン10モル、テトラカルボン酸二無水物としてBPDA4.8モル、PMDA4.8モルをそれぞれ秤量し、N−メチル−2−ピロリドン溶媒中で混合し、50℃において4時間反応した。反応後の固形分濃度は20重量%であった。得られたポリアミック酸の粘度は10000cpsであり、塗工に適したものであった。
【0039】
実施例1
市販の銅箔(日本電解製、商品名:SLP−105WB、厚み:105μm)の片面に、コータードライヤーを用いて、合成例4のポリアミック酸を塗布し、60℃〜200℃で6分間乾燥し、その上に合成例1のポリアミック酸を塗布し、60℃〜200℃で5分間乾燥し、次いで、200〜270℃で2分間キュアを行い、ポリイミド層を形成し、片面銅張積層板を作製した。塗布厚みは、乾燥・キュア後に熱可塑性ポリイミドA層が20μm、熱可塑性ポリイミドB層が0.2μmとなるようにした。(熱可塑性ポリイミドA層Tg 240℃、熱可塑性ポリイミドB層Tg 200℃)。得られた片面銅張積層板とリードフレーム材として、42アロイ(日立金属株式会社製、YEF42)を、パルスボンダー(ケル株式会社製、TC−1320UD)を用いて、350℃、50kg/cm2、1秒で加熱圧着した。その後、エポキシ系封止樹脂でトランスファーモールドし、試料を作製した。このようにして得られた試験片は、吸湿後の耐熱性JEDEC STANDARD TEST METHOD A113-A LEVEL1:85℃・85%RHで168時間処理後、220℃リフローソルダー3サイクル後の基板の異常有無について、断面観察によって確認したところ、異常は確認されなかった。また、リードの埋没状態は、接着層Aの中で止まっていた。試料の異常有無について、結果を表1に示す。
【0040】
実施例2
熱可塑性ポリイミドBとして合成例2のポリアミック酸を使用した以外は実施例1と同様に封止樹脂付き片面銅張積層板を作製した(熱可塑性ポリイミドB層Tg190℃)。このようにして得られた封止樹脂付き片面銅張積層板は、吸湿後の耐熱性JEDEC STANDARD TEST METHOD A113-A LEVEL1:85℃・85%RHで168時間処理後、220℃リフローソルダー3サイクル後の基板の異常有無について、断面観察によって確認したところ、異常は確認されなかった。また、リードの埋没状態は、接着層Aの中で止まっていた。試料の異常有無について、結果を表1に示す。
【0041】
実施例3
熱可塑性ポリイミドBとして合成例3のポリアミック酸を使用した以外は実施例1と同様に封止樹脂付き片面銅張積層板を作製した(熱可塑性ポリイミドB層Tg195℃)。このようにして得られた封止樹脂付き片面銅張積層板は、吸湿後の耐熱性JEDEC STANDARD TEST METHOD A113-A LEVEL1:85℃・85%RHで168時間処理後、220℃リフローソルダー3サイクル後の基板の異常有無について、断面観察によって確認したところ、異常は確認されなかった。また、リードの埋没状態は、接着層Aの中で止まっていた。試料の異常有無について、結果を表1に示す。
【0042】
実施例4
熱可塑性ポリイミドAとして合成例8のポリアミック酸を使用し、熱可塑性ポリイミドBの厚みを1.0μmとして使用した以外は実施例1と同様に封止樹脂付き片面銅張積層板を作製した。このようにして得られた封止樹脂付き片面銅張積層板は、吸湿後の耐熱性JEDEC STANDARD TEST METHOD A113-A LEVEL1:85℃・85%RHで168時間処理後、220℃リフローソルダー3サイクル後の基板の異常有無について、断面観察によって確認したところ、異常は確認されなかった。また、リードの埋没状態は、接着層Aと接着層Bの界面近傍で止まっていた。試料の異常有無について、結果を表1に示す。
【0043】
実施例5
熱可塑性ポリイミドBとして合成例5のポリアミック酸を使用した以外は実施例1と同様に封止樹脂付き片面銅張積層板を作製した(熱可塑性ポリイミドB層Tg160℃)。このようにして得られた封止樹脂付き片面銅張積層板は、吸湿後の耐熱性JEDEC STANDARD TEST METHOD A113-A LEVEL1:85℃・85%RHで168時間処理後、220℃リフローソルダー3サイクル後の基板の異常有無について、断面観察によって確認したところ、異常は確認されなかった。また、リードの埋没状態は、接着層Aの中で止まっていた。試料の異常有無について、結果を表1に示す。
【0044】
比較例1
熱可塑性ポリイミドBを用いなかった以外は実施例1と同様に封止樹脂付き片面銅張積層板を作製した。このようにして得られた封止樹脂付き片面銅張積層板は、吸湿後の耐熱性JEDEC STANDARD TEST METHOD A113-A LEVEL1:85℃・85%RHで168時間処理後、220℃リフローソルダー3サイクル後の基板の異常有無について、断面観察によって確認したところ、封止樹脂と熱可塑性ポリイミド間に膨れ、剥がれの異常が確認された。また、リードの埋没状態は、接着層Aの中で止まっていた。試料の異常有無について、結果を表1に示す。
【0045】
比較例2
熱可塑性ポリイミドB層を合成例6の熱可塑性ポリイミドを用いた以外は、実施例1と同様に封止樹脂付き片面銅張積層板を作製した。このようにして得られた封止樹脂付き片面銅張積層板は、吸湿後の耐熱性JEDEC STANDARD TEST METHOD A113-A LEVEL1:85℃・85%RHで168時間処理後、220℃リフローソルダー3サイクル後の基板の異常有無について、断面観察によって確認したところ、封止樹脂と熱可塑性ポリイミド間に膨れ、剥がれの異常が確認された。また、リードの埋没状態は、接着層Aの中で止まっていた。試料の異常有無について、結果を表1に示す。
【0046】
比較例3
熱可塑性ポリイミドA層に合成例8の熱可塑性ポリイミドを、熱可塑性ポリイミドB層には合成例7の熱可塑性ポリイミドを用いた以外は、実施例1と同様に封止樹脂付き片面銅張積層板を作製した。このようにして得られた封止樹脂付き片面銅張積層板は、吸湿後の耐熱性JEDEC STANDARD TEST METHOD A113-A LEVEL1:85℃・85%RHで168時間処理後、220℃リフローソルダー3サイクル後の基板の異常有無について、断面観察によって確認したところ、封止樹脂と熱可塑性ポリイミド間に膨れ、剥がれの異常が確認された。また、リードの埋没状態は、接着層Aと接着層Bの界面近傍で止まっていた。試料の異常有無について、結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004067388
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、放熱板付きリードフレーム固定用接着基材において、リードフレーム先端を固定するとともに、加湿後における耐熱性試験において、ポリイミドと金属箔間、熱可塑性ポリイミド層内あるいは封止樹脂とポリイミド間において、膨れや剥がれが発生しないようにできる。

Claims (4)

  1. 金属板上に熱可塑性ポリイミド接着層Aおよび熱可塑性ポリイミド接着層Bが順次積層される放熱板付きリードフレーム固定用接着基材において、熱可塑性ポリイミド接着層Aのガラス転移温度が、熱可塑性ポリイミド接着層Bのガラス転移温度より高く、最外層となる熱可塑性ポリイミド接着層Bを形成する樹脂が、ジアミン成分として下記一般式(1)
    Figure 0004067388
    (式中、nは、1〜5の整数を示し、Rは、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基である。)で表される化合物、テトラカルボン酸二無水物成分として、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から合成されるものであり、熱可塑性ポリイミド接着層Bの厚みが0.1〜2.0μmであることを特徴とする放熱板付きリードフレーム固定用接着基材。
  2. 前記一般式(1)で表されるジアミン化合物と3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物のモル比が、0.900〜0.998である請求項1記載の放熱板付きリードフレーム固定用接着基材。
  3. 温度85℃、湿度85%RH環境下で168hr放置した後の半田耐熱温度が220℃以上である請求項1又は2記載の放熱板付きリードフレーム固定用接着基材。
  4. 熱可塑性ポリイミド接着層Aの厚みが5〜100μmである請求項1〜3記載の放熱板付きリードフレーム固定用接着基材。
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