JP4065757B2 - トナー用外添剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なトナー用外添剤に関する。詳しくは、トナー用樹脂粉末と混合して得られるトナーに、大きな負の帯電性を付与できると共に、良好な帯電の立ち上がり性能を発揮し、しかも、良好な流動性を付与することができるトナー用外添剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、トナー用樹脂粉末の流動性及び大きな負の帯電性の付与を目的として、該トナー用樹脂粉末にトナー用外添剤(以下、単に外添剤ともいう。)が添加される。上記外添剤としては、ヒュームドシリカ等の微粉末が用いられている。これらの微粉末は、トナー用樹脂粉末の表面に付着することによりその効果を発揮する。
【0003】
トナー用の外添剤として用いられるヒュームドシリカは、トナー用樹脂粉末に添加後の良好な流動性を付与するため、一般的に、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシリル化剤あるいはシリコーンオイル等の疎水化剤により表面処理が施される。また、かかる処理によって吸湿による帯電のリークが抑えられるため、大きな負の帯電量をトナーに付与することができる。
【0004】
一方、近年、トナーのカラー化、印刷の高速化への要求が高まるにつれ、電子写真プロセスの帯電工程において、該トナーが速やかに所定の帯電量に達することが要求されてきている。
【0005】
しかしながら、上記の一般的な疎水化処理を施したヒュームドシリカを外添剤として添加したトナーは帯電の立ち上がり性能が悪い(前記帯電量に達するまでの速度が遅い)という問題があった。
【0006】
この帯電の立ち上がり性能を改善したトナー用外添剤として、アミノ基含有のシランカップリング剤と疎水化剤を併用して処理を行ったヒュームドシリカが提案されており(特許文献1参照)、含フッ素シランカップリング剤で処理を行ったヒュームドシリカが提案されている(特許文献2参照)。
【0007】
ところが、上記のアミノ基含有のシランカップリング剤で処理されたヒュームドシリカは、帯電の立ち上がり性能は改善されるものの、シリカによってもたらされる大きな負の帯電性が失われるという問題があった。
【0008】
また、上記の含フッ素シランカップリング剤で処理を行ったヒュームドシリカは、大きな負の帯電性を示し、かつ、良好な帯電の立ち上がり性能を示すが、流動性については、未だ改善の余地があった。
【0009】
そこで、上記含フッ素シランカップリング剤で処理を行ったヒュームドシリカの流動性を改良するために前記疎水化剤を併用することが考えられるが、該疎水化剤を併用することによる障害として、該含フッ素シランカップリング剤によってもたらされる帯電の立ち上がり性能が低下するという問題が発生する。
【特許文献1】
特開平11−84737号公報
【特許文献2】
特開平4−231318号公報
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、トナー用樹脂粉末と混合してトナーを調製した場合に、大きな負の帯電性を付与でき、また、帯電の立ち上がり性能が良好で、しかも、流動性にも優れているトナー用の外添剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を達成すべく鋭意検討を重ねた。その結果、含フッ素シランカップリング剤のうち、特定の撥水性を示す含フッ素シランカップリング剤とヘキサメチルジシラザンとを併用してヒュームドシリカを表面処理することにより、トナー用樹脂粉末と混合した場合、大きな負の帯電性を付与でき、また、帯電の立ち上がり性能が良好で、しかも、流動性にも優れたトナー用外添剤が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
即ち、本発明によれば、撥水性指標が50以下の含フッ素シランカップリング剤及びヘキサメチルジシラザンによって表面処理されたヒュームドシリカよりなることを特徴とするトナー用外添剤が提供される。
【0012】
尚、本発明において、含フッ素シランカップリング剤の撥水性指標は、ヒュームドシリカ(比表面積300m2/g)を該ヒュームドシリカ100重量部に対して含フッ素シランカップリング剤が30重量部となる割合で表面処理した表面処理ヒュームドシリカのM値をいう。
【0013】
また、M値とは、疎水化の指標を示すものであり、表面処理ヒュームドシリカ0.2gを50mlの水に添加した後、該水にメタノールを添加し、上記表面処理ヒュームドシリカの全量が溶液中に懸濁した時点を終点とし、かかる終点におけるメタノール水中のメタノール容量を百分率で示した値である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のトナー用外添剤において、ヒュームドシリカは、四塩化ケイ素等のシラン化合物を酸水素炎中で燃焼することにより製造される、公知のものが特に制限なく使用される。例えば、上記ヒュームドシリカとしては、比表面積が10〜400m2/g、好適には40〜400m2/gのものを用いることができ、更に好適には140〜400m2/gのものを用いることができる。
【0015】
本発明のトナー用外添剤において、上記ヒュームドシリカは撥水性指標が50以下、好ましくは45以下の含フッ素シランカップリング剤とヘキサメチルジシラザンとにより処理されたものであることが重要である。
【0016】
即ち、シランカップリング剤として、フッ素原子を含まないものを使用した場合は、得られるトナー用外添剤による流動性が低下するばかりでなく、負の帯電性も低下し、本発明の目的を達成することができない。
【0017】
また、上記含フッ素シランカップリング剤の撥水性指標が50を超える場合は、得られるトナー用外添剤による帯電の立ち上がり性能が著しく低下し、本発明の目的を達成することができない。
【0018】
また、上記含フッ素シランカップリング剤との組み合わせにおいて、大きな負の帯電性を付与すると共に、流動性を高く発揮するためには、ヘキサメチルジシラザンが有効である。
【0019】
本発明において、撥水性指標が50以下の含フッ素シランカップリング剤は、公知の含フッ素シランカップリング剤より選択して使用することができる。
【0020】
使用される含フッ素シランカップリング剤を例示すれば、下記一般式で示される含フッ素シランカップリング剤が挙げられる。
【0021】
CF 3CH2CH2Si(X)n(CH3)3−n ・・・(1)
(ここで、Xは、塩素原子、メトキシ基、エトキシ基、及びプロポキシ基よりなる群より選ばれた基を示す。また、nは1〜3の整数である。更に、Xが複数の場合、それぞれの基は同種であっても異種であってもよい。)
上記含フッ素シランカップリング剤を具体的に例示すると、CF3CH2CH2SiCl3、CF3CH2CH2Si(OCH3)3、CF3CH2CH2Si(OC2H5)3、CF3CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2、CF3CH2CH2Si(CH3)(OC2H5)2等が挙げられる。
【0022】
そのうち、塩素原子を含まない含フッ素シランカップリング剤が、本発明のトナー用外添剤の製造上好ましい。
【0023】
因みに、上記含フッ素シランカップリング剤のうち、CF3CH2CH2Si(OCH3)3は撥水性指標が41であり、本発明のトナー用外添剤の表面処理に好適に用いることができる。
【0024】
また、上記含フッ素シランカップリング剤は1種を単独で使用しても良いし、複数種を混合して使用しても良い。
【0025】
本発明のトナー用外添剤において、ヒュームドシリカの表面に処理される含フッ素シランカップリング剤及びヘキサメチルジシラザンの量は特に制限されるものではないが、該ヒュームドシリカと反応せしめる含フッ素シランカップリング剤の量は、ヒュームドシリカの表面積1m2あたり0.5×10−6mol〜4.0×10−6mol程度が好ましい。また、ヘキサメチルジシラザンは、これによりヒュームドシリカ表面に導入されるトリメチルシリル基の導入量がヒュームドシリカ原体1m2あたり0.5×10−6mol〜2.5×10−6molが好ましく、更には、1.0×10−6mol〜2.0×10−6molとなるように調整することが、後記の特性を充分に発揮するために好ましい。
【0026】
本発明のトナー用外添剤は、上記特定の撥水性指標を有する含フッ素シランカップリング剤とヘキサメチルジシラザンとを併用してヒュームドシリカを処理することにより、トナー用樹脂粉末との混合において、従来のトナー用外添剤では達成できなかった特性である、大きな負の帯電性、良好な帯電の立ち上がり性能、良好な流動性の全てを満足するものである。
【0027】
本発明のトナー用外添剤が、上記の優れた効果を発揮する理由は明らかではないが、本発明者らは次のように推定している。
【0028】
即ち、ヒュームドシリカ表面のシラノール基が、加水分解した含フッ素シランカップリング剤と反応することにより減少するが、全てのシラノール基と反応をするためにはその含フッ素シランカップリング剤の分子が大きすぎる。また含フッ素シランカップリング剤自体、加水分解することによりシラノール基を生成するため、処理されたヒュームドシリカ表面にはシラノール基が必ず残存する。その残存したシラノール基と1官能性であり、比較的分子の小さなヘキサメチルジシラザンとを反応させることにより、ヒュームドシリカ表面の付着性が減少し、高度な撥水性が付与され、その結果、流動性が向上し、また、大きな負の帯電性が付与される。
【0029】
また、その際、前記含フッ素シランカップリング剤が適度な撥水性を有することにより、上記特性と同時に良好な帯電の立ち上がり性を発揮する。
【0030】
本発明において、上記特定の構成により、トナー用樹脂と混合した際の負の帯電性の度合いを示す帯電量が−100μC/g以下、一般に、−100〜−150μC/gであり、また、帯電の立ち上がり性能を示す立ち上がり係数が0.9以上、一般に、0.9〜1.0であり、また、流動性を示す圧縮度が18以下、一般に18〜15という、優れた特性を有するトナー用外添剤を提供することができる。
【0031】
また、本発明のトナー用外添剤は、その表面に適度の水分を保ちつつ、良好な流動性を発揮する上で、疎水性を示す前記M値が50〜70の範囲内であることが好ましい。
【0032】
尚、上記帯電量、立ち上がり係数、圧縮度は、後記の実施例に具体的に示す。
【0033】
本発明のトナー用外添剤の製造方法は特に制限されるものではない。例えば、ヒュームドシリカを適当量の含フッ素シランカップリング剤とヘキサメチルジシラザンとに接触させて表面処理することによって製造することができる。
【0034】
この場合、含フッ素シランカップリング剤とヘキサメチルジシラザンによる表面処理は、同時に行っても良いし、含フッ素シランカップリング剤で表面処理を行った後にヘキサメチルジシラザンで表面処理を行っても良い。このうち、含フッ素シランカップリング剤による表面処理の後にヘキサメチルジシラザンの表面処理を行う方法の方が、一般的に高価である含フッ素シランカップリング剤を効率よく反応させることができるので、好ましい。
【0035】
本発明の含フッ素シランカップリング剤による表面処理は、特に限定されないが次の3つの方法により行うことができる。
【0036】
1.ヒュームドシリカを分散させた溶媒中に、一定量の含フッ素シランカップリング剤を溶解させ、ヒュームドシリカの表面と反応させた後に溶媒を除去する方法。好適には、アミン類、アンモニア、酢酸、塩酸等の触媒の存在下で行うことができる。
【0037】
2.ヒュームドシリカをミキサー内で攪拌混合しながら、該処理剤の沸点以下の温度において処理剤を噴霧し、一定時間そのまま保持した後、乾燥させる方法。好適には、溶媒で薄めた処理剤を噴霧することができ、またアミン類、アンモニア、酢酸、塩酸等の触媒の存在下で行うことができる。
【0038】
3.気化させた処理剤をヒュームドシリカと接触させ処理を行う方法。(以下、「乾式法」と称する場合もある。)
上記3つの表面処理方法のうち、表面の均一性および溶媒とヒュームドシリカを接触させないため凝集が生じないという点から、乾式法が好ましい。
【0039】
含フッ素シランカップリング剤でヒュームドシリカを乾式法により表面処理する場合の好適な実施形態としては、ヒュームドシリカを加圧容器内に入れ、含フッ素シランカップリング剤の沸点以上の処理温度において、容器を密閉した状態で該含フッ素シランカップリング剤を導入することにより容器内で気化させ、一定時間、好ましくは、30分間から2時間程度そのままの状態を保持する方法を挙げることができる。上記処理において、予め加圧容器内に分圧にして30〜100kPa程度の水蒸気を存在させることは、含フッ素シランカップリング剤の加水分解反応を促進させる上で好ましい。
【0040】
一方、本発明におけるヘキサメチルジシラザンによる表面処理は、公知の方法により行うことができ、特に限定されない。具体的には、含フッ素シランカップリング剤による表面処理方法で記述した乾式法が好適である。また、ヘキサメチルジシラザンで表面処理することによりヒュームドシリカ表面にトリメチルシリル基が導入されるが、導入量は、含フッ素シランカップリング剤の処理量により、好適に調整することができる。
【0041】
上記の乾式法による表面処理において、ヘキサメチルジシラザンの使用量は、過剰にすることが好ましい。また、ヘキサメチルジシラザンの加圧容器内の分圧を一定以上に保つことが処理時間を短縮する上で好ましい。例えば、処理温度を250℃とした場合には、加圧容器内の分圧を5kPa以上に保つことが好ましい。
【0042】
ヘキサメチルジシラザンの導入に先立ち、水蒸気を導入することは、処理されたヒュームドシリカの流動性付与効果を高める上で好適である。
【0043】
上記処理温度はヘキサメチルジシラザンの沸点以上、分解温度以下で好適に行うことができる。又、処理時間は、処理温度を250℃、ヘキサメチルジシラザンの分圧を80kPaとした場合には、5分以上、好ましくは、15分以上行うことが好適である。
【0044】
【実施例】
本発明を更に詳しく説明するため以下実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0045】
尚、実施例及び比較例における各種測定値は下記の方法によって行った。
【0046】
(含フッ素シランカップリング剤の撥水性指標)
1.攪拌機および温度調整装置付きの容量2Lの加圧容器内に比表面積が300m2/gヒュームドシリカを50g入れ、内部を窒素で置換しながら250℃になるように調整する。加圧容器内は常時攪拌する。
【0047】
2.加圧容器内部に水蒸気を分圧で60kPaになるように導入する。
【0048】
3.試料の含フッ素シランカップリング剤を前記ヒュームドシリカ100重量部に対して30重量部導入し、その後1時間保持する。
4.加圧容器内部を脱圧し、内部を窒素で置換することにより、反応副生物を除去する。
5.表面処理されたヒュームドシリカのM値を次の方法により測定し、含フッ素シランカップリング剤の撥水性指標とする。
【0049】
(M値)
表面処理されたヒュームドシリカ0.2gを容量250mlのビーカー中の50mlの水に添加する。メタノールをビューレットから表面処理されたヒュームドシリカ全量が懸濁するまで加える。この時メタノールが直接試料に触れない様に、チューブで溶液内に導く。ビーカー内の溶液はマグネティックスターラーで常時攪拌する。表面処理されたヒュームドシリカの全量が溶液中に懸濁された時点を終点とし、終点におけるメタノール水中のメタノール容量の百分率をM値とする。
【0050】
(帯電量)
温度25℃、常圧、湿度50%において、ポリエチレン樹脂((株)セイシン企業社製PEW−2000、平均粒子径8μm)にトナー用外添剤を2重量(wt)%となるように混合して擬似トナーを作製した。この擬似トナー1gとフェライトキャリア(Cu−Zn系キャリア、粒径45〜75μm、シリコーン樹脂コート)99gを50mlのガラス製サンプル瓶に入れ、25℃、50%相対湿度の恒温恒湿槽で24時間調湿した。卓上ローラーミルでサンプル瓶を100rpmで60分間、回転混合し、東芝ケミカル(株)社製ブローオフ粉体帯電測定装置TB−200型にて帯電量を測定した。ブローオフ時間は30秒とした。
【0051】
(帯電の立ち上がり係数)
ローラーミルで混合する時間を5分間としたとした以外は、上記の方法により帯電量を測定し、60分間混合した時の帯電量に対する割合を以下の式(2)に従って求め帯電の立ち上がり係数とした。この値は1に近いほど立ち上がり性が良好である。
帯電の立ち上がり係数=5分間混合後の帯電量/60分間混合の帯電量・・・(2)
(圧縮度)
球状ポリスチレン樹脂(綜研化学(株)社製SX−500H、粒径5μm)に対して、シリカ試料を1wt%添加し、ミキサーで十分に混合した。この混合粉試料を35℃、85%相対湿度で36時間調湿した。混合粉試料の流動性を、パウダテスタ(ホソカワミクロン社製、PT−R型)にて圧縮度を測定することにより測定した。圧縮度とは次式(3)で示される。
圧縮度=(固め見掛け比重−ゆるみ見掛け比重)/固め見掛け比重×100・・・(3)
式中のゆるみ見掛け比重、固め見掛け比重とは、それぞれ、以下の通りである。・ゆるみ見掛け比重:100mlのカップに試料粉を入れ、タッピングをしない状態で測定した見掛け比重
・固め見掛け比重 :100mlのカップに試料粉を入れ、180回タッピングした後の見掛け比重
上記圧縮度の値が小さいほど、流動性が良好であるといえる。
【0052】
(炭素含有量の測定)
炭素分析装置((株)堀場製作所社製EMIA−110型)にて測定した値である。
【0053】
(処理剤の量)
ヒュームドシリカ原体100重量部に対する重量部数で表した。
【0054】
実施例1
比表面積300m2/gのヒュームドシリカをミキサーに導入し、攪拌、窒素置換を行いながら、ミキサー内の温度が250℃になるように調整した。その後ミキサー内に水蒸気を分圧で60kPaになるように導入し、CF3CH2CH2Si(OCH3)3を10重量部導入した。ミキサー内のCF3CH2CH2Si(OCH3)3の分圧は30kPaである。そのまま1時間保持を行い、ミキサー内を窒素置換した後に少量サンプリングをした。サンプルの炭素含有量を測定することにより吸着した処理剤の量を求めた。再びミキサー内に水蒸気を分圧で60kPa導入し、ヘキサメチルジシラザンを30重量部導入した。ミキサー内のヘキサメチルジシラザンの分圧は110kPaである。そのまま1時間保持を行い、窒素置換した後に、処理されたヒュームドシリカを抜き出した。処理条件および物性を表1、表2に示す。
【0055】
実施例2
CF3CH2CH2Si(OCH3)3の導入量を20重量部、ミキサー内のCF3CH2CH2Si(OCH3)3の分圧を60kPaとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。処理条件および物性を表1、表2に示す。
【0056】
実施例3
含フッ素シランカップリング剤としてCF3CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2を用いた以外は実施例2と同様に処理を行った。処理条件および物性を表1、表2に示す。
【0057】
実施例4
ヒュームドシリカの比表面積を200m2/gとした以外は、実施例2と同様に処理を行った。処理条件および物性を表1、表2に示す。
【0058】
比較例1
比表面積300m2/gのヒュームドシリカをミキサーに導入し、攪拌、窒素置換を行いながら、ミキサー内の温度が250℃になるように調整した。ミキサー内に水蒸気を分圧で60kPa導入し、ヘキサメチルジシラザン30重量部を導入した。ミキサー内のヘキサメチルジシラザンの分圧は110kPaである。そのまま1時間保持を行い、窒素置換した後に、処理されたヒュームドシリカを抜き出した。処理条件および物性を表1、表2に示す。
【0059】
比較例2
比表面積300m2/gのヒュームドシリカをミキサーに導入し、攪拌、窒素置換を行いながら、ミキサー内の温度が250℃になるように調整した。その後ミキサー内に水蒸気を分圧で60kPaになるように導入し、CF3CH2CH2Si(OCH3)3を20重量部導入した。ミキサー内のCF3CH2CH2Si(OCH3)3の分圧は60kPaである。そのまま1時間保持を行い、ミキサー内を窒素置換した後に、処理されたヒュームドシリカを抜き出した。処理条件および物性を表1、表2に示す。
【0060】
比較例3
含フッ素シランカップリング剤として、CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3を用い、その導入量を20重量部、ミキサー内のCF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3の分圧を20kPaとした以外は、比較例2と同様に処理を行った。処理条件および物性を表1、表2に示す。
【0061】
比較例4
CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3の導入量を30重量部とし、ミキサー内のCF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3の分圧を30kPaとした以外は、比較例3と同様に処理を行った。処理条件および物性を表1、表2に示す。
【0062】
比較例5
含フッ素シランカップリング剤として、CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3を用い、その導入量を20重量部、ミキサー内のCF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3の分圧を20kPaとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。処理条件および物性を表1、表2に示す。
【0063】
比較例6
シランカップリング剤として、NH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3を用い、その導入量を10重量部、ミキサー内のNH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3の分圧を20kPaとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。処理条件および物性を表1、表2に示す。
【0064】
比較例7
比表面積300m2/gの未処理のヒュームドシリカについて、上記の実施例、比較例と同様に物性を測定した。処理条件および物性を、表1、表2に示す。
【0065】
【表1】
【表2】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、本発明者らは、特定の含フッ素シランカップリング剤とヘキサメチルジシラザンとで併用して処理を行ったシリカ微粉末よりなるトナー用外添剤を発明した。このトナー用外添剤は、大きな負の帯電性をトナーに付与することができ、かつ帯電の立ち上がり性能も良好であり、更には流動性にも優れている。従って、このトナー用外添剤の産業的利用価値は極めて大きい。
Claims (2)
- 撥水性指標が50以下である含フッ素シランカップリング剤とヘキサメチルジシラザンとによって表面処理されたヒュームドシリカよりなることを特徴とするトナー用外添剤。
- 帯電量が−100μC/g以下、立ち上がり係数が0.9以上、圧縮度が18以下であり、且つ、M値が50〜70である請求項1記載のトナー用外添剤。
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