JP4060187B2 - 酸化インジウム中に錫が固溶したito粉末の製造方法及びitoターゲットの製造方法 - Google Patents

酸化インジウム中に錫が固溶したito粉末の製造方法及びitoターゲットの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、ITO(酸化錫−酸化インジウム)膜を形成するために使用する酸化インジウム中に錫が固溶したITO粉末の製造方法及びITOターゲットの製造方法に関する。
ITO膜は液晶ディスプレーを中心とする表示デバイスの透明電極(膜)として広く使用されている。このITO膜を形成する方法として、真空蒸着法やスパッタリング法など、一般に物理蒸着法と言われている手段によって行われるのが普通である。特に、操作性や皮膜の安定性からマグネトロンスパッタリング法を用いて形成することが多い。
スパッタリング法による膜の形成は、陰極に設置したターゲットにArイオンなどの正イオンを物理的に衝突させ、その衝突エネルギーでターゲットを構成する材料を放出させて、対面している陽極側の基板にターゲット材料とほぼ同組成の膜を積層することによって行われる。
スパッタリング法による被覆法は処理時間や供給電力等を調節することによって、安定した成膜速度でオングストローム単位の薄い膜から数十μmの厚い膜まで形成できるという特徴を有している。
ITO膜を形成する場合に特に問題となるのは、スパッタリングターゲットの密度とスパッタリング操作中に発生するノジュールである。ITO膜形成用スパッタリングターゲットは酸化錫粉末と酸化インジウム粉末とを所定の割合に混合した粉末を焼結して製造されるが、もともと異なる成分組成の粉末であるから、粉末の粒径にばらつきがあり、混合の段階ですでに同一成分粉末よりも劣る傾向にあることは避けられない。
しかし、透明導電膜は最近の電子機器がより小型化又は細密化されているので、膜自体も薄く微細化され、形成された膜が均一でない場合には品質の低下に及ぼす影響が大きく現れる傾向にある。
このようなことから、焼結体内部の空孔に関して検討した結果、空孔内壁及びその周辺に酸化錫が偏析していることが明らかとなった。そして、このような偏析が発生する原因として、ITOの原料である酸化錫が凝集していたことが挙げられる。
したがって、錫の分散性を向上させることにより空孔を減少させることができ、これによってノジュールの発生の少ないITO焼結体ターゲットを効率的に製造することが可能であることが予想される。
このような観点から、錫の分散状態を良好にするという目的のために、インジウム塩及び錫塩を予め混合し、この混合溶液に沈殿剤を添加し、水酸化インジウムとメタ錫酸の中和工程を経て混合沈殿物を同時に得(共沈法)、これを乾燥、洗浄、焙焼(酸化)して酸化インジウムと酸化錫の混合粉を得る方法が考えられる。
最も効率良く分散性を向上させると考えられたこの共沈法は、確かに錫の分散性は良好であるが、上記の通り中和廃液が発生し、また通常の製造方法に比べ工程数が多いので、生産コストが増加するという問題があった。
ITOターゲットのエロージョン面のノジュールが多くなると、これが不規則なスパッタリングを誘発して、場合によっては異常放電やクラスター状(固まりになった)の皮膜が形成されショートの原因になる問題がある。
同時に、スパッタチャンバ内に粗大化した粒子(パーティクル)が浮遊するようになり、これが同様に基板上に再付着して薄膜回路を短絡させたり、薄膜の突起物の原因となるという問題が発生する。
以上のことから、成分が均一かつ高密度の焼結体ターゲットを得ることが必要であったが、これらの要求に満足でき、かつ低コストで製造できるITO粉末の製造方法及びITOターゲットの製造方法が得られていないという問題があった。
従来技術として、酸化インジウム−酸化錫粉末を噴霧熱分解法により製造する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この場合はスパッタリングによってITO膜を形成するために製造されるものではなく、ITO微粉末を塗布することによって透明導電膜を形成しようとする場合に用いるためのものであった。
したがって、具体的な例としては、硝酸インジウムと硫酸錫を使用して噴霧熱分解するものであり、この場合の噴霧に使用する混合溶液は0.01〜数モル/L程度、より好ましくは0.5〜2モル/Lとするものである。
そして濃すぎる場合には、微細な粉末が得られないと認識されている。このことは、錫の溶解に際して、容易に溶解しない硫酸が使用されているのもこの技術思想と軌を一にするものであろう。
また、この技術においては、水蒸気を含む熱分解ガスをウオータースクラバーで微粒子を回収し、水中に回収されたITO微粒子を3日間静置後、デカンテーションし、遠心分離して回収するというもので、極めて効率の悪いものである。
特開昭64−87519号公報
本発明は、上記の諸問題点の解決、特に錫の分散性を向上させることにより空孔を減少させ、ITO薄膜形成に好適な成分の均一性に優れた焼結体を得ることができるITO粉末の製造方法及びITOターゲットの製造方法を提供するものであり、これによってITOスパッタリング成膜が均一でない場合に生ずる品質の低下やノジュール等の異常突起物を抑制できるITO膜形成用粉末及び酸化錫−酸化インジウムターゲットを低コストで提供することを目的としたものである。
上記問題点を解決するための技術的な手段として噴霧熱分解法を利用するものであり、これによって酸化インジウム中に錫が固溶したITO粉末の製造し、及びかつITOターゲットを製造方法するものであり、これによってITO透明導電膜等に好適なITO粉末及びターゲットを得ることができるとの知見を得た。
この知見に基づき、本発明は
1.インジウムと錫の濃度が3.0mol/L以上である硝酸インジウムと塩化錫の混合溶液又はスラリーを噴霧熱分解法によりITO粉末とすることを特徴とする酸化インジウム中に錫が固溶したITO粉末の製造方法
2.インジウムと錫の濃度が4.0mol/L以上である硝酸インジウムと塩化錫の混合溶液又はスラリーを噴霧熱分解法によりITO粉末とすることを特徴とする酸化インジウム中に錫が固溶したITO粉末の製造方法
3.酸化インジウム中に錫が過飽和に固溶した粉末であることを特徴とする上記1又は2記載の酸化インジウム中に錫が固溶したITO粉末の製造方法
4.インジウムと錫の濃度が3.0mol/L以上である硝酸インジウムと塩化錫の混合溶液又はスラリーを噴霧熱分解法により、酸化インジウム中に錫が固溶したITO粉末を製造し、この製造したITO粉末を成形及び焼結することを特徴とするITOターゲットの製造方法。
5.硝酸インジウムと塩化錫の混合溶液又はスラリーにおけるインジウムと錫の濃度が4.0mol/L以上であることを特徴とする上記4記載のITOターゲットの製造方法。
6.酸化インジウム中に錫が過飽和に固溶した粉末であることを特徴とする上記4又は5記載の酸化インジウム中に錫が固溶したITO粉末の製造方法、を提供する。
錫の分散性を向上させることにより空孔を減少させ、ITOスパッタリングターゲットの製造に好適なITO粉末の製造方法を提供するものであり、これによってITOスパッタリング成膜が均一でない場合に生ずる品質の低下やノジュール等の異常突起物を抑制できるという優れた効果を有する。
これまでの技術において、上記の特許文献1に示す通り酸化インジウム−酸化錫粉末を噴霧熱分解法により製造する技術が存在するが、この場合はスパッタリングによってITO膜を形成するために製造されるものではなく、ITO微粉末を塗布することによって透明導電膜を形成しようとする場合に用いるためのものであり、本願発明のターゲットを製造する技術とは異なるものである。
本願発明の場合はインジウムと錫の濃度が3.0mol/Lとなるように、好ましくは4.0mol/Lとなるように調整した硝酸インジウムと塩化錫の混合溶液又はスラリーを噴霧熱分解法によりITO粉末とするものであり、酸化インジウム中に錫が固溶した、特に過飽和に固溶したITO粉末を得るものである。
熱分解は火炎の中に直接噴霧する火炎式又は電熱等により間接的に加熱する炉を用いて行うことができる。熱分解温度は800°C〜1200°C程度の温度の範囲で適宜調節して加熱する。硝酸インジウムと塩化錫の混合溶液中のインジウムと錫の濃度が3mol/L未満では好適な焼結体ITOターゲットを製造することができない。
好ましくは4mol/L以上の混合溶液又はスラリーを使用することにより、固溶(過飽和)した粉末を得ることができる。
これによってITO成膜に好適な緻密かつ均一性に優れた焼結体ITOターゲットを製造することができる。
なお、硝酸インジウムと塩化錫のスラリーの場合、流動性が低下するが、噴霧熱分解装置に該スラリーを噴霧するのに支障がない範囲であれば特に問題となることはない。この意味から、インジウムと錫の濃度の上限は8.0mol/L程度とするのが望ましい。
硝酸インジウムと塩化錫の混合溶液を噴霧熱分解法により得られる酸化インジウム中に錫が固溶したITO粉末はバックフイルター、ステンレスフイルター又はサイクロン等によって物理的又は機械的に回収する。
したがって、上記特許文献1に示すような、湿式によるデカンテーション等の工程は全く不要であり、噴霧熱分解法により製造されたITO粉をそのまま使用することができる。すなわち上記のように酸化インジウム中に錫が固溶(過飽和)したITO粉末を回収した後、成形及び焼結して直接ITOターゲットを製造することができる
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本実施例はあくまで1例であり、この例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲内で、実施例以外の態様あるいは変形を全て包含するものである。本願の実施例と対比するための比較例を同時に示す
(実施例1)
インジウム金属を濃硝酸(60%)で溶解した溶液と錫金属を塩酸(32%)で溶解した溶液を噴霧熱分解後のIn:SnOの重量比が9:1になるように混合した。また、この時のインジウム+錫濃度が4.64mol/Lとなる溶液とした。
次に、この混合溶液を、二流体ノズルを用いて1000°Cに加熱したムライト製の炉心管内に噴霧、熱分解させた。噴霧圧力は0.2Mpa、ノズルエア流量は25m/min、キャリアエア流量は20m/min、原液噴霧量は1.6kg/hとした。生成したITO粉はバグフィルターで、熱分解ガスはスクラバーで回収した。バグフィルター温度は180°Cとした。
得られたITO粉末は、比表面積が9.74m/g、メジアン径(D50)が9.64μm、嵩密度0.34g/ccであった。
また、ITO粉末のXRD測定ではInのみが観察された。
(実施例2)
インジウム金属を濃硝酸(60%)で溶解した溶液と錫金属を濃硝酸(60%)で溶解して得られたメタ錫酸スラリーを噴霧熱分解後のIn:SnOの重量比が9:1になるように混合した。また、この時のインジウム+錫濃度が3.32mol/L(382g/l)のスラリーとした。
次に、このスラリーを、実施例1と同様の条件で噴霧、熱分解させた。生成したITO粉はバグフィルターで、熱分解ガスはスクラバーで回収した。バグフィルター温度は180°Cとした。
得られたITO粉末は、比表面積が10.03m/g、メジアン径(D50)が4.28μm、嵩密度0.23g/ccであった。また、ITO粉末のXRD測定ではInのみが観察された。
(比較例1)
インジウム金属を濃硝酸(60%)で溶解した溶液を電解することにより、水酸化インジウムを析出させた。この沈殿物をフイルタープレスにより回収し、洗浄した後にロータリーキルンで乾燥、酸化させて酸化インジウム粉を得た。
同時に、錫金属を濃硝酸(60%)に溶解させてできるメタ錫酸を、同様にフイルタープレスで回収し、洗浄した後にロータリーキルンで乾
燥、酸化させて酸化錫粉を得た。
この酸化インジウムと酸化錫を重量比で9:1になるように秤量し、ビーズミルで混合、微粉砕して酸化インジウム−酸化錫混合(ITO)粉末を得た。得られたITO粉末は、比表面積が7.55m/g、メジアン径(D50)が1.67μm、嵩密度0.65g/ccであった。また、ITO粉末のXRD測定ではInとSnOが観察された。
(比較例2)
酸化インジウムと酸化錫の比が9:1になるように混合したインジウム塩と錫塩の混合水溶液と25%アンモニア水溶液を反応中のpHが5.0となるように維持しながら滴下し、インジウムと錫の沈殿物を得た。
この沈殿をろ過後、純水でpHが7.0になるまで3回洗浄した。次に、この沈殿物を120°にて乾燥し、この乾燥物を20vol%の塩化水素ガスを流しながら1100°Cで40分間焼成した。焼成した粉を再び水洗、乾燥してITO粉末を得た。
得られたITO粉末は、比表面積が3.23m/g、メジアン径(D50)が3.45μm、嵩密度0.58g/ccであった。また、ITO粉末のXRD測定ではInとSnOが観察された。
(実施例3)
インジウム金属を濃硝酸(60%)で溶解した溶液と錫金属を塩酸(32%)で溶解した溶液を噴霧熱分解後のIn:SnOの重量比が9:1になるように混合した。また、この時のインジウム+錫濃度が4.64mol/Lとなる溶液とした。
次に、燃焼ガスであるブタン3m/h及び酸素17m/hを噴射して約3000°Cの酸素バーナー火炎を形成し、この火炎中に前記混合溶液(原液)を噴霧してITOアトマイズ粉末を作成した。火炎中に噴霧する原液の流量は8kg/hとし、原液の担持ガスには酸素ガスを使用して、噴霧圧力0.2Mpa、流量5m/minで噴霧した。
得られたITO粉末は、比表面積1.07m/g、メジアン径(D50が0.86μm、嵩密度0.42g/ccであった。また、ITO粉末のXRD測定では図6に示すように、Inのみが観察された。
上記実施例1、2、3及び比較例1、2得られたITO粉体の特性値の比較をまとめて表1に示す。
表1に示すように、上記実施例1及び実施例2で作成したITO粉体は、比較例1、2の粉体と比較して大きな比表面積をもち、微細な一次粒の凝集体となっている。凝集は比較的緩やかなため、粉体の嵩密度は小さい。
一方、実施例3については、下記SEM観察画像に示すように、非常に結晶性の高い単分散粉体であると共に、In単相の錫過飽和ITO粉となっていることが確認された。
Figure 0004060187
実施例1のITO粉を造粒した粉体のEPMA観察画像を図1(A,B)に、比較例1のインジウム酸化物と錫酸化物との混合粉を造粒した粉体のEPMA観察画像を図2(A,B)に、比較例2の共沈ITO粉の造粒した粉体のEPMA観察画像を図3(A,B)にそれぞれ示す。各図のAはSn、BはInのEPMA観察画像を示す。
図1(A)に示す実施例1では錫が均一に分散しているのが観察された。図示しないが、実施例2でも図1と同様の結果が得られた。
これに対し、図2(A)の比較例では錫がところどころに偏析しているのが観察された。これにより本実施例の噴霧熱分解法は、比較例1に対し錫の分散性が向上しているのが確認できる。なお、図3の(A)のEPMA観察では、錫の分散性が図1の噴霧熱分解法と同じように見える結果が得られた。
実施例1、2及び比較例1、2のXRD測定結果を図4に示す。図4における上部のグラフが実施例1、2のITO粉末のXRD測定結果、下部のグラフが比較例1、2のITO粉末のXRD測定結果である。
図4に示すように、比較例1、2の粉体では26.5度付近にSnOのピークが観察されるのに対し、実施例1、2ではこのピークが見られず、SnOがIn中に固溶しているのが分かる。
これより、実施例1、2のITO粉末では錫がインジウム酸化物マトリックス中に固溶しており、錫の分散性の向上が錫の固溶によるものであることが分かる。上記のように、比較例2の共沈粉におけるEPMAの観察では、一見錫の分散性が噴霧熱分解法と同じように見えたが、このXRDでみると固溶していないことが分かる。
さらに、図5は実施例3のITO粉のSEM観察画像であり、また図6は同粉末のXRD測定結果を示す図であるが、これらから実施例3のITO粉末はIn単相の錫過飽和ITO粉であり、かつ結晶性が高い単分散粉体であることが確認できる。これにより、錫の分散性が著しく向上する。
以上の実施例1〜3に示すように、本発明の噴霧熱分解法は錫の分散性に著しく優れていることが分かる。
錫の分散性を向上させることにより空孔を減少させ、ITOスパッタリングターゲットの製造に好適なITO粉末の製造方法を提供するものであり、これによってITOスパッタリング成膜が均一でない場合に生ずる品質の低下やノジュール等の異常突起物を抑制できるという優れた効果を有する。ITOスパッタリングターゲット用粉末として有用である
実施例1のITO粉を造粒した粉体のEPMA観察結果を示す画像である。 比較例1のインジウム酸化物と錫酸化物との混合粉を造粒した粉体のEPMA観察結果を示す画像である。 比較例2の共沈ITO粉の造粒した粉体のEPMA観察結果を示す画像である。 実施例1、2及び比較例1、2の各粉体のXRD測定結果を示す図である。 実施例3のITO粉のSEM観察画像である。 実施例3のITO粉末のXRD測定結果を示す図である。

Claims (6)

  1. インジウムと錫の濃度が3.0mol/L以上である硝酸インジウムと塩化錫の混合溶液又はスラリーを噴霧熱分解法によりITO粉末とすることを特徴とする酸化インジウム中に錫が固溶したITO粉末の製造方法。
  2. インジウムと錫の濃度が4.0mol/L以上である硝酸インジウムと塩化錫の混合溶液又はスラリーを噴霧熱分解法によりITO粉末とすることを特徴とする酸化インジウム中に錫が固溶したITO粉末の製造方法。
  3. 酸化インジウム中に錫が過飽和に固溶した粉末であることを特徴とする請求項1又は2記載の酸化インジウム中に錫が固溶したITO粉末の製造方法。
  4. インジウムと錫の濃度が3.0mol/L以上である硝酸インジウムと塩化錫の混合溶液又はスラリーを噴霧熱分解法により、酸化インジウム中に錫が固溶したITO粉末を製造し、この製造したITO粉末を成形及び焼結することを特徴とするITOターゲットの製造方法。
  5. 硝酸インジウムと塩化錫の混合溶液又はスラリーにおけるインジウムと錫の濃度が4.0mol/L以上であることを特徴とする請求項4記載のITOターゲットの製造方法。
  6. 酸化インジウム中に錫が過飽和に固溶した粉末であることを特徴とする請求項4又は5記載の酸化インジウム中に錫が固溶したITO粉末の製造方法。
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