JP4058223B2 - 圧電/電歪デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電/電歪素子の変位動作に基づいて作動する可動部を備えた圧電/電歪デバイス、もしくは可動部の変位を圧電/電歪素子により検出できる圧電/電歪デバイス及びその製造方法に関し、詳しくは、強度、耐衝撃性、耐湿性に優れ、効率よく可動部を大きく作動させることができる圧電/電歪デバイス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、光学や磁気記録、精密加工等の分野において、サブミクロンオーダーで光路長や位置を調整可能な変位素子が必要とされており、圧電/電歪材料(例えば強誘電体等)に電圧を印加したときに惹起される逆圧電効果や電歪効果による変位を利用した変位素子の開発が進められている。
【0003】
従来、このような変位素子としては、例えば図41に示すように、圧電/電歪材料からなる板状体200に孔部202を設けることにより、固定部204と可動部206とこれらを支持する梁部208とを一体に形成し、更に、梁部208に電極層210を設けた圧電アクチュエータが開示されている(例えば特開平10−136665号公報参照)。
【0004】
前記圧電アクチュエータにおいては、電極層210に電圧を印加すると、逆圧電効果や電歪効果により、梁部208が固定部204と可動部206とを結ぶ方向に伸縮するため、可動部206を板状体200の面内において弧状変位又は回転変位させることが可能である。
【0005】
一方、特開昭63−64640号公報には、バイモルフを用いたアクチュエータに関して、そのバイモルフの電極を分割して設け、分割された電極を選択して駆動することにより、高精度な位置決めを高速に行う技術が開示され、この公報(特に第4図)には、例えば2枚のバイモルフを対向させて使用する構造が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記圧電アクチュエータにおいては、圧電/電歪材料の伸縮方向(即ち、板状体200の面内方向)の変位をそのまま可動部206に伝達していたため、可動部206の作動量が小さいという問題があった。
【0007】
また、圧電アクチュエータは、すべての部分を脆弱で比較的重い材料である圧電/電歪材料によって構成しているため、機械的強度が低く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に劣ることに加え、圧電アクチュエータ自体が重く、動作上、有害な振動(例えば、高速作動時の残留振動やノイズ振動)の影響を受けやすいという問題点があった。
【0008】
前記問題点を解決するために、孔部202に柔軟性を有する充填材を充填することが提案されているが、単に充填材を使用しただけでは、逆圧電効果や電歪効果による変位の量が低下することは明らかである。
【0009】
更に、前記特開昭63−64640号公報に記載されたアクチュエータは、固定部材ないしは中継部材に対してバイモルフを貼り付けたものであることに加え、バイモルフ自身2枚の圧電子を貼り合わせてなる構造のものであることから、それらの貼り付け、貼り合わせにかかる加熱処理や接着剤の硬化収縮等に起因した応力を残留しやすく、その内部残留応力によって、変位動作が妨げられ、設計通りの変位、共振周波数を実現できないおそれがある。特に、アクチュエータがサイズ的に小さい場合、接着剤の影響は自ずから大きくなってしまう。
【0010】
そこで、貼り付けにかかる接着剤の影響を排除する方法として、アクチュエータを例えばセラミックスの一体焼成物で構成し、接着剤を使用しない構造とすることが考えられる。しかしながら、この場合においても、焼成時の各部材の熱収縮挙動の違いによって、内部残留応力が発生するおそれは免れ得ない。
【0011】
また更に、アクチュエータがサイズ的に小さい場合には、そのアクチュエータの固定性及びアクチュエータへの他の部品の取付性が低下するという問題を内在していた。
【0012】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、デバイスの軽量化、中でも可動部又は固定部の軽量化、デバイスのハンドリング性並びに可動部への部品の取付性又はデバイスの固定性を向上させることができ、これにより、相対的に低電圧で可動部を大きく変位することができると共に、デバイス、特に、可動部の変位動作の高速化(高共振周波数化)を達成させることができ、しかも、有害な振動の影響を受け難く、高速応答が可能で、機械的強度が高く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振動を精度よく検出することが可能なセンサ素子を得ることができる圧電/電歪デバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明に係る圧電/電歪デバイスは、矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、相対向する一対の可動部とを有し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも一方の薄板部に圧電/電歪素子が形成された圧電/電歪デバイスであって、一方の前記薄板部のうち、他方の前記薄板部と対向する面とは反対の面上に前記圧電/電歪素子が形成され、前記一対の可動部は、互いに対向する端面を有し、前記一対の可動部の端面間の距離は、前記可動部の前記端面のうち、前記固定部に向かって延びる辺の長さ以上であることを特徴とする。
また、第2の本発明に係る圧電/電歪デバイスは、矩形体である可動部と、前記可動部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記可動部が設けられるのと対向する端に、相対向する一対の固定部とを有し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に圧電/電歪素子が形成された圧電/電歪デバイスであって、一方の前記薄板部のうち、他方の前記薄板部と対向する面とは反対の面上に前記圧電/電歪素子が形成され、前記一対の固定部は、互いに対向する端面を有し、前記一対の固定部の端面間の距離は、前記可動部のうち、前記一面と、該一面と反対側の面との間の最短距離以上であることを特徴とする。
【0014】
前記可動部、固定部、薄板部は、セラミックスもしくは金属を用いて構成されていてもよく、また、各部をセラミック材料同士で構成することもできるし、あるいは金属材料同士で構成することもできる。更には、セラミックスと金属の材料とから製造されたものを組み合わせたハイブリッド構造として構成することもできる。
【0015】
そして、前記可動部又は固定部のいずれか一方に切除部を設け、前記切除部の一部が前記互いに対向する端面を構成するようにしてもよい。更に、前記薄板部と前記可動部と前記固定部は、セラミックグリーン積層体を同時焼成することによって一体化し、更に不要な部分を切除してなるセラミック基体で構成するようにしてもよい。また、前記圧電/電歪素子を膜状とし、焼成によって前記セラミック基体に一体化するようにしてもよい。
【0016】
この場合、前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と、該圧電/電歪層に形成された一対の電極とを有して構成することができる。また、前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と、該圧電/電歪層の両側に形成された一対の電極とを有し、該一対の電極のうち、一方の電極を少なくとも前記薄板部に形成するようにしてもよい。この場合、圧電/電歪素子による振動を薄板部を通じて効率よく可動部又は固定部に伝達することができ、応答性の向上を図ることができる。特に、前記圧電/電歪素子は、前記圧電/電歪層と前記一対の電極の複数が積層形態で構成されていることが好ましい。
【0017】
このような構成にすることにより、圧電/電歪素子の発生力が増大し、もって大変位が図られると共に、デバイス自体の剛性が増すことで、高共振周波数化が図られ、変位動作の高速化を容易に達成できるという特徴がある。
【0018】
そして、前記互いに対向する端面の間を空隙としてもよいし、前記互いに対向する端面の間に前記可動部又は固定部のいずれか一方の構成部材と同じ部材あるいは異なる複数の部材、例えばガラス、セメント、有機樹脂などが挙げられ、好ましくは有機樹脂、例えばエポキシ系、アクリル系、ポリイミド系、フェノール系、シリコーン系、テルペン系、キシレン系、スチレン系、メラミン系、メタクリル系、ゴム系等もしくはこれらの混合物、共重合体を介在させるようにしてもよい。中でも接合性、取り扱い性、硬さ等の点から、エポキシ系、アクリル系、メタクリル系の有機樹脂などを介在させることが好ましい。また、更に硬度を上げる目的で無機材料等のフィラーを混入させることも好ましい。
【0019】
特に、前記互いに対向する端面の間を空隙とした場合や、前記互いに対向する端面の間に前記可動部又は固定部の構成部材よりも軽い部材を介在させる、あるいは前記部材でも小さなものにより端面間を接合させることで、可動部又は固定部の軽量化を有効に図ることができるため、可動部又は固定部の変位量を低下させることなく、共振周波数を高めることが可能となる。
【0020】
また、前記互いに対向する端面の間を空隙とした場合は、一方の端面を含む可動部又は固定部の一部と、他方の端面を含む可動部又は固定部の別の一部とが撓みやすくなり、変形に強くなる。そのため、圧電/電歪デバイスのハンドリング性に優れることとなる。
【0021】
更に、端面間の距離が前記可動部の長さ以上であるため、可動部に他の部品を取り付ける場合に、その取付面積を大きくとることができ、部品の取付性を向上させることができる。ここで、部品を例えば接着剤等によって固着する場合を考えると、物品を両側から挟んで保持することができるため、部品を確実に固着することができる。
【0022】
更に、物品を両側から挟んで保持することで、物品の高さと可動部の高さが単純に加算されなくなり、物品を含めた全体の高さを低く保つことができる。また、更に、可動部の長さを端面側の距離よりも小さくできることから、部品を接着する接着剤等の物性が有効に作用し、変位を大きくすることができる。
【0023】
一方、互いに対向する端面を有する固定部とした場合は、この発明に係る圧電/電歪デバイスを所定の固定部分に強固に固定することが可能となり、信頼性の向上を図ることができる。
【0024】
このように、本発明においては、デバイスの軽量化、中でも可動部又は固定部の軽量化、デバイスのハンドリング性、並びに可動部への部品の取付性、小型化、デバイスの固定性を向上させることができ、これにより、可動部を大きく変位させることができると共に、可動部の変位動作の高速化(高共振周波数化)を達成させることができ、しかも、有害な振動の影響を受け難く、高速応答が可能で、機械的強度が高く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振動を精度よく検出することが可能なセンサ素子を得ることができる。
【0025】
ところで、圧電/電歪デバイスの製造においては、例えば貼り合わせや後述する膜形成法を用いた一体焼成等によって、例えばセラミック積層体(セラミックグリーンシートを積層し、一体焼成したもの)に圧電/電歪素子を形成したとき、圧電/電歪素子及び/又は薄板部となる部分に内部残留応力が発生することになる。特に、一体焼成によって圧電/電歪素子をセラミック積層体に形成する場合は、焼成時に生じる構成部材の収縮や熱膨張率の違いによって圧電/電歪素子及び/又は薄板部となる部分に内部残留応力が発生しやすくなる。
【0026】
この状態から、圧電/電歪デバイスを作製し、使用すると、圧電/電歪素子を構成する圧電/電歪層に所定電界を与えても、可動部において所望の変位を示さない場合がある。これは、圧電/電歪層の材料特性及び可動部の変位動作が、圧電/電歪素子及び/又は前記薄板部に発生している内部残留応力によって阻害されているからである。
【0027】
この発明では、可動部又は固定部のいずれか一方に互いに対向する端面を設けるようにしているため、端面間の距離が、前記圧電/電歪素子及び/又は薄板部に発生している内部残留応力によって、例えば縮まることになる。即ち、圧電/電歪素子及び/又は薄板部に生じていた内部残留応力が端面の移動によって解放されることとなる。
【0028】
更に、この発明では、端面間の距離を広くとるようにしているため、内部残留応力によって端面間の距離が狭まっても、該端面間に他の部品を取り付けるだけの余裕を持たせることができる。
【0029】
このように、本発明では、可動部の変位動作が前記内部残留応力によって阻害されることがなくなり、ほぼ設計通りの可動部の変位動作を得ることができる。加えて、この内部残留応力の解放によって、デバイスの機械強度の向上も図ることができる。
【0030】
また、前記一対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前記複数の部材の内壁と前記固定部の内壁とにより孔部が形成される場合に、該孔部内に、ゲル状の材料を充填するようにしてもよい。この場合、通常は、充填材の存在によって、可動部の変位動作が制限を受けることになるが、上述の発明は、可動部又は固定部への端面の形成に伴う軽量化や可動部の変位量の増大化を図るようにしているため、前記充填材による可動部の変位動作の制限が打ち消され、充填材の存在による効果、即ち、高共振周波数化や剛性の確保を実現させることができる。
【0031】
次に、第3の本発明に係る圧電/電歪デバイスの製造方法は、矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、相対向する一対の可動部とを有し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に圧電/電歪素子が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、一方の前記薄板部のうち、他方の前記薄板部と対向する面とは反対の面上に前記圧電/電歪素子を形成した後に、前記可動部となる部分の所定部位を切除して、互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が前記端面のうち、前記固定部に向って延びる辺の長さ以上とされた前記可動部を形成する工程を有することを特徴とする。
また、第4の本発明に係る圧電/電歪デバイスの製造方法は、矩形体である可動部と、前記可動部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記可動部が設けられるのと対向する端に、相対向する一対の固定部とを有し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に圧電/電歪素子が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、一方の前記薄板部のうち、他方の前記薄板部と対向する面とは反対の面上に前記圧電/電歪素子を形成した後に、前記固定部となる部分の所定部位を切除して、互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が前記可動部の一面と、該一面と反対側の面との間の最短距離以上とされた前記固定部を形成する工程を有することを特徴とする。
【0032】
互いに対向する端面を有する可動部又は固定部が設けられることとなるため、製造時に圧電/電歪素子及び/又は薄板部に発生していた内部残留応力が、端面間の距離が例えば縮まることによって解放されることになり、可動部の変位動作が前記内部残留応力によって阻害されることがない。
【0033】
ここでいう圧電/電歪素子を作製した後とは、少なくとも圧電/電歪層が形成された状態を示し、圧電/電歪層の形成後に形成される電極に対しては、互いに対向する端面を有する可動部又は固定部を形成するための切除を行った後に形成するようにしてもかまわない。
【0034】
また、互いに対向する端面を有する可動部又は固定部を設けることによって、可動部又は固定部が軽量化されるため、可動部の変位量を低下させることなく、共振周波数を高めることが可能となる圧電/電歪デバイスを効率よく、かつ、容易に製造することができ、高性能の圧電/電歪デバイスの量産化を実現させることができる。
【0035】
しかも、可動部又は固定部が撓みやすくなり、変形に強くなるため、圧電/電歪デバイスのハンドリング性に優れることとなり、また、前記互いに対向する端面の存在と、該端面間の距離を広くするようにしているため、可動部に他の部品を取り付ける場合に、その取付面積を大きくとることができ、部品の取付性を向上させることができる。また、部品を挟んで接着する際、変位を向上させることができる。
【0036】
次に、第5の本発明に係る圧電/電歪デバイスの製造方法は、矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、相対向する一対の可動部とを有し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に圧電/電歪素子が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、少なくとも窓部を有するセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、セラミック積層体を作製するセラミック積層体作製工程と、前記セラミック積層体のうち、一方の前記薄板部となる部分の外表面であって、後に他方の前記薄板部となる部分と対向する面とは反対の面上に前記圧電/電歪素子を形成する工程と、前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対する少なくとも1回の切除処理によって、少なくとも前記互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が前記端面のうち、前記固定部に向って延びる辺の長さ以上とされた前記可動部を形成する切除工程とを含むことを特徴とする。
また、第6の本発明に係る圧電/電歪デバイスの製造方法は、矩形体である可動部と、前記可動部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記可動部が設けられるのと対向する端に、相対向する一対の固定部とを有し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に圧電/電歪素子が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、少なくとも窓部を有するセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、セラミック積層体を作製するセラミック積層体作製工程と、前記セラミック積層体のうち、一方の前記薄板部となる部分の外表面であって、後に他方の前記薄板部となる部分と対向する面とは反対の面上に前記圧電/電歪素子を形成する工程と、前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対する少なくとも1回の切除処理によって、少なくとも前記互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が、前記可動部のうち、前記一面と、該一面と反対側の面との間の最短距離長さ以上とされた前記固定部を形成する切除工程とを含むことを特徴とする。
【0037】
これにより、圧電/電歪デバイスの製造において、特に、焼成によって、セラミック積層体に圧電/電歪素子を形成したときに、圧電/電歪素子及び/又は薄板部に発生する内部残留応力を効果的に解放することができるため、セラミックグリーンシート積層法を用いて圧電/電歪デバイスを作製する場合において、デバイスの軽量化、中でも可動部又は固定部の軽量化、デバイスのハンドリング性、並びに可動部への部品の取付性、デバイスの固定性を向上させることができ、これにより、可動部を大きく変位することができる。
【0038】
そして、第5の本発明において、少なくとも互いに対向する端面を有する前記可動部を形成するための窓部を有する複数のセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、前記セラミック積層体を作製し、前記切除工程は、前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対する切除処理によって、少なくとも前記互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が前記端面のうち、前記固定部に向って延びる辺の長さ以上とされた前記可動部を形成するようにしてもよい。
また、第6の本発明において、前記セラミック積層体作製工程は、少なくとも互いに対向する端面を有する前記固定部を形成するための窓部を有する複数のセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、前記セラミック積層体を作製し、前記切除工程は、前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対する切除処理によって、少なくとも前記互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が、前記可動部のうち、前記一面と、該一面と反対側の面との間の最短距離長さ以上とされた前記固定部を形成するようにしてもよい。
【0039】
また、第5の本発明において、前記セラミック積層体作製工程は、少なくとも互いに対向する端面が一部連結された前記可動部となる部分を形成するための窓部を有する複数のセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、前記セラミック積層体を作製し、前記切除工程は、前記圧電/電歪素子が形成された前記セラミック積層体に対する切除処理によって、少なくとも互いに対向する端面が一部連結された前記可動部となる部分を形成し、更に、前記連結部分を切除して互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が前記端面のうち、前記固定部に向って延びる辺の長さ以上とされた前記可動部を形成するようにしてもよい。
また、第6の本発明において、前記セラミック積層体作製工程は、少なくとも互いに対向する端面が一部連結された前記固定部となる部分を形成するための窓部を有する複数のセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、前記セラミック積層体を作製し、前記切除工程は、前記圧電/電歪素子が形成された前記セラミック積層体に対する切除処理によって、少なくとも互いに対向する端面が一部連結された前記固定部となる部分を形成し、更に、前記連結部分を切除して互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が、前記可動部のうち、前記一面と、該一面と反対側の面との間の最短距離以上とされた前記固定部を形成するようにしてもよい。
【0040】
なお、前記互いに対向する端面の間に、前記可動部又は固定部の構成部材と異なる複数の部材を介在させる工程を含めるようにしてもよい。この場合、前記複数の部材のうち、少なくとも1つの部材として有機樹脂を用いることができる。
【0041】
従って、本発明に係る圧電/電歪デバイス及びその製造方法によれば、各種トランスデューサ、各種アクチュエータ、周波数領域機能部品(フィルタ)、トランス、通信用や動力用の振動子や共振子、発振子、ディスクリミネータ等の能動素子のほか、超音波センサや加速度センサ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等の各種センサ用のセンサ素子として利用することができ、特に、光学機器、精密機器等の各種精密部品等の変位や位置決め調整、角度調整の機構に用いられる各種アクチュエータに好適に利用することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る圧電/電歪デバイス及びその製造方法の実施の形態例を図1〜図40を参照しながら説明する。
【0043】
ここで、圧電/電歪デバイスは、圧電/電歪素子により電気的エネルギと機械的エネルギとを相互に変換する素子を包含する概念である。従って、各種アクチュエータや振動子等の能動素子、特に、逆圧電効果や電歪効果による変位を利用した変位素子として最も好適に用いられるほか、加速度センサ素子や衝撃センサ素子等の受動素子としても好適に使用され得る。
【0044】
この実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10は、図1に示すように、相対向する一対の薄板部12a及び12bと、これら薄板部12a及び12bを支持する固定部14とが一体に形成された基体16を具備し、一対の薄板部12a及び12bの各一部にそれぞれ圧電/電歪素子18a及び18bが形成されて構成されている。
【0045】
つまり、この圧電/電歪デバイス10は、前記圧電/電歪素子18a及び/又は18bの駆動によって一対の薄板部12a及び12bが変位し、あるいは薄板部12a及び12bの変位を圧電/電歪素子18a及び/又は18bにより検出する構成を有する。従って、図1の例では、薄板部12a及び12bと圧電/電歪素子18a及び18bにてアクチュエータ部19a及び19bが構成されることになる。
【0046】
更に、一対の薄板部12a及び12bは、各先端部分が内方に向かって肉厚とされ、該肉厚部分は、薄板部12a及び12bの変位動作に伴って変位する可動部20a及び20bとして機能することになる。以下、一対の薄板部12a及び12bの先端部分を可動部20a及び20bと記す。
【0047】
なお、前記基体16については、全体をセラミックスもしくは金属を用いて構成されたもののほか、セラミックスと金属の材料で製造されたものを組み合わせたハイブリッド構造としてもよい。
【0048】
また、基体16は、各部を有機樹脂、ガラス等の接着剤で接着してなる構造、セラミックグリーン積層体を焼成により一体化してなるセラミック一体構造、ロウ付け、半田付け、共晶接合もしくは溶接等で一体化した金属一体構造等の構成を採用することができ、好ましくはセラミックグリーン積層体を焼成により一体化したセラミック積層体で基体16を構成することが望ましい。
【0049】
このようなセラミックスの一体化物は、各部の接合部に接着剤が介在しないことから、経時的な状態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性が高く、かつ、剛性確保に有利な構造であることに加え、後述するセラミックグリーンシート積層法により、容易に製造することが可能である。
【0050】
そして、圧電/電歪素子18a及び18bは、後述のとおり別体として圧電/電歪素子18a及び18bを準備して、基体16に有機樹脂、ガラス等の接着剤や、ロウ付け、半田付け、共晶接合等で貼り付けられるほか、膜形成法を用いることにより、前記貼り付けではなく直接基体16に形成されることとなる。
【0051】
圧電/電歪素子18a及び18bは、圧電/電歪層22と、該圧電/電歪層22の両側に形成された一対の電極24及び26とを有して構成され、該一対の電極24及び26のうち、一方の電極24が少なくとも一対の薄板部12a及び12bに形成されている。
【0052】
本実施の形態では、圧電/電歪層22並びに一対の電極24及び26をそれぞれ多層構造とし、一方の電極24と他方の電極26を断面ほぼ櫛歯状となるようにそれぞれ互い違いに積層し、これら一方の電極24と他方の電極26が圧電/電歪層22を間に挟んで重なる部分が多段構成とされた圧電/電歪素子18a及び18bとした場合を主体に説明するが、多層構造に限らず単層構造であってもよい。この場合、多層の数は特に限定しないが、10層以下が好ましく、更に好ましくは5層以下である。
【0053】
図1では、圧電/電歪層22を3層構造とし、一方の電極24が1層目の下面(薄板部12a及び12bの側面)と2層目の上面に位置するように櫛歯状に形成し、他方の電極26が1層目の上面と3層目の上面に位置するように櫛歯状に形成した例を示している。この構成の場合、一方の電極24同士並びに他方の電極26同士をそれぞれつなぎ共通化することで、端子28及び30の数を減らすことができるため、圧電/電歪素子18a及び18bの多層化に伴うサイズの大型化を抑えることができる。
【0054】
なお、一対の電極24及び26への電圧の印加は、各電極24及び26のうち、それぞれ固定部14の両側面(素子形成面)上に形成された端子(パッド)28及び30を通じて行われるようになっている。各端子28及び30の位置は、一方の電極24に対応する端子28が固定部14の後端寄りに形成され、外部空間側の他方の電極26に対応する端子30が固定部14の内壁寄りに形成されている。
【0055】
この場合、圧電/電歪デバイス10の固定を、端子28及び30が配置された面とは別の面を利用してそれぞれ別個に行うことができ、結果として、圧電/電歪デバイス10の固定と、回路と端子28及び30間の電気的接続の双方に高い信頼性を得ることができる。この構成においては、フレキシブルプリント回路(FPCとも称される)、フレキシブルフラットケーブル(FFCとも称される)、ワイヤボンディング等によって端子28及び30と回路との電気的接続が行われる。
【0056】
このように多層構造の圧電/電歪素子18a及び18bを用いることにより、アクチュエータ部19a及び19bの駆動力が増大し、もって大変位が図られると共に、圧電/電歪デバイス10自体の剛性が増すことで、高共振周波数化が図られ、変位動作の高速化が容易に達成できる。
【0057】
なお、段数を多くすれば、アクチュエータ部19a及び19bの駆動力の増大は図られるが、それに伴い消費電力も増えるため、実施する場合には、用途、使用状態に応じて適宜段数等を決めればよい。また、この実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10では、圧電/電歪素子18a及び18bを用いることによって、アクチュエータ部19a及び19bの駆動力を上げても、基本的に薄板部12a及び12bの幅(Y軸方向の距離)は不変であるため、例えば非常に狭い間隙において使用されるハードディスク用磁気ヘッドの位置決め、リンギング制御等のアクチュエータに適用する上で非常に好ましいデバイスとなる。
【0058】
圧電/電歪素子18a及び18bの他の例としては、例えば図2に示すように、圧電/電歪層22を5層構造とし、一方の電極24を1層目の上面と3層目の上面と5層目の上面に位置するように櫛歯状に形成し、他方の電極26を2層目の上面と4層目の上面に位置するように櫛歯状に形成した例を示してもよい。
【0059】
また、図3に示すように、圧電/電歪層22を同じく5層構造とし、一方の電極24を1層目の上面と3層目の上面と5層目の上面に位置するように櫛歯状に形成し、他方の電極26を1層目の下面と2層目の上面と4層目の上面に位置するように櫛歯状に形成するようにしてもよい。
【0060】
なお、一対の電極24及び26への電圧の印加は、5層目の圧電/電歪層22上に形成された各電極24及び26の端部(以下、端子部24a及び26aと記す)を通じて行われるようになっている。各端子部24a及び26aは電気的に絶縁できる程度に離間して形成されている。
【0061】
上述の圧電/電歪素子18a及び18bにおいては、一対の電極24及び26間に圧電/電歪層22を介在させたいわゆるサンドイッチ構造で構成した場合を示したが、その他、図4に示すように、少なくとも薄板部12a及び12bの側面に形成された圧電/電歪層22の一主面に櫛型の一対の電極24及び26を形成するようにしてもよいし、図5に示すように、少なくとも薄板部12a及び12bの側面に形成された圧電/電歪層22に櫛型の一対の電極24及び26を埋め込んで形成するようにしてもよい。
【0062】
図4に示す構造の場合は、消費電力を低く抑えることができるという利点があり、図5に示す構造の場合は、歪み、発生力の大きな電界方向の逆圧電効果を有効に利用できる構造であることから、大変位の発生に有利になる。
【0063】
具体的には、図4に示す圧電/電歪素子18a及び18bは、圧電/電歪層22の一主面に櫛型構造の一対の電極24及び26が形成されてなり、一方の電極24及び他方の電極26が互い違いに一定の幅の間隙32をもって相互に対向する構造を有する。図4では、一対の電極24及び26を圧電/電歪層22の一主面に形成した例を示したが、その他、薄板部12a及び12bと圧電/電歪層22との間に一対の電極24及び26を形成するようにしてもよいし、圧電/電歪層22の一主面並びに薄板部12a及び12bと圧電/電歪層22との間にそれぞれ櫛型の一対の電極24及び26を形成するようにしてもよい。
【0064】
一方、図5に示す圧電/電歪素子18a及び18bは、圧電/電歪層22に埋め込まれるように、櫛型構造の一対の電極24及び26が形成され、一方の電極24及び他方の電極26が互い違いに一定の幅の間隙32をもって相互に対向する構造を有する。
【0065】
このような図4及び図5に示すような圧電/電歪素子18a及び18bも本実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10に好適に用いることができる。図4及び図5に示す圧電/電歪素子18a及び18bのように、櫛型の一対の電極24及び26を用いる場合は、各電極24及び26の櫛歯のピッチDを小さくすることで、圧電/電歪素子18a及び18bの変位を大きくすることが可能である。
【0066】
そして、可動部20a及び20bの互いに対向する端面34a及び34b間の距離Lcは、可動部20a及び20bの長さ(正確には可動部20a及び20bのZ軸方向の長さ)Df以上とされ、これら端面34a及び34b間に例えば図1に示すように、空隙(空気)36を介在させるようにしてもよいし、図6及び図7に示す第1及び第2の変形例に係る圧電/電歪デバイス10a及び10bのように、これら端面34a及び34bの間に可動部20a及び20bの構成部材と同じ材質あるいは異なる材質からなる複数の部材を介在させるようにしてもよい。この場合、各可動部20a及び20bの互いに対向する端面34a及び34bは取付面34a及び34bとして機能することになる。
【0067】
図6に示す第1の変形例に係る圧電/電歪デバイス10aでは、取付面34a及び34b間の距離Lcを可動部20a及び20bの長さDfの約1.5倍に設定し、かつ、取付面34a及び34b間にそれぞれほぼ同じ厚みの3つのスペーサ部材37A、37B及び37Cを介在させた場合を示す。
【0068】
図7に示す第2の変形例に係る圧電/電歪デバイス10bでは、取付面34a及び34b間の距離Lcを可動部20a及び20bの長さDfの約1.5倍に設定し、かつ、1つの大きなスペーサ部材37を接着剤38を介して取付面34a及び34b間に接着させた場合を示す。
【0069】
更に、例えば第2の変形例に係る圧電/電歪デバイス10bにおいては、例えば図8に示すように、スペーサ部材37の中心軸nから各端面34a及び34bまでの距離La及びLbをほぼ等しくすることが好ましい。
【0070】
これら第1及び第2の変形例に係る圧電/電歪デバイス10a及び10bでは、3つのスペーサ部材37A〜37C(図6参照)並びにスペーサ部材37(図7参照)は、ほぼ直方体の形状を呈し、各側面(薄板部12a及び12bの可動部20a及び20bに対向する面)の面積は、薄板部12a及び12bの可動部20a及び20bにおける取付面34a及び34bの面積とほぼ同じに設定されている。
【0071】
ここで、例えば第2の変形例に係る圧電/電歪デバイス10bの動作について説明する。まず、例えば2つの圧電/電歪素子18a及び18bが自然状態、即ち、圧電/電歪素子18a及び18bが共に変位動作を行っていない場合は、図8に示すように、圧電/電歪デバイス10bの長軸(固定部14の中心軸)mとスペーサ部材37の中心軸nとがほぼ一致している。
【0072】
この状態から、例えば図9Aの波形図に示すように、一方の圧電/電歪素子18aにおける一対の電極24及び26に所定のバイアス電位Vbを有するサイン波Waをかけ、図9Bに示すように、他方の圧電/電歪素子18bにおける一対の電極24及び26に前記サイン波Waとはほぼ180°位相の異なるサイン波Wbをかける。
【0073】
そして、一方の圧電/電歪素子18aにおける一対の電極24及び26に対して例えば最大値の電圧が印加された段階においては、一方の圧電/電歪素子18aにおける圧電/電歪層22はその主面方向に収縮変位する。これにより、例えば図10に示すように、一方の薄板部12aに対し、矢印Aに示すように、該薄板部12aを例えば右方向に撓ませる方向の応力が発生することから、該一方の薄板部12aは、右方向に撓み、このとき、他方の圧電/電歪素子18bにおける一対の電極24及び26には、電圧は印加されていない状態となるため、他方の薄板部12bは一方の薄板部12aの撓みに追従して右方向に撓む。その結果、可動部20a及び20b並びにスペーサ部材37は、圧電/電歪デバイス10bの長軸mに対して例えば右方向に変位する。なお、変位量は、各圧電/電歪素子18a及び18bに印加される電圧の最大値に応じて変化し、例えば最大値が大きくなるほど変位量も大きくなる。
【0074】
特に、圧電/電歪層22の構成材料として、高い抗電界を有する圧電/電歪材料を適用した場合には、図9A及び図9Bの二点鎖線の波形に示すように、最小値のレベルが僅かに負のレベルとなるように、前記バイアス電位を調整するようにしてもよい。この場合、該負のレベルが印加されている圧電/電歪素子(例えば他方の圧電/電歪素子18b)の駆動によって、例えば他方の薄板部12bに一方の薄板部12aの撓み方向と同じ方向の応力が発生し、可動部20a及び20b並びにスペーサ部材37の変位量をより大きくすることが可能となる。つまり、図9A及び図9Bにおける二点鎖線に示すような波形を使用することで、負のレベルが印加されている圧電/電歪素子18b又は18aが、変位動作の主体となっている圧電/電歪素子18a又は18bをサポートとするという機能を持たせることができる。
【0075】
このように、本実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10においては、圧電/電歪素子18a及び18bの微小な変位が薄板部12a及び12bの撓みを利用して大きな変位動作に増幅されて、可動部20a及び20bに伝達することになるため、可動部20a及び20bを、圧電/電歪デバイス10bの長軸mに対して大きく変位させることが可能となる。
【0076】
特に、この実施の形態では、可動部20a及び20bに互いに対向する取付面34a及び34bを設けるようにしている。この場合、互いに対向する取付面34a及び34bの間を空隙36にしたり、前記互いに対向する取付面34a及び34bの間に可動部20a及び20bの構成部材よりも軽い部材を介在させることで、可動部20a及び20bの軽量化を有効に図ることができ、可動部20a及び20bの変位量を低下させることなく、共振周波数を高めることが可能となる。
【0077】
ここで、周波数とは、一対の電極24及び26に印加する電圧を交番的に切り換えて、可動部20a及び20bを左右に変位させたときの電圧波形の周波数を示し、共振周波数とは、可動部20a及び20bの変位動作が所定の振動モードで追従できる最大の周波数を示す。
【0078】
また、この実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10においては、可動部20a及び20b、薄板部12a及び12b並びに固定部14が一体化されており、すべての部分を脆弱で比較的重い材料である圧電/電歪材料によって構成する必要がないため、機械的強度が高く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に優れ、動作上、有害な振動(例えば、高速作動時の残留振動やノイズ振動)の影響を受け難いという利点を有する。
【0079】
更に、この実施の形態においては、互いに対向する取付面34a及び34bの間を空隙36とした場合、一方の取付面34aを含む可動部20aと、他方の取付面34bを含む可動部20bとが撓みやすくなり、変形に強くなる。そのため、圧電/電歪デバイス10のハンドリング性に優れることとなる。
【0080】
また、前記互いに対向する取付面34a及び34bの存在により、可動部20a及び20bの表面積が大きくなる。従って、可動部20a及び20bに他の部品を取り付ける場合に、その取付面積を大きくとることができ、部品の取付性を向上させることができる。ここで、部品を例えば接着剤等によって固着する場合を考えると、物品は、可動部20a及び20bの主面(前面及び/又は背面)だけでなく、互いに対向する取付面34a及び34bを通じて接着されることになり、部品を確実に固着することができる。
【0081】
また、この実施の形態においては、圧電/電歪素子18a及び18bを、圧電/電歪層22と、該圧電/電歪層22の両側に形成された一対の電極24及び26とを有して構成し、一対の電極24及び26のうち、一方の電極24を少なくとも薄板部12a及び12bの側面に直接形成するようにしたので、圧電/電歪素子18a及び18bによる振動を薄板部12a及び12bを通じて効率よく可動部20a及び20bに伝達することができ、応答性の向上を図ることができる。
【0082】
また、この実施の形態においては、例えば図1に示すように、一対の電極24及び26が圧電/電歪層22を間に挟んで重なる部分(実質的駆動部分40)を固定部14の一部から薄板部12a及び12bの一部にかけて連続的に形成するようにしている。実質的駆動部分40を更に可動部20a及び20bの一部にかけて形成した場合、可動部20a及び20bの変位動作が前記実質的駆動部分40の変形と薄板部12a及び12bの変形とが相反し、大きな変位を得ることができなくなるおそれがあるが、この実施の形態では、前記実質的駆動部分40を可動部20a及び20bと固定部14の両方にかけないように形成しているため、可動部20a及び20bの変位動作が制限されるという不都合が回避され、可動部20a及び20bの変位量を大きくすることができる。
【0083】
逆に、可動部20a及び20bの一部に圧電/電歪素子18a及び18bを形成する場合は、前記実質的駆動部分40が可動部20a及び20bの一部から薄板部12a及び12bの一部にかけて位置させるように形成することが好ましい。これは、実質的駆動部分40が固定部14の一部にまでわたって形成されると、上述したように、可動部20a及び20bの変位動作が制限されるからである。
【0084】
上述の例では、可動部20a及び20bに取付面34a及び34bを設けた例を示したが、その他、図11に示す第3の変形例に係る圧電/電歪デバイス10cのように、固定部14に端面34a及び34bを設けるようにしてもよい。この場合、例えば一対の薄板部12a及び12bの先端部分に設けられる可動部20a及び20bは一体に連結された形状を有し、固定部14に互いに対向する端面34a及び34bが設けられることとなる。
【0085】
これにより、前述した可動部20a及び20bに互いに対向する取付面34a及び34bを有する場合の効果に加え、この第3の変形例に係る圧電/電歪デバイス10cを所定の固定部分に強固に固定することが可能となり、信頼性の向上を図ることができる。実質的駆動部分40の長さは、薄板部12a及び12bの長さの20%〜95%とすることが好ましく、40%〜80%とすることが更に好ましい。
【0086】
次に、本実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10の好ましい構成例について説明する。
【0087】
まず、可動部20a及び20bの変位動作を確実なものとするために、圧電/電歪素子18a及び18bの実質的駆動部分40が固定部14もしくは可動部20a及び20bにかかる距離Dgを薄板部12a及び12bの厚みDdの1/2以上とすることが好ましい。
【0088】
そして、薄板部12a及び12bの内壁間の距離(X軸方向の距離)Daと薄板部12a及び12bの幅(Y軸方向の距離)Dbとの比Da/Dbが0.5〜20となるように構成する。前記比Da/Dbは、好ましくは1〜15とされ、更に好ましくは1〜10とされる。この比Da/Dbの規定値は、可動部20a及び20bの変位量を大きくし、X−Z平面内での変位を支配的に得られることの発見に基づく規定である。
【0089】
一方、薄板部12a及び12bの長さ(Z軸方向の距離)Deと薄板部12a及び12bの内壁間の距離Daとの比De/Daにおいては、好ましくは0.5〜10とされ、更に好ましくは0.5〜5とすることが望ましい。この比De/Daの規定値は、スペーサ部材(37A〜37Cや37)が介在された可動部20a及び20bの変位量を大きくでき、かつ、高い共振周波数で変位動作を行うことができる(高い応答速度を達成できる)という発見に基づく規定である。
【0090】
従って、この実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10をY軸方向への煽り変位、あるいは振動を抑制し、かつ、高速応答性に優れ、相対的に低電圧で大きな変位を併せ持つ構造とするには、比Da/Dbを0.5〜20とし、かつ、比De/Daを0.5〜10にすることが好ましく、更に好ましくは比Da/Dbを1〜10とし、かつ、比De/Daを0.5〜5にすることである。
【0091】
更に、例えば第2の変形例に係る圧電/電歪デバイス10bにおいては、一対の薄板部12a及び12bの両内壁と可動部20a及び20bの内壁とスペーサ部材37の内壁(及び接着剤38の内壁)と固定部14の内壁とにより孔部42が形成されることになるが、この孔部42にゲル状の材料、例えばシリコンゲルを充填することが好ましい。通常は、充填材の存在によって、可動部20a及び20bの変位動作が制限を受けることになるが、この第2の変形例では、可動部20a及び20bへの端面34a及び34bの形成に伴う軽量化や可動部20a及び20bの変位量の増大化を図るようにしているため、前記充填材による可動部20a及び20bの変位動作の制限が打ち消され、充填材の存在による効果、即ち、高共振周波数化や剛性の確保を実現させることができる。
【0092】
また、可動部20a及び20bの長さ(Z軸方向の距離)Dfは、短いことが好ましい。短くすることで軽量化と共振周波数の増大が図られるからである。更に、物品を挟持する際、変位を向上させることができる。しかしながら、可動部20a及び20bのX軸方向の剛性を確保し、その変位を確実なものとするためには、薄板部12a及び12bの厚みDdとの比Df/Ddを2以上、好ましくは5以上とすることが望ましい。
【0093】
なお、各部の実寸法は、可動部20a及び20bへの部品の取り付けのための接合面積、固定部14を他の部材に取り付けるための接合面積、電極用端子などの取り付けのための接合面積、圧電/電歪デバイス10全体の強度、耐久度、必要な変位量並びに共振周波数、そして、駆動電圧等を考慮して定められることになる。
【0094】
具体的には、例えば薄板部12a及び12bの内壁間の距離Daは、100μm〜2000μmが好ましく、更に好ましくは200μm〜1600μmである。薄板部12a及び12bの幅Dbは、50μm〜2000μmが好ましく、更に好ましくは100μm〜500μmである。薄板部12a及び12bの厚みDdは、Y軸方向への変位成分である煽り変位が効果的に抑制できるように、薄板部12a及び12bの幅Dbとの関係においてDb>Ddとされ、かつ、2μm〜100μmが好ましく、更に好ましくは10μm〜80μmである。
【0095】
薄板部12a及び12bの長さDeは、200μm〜3000μmが好ましく、更に好ましくは300μm〜2000μmである。可動部20a及び20bの長さDfは、50μm〜2000μmが好ましく、更に好ましくは100μm〜1000μmであり、より好ましくは200μm〜600μmである。
【0096】
このような構成にすることにより、X軸方向の変位に対してY軸方向の変位が10%を超えないが、上述の寸法比率と実寸法の範囲で適宜調整を行うことで低電圧駆動が可能で、Y軸方向への変位成分を5%以下に抑制できるというきわめて優れた効果を示す。つまり、可動部20a及び20bは、実質的にX軸方向という1軸方向に変位することになり、しかも、高速応答性に優れ、相対的に低電圧で大きな変位を得ることができる。
【0097】
また、この圧電/電歪デバイス10においては、デバイスの形状が従来のような板状(変位方向に直交する方向の厚みが小さい)ではなく、可動部20a及び20bと固定部14が直方体の形状(変位方向に直交する方向の厚みが大きい)を呈しており、可動部20a及び20bと固定部14の側面が連続するように一対の薄板部12a及び12bが設けられているため、圧電/電歪デバイス10のY軸方向の剛性を選択的に高くすることができる。
【0098】
即ち、この圧電/電歪デバイス10では、平面内(XZ平面内)における可動部20a及び20bの動作のみを選択的に発生させることができ、可動部20a及び20bのYZ面内の動作(いわゆる煽り方向の動作)を抑制することができる。
【0099】
次に、この実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10の各構成要素について説明する。
【0100】
可動部20a及び20bは、上述したように、薄板部12a及び12bの駆動量に基づいて作動する部分であり、圧電/電歪デバイス10の使用目的に応じて種々の部材が取り付けられる。例えば、圧電/電歪デバイス10を変位素子として使用する場合であれば、光シャッタの遮蔽板等が取り付けられ、特に、ハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決めやリンギング抑制機構に使用するのであれば、磁気ヘッド、磁気ヘッドを有するスライダ、スライダを有するサスペンション等の位置決めを必要とする部材が取り付けられる。
【0101】
固定部14は、上述したように、薄板部12a及び12b並びに可動部20a及び20bを支持する部分であり、例えば前記ハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決めに利用する場合には、VCM(ボイスコイルモータ)に取り付けられたキャリッジアーム、該キャリッジアームに取り付けられた固定プレート又はサスペンション等に固定部14を支持固定することにより、圧電/電歪デバイス10の全体が固定される。また、この固定部14には、図1に示すように、圧電/電歪素子18a及び18bを駆動するための端子28及び30その他の部材が配置される場合もある。
【0102】
可動部20a及び20b並びに固定部14を構成する材料としては、剛性を有する限りにおいて特に限定されないが、後述するセラミックグリーンシート積層法を適用できるセラミックスを好適に用いることができる。具体的には、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニアをはじめとするジルコニア、アルミナ、マグネシア、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化チタンを主成分とする材料等が挙げられるほか、これらの混合物を主成分とした材料が挙げられるが、機械的強度や靱性が高い点において、ジルコニア、特に安定化ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化ジルコニアを主成分とする材料が好ましい。また、金属材料においては、剛性を有する限り、限定されないが、ステンレス鋼、ニッケル等が挙げられる。
【0103】
薄板部12a及び12bは、上述したように、圧電/電歪素子18a及び18bの変位により駆動する部分である。薄板部12a及び12bは、可撓性を有する薄板状の部材であって、表面に配設された圧電/電歪素子18a及び18bの伸縮変位を屈曲変位として増幅して、可動部20a及び20bに伝達する機能を有する。従って、薄板部12a及び12bの形状や材質は、可撓性を有し、屈曲変形によって破損しない程度の機械的強度を有するものであれば足り、可動部20a及び20bの応答性、操作性を考慮して適宜選択することができる。
【0104】
薄板部12a及び12bの厚みDdは、2μm〜100μm程度とすることが好ましく、薄板部12a及び12bと圧電/電歪素子18a及び18bとを合わせた厚みは7μm〜500μmとすることが好ましい。電極24及び26の厚みは0.1μm〜50μm、圧電/電歪層22の厚みは3μm〜300μmとすることが好ましい。
【0105】
薄板部12a及び12bを構成する材料としては、可動部20a及び20bや固定部14と同様のセラミックスを好適に用いることができ、ジルコニア、中でも安定化ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化ジルコニアを主成分とする材料は、薄肉であっても機械的強度が大きいこと、靱性が高いこと、圧電/電歪層や電極材との反応性が小さいことから最も好適に用いられる。
【0106】
また、金属材料で構成する場合にも、前述のとおり、可撓性を有し、屈曲変形が可能な金属材料であればよいが、好ましくは、鉄系材料としては、各種ステンレス鋼、各種バネ鋼鋼材で構成することが望ましく、非鉄系材料としては、ベリリウム銅、リン青銅、ニッケル、ニッケル鉄合金で構成することが望ましい。
【0107】
前記安定化ジルコニア並びに部分安定化ジルコニアにおいては、次のように安定化並びに部分安定化されたものが好ましい。即ち、ジルコニアを安定化並びに部分安定化させる化合物としては、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム、酸化カルシウム、及び酸化マグネシウムがあり、少なくともそのうちの1つの化合物を添加、含有させることにより、あるいは1種類の化合物の添加のみならず、それら化合物を組み合わせて添加することによっても、目的とするジルコニアの安定化は可能である。
【0108】
なお、それぞれの化合物の添加量としては、酸化イットリウムや酸化イッテルビウムの場合にあっては、1〜30モル%、好ましくは1.5〜10モル%、酸化セリウムの場合にあっては、6〜50モル%、好ましくは8〜20モル%、酸化カルシウムや酸化マグネシウムの場合にあっては、5〜40モル%、好ましくは5〜20モル%とすることが望ましいが、その中でも特に酸化イットリウムを安定化剤として用いることが好ましく、その場合においては、1.5〜10モル%、更に好ましくは2〜4モル%とすることが望ましい。また、焼結助剤等の添加物としてアルミナ、シリカ、遷移金属酸化物等を0.05〜20wt%の範囲で添加することが可能であるが、圧電/電歪素子18a及び18bの形成手法として、膜形成法による焼成一体化を採用する場合は、アルミナ、マグネシア、遷移金属酸化物等を添加物として添加することも好ましい。
【0109】
なお、機械的強度と安定した結晶相が得られるように、ジルコニアの平均結晶粒子径を0.05〜3μm、好ましくは0.05〜1μmとすることが望ましい。また、上述のように、薄板部12a及び12bについては、可動部20a及び20b並びに固定部14と同様のセラミックスを用いることができるが、好ましくは、実質的に同一の材料を用いて構成することが、接合部分の信頼性、圧電/電歪デバイス10の強度、製造の煩雑さの低減を図る上で有利である。
【0110】
圧電/電歪素子18a及び18bは、少なくとも圧電/電歪層22と、該圧電/電歪層22に電界をかけるための一対の電極24及び26を有するものであり、ユニモルフ型、バイモルフ型等の圧電/電歪素子を用いることができるが、薄板部12a及び12bと組み合わせたユニモルフ型の方が、発生する変位量の安定性に優れ、軽量化に有利であるため、このような圧電/電歪デバイス10に適している。
【0111】
前記圧電/電歪素子18a及び18bは、図1に示すように、薄板部12a及び12bの側面に形成する方が薄板部12a及び12bをより大きく駆動させることができる点で好ましい。
【0112】
圧電/電歪層22には、圧電セラミックスが好適に用いられるが、電歪セラミックスや強誘電体セラミックス、あるいは反強誘電体セラミックスを用いることも可能である。但し、この圧電/電歪デバイス10をハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決め等に用いる場合は、可動部20a及び20bの変位量と駆動電圧又は出力電圧とのリニアリティが重要とされるため、歪み履歴の小さい材料を用いることが好ましく、抗電界が10kV/mm以下の材料を用いることが好ましい。
【0113】
具体的な材料としては、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス等を単独であるいは混合物として含有するセラミックスが挙げられる。
【0114】
特に、高い電気機械結合係数と圧電定数を有し、圧電/電歪層22の焼結時における薄板部(セラミックス)12a及び12bとの反応性が小さく、安定した組成のものが得られる点において、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、及びマグネシウムニオブ酸鉛を主成分とする材料、もしくはチタン酸ナトリウムビスマスを主成分とする材料が好適に用いられる。
【0115】
更に、前記材料に、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸化物等を単独で、もしくは混合したセラミックスを用いてもよい。
【0116】
例えば、主成分であるジルコン酸鉛とチタン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛に、ランタンやストロンチウムを含有させることにより、抗電界や圧電特性を調整可能となる等の利点を得られる場合がある。
【0117】
なお、シリカ等のガラス化し易い材料の添加は避けることが望ましい。なぜならば、シリカ等の材料は、圧電/電歪層22の熱処理時に、圧電/電歪材料と反応し易く、その組成を変動させ、圧電特性を劣化させるからである。
【0118】
一方、圧電/電歪素子18a及び18bの一対の電極24及び26は、室温で固体であり、導電性に優れた金属で構成されていることが好ましく、例えばアルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属単体、もしくはこれらの合金が用いられ、更に、これらに圧電/電歪層22あるいは薄板部12a及び12bと同じ材料を分散させたサーメット材料を用いてもよい。
【0119】
圧電/電歪素子18a及び18bにおける電極24及び26の材料選定は、圧電/電歪層22の形成方法に依存して決定される。例えば薄板部12a及び12b上に一方の電極24を形成した後、該一方の電極24上に圧電/電歪層22を焼成により形成する場合は、一方の電極24には、圧電/電歪層22の焼成温度においても変化しない白金、パラジウム、白金−パラジウム合金、銀−パラジウム合金等の高融点金属を使用する必要があるが、圧電/電歪層22を形成した後に、該圧電/電歪層22上に形成される最外層の他方の電極26は、低温で電極形成を行うことができるため、アルミニウム、金、銀等の低融点金属を主成分として使用することができる。
【0120】
また、電極24及び26の厚みは、少なからず圧電/電歪素子18a及び18bの変位を低下させる要因ともなるため、特に圧電/電歪層22の焼成後に形成される電極には、焼成後に緻密でより薄い膜が得られる有機金属ペースト、例えば金レジネートペースト、白金レジネートペースト、銀レジネートペースト等の材料を用いることが好ましい。
【0121】
上述の例では、薄板部12a及び12bの先端部分に一体に形成される可動部20a及び20bの厚みを薄板部12a及び12bの厚みDdよりも厚くした場合を示したが、その他、図12に示す第4の変形例に係る圧電/電歪デバイス10dのように、可動部20a及び20bの厚みを薄板部12a及び12bの厚みDdとほぼ同じにしてもよい。これにより、可動部20a及び20bに物品を取り付ける場合に、可動部20a及び20b間に薄板部12a及び12b間の距離に相当する大きさの物品を挟み込むように取り付けることが可能となる。この場合、物品を取り付けるための接着剤領域(例えば図7の接着剤38)が可動部20a及び20bに対応することになる。
【0122】
そして、圧電/電歪デバイス10は、超音波センサや加速度センサ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等の各種センサに好適に利用でき、端面34a及び34bないし薄板部12a及び12b間に取り付けられる物体のサイズを適宜調整することにより、センサの感度調整が容易に行えるという更なる利点がある。
【0123】
次に、本発明のより好ましい実施の形態としての第5〜第7の変形例に係る圧電/電歪デバイス10e〜10gについて図13〜図15を参照しながら説明する。
【0124】
まず、第5の変形例に係る圧電/電歪デバイス10eは、図13に示すように、これまでに説明した圧電/電歪デバイス10とほぼ同様の構成を有するが、圧電/電歪素子18a及び18bの構成等が以下の点で異なる。
【0125】
即ち、圧電/電歪素子18a及び18bは、圧電/電歪層22が4層構造とされ、一方の電極24が1層目の上面と3層目の上面に位置するように櫛歯状に形成され、他方の電極26が1層目の下面と2層目の上面と4層目の上面に位置するように櫛歯状に形成されている。
【0126】
特に、1層目の下面に位置する他方の電極26は、薄板部12a及び12b、可動部20a及び20b、固定部14の各側面にかけてほぼ連続して形成され、更に、固定部14の側面において一部分離されてスリット70を構成している。
【0127】
このスリット70を設けた趣旨は、▲1▼:圧電/電歪素子18a及び18bの後端部72(スリット70の後端側端部から固定部14の後端までの部分)におけるアクチュエータを駆動させないこと、▲2▼:一方の端子28の端部で短絡が生じにくくすること、▲3▼:圧電/電歪素子18a及び18bの後端部における圧電/電歪層22の下面に電極材料を配置することである。
【0128】
なお、スリット70を設けることが反対に好ましくない場合は、スリット70は必ずしも設ける必要はなく、省略してもかまわない。
【0129】
ここで、図13にあっては、薄板部12a及び12bの厚みDdは0.05mm、一方の薄板部12aの側面から他方の薄板部12bの側面までの距離Dhは1.3mm、固定部14の長さDi(圧電/電歪デバイス10fの軸方向に沿った固定部14の長さ)は0.4mm、可動部20a及び20bの長さDfは0.3mm、可動部20a及び20bの幅Djは0.25mm、可動部20a及び20bの突出量Dkは0.05mm、圧電/電歪デバイス10fの全体の長さDm(可動部20a及び20bの先端から固定部14の後端までの距離)は1.9mmであり、端面34aおよび34b間の最小距離(図1の距離Lcに相当する)が1.04mmである場合を示している。
【0130】
各部の寸法は、上述の寸法に対して±10%の範囲で制御され、この場合、端面34a及び34b間に、図7に示すような構成部材と同じ材質のスペーサ部材37で可動部20a及び20bを接続すると、共振周波数45±10kHz、変位0.5μm以上(30Vpp)の圧電/電歪デバイスが得られる。
【0131】
図13では、4層構造の圧電/電歪層22の各端面を揃えるように示しているが、圧電/電歪層22の端面を上層になるにつれて徐々に内方に向かうようにし、段差を設けることが好ましい。
【0132】
次に、第6の変形例に係る圧電/電歪デバイス10fは、図14に示すように、第5の変形例に係る圧電/電歪デバイス10eとほぼ同様の構成を有するが、圧電/電歪素子18a及び18bの構成が以下の点で異なる。
【0133】
即ち、圧電/電歪素子18a及び18bは、圧電/電歪層22が3層構造とされ、一方の電極24が1層目の下面の一部と2層目の上面に位置するように櫛歯状に形成され、他方の電極26が1層目の下面の一部と1層目の上面と3層目の上面に位置するように櫛歯状に形成されている。
【0134】
特に、1層目の下面に位置する一方の電極24及び他方の電極26は、薄板部12a及び12bの一部においてスリット70を介して分離されており、1層目の下面に位置する他方の電極は、スリット70から可動部20a及び20bの上端にかけて連続して形成され、1層目の下面に位置する一方の電極24は、スリット70から固定部14の後端にかけて連続して形成されている。
【0135】
次に、第7の変形例に係る圧電/電歪デバイス10gは、図15に示すように、第6の変形例に係る圧電/電歪デバイス10fとほぼ同様の構成を有するが、一対の電極24及び26の形成パターンが以下の点で異なる。
【0136】
即ち、一方の電極24は、1層目の圧電/電歪層22の下面と2層目の上面に位置するように櫛歯状に形成され、他方の電極26は、1層目の圧電/電歪層22の上面と3層目の上面に位置するように櫛歯状に形成されている。
【0137】
特に、1層目の下面に位置する一方の電極24は、薄板部12a及び12b、可動部20a及び20b、固定部14の各側面にかけて連続して形成されている。
【0138】
ここで、第6の変形例に係る圧電/電歪デバイス10fとの違いを説明すると、第6の変形例に係る圧電/電歪デバイス10fは、図14に示すように、薄板部12a上において一方の電極24と他方の電極26が共に形成されていることから、圧電/電歪素子18a及び18bの両端(可動部20a及び20bの先端に対応した端部と固定部14の後端に対応した端部)において、極性が互いに逆とされた電極24及び26が位置することになる。
【0139】
これに対して、第7の変形例に係る圧電/電歪デバイス10gでは、図15に示すように、薄板部12a及び12b上において一方の電極24のみが形成されているため、圧電/電歪素子18a及び18bの両端において、極性が互いに同一とされた電極24が位置することになる。これら端部の極性の特徴は、圧電/電歪デバイス10gが利用される回路と適宜組み合わせて利用されることになる。
【0140】
また、圧電/電歪素子18a及び18bの実質的駆動部分は、一対の電極24及び26が重なる部分であるが、第6の変形例に係る圧電/電歪デバイス10fでは、図14に示すように、圧電/電歪層22の各層に形成された電極24及び26が重なる部分であって、範囲Cで示す部分の一種である。
【0141】
これに対して、第7の変形例に係る圧電/電歪デバイス10gの実質的駆動部分は、圧電/電歪層22の各層に形成された電極24及び26が重なる部分(範囲Cで示す部分)と、2層目の圧電/電歪層22の上面に形成された一方の電極24の端部よりも可動部20a及び20b側に位置し、1層目の圧電/電歪層22を介して一対の電極24及び26が重なる部分(範囲Dで示す部分)の2種であり、範囲Dで示す部分も駆動源となっているところに特徴がある。
【0142】
次に、この実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10のいくつかの製造方法を図16〜図40を参照しながら説明する。
【0143】
この実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10は、各部材の構成材料をセラミックスとし、圧電/電歪デバイス10の構成要素として、圧電/電歪素子18a及び18bを除く基体16、即ち、薄板部12a及び12b、固定部14並びに可動部20a及び20bについてはセラミックグリーンシート積層法を用いて製造することが好ましく、一方、圧電/電歪素子18a及び18bをはじめとして、各端子28及び30については、薄膜や厚膜等の膜形成手法を用いて製造することが好ましい。
【0144】
圧電/電歪デバイス10の基体16における各部材を一体的に成形することが可能なセラミックグリーンシート積層法によれば、各部材の接合部の経時的な状態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性が高く、かつ、剛性確保に有利な方法である。
【0145】
この実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10では、薄板部12a及び12bと固定部14との境界部分(接合部分)並びに薄板部12a及び12bと可動部20a及び20bとの境界部分(接合部分)は、変位発現の支点となるため、接合部分の信頼性は圧電/電歪デバイス10の特性を左右する重要なポイントである。
【0146】
また、以下に示す製造方法は、生産性や成形性に優れるため、所定形状の圧電/電歪デバイス10を短時間に、かつ、再現性よく得ることができる。
【0147】
以下、具体的に本実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10の第1の製造方法について説明する。ここで、定義付けをしておく。セラミックグリーンシートを積層して得られた積層体をセラミックグリーン積層体58(例えば図17参照)と定義し、このセラミックグリーン積層体58を焼成して一体化したものをセラミック積層体60(例えば図18参照)と定義し、このセラミック積層体60から不要な部分を切除して可動部20a及び20b、薄板部12a及び12b並びに固定部14が一体化されたものをセラミック基体16C(図19参照)と定義する。
【0148】
また、この第1の製造方法においては、圧電/電歪デバイス10を同一基板内に縦方向及び横方向にそれぞれ複数個配置した形態で、最終的にセラミック積層体60をチップ単位に切断して、圧電/電歪デバイス10を同一工程で多数個取りするものであるが、説明を簡単にするために、圧電/電歪デバイス10の1個取りを主体にして説明する。
【0149】
まず、ジルコニア等のセラミック粉末にバインダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を添加混合してスラリーを作製し、これを脱泡処理後、リバースロールコーター法、ドクターブレード法等の方法により、所定の厚みを有するセラミックグリーンシートを作製する。
【0150】
次に、金型を用いた打抜加工やレーザ加工等の方法により、セラミックグリーンシートを図16のような種々の形状に加工して、複数枚の基体形成用のセラミックグリーンシート50A〜50I、52A及び52Bを得る。
【0151】
これらセラミックグリーンシート50A〜50I、52A及び52Bは、少なくとも薄板部12a及び12b間に空間を形成するための窓部54が形成された複数枚(例えば9枚)のセラミックグリーンシート50A〜50Iと、後に薄板部12a及び12bとなる複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシート52A及び52Bとを有する。なお、セラミックグリーンシートの枚数は、あくまでも一例である。
【0152】
その後、図17に示すように、セラミックグリーンシート52A及び52Bでセラミックグリーンシート50A〜50Iを挟み込むようにして、これらセラミックグリーンシート50A〜50I、52A及び52Bを積層・圧着して、セラミックグリーン積層体58とした後、該セラミックグリーン積層体58を焼成してセラミック積層体60(図18参照)を得る。
【0153】
なお、積層一体化のための圧着回数や順序は限定されない。構造に応じて、例えば窓部54の形状、セラミックグリーンシートの枚数等により所望の構造を得るように適宜決めることができる。
【0154】
窓部54の形状は、すべて同一である必要はなく、所望の機能に応じて決定することができる。また、セラミックグリーンシートの枚数、各セラミックグリーンシートの厚みも特に限定されない。
【0155】
圧着は、熱を加えることで、より積層性を向上させることができる。また、セラミック粉末(セラミックグリーンシートに使用されたセラミックスと同一又は類似した組成であると、信頼性確保の点で好ましい)、バインダを主体としたペースト、スラリー等をセラミックグリーンシート上に塗布、印刷して、接合補助層とすることで、セラミックグリーンシート界面の積層性を向上させることができる。なお、セラミックグリーンシート52A及び52Bが薄い場合には、プラスチックフィルム、中でも表面にシリコーン系の離型剤をコーティングしたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて取り扱うことが好ましい。
【0156】
次に、図18に示すように、前記セラミック積層体60の両表面、即ち、セラミックグリーンシート52A及び52Bが積層された表面に相当する表面にそれぞれ圧電/電歪素子18a及び18bを形成する。圧電/電歪素子18a及び18bの形成法としては、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法等の厚膜形成法や、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着、イオンプレーティング法、化学気相成長法(CVD)、めっき等の薄膜形成法を用いることができる。
【0157】
このような膜形成法を用いて圧電/電歪素子18a及び18bを形成することにより、接着剤を用いることなく、圧電/電歪素子18a及び18bと薄板部12a及び12bとを一体的に接合、配設することができ、信頼性、再現性を確保できると共に、集積化を容易にすることができる。
【0158】
この場合、厚膜形成法により圧電/電歪素子18a及び18bを形成することが好ましい。特に、圧電/電歪層22の形成において厚膜形成法を用いれば、平均粒径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μmの圧電セラミックスの粒子、粉末を主成分とするペーストやスラリー、又はサスペンションやエマルジョン、ゾル等を用いて膜化することができ、それを焼成することによって良好な圧電/電歪特性を得ることができるからである。
【0159】
なお、電気泳動法は、膜を高い密度で、かつ、高い形状精度で形成できるという利点がある。また、スクリーン印刷法は、膜形成とパターン形成とを同時にできるため、製造工程の簡略化に有利である。
【0160】
具体的に、圧電/電歪素子18a及び18bの形成について説明する。まず、セラミックグリーン積層体58を1200℃〜1600℃の温度で焼成、一体化してセラミック積層体60を得た後、該セラミック積層体60の両表面の所定位置に薄板部12a及び12bの第1の一方の電極24を印刷、焼成し、次いで、圧電/電歪層22を印刷、焼成し、更に、前記第1の一方の電極24と対をなす他方の電極26を印刷、焼成し、これらを所定回数繰り返して(圧電/電歪素子18a及び18bが多層の圧電/電歪層22から構成される場合)、圧電/電歪素子18a及び18bを形成する。その後、各電極24及び26を駆動回路に電気的に接続するための端子28及び30を印刷、焼成する。
【0161】
また、最下層の第1の一方の電極24を印刷、焼成し、圧電/電歪層22と第1の一方の電極24と対をなす第1の他方の電極26を印刷、焼成し、この単位で所定回数だけ印刷、焼成を繰り返して、圧電/電歪素子18a及び18bを形成してもよい。
【0162】
ここで、一方の電極24として白金(Pt)、圧電/電歪層22としてジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、他方の電極26として金(Au)、更に、端子28及び30として銀(Ag)というように、各部材の焼成温度が積層順に従って低くなるように材料を選定すると、ある焼成段階において、それより以前に焼成された材料の再焼結が起こらず、電極材等の剥離や凝集といった不具合の発生を回避することができる。
【0163】
なお、適当な材料を選択することにより、圧電/電歪素子18a及び18bの各部材と端子28及び30を逐次印刷して、1回で一体焼成することも可能であり、最外層の圧電/電歪層22を形成した後に低温で最外層の電極26等を設けることもできる。
【0164】
また、圧電/電歪素子18a及び18bの各部材と端子28及び30は、スパッタ法や蒸着法等の薄膜形成法によって形成してもよく、この場合には、必ずしも熱処理を必要としない。
【0165】
圧電/電歪素子18a及び18bの形成においては、セラミックグリーン積層体58の両表面、即ち、セラミックグリーンシート52A及び52Bの各表面に予め圧電/電歪素子18a及び18bを形成しておき、該セラミックグリーン積層体58と圧電/電歪素子18a及び18bとを同時に焼成することも好ましく行われる。同時焼成にあたっては、セラミックグリーン積層体58と圧電/電歪素子18a及び18bのすべての構成膜に対して焼成を行うようにしてもよく、一方の電極24とセラミックグリーン積層体58とを同時焼成したり、他方の電極26を除く他の構成膜とセラミックグリーン積層体58とを同時焼成する方法等が挙げられる。
【0166】
圧電/電歪素子18a及び18bとセラミックグリーン積層体58とを同時焼成する方法としては、スラリー原料を用いたテープ成形法等によって圧電/電歪層22の前駆体を成形し、この焼成前の圧電/電歪層22の前駆体をセラミックグリーン積層体58の表面上に熱圧着等で積層し、同時に焼成して可動部20a及び20b、薄板部12a及び12b、圧電/電歪層22、固定部14とを同時に作製する方法が挙げられる。但し、この方法では、上述した膜形成法を用いて、セラミックグリーン積層体58の表面及び/又は圧電/電歪層22に予め電極24を形成しておく必要がある。
【0167】
その他の方法としては、セラミックグリーン積層体58の少なくとも最終的に薄板部12a及び12bとなる部分にスクリーン印刷により圧電/電歪素子18a及び18bの各構成層である電極24及び26、圧電/電歪層22を形成し、同時に焼成することが挙げられる。
【0168】
圧電/電歪素子18a及び18bの構成膜の焼成温度は、これを構成する材料によって適宜決定されるが、一般には、500℃〜1500℃であり、圧電/電歪層22に対しては、好ましくは1000℃〜1400℃である。この場合、圧電/電歪層22の組成を制御するためには、圧電/電歪層22の材料の蒸発源の存在下に焼結することが好ましい。なお、圧電/電歪層22とセラミックグリーン積層体58を同時焼成する場合には、両者の焼成条件を合わせることが必要である。圧電/電歪素子18a及び18bは、必ずしもセラミック積層体60もしくはセラミックグリーン積層体58の両面に形成されるものではなく、片面のみでももちろんよい。
【0169】
次に、上述のようにして、圧電/電歪素子18a及び18bが形成されたセラミック積層体60のうち、不要な部分を切除する。切除する位置は、セラミック積層体60の側部、特に、該切除によってセラミック積層体60の側面に窓部54による孔部42が形成される箇所(切断線C1及びC2参照)である。
【0170】
次いで、図19に示すように、可動部20a及び20bとなる部分の中心部分20cを切断線C3及びC4に沿って切断して除去して、可動部20a及び20b、薄板部12a及び12b並びに固定部14が一体化されたセラミック基体16Cに圧電/電歪素子18a及び18bが形成された圧電/電歪デバイス10を作製する。切除の方法としては、ダイシング加工、ワイヤソー加工等の機械加工のほか、YAGレーザ、エキシマレーザ等のレーザ加工や電子ビーム加工を適用することが可能である。
【0171】
また、セラミック基体16Cの切り出しには、これらの加工方法を組み合わせて加工することになる。例えば切断線C1及びC2(図18参照)は、ワイヤソー加工とし、切断線C1及びC2に直交する固定部14、可動部20a及び20bの端面34a及び34bをダイシング加工とすることが好ましい。
【0172】
ところで、上述の圧電/電歪デバイス10の第1の製造方法においては、一体焼成によって薄板部12a及び12b上に圧電/電歪素子18a及び18bを形成するようにしているため、図20Aに示すように、焼成時に生じる圧電/電歪層22の収縮や一対の電極24及び26と圧電/電歪層22並びに薄板部12a及び12bとの熱膨張率の違い等によって、例えば、薄板部12a及び12b並びに圧電/電歪素子18a及び18bは、孔部42に向かって凸となるようにわずかに変位し、形状的に歪みが生じた状態となり、圧電/電歪素子18a及び18b(特に圧電/電歪層22)や薄板部12a及び12bに内部残留応力が発生しやすくなる。
【0173】
この薄板部12a及び12bや圧電/電歪層22での内部残留応力の発生は、上述した一体焼成のほか、薄板部12a及び12bに別体の圧電/電歪素子18a及び18bを例えば接着剤で貼り合わせる場合にも生じる。即ち、接着剤を固定化もしくは硬化する際に、接着剤等の硬化収縮によって薄板部12a及び12bや圧電/電歪層22に内部残留応力が発生することとなる。更に、その固定化もしくは硬化に加熱が必要な場合には、内部残留応力が大きなものとなる。
【0174】
この状態で圧電/電歪デバイス10を使用すると、圧電/電歪層22に所定電界を与えても、可動部20a及び20bにおいて所望の変位を示さない場合がある。これは、圧電/電歪層22の材料特性及び可動部20a及び20bの変位動作が、前記薄板部12a及び12bや圧電/電歪層22に発生している内部残留応力によって阻害されているからである。
【0175】
そこで、この第1の製造方法では、図20Aに示すように、可動部20a及び20bの中心部分20cを所定幅W1(例えば100μm)だけ切除するようにしている。この中心部分20cの切除によって、図20Bに示すように、可動部20a及び20bに互いに対向する端面34a及び34bが形成されるが、薄板部12a及び12bや圧電/電歪層22に発生していた内部残留応力によって、これら端面34a及び34bが互いに近づく方向に移動し、移動後の各端面34a及び34bの幅は、前記所定幅W1よりも短い例えば第2の所定幅W2(例えば30μm)となる。より詳述すると、第2の所定幅W2は、先端の方がより短くなる。
【0176】
これら端面34a及び34bの移動は、薄板部12a及び12bや圧電/電歪層22に発生していた内部残留応力の解放に伴うものである。内部残留応力を解放した状態で圧電/電歪デバイス10を使用すると、可動部20a及び20bは、ほぼ設計通りの変位動作を示し、良好なデバイス特性を示すこととなる。この効果は、固定部14となる部分の一部を切除して、例えば図11に示すように、固定部14に互いに対向する端面34a及び34bを形成した場合においても同様であり、この場合は、薄板部12a及び12bや圧電/電歪層22に発生していた内部残留応力が、固定部14に形成された互いに対向する端面34a及び34bの移動によって解放されることとなる。なお、対向する端面34a及び34bについては、必ずしも可動部20a及び20bもしくは固定部14の中心部分の切除のみならず、中心からそれた部分を切除して形成することによっても同様の効果が得られる。
【0177】
図18に示す切除や図19に示す切除に当たっては、切除後に300℃〜800℃で加熱処理することが好ましい。これは、加工により圧電/電歪デバイス10内にマイクロクラック等の欠陥が生じやすいが、前記熱処理によって前記欠陥を取り除くことができ、信頼性が向上するからである。更に、前記熱処理後に80℃程度の温度で少なくとも10時間程度放置し、エージング処理を施すことが好ましい。このエージング処理で、製造過程の中で受けた種々の応力等を更に緩和でき、特性の向上に寄与するからである。
【0178】
次に、第2の製造方法について図21〜図24を参照しながら説明する。まず、図21に示すように、少なくとも薄板部12a及び12b間に空間を形成するための窓部54が形成された複数枚(例えば4枚)のセラミックグリーンシート50A〜50Dと、薄板部12a及び12b間に空間を形成するための窓部54と互いに対向する端面34a及び34bを有する可動部20a及び20bを形成するための窓部100とが連続形成された複数枚(例えば7枚)のセラミックグリーンシート102A〜102Gと、後に薄板部12a及び12bとなる複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシート52A及び52Bとを用意する。
【0179】
その後、図22に示すように、セラミックグリーンシート52A及び52Bでセラミックグリーンシート50A〜50D並びに102A〜102Gを挟み込むようにして、これらセラミックグリーンシート50A〜50D、52A及び52B並びに102A〜102Gを積層・圧着して、セラミックグリーン積層体58とする。この積層にあたってはセラミックグリーンシート102A〜102Gを中央に位置させて積層する。このとき、窓部100の存在により、圧着時に圧力がかからない部位が発生するため、積層、圧着の順番等を変更し、そのような部位が生じないようにする必要がある。これは、後述する第3及び第4の製造方法でも同様である。その後、セラミックグリーン積層体58を焼成してセラミック積層体60(図23参照)を得る。
【0180】
次に、図23に示すように、前記セラミック積層体60の両表面、即ち、セラミックグリーンシート52A及び52Bが積層された表面に相当する表面にそれぞれ多層構造の圧電/電歪素子18a及び18bを形成し、焼成によって圧電/電歪素子18a及び18bをセラミック積層体60に一体化させる。もちろん、圧電/電歪素子10は片側の表面のみに形成してもよい。これは、後述する第3及び第4の製造方法でも同様である。
【0181】
次に、圧電/電歪素子18a及び18bが形成されたセラミック積層体60のうち、切断線C1、C2、C5に沿って切断することにより、セラミック積層体60の側部と先端部を切除する。この切除によって、図24に示すように、セラミック基体16Cに圧電/電歪素子18a及び18bが形成され、かつ、互いに対向する端面34a及び34bを有する可動部20a及び20bが形成された圧電/電歪デバイス10を得る。切断のタイミングは、切断線C1及びC2に沿って切断した後に切断線C5に沿って切断してもよく、切断線C5に沿って切断した後に切断線C1及びC2に沿って切断してもよい。もちろん、これらの切断を同時に行うようにしてもよい。また、切断線C5と対向する固定部14の端面も適宜切断するようにしてもよい。
【0182】
この第2の製造方法においては、セラミック積層体60から不要な部分を切除したと同時に、セラミック基体16Cに圧電/電歪素子18a及び18bが形成され、かつ、互いに対向する端面34a及び34bを有する可動部20a及び20bが形成された圧電/電歪デバイス10を得ることができるため、製造工程の簡略化を図ることができると共に、圧電/電歪デバイス10の歩留まりを向上させることができる。この場合、同一基板内に圧電/電歪デバイス10を縦方向及び横方向にそれぞれ複数個配置して、同一工程で多数個取りする際に特に好ましい。第1の製造方法に比べ、端面34aおよび34bの形成を同一工程で多数個処理しやすいからである。
【0183】
次に、第3の製造方法について図25〜図28を参照しながら説明する。まず、図25に示すように、少なくとも薄板部12a及び12b間に空間を形成するための窓部54が形成された複数枚(例えば4枚)のセラミックグリーンシート50A〜50Dと、薄板部12a及び12b間に空間を形成するための窓部54と互いに対向する端面34a及び34bが一部連結された可動部20a及び20bとなる部分20D(図28参照)を形成するための窓部104とが連続形成され、窓部54に向かって一部張り出した張出し部106が形成された複数枚(例えば7枚)のセラミックグリーンシート108A〜108Gと、後に薄板部12a及び12bとなる複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシート52A及び52Bとを用意する。
【0184】
その後、図26に示すように、セラミックグリーンシート52A及び52Bでセラミックグリーンシート50A〜50D、108A〜108Gを挟み込むようにして、これらセラミックグリーンシート50A〜50D、52A及び52B、108A〜108Gを積層・圧着して、セラミックグリーン積層体58とする。この積層にあたってはセラミックグリーンシート108A〜108Gを中央に位置させて積層する。その後、セラミックグリーン積層体58を焼成してセラミック積層体60(図27参照)を得る。
【0185】
次に、図27に示すように、前記セラミック積層体60の両表面、即ち、セラミックグリーンシート52A及び52Bが積層された表面に相当する表面にそれぞれ多層構造の圧電/電歪素子18a及び18bを形成し、焼成によって圧電/電歪素子18a及び18bをセラミック積層体60に一体化させる。
【0186】
次に、圧電/電歪素子18a及び18bが形成されたセラミック積層体60のうち、切断線C1、C2、C5に沿って切断することにより、セラミック積層体60の側部と先端部を切除する。この切除によって、図28に示すように、固定部14と薄板部12a及び12b並びに圧電/電歪素子18a及び18bは形作られるが、可動部20a及び20bとなる部分20Dは互いに対向する端面34a及び34bが張出し部106によって一部連結された状態となっている。
【0187】
次に、互いに対向する端面34a及び34bを一部連結している前記張出し部106を切除して、可動部20a及び20b、薄板部12a及び12b並びに固定部14が一体化されたセラミック基体16Cに圧電/電歪素子18a及び18bが形成された圧電/電歪デバイス10を作製する。
【0188】
この第3の製造方法においては、最終段階において、互いに対向する端面34a及び34bを一部連結している細い張出し部106を切除すればよいため、簡単に、かつ、確実に切除することができ、製造工程の簡略化を図ることができると共に、圧電/電歪デバイス10の歩留まりを向上させることができる。
【0189】
次に、第4の製造方法について図29〜図32を参照しながら説明する。まず、図29に示すように、少なくとも薄板部12a及び12b間に空間を形成するための窓部54が形成された複数枚(例えば4枚)のセラミックグリーンシート50A〜50Dと、薄板部12a及び12b間に空間を形成するための窓部54と互いに対向する端面34a及び34bが一部連結された可動部20a及び20bとなる部分20D(図32参照)を形成するための窓部104とが形成され、窓部54と窓部104を分離するように桟部112が形成された複数枚(例えば7枚)のセラミックグリーンシート114A〜114Gと、後に薄板部12a及び12bとなる複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシート52A及び52Bとを用意する。
【0190】
その後、図30に示すように、セラミックグリーンシート52A及び52Bでセラミックグリーンシート50A〜50D、114A〜114Gを挟み込むようにして、これらセラミックグリーンシート50A〜50D、52A及び52B、114A〜114Gを積層・圧着して、セラミックグリーン積層体58とする。この積層にあたってはセラミックグリーンシート114A〜114Gを中央に位置させて積層する。その後、セラミックグリーン積層体58を焼成してセラミック積層体60(図31参照)を得る。
【0191】
次に、図31に示すように、前記セラミック積層体60の両表面、即ち、セラミックグリーンシート52A及び52Bが積層された表面に相当する表面にそれぞれ多層構造の圧電/電歪素子18a及び18bを形成し、焼成によって圧電/電歪素子18a及び18bをセラミック積層体60に一体化させる。
【0192】
次に、圧電/電歪素子18a及び18bが形成されたセラミック積層体60のうち、切断線C1、C2、C5に沿って切断することにより、セラミック積層体60の側部と先端部を切除する。この切除によって、図32に示すように、固定部14と薄板部12a及び12b並びに圧電/電歪素子18a及び18bは形作られるが、可動部20a及び20bとなる部分20Dは互いに対向する端面34a及び34bが桟部112によって一部連結された状態となっている。
【0193】
次に、互いに対向する端面34a及び34bを一部連結している前記桟部112を切除して、可動部20a及び20b、薄板部12a及び12b並びに固定部14が一体化されたセラミック基体16Cに圧電/電歪素子18a及び18bが形成された圧電/電歪デバイス10を作製する。
【0194】
この第4の製造方法においては、最終段階において、互いに対向する端面34a及び34bを一部連結している桟部112を切除すればよいため、簡単に、かつ、確実に切除することができ、製造工程の簡略化を図ることができると共に、圧電/電歪デバイス10の歩留まりを向上させることができる。
【0195】
上述の例では、前記可動部20a及び20b、固定部14、薄板部12a及び12bをセラミック基体16Cにて構成した例を示したが、その他、各部を金属材料同士で構成することもできる。更には、セラミックスと金属の材料とから製造されたものを組み合わせたハイブリッド構造として構成することもできる。この場合、金属材料間の接合、セラミックスと金属材料間の接合においては、有機樹脂、ガラス等での接着、ロウ付け、半田付け、共晶接合、溶接等を用いることができる。
【0196】
例えば、可動部20a及び20b、固定部14をセラミックスとし、薄板部12a及び12bを金属としたハイブリッド構造の圧電/電歪デバイス(第8の変形例に係る圧電/電歪デバイス10h)の製造方法(第5及び第6の製造方法)について図33〜図40を参照しながら説明する。従って、この第5及び第6の製造方法で形成される金属とセラミックスを含む基体を基体16Dと記す。
【0197】
第5の製造方法は、まず、図33に示すように、少なくとも薄板部12a及び12b間に空間を形成するための窓部54が形成された複数枚(例えば4枚)のセラミックグリーンシート50A〜50Dと、薄板部12a及び12b間に空間を形成するための窓部54と互いに対向する端面34a及び34bを有する可動部20a及び20bを形成するための窓部100とが連続形成された複数枚(例えば7枚)のセラミックグリーンシート102A〜102Gとを用意する。
【0198】
その後、図34に示すように、セラミックグリーンシート50A〜50D、102A〜102Gを積層・圧着して、セラミックグリーン積層体158とする。この積層にあたってはセラミックグリーンシート102A〜102Gを中央に位置させて積層する。その後、セラミックグリーン積層体158を焼成して、図35に示すように、セラミック積層体160を得る。このとき、セラミック積層体160には、窓部54及び100により孔部130が形成されたかたちとなる。
【0199】
次に、図36に示すように、別体として構成した圧電/電歪素子18a及び18bをそれぞれ薄板部12a及び12bとなる金属板152A及び152Bの表面にエポキシ系接着剤で接着する。別体の圧電/電歪素子18a及び18bは、例えばセラミックグリーンシート積層法により形成することができる。
【0200】
次に、金属板152A及び152Bでセラミック積層体160を挟み込むように、かつ、孔部130を塞ぐようにして、これら金属板152A及び152Bをセラミック積層体160にエポキシ系接着剤で接着し、ハイブリッド積層体162(図37参照)とする。
【0201】
次に、図37に示すように、圧電/電歪素子18a及び18bが形成されたハイブリッド積層体162のうち、切断線C1、C2、C5に沿って切断することにより、ハイブリッド積層体162の側部と先端部を切除する。この切除によって、図38に示すように、基体16Dのうち、金属板で構成された薄板部12a及び12bに圧電/電歪素子18a及び18bが形成され、かつ、互いに対向する端面34a及び34bを有する可動部20a及び20bが形成された第8の変形例に係る圧電/電歪デバイス10hを得る。
【0202】
一方、第6の製造方法は、まず、図34に示すように、セラミックグリーンシート50A〜50D、102A〜102Gを積層・圧着して、セラミックグリーン積層体158とする。その後、セラミックグリーン積層体158を焼成して、図39に示すように、セラミック積層体160を得る。このとき、セラミック積層体160には、窓部54及び100による孔部130が形成されたかたちとなる。
【0203】
次に、図40に示すように、金属板152A及び152Bでセラミック積層体160を挟み込むように、かつ、孔部130を塞ぐようにして、これら金属板152A及び152Bをセラミック積層体160にエポキシ系接着剤で接着し、ハイブリッド積層体162とする。このとき、接着した金属板152A及び152Bの表面に圧電/電歪素子18a及び18bを貼り合わせる際に、十分な接着圧力がかけられるように、図39に示すように、必要に応じて、孔部130に充填材164を充填する。
【0204】
充填材164は、最終的には除去する必要があるため、溶剤等に溶解しやすく、また、硬い材料であることが好ましく、例えば有機樹脂やワックス、ロウなどが挙げられる。また、アクリル等の有機樹脂にセラミック粉末をフィラーとして混合した材料を採用することもできる。
【0205】
次に、図40に示すように、ハイブリッド積層体162における金属板152A及び152Bの表面に、別体として形成した圧電/電歪素子18a及び18bをエポキシ系接着剤で接着する。別体の圧電/電歪素子18a及び18bは、例えばセラミックグリーンシート積層法により形成することができる。
【0206】
後は、上述したように、図37及び図38と同様の工程を経て、基体16Dのうち、金属板152A及び152Bで構成された薄板部12a及び12bに圧電/電歪素子18a及び18bが形成され、かつ、互いに対向する端面34a及び34bを有する可動部20a及び20bが形成された第8の変形例に係る圧電/電歪デバイス10hを得る。
【0207】
また、基体16Dをすべて金属とする場合には、例えば図35におけるセラミック積層体160に相当する部位を鋳造により形成するほか、薄状の金属を積層し、クラッディング法により形成すればよい。
【0208】
上述した圧電/電歪デバイスによれば、各種トランスデューサ、各種アクチュエータ、周波数領域機能部品(フィルタ)、トランス、通信用や動力用の振動子や共振子、発振子、ディスクリミネータ等の能動素子のほか、超音波センサや加速度センサ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等の各種センサ用のセンサ素子として利用することができ、特に、光学機器、精密機器等の各種精密部品等の変位や位置決め調整、角度調整の機構に用いられる各種アクチュエータに好適に利用することができる。
【0209】
なお、この発明に係る圧電/電歪デバイス及びその製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0210】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る圧電/電歪デバイス及びその製造方法によれば、デバイスの軽量化、中でも固定部もしくは可動部の軽量化、デバイスのハンドリング性並びにデバイスの固定性もしくは可動部への部品の取付性を向上させることができ、これにより、可動部を大きく変位することができると共に、可動部の変位動作の高速化(高共振周波数化)を達成させることができ、しかも、有害な振動の影響を受け難く、高速応答が可能で、機械的強度が高く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振動を精度よく検出することができるセンサ素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図2】圧電/電歪素子の第1の変形例を示す拡大図である。
【図3】圧電/電歪素子の第2の変形例を示す拡大図である。
【図4】圧電/電歪素子の第3の変形例を一部省略して示す斜視図である。
【図5】圧電/電歪素子の第4の変形例を一部省略して示す斜視図である。
【図6】本実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第1の変形例を示す斜視図である。
【図7】本実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第2の変形例を示す斜視図である。
【図8】第2の変形例に係る圧電/電歪デバイスにおいて、圧電/電歪素子が共に変位動作を行っていない場合を示す説明図である。
【図9】図9Aは一方の圧電/電歪素子に印加される電圧波形を示す波形図であり、図9Bは他方の圧電/電歪素子に印加される電圧波形を示す波形図である。
【図10】第2の変形例に係る圧電/電歪デバイスにおいて、圧電/電歪素子が変位動作を行った場合を示す説明図である。
【図11】本実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第3の変形例を示す斜視図である。
【図12】本実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第4の変形例を示す斜視図である。
【図13】第5の変形例に係る圧電/電歪デバイスを示す斜視図である。
【図14】第6の変形例に係る圧電/電歪デバイスを示す斜視図である。
【図15】第7の変形例に係る圧電/電歪デバイスを示す斜視図である。
【図16】第1の製造方法において、必要なセラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図である。
【図17】第1の製造方法において、セラミックグリーン積層体とした状態を示す説明図である。
【図18】第1の製造方法において、セラミックグリーン積層体を焼成したセラミック積層体とした後、該セラミック積層体に圧電/電歪素子を形成した状態を示す説明図である。
【図19】第1の製造方法において、セラミック積層体を所定の切断線に沿って切断して、本実施の形態に係る圧電/電歪デバイスとする途中過程を示す説明図である。
【図20】図20Aは薄板部や圧電/電歪層に内部残留応力が発生している状態を示す説明図であり、図20Bは可動部の中心部分を切除した状態を示す説明図である。
【図21】第2の製造方法において、必要なセラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図である。
【図22】第2の製造方法において、セラミックグリーン積層体とした状態を示す説明図である。
【図23】第2の製造方法において、セラミックグリーン積層体を焼成したセラミック積層体とした後、該セラミック積層体に圧電/電歪素子を形成した状態を示す説明図である。
【図24】第2の製造方法において、セラミック積層体を所定の切断線に沿って切断して、本実施の形態に係る圧電/電歪デバイスとした状態を示す説明図である。
【図25】第3の製造方法において、必要なセラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図である。
【図26】第3の製造方法において、セラミックグリーン積層体とした状態を示す説明図である。
【図27】第3の製造方法において、セラミックグリーン積層体を焼成したセラミック積層体とした後、該セラミック積層体に圧電/電歪素子を形成した状態を示す説明図である。
【図28】第3の製造方法において、セラミック積層体を所定の切断線に沿って切断して、本実施の形態に係る圧電/電歪デバイスとする途中過程を示す説明図である。
【図29】第4の製造方法において、必要なセラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図である。
【図30】第4の製造方法において、セラミックグリーン積層体とした状態を示す説明図である。
【図31】第4の製造方法において、セラミックグリーン積層体を焼成したセラミック積層体とした後、該セラミック積層体に圧電/電歪素子を形成した状態を示す説明図である。
【図32】第4の製造方法において、セラミック積層体を所定の切断線に沿って切断して、本実施の形態に係る圧電/電歪デバイスとする途中過程を示す説明図である。
【図33】第5の製造方法において、必要なセラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図である。
【図34】第5の製造方法において、セラミックグリーン積層体とした状態を示す説明図である。
【図35】第5の製造方法において、セラミックグリーン積層体を焼成してセラミック積層体とした状態を示す説明図である。
【図36】第5の製造方法において、別体として構成した圧電/電歪素子をそれぞれ薄板部となる金属板の表面に接着した状態を示す説明図である。
【図37】第5の製造方法において、金属板をセラミック積層体に接着してハイブリッド積層体とした状態を示す説明図である。
【図38】第5の製造方法において、ハイブリッド積層体を所定の切断線に沿って切断して、第8の変形例に係る圧電/電歪デバイスを作製した状態を示す説明図である。
【図39】第6の製造方法において、セラミックグリーン積層体を焼成してセラミック積層体とした後、孔部に充填材を充填した状態を示す説明図である。
【図40】第6の製造方法において、それぞれ薄板部となる金属板をセラミック積層体に接着してハイブリッド積層体とした状態を示す説明図である。
【図41】従来例に係る圧電/電歪デバイスを示す構成図である。
【符号の説明】
10、10a〜10h…圧電/電歪デバイス
12a、12b…薄板部 14…固定部
18a、18b…圧電/電歪素子 19a、19b…アクチュエータ部
20a、20b…可動部 22…圧電/電歪層
24、26…一対の電極 36…空隙
37、37A〜37C…スペーサ部材 38…接着剤
50A〜50I、52A、52B、102A〜102G、108A〜108G、114A〜114G…セラミックグリーンシート
58、158…セラミックグリーン積層体
60、160…セラミック積層体 106…張出し部
112…桟部 152A、152B…金属板
162…ハイブリッド積層体

Claims (27)

  1. 矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、相対向する一対の可動部とを有し、
    前記一対の薄板部のうち、少なくとも一方の薄板部に圧電/電歪素子が形成された圧電/電歪デバイスであって、
    一方の前記薄板部のうち、他方の前記薄板部と対向する面とは反対の面上に前記圧電/電歪素子が形成され、
    前記一対の可動部は、互いに対向する端面を有し、
    前記一対の可動部の端面間の距離は、前記可動部の前記端面のうち、前記固定部に向かって延びる辺の長さ以上であることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  2. 請求項1記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    前記可動部に切除部を有し、
    前記切除部の一部が前記互いに対向する端面を構成することを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  3. 請求項1又は2記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    前記互いに対向する端面の間に前記可動部の構成部材と同じ部材あるいは異なる複数の部材が介在され、
    前記部材における前記端面と対向する面の面積が前記端面の面積と同じであることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  4. 請求項3記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    前記複数の部材のうち、少なくとも1つの部材が有機樹脂であることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  5. 請求項3又は4記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    前記一対の薄板部の相対向する内壁と前記複数の部材の前記固定部と対向する内壁と前記固定部の前記複数の部材の前記内壁と対向する内壁とにより孔部が形成され、
    前記孔部内に、ゲル状の材料が充填されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  6. 矩形体である可動部と、前記可動部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記可動部が設けられるのと対向する端に、相対向する一対の固定部とを有し、
    前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に圧電/電歪素子が形成された圧電/電歪デバイスであって、
    一方の前記薄板部のうち、他方の前記薄板部と対向する面とは反対の面上に前記圧電/電歪素子が形成され、
    前記一対の固定部は、互いに対向する端面を有し、
    前記一対の固定部の端面間の距離は、前記可動部のうち、前記一面と、該一面と反対側の面との間の最短距離以上であることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  7. 請求項6記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    前記固定部に切除部を有し、
    前記切除部の一部が前記互いに対向する端面を構成することを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  8. 請求項6又は7記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    前記互いに対向する端面の間に前記固定部の構成部材と同じ部材あるいは異なる複数の部材が介在され、
    前記部材における前記端面と対向する面の面積が前記端面の面積と同じであることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  9. 請求項8記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    前記複数の部材のうち、少なくとも1つの部材が有機樹脂であることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  10. 請求項8又は9記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    前記一対の薄板部の相対向する内壁と前記複数の部材の前記可動部と対向する内壁と前記可動部の前記複数の部材の前記内壁と対向する内壁とにより孔部が形成され、
    前記孔部内に、ゲル状の材料が充填されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    前記薄板部と前記可動部と前記固定部は、セラミックグリーン積層体を同時焼成することによって一体化し、更に不要な部分を切除してなるセラミック基体で構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  12. 請求項11記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    前記圧電/電歪素子は膜状であって、焼成によって前記セラミック基体に一体化されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    前記互いに対向する端面の間に空隙が形成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    製造時に前記薄板部及び/又は前記圧電/電歪素子に生じていた内部残留応力が、前記互いに対向する端面が形成されることによって解放された構造を有することを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    前記圧電/電歪素子は、
    圧電/電歪層と、該圧電/電歪層に形成された一対の電極とを有することを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  16. 請求項15記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
    前記圧電/電歪素子は、
    前記圧電/電歪層と前記一対の電極の複数が積層形態で構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  17. 矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、相対向する一対の可動部とを有し、
    前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に圧電/電歪素子が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、
    一方の前記薄板部のうち、他方の前記薄板部と対向する面とは反対の面上に前記圧電/電歪素子を形成した後に、前記可動部となる部分の所定部位を切除して、互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が前記端面のうち、前記固定部に向って延びる辺の長さ以上とされた前記可動部を形成する工程を有することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  18. 矩形体である可動部と、前記可動部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記可動部が設けられるのと対向する端に、相対向する一対の固定部とを有し、
    前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に圧電/電歪素子が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、
    一方の前記薄板部のうち、他方の前記薄板部と対向する面とは反対の面上に前記圧電/電歪素子を形成した後に、前記固定部となる部分の所定部位を切除して、互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が前記可動部の一面と、該一面と反対側の面との間の最短距離以上とされた前記固定部を形成する工程を有することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  19. 矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、相対向する一対の可動部とを有し、
    前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に圧電/電歪素子が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、
    少なくとも窓部を有するセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、セラミック積層体を作製するセラミック積層体作製工程と、
    前記セラミック積層体のうち、一方の前記薄板部となる部分の外表面であって、後に他方の前記薄板部となる部分と対向する面とは反対の面上に前記圧電/電歪素子を形成する工程と、
    前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対する少なくとも1回の切除処理によって、少なくとも前記互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が前記端面のうち、前記固定部に向って延びる辺の長さ以上とされた前記可動部を形成する切除工程とを含むことを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  20. 請求項19記載の圧電/電歪デバイスの製造方法において、
    前記セラミック積層体作製工程は、少なくとも互いに対向する端面を有する前記可動部を形成するための窓部を有する複数のセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、前記セラミック積層体を作製し、
    前記切除工程は、前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対する切除処理によって、少なくとも前記互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が前記端面のうち、前記固定部に向って延びる辺の長さ以上とされた前記可動部を形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  21. 請求項19又は20記載の圧電/電歪デバイスの製造方法において、
    前記セラミック積層体作製工程は、少なくとも互いに対向する端面が一部連結された前記可動部となる部分を形成するための窓部を有する複数のセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、前記セラミック積層体を作製し、
    前記切除工程は、前記圧電/電歪素子が形成された前記セラミック積層体に対する切除処理によって、少なくとも互いに対向する端面が一部連結された前記可動部となる部分を形成し、更に、前記連結部分を切除して互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が前記端面のうち、前記固定部に向って延びる辺の長さ以上とされた前記可動部を形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  22. 請求項19〜21のいずれか1項に記載の圧電/電歪デバイスの製造方法において、
    前記互いに対向する端面の間に、前記可動部の構成部材と異なる複数の部材を介在させる工程を有することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  23. 矩形体である可動部と、前記可動部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記可動部が設けられるのと対向する端に、相対向する一対の固定部とを有し、
    前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に圧電/電歪素子が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、
    少なくとも窓部を有するセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、セラミック積層体を作製するセラミック積層体作製工程と、
    前記セラミック積層体のうち、一方の前記薄板部となる部分の外表面であって、後に他方の前記薄板部となる部分と対向する面とは反対の面上に前記圧電/電歪素子を形成する工程と、
    前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対する少なくとも1回の切除処理によって、少なくとも前記互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が、前記可動部のうち、前記一面と、該一面と反対側の面との間の最短距離長さ以上とされた前記固定部を形成する切除工程とを含むことを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  24. 請求項23記載の圧電/電歪デバイスの製造方法において、
    前記セラミック積層体作製工程は、少なくとも互いに対向する端面を有する前記固定部を形成するための窓部を有する複数のセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、前記セラミック積層体を作製し、
    前記切除工程は、前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対する切除処理によって、少なくとも前記互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が、前記可動部のうち、前記一面と、該一面と反対側の面との間の最短距離長さ以上とされた前記固定部を形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  25. 請求項23又は24記載の圧電/電歪デバイスの製造方法において、
    前記セラミック積層体作製工程は、少なくとも互いに対向する端面が一部連結された前記固定部となる部分を形成するための窓部を有する複数のセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、前記セラミック積層体を作製し、
    前記切除工程は、前記圧電/電歪素子が形成された前記セラミック積層体に対する切除処理によって、少なくとも互いに対向する端面が一部連結された前記固定部となる部分を形成し、更に、前記連結部分を切除して互いに対向する端面を有し、かつ、前記端面間の距離が、前記可動部のうち、前記一面と、該一面と反対側の面との間の最短距離以上とされた前記固定部を形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  26. 請求項23〜25のいずれか1項に記載の圧電/電歪デバイスの製造方法において、
    前記互いに対向する端面の間に、前記固定部の構成部材と異なる複数の部材を介在させる工程を有することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  27. 請求項22又は26記載の圧電/電歪デバイスの製造方法において、
    前記複数の部材のうち、少なくとも1つの部材として有機樹脂を用いることを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
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