JP4057772B2 - 簡易トイレ用消臭装置および消臭装置付き簡易トイレ - Google Patents

簡易トイレ用消臭装置および消臭装置付き簡易トイレ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、簡易トイレに装着して好適な簡易トイレ用消臭装置およびこの消臭装置を備えた消臭装置付き簡易トイレに関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】
従来より、病院や家庭などの室内において病人や幼児などの用便には、ポータブルの簡易トイレ(ポータブルトイレ、移動型トイレなどとも称される)が用いられている。そして、この種の簡易トイレにおいては、その本体ケース内に着脱自在に収容される便器としてのトイレポット内の大便や小水などの排便物に起因する臭気(悪臭)を、消臭剤、芳香剤あるいは触媒を用いて処理するようにしていた。
【0003】
しかしながら、上記(1)消臭剤による処理は、消臭剤の効能期間が非常に短く、定期的または頻繁に交換する必要があるとともに、臭気を必ずしも十分に処理しきれない欠点がある。そして、(2)芳香剤による処理は、臭気のマスキングであり、一時的に臭気をマスキングすることができても、臭気を根本的に除去することができない欠点がある。また、(3)触媒による処理は、触媒に還元臭が残り、最終的に異臭が残るといった欠点がある。
【0004】
これに対して、脱臭にオゾンを用いるものとして、実公平7−48159号公報に示される携帯用脱臭便器がある。この携帯用脱臭便器は、便器本体内部と脱臭装置とを通気路を介して連通し、前記脱臭装置がオゾン発生装置、脱臭用触媒、ファンの順に臭気が流れるようにしたものである。
【0005】
しかしながら、上記携帯用脱臭便器においては、便器本体内の臭気を吸引によって、前記便器本体外部に設けられた脱臭装置にまで導出し、この導出された臭気をオゾンおよび脱臭用触媒で処理するようにしたものであり、排便物に直接働きかけるものではないため、オゾンと脱臭用触媒を併用しているにもかかわらず、脱臭効果が必ずしも十分ではないといった欠点があるとともに、脱臭用触媒を用いているため、前記(3)に述べたような欠点がある。
【0006】
また、オゾンを用いるものとして、簡易トイレではないが、特公平3−32364号公報に示すようなオゾン発生装置付便座がある。このオゾン発生装置付便座は、便座後部に設けた本体内にオゾン発生装置を内蔵し、便器内に開口した吸入口から吸い込んだ悪臭をオゾン発生装置に通過させる経路を設け、悪臭を消臭したオゾンを局部洗浄用ノズルより噴射する洗浄水の供給経路を設けたものである。
【0007】
しかしながら、上記オゾン発生装置付便座は、発生したオゾンを、局部の洗浄に用いる洗浄水に溶解させるようにしており、洗浄水の噴射方向が一定であり、しかも、排便物にガス状で直接作用するものではないため、排便物に起因する臭気を完全に処理することができないといった欠点がある。
【0008】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その一つの目的は、簡易トイレに好適に適用することができ、排便物に起因する臭気を確実に無臭化処理することができる簡易トイレ用消臭装置を提供することであり、他の目的は、本体内に設けられるトイレバケツに対してオゾンをガス状で送り込み、トイレバケツ内の排便物に起因する臭気を確実に無臭化処理することができる使い勝手のよい消臭装置付き簡易トイレを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の簡易トイレ用消臭装置は、ケース内に、オゾン発生体、オゾン分解用触媒およびファンを備えてなり、前記オゾン発生体において発生したオゾンを、簡易トイレ本体内に着脱自在に収容されるトイレバケツに対してその内部を無臭化処理するために前記ファンによって供給する一方、前記トイレバケツ内の無臭化処理済みの空気を前記ファンによって前記ケース内に吸引し、かつ前記吸引した空気を前記オゾン分解用触媒通過させて該空気中に含まれているオゾンの酸素化処理を行うように構成した簡易トイレ用消臭装置であって、前記オゾン発生体が、前記ケース内部に区画形成された二つの流路空間部のうち、前記ファンの排気側開口部に連なり、その端部にトイレバケツへのオゾン供給部が形成されている一方の流路空間部の途中に設けられているとともに、前記オゾン分解用触媒が、前記ファンの吸気側開口部に連なり、その端部に前記オゾン供給部と間隔をおいてトイレバケツからの吸気部が形成されている他方の流路空間部に設けられており、また、用便待機中に、前記ファンおよびオゾン発生体を低出力動作させて少量のオゾンを前記トイレバケツに供給して該トイレバケツ内の無臭化処理及びその無臭化処理済みの空気中に含まれているオゾンの酸素化処理を行う状態と、用便時に、前記ファンおよびオゾン発生体を出力アップ動作させて大量のオゾンを前記トイレバケツに供給して該トイレバケツ内の無臭化処理及びその無臭化処理済み空気中に含まれているオゾンの酸素化処理を行う状態とに切換え可能に構成されている(請求項1)。
【0010】
また、この発明では、本体内に着脱自在に収容されるトイレバケツを備えた簡易トイレにおいて、オゾン発生体、オゾン分解用触媒およびファンを備えた消臭装置を前記本体内に設け、前記オゾン発生体において発生したオゾンを前記ファンによって前記トイレバケツに対して供給してトイレバケツ内の臭気を無臭化処理し、前記トイレバケツ内の無臭化処理済みの空気を前記ファンによって吸引し、かつ、前記吸引された空気を前記オゾン分解用触媒に通過させて該空気中に含まれているオゾンの酸素化処理を行うように構成した消臭装置付き簡易トイレであって、前記オゾン発生体が、前記ケース内部に区画形成された二つの流路空間部のうち、前記ファンの排気側開口部に連なり、その端部にトイレバケツへのオゾン供給部が形成されている一方の流路空間部の途中に設けられているとともに、前記オゾン分解用触媒が、前記ファンの吸気側開口部に連なり、その端部に前記オゾン供給部と間隔をおいてトイレバケツからの吸気部が形成されている他方の流路空間部に設けられており、また、用便待機中に、前記ファンおよびオゾン発生体を低出力動作させて少量のオゾンを前記トイレバケツに供給して該トイレバケツ内の無臭化処理及びその無臭化処理済みの空気中に含まれているオゾンの酸素化処理を行う状態と、用便時に、前記ファンおよびオゾン発生体を出力アップ動作させて大量のオゾンを前記トイレバケツに供給して該トイレバケツ内の無臭化処理及びその無臭化処理済み空気中に含まれているオゾンの酸素化処理を行う状態とに切換え可能に構成されている(請求項3)。
【0011】
上記簡易トイレ用消臭装置および消臭装置付き簡易トイレにおいては、オゾン発生体で発生したオゾンを、簡易トイレ内に着脱自在に設けられるトイレバケツに対してガス状で供給しているので、トイレバケツ内の排便物に起因する臭気にオゾンが直接作用し、臭気が確実に無臭化処理される。そして、トイレバケツ内の排便物も前記オゾンによって無臭化処理され、トイレバケツ内に排便物を長時間放置しておいても悪臭を放つことがなく、トイレの使用の都度、排便物を捨てに行く手間を省くことができる。
【0012】
また、トイレバケツ内にオゾンが残存しても、これを消臭装置に設けられたオゾン分解用触媒によって酸素化処理するので、そのまま排出しても何の問題を生ずることもない。さらに、アンモニアの臭いを分解または低減することができるとともに、アンモニアで劣化したオゾン分解用触媒は、オゾンにより還元されるので、長期間メンテナンスフリーの状態で使用することができる。
しかも、用便待機中においても、ファンおよびオゾン発生体が低出力動作されて少量のオゾンをトイレバケツに供給して該トイレバケツ内の無臭化処理及びその無臭化処理済みの空気中に含まれているオゾンの酸素化処理が行われるので、トイレバケツ内に排便物が長時間放置されて存在している場合でも、無臭化処理を確実に行うことができ、不快感などを取り除くことができる。
【0013】
そして、上記消臭装置は、構造がシンプルであり、外形の単純な形状であるので、従来より市販されている簡易トイレにおけるトイレバケツを少し手直しするだけで、消臭装置付き簡易トイレに改造することができるといった利点がある。
【0014】
また、上記簡易トイレ用消臭装置および消臭装置付き簡易トイレにおいて、消臭装置または本体ケースに人体検出センサを設け、この人体検出センサの検出出力に基づいて、前記ファンおよびオゾン発生体を低出力動作状態から出力アップ動作状態に自動的に切換えるように構成されている場合(請求項2,4)、無駄な電力の消費を極力防止できるとともに、簡易トイレの使用時の無臭化処理が最も必要な用便時に、消臭装置を出力アップ動作させて無臭化処理を迅速かつ確実に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1〜図6は、この発明の一つの実施の形態を示す図である。図1において、1は消臭装置付き簡易トイレで、簡易トイレ2とこの内部に着脱自在に設けられる消臭装置3とからなる。
【0016】
まず、簡易トイレ2の構成を、主として図1〜図3を参照しながら説明する。これらの図において、4は例えば椅子型の簡易トイレ本体で、本体部5と、この本体部5の背面にやや斜め上方に延設された背もたれ部6と、本体部5の左右の側部上方に立設される肘掛け部7と、脚部8とからなる。
【0017】
前記本体部5のほぼ中央には、底板9と周壁10とから囲まれ、上方が開口したバケツ収容部11が形成されている。12はバケツ収容部11の上方の周辺部を覆う上板で、トイレバケツ(後述する)を出し入れできるようにその形状に合わせた孔13が開設されている。そして、14は上板12の上方に設けられる便座で、背面側の枢支部15に回動自在に枢支されている。また、16は便座14を外方から覆うカバー体で、背面側の枢支部17に回動自在に枢支され、これに水平な状態にして前記バケツ収容部11を覆った状態にした場合、簡易トイレ2を通常の椅子として使用することができる。なお、18は底板9の上面に形成されるバケツ載置部で、トイレバケツを前後または左右に移動しないように形成されている。
【0018】
19は排便物を収容するためのトイレバケツで、前記バケツ収容部11に対して収容され、バケツ載置部18に対して着脱自在となるように、その本体の側面が上方に向かって末広がり状に傾斜しているとともに、内部に凹凸がなく、気流のスムーズな動きを妨げないように形成されており、例えばプラスチックよりなる。そして、このトイレバケツ19の背面部19aは、上方に向かって末広がり状に傾斜した平面に近い形状に形成され、この背面部19aには、二つの孔20,21が適宜の間隔をおいて左右方向に並設されている。一方の孔20は、消臭装置3からトイレバケツ19内に供給されるオゾンOの供給孔であり、他方の孔21は、トイレバケツ19内の臭気Gを吸引排出するための吸気孔で、例えば、オゾン供給孔20は円形の孔よりなり、吸気孔21は左右方向に長い長方形の孔よりなる。
【0019】
そして、前記背面部19aの内側面の前記孔20,21に対応する位置には、図6に示すように、小水の浸入を防止するための小水防止カバー22が設けられている。この小水防止カバー22は、例えばプラスチックよりなり、図4および図6に示すように、断面形状が例えば半円状(または蒲鉾または三角形などであってもよい)に形成され、左右両端が開放された空間を有するとともに、その空間側には隔壁23が設けてあり、前記空間は、オゾン供給孔20に連通する空間部24と、吸気孔21に連通する空間部25とに区画されている。
【0020】
なお、26はバケツ吊下げ部、27はトイレバケツ19の上部開口を取り外し自在に閉塞する蓋、27aは蓋27の上面の把手部である。
【0021】
次に、消臭装置3の構成を、主として図4〜図6を参照しながら説明する。これらの図において、28は例えばプラスチックよりなるケースで、このケース28内には、次のような部材が設けられている。すなわち、29はケース28の下方に設けられる送風および排気の機能を兼ね備えたファンとしてのシロッコファンである。30は例えばプラスチックよりなる隔壁で、この隔壁30およびシロッコファン29によって、ケース28内部が二つの流路空間部31,32に区画される。
【0022】
そして、前記流路空間部31,32のうちの一方31は、シロッコファン29の排気側開口部29aに連なっており、その隔壁30に沿った部分31aの端部には、筒状のオゾン供給部33が形成されるとともに、ケース28の側壁に開設された外部放出孔34に連なっている。そして、前記流路空間部31の前記部分31aの途中には、例えば特許第2644973号特許公報に記載された放電管よりなるオゾン発生体35が設けられている。この特許公報に記載されたオゾン発生体35は、小型でしかも長期にわたってメンテナンスフリーで所望のオゾンを発生することができる。
【0023】
また、前記流路空間部31,32のうちの他方32は、シロッコファン29の吸気側開口部29bに連なっており、前記オゾン供給部33と適宜の間隔をおいて筒状の吸気部36が形成されている。この吸気部36の内部(吸気側開口部29b側)にはオゾンを分解して酸素に還元するオゾン分解用触媒37が設けられている。
【0024】
なお、38は前記オゾン供給部33および吸気部36を、前記トイレバケツ19に形成されたオゾン供給孔20および吸気孔21に対してそれぞれ気密に接続させるためのアタッチメントで、その接続側の端面38aは、トイレバケツ19の傾斜した背面部19aに合致するように形成されている。
【0025】
さらに、39はシロッコファン29およびオゾン発生体35の制御・電源部、40はオゾン発生量調整ボリウム、41はACアダプタージャックである。また、42は人体検知センサとしての振動センサである。
【0026】
次に、上述のように構成された消臭装置付き簡易トイレ1の動作を説明する。この消臭装置付き簡易トイレ1は、図示してない電源スイッチまたは切換えスイッチで、オンオフすることができ、前記スイッチを切り換え操作すると、シロッコファン29およびオゾン発生体35がそれぞれ最大能力で動作し、待機中においても、シロッコファン29およびオゾン発生体35が低出力動作し、必要最小限の弱い力で送風・排気が行われ、必要最小限のオゾンOが発生しているものとする。
【0027】
前記待機中においては、図4において矢印Oで示すように、消臭装置3のオゾン供給部33、トイレバケツ19のオゾン供給孔20および空間部24を経てトイレバケツ19内にオゾンOが供給される。そして、シロッコファン29の吸引動作により、消臭装置3の吸気部36およびトイレバケツ19の吸気孔21側は負圧になっているので、図6において矢印O,Gで示すように、トイレバケツ19内をほぼ一巡する気流が生ずる。そして、トイレバケツ19内に排便物が存在している場合、供給されたオゾンOによって、臭気が無臭化され、無臭化処理後の空気Gは、前記吸気孔21および吸気部36を介して消臭装置3内に吸引される。この吸引された空気は、オゾン分解用触媒37を通過する。この通過の際、前記空気中に含まれているオゾンOは分解されて酸素に還元され、その後、シロッコファン29の吸気側開口部29bに至る。
【0028】
前記待機中において、人が用便を行うため、図1に示すように、カバー体16を開け、便座14に座ると、消臭装置3の人体検知振動センサ42が振動を検出し、その検出出力に基づいてシロッコファン29およびオゾン発生体35がパワーアップ動作し、シロッコファン29による送風・吸引力が強力になるとともに、オゾン発生体35によるオゾン発生量が大きくなり、大量のオゾンOがトイレバケツ19に供給される。なお、前記パワーアップ動作は、人体検知振動センサ42の検出後、一定時間経過すると、制御・電源部39に設けられているタイマーが動作し、元の低出力の状態に復するように構成されている。なお、このタイマー設定による時間は、用便時間の長さや無臭化処理の効果などを考慮に入れて適宜設定すればよい。
【0029】
そして、前記状態でトイレバケツ19内に排便されると、排便物から立ち上がる臭気は、オゾン供給孔20および空間部24を経てトイレバケツ19内に供給される大量のオゾンOによって無臭化され、トイレバケツ19内をほぼ一巡して吸気孔21および吸気部36を介して消臭装置3内に吸引される。この場合、用便を行っている者の尻の下方やトイレバケツ19の上面側の空気は、シロッコファン29の吸引力によって、吸気孔21および吸気部36側に吸引されるので、外部に漏れることはほとんどない。
【0030】
前記吸引された空気は、オゾン分解用触媒37を通過する。この通過の際、前記空気中に含まれているオゾンOは分解されて酸素に還元され、その後、シロッコファン29の吸引側29bに至る。そして、シロッコファン29に吸引された空気Kの一部は、外部放出孔34を経て消臭装置3外に排出されるが、この空気KにはオゾンOが含まれてなく、また、仮に含まれていても規定量より遙に低濃度であるので、消臭装置付き簡易トイレ1を設置している室内の空気を汚染することはない。また、前記シロッコファン29に吸引された空気Kの他部は、再びオゾン発生体35側に流れ、オゾンOの生成に供される。
【0031】
そして、上述したように、動作中の消臭装置3からトイレバケツ19内に供給されるオゾンOは、図6において矢印Oで示すように流れるため、トイレバケツ19内の臭気を効果的に無臭化処理することができる。そして、オゾンOは空気より重く、したがって、自重により下降してトイレバケツ19内の排便物に対して直接作用し、これを無臭化することができる。
【0032】
上述のように、この発明の消臭装置付き簡易トイレ1においては、オゾン発生体35で発生したオゾンOを、簡易トイレ2内に着脱自在に設けられるトイレバケツ19に対してガス状で供給しているので、トイレバケツ19内の排便物に起因する臭気にオゾンOが直接作用し、臭気が確実に無臭化処理される。そして、トイレバケツ19内の排便物も前記オゾンOによって無臭化処理され、トイレバケツ19内に排便物を長時間放置しておいても悪臭を放つことがなく、トイレの使用の都度、排便物を捨てに行く手間を省くことができ、それだけ、介護者などの手間や労力を省くことができ、介護者などの負担を軽減することができる。
【0033】
そして、トイレバケツ19内にオゾンOが残存しても、これを消臭装置3に設けられたオゾン分解用触媒37によって酸素化処理するので、そのまま外部に排出しても何の問題を生ずることもない。さらに、アンモニア等の臭いを分解または低減することができるとともに、アンモニア等で劣化したオゾン分解用触媒37は、オゾンOにより還元されるので、長期間メンテナンスフリーの状態で使用することができる。
【0034】
この発明は、上述の実施の形態に限られるものではなく、種々に変形して実施することができる。例えば、オゾン発生器35を、シロッコファン29の排気側流路31に設けるのに代えて、シロッコファン29の吸引側流路32のオゾン分解用触媒37の下流側に設けてもよい。
【0035】
また、人体検知センサとしては、赤外線センサや超音波センサあるいは電気的センサなど適宜のものを用いることができる。そして、人体検知センサを簡易トイレ2側に設けるようにしてもよい。
【0036】
そして、人体検知センサの出力に基づいて、シロッコファン29の回転数およびオゾン発生体35のオゾン発生量のいずれか一方が増大するようにしてあってもよい。
【0037】
さらに、人体検知センサを設けるのに代えて、簡易トイレ2に出力切換えスイッチを設け、用便に際して、これを操作するようにして、シロッコファン29の回転数の増大およびオゾン発生体35の出力をアップさせるようにしてもよい。
【0038】
また、上述の実施の形態においては、消臭装置3側のオゾン供給部33および吸気部36と、トイレバケツ19側のオゾン供給孔20および吸気孔21と接続部分にアタッチメント38を設けるようにしているが、オゾン供給部33としてフレキシブルなチューブを用いてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、トイレバケツ内の排便物に起因する臭気にオゾンが直接作用し、臭気を確実に無臭化処理することができる。そして、トイレバケツ内の排便物に対して用便時だけでなく、用便待機中にも前記オゾンによって無臭化処理することができるので、トイレバケツ内に排便物を長時間放置しておいても悪臭を放つことがなく、トイレの使用の都度、排便物を捨てに行く手間を省くことができ、介護者などの負担が大幅に軽減される。
【0040】
また、トイレバケツ内にオゾンが残存しても、これを消臭装置に設けられたオゾン分解用触媒によって酸素化処理するので、そのまま外部に排出しても何の問題を生ずることもない。さらに、アンモニア等の臭いを分解または低減することができるとともに、アンモニア等で劣化したオゾン分解用触媒は、オゾンにより還元されるので、長期間メンテナンスフリーの状態で使用することができる。
【0041】
そして、この発明の消臭装置は、構造がシンプルであり、外形が単純な形状であるので、従来より市販されている簡易トイレにおけるトイレバケツを少し手直しするだけで、消臭装置付き簡易トイレに改造することができるといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の消臭装置付き簡易トイレを示す縦断面図である。
【図2】 前記消臭装置付き簡易トイレの平面図である。
【図3】 簡易トイレの要部の構成を示す分解斜視図である。
【図4】 トイレバケツと消臭装置の接続構造を示す縦断面図である。
【図5】 消臭装置の構成を示す断面図である。
【図6】 トイレバケツおよび消臭装置内におけるオゾンの流れを示す図である。
【符号の説明】
1…消臭装置付き簡易トイレ、2…簡易トイレ、3…消臭装置、4…簡易トイレ本体、19…トイレバケツ、28…ケース、29…ファン、35…オゾン発生体、37…オゾン分解用触媒、42…人体検出センサ、O…オゾン、K…分解処理済の空気、G…消臭処理済みの空気。

Claims (4)

  1. ケース内に、オゾン発生体、オゾン分解用触媒およびファンを備えてなり、前記オゾン発生体において発生したオゾンを、簡易トイレ本体内に着脱自在に収容されるトイレバケツに対してその内部を無臭化処理するために前記ファンによって供給する一方、前記トイレバケツ内の無臭化処理済みの空気を前記ファンによって前記ケース内に吸引し、かつ前記吸引した空気を前記オゾン分解用触媒通過させて該空気中に含まれているオゾンの酸素化処理を行うように構成した簡易トイレ用消臭装置であって、
    前記オゾン発生体が、前記ケース内部に区画された二つの流路空間部のうち、前記ファンの排気側開口部に連なり、その端部にトイレバケツへのオゾン供給部が形成されている一方の流路空間部の途中に設けられているとともに、前記オゾン分解用触媒が、前記ファンの吸気側開口部に連なり、その端部に前記オゾン供給部と間隔をおいてトイレバケツからの吸気部が形成されている他方の流路空間部に設けられており、
    また、用便待機中に、前記ファンおよびオゾン発生体を低出力動作させて少量のオゾンを前記トイレバケツに供給して該トイレバケツ内の無臭化処理及びその無臭化処理済みの空気中に含まれているオゾンの酸素化処理を行う状態と、用便時に、前記ファンおよびオゾン発生体を出力アップ動作させて大量のオゾンを前記トイレバケツに供給して該トイレバケツ内の無臭化処理及びその無臭化処理済み空気中に含まれているオゾンの酸素化処理を行う状態とに切換え可能に構成されていることを特徴とする簡易トイレ用消臭装置。
  2. ケースに人体検出センサを設け、この人体検出センサの検出出力に基づいて、前記ファンおよびオゾン発生体を低出力動作状態から出力アップ動作状態に自動的に切換えるように構成されている請求項1に記載の簡易トイレ用消臭装置。
  3. 本体内に着脱自在に収容されるトイレバケツを備えた簡易トイレにおいて、オゾン発生体、オゾン分解用触媒およびファンを備えた消臭装置を前記本体内に設け、前記オゾン発生体において発生したオゾンを前記ファンによって前記トイレバケツに対して供給してトイレバケツ内の臭気を無臭化処理し、前記トイレバケツ内の無臭化処理済みの空気を前記ファンによって吸引し、かつ、前記吸引された空気を前記オゾン分解用触媒に通過させて該空気中に含まれているオゾンの酸素化処理を行うように構成した消臭装置付き簡易トイレであって、
    前記オゾン発生体が、前記ケース内部に区画形成された二つの流路空間部のうち、前記ファンの排気側開口部に連なり、その端部にトイレバケツへのオゾン供給部が形成されている一方の流路空間部の途中に設けられているとともに、前記オゾン分解用触媒が、前記ファンの吸気側開口部に連なり、その端部に前記オゾン供給部と間隔をおいてトイレバケツからの吸気部が形成されている他方の流路空間部に設けられており、
    また、用便待機中に、前記ファンおよびオゾン発生体を低出力動作させて少量のオゾンを前記トイレバケツに供給して該トイレバケツ内の無臭化処理及びその無臭化処理済みの空気中に含まれているオゾンの酸素化処理を行う状態と、用便時に、前記ファンおよびオゾン発生体を出力アップ動作させて大量のオゾンを前記トイレバケツに供給して該トイレバケツ内の無臭化処理及びその無臭化処理済み空気中に含まれているオゾンの酸素化処理を行う状態とに切換え可能に構成されていることを特徴とする消臭装置付き簡易トイレ。
  4. 消臭装置または本体に人体検出センサを設け、この人体検出センサの検出出力に基づいて、前記ファンおよびオゾン発生体を低出力動作状態から出力アップ動作状態に自動的に切換えるように構成されている請求項3に記載の脱臭装置付き簡易トイレ。
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