JP4056251B2 - ターボ分子ポンプ及びその動翼への雌ねじ穴加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体製造装置等の真空排気ポンプとして用いられるターボ分子ポンプと、このターボ分子ポンプの動翼への雌ねじ穴加工方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体の製造は、光学的処理や化学的処理などの様々な工程を経てなされるものである。光学的処理の代表的処理例としては、例えばウェハ面への回路パターン焼き付けを行う露光処理が挙げられ、また化学的処理の代表的処理例としては、例えばウェハ面に薄膜を形成する表面処理、エッチング処理、洗浄処理等が挙げられる。
前記表面処理においては、今や半導体製造において必須となった製造技術としてCVD(Chemical Vapor Deposition)技術がある。このCVDは、ウェハ等の基板上に対して原料ガスを供給し、この基板上でのガスの吸着及び化学反応を経て、該基板上に薄膜を形成する技術である。この技術は、半導体高集積化を実現させるためには欠くことのできないものとなっている。
【0003】
前記CVDの中でも、減圧CVD及びプラズマCVD等は真空雰囲気で行われ、真空排気装置が必要である。この真空排気装置では、大気圧からの多段階排気を可能とするロータリポンプ、ディフュージョンポンプ、ターボ分子ポンプなど、複数のポンプを組み合わせた構成が一般的に用いられている。
【0004】
前記ターボ分子ポンプの一例を、図6の斜視図に示す。同図に示すように、ターボ分子ポンプは、分割ケーシング1a,1bからなるケーシング1内に、各種部品を収めた構成となっている。分割ケーシング1aには吸気口1cが形成され、また分割ケーシング1bには排気口1dが形成されている。
【0005】
ケーシング1内部のロータ室2には、ロータ4が配設されている。このロータ4は、ロータシャフト4aと、該ロータシャフト4aの一端部の周囲に放射状に配置固定された動翼5とを備えた構成となっている。また、分割ケーシング1b側には静翼3が固定されている。ロータ4は、例えば90,000rpm(1,500回転/秒)で高速回転する部材であることから、一般的には軽量かつ応力強度の高いアルミニウム合金などがその素材として好適に用いられる。
【0006】
前記ロータシャフト4aの、前記一端側とは反対側の他端部には、スラスト磁気ディスク6が固定されている。このスラスト磁気ディスク6に対応して、その表面及び裏面を間に挟み込むようにスラスト磁気軸受8が配置されている。このスラスト磁気軸受8は、電力供給を受けた場合に、スラスト磁気ディスク6を保持することにより、ロータ4の軸線方向位置を保持する磁気軸受である。
【0007】
また、ロータシャフト4aは、分割ケーシング1bの内部に固定された一対のラジアル磁気軸受7a,7bの内部に、保持されるようになっている。これらラジアル磁気軸受7a,7bは、電力供給を受けた場合に、ロータシャフト4aをその軸中心位置に保持する磁気軸受である。
さらに、ロータシャフト4aの両端に保護軸受としてボールベアリング9,10が設けられている。さらに、ロータシャフト4aは、ボールベアリング9,10間に位置して分割ケーシング1b内に固定されたロータ駆動用モータ11(モータ)の内部に挿通されており、このロータ駆動用モータ11によってその軸線回りに回転駆動されるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このターボ分子ポンプは、塩素やフッ素などの腐食性ガスの排気処理に用いられる場合があるため、ガスを圧縮する前記動翼4には、耐腐食性を持たせるためのメッキ加工処理が表面に施されている。
前記腐食性ガスは、たとえ僅かでもメッキのない個所を見つけてそこを腐食させるため、例えば図7に示すような、雌ねじ穴5aの内部に至る細部まで、漏れなく良好なメッキ加工処理が施されている必要がある。同図の雌ねじ穴5aは、動翼5に対し、ロータシャフト4aの回転軸線CL回りに等角度間隔をおいて複数形成された雌ねじ穴であり、その底部は行き止まりとなっている。そして、これら雌ねじ穴5aには、動翼5の軸バランスを調整するための軸バランス調整ビス5bがそれぞれ螺着されるようになっている。
【0009】
上述のように、腐食性ガスの浸入による応力腐食割れを防止するためには、各雌ねじ穴5aそれぞれのねじ山においても漏れなく良好なメッキ加工が得られていることが必要であるものの、図7に示すように、深底のビス穴では、メッキ加工処理時にメッキが奥まで行き届かず、母材からのメッキの剥離を生じる場合がある。このメッキ剥離は、雌ねじ穴5aのねじ底部において特に発生しやすい傾向にある。
このようなメッキの剥がれが生じると、腐食性ガスによる母材の腐食がここから始まり、ここを基点として動翼5の応力腐食割れを生じる恐れがある。なお、このメッキ不良による腐食の問題は、前記雌ねじ穴5aに限らず、その他のねじ穴においても同様の問題を引き起こす恐れがあり、確実な対策案が切望されていた。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、動翼の雌ねじ穴におけるメッキ加工不良に起因する応力腐食割れが防止可能なターボ分子ポンプと、その動翼への雌ねじ穴加工方法との提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1に記載のターボ分子ポンプは、軸バランス調整ビスなどの雄ねじが螺着される雌ねじ穴を有するとともに、耐腐食性のメッキ加工処理が施された動翼を有するターボ分子ポンプにおいて、前記雌ねじ穴が、貫通孔とされていることを特徴とする。
上記請求項1に記載のターボ分子ポンプによれば、例え深い雌ねじ穴であっても、雌ねじ穴全面にメッキ液が行き渡るようになるので、母材に対して高い密着性を有するメッキ膜を形成することができる。
【0013】
請求項2に記載のターボ分子ポンプは、耐腐食性のメッキ加工処理が施され、導入した流体を圧縮する動翼と、該動翼が端部に固定されるロータシャフトとを有し、前記動翼が、前記流体を前記ロータシャフトの回転軸線方向に送りながら圧縮する軸流段部と、該軸流段部から導入された前記流体を前記回転軸線回りに螺旋状に形成されたねじ溝流路に送りながら更に圧縮するねじ溝段部とを有し、前記ねじ溝段部が、前記ねじ溝流路を複数形成する複数のねじ溝流路形成部を備えたターボ分子ポンプにおいて、前記各ねじ溝流路形成部のうち、前記軸流段部と別部品とされているものが、前記ロータシャフト側に形成された貫通孔状の雌ねじ穴にねじ固定されていることを特徴とする。
上記請求項2に記載のターボ分子ポンプによれば、ロータシャフトを介して、前記別部品を軸流段部に固定することができるので、この固定のための雌ねじ穴を動翼側に形成する必要がない。したがって、動翼における雌ねじ穴のメッキ不良を生じる恐れがない。
【0014】
請求項3に記載のターボ分子ポンプは、請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、前記動翼が、取り込んだ流体をその回転軸線方向に送りながら圧縮する軸流段部と、該軸流段部から導入された前記流体を前記回転軸線回りに螺旋状に形成されたねじ溝流路に送りながら更に圧縮するねじ溝段部とを有し、前記ねじ溝段部が、前記ねじ溝流路を複数形成する複数のねじ溝流路形成部を備え、前記各ねじ溝流路形成部のうち、前記軸流段部と別部品とされているものが、前記ロータシャフト側に形成された貫通孔状の雌ねじ穴にねじ固定されていることを特徴とする。
上記請求項3に記載のターボ分子ポンプによれば、ロータシャフトを介して、前記別部品を軸流段部に固定することができるので、この固定のための雌ねじ穴を動翼側に形成する必要がない。したがって、動翼における雌ねじ穴のメッキ不良を生じる恐れがない。
【0015】
請求項4に記載のターボ分子ポンプの動翼への雌ねじ穴加工方法は、耐腐食性のメッキ加工処理が施された動翼を有するターボ分子ポンプで、前記動翼に雌ねじ穴を加工する方法において、前記雌ねじ穴を、貫通孔として形成することを特徴とする。
上記請求項4に記載のターボ分子ポンプの動翼への雌ねじ穴加工方法によれば、例え深い雌ねじ穴であっても、雌ねじ穴全面にメッキ液を行き渡らせることができるので、母材に対して高い密着性を有するメッキ膜を形成させることができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のターボ分子ポンプ及びその動翼への雌ねじ穴加工方法の各実施形態についての説明を、図面を参照しながら以下に行うが、本発明がこれらのみに限定解釈されるものでないことはもちろんである。なお、各実施形態の説明においては、従来のターボ分子ポンプとの相違点を中心に説明するものとし、その他については、従来のターボ分子ポンプと同様であるとして説明を省略する(従来と同一構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する)。
各実施形態のターボ分子ポンプは、例えば、半導体製造に用いられるCVD装置(図示せず)などに、ロータリポンプやディフュージョンポンプ等とともに排気系の一部として装備され、チャンバ内の排気に利用される装置である。
【0018】
まず、図1及び図2を参照しながら、本発明の第1実施形態の説明を以下に行う。ここで、図1は、本実施形態のターボ分子ポンプの動翼周辺部分を示す縦断面図である。また、図2は、同ターボ分子ポンプの動翼の要部を示す図であって、図1のB部拡大図である。
【0019】
本実施形態のターボ分子ポンプは、その動翼の構造が特に特徴的となっているので、この動翼に新たな符号30を与え、これを中心として説明を行うものとする。
動翼30は、導入した流体(例えば腐食性を有する排気ガス。以下、排気ガスgと称する)を圧縮する部品であり、ロータシャフト4aの上端側に対し、複数本の止めねじ31によって同軸固定されている。そして、その外表面の全面には、耐腐食性のメッキ加工処理が施されている。さらに、この動翼30は、排気ガスgをロータシャフト4aの回転軸線方向(図1の紙面下方向)に向かって送りながら圧縮する軸流段部32と、該軸流段部32から導入された排気ガスgを、回転軸線CL回りに螺旋状に形成されたねじ溝流路33aに送りながら更に圧縮するねじ溝段部33とを備えた2段圧縮構造となっている。
【0020】
軸流段部32は、軸線CLを中心として放射状に形成された複数枚の羽根32aを多段に備えており、ロータシャフト4aと共に回転することで、図1の矢印f1に示す方向に排気ガスgを圧縮しながら送り出すものとなっている。
ねじ溝段部33は、下部ケーシング1b側に取り付けられた螺旋流路形成部材1b1,1b2との間に螺旋流路を形成するものであり、前記軸流段部32と一体かつ同軸に構成されている。そして、このねじ溝段部33は、ロータシャフト4aと共に回転することで、そのねじ溝流路33a内を排気ガスが更に圧縮を受けながら矢印2方向に送り出され、前記排気口1d(図6参照)から排出されるようになっている。
【0021】
動翼30の軸流段部32には、動翼30の軸バランスを調整するための軸バランス調整ビス34(図2では図示を省略している。)をそれぞれ螺着させるための雌ねじ穴32bが複数形成されている。
これら雌ねじ穴32bは、動翼30に対し、ロータシャフト4aの回転軸線CL回りに等角度間隔をおいて複数形成された雌ねじ穴であり、底部のない貫通孔である点が特に特徴的となっている。すなわち、軸流段部32には、その回転軸線CL周囲に形成された凹部空間eに向かって径方向内側に張り出すフランジ32cが形成されており、その厚み方向に貫通する孔として、各雌ねじ穴32bが形成されている。
【0022】
このように、各雌ねじ穴32bを貫通孔とすることにより、例え深い雌ねじ穴であっても、動翼30のメッキ加工処理時に、メッキ液が各雌ねじ穴32bの全面に良好に行き渡るので、母材に対して高い密着性を有するメッキ膜を形成することができるようになる。これにより、動翼30の母材を腐食性ガスである排気ガスより確実に覆うことができるようになるので、動翼30の各雌ねじ穴32bにおけるメッキ加工不良に起因する応力腐食割れが防止可能となる。
【0023】
次に、図3を参照しながら本発明の参考例の説明を以下に行う。なお、図3は、上記第1実施形態で説明した図2に相当する拡大図である。本実施形態は、上記第1実施形態に比較して、前記各雌ねじ穴32bの構造が異なっているので、この相違点を中心に説明を行うものとする。
すなわち、同図に示すように、本実施形態の各雌ねじ穴(以下、前記各雌ねじ穴32bと区別するために新たに符号32b1を与えて説明する)は、有底となっている。ここまでは、従来と同様であるが、本実施形態の各雌ねじ穴32b1は、これら雌ねじ穴32b1の深さ寸法をh(mm)、谷径寸法をd(mm)とした場合に、h≦(0.4d/3+0.7)dの関係を満たすように形成されている。
【0024】
すなわち、
・例えばd=3(mm)の場合にはh≦3.3(mm)、
・例えばd=4(mm)の場合にはh≦4.9(mm)、
・例えばd=5(mm)の場合にはh≦6.8(mm)、
・例えばd=6(mm)の場合にはh≦9.0(mm)、
を満たすように、深さ寸法hの長さが制限されている。この制限よりも深く雌ねじ穴を形成した場合には、従来の技術において説明したメッキ不良に起因する応力腐食割れの問題を生じる恐れがある。しかしながら、本実施形態では、許される雌ねじ深さ寸法を定量的に規定し、これに基づいて各雌ねじ穴32b1が形成されているので、このような問題を生じないようになっている。
【0025】
すなわち、例え深底の雌ねじ穴32b1であっても、雌ねじ穴32b1の全面にメッキ液を行き渡らせるのに十分な穴径を確保することができるので(換言すれば、ねじ穴深さが深すぎないようにすることができるので)、母材に対して高い密着性を有するメッキ膜を形成させることができる。しかも、本実施形態は、雌ねじ穴を貫通孔として形成することが困難な個所にも、柔軟に対応することができるものとなっている。
したがって、動翼30の各雌ねじ穴32b1におけるメッキ加工不良に起因する応力腐食割れが防止可能となる。
【0026】
次に、図4及び図5を参照しながら本発明の第2実施形態の説明を以下に行う。なお、図4は、本実施形態のターボ分子ポンプの動翼周辺部分を示す縦断面図である。また、図5は、同ターボ分子ポンプの動翼の要部を示す図であって、図4のC部拡大図である。本実施形態は、上記第1実施形態に比較して、前記ねじ溝段部33及びロータシャフト4aの構造が異なっているので、この相違点を中心に説明を行うものとする。
【0027】
すなわち、同図に示すように、本実施形態のねじ溝段部(以下、前記各雌ねじ溝段部33と区別するために新たに符号43を与えて説明する)は、ねじ溝流路を複数(本実施形態では3つ)形成する複数(本実施形態では2つ)のねじ溝流路形成部43a,43bを備えており、これらねじ溝流路形成部43a,43bのうち、前記軸流段部32と別部品とされている方のねじ溝流路形成部43bが、ロータシャフト(以下、前記ロータシャフト4aと区別するために新たに符号54aを与えて説明する)側に形成された貫通孔状の雌ねじ穴54a1に対し、複数本の雄ねじ55でねじ固定された構成となっている。
【0028】
すなわち、ロータシャフト54aの上端側には、ねじ溝流路形成部43bを固定するためのフランジ54a2が形成されており、このフランジ54a2には、回転軸線CLを中心として互いに等角度間隔をおいて各雌ねじ穴54a1が形成されている。そして、これら雌ねじ穴54a1より先端が突出しないように、雄ねじ55が螺着されている。
【0029】
軸流段部32へのねじ溝流路形成部43bの固定方法としては、ロータシャフト54aのフランジ54a2を介さずに、直接固定する方法も考えられるが、この場合には、図5の仮想線に示すように、有底の雌ねじ穴を動翼30に加工しなければならなくなる。すると、従来の技術において説明したメッキ不良に起因する応力腐食割れの問題を生じる恐れがある。しかしながら、本実施形態では、動翼30に雌ねじ穴を形成する必要がなく、メッキ不良を防止する点で好ましい理由は、上記第1実施形態で説明した通りである。
【0030】
以上説明の本実施形態のターボ分子ポンプによれば、動翼30における雌ねじ穴のメッキ不良を生じる恐れがない。このように、例え動翼30側に雌ねじ穴が加工しにくい場合であっても、ロータシャフト54a側に貫通孔状の雌ねじ穴54a1を形成することで対処可能となる。したがって、動翼の雌ねじ穴におけるメッキ加工不良に起因する応力腐食割れが防止可能となる。
【0031】
なお、上記第1実施形態及び参考例の実施形態では、本発明及び参考例を、軸バランス調整ビス34が螺着される雌ねじ穴32bに対して適用するものとしたが、これに限らず、その他の雌ねじ穴に適用しても良いことは勿論である。
同様に、上記第2実施形態では、本発明を、ねじ溝流路形成部43bの固定に適用する場合を例に説明したが、これに限らず、その他の部材を動翼に固定する場合に適用しても良いことは勿論である。
【0032】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載のターボ分子ポンプは、その動翼に形成する雌ねじ穴を貫通孔とする構成を採用した。この構成によれば、例え深い雌ねじ穴であっても、雌ねじ穴全面にメッキ液が行き渡るようになるので、母材に対して高い密着性を有するメッキ膜を形成することができ、動翼の母材を腐食性ガスより確実に覆うことができるようになる。したがって、動翼の雌ねじ穴におけるメッキ加工不良に起因する応力腐食割れが防止可能となる。
【0034】
本発明の請求項2に記載のターボ分子ポンプは、そのねじ溝段部の各ねじ溝流路形成部のうち、軸流段部と別部品とされているものを、ロータシャフト側に形成された貫通孔状の雌ねじ穴にねじ固定する構成を採用した。この構成によれば、動翼側に雌ねじ穴を形成せずに済むので、動翼の雌ねじ穴におけるメッキ加工不良に起因する応力腐食割れが防止可能となる。
【0035】
本発明の請求項3に記載のターボ分子ポンプは、請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、そのねじ溝段部の各ねじ溝流路形成部のうち、軸流段部と別部品とされているものを、ロータシャフト側に形成された貫通孔状の雌ねじ穴にねじ固定する構成を採用した。この構成によれば、動翼側に雌ねじ穴を形成せずに済むので、動翼の雌ねじ穴におけるメッキ加工不良に起因する応力腐食割れが防止可能となる。
【0036】
本発明の請求項4に記載のターボ分子ポンプの動翼への雌ねじ穴加工方法は、動翼に形成する雌ねじ穴を貫通孔とする方法を採用した。この方法によれば、例え深い雌ねじ穴であっても、雌ねじ穴全面にメッキ液を行き渡らせることができるので、母材に対して高い密着性を有するメッキ膜を形成することができ、動翼の母材を腐食性ガスより確実に覆うことができるようになる。したがって、動翼の雌ねじ穴におけるメッキ加工不良に起因する応力腐食割れが防止可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のターボ分子ポンプの第1実施形態を示す図であって、動翼周辺部分を示す縦断面図である。
【図2】 同ターボ分子ポンプの動翼の要部を示す図であって、図1のB部拡大図である。
【図3】 本発明のターボ分子ポンプの参考例を示す図であって、図2に相当する拡大図である。
【図4】 本発明のターボ分子ポンプの第2実施形態を示す図であって、動翼周辺部分を示す縦断面図である。
【図5】 同ターボ分子ポンプの動翼の要部を示す図であって、図4のC部拡大図である。
【図6】 従来のターボ分子ポンプを示す斜視断面図である。
【図7】 同ターボ分子ポンプの動翼周辺部分を示す縦断面図である。
【図8】 同ターボ分子ポンプの一部を示す図であって、図7のA部拡大図である。
【符号の説明】
4a・・・ロータシャフト
30・・・動翼
32・・・軸流段部
32b,32b1・・・雌ねじ穴
33・・・ねじ溝段部
33a・・・ねじ溝流路
34・・・軸バランス調整ビス,雄ねじ
43a,43b・・・ねじ溝流路形成部
54a1・・・貫通孔状の雌ねじ穴
Claims (4)
- 軸バランス調整ビスなどの雄ねじが螺着される雌ねじ穴を有するとともに、耐腐食性のメッキ加工処理が施された動翼を有するターボ分子ポンプにおいて、
前記雌ねじ穴は、貫通孔とされていることを特徴とするターボ分子ポンプ。 - 耐腐食性のメッキ加工処理が施され、導入した流体を圧縮する動翼と、該動翼が端部に固定されるロータシャフトとを有し、
前記動翼が、前記流体を前記ロータシャフトの回転軸線方向に送りながら圧縮する軸流段部と、該軸流段部から導入された前記流体を前記回転軸線回りに螺旋状に形成されたねじ溝流路に送りながら更に圧縮するねじ溝段部とを有し、
前記ねじ溝段部が、前記ねじ溝流路を複数形成する複数のねじ溝流路形成部を備えたターボ分子ポンプにおいて、
前記各ねじ溝流路形成部のうち、前記軸流段部と別部品とされているものが、前記ロータシャフト側に形成された貫通孔状の雌ねじ穴にねじ固定されていることを特徴とするターボ分子ポンプ。 - 請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記動翼が、取り込んだ流体をその回転軸線方向に送りながら圧縮する軸流段部と、該軸流段部から導入された前記流体を前記回転軸線回りに螺旋状に形成されたねじ溝流路に送りながら更に圧縮するねじ溝段部とを有し、
前記ねじ溝段部が、前記ねじ溝流路を複数形成する複数のねじ溝流路形成部を備え、
前記各ねじ溝流路形成部のうち、前記軸流段部と別部品とされているものが、前記ロータシャフト側に形成された貫通孔状の雌ねじ穴にねじ固定されていることを特徴とするターボ分子ポンプ。 - 耐腐食性のメッキ加工処理が施された動翼を有するターボ分子ポンプで、前記動翼に雌ねじ穴を加工する方法において、
前記雌ねじ穴を、貫通孔として形成することを特徴とするターボ分子ポンプの動翼への雌ねじ穴加工方法。
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