JP2002147385A - ターボ分子ポンプのシール構造 - Google Patents
ターボ分子ポンプのシール構造Info
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Abstract
含んだシステムガスの排気を行なうターボ分子ポンプに
おいて、軸受部やモータ部へのシステムガスの浸入を防
止できるようなシール構造を提供する。 【解決手段】 ターボ分子ポンプ1の静止部材10にO
リング13a、13bを介して径方向の揺動可能に嵌入
されたブッシュ12と、該ブッシュ12の内周部に僅少
の間隙を有して回動自在に挿通するジャーナル軸部8a
とからなり、該ジャーナル軸部8aの外周部にはヘリン
グボーン形の溝8bとねじ溝8cとを凹設すると共に、
これらブッシュ12とジャーナル軸部8aとの間にパー
ジガスを導入した。
Description
スや凝縮し易いガス等を含んだプロセスガスの排気に最
適なターボ分子ポンプのシール構造に関する。
のターボ分子ポンプの構造の一例を図8に示した。
口である。プロセスガスは動翼cと静翼dの作用によっ
て吸気口aから吸入され、排気口bから排出される。
タeの中心には回転軸fがあって、ころがり軸受g、h
を介してハウジングiに支承されている。
槽jに溜めた潤滑油が回転軸fに設けられた油穴kの内
周を、回転によって生ずる遠心力で上昇することによっ
て行なわれる。
回転軸fとの間で排気ガスのシールを行なう。
触を避けるため、両者間の間隙pを従来は数百ミクロン
程度としていた。
スリングmと回転軸fとの間隙が広いと、排気ガスの一
部がラビリンスリングmを越えて内部へ浸入するのを防
止するのはむずかしく、前記間隙に窒素ガス等のパージ
ガスを導入しても、僅かではあるが排気ガスの一部が軸
受部へ浸入して、軸受やモータ等を腐食させて、ターボ
分子ポンプに故障を誘発するという問題があった。
するために、グリース潤滑式のころがり軸受の採用が望
まれているが、潤滑油を用いたころがり軸受の場合には
期待できる潤滑油による排気ガスの稀釈効果もグリース
潤滑式では期待できないという問題があった。
ス潤滑式のころがり軸受の場合にも腐食性や凝縮性を有
するプロセスガスを安全に排気することができるような
ターボ分子ポンプのシール構造を提供することを目的と
する。
成すべくターボ分子ポンプのハウジングの静止部材に径
方向の揺動可能に嵌入された円筒状のブッシュと、該ブ
ッシュの内周部に僅少の間隙を有して回動自在に該内周
部を挿通したジャーナル軸部とからなり、該ジャーナル
軸部の外周部又は前記ブッシュの内周部にヘリングボー
ン形の溝を回転方向に向かってへの字状に開いた形状に
凹設したことを特徴とする。
及び図2により説明する。
分子ポンプ1の縦断面図であり、2は後述するシール構
造部分、3は吸気口、4が排気口である。
状に取付けて有している。
て、ロータ5と回転軸8は一体となって高速回転をす
る。
り軸受9a及び9bを介してケーシングの静止部材1
0、11に回動自在に支承されている。
た。
10に設けた軸孔10aに径方向の揺動可能に緩嵌され
たブッシュ12と、該ブッシュ12を回動自在に挿通す
るジャーナル軸部8aとからなる。
で、該ジャーナル軸部8aの外周部にはシール用のねじ
溝8cとヘリングボーン形の溝8bとが凹設されてお
り、該ジャーナル軸部8aの外周部と前記ブッシュ12
の内周部との間は5乃至10ミクロンの僅少の間隙とな
るように形成されている。
の外周部と前記軸孔10aとの間は少なくとも100ミ
クロン以上の間隙となるように形成されている。
の弾性材料からなり、前記軸孔10aの内周面に形成の
溝内に介入されているこれらのOリング13a、13b
によって前記ブッシュ12が前記静止部材10の軸孔1
0aに径方向の揺動可能に係止されている。
環状溝12bが凹設されており、更に該環状溝12bの
底部を貫通して貫通孔12aが設けられていて、前記静
止部材10に形成されている通気孔10bから送られて
きたパージガスが該貫通孔12aを通って前記ブッシュ
12とジャーナル軸部8aとの間の僅少な間隙に送り込
まれる。
8aに凹設されているねじ溝8cとヘリングボーン形の
溝8bとの中間に開口するように形成されている。
子ポンプの排気口4の方に洩れるのを防ぐように斜平行
に形成されている。
ヘリングボーン形の溝8bは、回転方向Fに向かってへ
の字状に開いた形状に形成されている。
部分である。
作動及び効果について説明する。
8と一体となってモータ部分14により回転駆動され
る。
9bは共にグリース封入式のころがり軸受であり、潤滑
油タンクや潤滑油ポンプが不要な簡便な構造となってい
る。
の排気が行なわれる。
って前記軸受9a、9b及びモータ部分14へ浸入して
くるのを防止しているのがシール構造部分2である。
ュ12の外周部と静止部材10との間はOリング13
a、13bによって密封されているので、この間からの
前記プロセスガスの浸入は防止されている。
12の内周部とジャーナル軸部8aの外周部との間は、
間隙を5乃至10ミクロンの僅少値とすると共に、この
間隙に窒素ガス等のパージガスを供給して、プロセスガ
スの浸入を防止している。
軸8は、残存するアンバランス重量のために、回転軸中
心の周りを微小な振幅で振れ回り運動をする。
想され、もし、この振れによってジャーナル軸部8aの
外周部とブッシュ12の内周部とが接触すれば、摩擦熱
を発して焼き付きを起こす怖れがある。
部に凹設したヘリングボーン形の溝8bとブッシュ12
との間が気体軸受の如く作用して、ブッシュ12を径方
向に押圧する力が働き、前記Oリング13a、13bの
弾性変形によってブッシュ12の径方向への揺動が吸収
されるので、ジャーナル軸部8aとブッシュ12とが接
触することはない。
シュ12と前記静止部材10とが直接に接触しないよう
に、両者間を熱的に絶縁する作用をする。
の発熱や軸受9a、9bでの発熱及びシール構造部分2
における気体の撹拌による発熱などによって昇温してい
るので、前記ブッシュ12を回転軸8と同程度の高温に
保って、ブッシュ12と回転軸8(ジャーナル軸部8
a)との間に凝縮生成物が生成しないようにすると共
に、熱膨張によるジャーナル軸部8aとブッシュ12と
の間隙の大きさの減少を防止している。
ンプのシール構造を図3により説明する。
部のねじ溝等の構造が前記第1の実施の形態とは異な
る。
溝は第1ねじ溝8dと第2ねじ溝8eの2組のねじ溝か
らなり、これらのねじ溝8d、8eは互いに逆ねじで、
これら2組のねじ溝8d、8eの中間に貫通孔12aが
開口して、パージガスを供給するようにしている。
回転方向Fの反対方向に向かってハの字状に開いた形状
に形成されている。
けるよりもシステムガスの浸入に対する防止作用が強力
であり、又、ヘリングボーン形の溝8bへのパージガス
の供給が助長されて、気体軸受の作用が増大する利点を
有する。
ンプのシール構造を図4により説明する。
を廃止してヘリングボーン形の溝8bだけを凹設した点
が前記第1及び第2の実施の形態とは異なる。
する通気孔10bが、静止部材10内のころがり軸受9
aとブッシュ12との中間部へ開口するようにした。
側より前記ジャーナル軸部8aとブッシュ12との間隙
に拡散される。
形態よりも構造が簡単であり、又、ヘリングボーン形の
溝8bを大きく形成して、気体軸受の作用を増大させる
ことができる利点を有する。
ンプのシール構造を図5により説明する。
1の実施の形態におけるブッシュ12の代りに、内周部
に3条の円周方向の環状溝15を有するブッシュ12´
を用いた点が前記第1の実施の形態と異なる。
前記シール用ねじ溝8cと相対する部位に、前記シール
用ねじ溝8cの深さの少なくとも倍の深さで凹設されて
いる。
てブッシュ12´の作動が安定し易くなる効果を有す
る。
シュ12´側に設けたが、これは図6に示す如く、ジャ
ーナル軸部8a側に設けるようにしてもよい。
ール用ねじ溝8cを有する部分に、該シール用ねじ溝8
cの深さの少なくとも倍の深さで3条の環状溝16を凹
設して、ブッシュ12の作動の安定を図っている。
状溝16の溝数をいずれも3条としたが、これらは3条
以外の数であってもよい。
ンプのシール構造を図7により説明する。
1の実施の形態におけるブッシュ12の左右の両端面部
にOリングを設置した点が前記第1の実施の形態と異な
る。
13bを介して静止部材10の軸孔10aに径方向の揺
動可能に緩嵌されていると共に、該ブッシュ12の両端
面部に該ブッシュ12と同芯にOリング13c、13d
を有しており、前記静止部材10の前記軸孔10aの前
後に設けた蓋体10cとフランジ10dとでこれらOリ
ング13c、13dを介して該ブッシュ12を両側から
挟持している。
はブッシュ12の長さよりも少許大に形成され、該ブッ
シュ12が静止部材側と直接接触することはない。
グ13a、13b、13c及び13dを介して静止部材
側と接するようにしたので、ブッシュ12と静止部材側
との間の熱的な絶縁性が向上し、ブッシュ12と回転軸
8(ジャーナル軸部8a)との間に凝縮生成物が生成し
たり、両者間の間隙が減少したりすることへの防止能力
が向上する。
周部と両端面部とに設けたOリングを介して静止部材側
に係止する構造としたが、これはブッシュ12の外周部
にあるOリング13a、13bを廃止すると共に該ブッ
シュ12の外周部と前記軸孔10aとの間には少許の間
隙を存するようにし、該ブッシュ12は前記Oリング1
3c、13dを介して前記蓋体10cとフランジ10d
との間で挟持して前記静止部材10に係止するようにし
てもよい。
軸部の外周とブッシュの内周との間隙を僅少にして、シ
ステムガスの軸受部への浸入を防止することができるの
で、腐食性を有するガスや凝縮性を有するガスを含んだ
プロセスガスの排気を行なうターボ分子ポンプに最適な
シール構造を提供できる効果を有する。
の縦断面図である。
断面図である。
断面図である。
断面図である。
断面図である。
態の縦断面図である。
断面図である。
る。
溝 8c、8d、8e ねじ溝 10 静止部材 12、12´ ブッシュ 12a 貫通孔 12b、14、15、16 環状溝 13a、13b、13c、13d Oリング
Claims (11)
- 【請求項1】 ころがり軸受を介して回転軸を支承して
いるターボ分子ポンプにおいて、該ターボ分子ポンプの
ハウジングの静止部材に径方向の揺動可能に嵌入された
円筒状のブッシュと、該ブッシュの内周部に僅少の間隙
を有して回動自在に該内周部を挿通したジャーナル軸部
とからなり、該ジャーナル軸部の外周部又は前記ブッシ
ュの内周部にヘリングボーン形の溝を回転方向に向かっ
てへの字状に開いた形状に凹設したことを特徴とするタ
ーボ分子ポンプのシール構造。 - 【請求項2】 前記ブッシュと前記ジャーナル軸部との
間隙にパージガスを導入したことを特徴とする請求項1
に記載のターボ分子ポンプのシール構造。 - 【請求項3】 前記ブッシュ内を挿通するジャーナル軸
部の外周部に前記ヘリングボーン形の溝に隣接してシー
ル用ねじ溝を凹設したことを特徴とする請求項1に記載
のターボ分子ポンプのシール構造。 - 【請求項4】 前記シール用ねじ溝は互いに逆ねじの2
組のねじ溝からなり、これら2組のねじ溝間にパージガ
スを導入する構造としたことを特徴とする請求項3に記
載のターボ分子ポンプのシール構造。 - 【請求項5】 前記ブッシュは外周部に少許の間隙を存
して前記静止部材に緩嵌されると共に該外周部に嵌着し
た少なくとも2本のOリングを介して前記静止部材に係
止した構造とし、これらOリングの弾性により前記ブッ
シュの径方向の揺動を吸収すると共にこれらOリングの
介入により前記ブッシュと前記ハウジングの静止部材と
を熱的に絶縁したことを特徴とする請求項1に記載のタ
ーボ分子ポンプのシール構造。 - 【請求項6】 前記ブッシュの両端面部に各々Oリング
を設置して、これらOリングを介して前記静止部材に挟
着される構造としたことを特徴とする請求項1又は請求
項5に記載のターボ分子ポンプのシール構造。 - 【請求項7】 前記ジャーナル軸部の外周部と前記ブッ
シュの内周部との間隙は多くとも10ミクロン以下とな
るように形成すると共に、前記ブッシュの外周部と前記
静止部材との間隙は少なくとも100ミクロン以上とな
るように形成したことを特徴とする請求項1又は請求項
5に記載のターボ分子ポンプのシール構造。 - 【請求項8】 前記ブッシュの外周部に円周方向の環状
溝を凹設すると共に該環状溝を貫通する貫通孔を設け
て、該貫通孔を前記パージガスが通過する構造に形成し
たことを特徴とする請求項1又は請求項4に記載のター
ボ分子ポンプのシール構造。 - 【請求項9】 パージガスを供給する通気孔の開口部を
前記ブッシュの近傍のころがり軸受と前記ブッシュとの
中間に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項4に
記載のターボ分子ポンプのシール構造。 - 【請求項10】 前記ブッシュの内周部の前記シール用
ねじ溝と相対する部位に、少なくとも1条の円周方向の
環状溝を凹設したことを特徴とする請求項3に記載のタ
ーボ分子ポンプのシール構造。 - 【請求項11】 前記ジャーナル軸部の外周部の前記シ
ール用ねじ溝を有する部分に、少なくとも1条の円周方
向の環状溝を凹設したことを特徴とする請求項3に記載
のターボ分子ポンプのシール構造。
Priority Applications (1)
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JP2000340086A JP4691242B2 (ja) | 2000-11-08 | 2000-11-08 | ターボ分子ポンプのシール構造 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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