JP2003193995A - ターボ分子ポンプ及びその動翼への雌ねじ穴加工方法 - Google Patents
ターボ分子ポンプ及びその動翼への雌ねじ穴加工方法Info
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Abstract
因する応力腐食割れが防止可能なターボ分子ポンプと、
その動翼への雌ねじ穴加工方法との提供を課題とする。 【解決手段】 動翼に形成する雌ねじ穴32bを貫通孔
とする構成/方法を採用した。
Description
装置等の真空排気ポンプとして用いられるターボ分子ポ
ンプと、このターボ分子ポンプの動翼への雌ねじ穴加工
方法とに関する。
理などの様々な工程を経てなされるものである。光学的
処理の代表的処理例としては、例えばウェハ面への回路
パターン焼き付けを行う露光処理が挙げられ、また化学
的処理の代表的処理例としては、例えばウェハ面に薄膜
を形成する表面処理、エッチング処理、洗浄処理等が挙
げられる。前記表面処理においては、今や半導体製造に
おいて必須となった製造技術としてCVD(Chemical V
apor Deposition)技術がある。このCVDは、ウェハ
等の基板上に対して原料ガスを供給し、この基板上での
ガスの吸着及び化学反応を経て、該基板上に薄膜を形成
する技術である。この技術は、半導体高集積化を実現さ
せるためには欠くことのできないものとなっている。
ズマCVD等は真空雰囲気で行われ、真空排気装置が必
要である。この真空排気装置では、大気圧からの多段階
排気を可能とするロータリポンプ、ディフュージョンポ
ンプ、ターボ分子ポンプなど、複数のポンプを組み合わ
せた構成が一般的に用いられている。
視図に示す。同図に示すように、ターボ分子ポンプは、
分割ケーシング1a,1bからなるケーシング1内に、
各種部品を収めた構成となっている。分割ケーシング1
aには吸気口1cが形成され、また分割ケーシング1b
には排気口1dが形成されている。
タ4が配設されている。このロータ4は、ロータシャフ
ト4aと、該ロータシャフト4aの一端部の周囲に放射
状に配置固定された動翼5とを備えた構成となってい
る。また、分割ケーシング1b側には静翼3が固定され
ている。ロータ4は、例えば90,000rpm(1,500回転/
秒)で高速回転する部材であることから、一般的には軽
量かつ応力強度の高いアルミニウム合金などがその素材
として好適に用いられる。
は反対側の他端部には、スラスト磁気ディスク6が固定
されている。このスラスト磁気ディスク6に対応して、
その表面及び裏面を間に挟み込むようにスラスト磁気軸
受8が配置されている。このスラスト磁気軸受8は、電
力供給を受けた場合に、スラスト磁気ディスク6を保持
することにより、ロータ4の軸線方向位置を保持する磁
気軸受である。
ング1bの内部に固定された一対のラジアル磁気軸受7
a,7bの内部に、保持されるようになっている。これ
らラジアル磁気軸受7a,7bは、電力供給を受けた場
合に、ロータシャフト4aをその軸中心位置に保持する
磁気軸受である。さらに、ロータシャフト4aの両端に
保護軸受としてボールベアリング9,10が設けられて
いる。さらに、ロータシャフト4aは、ボールベアリン
グ9,10間に位置して分割ケーシング1b内に固定さ
れたロータ駆動用モータ11(モータ)の内部に挿通さ
れており、このロータ駆動用モータ11によってその軸
線回りに回転駆動されるようになっている。
分子ポンプは、塩素やフッ素などの腐食性ガスの排気処
理に用いられる場合があるため、ガスを圧縮する前記動
翼4には、耐腐食性を持たせるためのメッキ加工処理が
表面に施されている。前記腐食性ガスは、たとえ僅かで
もメッキのない個所を見つけてそこを腐食させるため、
例えば図7に示すような、雌ねじ穴5aの内部に至る細
部まで、漏れなく良好なメッキ加工処理が施されている
必要がある。同図の雌ねじ穴5aは、動翼5に対し、ロ
ータシャフト4aの回転軸線CL回りに等角度間隔をお
いて複数形成された雌ねじ穴であり、その底部は行き止
まりとなっている。そして、これら雌ねじ穴5aには、
動翼5の軸バランスを調整するための軸バランス調整ビ
ス5bがそれぞれ螺着されるようになっている。
力腐食割れを防止するためには、各雌ねじ穴5aそれぞ
れのねじ山においても漏れなく良好なメッキ加工が得ら
れていることが必要であるものの、図7に示すように、
深底のビス穴では、メッキ加工処理時にメッキが奥まで
行き届かず、母材からのメッキの剥離を生じる場合があ
る。このメッキ剥離は、雌ねじ穴5aのねじ底部におい
て特に発生しやすい傾向にある。このようなメッキの剥
がれが生じると、腐食性ガスによる母材の腐食がここか
ら始まり、ここを基点として動翼5の応力腐食割れを生
じる恐れがある。なお、このメッキ不良による腐食の問
題は、前記雌ねじ穴5aに限らず、その他のねじ穴にお
いても同様の問題を引き起こす恐れがあり、確実な対策
案が切望されていた。
であり、動翼の雌ねじ穴におけるメッキ加工不良に起因
する応力腐食割れが防止可能なターボ分子ポンプと、そ
の動翼への雌ねじ穴加工方法との提供を目的とする。
決するために以下の手段を採用した。すなわち、請求項
1に記載のターボ分子ポンプは、軸バランス調整ビスな
どの雄ねじが螺着される雌ねじ穴を有するとともに、耐
腐食性のメッキ加工処理が施された動翼を有するターボ
分子ポンプにおいて、前記雌ねじ穴が、貫通孔とされて
いることを特徴とする。上記請求項1に記載のターボ分
子ポンプによれば、例え深い雌ねじ穴であっても、雌ね
じ穴全面にメッキ液が行き渡るようになるので、母材に
対して高い密着性を有するメッキ膜を形成することがで
きる。
バランス調整ビスなどの雄ねじが螺着される雌ねじ穴を
有するとともに、耐腐食性のメッキ加工処理が施された
動翼を有するターボ分子ポンプにおいて、前記雌ねじ穴
が、該雌ねじ穴の深さ寸法をh(mm)、谷径寸法をd
(mm)とした場合に、h≦(0.4d/3+0.7)
dの関係を満たしていることを特徴とする。上記請求項
2に記載のターボ分子ポンプによれば、例え深底の雌ね
じ穴であっても、雌ねじ穴全面にメッキ液を行き渡らせ
るのに十分な穴径を確保することができるので、母材に
対して高い密着性を有するメッキ膜を形成させることが
できる。しかも、本発明は、雌ねじ穴を貫通孔として形
成することが困難な個所にも、柔軟に対応することがで
きる。
腐食性のメッキ加工処理が施され、導入した流体を圧縮
する動翼と、該動翼が端部に固定されるロータシャフト
とを有し、前記動翼が、前記流体を前記ロータシャフト
の回転軸線方向に送りながら圧縮する軸流段部と、該軸
流段部から導入された前記流体を前記回転軸線回りに螺
旋状に形成されたねじ溝流路に送りながら更に圧縮する
ねじ溝段部とを有し、前記ねじ溝段部が、前記ねじ溝流
路を複数形成する複数のねじ溝流路形成部を備えたター
ボ分子ポンプにおいて、前記各ねじ溝流路形成部のう
ち、前記軸流段部と別部品とされているものが、前記ロ
ータシャフト側に形成された貫通孔状の雌ねじ穴にねじ
固定されていることを特徴とする。上記請求項3に記載
のターボ分子ポンプによれば、ロータシャフトを介し
て、前記別部品を軸流段部に固定することができるの
で、この固定のための雌ねじ穴を動翼側に形成する必要
がない。したがって、動翼における雌ねじ穴のメッキ不
良を生じる恐れがない。
求項1又は請求項2に記載のターボ分子ポンプにおい
て、前記動翼が、取り込んだ流体をその回転軸線方向に
送りながら圧縮する軸流段部と、該軸流段部から導入さ
れた前記流体を前記回転軸線回りに螺旋状に形成された
ねじ溝流路に送りながら更に圧縮するねじ溝段部とを有
し、前記ねじ溝段部が、前記ねじ溝流路を複数形成する
複数のねじ溝流路形成部を備え、前記各ねじ溝流路形成
部のうち、前記軸流段部と別部品とされているものが、
前記ロータシャフト側に形成された貫通孔状の雌ねじ穴
にねじ固定されていることを特徴とする。上記請求項4
に記載のターボ分子ポンプによれば、ロータシャフトを
介して、前記別部品を軸流段部に固定することができる
ので、この固定のための雌ねじ穴を動翼側に形成する必
要がない。したがって、動翼における雌ねじ穴のメッキ
不良を生じる恐れがない。
への雌ねじ穴加工方法は、耐腐食性のメッキ加工処理が
施された動翼を有するターボ分子ポンプで、前記動翼に
雌ねじ穴を加工する方法において、前記雌ねじ穴を、貫
通孔として形成することを特徴とする。上記請求項5に
記載のターボ分子ポンプの動翼への雌ねじ穴加工方法に
よれば、例え深い雌ねじ穴であっても、雌ねじ穴全面に
メッキ液を行き渡らせることができるので、母材に対し
て高い密着性を有するメッキ膜を形成させることができ
るようになる。
への雌ねじ穴加工方法は、耐腐食性のメッキ加工処理が
施された動翼を有するターボ分子ポンプで、前記動翼に
雌ねじ穴を加工する方法において、前記雌ねじ穴を、該
雌ねじ穴の深さ寸法をh(mm)、谷径寸法をd(m
m)とした場合に、h≦(0.4d/3+0.7)dの
関係を満たすように形成することを特徴とする。上記請
求項6に記載のターボ分子ポンプの動翼への雌ねじ穴加
工方法によれば、例え深底の雌ねじ穴であっても、雌ね
じ穴全面にメッキ液を行き渡らせるのに十分な穴径を確
保することができるので、母材に対して高い密着性を有
するメッキ膜を形成させることができる。しかも、本発
明は、雌ねじ穴を貫通孔として形成することが困難な個
所にも、柔軟に対応することができる。
の動翼への雌ねじ穴加工方法の各実施形態についての説
明を、図面を参照しながら以下に行うが、本発明がこれ
らのみに限定解釈されるものでないことはもちろんであ
る。なお、各実施形態の説明においては、従来のターボ
分子ポンプとの相違点を中心に説明するものとし、その
他については、従来のターボ分子ポンプと同様であると
して説明を省略する(従来と同一構成要素には、同一符
号を付し、その説明を省略する)。各実施形態のターボ
分子ポンプは、例えば、半導体製造に用いられるCVD
装置(図示せず)などに、ロータリポンプやディフュー
ジョンポンプ等とともに排気系の一部として装備され、
チャンバ内の排気に利用される装置である。
明の第1実施形態の説明を以下に行う。ここで、図1
は、本実施形態のターボ分子ポンプの動翼周辺部分を示
す縦断面図である。また、図2は、同ターボ分子ポンプ
の動翼の要部を示す図であって、図1のB部拡大図であ
る。
翼の構造が特に特徴的となっているので、この動翼に新
たな符号30を与え、これを中心として説明を行うもの
とする。動翼30は、導入した流体(例えば腐食性を有
する排気ガス。以下、排気ガスgと称する)を圧縮する
部品であり、ロータシャフト4aの上端側に対し、複数
本の止めねじ31によって同軸固定されている。そし
て、その外表面の全面には、耐腐食性のメッキ加工処理
が施されている。さらに、この動翼30は、排気ガスg
をロータシャフト4aの回転軸線方向(図1の紙面下方
向)に向かって送りながら圧縮する軸流段部32と、該
軸流段部32から導入された排気ガスgを、回転軸線C
L回りに螺旋状に形成されたねじ溝流路33aに送りな
がら更に圧縮するねじ溝段部33とを備えた2段圧縮構
造となっている。
射状に形成された複数枚の羽根32aを多段に備えてお
り、ロータシャフト4aと共に回転することで、図1の
矢印f1に示す方向に排気ガスgを圧縮しながら送り出
すものとなっている。ねじ溝段部33は、下部ケーシン
グ1b側に取り付けられた螺旋流路形成部材1b1,1
b2との間に螺旋流路を形成するものであり、前記軸流
段部32と一体かつ同軸に構成されている。そして、こ
のねじ溝段部33は、ロータシャフト4aと共に回転す
ることで、そのねじ溝流路33a内を排気ガスが更に圧
縮を受けながら矢印2方向に送り出され、前記排気口1
d(図6参照)から排出されるようになっている。
軸バランスを調整するための軸バランス調整ビス34
(図2では図示を省略している。)をそれぞれ螺着させ
るための雌ねじ穴32bが複数形成されている。これら
雌ねじ穴32bは、動翼30に対し、ロータシャフト4
aの回転軸線CL回りに等角度間隔をおいて複数形成さ
れた雌ねじ穴であり、底部のない貫通孔である点が特に
特徴的となっている。すなわち、軸流段部32には、そ
の回転軸線CL周囲に形成された凹部空間eに向かって
径方向内側に張り出すフランジ32cが形成されてお
り、その厚み方向に貫通する孔として、各雌ねじ穴32
bが形成されている。
することにより、例え深い雌ねじ穴であっても、動翼3
0のメッキ加工処理時に、メッキ液が各雌ねじ穴32b
の全面に良好に行き渡るので、母材に対して高い密着性
を有するメッキ膜を形成することができるようになる。
これにより、動翼30の母材を腐食性ガスである排気ガ
スより確実に覆うことができるようになるので、動翼3
0の各雌ねじ穴32bにおけるメッキ加工不良に起因す
る応力腐食割れが防止可能となる。
施形態の説明を以下に行う。なお、図3は、上記第1実
施形態で説明した図2に相当する拡大図である。本実施
形態は、上記第1実施形態に比較して、前記各雌ねじ穴
32bの構造が異なっているので、この相違点を中心に
説明を行うものとする。すなわち、同図に示すように、
本実施形態の各雌ねじ穴(以下、前記各雌ねじ穴32b
と区別するために新たに符号32b1を与えて説明す
る)は、有底となっている。ここまでは、従来と同様で
あるが、本実施形態の各雌ねじ穴32b1は、これら雌
ねじ穴32b1の深さ寸法をh(mm)、谷径寸法をd
(mm)とした場合に、h≦(0.4d/3+0.7)
dの関係を満たすように形成されている。
m)、 ・例えばd=4(mm)の場合にはh≦4.9(m
m)、 ・例えばd=5(mm)の場合にはh≦6.8(m
m)、 ・例えばd=6(mm)の場合にはh≦9.0(m
m)、 を満たすように、深さ寸法hの長さが制限されている。
この制限よりも深く雌ねじ穴を形成した場合には、従来
の技術において説明したメッキ不良に起因する応力腐食
割れの問題を生じる恐れがある。しかしながら、本実施
形態では、許される雌ねじ深さ寸法を定量的に規定し、
これに基づいて各雌ねじ穴32b1が形成されているの
で、このような問題を生じないようになっている。
あっても、雌ねじ穴32b1の全面にメッキ液を行き渡
らせるのに十分な穴径を確保することができるので(換
言すれば、ねじ穴深さが深すぎないようにすることがで
きるので)、母材に対して高い密着性を有するメッキ膜
を形成させることができる。しかも、本実施形態は、雌
ねじ穴を貫通孔として形成することが困難な個所にも、
柔軟に対応することができるものとなっている。したが
って、動翼30の各雌ねじ穴32b1におけるメッキ加
工不良に起因する応力腐食割れが防止可能となる。
の第3実施形態の説明を以下に行う。なお、図4は、本
実施形態のターボ分子ポンプの動翼周辺部分を示す縦断
面図である。また、図5は、同ターボ分子ポンプの動翼
の要部を示す図であって、図4のC部拡大図である。本
実施形態は、上記第1実施形態に比較して、前記ねじ溝
段部33及びロータシャフト4aの構造が異なっている
ので、この相違点を中心に説明を行うものとする。
のねじ溝段部(以下、前記各雌ねじ溝段部33と区別す
るために新たに符号43を与えて説明する)は、ねじ溝
流路を複数(本実施形態では3つ)形成する複数(本実
施形態では2つ)のねじ溝流路形成部43a,43bを
備えており、これらねじ溝流路形成部43a,43bの
うち、前記軸流段部32と別部品とされている方のねじ
溝流路形成部43bが、ロータシャフト(以下、前記ロ
ータシャフト4aと区別するために新たに符号54aを
与えて説明する)側に形成された貫通孔状の雌ねじ穴5
4a1に対し、複数本の雄ねじ55でねじ固定された構
成となっている。
には、ねじ溝流路形成部43bを固定するためのフラン
ジ54a2が形成されており、このフランジ54a2に
は、回転軸線CLを中心として互いに等角度間隔をおい
て各雌ねじ穴54a1が形成されている。そして、これ
ら雌ねじ穴54a1より先端が突出しないように、雄ね
じ55が螺着されている。
の固定方法としては、ロータシャフト54aのフランジ
54a2を介さずに、直接固定する方法も考えられる
が、この場合には、図5の仮想線に示すように、有底の
雌ねじ穴を動翼30に加工しなければならなくなる。す
ると、従来の技術において説明したメッキ不良に起因す
る応力腐食割れの問題を生じる恐れがある。しかしなが
ら、本実施形態では、動翼30に雌ねじ穴を形成する必
要がなく、メッキ不良を防止する点で好ましい理由は、
上記第1実施形態で説明した通りである。
によれば、動翼30における雌ねじ穴のメッキ不良を生
じる恐れがない。このように、例え動翼30側に雌ねじ
穴が加工しにくい場合であっても、ロータシャフト54
a側に貫通孔状の雌ねじ穴54a1を形成することで対
処可能となる。したがって、動翼の雌ねじ穴におけるメ
ッキ加工不良に起因する応力腐食割れが防止可能とな
る。
では、本発明を、軸バランス調整ビス34が螺着される
雌ねじ穴32bに対して適用するものとしたが、これに
限らず、その他の雌ねじ穴に適用しても良いことは勿論
である。同様に、上記第3実施形態では、本発明を、ね
じ溝流路形成部43bの固定に適用する場合を例に説明
したが、これに限らず、その他の部材を動翼に固定する
場合に適用しても良いことは勿論である。
ンプは、その動翼に形成する雌ねじ穴を貫通孔とする構
成を採用した。この構成によれば、例え深い雌ねじ穴で
あっても、雌ねじ穴全面にメッキ液が行き渡るようにな
るので、母材に対して高い密着性を有するメッキ膜を形
成することができ、動翼の母材を腐食性ガスより確実に
覆うことができるようになる。したがって、動翼の雌ね
じ穴におけるメッキ加工不良に起因する応力腐食割れが
防止可能となる。
プは、その動翼に形成する雌ねじ穴が、該雌ねじ穴の深
さ寸法をh(mm)、谷径寸法をd(mm)とした場合
に、h≦(0.4d/3+0.7)dの関係を満たすよ
うにする構成を採用した。この構成によれば、例え深底
の雌ねじ穴であっても、雌ねじ穴全面にメッキ液を行き
渡らせるのに十分な穴径を確保することができるので、
母材に対して高い密着性を有するメッキ膜を形成させる
ことができ、動翼の母材を腐食性ガスより確実に覆うこ
とができるようになる。したがって、動翼の雌ねじ穴に
おけるメッキ加工不良に起因する応力腐食割れが防止可
能となる。
プは、そのねじ溝段部の各ねじ溝流路形成部のうち、軸
流段部と別部品とされているものを、ロータシャフト側
に形成された貫通孔状の雌ねじ穴にねじ固定する構成を
採用した。この構成によれば、動翼側に雌ねじ穴を形成
せずに済むので、動翼の雌ねじ穴におけるメッキ加工不
良に起因する応力腐食割れが防止可能となる。
プは、請求項1又は請求項2に記載のターボ分子ポンプ
において、そのねじ溝段部の各ねじ溝流路形成部のう
ち、軸流段部と別部品とされているものを、ロータシャ
フト側に形成された貫通孔状の雌ねじ穴にねじ固定する
構成を採用した。この構成によれば、動翼側に雌ねじ穴
を形成せずに済むので、動翼の雌ねじ穴におけるメッキ
加工不良に起因する応力腐食割れが防止可能となる。
プの動翼への雌ねじ穴加工方法は、動翼に形成する雌ね
じ穴を貫通孔とする方法を採用した。この方法によれ
ば、例え深い雌ねじ穴であっても、雌ねじ穴全面にメッ
キ液を行き渡らせることができるので、母材に対して高
い密着性を有するメッキ膜を形成することができ、動翼
の母材を腐食性ガスより確実に覆うことができるように
なる。したがって、動翼の雌ねじ穴におけるメッキ加工
不良に起因する応力腐食割れが防止可能となる。
プの動翼への雌ねじ穴加工方法は、動翼に形成する雌ね
じ穴を、該雌ねじ穴の深さ寸法をh(mm)、谷径寸法
をd(mm)とした場合に、h≦(0.4d/3+0.
7)dの関係を満たすように形成する方法を採用した。
この方法によれば、例え深底の雌ねじ穴であっても、雌
ねじ穴全面にメッキ液を行き渡らせるのに十分な穴径を
確保することができるので、母材に対して高い密着性を
有するメッキ膜を形成させることができ、動翼の母材を
腐食性ガスより確実に覆うことができるようになる。し
たがって、動翼の雌ねじ穴におけるメッキ加工不良に起
因する応力腐食割れが防止可能となる。
示す図であって、動翼周辺部分を示す縦断面図である。
あって、図1のB部拡大図である。
示す図であって、図2に相当する拡大図である。
示す図であって、動翼周辺部分を示す縦断面図である。
あって、図4のC部拡大図である。
ある。
断面図である。
て、図7のA部拡大図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 軸バランス調整ビスなどの雄ねじが螺
着される雌ねじ穴を有するとともに、耐腐食性のメッキ
加工処理が施された動翼を有するターボ分子ポンプにお
いて、 前記雌ねじ穴は、貫通孔とされていることを特徴とする
ターボ分子ポンプ。 - 【請求項2】 軸バランス調整ビスなどの雄ねじが螺
着される雌ねじ穴を有するとともに、耐腐食性のメッキ
加工処理が施された動翼を有するターボ分子ポンプにお
いて、 前記雌ねじ穴は、該雌ねじ穴の深さ寸法をh(mm)、
谷径寸法をd(mm)とした場合に、 h≦(0.4d/3+0.7)d の関係を満たしていることを特徴とするターボ分子ポン
プ。 - 【請求項3】 耐腐食性のメッキ加工処理が施され、
導入した流体を圧縮する動翼と、該動翼が端部に固定さ
れるロータシャフトとを有し、 前記動翼が、前記流体を前記ロータシャフトの回転軸線
方向に送りながら圧縮する軸流段部と、該軸流段部から
導入された前記流体を前記回転軸線回りに螺旋状に形成
されたねじ溝流路に送りながら更に圧縮するねじ溝段部
とを有し、 前記ねじ溝段部が、前記ねじ溝流路を複数形成する複数
のねじ溝流路形成部を備えたターボ分子ポンプにおい
て、 前記各ねじ溝流路形成部のうち、前記軸流段部と別部品
とされているものが、前記ロータシャフト側に形成され
た貫通孔状の雌ねじ穴にねじ固定されていることを特徴
とするターボ分子ポンプ。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載のターボ
分子ポンプにおいて、 前記動翼が、取り込んだ流体をその回転軸線方向に送り
ながら圧縮する軸流段部と、該軸流段部から導入された
前記流体を前記回転軸線回りに螺旋状に形成されたねじ
溝流路に送りながら更に圧縮するねじ溝段部とを有し、 前記ねじ溝段部が、前記ねじ溝流路を複数形成する複数
のねじ溝流路形成部を備え、 前記各ねじ溝流路形成部のうち、前記軸流段部と別部品
とされているものが、前記ロータシャフト側に形成され
た貫通孔状の雌ねじ穴にねじ固定されていることを特徴
とするターボ分子ポンプ。 - 【請求項5】 耐腐食性のメッキ加工処理が施された
動翼を有するターボ分子ポンプで、前記動翼に雌ねじ穴
を加工する方法において、 前記雌ねじ穴を、貫通孔として形成することを特徴とす
るターボ分子ポンプの動翼への雌ねじ穴加工方法。 - 【請求項6】 耐腐食性のメッキ加工処理が施された
動翼を有するターボ分子ポンプで、前記動翼に雌ねじ穴
を加工する方法において、 前記雌ねじ穴を、該雌ねじ穴の深さ寸法をh(mm)、
谷径寸法をd(mm)とした場合に、 h≦(0.4d/3+0.7)d の関係を満たすように形成することを特徴とするターボ
分子ポンプの動翼への雌ねじ穴加工方法。
Priority Applications (1)
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