JP4054969B2 - 導電性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は導電性ゴム組成物に関し、更に詳しくは、貯蔵安定性が優れ、硬化性の経時変化が小さく、かつ硬化して得られる導電性ゴムの体積抵抗率の経時変化が小さい導電性ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
導電性シリコーンゴム組成物は、硬化して導電性に優れたシリコーンゴムを形成するため、耐熱性、耐屈曲性及び導電性が要求される特殊な分野で利用されている。このような導電性シリコーンゴム組成物としては、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと一分子中に少なくとも2個の珪素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンと白金系触媒と銀粉末からなる導電性シリコーンゴム組成物(特開平3−170581号公報参照)が提案されている。
【0003】
通常、導電性シリコーンゴムに使用する銀粉末は、硝酸銀水溶液をヒドラジン、ホルムアルデヒド、アスコルビン酸等の還元剤により還元して得られた還元銀粉末、硝酸銀水溶液を電気分解により陰極上に析出して得られた電解銀粉末、1,000℃以上に加熱溶融した溶融銀を水中又は不活性ガス中に噴霧して得られたアトマイズ銀粉末に分けられる。これらの形状は、粒状、フレーク状、樹枝状、不定形状に分けられ、特に、高導電性シリコーンゴムを形成することができることから、フレーク状の銀粉末が好適に使用されている。
【0004】
また、最近では有機珪素化合物やフッ素化ポリエーテルにより表面処理してなる銀粉末を配合し、組成物の貯蔵安定性や硬化性、体積抵抗率の経時変化を低下させる試みが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平3−170581号公報で提案された導電性シリコーンゴム組成物は、フレーク状の銀粉末を配合した場合、該組成物を貯蔵しておくと、該組成物から銀粉末が層分離してしまうという問題があり、更に該組成物の硬化性が経時的に低下して、やがては該組成物が硬化しなくなるという問題があった。また、該組成物を硬化して得られる導電性シリコーンゴムの体積抵抗率は経時変化が大きく、導電部の継続的な電気的接続には不適であるという問題があった。
【0006】
更には銀粉末のシリコーン化合物による表面処理(特開平7−109501号公報、特許第3130193号公報)は、シリコーンゴム組成物に対する親和性を改善したものであるが、熱履歴等による体積抵抗値の変化を抑えるには不十分であった。
【0007】
また、中空粒子の表面を珪素系高分子で処理した後、無電解メッキにより導電層を形成した粉末のみを使用して導電性組成物を得る方法(特開2001−152045号公報)も提案されているが、この様な中空導電性粒子のみを使用した場合、硬化させて得られる導電性シートの体積抵抗率は高く、十分な導電性が得られないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、貯蔵安定性に優れ、硬化性の経時変化が小さく、しかも硬化して得られる導電性ゴムの体積抵抗率の経時変化の小さい導電性ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、硬化可能な重合体にこの重合体の比重に対する差が±1.5以内である比重を有する、非導電性母材粒子の最外層表面が金、銀、ニッケル等の金属で被覆された導電性粒子、及び金属粉末からなる導電性粒子を併用、配合することが有効であり、貯蔵安定性に優れ、硬化性の経時変化が小さい上、硬化して得られる導電性ゴムの体積抵抗率の経時変化が小さいことを知見した。
【0010】
即ち、従来、金属粉を充填し導電性を発現させる液状材料としては主に銀粒子を充填したものがよく知られている。この公知技術においては銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、粒状、球状、樹枝状、フレーク状、不定形状等のいずれの形状であってもよく、またこれらの形状を有する銀粒子の混合物であってもよく、良好な導電性を発現させるために、特に樹枝状又はフレーク状形状の銀粒子、とりわけフレーク状形状の銀粒子を用いると導電性が向上することが知られている。更にはこれらの粒子をオルガノシロキサンあるいはフッ素化合物等で処理してなる粒子とマトリックス樹脂との分離を抑える技術等も知られている。
【0011】
しかしながら、上記技術においても長期での保存による導電性粒子のマトリックス樹脂との分離は避けられず、部分的な導電性の変化が認められ、また、硬化後の導電性弾性体における熱衝撃に対して導電性の変化が認められた。
【0012】
これに対し、本発明者は導電性粒子の性状を詳しく探査した結果、非導電性母材粒子の最外層表面が金属で被覆され、マトリックス樹脂の比重に対し±1.5以内の比重差に調整した導電性粒子と、金属粉末からなる導電性粒子とを併用することによって、分離や熱衝撃による体積抵抗値の変動を極力低下させることに成功し、本発明をなすに至ったものである。
【0013】
従って、本発明は、
(a)(A)フッ素化ポリエーテル単位を有し、脂肪族不飽和炭化水素基を一分子中に少なくとも2個有する反応性フッ素化ポリエーテル重合体、
(B)珪素原子に直結した水素原子を少なくとも2個含む化合物、
(C)白金族金属系触媒
を含有する組成物:3〜40重量%、
(b)非導電性母材粒子の最外層表面が金属で被覆され、かつ(a)成分の重合体の比重に対する差が±1.5以内である比重を有する導電性粒子:3〜40重量%、
(c)金属粉末からなる導電性粒子:30〜94重量%(但し、この(c)成分の含有量は(b)成分の含有量より多い)
を含有することを特徴とする導電性組成物を提供する。
【0024】
a)成分付加硬化型パーフルオロポリエーテル重合体を用いた液状組成物として、以下のような()〜(C)を含む導電性フッ素樹脂組成物が挙げられる。
A)フッ素化ポリエーテル単位を有し、脂肪族不飽和炭化水素基を一分子中に少なくとも2個有する反応性フッ素化ポリエーテル重合体、
)珪素原子に直結した水素原子(SiH基)を少なくとも2個含む化合物、
(C)本組成物を硬化させるに十分な量である白金族金属系触媒。
【0025】
以下に各成分について詳細に説明する。
)成分は、フッ素化ポリエーテル単位を有し、かつ一分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和炭化水素基を有する反応性フッ素化ポリエーテル重合体であり、この組成物の主剤(ベースポリマー)となる成分である。
【0026】
ここで、()成分の反応性フッ素化ポリエーテル重合体中のフッ素化ポリエーテル単位としては、下記一般式(1)
−(Rf−O)q− (1)
(式中、Rfは炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のパーフルオロアルキレン基であり、qは1〜500の整数である。)
で示される単位が好適である。
【0027】
上記式(1)中のRf基は、炭素原子数1〜6、好ましくは1〜3の直鎖状又は分岐状のパーフルオロアルキレン基であり、−Rf−O−基として具体的には、−CF2O−、−CF2−CF2−O−、−CF2−CF2−CF2O−、−CF2−CF2−CF2−CF2−O−、−CF2−CF2−CF2−CF2−CF2−O−、−CF(CF3)−CF2−O−、−CF(CF32−O−等が挙げられ、これらの繰り返し単位の1種単独で構成されていてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。なお、qは1〜500、好ましくは2〜400、より好ましくは10〜200の整数である。
【0028】
また、脂肪族不飽和炭化水素基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等、好ましくは末端にCH2=CH−構造を有するものなどが挙げられ、特にビニル基、アリル基が好ましい。
【0029】
)成分の反応性フッ素化ポリエーテル重合体は、上記脂肪族不飽和炭化水素基を一分子中に少なくとも2個有することが必要であるが、この脂肪族不飽和炭化水素基は、直鎖状フルオロポリエーテル化合物の主鎖の両端部に直接結合していてもよいし、他の原子を介して結合していてもよく、更には分子途中に存在していても差し支えないが、硬化性、硬化物の物性等の点から、少なくとも直鎖状又は分岐状のフルオロポリエーテルからなる主鎖の両末端に直接又は間接に結合した脂肪族不飽和炭化水素基を有するものであることが好ましい。
【0030】
このような反応性フッ素化ポリエーテル重合体の代表例としては、下記一般式(2)で示される化合物が好適に使用される。
【0031】
【化1】
Figure 0004054969
[式中、Xは独立に−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR−CO−(但し、Yは−CH2−又は下記構造式(Z)
【化2】
Figure 0004054969
(o,m又はp位)
で表される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基)であり、X’は独立に−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR−Y’−(但し、Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)
【化3】
Figure 0004054969
(o,m又はp位)
で表される基であり、Rは上記と同じである。pは独立に0又は1、Lは2〜6の整数、m、nはそれぞれ0〜200、好ましくは5〜100の整数である。]
【0032】
上記式(2)の反応性フッ素化ポリエーテル重合体は、数平均分子量が400〜100,000、特に1,000〜50,000であることが望ましい。また、式(2)の化合物は直鎖状ポリマーである(但し、繰り返し単位としての−Rf−O−は直鎖状でも分岐状でもよい)が、()成分は分岐した化合物であっても差し支えない。
【0033】
一般式(2)で表わされる反応性フッ素化ポリエーテル重合体の具体例としては、下記のものが例示できる。
【0034】
【化4】
Figure 0004054969
【0035】
【化5】
Figure 0004054969
(式中、m、nはそれぞれ0〜200、好ましくは10〜200の整数である。)
【0036】
なお、予め直鎖状フルオロポリエーテル化合物を目的に応じ所望の分子量に調整するため、上述の分子鎖両末端にのみアルケニル基を含有する直鎖状フッ素化ポリエーテル重合体と、分子内(通常、分子鎖両末端)にSiH基を2個含有するオルガノポリシロキサンなどの有機珪素化合物をヒドロシリル化によって付加反応させ、鎖長延長した生成物(両端にフッ素化ポリエーテル部分を有する、フッ素化ポリエーテル・シロキサンブロック共重合体など)を()成分として使用することも可能である。
上記()成分の25℃における比重は1.6〜1.8近傍に位置することが好ましい。
【0037】
次に、()成分は、珪素原子に直結した水素原子(即ち、SiH基)を少なくとも2個、好ましくは3個以上含有する化合物である。この場合、()成分は架橋剤として作用するものであり、()成分中の脂肪族不飽和炭化水素基と(C)成分の白金族金属系触媒によってヒドロシリル化反応を行うSiH基を有する化合物であればどのような化合物であってもよく、例えば、非置換又はフッ素置換一価炭化水素基あるいはパーフルオロポリエーテル含有炭化水素基を珪素原子上の一価の置換基(オルガノ基)として有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ヒドロシリル基含有パーフルオロ炭化水素化合物、ヒドロシリル基含有パーフルオロポリエーテル化合物などが挙げられるが、通常はオルガノポリシロキサンにおける反応に用いられるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いるのが至便である。この場合、()成分との相溶性を考慮すると、珪素原子に結合した一価の置換基(オルガノ基)が、フッ素置換炭化水素基を含有しない非置換の一価炭化水素基である場合には、珪素原子数が2〜10、特に3〜5程度の低分子量のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、環状オルガノハイドロジェンポリシクロシロキサンなどが特に好適である。
【0038】
ここで、非置換の一価炭化水素基としては、炭素数1〜12、好ましくは脂肪族不飽和結合を含有しない、炭素数1〜8程度のものであればよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などが挙げられる。また、フッ素置換一価炭化水素基あるいはパーフルオロポリエーテル含有炭化水素基としては、炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基の他、下記式で示される一価の基などを挙げることができる。
【0039】
【化6】
Figure 0004054969
【0040】
また、分子量の高いシロキサンを用いる場合には、フッ素化合物で変性し、()成分との相溶性を向上させることが望ましい。更に、パーフルオロポリエーテルやパーフルオロポリアルキレン主鎖の末端などにSiH基を有する化合物なども好適なSiH源として使用し得る。
【0041】
このような()成分の化合物としては、具体的に下記化合物を例示することができる。
【0042】
【化7】
Figure 0004054969
【0043】
【化8】
Figure 0004054969
【0044】
【化9】
Figure 0004054969
【0045】
【化10】
Figure 0004054969
(但し、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示す。)
【0046】
)成分の配合量は、()成分の脂肪族不飽和炭化水素基に対して()成分の珪素原子に直結した水素原子(即ち、SiH基)が0.5〜10当量(モル/モル)、好ましくは0.8〜5当量(モル/モル)となる範囲である。
【0047】
本発明に用いる(C)成分の白金族金属系触媒としては、従来ヒドロシリル化付加反応に用いられている白金族の遷移金属やその化合物が使用される
(C)成分の白金族金属系触媒は、本組成物の硬化を促進するための触媒であり、一般に、ヒドロシリル化反応用触媒として周知の化合物が使用できる。このような(C)成分として具体的には、白金黒、白金担持のアルミナ粉末、白金担持のシリカ粉末、白金担持のカーボン粉末、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯体が例示され、更にはこれら例示の白金族金属系触媒をメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性有機樹脂中に分散した微粒子状の白金族金属系触媒が例示される。
本組成物において、(C)成分の配合量は特に限定されず、本発明の組成物を硬化させるに十分な量(触媒量)であればよく、例えば、(A)成分と(B)成分の合計量に対して、(C)成分中の白金金属として1〜1,000ppmとなる量であることが好ましい。
【0048】
(a)成分の硬化可能な重合体を含む組成物は、例えば、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分を均一に配合することにより得られるが、得られた導電性ゴムの接触抵抗や体積抵抗率の経時変化を抑制するための任意の成分として、(D)成分の珪素原子結合アルコキシ基を有する有機珪素化合物を配合することが好ましい。
【0049】
(D)成分の有機珪素化合物として具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシランが例示され、更に接着性に優れた導電性ゴム組成物を調製することができることから、下記式で表される有機珪素化合物が例示される。
【0050】
【化11】
Figure 0004054969
【0051】
【化12】
Figure 0004054969
(式中、aは1以上の整数、bは1以上の整数であり、cは1以上の整数である。)
【0052】
本組成物において、(D)成分の配合は任意であり、好ましくは(A)成分100重量部に対して20重量部以下であり、より好ましくは0.5〜8重量部の範囲である。
【0053】
また、本組成物において、導電性ゴム組成物の貯蔵安定性を向上させ、取扱作業性を向上させるための任意の成分として、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾール等の硬化抑制剤を配合することができる。これらの硬化抑制剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.001〜5重量部であることが好ましい。また、本発明の(a)成分の重合体を含む組成物には、硬化して得られる導電性ゴムに適当な硬度と強度を付与するための任意の成分として無機質充填剤を配合することができる。本組成物に配合することができる無機質充填剤としては、例えば、フュームドシリカ、結晶性シリカ、焼成シリカ、湿式シリカ、フュームド酸化チタン、カーボンブラック及び無機質充填剤をオルガノアルコキシシラン、オルガノクロロシラン、オルガノジシラザン等の有機珪素化合物により表面処理した無機質充填剤が挙げられる。これらの無機質充填剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して50重量部以下であることが好ましい。
【0054】
上記組成物には、上記成分以外の慣用成分を配合し得るが、上記組成物は、導電性粒子、その他の導電性材料は含有しない。
【0055】
次に、(b)成分である導電性粒子について説明すると、本発明に係る(b)成分の導電性粒子は、非導電性母材粒子の最外層表面が金、銀、銅もしくはニッケル等の金属で被覆されており、かつ(a)成分の重合体の比重に対する差が±1.5以内である比重を有する導電性粒子である。
【0056】
ここで、このような低比重の導電性粒子としては、中空もしくは発泡状粉体等の低比重の非導電性粉体の最外層が金、銀、銅もしくはニッケル等の金属によって被覆されたものであることが好ましく、低比重粉体に上記金属によるメッキを施したものが好適に用いられる。
この場合、核となる上記低比重の非導電性粉体としては、特に中空粉体を好適に用い得る。
【0057】
本核となる中空粒子としては、無機中空粉体、耐熱性のある有機中空粉体などが利用できる。ガラス中空粉体は、Cel−star(東海工業)、スコッチライト(住友3M)、中空ガラスビーズ(東芝バロティーニ)の名称で市販されており、アルミノシリケートからなる中空粉体は、E−Spheres(秩父小野田)、Fillite(日本フィライト)、シラスバルーン(丸中白土(株))がある。耐熱性のある有機中空粉体としては、フェノール樹脂製のものが、Phenoset(巴工業)として市販されている。
【0058】
低比重粉体の平均粒径は、0.01〜1,000μm、より望ましくは0.1〜100μmである。0.01μm未満では、比表面積が高くなるため、メッキ金属の量が多くなり、高価となる場合が生じる。また、1,000μmを超える母材に混合しにくくなり、硬化物の表面が凸凹となるおそれがある。
【0059】
低比重粉体の比重は、0.01〜3.0、より望ましくは0.1〜2.5である。0.01未満では、粒子の壁が薄くなるため機械的に破壊され易くなるおそれがある。また、3.0を超えると金属を被覆した場合の比重が(a)成分の重合体よりも1.5倍以上高くなり、重合体組成物に混合した場合、経時で導電性粉体が沈降分離し易くなる場合がある。
【0060】
導電性粒子は、通常これらの粉体に無電解メッキによって表面を金属層で被覆することによって得られる。粒子の最外層が金又は銀の場合、下地としてニッケルを処理することが通常行われている。この導電性粒子は通常の無電解メッキで得ることが可能であるが、粉体と金属層との固着力を向上させるのには、この粉体を、還元性を有する珪素系高分子で処理し、粉体の最表面に還元性珪素系高分子の層を形成させるとよい結果を得ることができる。還元作用を持つ珪素系高分子は、Si−Si結合及び/又はSi−H結合を有するポリシラン、ポリカルボシラン、ポリシロキサン、ポリシラザンが好ましく、中でも、ポリシラン及び/又はSi原子に直接結合した水素原子を有するポリシロキサンが好適に用い得る。
【0061】
特に、下記式(3)で表されるポリシランが好適である。
(R1 m2 npSi)q (3)
(但し、式中、R1、R2は水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基、XはR1、アルコキシ基、ハロゲン原子、酸素原子、又は窒素原子を示し、mは0.1≦m≦2、nは0≦n≦1、pは0≦p≦0.5であり、かつ、1≦m+n+p≦2.5を満足する数である。qは4≦q≦100,000を満足する整数である。)
【0062】
本発明に用いる上記ポリシランにおいて、R1、R2の種類は、水素原子、脂肪族又は脂環式炭化水素基の場合、炭素数1〜12、好ましくは1〜6であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜14、より好ましくは6〜10のものが好適であり、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基等が挙げられる。なお、置換炭化水素基としては、上記に例示した非置換の炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、アミノアルキル基などで置換したもの、例えば、モノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、m−ジメチルアミノフェニル基等が挙げられる。Xは、R1と同様の基、アルコキシ基、ハロゲン原子であり、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜4のもの、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、通常メトキシ基、エトキシ基が用いられる。mは0.1≦m≦2、特に0.5≦m≦1、nは0≦n≦1、特に0.5≦n≦1、pは0≦p≦0.5、特に0≦p≦0.2であり、かつ、1≦m+n+p≦2.5、特に1.5≦m+n+p≦2を満足する数であり、qは4≦q≦100,000、特に10≦q≦10,000の範囲の整数である。
【0063】
また、下記一般式(4)で表されるポリシロキサンも好適に用いられる。
(R3 a4 bcSiOdc (4)
(但し、式中、R3、R4は水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基、アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、aは0.1≦a≦2、bは0≦b≦1、cは0.01≦c≦1、dは0.5≦d≦1.95であり、かつ、2≦a+b+c+d≦3.5を満足する数である。eは2≦e≦100,000を満足する整数である。)
【0064】
本発明に用いる上記ポリシロキサンにおいて、R3、R4の種類は、水素原子、又は一価炭化水素基であり、一価炭化水素基が脂肪族又は脂環式炭化水素基の場合、炭素数1〜12、好ましくは1〜6であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜14、より好ましくは6〜10のものが好適であり、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基等が挙げられる。なお、置換炭化水素基としては、上記に例示した非置換の炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、アミノアルキル基などで置換したもの、例えば、モノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、m−ジメチルアミノフェニル基等が挙げられる。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜4のもの、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、通常メトキシ基、エトキシ基が用いられる。
【0065】
aは0.1≦a≦2、好ましくは0.5≦a≦1、bは0≦b≦1、好ましくは0.5≦b≦1、cは0.01≦c≦1、好ましくは0.1≦c≦1であり、dは0.5≦d≦1.95、好ましくは1≦d≦1.5であり、かつ、2≦a+b+c+d≦3.5、好ましくは2≦a+b+c+d≦3.2を満足する数である。eは2≦e≦100,000、好ましくは10≦e≦10,000の範囲の整数である。
【0066】
本発明において、粉体を還元性珪素系高分子化合物で処理し、粉体表面に該還元性珪素系高分子化合物の層を形成(第一工程)した後、この粉体を凝集のない状態で水中に分散させ、次いでこの粉体を標準酸化還元電位0.54V以上の金属からなる金属塩で処理して、上記還元性珪素系高分子化合物層上に上記金属コロイドを析出させ(第二工程)、その後無電解メッキ液で処理して、上記粉体の最表面に金属層を析出させる(第三工程)ことで導電性粉体を製造する。最後に得られた粉体を、200℃以上の温度で熱処理して、上記還元性珪素系高分子化合物の一部又は全部をセラミック化することで導電性粉体を製造する。
【0067】
該第一工程は、還元性珪素系高分子を有機溶剤に溶解させ、この溶液中に中空粉体を、あるいは粉体中に溶液を投入混合した後に有機溶剤を除くことで、粉体の表面に還元性珪素系高分子の層を形成することができる。
【0068】
還元性珪素系高分子を溶解させる有機溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族系炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、酢酸エチルのようなエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドのような非プロトン性極性溶媒、その他、ニトロメタン、アセトニトリル等が好適に用いられる。溶液の濃度は、0.01〜30重量%、特に1〜10重量%が好適である。溶液の濃度が、0.01重量%未満では、粉体表面に還元性珪素系高分子を十分形成できない場合がある。30重量%を超えると大量の還元性珪素系高分子を使用するのでコスト高となる場合がある。
【0069】
最後に、温度を上げたり、減圧にすることにより、溶媒を留去させる。通常は、溶媒の沸点以上の温度で、例えば、1〜100mmHgという減圧下で40〜200℃程度の温度で撹拌することにより乾燥することは効果的である。この後、しばらく乾燥雰囲気下あるいは減圧下で40〜200℃程度の温度で、静置することで、溶剤を効果的に留去乾燥し、還元性珪素系高分子処理中空粉体を製造できる。
【0070】
還元性珪素系高分子層の厚さは、0.001〜1.0μm、望ましくは0.01〜0.1μmである。0.001μm未満では、粉体を完全に被うことができなくなるため、メッキが起こらない部分ができるおそれがある。また、1.0μmを超えると還元性珪素系高分子の量が多くなり、高価となる場合がある。
【0071】
この粉体は、還元性珪素系高分子処理により疎水性となる。このため、金属塩を溶解させる溶媒との親和性が低下し、液中に分散しないため、金属塩還元反応の効率が低下することがある。このことによって起こる金属塩還元反応の効率の低下は、界面活性剤を添加して向上させることができる。界面活性剤としては、発泡を起こさず表面張力のみを下げるものが望ましく、サーフィノール104,420,504(日信化学工業(株)製)等の非イオン性界面活性剤を好適に用いることができる。
【0072】
第二工程は、この還元性珪素系高分子を表面に持つ粉体を、標準酸化還元電位0.54V以上の金属からなる金属塩を含む溶液で処理することで、還元性珪素系高分子表面に金属コロイドを析出させる工程である。
【0073】
ここで、金属コロイドを形成させる金属塩としては、標準酸化還元電位0.54V以上の金属で、特に、金(標準酸化還元電位1.50V)、パラジウム(標準酸化還元電位0.99V)、銀(標準酸化還元電位0.80V)等の塩が好適に用いられる。金塩としては、Au+、Au3+を含んでなるもので、具体的には、NaAuCl2、NaAuCl4、NaAu(CN)2、NaAu(CN)4等が例示される。パラジウム塩としては、Pd2+を含んでなるもので、通常Pd−Z2の形で表すことができる。Zは、Cl、Br、I等のハロゲン、アセテート、トリフルオロアセテート、アセチルアセトネート、カーボネート、パークレート、ナイトレート、スルフォネート、オキサイド等の塩である。具体的には、PdCl2、PdBr2、PdI2、Pd(OCOCH32、Pd(OCOCF32、PdSO4、Pd(NO32、PdO等が例示される。銀塩としては、溶剤に溶解し、Ag+を生成させ得るもので、通常Ag−Zの形で表すことができる。Zは、ボレート、ホスフェート、パークレート、スルフォネート等の塩である。具体的には、AgBF4、AgClO4、AgPF6、AgBPh4、Ag(CF3SO3)、AgNO3等が好適に用い得る。
【0074】
粉体を金属塩溶液で処理する方法としては、還元性珪素系高分子を溶解せず、かつ金属塩を溶解又は分散させることができる溶剤を用いて金属塩を含む溶液を調製し、この溶液に粉体を投入して金属塩と接触させる方法が好適である。このように処理することにより、粉体の表面に金属塩が吸着されると同時に還元され、コロイドとして担持された金属コロイド被覆粉体が形成される。
【0075】
ここで、還元性珪素系高分子化合物を溶解せず、かつ金属塩を溶解又は分散させることができる溶剤としては、水やアセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、メタノール、エタノールのようなアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドのような非プロトン性極性溶媒等が挙げられ、中でも水が好適に用いられる。
【0076】
金属塩の濃度は、塩を溶解させる溶媒によって異なるが、0.01重量%〜塩の飽和溶液までが用い得る。0.01重量%未満では、メッキ触媒となる金属コロイドの量が十分でなく、また飽和溶液を超えると、固体塩の析出があり、好ましくない。溶媒が水の場合、0.01〜20重量%、より好ましくは、0.1〜5重量%が好適に用い得る。温度及び時間は、室温から70℃の温度で、0.1〜120分、より好ましくは1〜15分程度、金属塩溶液に浸漬すればよい。これにより、酸化珪素系高分子表面に金属コロイドが析出した粉体が製造できる。
【0077】
本発明は、上記金属塩を含む溶液の処理を界面活性剤の存在下又は非存在下に行うものであるが、特に界面活性剤の存在下に行うことが望ましい。即ち、粉体は、還元性珪素系高分子処理により疎水性となっている。このため、金属塩を溶解させた溶液との親和性が低下し溶液中に分散しないため、金属コロイド生成反応の効率が低下していることがある。この場合は、界面活性剤を添加して向上させるのがよく、これにより、還元性珪素系高分子処理粉体を金属塩を含む溶液に短時問に分散させることができる。
【0078】
ここで、界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤を用いることができる。陰イオン界面活性剤としては、スルホン酸塩系、硫酸エステル塩系、カルボン酸塩系、リン酸エステル塩系を用いることができる。また、陽イオン界面活性剤としては、アンモニウム塩系、アルキルアミン塩系、ピリジニウム塩系を用いることができる。また、両イオン界面活性剤としては、ベタイン系、アミノカルボン酸系、アミンオキシド系を用いることができる。また、非イオン界面活性剤としては、エーテル系、エステル系、シリコーン系を用いることができる。
【0079】
界面活性剤を添加する場合は、界面活性剤の添加量は、界面活性剤溶液又は界面活性剤を含む金属塩溶液に上記粉体が均一に分散する量であることがよく、金属塩溶液100重量部に対して0.0001〜10重量部、特に0.001〜1重量部、とりわけ0.01〜0.5重量部の範囲で使用するのが望ましい。界面活性剤の添加量が少なすぎると効果が乏しい場合があり、多すぎるとメッキの付きまわり性に悪影響を与えたり、メッキ後の金属の変色等の原因となることがある。
【0080】
処理方法としては、まず粉体を、界面活性剤あるいは水により希釈した界面活性剤と接触させ、撹拌して分散させ、次いで金属塩を含む溶液と接触させることが好ましく、これにより珪素系高分子の還元作用により金属コロイドをこの膜表面に形成させる反応を速やかに進めることができる。界面活性剤を使用しない場合は、粉体を溶剤と接触させ、十分に撹拌して分散させることが好ましい。
【0081】
こうした処理の後は、金属塩を含まない上記と同様の溶剤で処理し、還元されず粉体にただ吸着されただけの金属塩を除き、最後にこの粉体から不要な溶剤を除去することで、金属コロイド被覆粉体を得ることができる。
【0082】
第三工程は、上記工程を行った後、金属コロイド被覆粉体を無電解メッキ処理するものである。無電解メッキ液は、必須成分であるメッキ金属塩液と還元剤液と任意成分である錯化剤、pH調整剤、界面活性剤を含む。
【0083】
メッキ金属塩液の金属としては、例えば、ニッケル、銅、銀、コバルト、タングステン、鉄、亜鉛、金、白金、パラジウムなどの金属を含んでなるものが好適に用いられる。この単独の金属の他、合金、例えば、Ni−Co、Ni−W、Ni−Fe、Co−W、Co−Fe、Ni−Cu、Ni−P、Au−Pd、Au−Pt、Pd−Ptなどから構成させることができる。かかる合金被膜を形成させるには、所望に応じた複数の金属塩を添加すればよい。特には、ニッケルが望ましい。
【0084】
更に、メッキ液は、次亜リン酸ナトリウム、ホルマリン、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤、酢酸ナトリウムのようなpH調整剤、フェニレンジアミンや酒石酸ナトリウムカリウムのような錯化剤を含む。メッキ金属塩液と還元剤液の配合割合は、それらの組み合わせにより異なるため一様ではないが、還元剤が酸化等による無効分解で消費されるため、金属塩より過剰に用いられ、通常は金属塩の1.1〜5倍程度のモルの還元剤が使用される。
通常は無電解メッキ液として市販されており、安価に入手することができる。
【0085】
ここで、無電解ニッケルメッキについて更に詳述すると、この無電解ニッケルメッキ液は、通常水溶性ニッケル塩、錯化剤、pH調整剤、リン系還元剤を含むものである。
【0086】
この場合、ニッケル塩としては、従来より知られている公知の硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケルなどを用いることができ、それらの塩濃度はメッキ浴全体で0.01〜0.5mol/l、好ましくはメッキ浴全体で0.05〜0.3mol/lとすればよい。ニッケル濃度が高すぎると、僅かなpHの変化、錯化剤の濃度変化で水酸化物の生成が生じて浴寿命が短くなること、補充の際に局所的なニッケル濃度の偏在を生じさせ易く、メッキ斑が生じ易くなるおそれがあり、ニッケル濃度が低すぎると、補充する液量が多くなって、メッキ中の浴容量の変化が大きくなり、実用的でなくなる場合が生じる。
【0087】
錯化剤としては、ヒドロキシカルボン酸及びその塩、リン酸塩、アンモニウム塩、カルボン酸及びその塩、アミノ基とカルボキシル基を有するアミン類及びその塩など公知のものを用いることができるが、メッキ浴のpHが変化しても水酸化ニッケルを生じさせず、かつニッケルとの錯イオンが安定すぎてニッケルを還元析出できなくならないような、クエン酸アンモニウム、酒石酸ナトリウムなどのヒドロキシカルボン酸塩や、酢酸ナトリウムなどのカルボン酸塩、グリシンなどのアミノ基とカルボキシル基を有するアミン類などが好適で、それらの濃度はニッケル塩及びpH調整剤濃度と密接な関係があるが、メッキ浴全体で0.03〜1.5mol/lの範囲で用いることができ、メッキ浴全体で0.15〜0.2mol/lとするのが好ましい。1.5mol/lを超えるとニッケル塩に対して大過剰となり無駄であり、0.03mol/l未満ではpHの変化に対して不安定でニッケル水酸化物生成の抑止効果が薄い。
【0088】
pH調整剤としては、安価で入手の容易な公知のものを用いればよいが、pHの変化に対してリン系還元剤によるニッケル錯イオンの還元性を大きく変えない水酸化アンモニウム(アンモニア水溶液)や水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリを好適に用いることができる。pH調整剤の濃度は、処理中のメッキ浴pHの変化、処理時間、補充量から定めればよい。pHが3より低いとメッキ反応が生じにくく、メッキ時間が長くなるおそれがあり、またpHが10を超えるとニッケル錯体が不安定となり、ニッケル水酸化物の析出が起こり易いことと、メッキ析出反応が速すぎてニッケルの異常析出が生じ、浴分解してしまうおそれがあるため、pHは3〜10の間にコントロールすることが好ましい。
【0089】
リン系還元剤としては、次亜リン酸又はそのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩が使用され、通常は次亜リン酸ナトリウムが用いられる。その濃度は、ニッケル塩に対して1.01〜5倍モル、より望ましくは1.5〜3倍モルで、メッキ浴全体で0.001〜2.5mol/lモル、特に0.1〜1mol/lモルの範囲をとることが望ましい。
【0090】
本発明では、必要に応じて、上記無電解メッキ液による処理を界面活性剤の存在下で行うことができる。この場合、無電解メッキ液に投入する粉体を、界面活性剤で前処理したり、無電解メッキ処理液に界面活性剤を投入してメッキ処理することが好ましく、これにより無電解メッキ反応時に副生する水素の泡のためにメッキが良好に進まず、粉体表面への金属の付きまわり性が悪化することを防止でき、珪素系高分子化合物膜で被覆された粉体を、金属でムラなく良好に被覆することができる。
【0091】
メッキ温度は、15〜100℃とし得るが、より望ましくは、浴中の金属イオン拡散速度が速くメッキ金属のつきまわりがよく、かつ浴成分の揮発による減少、溶媒の減少などが比較的少ない40〜95℃で、好ましくは65〜85℃で管理する。40℃より低いとメッキ反応の進行が非常に遅く実用的でなく、95℃より高いと溶媒に水を用いていることから溶媒の蒸発が激しく、浴管理が難しくなるため望ましくない。
【0092】
このようにして、粉体上に金属層を形成できる。本工程のあとに、金属層が酸化されないうちに直ぐに耐酸化性の貴金属層を形成させる。かかる金属層を形成させるために用いる無電解メッキ液は、上記の方法により調製したものを用いればよいが、その際に添加する金属としては、例えば、金、白金、パラジウム、銀などが挙げられ、単独の金属の他、合金、例えば、Au−Pd、Au−Pt、Pd−Ptなどから構成させることができる。この中で、金が安定性の面から、また銀が価格の面から最も望ましい。
【0093】
最初の金属層を形成させた粉体に対する次の金属層の表面被膜を形成する方法としては、無電解メッキ、電気メッキ、置換メッキのいずれの方法でもよい。無電解メッキの場合は、上記の第三工程と同様の方法で行うことができる。
【0094】
第三工程終了後に、不要な金属塩、還元剤、錯化剤、界面活性剤等を除くため、十分な洗浄を行うとよい。金属層の厚さは、0.01〜10.0μm、望ましくは0.1〜2.0μmである。0.01μm未満では、粉体を完全に被い、かつ十分な硬度や耐食性が得られにくくなる場合がある。また、10.0μmを超えると金属の量が多くなり、高価となりかつ比重が高くなるため、経済的に望ましくない場合が生じる。
【0095】
第二工程から第三工程の各工程において、粉体の凝集のため、時として、粉体表面にメッキされない部分ができることがある。凝集とは、粉体粒子が二次的な力で多数集まっている状態であり、個々の粒子は独立性を保ち合併してはいないから、僅かな力で分離する。第二工程で珪素系高分子処理粉体が凝集状態であると、粉体の凝集内部には金属コロイドは析出せず、また第三工程に凝集状態があると、粉体の凝集内部はメッキ金属で被われない。つまり、いずれの場合でも、金属に被覆されない個所を持つ粉体となり、良好な導電性が発現しない。
【0096】
こうしたことを防ぐためには、各工程において、珪素系高分子処理粉体を、凝集のない状態で液中に分散させることが重要である。分散方法は、モーターに撹拌翼を取り付けた撹拌器、回転子と音波のエネルギーを用いて撹拌するホモジナイザー、超音波発生装置等が利用できるが、特に超音波を好適に用い得る。分散させる粉体を水中に投入混合後、超音波脱気装置の場合は、超音波発生部を液中に投入し、超音波洗浄装置の場合は、洗浄槽に容器ごと投入すればよい。超音波の振動数としては、10〜5,000kHz、より望ましくは20〜200kHzのものが用い得る。
【0097】
最後に、この金属被覆粉体を、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性気体、あるいは水素、アルゴン−水素、アンモニア等の還元性気体の存在下に200℃より高い温度で熱処理することが望ましい。不活性気体、あるいは還元性気体処理条件は、通常200〜900℃で処理時間は1分〜24時間が好適に用い得る。より望ましくは、200〜500℃で処理時間は30分〜4時間行うのがよい。これにより、粉体と金属間にある還元性珪素系高分子の一部あるいは全部は、セラミックに変化させられ、より高い耐熱性と絶緑性と密着性を持つことになる。このときの雰囲気を水素のような還元系で行うことにより、金属中の酸化物を減少させ、珪素系高分子を安定な構造に変えることで、粉体と金属が強固に結合し高い導電性を示す粉体を得ることができる。
【0098】
以上のようにして得られる如き低比重の導電性粒子は、その比重(X)が、上記(a)成分の重合体(例えば、(A)成分のオルガノポリシロキサンや(A’)成分の反応性フッ素化ポリエーテル)の比重(Y)に対して±1.5以内、好ましくは±1.3以内、特に好ましくは1.0以内、とりわけ0.5以内の比重差(Y−X)を有するものである。
【0099】
上記(b)成分の導電性粒子の配合比率としては、本発明の導電性組成物全体の3〜40重量%、好ましくは5〜35重量%、更に好ましくは10〜30重量%である。3重量%より少ないと、体積固有抵抗値が高くなってしまい、十分な導電性が得られず、また40重量%を超えると、粘度が極端に高くなってしまい、作業性が悪くなる。
【0100】
次に、(c)成分である導電性粒子について説明する。
導電性粒子としては、金、銀、銅もしくはニッケル等の金属粉末から選ばれる少なくとも1種の導電性粒子であればよく、粒子の形状は特に限定されず、例えば粒状、球状、樹枝状、フレーク状、不定形状等のいずれの形状であってもよく、またこれらの形状を有する粒子の混合物であってもよいが、良好な導電性を発現させるために樹枝状又はフレーク状形状の銀粒子、特にフレーク状形状の銀粒子を用いることにより、良好な導電性を得ることができる。更にはこれらの粒子をオルガノシロキサンあるいはフッ素化合物等で処理してもよく、これによりマトリックス樹脂との分離を抑え易くなる。
【0101】
この(c)成分の導電性粒子(金属粉末)の平均粒径は、0.1〜100μm、特に0.2〜50μmであることが好ましい。
【0102】
(c)成分の導電性粒子の配合比率としては、本発明の導電性組成物全体の30〜94重量%、好ましくは40〜90重量%、更に好ましくは50〜80重量%である。30重量%より少ないと、体積固有抵抗値が高くなってしまい、十分な導電性が得られず、また94重量%より多いと、粘度が極端に高くなってしまい、作業性が悪くなる。
【0103】
この場合、本発明においては、(c)成分は(b)成分より多く配合する必要がある。(c)成分の配合量が(b)成分の配合量より少ないと、優れた導電性が得難いものである。また、(b)、(c)成分の合計配合量は、導電性組成物全体の60〜97重量%、特に70〜95重量%とすることが好ましい。
【0104】
なお、本発明の導電性組成物中における(a)成分の硬化可能な重合体の含有量は、組成物全体の3〜40重量%であり、好ましくは5〜30重量%である。
【0105】
【実施例】
以下、参考例及び実施例、比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、粘度は25℃における値であり、Meはメチル基を示す。
【0106】
[参考例1]ポリシランの製造方法
フェニルハイドロジェンポリシラン(以下、PPHSと略記する)を、以下の方法により製造した。
アルゴン置換したフラスコ内にビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウムのTHF溶液にメチルリチウムのジエチルエーテル溶液を添加し、30分室温で反応させた後、溶剤を減圧にて留去することで、系内で触媒を調製した。これに、フェニルトリヒドロシランを触媒の10,000倍モル添加し、100〜150℃で3時間、次いで200℃で8時間加熱撹拌を行った。生成物をトルエンに溶解させ、塩酸水洗を行うことで、触媒を失活除去した。このトルエン溶液に硫酸マグネシウムを加え、水分を除去し、濾過した。これにより、ほぼ定量的に重量平均分子量1,200、ガラス転移点65℃のPPHSを得た。
【0107】
[参考例2]銀メッキ中空ガラス粉体の製造
中空粉体としては、分級により60μm以上の粒子を除いたセルスターPZ−6000(東海工業(株)製;平均粒径40μm;粒径分布10〜60μm;真比重0.75;ガラス製)を用いた。PPHS0.5gをトルエン200gに溶解させ、この溶液を中空粉体100gに加え、1時間撹拌した、破砕して沈殿している中空粉体の破片を除き、ロータリーエバポレーターにて、60℃の温度、45mmHgの圧力で、トルエンを留去させ乾燥させた。
【0108】
ポリシラン処理粉体は疎水化されているので、界面活性剤として、サーフィノール504(日信化学工業(株)製界面活性剤)の0.5%水溶液50gにこの処理粉体100gを投入し、撹拌し、水に分散させた。
【0109】
パラジウム処理は、上記粉体−水分散体150gに対し1%PdCl2水溶液を70g(塩化パラジウムとして0.7g、パラジウムとして0.4g)添加して、30分撹拌後、濾過し、水洗した。これらの処理により、粉体表面はパラジウムコロイドが付着した黒灰色に着色した粉体が得られた。この粉体は濾過により単離し、水洗後直ちにメッキ化を行った。
【0110】
ニッケルメッキ用還元液として、イオン交換水で希釈した次亜リン酸ナトリウム2.0M、酢酸ナトリウム1.0M、グリシン0.5Mの混合溶液100gを用いた。パラジウムコロイド析出粉体を、KS−538(信越化学工業(株)製消泡剤)0.5gと共にニッケルメッキ還元液中に分散させた。撹拌しながら液温を室温から65℃に上げた。イオン交換水で希釈した水酸化ナトリウム2.0Mを空気ガスにより同伴させながら滴下し、同時にイオン交換水で希釈した硫酸ニッケル1.0Mを窒素ガスにより同伴させながら、還元液中に滴下した。すると、細かい発泡と共に粉体が黒色となり、粉体表面に金属ニッケルが析出した。この粉体は、全面に金属ニッケルが析出していた。
【0111】
この粉体を、銀メッキ液(高純度化学研究所製)S−700 100g中に分散させた。撹拌しながら液温を室温から70℃に上げると、細かい発泡と共に粉体が銀色となり、粉体表面に銀が析出した。
【0112】
メッキ溶液中に浮遊している粉体は、濾過、水洗、乾燥(50℃で30分)の後、水素で置換された電気炉で300℃で1時間焼成した。実体顕微鏡観察により、粉体全表面が銀により覆われた粉体が得られていることが分かった。
【0113】
中空粉体−ニッケル−銀構造を持つ導電性粉体の特性
この粉体は、顕微鏡により観察した外観は球状銀色、比重は1.28であった。金属の含有量は、銀5重量%、ニッケル40重量%であった。
【0114】
導電性粉体の抵抗率は、4端子を持つ円筒状のセルに粉体を充填し、両末端の面積0.2cm2の端子からSMU−257(ケースレ社製電流源)より1〜10mAの電流を流し、円筒の中央部に0.2cm離して設置した端子から、2000型ケースレ社製ナノボルトメーターで電圧降下を測定することで求めた。抵抗率は、3.5mΩ・cmであった。
【0115】
[参考例3]扁平銀粉末の製造
20gの硝酸銀を40ミリリットルの水に溶解し、次いで、これに46%水酸化ナトリウム水溶液を加えて粒状の酸化銀を沈殿させた。この粒状の酸化銀をホルムアルデヒドにより還元した後、洗浄、濾過を繰り返して、平均粒径が1μmである粒状の還元銀粉末を調製した。次いで、オレイン酸のメチルエチルケトン溶液を潤滑剤として、この還元銀粉末をボールミル中で粉砕した後、オレイン酸により表面処理してなる銀粉末をメチルエチルケトンにより洗浄し、更に100℃のイオン交換水により繰り返し洗浄して乾燥させた。得られた銀粉末は、平均粒径が8μmで、扁平状銀色で、比重は10.5であった。抵抗率は、0.1mΩ・cm以下であった。
【0116】
[実施例1〜3、比較例1,2]
以下に示す成分を原料として用い、表1に示す配合量でこれを均一に混合して、本発明の導電性重合体組成物を調製した。この組成物を150℃で30分間加熱硬化して得られるゴムの硬度は、JIS K6301に記載されたJIS A硬度計により測定して評価した。
【0117】
また、この組成物を調製後、冷蔵保管して、調製直後(初期)、24時間後、100時間後の該組成物を150℃で30分間加熱して厚さ1mmの導電性ゴムシートを得た。得られたゴムの体積抵抗率は、体積抵抗率測定装置[有限会社共和理研製;K−705RL]により測定した。
これらの結果を表1に示す。
【0118】
導電性粉体は、以下のものを用いた。
(b),(c)導電性粉体
(b)銀−ニッケル被覆中空ガラス粉体(参考例2)
(c)扁平銀粉末(参考例3)
【0119】
重合体組成物は、以下のものを用いた。
(a)重合体組成物
(a−1)オルガノポリシロキサン組成物(A,B,C)
(A)粘度2,000センチポイズの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量=0.2重量%)、(B)粘度30センチポイズの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H結合水素原子含有量=1.5重量%)、(C)塩化白金酸とビニルシロキサンの錯体を軟化点80〜90℃の熱可塑性シリコーン樹脂中に分散して微粒子化した触媒を均一に混合して、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
【0120】
(a−2)フッ素化ポリエーテルポリマー組成物(,C)
)下記式(i)で示されるフッ素化ポリエーテルポリマー(粘度4,400cs、数平均分子量16,500、ビニル基量0.013モル/100g)、()下記式(ii)で示される含フッ素水素化シロキサン、エチニルシクロヘキサノールの50%トルエン溶液を、メタキシレンヘキサフルオライド10重量部を加えた後、全体を均一に撹拌し、(C)塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯体(本組成物において、錯体中の白金金属が5ppmとなる量である)を加え、よく混合して、フッ素化ポリエーテルポリマー組成物を調製した。
【0121】
【化13】
Figure 0004054969
【0122】
【表1】
Figure 0004054969
(A’)粘度2,000センチポイズの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量=0.2重量%)
(A)上記式(i)で示されるフッ素化ポリエーテルポリマー(粘度4,400cs、数平均分子量16,500、ビニル量0.013モル/100g)
(B’)粘度30センチポイズの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H結合水素原子含有量=1.5重量%)
(B)上記式(ii)で示される含フッ素水素化シロキサン
(C)塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯体(本組成物において、錯体中の白金金属が5ppmとなる量である)
【0123】
【発明の効果】
本発明の導電性組成物は、貯蔵安定性に優れ、硬化性の経時変化が小さく、かつ硬化して得られる導電性ゴムの体積抵抗率の経時変化が小さく、この組成物は被膜表面の平滑性がよくて高導電性の印刷被膜を形成できるため、可変抵抗器や配線回路等に用いられる信頼性の高いコネクターや導電ぺースト材料の原料とすることができる。

Claims (4)

  1. (a)(A)フッ素化ポリエーテル単位を有し、脂肪族不飽和炭化水素基を一分子中に少なくとも2個有する反応性フッ素化ポリエーテル重合体、
    (B)珪素原子に直結した水素原子を少なくとも2個含む化合物、
    (C)白金族金属系触媒
    を含有する組成物:3〜40重量%、
    (b)非導電性母材粒子の最外層表面が金属で被覆され、かつ(a)成分の重合体の比重に対する差が±1.5以内である比重を有する導電性粒子:3〜40重量%、
    (c)金属粉末からなる導電性粒子:30〜94重量%(但し、この(c)成分の含有量は(b)成分の含有量より多い)
    を含有することを特徴とする導電性組成物。
  2. (b)成分の導電性粒子が、中空もしくは発泡状粉体の最外層が金属によって被覆されたものであることを特徴とする請求項記載の導電性組成物。
  3. 中空もしくは発泡状粉体を還元性を有する珪素系高分子で処理した後、金属メッキ処理することにより得られたものであることを特徴とする請求項記載の導電性組成物。
  4. 上記(a)成分の組成物が、更に珪素原子結合アルコキシ基を有する有機珪素化合物を含有する請求項1乃至3のいずれか1項記載の導電性組成物。
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