JP4053319B2 - 売上金額確定システム及び売上金額確定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、売上金額確定システム及び売上金額確定方法に関し、特に、例えば、コンビニエンス・ストア等の小売店における売上金額確定処理に用いられる売上金額確定システム及び売上金額確定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンビニエンス・ストア等の小売店についての売上金額確定処理は例えば以下のようにして行われている。即ち、まず、小売店のオーナーが、POSレジスタの中の全ての現金、つまり前日の売上金額と、前日分の釣銭用貨幣とを銀行に持参する。次に、オーナーは持参した貨幣を本部の口座に入金する。又は店舗内に設置され、警備会社によって運営される入金機へ入金する。本部は口座への入金を確認し、小売店の売上金額を確定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような売上金額確定処理には例えば以下の問題点があった。
【0004】
即ち、小売店のオーナーは、前述のようにPOSレジスタの中の全ての現金を入金するので、POSレジスタに翌日分の釣銭を新たに準備する必要がある。釣銭のストックが不足してくると、小売店はその本部を介して又は独自に現金取扱業者、例えば警備会社等に釣銭用の貨幣を発注する。発注を受けた警備会社は注文の貨幣を小売店に届け、小売店は釣銭を補充する。本部は現金輸送費を警備会社に支払う。ここで、発注の回数が多いと現金輸送費もそれだけ多くかかる。特に、硬貨はかさばり重いことから現金輸送費が高く付く。このため、本部又は店舗のオーナーにとって釣銭準備の負担は大きかった。
【0005】
一方、銀行の窓口が混雑していると入金の順番を待つのに時間を要したり、入金時においても売上金の計数に時間がかかったりするなど、銀行での入金には時間を要することが多い。また、銀行の営業時間は所定の時間に限られているので、入金できる時間には大きな制約があった。さらに、売上金を銀行に持参するために小売店の外に売上金を持ち出すことになるのでこれによる危険もある。これらにより、銀行での入金はオーナーにとって大きな負担となっていた。
【0006】
この他、銀行側としても入金処理は煩雑であり、売上金の入金処理は好ましいものではなかった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、釣銭の不足を可及的に抑制できるとともに、入金を簡易化できる売上金額確定システム及び売上金額確定方法を提供することにある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決すべく、店舗内に設置され、商品等の価格及び顧客からの受取り金の金額から売上金額と釣銭額とを算出するPOSレジスタと、
前記店舗内に設置され、前記受取り金と、釣銭用の貨幣とを収納するとともに、釣銭の出金処理を前記POSレジスタの指示により行い、収納している現金在高は前記POSレジスタにより認識される釣銭機と、
前記店舗内に設置され、前記釣銭機内の紙幣を受容し、入金指示データを作成する現金自動受払機と、
金融機関に設置され、前記現金自動受払機からの前記入金指示データにより所定の口座への入金処理を行い、前記入金処理による入金結果データを作成する金融機関ホスト・コンピュータと、
前記POSレジスタから受信した前記店舗の売上金額データと、前記POSレジスタから受信した在高データと、前記金融機関から受け取った前記入金結果データとを用いて前記店舗の売上金額の確定を行うPOSサーバと、
を備えた、売上金額確定システムを提案する。
【0009】
また、本発明は、上記課題を解決するべく、店舗内に設置され、商品等の価格及び顧客からの受取り金の金額から売上金額と釣銭額とを算出するPOSレジスタから、前記POSレジスタを管理するPOSサーバに、前記店舗の売上金額データを送信し、
前記店舗内に設置され、前記受取り金と、釣銭用の貨幣とを収納するとともに、釣銭の出金処理を前記POSレジスタの指示により行う釣銭機であって、収納している現在在高は前記POSレジスタにより認識される釣銭機、の在高データを、前記POSレジスタから前記POSサーバに送信し、
前記店舗内に設置され前記釣銭機内の紙幣回収部内の紙幣を受容した現金自動受払機により作成された入金指示データを、前記現金自動受払機から、金融機関に設置された金融機関ホスト・コンピュータに送信して、金融機関ホスト・コンピュータにおいて前記入金指示データによる所定の口座への入金処理を行うとともに、前記入金処理による入金結果データを作成し、
前記POSサーバが、前記POSレジスタから受信した前記店舗の前記売上金額データと、前記POSレジスタから受信した前記在高データと、前記金融機関から受け取った前記入金結果データとを用いて、前記店舗の売上金額の確定を行う、売上金額確定方法を提案する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態としての売上金額確定システムを説明するためのブロック図である。この売上金額確定システムは、商品の価格と顧客からの受取金額とから売上金額や釣銭額を算出するPOS(point-of-sales)レジスタ3、売上金や釣銭用貨幣を収納し且つPOSレジスタ3により管理される紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2、紙幣釣銭機1から回収された貨幣を受容する現金自動受払機(ATM:Automatic-Teller-Machine)4、現金自動受払機4から入金指示を受ける銀行ホスト・コンピュータ5、POSレジスタ3を管理するPOSサーバ6を備え、これらの装置間で各種データを送受信等して小売店8の売上金額確定処理を行うものである。
【0012】
以下、この売上金額確定システムについて詳述する。
【0013】
小売店8は、客に商品を販売するコンビニエンス・ストア等の小売店で、チェーン店の一店舗である。小売店8のレジカウンタ11の内側には、紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2、POSレジスタ3が設置されている。レジカウンタ11の外側にはATM4が設置されている。
【0014】
POSレジスタ3はPOSシステムの一端末である。ここに、POSシステムとは、各小売店の販売時における売上金額データ等を各小売店に設置されたPOSレジスタから本部のPOSサーバに集約し、これにより各小売店の販売状況の管理を効率的に行おうとするものである。本実施形態におけるPOSシステムは、POSサーバ6とこれに通信回線により接続された各店舗のPOSレジスタ3とにより構成される。POSレジスタ3は、商品からその商品名及び値段、数量を読みとったり、商品の合計金額と、客の支払金額とから釣銭額を算出したりするようになっている。
【0015】
次に、紙幣釣銭機1はPOSレジスタ3と連結されて設置されている。また、硬貨釣銭機2は紙幣釣銭機1に連結されて設置されている。紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2は、小売店8における商品の販売等に伴う紙幣及び硬貨の入出処理をするためのものである。紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2はPOSレジスタ3により制御されており、例えばPOSレジスタ3から出金指示を受けるとその指示通りの釣銭を排出するようになっている。
【0016】
図2に、紙幣釣銭機1と硬貨釣銭機2の構成を具体的に示す。
【0017】
まず、紙幣釣銭機1の構成について説明する。
【0018】
紙幣釣銭機1は、各種紙幣(1000円札、2000円札、5000円札、10000円札)を投入する紙幣入金口15、各種紙幣を釣銭として排出する紙幣出金口16を備えている。また、紙幣釣銭機1は、紙幣入金口15から投入された紙幣の金種を識別する識別部17を備えている。また、紙幣釣銭機1は、識別部17で紙幣として認識できないリジェクト紙幣を収納するリジェクトボックス18を備えている。リジェクトボックスは必ずしも必要ではなく、紙幣出金口に返却することで対処する態様とすることも可能である。また、紙幣釣銭機1は、識別部17による識別を経た紙幣を金種別に収納すると共に、出金又は回収の際には収納した紙幣を搬出する、第1環流スタッカ19と第2環流スタッカ20とを備えている。第1環流スタッカ19は1000円札用、第2環流スタッカ20は5000円札用として又は2000円札用としてそれぞれ用いられる。また、紙幣釣銭機1は、10,000円札を収納するとともに、第1環流スタッカ19及び第2環流スタッカ20に収納された紙幣を回収するための回収用カセット21を備えている。回収用カセット21は紙幣釣銭機1に脱着可能に取り付けられている。また、紙幣釣銭機1は、第1環流スタッカ19及び第2環流スタッカ20、回収用カセット21に収納されている金種や金額等を記憶している記憶部22を備えている。また、紙幣釣銭機1は、紙幣釣銭機1全体を制御する制御部23を備えている。制御部23は、POSレジスタ3の制御部(図示せず)に接続されて、POSレジスタ3から上記出金指示の他、各種の指示を受けてその指示内容を実行するようになっている。例えば、紙幣釣銭機1はPOSレジスタ3から在高取得指示を受けると、紙幣釣銭機1内の現在在高を在高データとして記憶部22から取り出し、取り出した在高データをPOSレジスタ3に送るようになっている。なお、記憶部22に記憶されている在高データ等の各種のデータはPOSレジスタ3によって管理されるようにしてもよい。
【0019】
次に、硬貨釣銭機2の構成について説明する
硬貨釣銭機2は、各種硬貨(1円玉、50円玉、5円玉、100円玉、10円玉、500円玉)を投入する硬貨入金口25、各種硬貨を釣銭として排出する硬貨出金口26を備えている。また、硬貨釣銭機2は、硬貨入金口25から投入された硬貨の金種を識別する識別部27を備えている。また、硬貨釣銭機2は、識別部27により識別された硬貨をその形状により選別する選別部28を備えている。また、硬貨釣銭機2は、選別部28により選別された硬貨を金種別に収納する金種別収納部31を備えている。また、硬貨釣銭機2は、その金種別収納部31に収納されている金種や金額等を記憶している記憶部29備えている。また、硬貨釣銭機2は、硬貨釣銭機2全体を制御する制御部30を有している。制御部30は、紙幣釣銭機1の制御部23と接続されている。これにより硬貨釣銭機2は、紙幣釣銭機1の制御部23を介してPOSレジスタ3から出金指示や在高取得指示など各種の指示を受けて、その指示内容を実行するようになっている。なお、記憶部29に記憶されている在高データ等の各種のデータは紙幣釣銭機1を経由してPOSレジスタ3によって管理されるようにしてもよい。
【0020】
次に、紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2による貨幣の入出処理について一例を説明すると以下の通りである。
【0021】
先ず、客が商品をレジカウンタ11に持参し、持参した商品を店員に渡す。店員に渡された商品の商品コードがPOSレジスタ3のバーコドリーダにより読み取られる。すべての商品コードが読み取られ、商品の内容が確定すると、合計金額がPOSレジスタ3により算出される。客が店員に紙幣及び硬貨を渡し、店員によりこれら紙幣及び硬貨がそれぞれ紙幣入金口15及び硬貨入金口25に投入される。投入された紙幣及び硬貨はそれぞれ識別部17、27による真偽、金種の判別処理等を経た後、それぞれ金種に応じて紙幣については第1環流スタッカ19及び第2環流スタッカ20、回収用カセット21、硬貨については金種別収納部31に収納される。POSレジスタ3によって客の支払金額と商品の合計金額とから釣銭額が算出される。この釣銭額に対応する釣銭額データが、POSレジスタ3から紙幣釣銭機1の制御部23に送られ、さらに該制御部23から硬貨釣銭機2の制御部30にも送られる。この釣銭額データに基づいて紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2は紙幣出金口及び硬貨出金口から釣銭を払い出す。記憶部22、29のデータは最新の状態に更新される。なお、紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2には、予め釣銭用の紙幣及び硬貨が収納されている。
【0022】
次に、ATM4について説明する。ATM4は、銀行ホスト・コンピュータ5と連結されている。ATM4には予め貨幣が警備会社等の現金取扱業者により収納されている。
【0023】
ATM4は、まず、受容した現金に対応する入金指示データを作成する。次に、ATM4は、作成した入金指示データを銀行ホスト・コンピュータ5に送信する。入金指示データを受信した銀行ホスト・コンピュータ5は入金指示データに基づいて入金先の口座を更新する。ATM4が受容した現金はその内部に収納される。
【0024】
次に、本部9は、小売店8を含む各小売店を統括する部署である。本部9には、POSサーバ6が設置されている。上述のように、POSサーバ6はPOSシステムにおいて各POSレジスタを管理するためのものであり、POSレジスタ3と通信回線により接続されている。
【0025】
図1に示すように、POSサーバ6は、POSレジスタ3から、小売店8における売上データを受信できるようになっている。この売上データとしては、例えば商品名及び価格、数量のデータや、売上金額データ等がある。売上金額には、商品の売買によるものの他、手数料収入や雑収入等によるものなども含まれる。また、POSサーバ6は、POSレジスタ3を介して、紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2内の各貨幣収納部ごとにおける現金在高としての在高データを受信できるようになっている。具体的に、在高データとしては、第1環流スタッカ19の在高データ、第2環流スタッカ20の在高データ、回収用カセット21の在高データ、金種別収納部31における在高データがある。POSサーバ6は、これらの在高データを、リアルタイム処理又はバッチ処理等の任意の手段にてPOSレジスタ3から受信可能になっている。また、POSサーバ6は、POSレジスタ3に準備及び補充される釣銭額を釣銭準備額データとして日ごとに管理している。
【0026】
一方、POSサーバ6は、銀行ホスト・コンピュータ5と通信回線により接続されている。これにより、POSサーバ6は、本部9の口座及びその他の口座(以下、本部口座)への入金情報を銀行ホスト・コンピュータ5から受信できるようになっている。なお、POSサーバ6は、通信回線を介さないでこの入金情報を受け取ってもよい。例えば、この入金情報の収容された媒体を本部9が受け取り、この媒体を介して入金情報がPOSサーバ6に入力されるようにしてもよい。
【0027】
図3は、小売店8の売上金額確定処理の流れを示すフローチャートである。
【0028】
図3及び図1に基づいて小売店8の売上金額確定処理について説明する。なお、図1中、実線矢印はデータの流れを、破線矢印は貨幣の流れを示す。
【0029】
図3に示すように、まず、前日(売上金算定期間)の売上金額データに基づき前日の売上金額を算出する(S1)。この売上金額を、紙幣のみでカウントできる金額(紙幣相当金額)と、硬貨のみでカウントできる金額(硬貨相当金額)とに分ける(S2)。例えば、123,456円であれば、123,000円と456円とに分ける。このうち紙幣相当金額(この場合123,000円)を、例えば最小の紙幣枚数にて、回収用カセット21(図2参照)に搬送及び回収する(紙幣回収処理)(S3)。つまり、前述したように、回収用カセット21には高額紙幣が予め収納されているので、低額紙幣を必要枚数だけ回収用カセット21に回収する。上記の例の場合、10,000円札が10枚、既に回収用カセット21に収納されているとすれば、残りの23,000円分を、例えば5000円札4枚、1000円札3枚のように最小枚数で回収する。なお、このように最小枚数で回収しなくとも本発明の実施は当然に可能である。回収されなかった低額紙幣及び全ての硬貨(上記の例における456円分の硬貨を含む)は当日分の釣銭として紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2に残置する。
【0030】
図3及び図1から分かるように、POSサーバ6は、前日における小売店8の売上金額データをPOSレジスタ3から受信する(S4及び(1))。また、POSサーバ6は、紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2のそれぞれにおける貨幣収納部の在高データをPOSレジスタ3から受信する(S5及び(1))。具体的には、第1環流スタッカ19及び第2環流スタッカ20、回収用カセット21、金種別収納部31のそれぞれの在高データをPOSサーバ6は受信する。
【0031】
次に、紙幣釣銭機1から回収用カセット21を取り外す。取り外した回収用カセット21内から低額紙幣及び高額紙幣を取り出す。図3及び図1から分かるように、取り出した低額紙幣及び高額紙幣を売上金の一部としてATM4に預け入れる(S6及び(2))。預け入れられた現金はATM4内に収納される。ATM4は、預け入れられた金額に対応する入金指示データを銀行ホスト・コンピュータ5に送信する(S7及び(3))。入金指示データを受信した銀行ホスト・コンピュータ5はこの入金指示データに基づいて入金処理を行う(S8)。具体的には、銀行ホスト・コンピュータ5は本部口座に対して入金指示データに示される入金額を加算処理する。入金処理を行った銀行ホスト・コンピュータ5は、この入金処理の結果としての入金結果データをPOSサーバ6に送信する(S9及び(4))。入金結果データ及び売上金額データ、在高データを受信したPOSサーバ6はこれらのデータを突き合わせて、小売店8の売上金額の確定を行う(S10)。具体的には、POSサーバ6は次の2つの式(A)(B)をチェックする。
【0032】
・釣銭準備額データ+売上金額データ = 紙幣釣銭機1の全在高データ(第1環流スタッカ19の在高データ+第2環流スタッカ20の在高データ+回収用カセット21の在高データ)+硬貨釣銭機2の全在高データ(金種別収納部31の在高データ) ・・・・式(A)
・入金結果データ = 回収用カセット21の在高データ ・・・・式(B)
まず、式(A)について検討する。
【0033】
釣銭準備額データは、前日分として紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2に準備及び補充された釣銭額の合計額を示す。売上金額データは、前日の売上金額を示す。一方、紙幣釣銭機1の在高データ(第1環流スタッカ19の在高データ+第2環流スタッカ20の在高データ+回収用カセット21の在高データ)は、上記紙幣回収処理の直後(あるいは売上算定期間の終了時)において紙幣釣銭機1内にある全紙幣の合計額を示す。硬貨釣銭機2の在高データ(金種別収納部31の在高データ)は、上記紙幣回収処理の直後(あるいは売上算定期間の終了時)において硬貨釣銭機2内にある全硬貨の合計額を示す。
【0034】
ここで、前日に紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2に準備及び補充された釣銭額に、前日のデータ上の売上金額を加算した額は、前日の終了時において紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2内に存在する全ての貨幣の合計金額に等しくなる。したがって、式(A)が成り立つ。これにより、本部9は、紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2内に実際に存在する現金としての売上金額が、データ上の売上金額に一致することを確認できる。
【0035】
次に、式(B)について検討する。
【0036】
入金結果データは、前述したように、ATM4を介して本部口座に入金された金額を示す。一方、回収用カセット21の在高データは、上記紙幣回収処理の直後(あるいは売上算定期間の終了時)において回収用カセット21内に存在する紙幣の合計金額を示す。前述したように、回収用カセット21内の全ての紙幣はATM4に預け入れられるので、これらの金額はそれぞれ等しくなる。したがって、式(B)が成り立つ。これにより、本部9は、式(B)が成り立つことを確認することで、回収用カセット21内の全ての紙幣が本部口座に入金されたことを本部9は確認できる。
【0037】
上記実施形態においては、売上金の紙幣相当額を全てATM4に預け入れたが、この紙幣相当額の全てを預け入れずに、預け入れる金額を、POSレジスタ3に当日分用として用意する釣銭額を勘案して決定しても良い。例えば、当日分用としての釣銭額を前日分のよりも多くするときは、それらの差額分の金額を紙幣相当額から捻出し、残りの金額分の紙幣をATM4に預け入れるようにしてもよい。また、当日分用としての釣銭額を前日分のよりも少なくするときは、その差額分の金額を紙幣相当額に加えた金額をATM4に預け入れるようにしてもよい。このようにすることで日ごとの事情を勘案したより弾力的な売上金額確定処理を行うことができる。なお、本実施形態においては、紙幣のみを受け付けるATM4を用いたが、紙幣及び硬貨を受け付けるATMを用いてもよい。
【0038】
また、上記実施形態においては、紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2を別体として構成したがこれらを一体化して構成してもよい。これにより、店内スペースを有効に活用することができる。また、ATM4とPOSレジスタ3とを一体化しても店内スペースを有効活用することができる。
【0039】
以上のように、本実施形態によれば、店内に設置されたATM4からの口座入金に基づいて銀行ホスト・コンピュータにより作成された入金結果データ、POSレジスタ3により取得された売上データ、紙幣釣銭機1及び硬貨釣銭機2内の各収納部における在高データを用いて売上金額の確定を行うようにした。これにより、売上金を必ずしも全て回収しなくとも売上金額確定処理を行うことができる。また、本実施形態によれば、店内のATM4から口座入金するようにしたので、口座入金のためにあえて銀行に行く必要はない。よって、銀行の開店時間に入金の時間を合わせたり、売上金を持ち歩く危険を心配したせずに、つまり任意の時間に且つ安全に口座に入金することができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、紙幣相当金額の入金については最小必要枚数の紙幣により行い、硬貨についてはこれを回収せずに翌日の釣銭として硬貨釣銭機2に残置するようにした。これにより、釣銭の流出を可及的に抑制することができ、したがって、釣銭の準備に必要な現金輸送費を抑制することができる。特に、硬貨を回収しないことにより、大幅に現金輸送費を抑制することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、釣銭機内の在高データをPOSサーバで認識できるようにするとともに、釣銭機内の売上金を現金自動受払機に預け入れるようにしたので、釣銭の不足を可及的に抑制できるとともに、入金を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としての売上金額確定システム及びこれを構成する各種装置間におけるデータの流れを示す図である。
【図2】紙幣釣銭機及び硬貨釣銭機の内部構成を示す図である。
【図3】小売店の売上金額確定処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 紙幣釣銭機(釣銭機)
2 硬貨釣銭機(釣銭機)
3 POSレジスタ
4 ATM(現金自動受払機)
5 銀行ホスト・コンピュータ(金融機関ホスト・コンピュータ)
6 POSサーバ
8 小売店(店舗)
9 本部
10 銀行(金融機関)
19 第1環流スタッカ(紙幣収納部)
20 第2環流スタッカ(紙幣収納部)
21 回収用カセット(紙幣回収部)
31 金種別収納部(硬貨収納部)
Claims (13)
- 店舗内に設置され、商品等の価格及び顧客からの受取り金の金額から売上金額と釣銭額とを算出するPOSレジスタと、
前記店舗内に設置され、前記受取り金と、釣銭用の貨幣とを収納するとともに、釣銭の出金処理を前記POSレジスタの指示により行い、収納している現金在高は前記POSレジスタにより認識される釣銭機と、
前記店舗内に設置され、前記釣銭機内の紙幣を受容し、入金指示データを作成する現金自動受払機と、
金融機関に設置され、前記現金自動受払機からの前記入金指示データにより所定の口座への入金処理を行い、前記入金処理による入金結果データを作成する金融機関ホスト・コンピュータと、
前記POSレジスタから受信した前記店舗の売上金額データと、前記POSレジスタから受信した在高データと、前記金融機関から受け取った前記入金結果データとを用いて前記店舗の売上金額の確定を行うPOSサーバと、
を備えた、売上金額確定システム。 - 前記売上金額の確定の対象となる前記売上金額のうち、紙幣のみで計上可能な部分の金額としての紙幣相当額に対応する紙幣が前記現金自動受払機に受容されることを特徴とする請求項1に記載の売上金額確定システム。
- 前記POSサーバ又は前記POSレジスタは、前記釣銭機内に収納された釣銭用の貨幣の額としての釣銭準備額データを管理するものとして構成されており、
前記POSサーバは、前記釣銭準備額データ、又は前記POSレジスタから受信した前記釣銭準備額データをさらに用いて前記店舗の売上金額の確定を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の売上金額確定システム。 - 前記釣銭機は、紙幣を収納するための紙幣収納部、硬貨を収納するための硬貨収納部、回収する紙幣を収納するための紙幣回収部を備え、
前記POSレジスタは、前記紙幣収納部及び前記硬貨収納部、前記紙幣回収部のそれぞれにおける現金在高を認識するようになっており、
前記在高データは、前記紙幣収納部の紙幣在高データと、前記硬貨収納部の硬貨在高データと、前記紙幣回収部の回収部在高データとを、あるいは、前記紙幣在高データと前記硬貨在高データの合計と、前記回収部在高データとを含む、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の売上金額確定システム。 - 前記売上金額データは、前記店舗の売上金額を確定する対象期間としての売上金額算定期間におけるものであり、
前記在高データは、前記売上金額算定期間の終了時におけるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の売上金額確定システム。 - 前記売上金額データは、前記店舗の売上金額を確定する対象期間としての売上金額算定期間におけるものであり、
前記在高データは、前記売上金額算定期間の終了時におけるものであり、
前記釣銭準備額データは、前記売上金額算定期間内に前記釣銭機内に補充されたものを含む前記売上金額算定期間内に前記釣銭機内に準備された前記釣銭用の貨幣の額を示すものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の売上金額確定システム。 - 店舗内に設置され、商品等の価格及び顧客からの受取り金の金額から売上金額と釣銭額とを算出するPOSレジスタと、
前記店舗内に設置され、前記受取り金と、釣銭用の貨幣とを収納するとともに、釣銭の出金処理を前記POSレジスタの指示により行う釣銭機であって、紙幣を収納するための紙幣収納部、硬貨を収納するための硬貨収納部、回収する紙幣を収納するための紙幣回収部を備え、前記紙幣収納部及び前記硬貨収納部、前記紙幣回収部のそれぞれにおける現金在高は前記POSレジスタにより認識される釣銭機と、
前記店舗内に設置され、前記紙幣回収部内に回収された紙幣を受容して、入金指示データを作成する現金自動受払機と、
金融機関に設置され、前記入金指示データを前記現金自動受払機から受信し、前記入金指示データにより所定の口座への入金処理を行って、前記入金処理による入金結果データを作成する金融機関ホスト・コンピュータと、
前記店舗の売上金額を確定する対象期間としての売上金額算定期間における前記店舗の売上金額データと、前記売上算定期間の終了時における前記紙幣収納部の紙幣在高データと、前記売上算定期間の終了時における前記硬貨収納部の硬貨在高データと、前記売上算定期間の終了時における前記紙幣回収部の回収部在高データとをそれぞれ前記POSレジスタから受信し、前記売上金額算定期間内に前記釣銭機内に収納された釣銭用の貨幣の額としての釣銭準備額データを管理するPOSサーバとを備え、
前記POSサーバは、前記釣銭準備額データ及び前記売上金額データの合計と、前記紙幣在高データ及び前記硬貨在高データ、前記回収部在高データの合計とを比較し、且つ、前記金融機関から受け取った前記入金結果データと前記回収部在高データとを比較して前記店舗の売上金額を確定することを特徴とする、
売上金額確定システム。 - 前記釣銭準備額データは前記POSレジスタによって管理されており、前記POSサーバは、前記POSレジスタから受信した前記釣銭準備額データを用いて、前記店舗の前記売上金額を確定することを特徴とする請求項7に記載の売上金額確定システム。
- 前記POSサーバは、前記紙幣在高データと前記硬貨在高データの両方、あるいは前記紙幣在高データと前記硬貨在高データを合計したものとしての合計データの少なくともいずれかを受信するこことを特徴とする請求項7又は8に記載の売上金額確定システム。
- 店舗内に設置され、商品等の価格及び顧客からの受取り金の金額から売上金額と釣銭額とを算出するPOSレジスタから、前記POSレジスタを管理するPOSサーバに、前記店舗の売上金額データを送信し、
前記店舗内に設置され、前記受取り金と、釣銭用の貨幣とを収納するとともに、釣銭の出金処理を前記POSレジスタの指示により行う釣銭機であって、収納している現在在高は前記POSレジスタにより認識される釣銭機、の在高データを、前記POSレジスタから前記POSサーバに送信し、
前記店舗内に設置され前記釣銭機内の紙幣回収部内の紙幣を受容した現金自動受払機により作成された入金指示データを、前記現金自動受払機から、金融機関に設置された金融機関ホスト・コンピュータに送信して、金融機関ホスト・コンピュータにおいて前記入金指示データによる所定の口座への入金処理を行うとともに、前記入金処理による入金結果データを作成し、
前記POSサーバが、前記POSレジスタから受信した前記店舗の前記売上金額データと、前記POSレジスタから受信した前記在高データと、前記金融機関から受け取った前記入金結果データとを用いて、前記店舗の売上金額の確定を行う、
売上金額確定方法。 - 店舗内に設置され、商品等の価格及び顧客からの受取り金の金額から売上金額と釣銭額とを算出するPOSレジスタから、前記POSレジスタを管理するPOSサーバに、前記店舗の売上金額を確定する対象期間としての売上金額算定期間における前記店舗の売上金額データを送信し、
前記店舗内に設置され、前記受取り金と、釣銭用の貨幣とを収納するとともに、釣銭の出金処理を前記POSレジスタの指示により行う釣銭機であって、前記POSレジスタによりそれぞれ現在在高が認識される、紙幣を収納するための紙幣収納部及び硬貨を収納するための硬貨収納部、回収する紙幣を収納するための紙幣回収部を備える釣銭機から、前記売上確定算定期間の終了時における前記紙幣収納部の在高データ及び前記売上確定算定期間の終了時における前記硬貨収納部の在高データ、前記売上確定算定期間の終了時における前記紙幣回収部の在高データをPOSサーバに送信し、
前記店舗内に設置され前記紙幣回収部内の紙幣を受容した現金自動受払機により作成された入金指示データを、前記現金自動受払機から、金融機関に設置された金融機関ホスト・コンピュータに送信して、金融機関ホスト・コンピュータにおいて前記入金指示データによる所定の口座への入金処理を行うとともに、前記入金処理による入金結果データを作成し、
前記売上金額算定期間内に前記釣銭機内に収納された釣銭用の貨幣の額としての釣銭準備額データを管理するPOSサーバが、前記釣銭準備額データと、前記POSレジスタから受信した売上金額データとの合計と、前記POSレジスタから受信した前記紙幣在高データと、前記硬貨在高データと、前記回収部在高データとの合計を比較し、且つ、前記金融機関から受け取った前記入金結果データと前記回収部在高データとを比較して、前記店舗の売上金額の確定をすることを特徴とする売上金額確定方法。 - 前記釣銭準備額データは前記POSレジスタによって管理されており、前記POSサーバは、前記POSレジスタから受信した前記釣銭準備額データを用いて、前記店舗の前記売上金額を確定することを特徴とする請求項11に記載の売上金額確定方法。
- 前記POSサーバは、前記紙幣在高データと前記硬貨在高データの両方、あるいは前記紙幣在高データと前記硬貨在高データを合計した合計データの少なくともいずれかを受信することを特徴とする請求項11又は12に記載の売上金額確定方法。
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