以下、添付図面を参照して、本実施例に係る貨幣処理装置、貨幣処理システム及び貨幣処理方法の実施例を説明する。本実施例では、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店内に配設された貨幣処理装置に本発明を適用した場合を示すこととする。
<本実施例に係る貨幣処理装置の概念>
図1は、本実施例に係る貨幣処理装置の概念を説明するための説明図である。図1に示した貨幣処理装置30を含む精算装置10は、顧客自身が商品の登録及び精算を行うセルフレジ用の装置である。その詳細な説明については後述するが、精算装置10は、商品の登録を行うPOSレジとしての金銭登録機20と貨幣の入出金を行う貨幣処理装置30とを有し、貨幣処理装置30の硬貨投入口51、硬貨払出口55、紙幣投入口41a及び紙幣投出口42aが設けられている。
を有する。
顧客が精算装置10を操作して商品の登録を行い、硬貨投入口51及び紙幣投入口41aに対して商品の対価となる貨幣を投入した場合に、投入された貨幣の金額が商品の小計額を超えるならば、精算装置10は、投入された貨幣の入金額と商品の小計額との差分を算定し、算定した差分を釣銭として出金処理する。なお、硬貨を出金処理する場合には、硬貨払出口55へ払い出しを行い、紙幣を出金処理する場合には、紙幣投出口42aへ払い出しを行う。
ここで、出金処理される貨幣は、一般に、貨幣の枚数が最小となる金種の組み合わせが選択される。すなわち、可能な限り高額紙幣を優先した金種の組み合わせが選択される。したがって、顧客が入金した貨幣に特定の金種の多量の貨幣が含まれている場合には、特定の金種が高額貨幣側に逆両替された釣銭として出金されるとともに、特定の金種の貨幣が収納庫に多量に収納され、収納庫がフル状態になり、その後精算する他の顧客は、金種の代替出金によってこの特定の金種を大量に含む釣銭を受け取ることなる。この代替出金とは、例えば千円札1枚の釣銭を出金する代わりに、500円硬貨2枚の釣銭を出金することを意味する。
そこで、貨幣処理装置30は、まず、金銭登録機20から小計額を受け取ると(S1)、貨幣の入金を許可し、入金された貨幣の金種と数量(枚数)とからなる入金構成と、入金額とを取得する(S2)。その後、貨幣処理装置30は、入金額から小計額を減算した釣銭額を算定する(S3)。その後、貨幣処理装置30は、小計額を構成する貨幣の枚数が最小となる金種と枚数との組み合わせである小計額最小構成を算出する(S4)。そして、貨幣処理装置30は、金種ごとに、入金構成から小計額最小構成を減算した釣銭額出金構成を算出し(S5)、この釣銭額出金構成が示す金種と枚数との組み合わせからなる貨幣を釣銭として出金する。
例えば、小計額が3455円であり、入金額が7500円であり、入金額の入金構成が、1000円紙幣4枚、500円硬貨5枚、100円硬貨7枚、50円硬貨5枚、10円硬貨5枚、5円硬貨0枚である場合には、釣銭額が4045円となる。一方、小計額最小構成は、1000円紙幣3枚、500円硬貨0枚、100円硬貨4枚、50円硬貨1枚、10円硬貨0枚、5円硬貨1枚となる。そして、金種ごとに、入金構成から小計額最小構成を減算した釣銭額出金構成を算出する。釣銭額出金構成は、1000円紙幣1枚、500円硬貨5枚、100円硬貨3枚、50円硬貨4枚、10円硬貨10枚、5円硬貨1枚となる。なお、入金構成は、5円硬貨が0枚であるため、10円硬貨1枚を5円硬貨2枚に両替して釣銭額出金構成を算出する。
ここで、従来の貨幣処理装置では、釣銭額が4045円であるため、1000円紙幣4枚、10円硬貨4枚、5円硬貨1枚が釣銭額最小構成となり、これらの貨幣が釣銭として出金され、枚数の多い500円硬貨(5枚)、100円硬貨(7枚)、50円硬貨(5枚)は、すべて収納庫に収納されてしまう。その結果、収納庫がフル状態に近づいてしまう。これに対して、本実施例に係る貨幣処理装置30では、金種毎に、入金構成から小計額最小構成を減算した釣銭額出金構成を釣銭として出力している。すなわち、最適な小計額最小構成の金種と枚数とが収納庫に収納され、余剰分である釣銭額出金構成の金種と枚数とが顧客側に払い戻される。この結果、商品購入の精算時に顧客が特定の金種の大量投入を含む入金を発生させても、その後に精算する顧客に対する釣銭対応への影響を小さくすることができる。
<精算装置10の構成>
次に、図1に示した精算装置10の構成について説明する。図2は、図1に示した精算装置10の外観構成を示す斜視図である。図2に示す精算装置10は、金銭登録機20と貨幣処理装置30とを有する。金銭登録機20は、表示操作部21、バーコードリーダ22、カードリーダ23を有し、貨幣処理装置30は、表示操作部32、紙幣投入口41a、紙幣投出口42a、硬貨投入口51、硬貨払出口55を有する。
また、精算装置10には、商品台11及び商品台12が併設されている。商品台11と商品台12の一方は、未登録の商品を載置する台であり、他方は登録済の商品を載置する台である。例えば、商品台11を未登録の商品の載置に用い、商品台12を登録済の商品の載置に用いる場合には、商品台11に買い物かごのイラストを付し、商品台12に買い物袋のイラストを付しておく。
顧客は、購入対象の商品を買い物かごに入れたままの状態で商品台11に載置し、商品をとりだしてバーコードリーダ22に翳して登録し、商品台12に移す操作を繰り返すことになる。なお、バーコードリーダ22は、商品に付されたバーコードを読み取ることで商品の名称や価格等の情報を取得することができ、精算装置10はバーコードから取得された情報を用いて商品の登録を行う。
金銭登録機20の表示操作部21は、液晶タッチパネルディスプレイなどであり、操作の案内表示や登録された商品の表示を行うとともに、各種操作入力を受け付けることができる。カードリーダ23は、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード等のペイメントカードを用いた精算を行う場合に利用される。
紙幣投入口41aと硬貨投入口51は、それぞれ紙幣と硬貨の投入に用いられ、紙幣投出口42aと硬貨払出口55は、それぞれ紙幣と硬貨の投出に用いられる。例えば、顧客は、商品の登録後、表示操作部21に表示された価格を確認し、商品の対価となる貨幣を紙幣投入口41aや硬貨投入口51に投入する。そして、釣銭の出金処理が必要であれば、精算装置10は紙幣投出口42aや硬貨払出口55へ釣銭としての貨幣を出金処理する。
貨幣処理装置30の表示操作部32は、液晶タッチパネルディスプレイ等であり、貨幣処理装置30に収納された貨幣の金種別在高の表示など、貨幣処理装置30に係る表示を行うとともに、貨幣処理装置30に係る操作の受付を行う。
図3は、精算装置10の機能構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、精算装置10は、商品の登録を行う金銭登録機20と貨幣の入出金を行う貨幣処理装置30とを有する。
金銭登録機20は、既に説明した表示操作部21、バーコードリーダ22及びカードリーダ23に加え、印字部24、通信部25及びPOS制御部26を有する。印字部24は、取引内容を印字したレシートの発行に用いられる。レシートに印字される取引内容は、例えば日時、登録された商品の名称、価格、投入された貨幣の金額、釣銭の金額などである。通信部25は、釣銭機30や外部のサーバとの通信を行う通信インタフェースである。
POS制御部26は、金銭登録機20を全体制御する制御部であり、購入商品登録部26a、購入金額算定部26b及び決済処理部26cを有する。また、POS制御部26は、商品台11及び商品台12にそれぞれ設けられた重量センサ27a及び重量センサ27bから重量の計測結果を取得することができる。ここでは、重量センサ27aを未登録の商品の載置に用いる商品台11に設け、重量センサ27bを登録済の商品の載置に用いる商品台12に設けた構成を例に説明する。
購入商品登録部26aは、購入対象となる商品の登録を行う処理部である。具体的には、バーコードリーダ22が商品に付されたバーコードを読み取って商品の名称や価格等の情報を取得した場合に、購入商品登録部26aは、取得された情報を用いて商品の登録を行い、登録した商品を表示操作部21に表示する。
購入商品登録部26aは、重量センサ27a及び重量センサ27bの計測結果を用いて登録した商品が商品台12に置かれたか否かを判定し、登録した商品が商品台12に置かれた場合に次の商品を登録可能な状態となる。
すなわち、商品の登録前に生じた重量センサ27aの計測結果の減少が商品の重量に対応するので、重量センサ27bの計測結果が商品の重量分増加したときに「登録した商品が商品台12に置かれた」と判定し、次の商品の登録を可能とするのである。
また、購入商品登録部26aは、重量センサ27aの計測結果が買い物かごの重量相当となり、最後に登録された商品が商品台12に置かれたと判定した場合に、商品の登録を終了する。
購入金額算定部26bは、購入商品登録部26aが商品の登録を終了した場合に、登録された全ての商品の価格を合計することで購入金額を算定し、表示操作部21に表示する処理を行う。
決済処理部26cは、購入金額算定部26bにより算定された購入金額の決済を行って取引を完了し、レシートの発行を行う処理部である。購入金額の決済は、ペイメントカードにより行ってもよいし、現金により行ってもよい。
具体的には、決済処理部26cは、ペイメントカードによる決済が選択された場合には、カードリーダ23に挿入されたペイメントカードからカードID等の情報を取得し、購入金額とともに外部のサーバに送信することで決済を行う。
また、決済処理部26cは、現金による決済が選択された場合には、貨幣処理装置30に購入金額である小計額を送信し、貨幣処理装置30から精算完了通知を受信した場合に決済を完了する。
貨幣処理装置30は、既に説明した表示操作部32に加え、通信部31、記憶部33、貨幣処理制御部34、紙幣処理ユニット40及び硬貨処理ユニット50を有する。通信部31は、金銭登録機20との通信を行う通信インタフェースである。
記憶部33は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ又はハードディスク装置等の二次記憶媒体等からなる記憶デバイスであり、在高データ33a及び設定値33bを記憶する。在高データ33aは、紙幣処理ユニット40及び硬貨処理ユニット50の各々に収納されている貨幣の金種別の在高を示すデータである。設定値33bは、出金処理時をはじめ、貨幣処理機30の制御等において用いられる各種設定データである。
紙幣処理ユニット40は、紙幣を金種別に収納するユニットであり、硬貨処理ユニット50は硬貨を金種別に収納するユニットである。紙幣処理ユニット40及び硬貨処理ユニット50の詳細については後述する。
貨幣処理制御部34は、貨幣処理装置30を全体制御する制御部であり、入金処理部34a及び出金処理部34bを有する。入金処理部34aは、貨幣の入金処理を行う処理部である。入金処理部34aは、金銭登録機20から小計額を受信した場合に、紙幣処理ユニット40及び硬貨処理ユニット50に対する貨幣の投入を許可する。
その後、入金処理部34aは、紙幣処理ユニット40及び硬貨処理ユニット50から投入された貨幣の金種別の枚数である入金構成を取得し、投入された貨幣の入金額を算定する。投入された貨幣の入金額が小計額を超えるならば、入金処理部34aは、入金額と小計額とのの差分を釣銭額として算定し、出金処理部34bに釣銭の出金指示を行う。
投入された貨幣の小計額が入金額と一致するか、もしくは出金処理部34bによる釣銭の出金が正常に終了した場合、入金処理部34aは金銭登録機20に精算完了通知を送信する。
出金処理部34bは、貨幣の出金処理を行う処理部である。具体的には、出金処理部34bは、入金処理部34aから釣銭の出金指示を受けた場合に、釣銭額に応じて払い出すべき金種と枚数を決定し、紙幣処理ユニット40及び硬貨処理ユニット50に対して払出指示を出力することで出金処理を行う。そして、釣銭の出金が正常に終了した場合には、入金処理部34aに通知する。
出金処理部34bは、出金処理時において払い出すべき金種と枚数を示す釣銭額出金構成を決定する場合、小計額を構成する貨幣の枚数が最小となる金種と枚数との組み合わせである小計額最小構成を算出する。そして、出金処理部34bは、金種ごとに、入金構成から小計額最小構成を減算した釣銭額出金構成を算出し、釣銭額出金構成が示す金種毎の枚数を釣銭として出金処理する。
次に、紙幣処理ユニット40及び硬貨処理ユニット50の詳細について説明する。図4は、紙幣処理ユニット40の構成を示す構成図である。図4に示すように、紙幣処理ユニット40は、紙幣受入部41と、紙幣払出部42と、出金リジェクト部43と、カセット装着部44と、周回搬送部45と、紙幣識別部46と、金種別の紙幣収納部47とを有する。
紙幣受入部41は、紙幣投入口41aに対する紙幣の投入を受け付け、1枚ずつ周回搬送部45に繰り出す処理部である。紙幣払出部42は、周回搬送部45から1枚ずつ搬送された紙幣を一時的に貯留し、払い出すべき全ての紙幣が揃った場合に紙幣投出口42aから投出することで紙幣を払い出す処理部である。
出金リジェクト部43は、金種が識別できない等、出金に適さない紙幣を内部に集積する。例えば、出金処理時において紙幣収納部47から繰り出された紙幣のうち、重送や斜行等の搬送異常により紙幣識別部46で識別することができなかった紙幣は出金リジェクト部43に搬送される。なお、紙幣受入部41から取り込まれた紙幣のうち、入金処理時において汚損等により紙幣識別部46で識別することができなかった紙幣は、入金リジェクト紙幣として紙幣払出部42に返却される。
カセット装着部44は、売上金の回収や釣銭の補充に用いる収納カセット60を着脱可能である。複数の紙幣収納部47は、それぞれ対応する金種が設定されており、設定された金種の紙幣を収納するとともに、収納されている紙幣を1枚ずつ繰出可能である。
周回搬送部45は、中央に周回搬送路を有しており、紙幣受入部41、紙幣払出部42、出金リジェクト部43、カセット装着部44及び複数の紙幣収納部47と周回搬送路との間には接続搬送路が設けられている。また、周回搬送路には、紙幣の金種、真偽、正損、表裏、搬送状態等の識別を行う紙幣識別部46が設けられている。
周回搬送部45は、図4における時計回りの方向及び反時計回りの方向に周回搬送路を回転駆動することで、紙幣を1枚ずつ搬送することができる。具体的には、紙幣を紙幣収納部47に収納する場合には、周回搬送路を図4における時計回りに回転駆動し、紙幣を紙幣収納部47から繰り出す場合には、周回搬送路を図4における反時計回りに回転駆動することになる。この回転駆動の制御に加え、周回搬送路と各接続搬送部との間で紙幣の搬送経路を切り換えることで、周回搬送部45は、紙幣の搬送先を制御する。
図5は、硬貨処理ユニット50の構成を示す構成図である。図5に示すように、硬貨処理ユニット50は、硬貨投入口51、入金硬貨搬送部52、金種別の硬貨収納部53、出金硬貨搬送部54及び硬貨払出口55を有する。また、入金硬貨搬送部52には入金硬貨識別部52aが設けられ、出金硬貨搬送部54には出金硬貨識別部54aが設けられている。
入金硬貨搬送部52は、硬貨投入口51に投入された硬貨を1層1列状態で1枚ずつ筐体内に取り込む。具体的には、入金硬貨搬送部52には繰出ベルト等からなる硬貨繰出機構が設けられており、硬貨投入口51に対する硬貨の投入を検知すると、硬貨繰出機構が駆動されることにより硬貨が1枚ずつ繰り出される。
入金硬貨識別部52aは、入金硬貨搬送部52に繰り出された硬貨の金種、真偽、正損、表裏、搬送状態等の識別を行う。入金硬貨搬送部52は、入金硬貨識別部52aの識別結果に基づいて、硬貨の搬送先を決定する。このとき、真正と識別できない、汚損があるなど、硬貨収納部53での収納に適さない硬貨は、リジェクト硬貨として硬貨払出口55が搬送先となる。硬貨収納部53での収納に適する硬貨であれば、金種の識別結果に対応する硬貨収納部53が搬送先となる。
複数の硬貨収納部53は、それぞれ対応する金種が設定されており、設定された金種の硬貨を収納するとともに、収納されている硬貨を1枚ずつ出金硬貨搬送部54に繰り出することができる。
出金硬貨搬送部54は、硬貨収納部53から繰り出された硬貨を搬送して硬貨払出口55に投出する。出金硬貨識別部54aは、硬貨払出口55の手前に設けられ、硬貨払出口55に投出された硬貨の金種を識別する。
<釣銭の出金処理>
次に、貨幣処理装置30における釣銭の出金処理について説明する。図6は、貨幣処理装置30における釣銭の出金処理の処理手順を示すフローチャートである。まず、貨幣処理装置30の入金処理部34aは、金銭登録機20から小計額を受信し(ステップS101)、紙幣処理ユニット40及び硬貨処理ユニット50によって貨幣の投入を受け付ける(ステップS102)
入金処理部34aは、紙幣処理ユニット40及び硬貨処理ユニット50に投入された貨幣の金種毎の枚数からなる入金構成と入金額とを算定するとともに、投入された貨幣の入金額と小計額との差分を釣銭額として算定する(ステップS103)。
釣銭がある場合、すなわち投入された貨幣の入金額が小計額を超える場合(ステップS104;Yes)、出金処理部34bが釣銭の出金処理を行う(ステップS105)。投入された貨幣の入金額が小計額と一致して釣銭がゼロである場合(ステップS104;No)、もしくはステップS105の出金処理が正常に終了した場合、入金処理部34aは金銭登録機20に精算完了通知を送信して(ステップS106)、処理を終了する。
次に、ステップS105の出金処理部34bによる出金処理の処理手順について説明する。図7は、ステップS105の出金処理部34bによる出金処理の処理手順を示すフローチャートである。まず、出金処理部34bは、小計額に基づいて、小計額を構成する貨幣の枚数が最小となる金種と枚数との組み合わせである小計額最小構成を算出する(ステップS201)。
さらに、出金処理部34bは、金種ごとに、入金構成から小計額最小構成を減算した釣銭額出金構成を算出する釣銭額出金構成算出処理を行う(ステップS202)。
その後、出金処理部34bは、釣銭額出金構成の各金種の枚数が収納庫内にあるか否かを判定する(ステップS203)。釣銭額出金構成の各金種の枚数が収納庫内にないならば(ステップS203;No)、釣銭額出金構成を、枚数が不足する金種の下位金種によって代替した釣銭額出金構成に更新する(ステップS204)。
その後、出金処理部34bは、釣銭額出金構成の各金種の枚数が収納庫内にある場合(ステップS203;Yes)、または、釣銭額出金構成を、枚数が不足する金種の下位金種によって代替した釣銭額出金構成に更新した(ステップS204)後、現在の釣銭額出金構成によって釣銭の出金処理を行い(ステップS205)、ステップS105に移行する。なお、ステップS203,S204の処理は、ステップS202の釣銭額出金構成算出処理時に行うようにしてもよい。
次に、ステップS202の出金処理部34bによる釣銭額出金構成算出処理の処理手順について説明する。図8は、ステップS202の出金処理部34bによる釣銭額出金構成算出処理の処理手順を示すフローチャートである。まず、出金処理部34bは、つり銭として出金される金種のうちの最低額金種を選択する(ステップS301)。その後、出金処理部34bは、選択された金種に対する小計額最小構成の枚数が、選択された金種の入金構成の枚数より大きいか否かを判定する(ステップS302)。
選択された金種に対する小計額最小構成の枚数が、選択された金種の入金構成の枚数より大きい場合には(ステップS302.Yes)、入金構成を、選択された金種より高額(上位)の金種による両替を行った入金構成に更新する(ステップS303)。
選択された金種に対する小計額最小構成の枚数が、選択された金種の入金構成の枚数より大きくない場合(ステップS302.No)、または、入金構成を、選択された金種より高額(上位)の金種による両替を行った入金構成に更新した(ステップS303)ならば、選択された金種の釣銭額出金構成の枚数を算出する(ステップS304)。すなわち、選択された金種の入金構成の枚数から、選択された金種の小計額最小構成の枚数を減算して、選択された金種の釣銭額出金構成の枚数を算出する。
その後、出金処理部34bは、全金種の選択が終了したか否かを判定する(ステップS305)。全金種の選択が終了していないならば(ステップS305;No)、現在選択された金種の次に大きい金種を選択し(ステップS306)、ステップS302に移行して上記の金種毎の釣銭額出金構成の枚数の算出処理を、全金種の選択が終了するまで続行する。
一方、全金種の選択が終了したならば(ステップS305;Yes)、算出された釣銭額出金構成を出力して(ステップS307)、ステップS202に移行する。
次に、図9を参照して、具体的な釣銭額出金構成算出処理について説明する。図9に示すように、小計額が3455円であり(図9(a))、入金額が7500円であり、入金額の入金構成が、1000円紙幣4枚、500円硬貨5枚、100円硬貨7枚、50円硬貨6枚、10円硬貨0枚、5円硬貨0枚である(図9(b))場合、釣銭額が4045円として算定される(図9(c))。なお、入金構成は、50円硬貨5枚、10円硬貨5枚とする図1の入金構成に対し、50円硬貨6枚、10円硬貨0枚とする点が異なる。
一方、小計額最小構成は、1000円紙幣3枚、500円硬貨0枚、100円硬貨4枚、50円硬貨1枚、10円硬貨0枚、5円硬貨1枚として算出される(図9(d))。そして、最小金種から、金種ごとに、入金構成から小計額最小構成を減算した釣銭額出金構成を算出するが、5円硬貨の小計額最小構成の枚数(1枚)は、5円硬貨の入金構成の枚数(0枚)より大きいため、5円硬貨より高額の金種である10円硬貨を両替するが、10円硬貨も0枚であるため(図9(e))、50円硬貨を10円硬貨に両替した入金構成に更新する(図9(f))。この入金構成は、図1に示した最初の入金構成と同じである。その後、10円硬貨を5円硬貨に両替した入金構成に更新する(図9(g))。これにより、すべての金種で、入金構成の枚数が小計額最小構成の枚数より大きくなる。
その後、各金種毎に、更新された入金構成の枚数から小計額最小構成の枚数を減算して釣銭額出金構成を算出する(図9(h))。最終的な釣銭額出金構成は、入金構成(1000円紙幣4枚、500円硬貨5枚、100円硬貨7枚、50円硬貨5枚、10円硬貨4枚、5円硬貨2枚)から小計値最小構成(1000円紙幣3枚、500円硬貨0枚、100円硬貨4枚、50円硬貨1枚、10円硬貨0枚、5円硬貨1枚)を金種毎に減算し、1000円紙幣1枚、500円硬貨5枚、100円硬貨3枚、50円硬貨4枚、10円硬貨4枚、5円硬貨1枚となる。この釣銭額出金構成の金種毎の枚数が、釣銭として紙幣投出口41a及び硬貨払出口55へ払い出される。また、投入された金種毎の貨幣は、紙幣収納部47及び硬貨収納部53に収納される。
上述してきたように、本実施例では、金種毎に入金構成から小計額最小構成を減算した余剰分の釣銭額出金構成の金種毎の枚数を釣銭として顧客側に払い出すとともに、投入された金種毎の枚数を収納庫に格納するようにしているため、精算毎に特定の金種の格納枚数が急増することを防止することができる。この結果、商品購入の精算時に顧客が特定の金種の大量投入を含む入金を発生させても、その後に精算する顧客に対する釣銭に、代替された特定の金種の貨幣が大量に含まれることが防止され、その後に精算する顧客に対する釣銭対応への影響を小さくすることができる。
<変形例1>
これまでの説明では、入金された金種の構成の中に釣銭として顧客側に払い出す金種構成が含まれていた場合、当該の金種を払い出す様に出金処理を行うようにしていたが、本変形例1では、収納庫在高状態を加味し、収納庫在高が多い状態の金種がある場合は、収納庫在高が多い状態の金種の枚数をさらに増やした釣銭額出金構成によって出金処理を行い、収納庫在高が少ない状態の金種がある場合は、収納庫在高が少ない状態の金種を減らした釣銭額出金構成によって出金処理を行い、収納庫在高が適量な状態となるようにしている。
図10は、本変形例1に係る貨幣処理装置30の出金処理部34bによる出金処理の処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、まず、出金処理部34bは、実施例と同様に、小計額に基づいて、小計額を構成する貨幣の枚数が最小となる金種と枚数との組み合わせである小計額最小構成を算出する(ステップS401)。
さらに、出金処理部34bは、金種ごとに、入金構成から小計額最小構成を減算した釣銭額出金構成を算出する釣銭額出金構成算出処理を行う(ステップS402)。
その後、出金処理部34bは、1つの金種を選択する(ステップS403)。そして、出金処理部34bは、収納庫在高状態が、エンプティ又はニアエンプティか、ニアフル又はフルか、適量範囲かを、在高データ33aを参照して判定する(ステップS404)。
収納庫在高状態が、エンプティ又はニアエンプティであるならば(ステップS404;エンプティ又はニアエンプティ)、小計額最小構成を、選択された金種の枚数を減らした釣銭額出金構成に更新する(ステップS405)。選択された金種の枚数の増量は、エンプティ又はニアエンプティに応じて収納庫在高状態が適量範囲となるように行うことが好ましい。
収納庫在高状態が、ニアフル又はフルであるならば(ステップS404;ニアフル又はフル)、小計額最小構成を、選択された金種の枚数を増やした釣銭額出金構成に更新する(ステップS406)。選択された金種の枚数の減量は、ニアフル又はフルに応じて収納庫在高状態が適量範囲となるように行うことが好ましい。
ステップS405,S406の処理で釣銭額出金構成が更新された場合、ステップS407に移行する。
収納庫在高状態が、適量範囲であるならば(ステップS404;適量範囲)、そのままステップS407に移行する。
ステップS407では、全金種の選択が終了したか否かを判定する。全金種の選択が終了していないならば(ステップS407;No)、さらに他の金種を選択し(ステップS408)、ステップS404に移行して上記の処理を金種毎に繰り返し行う。
一方、全金種の選択が終了しているならば(ステップS407;Yes)、釣銭額出金構成による出金処理を行って(ステップS409)、ステップS105に移行する。
なお、本変形例1では、収納庫在高状態が少ない状態をエンプティ又はニアエンプティであるかによって判定し、収納庫在高状態が多い状態をニアフル又はフルであるかによって判定していたが、各金種の残置設定枚数より多いか少ないかによって収納庫在高状態を判定してもよい。残置設定枚数とは、収納庫に対する残置回収時に、収納庫に残置する貨幣の量であり、あらかじめ設定される設定値33bである。
また、設定値33bは、出金処理時に収納庫在高状態を増減変更するための専用の金種別の所定量(枚数)を設定値33bとしてあらかじめ設定してもよい。
さらに、出金処理時に収納庫在高状態を増減する収納庫の優先度を設定値33bとしてあらかじめ設定しておき、優先度の高い収納庫から順に出金処理時に収納庫在高状態を増減変更するようにしてもよい。
このようにして、本変形例1では、釣銭の出金処理時に収納庫在高状態を増減変更するための所定量(枚数)を設定し、この所定量を判定基準として、釣銭の出金処理時に収納庫在高状態を増減変更しているので、収納庫在高状態を安定して適正量とすることができる。すなわち、精算時に顧客が特定の金種の大量投入を含む入金を発生させても、その後に精算する顧客に対する釣銭対応への影響を小さくすることができる。
<変形例2>
上記の実施例では、収納庫在高の枚数が不足する場合に下位金種の代替を行った釣銭額出金構成の出金処理を行うようにしていたが、本変形例2では、金種毎に算出される入金構成の枚数と小計額最小構成の枚数との差分枚数である余剰値が下限値を超える場合のみ、釣銭額出金構成の出金処理を行い、余剰値が下限値を超えない場合、釣銭額が最小枚数となる釣銭額最小構成で出金処理を行うようにしている。すなわち、精算時に顧客が特定の金種の大量投入を含む入金を発生させた場合のみ、釣銭額出金構成の出金処理を行うようにしている。
図11は、本変形例2に係る貨幣処理装置30の出金処理部34bによる出金処理の処理手順を示すフローチャートである。図11に示すステップS501~S504は、図7に示した実施例におけるステップS201~S204と同じ処理を行う。図7では、その後、釣銭額出金構成による出金を行っていた(ステップS205)が、本変形例2では、その後、金種毎に算出される入金構成の枚数と小計額最小構成の枚数との差分枚数である余剰値が下限値を超える金種があるか否かを判定する(ステップS505)。
余剰値が下限値を超える金種があるならば(ステップS505;Yes)、釣銭額出金構成による出金を行い(ステップS506)、余剰値の貨幣を返却して、ステップS105に移行する。
一方、余剰値が下限値を超える金種がないならば(ステップS505;No)、精算時に顧客が特定の金種の大量投入を含む入金を発生していないため、通常時と同様に、釣銭額最小構成による出金を行い(ステップS507)、ステップS105に移行する。
図12は、入力構成、小計額最小構成、釣銭額出金構成及び釣銭額最小構成の一例を示す図である。図12において、下限値が3枚に設定されていると、500円硬貨は、余剰値(釣銭額出金構成)が5枚であり、下限値を超えて投入枚数が多い金種であるため、余剰値を顧客に返却するべく釣銭額出金構成による出金が行われる。なお、下限値を3枚にすると、この下限値は、100円硬貨や10円硬貨に対しては通常の釣銭額最小構成に現れる枚数であるため、適切でない。したがって、下限値は金種毎に設定することが好ましい。
また、余剰値の合計値に対する下限値を設定してもよい。あるいは、特定の複数金種の余剰値の合計値に対する下限値を設定してもよい。また、下限値は、余剰値ではなく、入金構成の金種の絶対投入枚数であってもよいし、絶対投入枚数の合計値であってもよい。
本変形例2では、精算時に常に余剰値の貨幣を顧客にそのまま返却するのではなく、精算時に顧客が特定の金種の大量投入を含む入金を発生させた場合のみ、すなわち余剰値が下限値を超える金種がある場合や余剰値の合計値が下限値を超える場合、あるいは金種の絶対投入枚数が下限値を超える場合や絶対投入枚数の合計値が下限値を超える場合、釣銭額出金構成による出金を行って貨幣を顧客に返却するよういしているので、実施例の効果を奏するとともに、精算時に特定の金種の大量投入を含む入金を発生させない通常の顧客に対しては適正な釣銭対応を行うことができる。
<変形例3>
上記の変形例2では、精算時に顧客が特定の金種の大量投入を含む入金を発生させた場合のみ、すなわち、余剰値や絶対投入枚数が下限値を超える場合のみ、釣銭額出金構成による出金を行って余剰分の貨幣をそのまま顧客に返却するようにしていたが、本変形例3では、返却される余剰値の枚数が、収納庫に収納される釣銭額最小構成の枚数を考慮し、上限値を超えて多い場合に、上限値を超える金種の貨幣を上位金種に逆両替し、貨幣枚数を減じて顧客に返却するようにしている。
図13は、本変形例3に係る貨幣処理装置30の出金処理部34bによる出金処理の処理手順を示すフローチャートである。図13に示すステップS601~S605,S607,S609は、図11に示した変形例2におけるステップS501~S507と同じ処理を行う。本変形例2は、図11に示した変形例2のステップS505,S506間にステップS606,S608を追加している。
すなわち、図13に示すように、余剰値が下限値を超える金種があるならば(ステップS605;Yes)、さらに、余剰値から小計額最小構成を減算した値が上限値を超える金種があるか否かを判定する(ステップS606)。
余剰値から小計額最小構成を減算した値が上限値を超える金種がないならば(ステップS606;No)、ステップS506と同様に、釣銭額出金構成による出金を行い(ステップS607)、余剰値の貨幣を返却して、ステップS105に移行する。
一方、余剰値から小計額最小構成を減算した値が上限値を超える金種があるならば(ステップS606;Yes)、上限値を超える金種のい貨幣を上位金種に逆両替した釣銭額出金構成に更新した(ステップS608)後、ステップS607に移行し、釣銭額出金構成による出金を行い(ステップS607)、余剰値の貨幣を返却して、ステップS105に移行する。
具体的には、図12において、上限値が3枚に設定されていると、500円硬貨は、余剰値から小計地最小構成を減算した値が5枚であり、収納庫への収納枚数を減じても上限値を超えて余剰値の返却枚数が多い金種であるため、例えば500円硬貨2枚を上位金種である1000円紙幣1枚に逆両替して返却枚数を減らすようにしている。
すなわち、余剰値の返却枚数が、同一金種の投入枚数のうちのいくらかが小計額として収納庫へ収納されている枚数を考慮した上限値を超える場合、その収納分を考慮して余剰値の返却枚数を減らすことは顧客にとって有利なものとなり、釣銭額出金構成による出金を行っているので、その後精算する顧客に対する釣銭対応への影響も少ない。
なお、上限値は、金種毎に異なる値を設定してもよい。また、上限値は、硬貨及び紙幣の枚数の合計値に対して設定してもよい。さらに、上限値は、硬貨のみに対して設定し、金種毎に異なる値を設定してもよい。また、上限値は、硬貨のみの異なる金種の枚数の合計値に対して設定してもよい。
<変形例4>
上記の実施例では、入金された貨幣の全てを対象として入金額及び入金構成を算定し、釣銭額出金構成を算出して釣銭を出金するようにしていたが、本変形例4では、貨幣の入金時に余剰の入金貨幣を予めリジェクトして顧客に返却するようにしている。
図14は、本変形例4に係る貨幣処理装置30による釣銭の出金処理の処理手順を示すフローチャートである。図14に示したフローチャートでは、図6に示したフローチャートのステップS102,S103間に、ステップS102a,S102bを新たに追加している。
すなわち、紙幣処理ユニット40及び硬貨処理ユニット50によって貨幣の投入を受け付けた(ステップS102)後、入金処理部34aは、紙幣処理ユニット40及び硬貨処理ユニット50に投入された貨幣の入金額が小計額を超えたか否かを判定する(ステップS102a)。
投入された貨幣の入金額が小計額を超えたならば(ステップS102a;Yes)、その後の入金貨幣をリジェクトし(ステップS102b)、リジェクトされた入金貨幣は、紙幣投出口41aまたは硬貨払出口55へ払い出される。その後、ステップS103に移行する。一方、投入された貨幣の入金額が小計額を超えないならば(ステップS102a;No)、そのままステップS103に移行する。
ステップS103では、入金処理部34aが、紙幣処理ユニット40及び硬貨処理ユニット50に投入され、リジェクトされなかった貨幣の金種毎の枚数からなる入金構成と入金額とを算定するとともに、投入された貨幣の入金額と小計額との差分を釣銭額として算定する。以降の処理では、ステップS103で算定された入金構成と入金額とが用いられて処理される。
なお、紙幣投出口41a及び硬貨払出口55は、リジェクトされた貨幣が払い出されるリジェクト部と機能するとともに、釣銭が払い出される払出部として機能する排出部である。
本変形例4では、入金額が小計額を超えた時点で、その後投入される貨幣をリジェクトして返却するようにしているので、釣銭額出金構成の算出処理が容易となり、迅速な出金処理を行うことができる。
<変形例5>
上記の実施例で説明した貨幣処理装置30は、入金された貨幣などを一時保留する一時保留部が設けられていなかったが、本変形例5では、貨幣処理装置30に一時保留部56を設けている。
図15は、変形例5に係る硬貨処理ユニット50の構成を示す構成図である。図15に示すように、変形例5では、硬貨投入口51と入金硬貨搬送部52との間に一時保留部56を設けている。また、硬貨投入口51と一時保留部56との間には入金硬貨識別部52cを設けている。その他の構成は、図5に示した硬貨処理ユニット50と同じである。
硬貨投入口51から入金された硬貨は入金硬貨識別部52cを介して一時保留部56に一時保留される。入金硬貨識別部52cは、通過する硬貨の金種、真偽、正損、表裏、搬送状態等の識別を行う。一時保留部56は、例えば、真正と識別できない、汚損があるなど、硬貨収納部53での収納に適さない硬貨は、リジェクト硬貨として硬貨払出口55に返却される。なお、紙幣処理ユニット40にも一時保留部56と同様な一時保留部が設けられる。
図16は、一時保留部56を用いた出金処理部34bによる出金処理の処理手順を示すフローチャートである。変形例5の出金処理部34bは、図7に示した実施例のステップS201~S203の処理と同じ、ステップS701~S703の処理を行う。
出金処理部34bは、釣銭額出金構成の各金種の枚数が収納庫内にある場合(ステップS703;Yes)、収納庫から釣銭額出金構成が示す金種の枚数を出金し(ステップS704)、その後、一時保留部56に一時保留されている入金貨幣を金種毎に収納庫に収納して(ステップS705)、ステップS105に移行する。
一方、出金処理部34bは、釣銭額出金構成の各金種の枚数が収納庫内にないならば(ステップS703;No)、一時保留部56に一時保留されている入金貨幣を金種毎に収納庫に収納し(ステップS706)、その後、収納庫から釣銭額出金構成が示す金種の枚数を出金し(ステップS707)、ステップS105に移行する。
このようにして、変形例5では、釣銭額出金構成の各金種の枚数が収納庫内にある場合、速やかに釣銭額出金構成の出金を行って、その後、一時保留部56に一時保留された入金貨幣を収納庫に収納するようにしているので、顧客に対して、迅速な釣銭の払い出しを行うことができる。
なお、上記の実施例及び変形例1~5では、貨幣処理装置30の入金処理部34a及び出金処理部34bが釣銭の出金処理制御を行っていたが、この釣銭の出金処理制御機構を金銭登録機20側に設けるようにしてもよい。
また、上記の実施例及び変形例1~5では、顧客自身が商品の登録及び精算を行うセルフレジを例に説明を行ったが、店員が金銭登録機を用いて商品の登録を行い、顧客が精算装置を用いて自ら精算を行うセミセルフレジにも本発明を適用することができる。さらに、店員が入金貨幣を貨幣処理装置に入金する有人レジにも適用することができる。
さらに、本実施例及び変形例1~5では、本発明をコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の貨幣処理システムに適用した場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の貨幣処理システムに適用することができる。例えば、券売機や自動販売機などにも適用することができる。
また、本実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。