JP4051700B2 - 有機塩素化合物の処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トリクロロエチレンなどの揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を無害化するための処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工場跡地内の土壌には、発ガン性物質であるトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの揮発性有機塩素化合物が含まれていることがあり、このような土壌をそのまま放置すると地下水等を介して揮発性有機塩素化合物を含む汚染水が環境に拡散するおそれがある。そのため、このような汚染水に対しては所定の浄化処理を行わなければならない。
【0003】
かかる揮発性有機塩素化合物を含む汚染水の処理方法としては、従来、揮散法や活性炭吸着法が用いられてきた。ここで、揮散法は、汚染水中に空気を曝気させて水中の揮発性有機塩素化合物を揮散させ、しかる後、揮散した揮発性有機塩素化合物を活性炭等で回収して除去する方法である。一方、活性炭吸着法は、汚染水を活性炭層へ通水させることによって、水中の揮発性有機塩素化合物を活性炭に吸着させる方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の処理方法では、いずれの方法にしろ揮発性有機塩素化合物を活性炭で吸着除去しているため、揮発性有機塩素化合物の濃度が大きくなるほど、揮発性有機塩素化合物を処理する活性炭への負荷が大きくなる。
【0005】
そのため、汚染水中の揮発性有機塩素化合物の濃度が高い場合には、活性炭の交換頻度が高くなり非常に処理コストがかかるという問題を生じていた。
【0006】
一方、近年では、揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を電気分解により無害化する方法も研究されるようになってきたが、電気分解による処理は、濃度の大小に関わらず、一定の分解率を示すため、濃度が低下しても分解に必要なコストは低下しない。
【0007】
したがって、例えば、環境基準以下に揮発性有機塩素化合物の濃度を低下させようとすると、電気分解による処理だけでは、結果として処理コストが非常に高くなるという問題を生じていた。
【0008】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、揮発性有機塩素化合物の初期濃度が高い場合であっても、該揮発性有機塩素化合物の濃度を低コストでかつ十分に低下させることが可能な有機塩素化合物の処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る有機塩素化合物の処理装置は請求項1に記載したように、所定の揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を処理する有機塩素化合物の処理装置において、
気密に構成され内部を隔壁で仕切られてなる所定の処理槽と、前記隔壁の一方の側に設けられ前記汚染水が貯留される一次処理槽と、該一次処理槽内に対向配置された一対の電極と、該電極に電気接続された電源と、前記隔壁の他方の側に設けられ前記一次処理槽で電気分解処理された一次処理水が移送貯留される二次処理槽と、該二次処理槽に移送貯留された一次処理水内に水浸されるように配置される散気手段と、該散気手段に接続された気体圧送手段と、前記処理槽に接続された捕集吸着手段とから構成するとともに、前記一次処理槽及び前記二次処理槽の上方を前記処理槽内で互いに連通させて共有揮散空間とし、該共有揮散空間に前記捕集吸着手段を連通させてなるものである。
【0015】
本発明に係る有機塩素化合物の処理装置においては、まず、所定の揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を電気分解し、これを一次処理水とする。
【0016】
電気分解処理を行うにあたっては、例えば、所定の揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を一次処理槽に貯留し、かかる状態で該一次処理槽内に対向配置された一対の電極間に通電するようにすればよい。
【0017】
このようにすると、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンといった有害な揮発性有機塩素化合物は、電極での酸化還元反応によって無害物質に分解される。例えば、陰極での還元反応であれば、塩素イオン等の塩化物と、エチレン、エタンなどの炭化水素に電気分解される。そして、これらの塩化物や炭化水素はいずれも無害物質であるため、結局、有害な有機塩素化合物が無害化されることとなる。
【0018】
かかる電気分解は、一次処理槽内の汚染水に含まれる揮発性有機塩素化合物の濃度が所定の基準濃度以下に低下するまで行う。
【0019】
所定の基準濃度を定めるにあたっては、電気分解処理に必要なコストと次工程である揮散処理及び吸着処理に必要なコストとを比較考慮し、例えば、揮発性有機塩素化合物の濃度低下に伴って揮散処理及び吸着処理に必要なコストが電気分解処理に必要なコストよりも小さくなったときの濃度をもって所定の基準濃度とすることができる。
【0020】
このように汚染水を電気分解処理して一次処理水とした後、該一次処理水を揮散処理し、該揮散処理により、一次処理水に残留している揮発性有機塩素化合物の濃度を所望の基準、例えば環境基準まで低下させ、これを二次処理水とする。
【0021】
揮散処理を行うにあたっては、例えば、一次処理水を二次処理槽に移送貯留し、次いで、気体圧送手段を作動させることによって、二次処理槽内に配置された散気手段から空気等の気体を散気させればよい。
【0022】
次に、揮散した揮発性有機塩素化合物を吸着処理する。
【0023】
揮発性有機塩素化合物を吸着処理するにあたっては、例えば、二次処理槽又は処理槽に接続された捕集吸着手段で揮発性有機塩素化合物を捕集吸着するようにすればよい。
【0024】
このようにすると、揮発性有機塩素化合物を含む汚染水は、一次処理槽での電気分解によって所定の基準濃度以下まで揮発性有機塩素化合物の濃度が低下した一次処理水となり、次いで、該一次処理水は、二次処理槽での揮散処理によって所望の基準以下まで揮発性有機塩素化合物の濃度が低下した二次処理水となる。
【0025】
ここで、電気分解による処理は、濃度の大小に関わらず、一定の分解率を示すため、濃度が低下しても分解に必要なコストは低下しないのに対し、揮散処理及び吸着処理は、濃度が低くなるにつれて該揮散処理及び吸着処理に必要なコストも低下する。
【0026】
そのため、濃度が高いときには電気分解による処理の方が、濃度が低いときは揮散処理及び吸着処理の方が全体のコストが低くなる。
【0027】
したがって、本発明においては、まず電気分解による処理を行うことで揮発性有機塩素化合物の濃度を所定の基準濃度以下に低下させ、しかる後、揮散処理及び吸着処理を行って揮発性有機塩素化合物の濃度を所望の基準以下に低下させることにより、揮発性有機塩素化合物の初期濃度が高い場合であっても、これを低コストで例えば環境基準以下に低下させることが可能となる。
【0028】
また、電気分解による処理を行う際に発生する熱によって水温が上昇するため、揮発性有機塩素化合物の揮発性が高まることとなり、電気分解による処理の後に行う揮散処理において、揮発性有機塩素化合物の揮散が促進される。
【0029】
散気手段及び気体圧送手段は、二次処理槽内で揮散処理を行うことができるのであればどのように構成するかは任意であり、例えば、散気手段としての散気管と気体圧送手段としてのブロワとから構成される市販の揮散処理装置を適宜用いることができる。
【0030】
捕集吸着手段は、二次処理槽で揮散した揮発性有機塩素化合物を捕集して吸着できるのであればどのように構成するかは任意であり、例えば内部に活性炭を充填してなる活性炭吸着装置で構成することが考えれる。
【0031】
二次処理槽は、一次処理水を移送貯留して揮散処理することができるのであればどのように構成するかは任意であるが、揮散した揮発性有機塩素化合物を捕集吸着手段で捕集することができるよう、該二次処理槽自体を気密に構成しておくか、又は、該二次処理槽が内部に設けられた処理槽を気密に構成することによって間接的に気密に構成しておく。
【0032】
ここで、本発明においては、互いに隔壁で隔てられた一次処理槽及び二次処理槽の上方を処理槽内で互いに連通させて共有揮散空間とし、該共有揮散空間に捕集吸着手段を連通させた構成としてある。
【0033】
このようにすると、電気分解で発生した熱によって一次処理槽内の水温が上昇し、揮発性有機塩素化合物が電気分解されずに揮散した場合であっても、かかる有機塩素化合物をも捕集吸着手段で捕集して吸着処理できるとともに、電気分解によって発生した塩化物や炭化水素といった反応生成物も捕集吸着手段で回収することが可能となる。
【0034】
なお、一次処理水を二次処理槽に移送貯留するにあたり、一次処理水を一次処理槽から二次処理槽にどのように移送するかは任意であり、例えば、ポンプを使用して移送するようにしてもかまわないし、水位差を利用できるような場合には該水位差による圧力を利用して移送するようにしてもかまわない。
【0035】
また、参考発明に係る有機塩素化合物の処理方法及び装置においては、まず、所定の揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を電気分解し、これを一次処理水とする。
【0036】
電気分解処理を行うにあたっては、例えば、所定の揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を一次処理槽に貯留し、かかる状態で該一次処理槽内に対向配置された一対の電極間に通電するようにすればよい。
【0037】
このようにすると、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンといった有害な揮発性有機塩素化合物は、電極での酸化還元反応によって無害物質に分解される。例えば、陰極での還元反応であれば、塩素イオン等の塩化物と、エチレン、エタンなどの炭化水素に電気分解される。そして、これらの塩化物や炭化水素はいずれも無害物質であるため、結局、有害な有機塩素化合物が無害化されることとなる。
【0038】
かかる電気分解は、一次処理槽内の汚染水に含まれる揮発性有機塩素化合物の濃度が所定の基準濃度以下に低下するまで行う。
【0039】
所定の基準濃度を定めるにあたっては、電気分解処理に必要なコストと次工程である吸着処理に必要なコストとを比較考慮し、例えば、揮発性有機塩素化合物の濃度低下に伴って吸着処理に必要なコストが電気分解処理に必要なコストよりも小さくなったときの濃度をもって所定の基準濃度とすることができる。
【0040】
このように汚染水を電気分解処理して一次処理水とした後、該一次処理水に対して吸着処理を行い、該吸着処理によって一次処理水に残留する揮発性有機塩素化合物の濃度を所望の基準、例えば環境基準まで低下させ、これを二次処理水とする。
【0041】
吸着処理を行うにあたっては、例えば、一次処理水を捕集吸着槽に通水することで一次処理水に残留している揮発性有機塩素化合物を捕集吸着槽内に充填された吸着材に吸着させるようにすればよい。
【0042】
このようにすると、揮発性有機塩素化合物を含む汚染水は、一次処理槽での電気分解によって所定の基準濃度以下まで揮発性有機塩素化合物の濃度が低下した一次処理水となり、次いで、該一次処理水は、捕集吸着槽での吸着処理によって所望の基準以下まで揮発性有機塩素化合物の濃度が低下した二次処理水となる。
【0043】
ここで、電気分解による処理は、濃度の大小に関わらず、一定の分解率を示すため、濃度が低下しても分解に必要なコストは低下しないのに対し、吸着処理は、濃度が低くなるにつれて該吸着処理に必要なコストも低下する。
【0044】
そのため、濃度が高いときには電気分解による処理の方が、濃度が低いときは吸着処理の方が全体のコストが低くなる。
【0045】
したがって、参考発明においては、まず電気分解による処理を行うことで揮発性有機塩素化合物の濃度を所定の基準濃度以下に低下させ、しかる後、吸着処理を行って揮発性有機塩素化合物の濃度を所望の基準以下に低下させることにより、揮発性有機塩素化合物の初期濃度が高い場合であっても、これを低コストで例えば環境基準以下に低下させることが可能となる。
【0046】
捕集吸着槽は、一次処理槽で電気分解処理された一次処理水が通水されかつ内部に所定の吸着材を充填してあれば、どのように構成するかは任意である。吸着材としては、例えば活性炭を使用することが考えれる。
【0047】
一次処理槽と捕集吸着槽は、それぞれ独立して設置するとともに所定の連通管を介して互いに連通するようにしてもかまわないし、所定の処理槽の内部を隔壁で仕切って該隔壁の一方の側を一次処理槽、他方の側を捕集吸着槽とするようにしてもかまわない。
【0048】
また、一次処理水を捕集吸着槽に通水するにあたり、一次処理水を一次処理槽から捕集吸着槽にどのように通水するかは任意であり、例えば、ポンプの圧力を利用して通水するようにしてもかまわないし、水位差を利用できるような場合には該水位差による圧力を利用して通水するようにしてもかまわない。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明及び参考発明に係る有機塩素化合物の処理装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
(第1実施形態)
【0051】
図1は、本実施形態に係る有機塩素化合物の処理装置1を示した概念図である。同図に示すように、本実施形態に係る有機塩素化合物の処理装置1は、気密に構成され内部を隔壁10で仕切られてなる処理槽2と、隔壁10の一方の側に設けられ揮発性有機塩素化合物を含む汚染水が貯留される一次処理槽3と、該一次処理槽内に対向配置された一対の電極としての陽極5a及び陰極5bと、これらの陽極5a及び陰極5bに電気接続された電源6と、隔壁10の他方の側に設けられ一次処理槽3で電気分解処理された一次処理水が移送貯留される二次処理槽4と、該二次処理槽内に配置された散気手段である散気管7と、該散気管に接続された気体圧送手段であるブロワ8と、処理槽2に接続された捕集吸着手段である活性炭吸着装置9とで構成してある。
【0052】
隔壁10は、その高さが処理槽2の内部高さよりも低くなるように構成してあり、隔壁10の上方に開口11を形成することによって、一次処理槽3及び二次処理槽4の上方を処理槽2内で互いに連通させて共有揮散空間16を形成するようになっている。
【0053】
一次処理槽3には、底面近傍に汚染水が流入する汚染水流入口12が設けてあり、該汚染水流入口に接続されたポンプ13を用いて一次処理槽3内に汚染水を供給することができるようになっている。
【0054】
陽極5a及び陰極5bは、例えば数cm〜数十cm離間して配置し、電源6は、例えば10〜30ボルト程度の直流電圧を印加できるように構成しておくのがよい。
【0055】
散気管7は、有孔管で構成してあるとともに、二次処理槽4内に移送貯留された一次処理水内に水浸されるように該二次処理槽の底面近傍に配置してあり、ブロワ8から圧送された気体としての空気を二次処理槽4内に供給するようになっている。
【0056】
すなわち、散気管7及びブロワ8は、二次処理槽4内に移送貯留された一次処理水を揮散処理するための揮散処理装置を構成する。
【0057】
ここで、二次処理槽4には、二次処理水が排出される二次処理水排出口14を底面近傍に設けてあり、バルブ15を開くことによって二次処理槽4内の二次処理水を排水できるようになっている。
【0058】
活性炭吸着装置9は、共有揮散空間16に連通するように処理槽2に接続してあり、二次処理槽4での揮散処理により揮散した揮発性有機塩素化合物のみならず、一次処理槽3での電気分解処理による熱で揮散した揮発性有機塩素化合物をも捕集して吸着できるようになっている。
【0059】
ここで、活性炭吸着装置9は、内部に活性炭を充填してあり、揮散した揮発性有機塩素化合物を捕集して該活性炭で吸着し無害化してから排気するようになっている。
【0060】
本実施形態に係る有機塩素化合物の処理装置1を用いて本実施形態に係る有機塩素化合物の処理方法を実施するには、まず、揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を一次処理槽3内に貯留する。
【0061】
汚染水を貯留するには、ポンプ13を作動させて汚染水を汚染水流入口12から一次処理槽3内に流入させる。なお、汚染水は、例えば汚染土壌から揚水されたものや、工場内の洗浄に使った後の洗浄水などが対象となる。
【0062】
次に、電源6を作動させて陽極5a及び陰極5b間に10〜30ボルト程度の直流電圧を通電することによって、一次処理槽3内に貯留された汚染水を電気分解処理し、これを一次処理水とする。
【0063】
このようにすると、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンといった有害な揮発性有機塩素化合物は、電極での酸化還元反応によって無害物質に分解される。例えば、陰極での還元反応であれば、塩素イオン等の塩化物と、エチレン、エタンなどの炭化水素に電気分解される。そして、これらの塩化物や炭化水素はいずれも無害物質であるため、結局、有害な有機塩素化合物が無害化されることとなる。
【0064】
かかる電気分解は、一次処理槽3内の汚染水に含まれる揮発性有機塩素化合物の濃度が所定の基準濃度以下に低下するまで行う。
【0065】
所定の基準濃度を定めるにあたっては、電気分解処理に必要なコストと次工程である揮散処理及び吸着処理に必要なコストとを比較考慮して定める。図2は、揮発性有機塩素化合物の初期濃度と単位水量当たりのコストとの関係を示したグラフであり、同図に示すように、揮発性有機塩素化合物の濃度低下に伴って揮散処理及び吸着処理に必要なコストが電気分解処理に必要なコストよりも小さくなったときの濃度をもって所定の基準濃度aとする。
【0066】
次に、一次処理槽3で電気分解処理された一次処理水を二次処理槽4に移送貯留する。二次処理槽4に移送貯留するにあたっては、図3(a)に示すように、ポンプ13を作動させて汚染水流入口12から新たな汚染水を供給することによって、一次処理槽3内の一次処理水を隔壁10の上方に形成された開口11を介してオーバーフローさせ、二次処理槽4内に移送貯留する。
【0067】
次に、同図(b)に示すように、二次処理槽4内の一次処理水を揮散処理し、該揮散処理により、一次処理水に残留している揮発性有機塩素化合物の濃度を所望の基準、例えば環境基準まで低下させ、これを二次処理水とする。揮散処理を行うにあたっては、ブロワ8を作動させることによって、二次処理槽4内に配置された散気管7から空気を散気させればよい。このようにすると、一次処理水に溶け込んでいた揮発性有機塩素化合物は、共有揮散空間16に揮散する。
【0068】
一方、上述した揮散処理と同時に又は相前後して、一次処理槽3内に新たに貯留された汚染水に対し、上述したと同様の電気分解処理を行う。
【0069】
ここで、一次処理槽3においても、電気分解処理で発生した熱によって水温が上昇するため、揮発性有機塩素化合物が電気分解されずに共有揮散空間16に揮散する。
【0070】
次に、共有揮散空間16内に揮散した揮発性有機塩素化合物を吸着処理する。揮発性有機塩素化合物を吸着処理するにあたっては、処理槽2に接続された活性炭吸着装置9で、共有揮発空間16に揮散した揮発性有機塩素化合物を捕集吸着するようにすればよい。
【0071】
なお、揮発性有機塩素化合物を吸着処理した後のガスは無害化しているため、適宜大気中に排気すればよい。
【0072】
このように一次処理槽3での電気分解処理及び二次処理槽4での揮散処理が終了するとともに共有揮散空間16に揮散した揮発性有機塩素化合物の吸着処理が終了したならば、バルブ15を開いて二次処理槽4内の二次処理水を排出する一方、ポンプ13を作動させることによって新たな汚染水を一次処理槽3に貯留するとともに、そのときのポンプ圧力によって電気分解処理が終わった一次処理槽3内の一次処理水をオーバーフローさせて二次処理槽4に移送貯留する。以上、上述したバッチ処理を必要なだけ繰り返す。
【0073】
なお、バルブ15を開いて二次処理槽4から排出される二次処理水については、揮散処理により揮発性有機塩素化合物が除去され無害化されているので、適宜河川等に放流すればよい。
【0074】
以上説明したように、本実施形態に係る有機塩素化合物の処理方法及び処理装置1によれば、揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を、一次処理槽3での電気分解によって基準濃度a以下まで揮発性有機塩素化合物の濃度が低下した一次処理水とし、次いで、該一次処理水を、二次処理槽4での揮散処理によって所望の基準以下まで揮発性有機塩素化合物の濃度が低下した二次処理水とすることができる。
【0075】
ここで、図2に示したように、電気分解による処理は、濃度の大小に関わらず、一定の分解率を示すため、濃度が低下しても分解に必要なコストは低下しないのに対し、揮散処理及び吸着処理は、濃度が低くなるにつれて該揮散処理及び吸着処理に必要なコストも低下する。
【0076】
そのため、濃度が基準濃度aより高いときには電気分解による処理の方が、濃度が基準濃度aより低いときは揮散処理及び吸着処理の方が全体のコストが低くなる。
【0077】
したがって、本実施形態においては、まず電気分解による処理を行うことで揮発性有機塩素化合物の濃度を基準濃度a以下に低下させ、しかる後、揮散処理及び吸着処理を行って揮発性有機塩素化合物の濃度を所望の基準以下に低下させることにより、揮発性有機塩素化合物の初期濃度が高い場合であっても、これを低コストで例えば環境基準以下に低下させることが可能となる。
【0078】
また、電気分解による処理を行う際に発生する熱によって水温が上昇するため、揮発性有機塩素化合物の揮発性が高まることとなり、電気分解による処理の後に行う揮散処理において、揮発性有機塩素化合物の揮散を促進することができる。
【0079】
また、本実施形態に係る有機塩素化合物の処理装置1によれば、互いに隔壁10で隔てられた一次処理槽3及び二次処理槽4の上方を処理槽2内で互いに連通させて共有揮散空間16とし、該共有揮散空間に活性炭吸着装置9を連通させた構成としたので、二次処理槽4から揮散した揮発性有機塩素化合物のみならず、例えば、電気分解熱による水温上昇によって電気分解されることなく一次処理槽3から揮散した揮発性有機塩素化合物をも活性炭吸着装置9で捕集して吸着処理できるとともに、電気分解によって発生した反応生成物のうち、低分子化して揮発性が高くなった物質、例えば脱塩素されたモノクロ有機物も活性炭吸着装置9で回収することが可能となる。さらに、電気分解により発生した水素ガスと酸素ガスの蓄積が防止されるので、引火の懸念もなくなる。
【0080】
本実施形態では、ポンプ13を設置し、該ポンプを利用して汚染水流入口12から新たに汚染水を供給することによって一次処理水を一次処理槽3から二次処理槽4へオーバーフローさせるように構成したが、一次処理水を一次処理槽から二次処理槽に移送するにあたっては、どのような手段を用いるかは任意であり、例えば、高架槽から汚染水が供給されるような場合にはポンプ13を省略し、水位差による圧力を利用して移送するようにしてもかまわない。また、オーバーフローさせずに、一次処理槽内にポンプを設置し、該ポンプを利用して一次処理水を一次処理槽から二次処理槽に移送するようにしてもかまわない。
【0081】
また、本実施形態では、気密に構成された処理槽2内に隔壁10を配置することによって該処理槽内に一次処理槽3及び二次処理槽4を設けるようにしたが、一次処理槽と二次処理槽は、それぞれ個別に設けるようにしてもかまわない。
【0082】
図4は、かかる変形例における有機塩素化合物の処理装置21を示した概念図であり、同図に示すように、一次処理槽23と二次処理槽24とをそれぞれ個別に設けるとともに、底面近傍に設けた連通管22を介して一次処理槽23と二次処理槽24とを互いに連通接続してある。
【0083】
一次処理槽23は、上部開放となるように構成してあり、上述した実施形態と同様、一次処理槽23内に一対の電極としての陽極5a及び陰極5bを対向配置してあるとともに、これらの陽極5a及び陰極5bに電源6を電気接続してある。
【0084】
一方、二次処理槽24は、気密に構成してあり、上述した実施形態と同様、二次処理槽24内に散気管7を配置してあるとともに、該散気管にブロワ8を接続してある。また、二次処理槽24内の揮散空間27に連通するように活性炭吸着装置9を接続してあり、二次処理槽24で揮散した揮発性有機塩素化合物を捕集して活性炭で吸着することができるようになっている。
【0085】
本変形例にかかる有機塩素化合物の処理装置21を用いて有機塩素化合物の処理方法を実施するには、まず、揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を一次処理槽23内に貯留する。貯留するにあたっては、一次処理槽23の上部開口から一次処理槽23内へ汚染水を供給すればよい。
【0086】
次に、汚染水を一次処理槽23内で電気分解処理して一次処理水とする。
【0087】
次に、揮発性有機塩素化合物の濃度が所定の基準濃度a以下に低下したら、一次処理槽23内の一次処理水を二次処理槽24へ移送貯留する。二次処理槽24に移送貯留するにあたっては、新たな汚染水を供給するとともに連通管22に設置されたバルブ25を開き、連通管22を介して一次処理水を二次処理槽24内へ流入させる。
【0088】
次に、二次処理槽24内の一次処理水を揮散処理して二次処理水とするとともに、二次処理槽24内の揮散空間27に揮散した揮発性有機塩素化合物を活性炭吸着装置9で吸着処理する。
【0089】
一方、揮散処理と同時に又は相前後して、一次処理槽23内に新たに貯留された汚染水に対し、上述したと同様の電気分解処理を行う。
【0090】
このように一次処理槽23での電気分解処理及び二次処理槽24での揮散処理が終了するとともに揮散空間27に揮散した揮発性有機塩素化合物の吸着処理が終了したならば、バルブ26を開いて二次処理槽24内の二次処理水を排出する一方、新たな汚染水を一次処理槽23に貯留するとともに、電気分解処理が終わった一次処理槽23内の一次処理水を連通管22を介して二次処理槽24に移送貯留する。以上、上述したバッチ処理を必要なだけ繰り返す。
【0091】
なお、その他の構成及び作用効果は上述した実施形態と同様であるので、ここではその詳しい説明を省略する。
【0092】
本変形例では、一次処理槽23を上部開放となるように構成したが、一次処理槽を気密に構成するとともに、一次処理槽内の揮散空間が二次処理槽内の揮散空間又は捕集吸着手段に連通するように一次処理槽を二次処理槽又は捕集吸着手段に接続するように構成してもかまわない。
【0093】
かかる場合においては、電気分解されることなく一次処理槽内で揮散した揮発性有機塩素化合物や電気分解よって生じた塩化物や炭化水素といった反応生成物も捕集吸着手段で回収することが可能となる。
【0094】
(第2実施形態)
【0095】
次に、第2実施形態に係る有機塩素化合物の処理方法及び装置の実施の形態について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0096】
図5は、本実施形態に係る有機塩素化合物の処理装置31を示した概念図である。同図に示すように、本実施形態に係る有機塩素化合物の処理装置31は、内部を隔壁10で仕切られてなる処理槽32と、隔壁10の一方の側に設けられ揮発性有機塩素化合物を含む汚染水が貯留される一次処理槽33と、該一次処理槽内に対向配置された一対の電極としての陽極5a及び陰極5bと、これらの陽極5a及び陰極5bに電気接続された電源6と、隔壁10の他方の側に設けられ一次処理槽33で電気分解処理された一次処理水が通水される捕集吸着槽34とで構成してある。
【0097】
隔壁10は、その高さが処理槽32の内部高さよりも低くなるように構成してあり、隔壁10の上方に開口11が形成されるようになっている。
【0098】
一次処理槽33には、底面近傍に汚染水が流入する汚染水流入口12が設けてあり、該汚染水流入口に接続されたポンプ13を用いて一次処理槽33内に汚染水を供給することができるようになっている。
【0099】
陽極5a及び陰極5bは、例えば数cm〜数十cm離間して配置し、電源6は、例えば10〜30ボルト程度の直流電圧を印加できるように構成しておくのがよい。
【0100】
捕集吸着槽34には、内部に吸着材である活性炭35が充填してあるとともに、該捕集吸着槽で吸着処理された二次処理水が排出される二次処理水排出口14を底面近傍に設けてあり、該二次処理水排出口に貫通接続された排水管36を介して捕集吸着槽34内の二次処理水を排水できるようになっている。
【0101】
本実施形態に係る有機塩素化合物の処理装置31を用いて本実施形態に係る有機塩素化合物の処理方法を実施するには、まず、揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を一次処理槽33内に貯留する。
【0102】
汚染水を貯留するには、ポンプ13を作動させて汚染水を汚染水流入口12から一次処理槽33内に流入させる。なお、汚染水は、例えば汚染土壌から揚水されたものや、工場内の洗浄に使った後の洗浄水などが対象となる。
【0103】
次に、電源6を作動させて陽極5a及び陰極5b間に10〜30ボルト程度の直流電圧を通電することによって、一次処理槽33内に貯留された汚染水を電気分解処理し、これを一次処理水とする。
【0104】
このようにすると、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンといった有害な揮発性有機塩素化合物は、電極での酸化還元反応によって無害物質に分解される。例えば、陰極での還元反応であれば、塩素イオン等の塩化物と、エチレン、エタンなどの炭化水素に電気分解される。そして、これらの塩化物や炭化水素はいずれも無害物質であるため、結局、有害な有機塩素化合物が無害化されることとなる。
【0105】
かかる電気分解は、一次処理槽33内の汚染水に含まれる揮発性有機塩素化合物の濃度が所定の基準濃度以下に低下するまで行う。
【0106】
所定の基準濃度を定めるにあたっては、電気分解処理に必要なコストと次工程である吸着処理に必要なコストとを比較考慮して定める。図6は、揮発性有機塩素化合物の初期濃度と単位水量当たりのコストとの関係を示したグラフであり、同図に示すように、揮発性有機塩素化合物の濃度低下に伴って吸着処理に必要なコストが電気分解処理に必要なコストよりも小さくなったときの濃度をもって所定の基準濃度bとする。
【0107】
なお、通電量が増加すると、電気分解による揮発性有機塩素化合物の処理速度が速くなる反面、発生する熱によって水温が上昇し揮発性有機塩素化合物が電気分解されずに揮散する場合があるため、上述した通電作業を行うにあたっては、揮発性有機塩素化合物の揮散が抑制される範囲で電気分解による処理速度ができるだけ向上するよう、電圧や電流の大きさ、通電時間を適宜調整するのが望ましい。
【0108】
次に、一次処理槽33で電気分解された一次処理水を捕集吸着槽34に通水して一次処理水に対して吸着処理を行い、該吸着処理によって一次処理水に残留する揮発性有機塩素化合物の濃度を所望の基準、例えば環境基準まで低下させ、これを二次処理水とする。
【0109】
一次処理水を捕集吸着槽34に通水するにあたっては、ポンプ13を作動させて汚染水流入口12から新たな汚染水を供給することによって、一次処理槽33内の一次処理水を隔壁10の上方に形成された開口11を介してオーバーフローさせ、捕集吸着槽34内に通水する。
【0110】
このようにすると、一次処理水に残留している揮発性有機塩素化合物は、捕集吸着槽34内に充填された活性炭35により吸着される。なお、捕集吸着槽34内の活性炭35は、吸着処理の経過に伴い必要に応じて適宜交換すればよい。
【0111】
なお、捕集吸着槽34に接続された排水管36から排水される二次処理水については、吸着処理により揮発性有機塩素化合物が除去され無害化されているので、適宜河川等に放流すればよい。
【0112】
一方、上述した吸着処理と同時に又は相前後して、一次処理槽33内に新たに貯留された汚染水に対し、上述したと同様の電気分解処理を行う。
【0113】
このように一次処理槽33での電気分解処理が終了したならば、ポンプ13を作動させることによって新たな汚染水を一次処理槽33に貯留するとともに、そのときのポンプ圧力によって電気分解処理が終わった一次処理槽33内の一次処理水をオーバーフローさせて捕集吸着槽34に通水し、該捕集吸着槽で吸着処理された二次処理水を排水管36から排出する。以上、上述したバッチ処理を必要なだけ繰り返す。
【0114】
以上説明したように、本実施形態に係る有機塩素化合物の処理方法及び処理装置31によれば、揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を、一次処理槽33での電気分解によって基準濃度b以下まで揮発性有機塩素化合物の濃度が低下した一次処理水とし、次いで、該一次処理水を、捕集吸着槽34での吸着処理によって所望の基準以下まで揮発性有機塩素化合物の濃度が低下した二次処理水とすることができる。
【0115】
ここで、図6に示したように、電気分解による処理は、濃度の大小に関わらず、一定の分解率を示すため、濃度が低下しても分解に必要なコストは低下しないのに対し、吸着処理は、濃度が低くなるにつれて該吸着処理に必要なコストも低下する。
【0116】
そのため、濃度が基準濃度bより高いときには電気分解による処理の方が、濃度が基準濃度bより低いときは吸着処理の方が全体のコストが低くなる。
【0117】
したがって、本実施形態においては、まず電気分解による処理を行うことで揮発性有機塩素化合物の濃度を基準濃度b以下に低下させ、しかる後、吸着処理を行って揮発性有機塩素化合物の濃度を所望の基準以下に低下させることにより、揮発性有機塩素化合物の初期濃度が高い場合であっても、これを低コストで例えば環境基準以下に低下させることが可能となる。
【0118】
本実施形態では、ポンプ13を設置し、該ポンプを利用して汚染水流入口12から新たに汚染水を供給することによって一次処理水を一次処理槽33から捕集吸着槽34へオーバーフローさせるように構成したが、一次処理水を捕集吸着槽に通水するにあたっては、どのような手段を用いるかは任意であり、例えば、高架槽から汚染水が供給されるような場合にはポンプ13を省略し、水位差による圧力を利用するようにしてもかまわない。また、オーバーフローさせずに、一次処理槽内にポンプを設置し、該ポンプを利用して一次処理水を捕集吸着槽に通水するようにしてもかまわない。
【0119】
また、本実施形態では、処理槽32内に隔壁10を配置することによって該処理槽内に一次処理槽33及び捕集吸着槽34を設けるようにしたが、一次処理槽と捕集吸着槽は、それぞれ個別に設けるようにしてもかまわない。
【0120】
図7は、かかる変形例における有機塩素化合物の処理装置41を示した概念図であり、同図に示すように、一次処理槽43と捕集吸着槽44とをそれぞれ個別に設けるとともに、底面近傍に設けた連通管42を介して一次処理槽43と捕集吸着槽44とを互いに連通接続してある。
【0121】
一次処理槽43は、上部開放となるように構成してあり、上述した実施形態と同様、一次処理槽43内に一対の電極としての陽極5a及び陰極5bを対向配置してあるとともに、これらの陽極5a及び陰極5bに電源6を電気接続してある。
【0122】
捕集吸着槽44は、内部に活性炭を充填してあり、揮発性有機塩素化合物を吸着することができるようになっている。
【0123】
本変形例にかかる有機塩素化合物の処理装置41を用いて有機塩素化合物の処理方法を実施するには、まず、揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を一次処理槽43内に貯留する。貯留するにあたっては、一次処理槽43の上部開口から一次処理槽43内へ汚染水を供給すればよい。
【0124】
次に、汚染水を一次処理槽43内で電気分解処理して一次処理水とする。
【0125】
次に、揮発性有機塩素化合物の濃度が基準濃度b以下に低下したら、一次処理水を捕集吸着槽44へ通水し、該捕集吸着槽内で一次処理水を吸着処理して二次処理水とする。一次処理水を捕集吸着槽44へ通水するには、新たな汚染水を供給するとともに連通管42に設置されたバルブ45を開き、連通管42を介して一次処理水を捕集吸着槽44内へ流入させればよい。
【0126】
このように一次処理槽43での電気分解処理が終了したならば、新たな汚染水を一次処理槽43に貯留するとともに、電気分解処理が終わった一次処理槽43内の一次処理水を連通管42を介して捕集吸着槽44に通水し、該捕集吸着槽で吸着処理された二次処理水を排水管46から排出する。以上、上述したバッチ処理を必要なだけ繰り返す。
【0127】
なお、その他の構成及び作用効果は上述した実施形態と同様であるので、ここではその詳しい説明を省略する。
【0128】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る有機塩素化合物の処理装置によれば、まず電気分解による処理を行うことで揮発性有機塩素化合物の濃度を所定の基準濃度以下に低下させ、しかる後、揮散処理及び吸着処理又は吸着処理を行って揮発性有機塩素化合物の濃度を所望の基準以下に低下させることにより、揮発性有機塩素化合物の初期濃度が高い場合であっても、これを低コストで所望の基準、例えば環境基準以下に低下させることが可能となる。
【0129】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る有機塩素化合物の処理装置を示した全体図。
【図2】第1実施形態に係る有機塩素化合物の処理装置の作用を示したグラフ。
【図3】第1実施形態に係る有機塩素化合物の処理装置の作用を示した図。
【図4】変形例に係る有機塩素化合物の処理装置を示した全体図。
【図5】第2実施形態に係る有機塩素化合物の処理装置を示した全体図。
【図6】第2実施形態に係る有機塩素化合物の処理装置の作用を示したグラフ。
【図7】変形例に係る有機塩素化合物の処理装置を示した全体図。
【符号の説明】
1,21,31,41 有機塩素化合物の処理装置
2 処理槽
3,23,33,43 一次処理槽
4,24 二次処理槽
5a 陽極(電極)
5b 陰極(電極)
6 電源
7 散気管(散気手段)
8 ブロワ(気体圧送手段)
9 活性炭吸着装置(捕集吸着手段)
10 隔壁
16 共有揮散空間
27 揮散空間
34,44 捕集吸着槽
35 活性炭(吸着材)

Claims (1)

  1. 所定の揮発性有機塩素化合物を含む汚染水を処理する有機塩素化合物の処理装置において、
    気密に構成され内部を隔壁で仕切られてなる所定の処理槽と、前記隔壁の一方の側に設けられ前記汚染水が貯留される一次処理槽と、該一次処理槽内に対向配置された一対の電極と、該電極に電気接続された電源と、前記隔壁の他方の側に設けられ前記一次処理槽で電気分解処理された一次処理水が移送貯留される二次処理槽と、該二次処理槽に移送貯留された一次処理水内に水浸されるように配置される散気手段と、該散気手段に接続された気体圧送手段と、前記処理槽に接続された捕集吸着手段とから構成するとともに、前記一次処理槽及び前記二次処理槽の上方を前記処理槽内で互いに連通させて共有揮散空間とし、該共有揮散空間に前記捕集吸着手段を連通させてなることを特徴とする有機塩素化合物の処理装置。
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