JP4050475B2 - Inkjet recording paper - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを用いて記録するインクジェット記録用紙に関するものであり、特に顔料インクの記録に適したインクジェット記録用紙に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンターやプロッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高精細な画像が容易に得られるようになってきた。
【０００３】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものである。インクジェットプリンターやプロッターはコンピューターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途に於いて近年急速に普及している。特に多色インクジェット方式により形成されるカラー画像は製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較しても遜色のない記録を得ることが可能であり、更に作成部数が少ない用途に於いては、印刷技術や写真技術によるよりも安価で済むことから広く応用されつつある。
【０００４】
さらに、用途の多様化に伴い、大判のポスターやＰＯＰアート、製図用途に使用されることが多くなってきている。これら用途ではインクジェットの高鮮鋭性を活かせ、色彩性も優れていることから、良好な画像を得ることが可能であり、宣伝効果が大きいものとなる。これらへの適用はパーソナルコンピュータレベルで、鮮鋭性や色彩性といった画像再現性や色再現性に優れた画像を簡単に得ることが可能であるためであり、インクジェット記録用紙を多用する理由ともなっている。
【０００５】
これらインクジェット記録装置の高性能化や用途の多様化により、インクジェット記録に対するニーズは高まっており、その結果記録装置或いは用紙に求められる特性も要求もかなり高度になってきている。例えば、大判ポスターやＰＯＰアート、また写真画像を出力する用途の場合、その用途が屋内外の展示や個人の記録保存といったものであるため、従来以上に画像の耐候性、画像保存性が求められるようになっている。このような要望に対し、インク及び用紙の改良が進んでおり、従来よりはかなり良好な保存性が得られるようになってきている。しかしながら、特に耐光性に関しては未だ銀塩写真のレベルには到達しておらず、要求が満たされていないのが現状である。
【０００６】
このような要求を満たすために、最近では顔料タイプのインクが使用されるようになってきている。顔料インクは光劣化も少なく、水によって再溶解しないため、染料タイプのインクよりも耐候性、画像保存性が向上することが知られている。しかし、インクに用いられる色材顔料は染料と異なり溶媒に不溶である。よって色材顔料を安定に分散させる必要があり、インク中の色材顔料の比率を容易に上げられない。また、染料のように着色効率が高くなく、鮮明な発色を得にくい。よって画像形成に使用されるインク量は染料インクに比べて多くなる傾向にある。特にインク量の多い重色部間では境界滲み（ブリーディング）が発生しやすい。
【０００７】
そのため、用紙に対する要求も必然的に高まってきている。顔料インクの吸収性を向上させる方法として、支持体上に塗工するインク受理層を厚くすることが考えられる。この方法でインク吸収性は改善されるが、インクが原紙方向に深く浸透するため、発色性が低下する。前述したように顔料インクの場合、染料インクと比較して鮮明な発色を得にくいため、インクが深く浸透すると発色性は著しく低下してしまう。
【０００８】
発色性向上のために、染料インク同様インク定着剤と呼ばれるカチオン性ポリマーを使用することも考えられるが、染料インクの場合とは異なり、十分な定着効果を得られず、結果として良好な発色性を得ることは難しい。
【０００９】
また、インク受理層表面を平滑或いは鏡面処理し、光沢が付与されたインクジェット記録用紙に顔料インクで印字した場合、その表面平滑性のため顔料がインク受理層中に入り込めず表面に残存する現象が発生する。結果として印字部分を触った場合に顔料がこすれ落ち、印字画像が乱れることとなる。
【００１０】
このような光沢が付与されたインクジェット記録用紙の顔料インク定着性を向上させる方法として、用紙の表面処理が考えられる。具体的には、表面に凹凸を設けたり、ポリマー等を用いたインク定着層を塗工する方法である。しかしながらこれら方法では、インク吸収性や表面光沢の低下といった問題が発生する。よって有効な手段とは言い難く、上述したような課題すべてを満足する品質を得ることは難しかった。
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、顔料インクで印字した際の発色性・インク吸収性・ブリーディングが良好で、印字後の顔料インク定着性の良好なインクジェット記録用紙を提供することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録用紙は紙支持体上に少なくとも１層以上の顔料とバインダーからなるインク受理層を有し、少なくとも色材顔料、アニオン系分散剤、水を含んでなる顔料インクの液滴がインクジェット記録装置より吐出された際にこれを記録するインクジェット記録用紙において、該インク受理層が塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸カリウムアルミニウムから選ばれる少なくとも１種以上の水溶性多価金属塩を含有し、インク受理層の最表層の顔料がコロイド粒子からなることを特徴とするインクジェット記録用紙である。
【００１４】
更に、水溶性多価金属塩が、インク受理層中に０．１g/ｍ2以上含有することでその効果は確実なものとなる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録シートを詳細に説明する。
【００１６】
本発明者らは、顔料インク適性を向上させる方法として、顔料インクの溶媒分を顔料成分と分離し、色材顔料をインク受理層表面近傍に分布させ、溶媒分を下層に浸透させることで、吸収性と発色性の両立が可能であると考えた。また、色材顔料成分または分散剤に何らかの物質を作用させ、これらを固着させることでインク定着性が向上すると考えた。
【００１７】
そこで本発明者らは顔料インクの色材顔料あるいは分散剤に作用してこれを凝集、固着し、色材顔料成分と溶媒分を濾別する手法及び物質に関し鋭意検討した結果、特定の水溶性多価金属塩（以下、単に多価金属塩とする）をインク受理層に含有せしめることで、顔料インクの吸収性や発色性、ブリーディング及びインク定着性が飛躍的に向上した、顔料インクの記録に適したインクジェット記録用紙を作製できることを見いだした。
【００１８】
本発明のインクジェット記録用紙による顔料インク適性の改善は、インク受理層中に含有する多価金属塩が、顔料インク中の顔料分散剤に作用することで、顔料成分を塗層表面近傍に定着させ、インク溶媒分と濾別し、濾別された溶媒分を下層が吸収することにより示される。
【００１９】
本発明において、該多価金属塩が有効に作用するインクは少なくとも色材顔料、アニオン系分散剤、水を含んでなる顔料インクである。本発明者らが多価金属塩の作用に関して鋭意検討した結果、ノニオン或いはカチオン系分散剤を使用した顔料インクに対しては該多価金属塩のインク凝集効果が認められず、アニオン系分散剤のみに作用することが確認された。このことからも、上述した多価金属塩の作用が裏付けられ、この作用が顔料インクの定着・発色性向上と吸収性を両立させていると考えられる。
【００２０】
インクの定着性・発色性を向上させる方法として、カチオン性のインク定着剤適用が考えられる。しかしながら顔料インクに対しては、染料インクへ作用する場合と異なりその効果は余り高くない。また、インクの吸収性を向上させる方法としてインク受理層を厚く設ける事が考えられるが、吸収性向上に伴うインク自体の受理層中への吸収が発生し、鮮明な発色が得られなくなり、受理層自体の強度低下も発生する。これらの点から、顔料インクに対する多価金属塩の適用は有効な手段であるといえる。
【００２１】
本発明はインク受理層に多価金属塩を含有する。塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸カリウムアルミニウムから選ばれる少なくとも１種以上の多価金属塩であれば特に問題なく使用できるが、これがＮａやＫといった１価金属塩の場合、顔料インクへの作用が低く、多価金属塩と同等の効果を引き出すためには多量に使用する必要があり、結果として塗液の特性やインクジェット記録用紙としての特性に影響をもたらすため現実的でない。
【００２２】
更に本発明者らは、多価金属塩の効果を良好に発現させるために必要とされる量についても検討を行った。その結果、該多価金属塩が、インク受理層中或いは表面に０．１g/ｍ2以上含有させることで顔料インクに対する効果を安定して発現させることが出来ることを見いだした。更に該多価金属塩を０．２５g/ｍ2以上含有させることで、発色性やインク吸収性、顔料定着性の向上が確実なものとなるためより好ましい。ここで、該多価金属塩が０．１g/ｍ2未満であると顔料インクに対する作用が弱く、発色性やインク吸収性の悪化が生ずる。
【００２３】
また該多価金属塩を３．０g/ｍ2以上添加すると、顔料インク中の色材顔料が塗工層表面で強く凝集し、インクの吸収性、定着性を悪化させる場合がある。よって該多価金属塩の含有量は０．１g/ｍ2以上３．０g/ｍ2未満が好ましい。
【００２４】
本発明において、多価金属塩は、インク受理層中に最初から含有させてもかまわないし、該多価金属塩を含まないインク受理層を塗工した後で該受理層表面を該多価金属塩溶液或いは該多価金属塩を含む塗工液にて処理してもその効果に変わりはない。
【００２５】
本発明において適用される多価金属塩は、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸カリウムアルミニウムが挙げられる。これら多価金属塩は結晶水が付加した状態で安定に存在する場合があるが、このような結晶水が存在してもその効果に影響はない。また、これら多価金属塩は、単独で使用しても２種以上を併用してもかまわない。この場合、異なる多価金属塩同士でも良いし、同金属の硫酸塩と塩化物のような組合せでもかまわない。これら多価金属塩中でも塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸カリウムアルミニウムの多価金属塩は他の多価金属塩と比較して、人体への危険度、毒性が低いもの、水溶液が呈色を示さないものが多く、顔料インクに対する作用が高く添加量も少量で済むこと、塗液粘度などの液特性への影響が少ないことから特に好ましい。
【００２６】
本発明で云う顔料インクとは、下記の色材顔料、アニオン系分散剤、水を含む溶媒、その他の添加剤からなる記録液体である。
【００２７】
本発明において適用対象としている顔料インクの色材顔料とは、どのような顔料でも良く、無機及び有機顔料のいずれでも良い。例えばチタンブラック、チタニウムイエロー、カーボンブラック、鉄黒、酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化珪素、水酸化アルミニウム、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料等の色材顔料を使用したインクであれば良い。特にインクジェット記録において一般的に使用される４原色（ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー）に用いられる色材顔料は、例えばブラックインクとしては、C.I.PigmentBlack7等、シアンインクとしては、C.I.PigmentBlue1、C.I.PigmentBlue2、C.I.PigmentBlue15:3、C.I.PigmentBlue16等、マゼンタインクとしては、C.I.PigmentRed5、C.I.PigmentRed48:2、C.I.PigmentRed57:1、C.I.PigmentRed112、C.I.PigmentRed122、C.I.PigmentVioret19等、イエローインクとしては、C.I.PigmentYellow1、C.I.PigmentYellow3、C.I.PigmentYellow13、C.I.PigmentYellow74、C.I.PigmentYellow83、C.I.PigmentYellow128等が代表例であるが、水性インクを形成し得る色材顔料であれば特に限定されない。
【００２８】
また本発明において使用されるインクには、上記の顔料を分散させるために用いられている分散剤は、アニオン系分散剤である。アニオン系分散剤が１種あるいは数種類使用されている場合、またはノニオン系分散剤と併用されている場合でも本発明の効果は得られる。アニオン系分散剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルフェートアンモニウム塩、Ｎ-メチル−Ｎ−オレオイルタウレートナトリウム、ポリオキシフォスフォニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−（メタ）アクリル酸共重合体等の界面活性剤または高分子分散剤が挙げられる。
【００２９】
インクの溶媒としては、例えば水および水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、ｎ−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ｎ−ブチルアルコール、 sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどの炭素数１〜４のアルキルアルコール類；ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類；アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトンまたはケトンアルコール類；テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類；ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類；エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6 −ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基が２〜６個のアルキレングリコール類；グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル（またはエチル）エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類などが挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコールなどの多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
【００３０】
その他の添加剤としては、例えば、ＰＨ調節剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、および防錆剤などが挙げられる。
【００３１】
本発明におけるインク受理層とは、多孔質顔料、無機及び有機微粒子顔料といった各種顔料、バインダー、その他添加剤及び多価金属塩から構成される。特に、インクジェット記録用紙として大量のインクを吸収する必要性から、多孔質顔料を主体として形成されている。
【００３２】
本発明のインク受理層に含有される多孔質顔料とは、例えば合成シリカ（コロイダルシリカ、湿式法非晶質シリカ、気相法非晶質シリカ）、アルミナ（気相法アルミナ、γアルミナ）或はアルミナ水和物（アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、擬ベーマイト等）で、超微粒の一次粒子あるいはこれらが凝集した粒子径０．０１μｍ〜２０μｍの二次粒子を指し、塗工層を形成した時、一次粒子間の空隙が多数構成されて多孔質となる顔料をいう。これらの顔料を１種以上用いることができる。
【００３３】
本発明に用いられる多孔質顔料を含む塗工層には、他の無機あるいは有機の微粒子を配合することも出来る。また、バインダーを含有することも好ましい。
【００３４】
無機あるいは有機の微粒子としては、従来公知の各種顔料を用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン微粒子、マイクロカプセル、尿素樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子などの有機顔料などが挙げられる。
【００３５】
また、バインダーとしては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体；カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体；カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールまたはその誘導体；ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス；アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系重合体などのアクリル系重合体ラテックス；エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス；或はこれら各種重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス；メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性接着剤；ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体または共重合体樹脂；ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂系接着剤などを挙げることができる。
【００３６】
バインダーの配合量としては、多孔質顔料及び必要ならその他の顔料との総和１００重量部に対して、３〜７０重量部、好ましくは、５〜５０重量部であり、３重量部未満ではインク受理層の塗層強度が不足するし、７０重量部を超えるとインク吸収性が低下する。
【００３７】
本発明において、インク受理層の塗工量は特に限定されるものではないが、あまり少ないとノンコートタイプインクジェット記録用紙と同様にインクの吸収性は良いものの、画像濃度・色彩性・鮮明性が低く、インクが原紙の面方向に拡散して、鳥の羽状にギザギザしたフェザリングと呼ばれるドット形状の悪化が発生し、良好な品質の画像が得られない。また、あまり塗工量が多いと、塗工又は含浸後の乾燥工程における乾燥負荷が高まり、塗工又は含浸速度の低下に伴う生産性の低下ばかりでなく、高負荷での乾燥では、インク受理層を構成する塗被組成物中のバインダーが、蒸発する溶媒と共にインク受理層表面に移動して、その表面の空隙量を低下させるために、記録時に地汚れなどの発生がある。該塗工量の範囲は１〜３０g/m2、より好ましくは４〜２０g/m2である。
【００３８】
塗工量の多いインク受理層で生じる問題は、要求される品質に合わせて、インク受理層を複数に分けて設けることも可能であり、１層当たりのインク受理層の塗工量は塗被組成物の濃度や乾燥工程の能力に影響されるが、望ましくは、１〜３０g/m2さらに好ましくは４〜２０g/m2である。
【００３９】
又、光沢を有するインクジェット記録シートについても上述のインク受理層と同じように、要求される品質に合わせた塗工量を設定すればよい。本発明で云う光沢を有するインクジェット記録シートとは、原紙上にインク受理層を設けスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、ＴＧカレンダー等でカレンダー処理したもの或いはキャスト処理したもの、最表層にコロイダルシリカやアルミナゾル等のコロイド粒子を塗工したもの或いはこれらをカレンダー処理、キャスト処理したもの、フィルムや工程紙上にインク受理層を予め塗工し、原紙或いは原紙に塗工層を設けた基材と貼り合わせたもの等、原紙を基材とし、表層に光沢を有するものを指す。
【００４０】
更に、インク受理層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合することもできる。
【００４１】
本発明のインクジェット記録シートに於いては、インク受理層を多層構成とし表面に光沢を発現する層を設けることも出来る。
【００４２】
本発明に於ける、インク受理層を設ける方法としては、オンマシンコーター、オフマシンコーターのいずれでも良い。例えば、従来公知のエアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、キャストコーター、サイズプレスなどの各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いることができる。また、塗工後には、マシンカレンダー、ＴＧカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を用いて仕上げることも可能である。
【００４３】
本発明で使用される支持体としては、ＬＢＫＰ、ＮＢＫＰなどの化学パルプ、ＧＰ、ＰＧＷ、ＲＭＰ、ＴＭＰ、ＣＴＭＰ、ＣＭＰ、ＣＧＰなどの機械パルプ、ＤＩＰなどの古紙パルプなどの木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を１種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコールなどでのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙などの塗工紙も含まれる。この様な原紙および塗工紙に、そのまま本発明に係る塗層を設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、ＴＧカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を使用しても良い。
【００４４】
また、支持体を挟んだインク受理層の反対面には、カール適性を付与するために、バックコート層を塗工することも可能であり、その際の顔料としては、前述した無機或いは有機顔料が使用できるが、特に平板状顔料や加水ハロイサイトが好ましい。
【００４５】
【実施例】
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。又、実施例に於いて示す「部」および「％」は、特に明示しない限り重量部及び重量％を示す。
【００４６】
＜原紙の作製＞
濾水度４５０ｍｌＣＳＦのＬＢＫＰ７０部、濾水度４５０ｍｌＣＳＦのＮＢＫＰ３０部から成る木材パルプ１００部に、軽質炭酸カルシウム／重質炭酸カルシウム／タルクの比率が３０／３５／３５の顔料５部、市販アルキルケテンダイマー０．１部、市販カチオン系アクリルアミド０．０３部、市販カチオン化澱粉１．０部、硫酸バンド０．５部を調成後、長網抄紙機を用いて坪量１０５ｇ／m2で抄造し、市販酸化澱粉をインクラインドサイズプレスで乾燥付着量５g/m2とさせて乾燥して原紙を得た。
【００４７】
＜インク受理層Ａ用塗被組成物＞
インク受理層Ａの塗被組成物は、合成非晶質シリカ（ファインシールＸ３７Ｂ：トクヤマ社製）１００部、ポリビニルアルコール（ＰＶＡ１１７：クラレ株式会社製）３０部、カチオン性染料定着剤（スミレーズレジン１００１：住友化学工業株式会社製）２０部を混合し、固形分濃度１３％に調整して得た。
【００４８】
＜インク受理層Ｂ用塗被組成物＞
インク受理層Ｂは光沢を発現するインク受理層であり、インク受理層Ａ上に積層する事を基本としている。該インク受理層Ｂの塗被組成物は、コロイダルシリカ（スノーテックスＸＬ：日産化学株式会社製）１００部、変性アクリルエマルジョン（モビニール８０２０：ヘキスト合成株式会社製）１５部、アルカリ溶解したカゼイン（ニュージランド製）１０部を混合し、固形分濃度２０％に調整して得た。
【００４９】
＜インク受理層Ｃ用塗被組成物＞
インク受理層Ｃもインク受理層Ｂ同様、光沢を発現するインク受理層であり、インク受理層Ａ上に積層する事を基本としている。該インク受理層Ｃの塗被組成物は、アルミナゾル（カタロイドＡＳ−３：触媒化成株式会社製）５０部、コロイダルシリカ（スノーテックスＡＫ：日産化学株式会社製）５０部、ポリビニルアルコール（ＰＶＡ−１１７：クラレ株式会社製）１０部を混合し、固形分１５％に調整して得た。
【００５０】
参考例１
インク受理層Ａ塗被組成物を混合する際に、硫酸マグネシウムを１部添加した後、固形分濃度１５％に調整して、エアナイフコーターで乾燥塗工量１０g/ｍ2となるように原紙上に塗布、乾燥した。次いでインク受理層をスーパーカレンダー処理して参考例１のインクジェット記録用紙を作製した。
【００５１】
参考例２
参考例１において、硫酸マグネシウム１部を塩化マグネシウム２部に代えた以外は実施例１と全く同様にして参考例２のインクジェット記録用紙を作製した。
【００５２】
参考例３
参考例１において、硫酸マグネシウム１部を塩化亜鉛５部に代えた以外は実施例１と全く同様にして参考例３のインクジェット記録用紙を作製した。
【００５３】
参考例４
参考例１において、硫酸マグネシウム１部を硫酸カリウムアルミニウムを５部に代えた以外は参考例１と全く同様にして参考例４のインクジェット記録用紙を作製した。
【００５４】
比較例１
参考例１において、硫酸マグネシウム１部を硫酸ナトリウム８部に代えた以外は参考例１と全く同様にして比較例１のインクジェット記録用紙を作製した。
【００５５】
比較例２
参考例１において、硫酸マグネシウム１部を硫酸カリウムを１０部に代えた以外は参考例１と全く同様にして比較例２のインクジェット記録用紙を作製した。
【００５６】
比較例３
参考例１において、硫酸マグネシウムを全く添加しなかった以外は参考例１と全く同様にして比較例３のインクジェット記録用紙を作製した。
【００５７】
参考例５
比較例３において、スーパーカレンダー処理をする前に、インク受理層上に塩化マグネシウムを乾燥塗工量で２ｇ／ｍ2塗工後、スーパーカレンダー処理を施し、参考例５のインクジェット記録用紙を作製した。
【００５８】
参考例６
参考例５において、塩化マグネシウムに代えて硫酸銅を乾燥塗工量で１ｇ／ｍ2塗工した以外は参考例５と同様にして参考例６のインクジェット記録用紙を作製した。
【００５９】
参考例７
インク受理層Ｂ塗被組成物を参考例１のインク受理層上にエアナイフコーターを用いて乾燥塗工量１０g/ｍ2となるように塗工後、スーパーカレンダー処理を施し、参考例７のインクジェット記録用紙を作製した。
【００６０】
実施例１
インク受理層Ｂ塗被組成物を参考例５のインク受理層上にエアナイフコーターを用いて乾燥塗工量１０g/ｍ2となるように塗工後、スーパーカレンダー処理を施し、実施例１のインクジェット記録用紙を作製した。
【００６１】
実施例２
インク受理層Ｃ塗被組成物を参考例２のインク受理層上にエアナイフコーターを用いて乾燥塗工量１０g/ｍ2となるように塗工後、スーパーカレンダー処理を施し、実施例２のインクジェット記録用紙を作製した。
【００６２】
実施例３
インク受理層Ｃ塗被組成物を参考例５のインク受理層上にエアナイフコーターを用いて乾燥塗工量１０g/ｍ2となるように塗工後、スーパーカレンダー処理を施し、実施例３のインクジェット記録用紙を作製した。
【００６３】
比較例４
比較例３においてスーパーカレンダー処理をする前に、インク受理層上にインク受理層Ｂ塗被組成物をエアナイフコーターを用いて乾燥塗工量１０g/ｍ2となるように塗工後、スーパーカレンダー処理を施し、比較例４のインクジェット記録用紙を作製した。
【００６４】
参考例８
比較例４においてスーパーカレンダー処理をする前に、インク受理層上にさらに酢酸マグネシウムを乾燥塗工量３ｇ/ｍ2塗工後、スーパーカレンダー処理を施し、参考例８のインクジェット記録用紙を作製した。
【００６５】
比較例５
比較例３においてスーパーカレンダー処理をする前に、インク受理層上にインク受理層Ｃ塗被組成物をエアナイフコーターを用いて乾燥塗工量１０g/ｍ2となるように塗工後、スーパーカレンダー処理を施し、比較例５のインクジェット記録用紙を作製した。
【００６６】
実施例４
比較例５においてスーパーカレンダー処理をする前に、インク受理層上にさらに塩化亜鉛を乾燥塗工量１ｇ/ｍ2塗工後、スーパーカレンダー処理を施し、実施例４のインクジェット記録用紙を作製した。
【００６７】
実施例５
比較例５において、インク受理層Ｃ塗被組成物を混合する際に塩化マグネシウム３部を添加した以外は比較例５と同様にして、実施例５のインクジェット記録用紙を作製した。
【００６８】
実施例６
参考例２においてスーパーカレンダー処理をする前に、インク受理層Ｃ塗被組成物を混合する際に塩化マグネシウムを３部添加し、固形分濃度１５％に調整して、エアナイフコーターを用いて乾燥塗工量１０g/ｍ2となるように塗工後、スーパーカレンダー処理を施し、実施例６のインクジェット記録用紙を作製した。
【００６９】
実施例７
実施例６において、スーパーカレンダー処理ではなく、キャスト処理を施した以外は実施例６と同様にして実施例７のインクジェット記録用紙を作製した。
【００７０】
比較例６
比較例５において、スーパーカレンダー処理ではなく、キャスト処理を施した以外は比較例５と同様にして、比較例６のインクジェット記録用紙を作製した。
【００７１】
比較例７
参考例７において、酢酸マグネシウムを硫酸ナトリウムに代え、乾燥塗工量を２g/ｍ2とした以外は参考例７と同様にして、比較例７のインクジェット記録用紙を作製した。
【００７２】
比較例８
実施例４において、塩化亜鉛を塩化ナトリウムに代え、乾燥塗工量を３g/ｍ2とした以外は実施例４と同様にして、比較例８のインクジェット記録用紙を作製した。
【００７３】
比較例９
実施例６において、塩化マグネシウム３部を塩化ナトリウム１０部に代えた以外は実施例６と同様にして比較例９のインクジェット記録用紙を作製した。
【００７４】
実施例１〜７、参考例１〜８、及び比較例１〜９は、以下に示す方法により評価を行った。
【００７５】
＜印字＞
ヒューレットパッカード社製インクジェットプリンター（ＤｅｓｉｇｎＪｅｔ２５００ＣＰ、ＵＶインク）を用い、作製したインクジェット記録シートにブラック（Ｂｋ）、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）の各単色及び、ブラックインクを除く他の３色インクで形成されるレッド（Ｒ）、グリーン（Ｇ）、ブルー（Ｂ）の重色、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローで形成される４重色の計８色のベタパターンを、２ｃｍ×２ｃｍで横一列に隣接して記録するという方法でベタ印字を行い、これを吸収性・発色性・ブリーディング及びインク定着性の評価に用いた。
【００７６】
１）吸収性
各色の２ｃｍ×２ｃｍ四方ベタ印字部について、印字後２４時間経過後に各色の境界の滲みとベタ印字部の印字むらについて、以下の基準で目視評価した。
◎：各色の境界の滲み及びベタ印字部の印字むらが全く見られない。
○：４重色部分で若干のベタ印字部ムラが見られる。
△：重色において境界の滲みもしくはベタ印字部の印字むらのどちらかが見られる。
×：単色においても境界の滲みもしくはベタ印字部の印字むらのどちらかが見られる。
【００７７】
２）発色性
明度指数Ｌ*、知覚色度指数ａ*及びｂ*は、ＪＩＳ−Ｚ８７２２−１９９５に 準じて、色彩色差計（ＳｐｅｃｔｒｏＥｙｅ：ＧｒｅｔａｇＭａｃｂｅｔｈ社製）を使用して、得られたインクジェット記録用紙のブラック及び４重色以外を測定し、各色の測定値を色の彩度Ｃ*を表す数式１より算出される数値をもちい、数式２で表される各色の彩度の合計Ｃ* totalにより評価を行った。
【００７８】
【数１】
Ｃ*＝｛（ａ*）2＋（ｂ*）2｝0.5
【００７９】
【数２】
Ｃ* total＝Ｃ* C＋Ｃ* M＋Ｃ* Y＋Ｃ* R＋Ｃ* G＋Ｃ* B
【００８０】
彩度Ｃ*は各色の鮮やかさを示す指標であり、各色の彩度Ｃ*の合計Ｃ* total値は、４００以上が好ましい。この値よりも低い場合には色が不鮮明となり、発色性が低下するため好ましくない。
【００８１】
３）重色部（Ｒｅｄ／Ｇｒｅｅｎ）間のブリーディング
印字部の重色部Ｒ／Ｇでの境界の滲みを目視により、以下の基準により評価を行った。
○：全く問題のないもの
△：わずかにブリーディングが見られるが、実用上問題のないもの
×：滲みがひどく実用上問題があるもの
ここで○及び△は実用上問題なく使用でき、×は使用不可能なレベルである。
【００８２】
このブリーディングの評価では、インク量の多い重色部での顔料インクの定着性が確認できる。このブリーディングが悪い場合には、重色部の境界において定着性の低さから顔料インクが混ざり、滲みとなって現れるため好ましくない。
【００８３】
４）インク定着性
Ｂｋ印字部を指で擦過し、色材顔料のインクジェット記録用紙表面への定着性を目視により、以下の基準により評価を行った。
◎：色材顔料が全く落ちないもの
○：色材顔料がわずかに擦れ落ちるもの
△：色材顔料が擦れ落ち、下地がうっすらと見えるもの
×：色材顔料が完全に落ちて、下地がきれいに露出するもの
ここで◎〜△は使用可能であり、×は使用不可能なレベルである。
【００８４】
【表１】
表１から、多価金属塩を含有する実施例１〜７のインクジェット記録用紙は、良好なインク吸収性・発色性・ブリーディング・インク定着性を示すことが判る。また、何れのインク受理層に適用してもその効果に変わりはない。特に多価金属塩含有量が０．１g/ｍ2を超える実施例２〜７はインク吸収性及び発色性が特に向上していることが判り、顔料インク適性に優れていると云える。多価金属塩を含まない比較例３及び４〜６では、使用した場合と比較して明らかに顔料インクに対する適性が乏しいことが判る。また、１価金属塩を使用した比較例１、２及び７〜９では、多価金属塩を含まない場合と比較すると若干特性は改善されているものの、十分なレベルには達していない。
【００８６】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明を実施することにより顔料インクの吸収性、発色性、ブリーディング及び顔料インク定着性に優れたインクジェット記録用紙を提供することが可能となる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink jet recording paper for recording using ink, and particularly to an ink jet recording paper suitable for recording with pigment ink.
[0002]
[Prior art]
In recent years, due to remarkable progress of inkjet printers and plotters, full-color and high-definition images can be easily obtained.
[0003]
The ink jet recording system records images, characters, and the like by causing micro droplets of ink to fly and adhere to a recording sheet such as paper according to various operating principles. Inkjet printers and plotters have rapidly become popular in recent years in various applications as hard copy creation devices for image information such as letters and various graphics created by computers. In particular, color images formed by the multi-color ink jet method can be recorded inferior to multi-color printing by the plate making method and printing by the color photographic method, and in applications where the number of copies is small. Are being widely applied because they are less expensive than printing and photographic techniques.
[0004]
Furthermore, with the diversification of uses, it is increasingly used for large-format posters, POP art, and drafting. In these applications, since the high sharpness of the ink jet is utilized and the color is excellent, a good image can be obtained and the advertising effect is great. Application to these is because it is possible to easily obtain images with excellent image reproducibility and color reproducibility such as sharpness and color at the personal computer level, and this is also the reason for using a lot of inkjet recording paper. .
[0005]
Due to the high performance and diversification of applications of these ink jet recording apparatuses, the needs for ink jet recording are increasing, and as a result, the characteristics and requirements required for the recording apparatus or paper have become considerably high. For example, in the case of applications such as large posters, POP art, and photographic image output, the applications are for indoor / outdoor exhibitions and personal record storage, and thus weather resistance and image storage stability are required more than before. It is like that. In response to such demands, improvements in ink and paper have been progressed, and considerably better storability than before has been obtained. However, in particular, the light resistance has not yet reached the level of silver salt photography, and the current situation is that the requirements are not satisfied.
[0006]
In order to satisfy such demands, pigment type inks have recently been used. It is known that the pigment ink has little light deterioration and does not re-dissolve with water, so that the weather resistance and the image storage stability are improved as compared with the dye type ink. However, the colorant pigment used in the ink is insoluble in the solvent unlike the dye. Therefore, it is necessary to stably disperse the color material pigment, and the ratio of the color material pigment in the ink cannot be easily increased. Further, the coloring efficiency is not high like a dye, and it is difficult to obtain a clear color. Therefore, the amount of ink used for image formation tends to be larger than that of dye ink. In particular, boundary bleeding (bleeding) is likely to occur between heavy color portions with a large amount of ink.
[0007]
Therefore, the demand for paper is inevitably increasing. As a method for improving the absorbability of the pigment ink, it is conceivable to increase the thickness of the ink receiving layer to be coated on the support. Ink absorption is improved by this method, but the color develops because the ink penetrates deeply in the direction of the base paper. As described above, in the case of the pigment ink, it is difficult to obtain a clear color compared with the dye ink, so that the color developability is significantly lowered when the ink penetrates deeply.
[0008]
In order to improve color development, it may be possible to use a cationic polymer called an ink fixing agent in the same way as dye ink, but unlike dye ink, a sufficient fixing effect cannot be obtained, resulting in good color development. Hard to get.
[0009]
In addition, when the ink receiving layer surface is smoothed or mirror-finished and printed with pigment ink on glossy inkjet recording paper, the pigment does not enter the ink receiving layer and remains on the surface due to its surface smoothness Will occur. As a result, when the printed part is touched, the pigment is rubbed off and the printed image is disturbed.
[0010]
As a method for improving the pigment ink fixing property of the ink jet recording paper to which such gloss is given, paper surface treatment can be considered. Specifically, it is a method of providing an uneven surface on the surface or coating an ink fixing layer using a polymer or the like. However, these methods cause problems such as a decrease in ink absorbability and surface gloss. Therefore, it is difficult to say that it is an effective means, and it has been difficult to obtain quality satisfying all the above-mentioned problems.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide an ink jet recording paper that has good color developability, ink absorbability, and bleeding when printed with pigment ink and has good pigment ink fixability after printing.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The inkjet recording paper of the present invention has an ink receiving layer comprising at least one pigment and a binder on a paper support, and a droplet of pigment ink comprising at least a colorant pigment, an anionic dispersant, and water. In an ink jet recording paper that records this when ejected from an ink jet recording apparatus, the ink receiving layer contains at least one water-soluble polyvalent metal salt selected from magnesium chloride, zinc chloride, and potassium aluminum sulfate , An ink jet recording sheet, wherein the pigment of the outermost layer of the ink receiving layer comprises colloidal particles .
[0014]
Further, when the water-soluble polyvalent metal salt is contained in an amount of 0.1 g / m 2 or more in the ink receiving layer, the effect is ensured.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the ink jet recording sheet of the present invention will be described in detail.
[0016]
As a method for improving the suitability of the pigment ink, the present inventors have separated the solvent component of the pigment ink from the pigment component, distributed the colorant pigment in the vicinity of the ink receiving layer surface, and infiltrated the solvent component into the lower layer, We thought that both absorption and color development were possible. Further, it was considered that the ink fixing property is improved by causing some substance to act on the colorant pigment component or the dispersant and fixing them.
[0017]
Accordingly, the present inventors have made extensive investigations on methods and substances that act on the colorant pigment or dispersant of the pigment ink to agglomerate and fix it, and separate the colorant pigment component and the solvent component. By incorporating a polyvalent metal salt (hereinafter simply referred to as a polyvalent metal salt) into the ink-receiving layer, the pigment ink absorbability, color developability, bleeding and ink fixability are dramatically improved. It was found that an ink jet recording paper suitable for the production can be produced.
[0018]
The improvement of the suitability of the pigment ink by the ink jet recording paper of the present invention is such that the polyvalent metal salt contained in the ink receiving layer acts on the pigment dispersant in the pigment ink to fix the pigment component in the vicinity of the coating layer surface. This is indicated by the fact that the ink is separated from the solvent component and the lower layer absorbs the filtered solvent component.
[0019]
In the present invention, the ink in which the polyvalent metal salt acts effectively is a pigment ink comprising at least a colorant pigment, an anionic dispersant, and water. As a result of intensive studies on the action of the polyvalent metal salt by the present inventors, an anionic dispersant is not found in the ink aggregation effect of the polyvalent metal salt for a pigment ink using a nonionic or cationic dispersant. It was confirmed to act only on the skin. This also supports the above-described action of the polyvalent metal salt, and it is considered that this action achieves both improved fixing and color development of the pigment ink and absorption.
[0020]
As a method for improving the fixing property / coloring property of the ink, application of a cationic ink fixing agent can be considered. However, the effect on the pigment ink is not so high unlike when it acts on the dye ink. In addition, it is conceivable to provide a thick ink-receiving layer as a method for improving the ink absorbency. However, absorption of the ink itself into the receiving layer due to the improved absorption occurs, and a clear color cannot be obtained. A reduction in the strength of the layer itself also occurs. From these points, it can be said that application of the polyvalent metal salt to the pigment ink is an effective means.
[0021]
In the present invention, the ink receiving layer contains a polyvalent metal salt. Any polyvalent metal salt selected from magnesium chloride, zinc chloride, and potassium aluminum sulfate can be used without any particular problem. However, when this is a monovalent metal salt such as Na or K, it has a low effect on the pigment ink. In order to obtain the same effect as the polyvalent metal salt, it is necessary to use a large amount, and as a result, the characteristics of the coating liquid and the characteristics as an ink jet recording paper are affected, which is not realistic.
[0022]
Furthermore, the present inventors have also examined the amount required to satisfactorily develop the effect of the polyvalent metal salt. As a result, it has been found that the effect on the pigment ink can be stably exhibited by containing the polyvalent metal salt in the ink receiving layer or on the surface in an amount of 0.1 g / m 2 or more. Furthermore, it is more preferable that the polyvalent metal salt is contained in an amount of 0.25 g / m 2 or more because the improvement of the color development property, the ink absorption property and the pigment fixing property is ensured. Here, when the polyvalent metal salt is less than 0.1 g / m 2 , the effect on the pigment ink is weak, and the color developability and the ink absorbability are deteriorated.
[0023]
When the polyvalent metal salt is added in an amount of 3.0 g / m 2 or more, the colorant pigment in the pigment ink may strongly aggregate on the surface of the coating layer, and the ink absorbability and fixability may be deteriorated. Therefore, the content of the polyvalent metal salt is preferably 0.1 g / m 2 or more and less than 3.0 g / m 2 .
[0024]
In the present invention, the polyvalent metal salt may be contained in the ink receiving layer from the beginning, and after coating the ink receiving layer not containing the polyvalent metal salt, the surface of the receiving layer is coated with the polyvalent metal. Even if it processes with a salt solution or the coating liquid containing this polyvalent metal salt, the effect is not changed.
[0025]
Examples of the polyvalent metal salt applied in the present invention include magnesium chloride, zinc chloride, and potassium aluminum sulfate . These polyvalent metal salts may exist stably in a state where crystallization water is added, but the presence of such crystallization water does not affect the effect. These polyvalent metal salts may be used alone or in combination of two or more. In this case, different polyvalent metal salts may be used, or a combination such as sulfate and chloride of the same metal may be used. Among these polyvalent metal salts, the polyvalent metal salts of magnesium chloride, zinc chloride, and potassium aluminum sulfate are less dangerous to humans and less toxic than other polyvalent metal salts, and the aqueous solution does not show color. It is particularly preferable because it has many effects, has a high effect on the pigment ink, and requires only a small amount of addition, and has little influence on the liquid properties such as the coating liquid viscosity.
[0026]
The pigment ink referred to in the present invention is a recording liquid comprising the following colorant pigment, an anionic dispersant, a solvent containing water, and other additives.
[0027]
The color material pigment of the pigment ink to be applied in the present invention may be any pigment, and may be any of inorganic and organic pigments. For example, colorant pigments such as titanium black, titanium yellow, carbon black, iron black, zinc oxide, cobalt oxide, silicon oxide, aluminum hydroxide, azo pigment, phthalocyanine pigment, anthraquinone pigment, thioindigo pigment, quinacridone pigment, and dioxazine pigment are used. Any ink that has been used. In particular, the colorant pigments used for the four primary colors (black, cyan, magenta, yellow) generally used in ink jet recording are, for example, CIPigmentBlack7 for black ink, and CIPigmentBlue1, CIPigmentBlue2, and CIPigmentBlue15: 3 for cyan ink. CIPigmentBlue 16, etc. There is no particular limitation as long as it is a colorant pigment capable of forming a water-based ink.
[0028]
In the ink used in the present invention, the dispersant used to disperse the pigment is an anionic dispersant. The effects of the present invention can be obtained even when one or several types of anionic dispersants are used, or when used in combination with a nonionic dispersant. Examples of anionic dispersants include sodium dodecylbenzenesulfonate, sodium laurate, polyoxyethylene alkyl ether sulfate ammonium salt, N-methyl-N-oleoyl taurate sodium, polyoxyphosphonium salt, polyacrylic Sodium phosphate, sodium polyphosphate, sodium hexametaphosphate, sodium pyrophosphate, styrene-acrylic acid copolymer, styrene-maleic acid copolymer, styrene-methacrylic acid copolymer, styrene-methacrylic acid-acrylic acid ester copolymer , Surfactants such as styrene- (meth) acrylic acid copolymers, and polymer dispersants.
[0029]
Examples of the ink solvent include water and various water-soluble organic solvents such as methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, sec-butyl alcohol, tert-butyl alcohol, and isobutyl alcohol. Alkyl alcohols having 1 to 4 carbon atoms; amides such as dimethylformamide and dimethylacetamide; ketones or ketone alcohols such as acetone and diacetone alcohol; ethers such as tetrahydrofuran and dioxane; polyamines such as polyethylene glycol and polypropylene glycol Alkylene glycols; ethylene glycol, propylene glycol, butylene glycol, triethylene glycol, 1,2,6-hexanetriol, thiodiglycol, Alkylene glycols having 2 to 6 alkylene groups such as xylene glycol and diethylene glycol; lower alkyl ethers of polyhydric alcohols such as glycerin, ethylene glycol methyl ether, diethylene glycol methyl (or ethyl) ether, and triethylene glycol monomethyl ether Can be mentioned. Of these many water-soluble organic solvents, polyhydric alcohols such as diethylene glycol and lower alkyl ethers of polyhydric alcohols such as triethylene glycol monomethyl ether and triethylene glycol monoethyl ether are preferred.
[0030]
Examples of other additives include a PH regulator, a sequestering agent, an antioxidant, an antifungal agent, a viscosity modifier, a surface tension modifier, a wetting agent, a surfactant, and a rust inhibitor.
[0031]
The ink receiving layer in the present invention is composed of various pigments such as porous pigments, inorganic and organic fine particle pigments, binders, other additives, and polyvalent metal salts. In particular, porous pigments are mainly formed because of the necessity of absorbing a large amount of ink as inkjet recording paper.
[0032]
Examples of the porous pigment contained in the ink receiving layer of the present invention include synthetic silica (colloidal silica, wet method amorphous silica, gas phase method amorphous silica), alumina (gas phase method alumina, γ alumina), and the like. Is an alumina hydrate (alumina sol, colloidal alumina, cationic aluminum oxide or hydrate thereof, pseudo boehmite, etc.), primary particles of ultrafine particles or secondary particles having a particle diameter of 0.01 μm to 20 μm aggregated from these. When the coating layer is formed, it refers to a pigment that is porous with a large number of voids between the primary particles. One or more of these pigments can be used.
[0033]
Other inorganic or organic fine particles can be blended in the coating layer containing the porous pigment used in the present invention. It is also preferable to contain a binder.
[0034]
Conventionally known various pigments can be used as the inorganic or organic fine particles. For example, light calcium carbonate, heavy calcium carbonate, magnesium carbonate, kaolin, talc, calcium sulfate, barium sulfate, titanium dioxide, zinc oxide, zinc sulfide, zinc carbonate, satin white, aluminum silicate, diatomaceous earth, calcium silicate, magnesium silicate White pigments such as aluminum hydroxide, lithopone, zeolite, hydrous halloysite, magnesium hydroxide, organic pigments such as styrene plastic pigment, acrylic plastic pigment, polyethylene fine particles, microcapsules, urea resin fine particles, melamine resin fine particles, etc. Can be mentioned.
[0035]
Examples of the binder include starch derivatives such as oxidized starch, etherified starch and phosphate esterified starch; cellulose derivatives such as carboxymethyl cellulose and hydroxyethyl cellulose; casein, gelatin, soybean protein, polyvinyl alcohol or derivatives thereof; polyvinyl pyrrolidone, anhydrous Conjugated diene copolymer latex such as maleic acid resin, styrene-butadiene copolymer, methyl methacrylate-butadiene copolymer; acrylic polymer such as acrylic acid ester and methacrylic acid ester polymer or copolymer, etc. Acrylic polymer latex; vinyl polymer latex such as ethylene vinyl acetate copolymer; or functional group-modified polymer latex with functional group-containing monomers such as carboxy groups of these various polymers; melamine tree Aqueous adhesives such as thermosetting synthetic resins such as urea resins; Acrylic esters such as polymethyl methacrylate, methacrylic ester polymers or copolymer resins; polyurethane resins, unsaturated polyester resins, vinyl chloride-vinyl acetate copolymers And synthetic resin adhesives such as polyvinyl butyral and alkyd resins.
[0036]
The blending amount of the binder is 3 to 70 parts by weight, preferably 5 to 50 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the total of the porous pigment and other pigments if necessary. The coating strength of the layer is insufficient, and if it exceeds 70 parts by weight, the ink absorbability is lowered.
[0037]
In the present invention, the coating amount of the ink receiving layer is not particularly limited, but if it is too small, the ink absorption is good as in the case of the non-coated type ink jet recording paper, but the image density, color, and sharpness are low. The ink diffuses in the surface direction of the base paper, and the dot shape deterioration called feathering which is jagged in the shape of a bird feather occurs, and an image of good quality cannot be obtained. If the coating amount is too large, the drying load in the drying process after coating or impregnation increases, and not only the productivity decreases due to the decrease in the coating or impregnation speed, but also the ink acceptance in the case of drying at a high load. The binder in the coating composition constituting the layer moves to the surface of the ink receiving layer together with the solvent to evaporate, and the amount of voids on the surface is reduced, so that background staining or the like occurs during recording. Coating coated amount ranges 1 to 30 g / m 2, more preferably from 4~20g / m 2.
[0038]
The problem that occurs in an ink receiving layer with a large amount of coating can be divided into a plurality of ink receiving layers according to the required quality. The coating amount of the ink receiving layer per layer is Although the effect on the ability of concentration and drying of the composition, preferably, more preferably 1 to 30 g / m 2 is 4~20g / m 2.
[0039]
In addition, for the glossy inkjet recording sheet, a coating amount that matches the required quality may be set in the same manner as the ink receiving layer described above. The glossy ink jet recording sheet referred to in the present invention is an ink receiving layer provided on a base paper and is calendered or cast with a super calender, soft calender, TG calender, etc., and the outermost layer is made of colloidal silica or alumina sol. Coated colloidal particles, or those that have been calendered or casted, previously coated with an ink-receiving layer on a film or process paper, and bonded to a base paper or base material provided with a coating layer on the base paper, etc. The base paper is used as a base material and the surface layer is glossy.
[0040]
Furthermore, in the ink receiving layer, as additives, dye fixing agents, pigment dispersants, thickeners, fluidity improvers, antifoaming agents, antifoaming agents, mold release agents, foaming agents, penetrating agents, UV absorbers Antioxidants, antiseptics, antifungal agents, water resistance agents, wet paper strength enhancers, dry paper strength enhancers, and the like can be appropriately blended.
[0041]
In the ink jet recording sheet of the present invention, the ink receiving layer may have a multilayer structure, and a layer that exhibits gloss may be provided on the surface.
[0042]
In the present invention, the method for providing the ink receiving layer may be either an on-machine coater or an off-machine coater. For example, various devices such as conventionally known air knife coaters, curtain coaters, die coaters, blade coaters, gate roll coaters, bar coaters, rod coaters, roll coaters, bill blade coaters, short dwell blade coaters, cast coaters, size presses, etc. It can be used on-machine or off-machine. Moreover, after coating, it is possible to finish using a calendar device such as a machine calendar, a TG calendar, a super calendar, or a soft calendar.
[0043]
Examples of the support used in the present invention include chemical pulps such as LBKP and NBKP, mechanical pulps such as GP, PGW, RMP, TMP, CTMP, CMP, and CGP, and wood pulp such as waste paper pulp such as DIP, and conventionally known pulps. The main component is a pigment, and a binder, a sizing agent, a fixing agent, a yield improver, a cationizing agent, a paper strength enhancer and the like are mixed using one or more additives, and a long net paper machine, circular net paper machine, Base paper manufactured with various devices such as twin-wire paper machines, base paper with size press or anchor coat layer of starch, polyvinyl alcohol, etc. on base paper, art paper with coat layer on top of them, coat Coated paper such as paper and cast coated paper is also included. Such base paper and coated paper may be provided with the coating layer according to the present invention as they are, or a calendar device such as a machine calendar, a TG calendar, or a soft calendar may be used for the purpose of controlling flattening. .
[0044]
In addition, a back coat layer can be applied to the opposite surface of the ink receiving layer sandwiching the support to impart curl suitability, and the above-mentioned inorganic or organic pigment can be used as the pigment. In particular, flat pigments and hydrous halloysite are preferred.
[0045]
【Example】
Examples of the present invention will be described below, but the present invention is not limited to these examples. In the examples, “parts” and “%” indicate parts by weight and% by weight unless otherwise specified.
[0046]
<Preparation of base paper>
100 parts of wood pulp comprising 70 parts of LBKP with a freeness of 450 ml CSF and 30 parts of NBKP with a freeness of 450 ml CSF, 5 parts of a pigment having a light calcium carbonate / heavy calcium carbonate / talc ratio of 30/35/35, and a commercially available alkyl ketene dimer 0.1 part, 0.03 part of commercially available cationic acrylamide, 1.0 part of commercially available cationized starch, and 0.5 part of sulfuric acid band were prepared, and then made into paper with a basis weight of 105 g / m 2 using a long net paper machine. Then, commercially available oxidized starch was dried with an ink sized size press to a dry adhesion amount of 5 g / m 2 to obtain a base paper.
[0047]
<Coating composition for ink receiving layer A>
The coating composition of the ink receiving layer A was 100 parts of synthetic amorphous silica (Fine Seal X37B: manufactured by Tokuyama Corporation), 30 parts of polyvinyl alcohol (PVA117: manufactured by Kuraray Co., Ltd.), and a cationic dye fixing agent (Smiles Resin). 1001: manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.) and mixed to obtain a solid concentration of 13%.
[0048]
<Coating composition for ink receiving layer B>
The ink receiving layer B is an ink receiving layer that exhibits gloss, and is basically laminated on the ink receiving layer A. The coating composition of the ink receiving layer B is 100 parts of colloidal silica (Snowtex XL: manufactured by Nissan Chemical Co., Ltd.), 15 parts of modified acrylic emulsion (Mobile 8020: manufactured by Hoechst Chemical Co., Ltd.), casein dissolved in alkali (New Zealand) 10 parts) were mixed and adjusted to a solid content concentration of 20%.
[0049]
<Coating composition for ink receiving layer C>
Like the ink receiving layer B, the ink receiving layer C is an ink receiving layer that exhibits gloss, and is basically laminated on the ink receiving layer A. The coating composition of the ink receiving layer C was 50 parts of alumina sol (Cataloid AS-3: manufactured by Catalytic Chemical Co., Ltd.), 50 parts of colloidal silica (Snowtex AK: manufactured by Nissan Chemical Co., Ltd.), polyvinyl alcohol (PVA-117). : Kuraray Co., Ltd.) 10 parts were mixed and obtained by adjusting the solid content to 15%.
[0050]
Reference example 1
When mixing the ink-receiving layer A coating composition, after adding 1 part of magnesium sulfate, the solid content concentration is adjusted to 15% on the base paper so that the dry coating amount is 10 g / m 2 with an air knife coater. And dried. Next, the ink receiving layer was subjected to supercalendering to produce an ink jet recording paper of Reference Example 1 .
[0051]
Reference example 2
An ink jet recording paper of Reference Example 2 was prepared in the same manner as in Example 1 except that 1 part of magnesium sulfate was replaced with 2 parts of magnesium chloride in Reference Example 1 .
[0052]
Reference example 3
An ink jet recording paper of Reference Example 3 was prepared in the same manner as in Example 1 except that 1 part of magnesium sulfate was replaced with 5 parts of zinc chloride in Reference Example 1 .
[0053]
Reference example 4
An ink jet recording paper of Reference Example 4 was prepared in exactly the same manner as in Reference Example 1 , except that 1 part of magnesium sulfate was replaced with 5 parts of potassium aluminum sulfate.
[0054]
Comparative Example 1
An ink jet recording paper of Comparative Example 1 was prepared in exactly the same manner as in Reference Example 1 , except that 1 part of magnesium sulfate was replaced with 8 parts of sodium sulfate.
[0055]
Comparative Example 2
An ink jet recording paper of Comparative Example 2 was prepared in exactly the same manner as in Reference Example 1 except that 1 part of magnesium sulfate was replaced with 10 parts of potassium sulfate in Reference Example 1 .
[0056]
Comparative Example 3
An ink jet recording paper of Comparative Example 3 was prepared in the same manner as in Reference Example 1 except that no magnesium sulfate was added in Reference Example 1 .
[0057]
Reference Example 5
In Comparative Example 3, before the supercalendering treatment, magnesium chloride was applied on the ink receiving layer in a dry coating amount of 2 g / m 2 , and then the supercalendering treatment was performed to prepare the ink jet recording paper of Reference Example 5 . .
[0058]
Reference Example 6
Reference Example 5, except for using 1 g / m 2 coated at a dry coating amount of copper sulfate in place of magnesium chloride to prepare an ink jet recording paper of Example 6 in the same manner as in Reference Example 5.
[0059]
Reference Example 7
The ink-receiving layer B coating composition was coated on the ink-receiving layer of Reference Example 1 using an air knife coater so that the dry coating amount was 10 g / m 2, and then subjected to supercalender treatment, and the inkjet of Reference Example 7 was applied. Recording paper was prepared.
[0060]
Example 1
The ink-receiving layer B coating composition was coated on the ink-receiving layer of Reference Example 5 using an air knife coater so that the dry coating amount was 10 g / m 2, and then subjected to supercalender treatment, and the ink jet of Example 1 was applied. Recording paper was prepared.
[0061]
Example 2
The ink-receiving layer C coating composition was coated on the ink-receiving layer of Reference Example 2 using an air knife coater so as to have a dry coating amount of 10 g / m 2, and then subjected to supercalender treatment, and the inkjet of Example 2 was applied. Recording paper was prepared.
[0062]
Example 3
The ink-receiving layer C coating composition was coated on the ink-receiving layer of Reference Example 5 using an air knife coater so as to have a dry coating amount of 10 g / m 2, and then subjected to supercalender treatment, and the ink jet of Example 3 was applied. Recording paper was prepared.
[0063]
Comparative Example 4
Before the supercalender treatment in Comparative Example 3, the ink-receiving layer B coating composition was applied onto the ink-receiving layer using an air knife coater so that the dry coating amount was 10 g / m 2, and then the supercalendering treatment was performed. The inkjet recording paper of Comparative Example 4 was produced.
[0064]
Reference Example 8
Prior to supercalendering in Comparative Example 4, magnesium acetate was further coated on the ink receiving layer with a dry coating amount of 3 g / m 2 , and then supercalendering was performed to prepare an ink jet recording paper of Reference Example 8 .
[0065]
Comparative Example 5
Before the supercalender treatment in Comparative Example 3, the ink-receiving layer C coating composition was applied onto the ink-receiving layer using an air knife coater so that the dry coating amount was 10 g / m 2, and then the supercalendering treatment was performed. The inkjet recording paper of Comparative Example 5 was produced.
[0066]
Example 4
Before carrying out the super calendering process in Comparative Example 5, the ink receiving layer was further coated with zinc chloride in a dry coating amount of 1 g / m 2 and then subjected to the super calendering process to produce the ink jet recording paper of Example 4 .
[0067]
Example 5
In Comparative Example 5, an inkjet recording paper of Example 5 was produced in the same manner as Comparative Example 5 except that 3 parts of magnesium chloride was added when mixing the ink receiving layer C coating composition.
[0068]
Example 6
Before supercalendering in Reference Example 2 , when mixing the ink receiving layer C coating composition, 3 parts of magnesium chloride was added to adjust the solid content concentration to 15%, and then dried using an air knife coater. After coating so as to have a work rate of 10 g / m 2 , super calendering was performed to prepare an ink jet recording paper of Example 6 .
[0069]
Example 7
In Example 6 , the inkjet recording paper of Example 7 was produced in the same manner as Example 6 except that the cast process was performed instead of the super calendar process.
[0070]
Comparative Example 6
In the comparative example 5, the inkjet recording paper of the comparative example 6 was produced like the comparative example 5 except having performed the cast process instead of the super calendar process.
[0071]
Comparative Example 7
Reference Example 7, instead of magnesium acetate to sodium sulphate, except that the dry coating amount was 2 g / m 2 in the same manner as in Reference Example 7, was prepared ink jet recording paper of Comparative Example 7.
[0072]
Comparative Example 8
Ink jet recording paper of Comparative Example 8 was produced in the same manner as in Example 4 except that zinc chloride was replaced with sodium chloride in Example 4 and the dry coating amount was 3 g / m 2 .
[0073]
Comparative Example 9
In Example 6, it was used in place of 3 parts of magnesium chloride in 10 parts of sodium chloride was prepared ink jet recording paper of Comparative Example 9 in the same manner as in Example 6.
[0074]
Examples 1 to 7, Reference Examples 1 to 8 and Comparative Examples 1 to 9 were evaluated by the methods shown below.
[0075]
<Printing>
Using a Hewlett Packard ink jet printer (DesignJet 2500CP, UV ink), the black ink (Bk), cyan (C), magenta (M), yellow (Y), and black ink are excluded from the ink jet recording sheet produced. A solid pattern of 8 colors in total, consisting of a red (R), green (G), and blue (B) heavy color, and a quadruple color formed of black, cyan, magenta, and yellow. Solid printing was performed by the method of recording adjacent to one horizontal line at × 2 cm, and this was used for evaluation of absorptivity, color developability, bleeding and ink fixability.
[0076]
1) Regarding the 2 cm × 2 cm square solid printed part of each color of the absorptive color, the bleeding of the boundary of each color and the printing unevenness of the solid printed part were visually evaluated after 24 hours from the printing according to the following criteria.
(Double-circle): The blur of the boundary of each color and the printing unevenness of a solid printing part are not seen at all.
○: Some solid printing unevenness is observed in the quadruple color portion.
Δ: Either a blurring of the boundary or uneven printing of the solid printing portion is observed in heavy colors.
X: Even in a single color, either blurring at the boundary or uneven printing at the solid printing portion is observed.
[0077]
2) Ink-jet recording paper obtained by using a color difference meter (SpectroEye: manufactured by GretagMacbeth) in accordance with JIS-Z8722-1995, the chromogenic lightness index L * and the perceptual chromaticity index a * and b *. The measured values of each color other than black and quadruple colors are used, and the measured value of each color is calculated using Equation 1 representing the saturation C * of the color, and the total saturation C * total of each color represented by Equation 2 is obtained. Evaluation was performed.
[0078]
[Expression 1]
C * = {(a * ) 2 + (b * ) 2 } 0.5
[0079]
[Expression 2]
C * total = C * C + C * M + C * Y + C * R + C * G + C * B
[0080]
The saturation C * is an index indicating the vividness of each color, and the total C * total value of the saturation C * of each color is preferably 400 or more. If it is lower than this value, the color becomes unclear and the color developability deteriorates, which is not preferable.
[0081]
3) The bleeding of the boundary at the heavy color portion R / G of the bleeding print portion between the heavy color portions (Red / Green) was visually evaluated according to the following criteria.
○: No problem at all △: Slight bleeding is observed, but there is no problem in practical use ×: The bleeding is severe and there is a problem in practical use ○ and △ can be used without any problem in practical use, and × is used An impossible level.
[0082]
In this bleeding evaluation, it is possible to confirm the fixability of the pigment ink in the heavy color portion where the amount of ink is large. If this bleeding is poor, the pigment ink is mixed and appears as a blur due to the low fixability at the boundary of the heavy color portion, which is not preferable.
[0083]
4) Ink fixability The Bk printing part was rubbed with a finger, and the fixability of the colorant pigment to the surface of the ink jet recording paper was visually evaluated according to the following criteria.
◎: Color material pigment does not fall off at all ○: Color material pigment rubs off slightly △: Color material pigment rubs down and the base is slightly visible x: Color material pigment is completely removed and the base is clean What is exposed Here, ◎ to Δ are usable, and x is an unusable level.
[0084]
[Table 1]
From Table 1, it can be seen that the inkjet recording papers of Examples 1 to 7 containing a polyvalent metal salt exhibit good ink absorbability, color developability, bleeding and ink fixability. Moreover, the effect is not changed even if it is applied to any ink receiving layer. In particular, Examples 2 to 7 in which the polyvalent metal salt content exceeds 0.1 g / m 2 are found to have particularly improved ink absorbability and color developability, and can be said to be excellent in pigment ink suitability. It can be seen that in Comparative Examples 3 and 4 to 6 containing no polyvalent metal salt, the suitability for pigment ink is clearly poor compared to the case of using. In Comparative Examples 1, 2, and 7-9 using a monovalent metal salt, although the characteristics are slightly improved as compared with the case where no polyvalent metal salt is contained, it does not reach a sufficient level.
[0086]
【The invention's effect】
As described above, by carrying out the present invention, it is possible to provide an ink jet recording paper excellent in pigment ink absorptivity, color developability, bleeding and pigment ink fixability.
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