JP4050299B2

JP4050299B2 - カードコネクタ

Info

Publication number: JP4050299B2
Application number: JP2005514375A
Authority: JP
Inventors: 和夫米山; 友行崎山; 昇脇谷; 対馬高田; 浩一守
Original assignee: Nintendo Co Ltd; Hosiden Corp
Current assignee: Nintendo Co Ltd; Hosiden Corp
Priority date: 2003-10-06
Filing date: 2004-09-03
Publication date: 2008-02-20
Anticipated expiration: 2024-09-03
Also published as: EP1615299A1; US20050272290A1; JPWO2005034295A1; EP1615299B1; DE602004007640T2; CN1701469A; WO2005034295A1; US7118394B2; DE602004007640D1; CN100349328C; EP1615299A4

Description

本発明は、ＳＤメモリーカード（ＳｅｃｕｒｅＤｉｇｉｔａｌｍｅｍｏｒｙｃａｒｄ）等のカードが挿入されるカードコネクタに関する。

この種のカードコネクタとしては、挿入されたカードをカード挿入位置とカード排出位置とでロックするハートカム機構がスロットを有するベース部の内壁面に設けられたもの（特許文献１）、カード挿入位置でカードの側面に形成された係合凹部に係合される弾性ロック片を有するもの（特許文献２）がある。

ところで、このようなカードコネクタは、カード排出時にユーザーが当該カードを取り出し易いように、スロットからカードの一部が飛び出すように構成されている。

特開２００１−８５０８９号公報特開２００２−１３４２２４号公報

しかしながら、前記カードコネクタは、カードを排出する手段としてスプリングが用いられている。このため、カード排出時にカードに与えられる力の慣性力によりカード全体がスロットから飛び出し、カードを紛失したり、顔などに当たって怪我をする可能性があるという問題を有している。

また、従来のカードコネクタにおいては、摩擦を用いてカードの飛び出しを防止するようにしているが、摩擦を用いる以上、当該コネクタが壊れ易いという別の問題がある。

本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、カードの排出時の飛び出しを防止することができ且つ壊れ難いカードコネクタを提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明のカードコネクタは、少なくとも一方の側面に係合凹部が形成されたカードが挿入されるカードコネクタであって、カードが挿入可能なスロットを有するベース部と、このベース部内のカード当接可能位置に配設されるスライダと、このスライダをカードの排出方向に付勢するスプリングと、先端部がカードの係合凹部に係合可能であり且つ基端部が前記スライダに取り付けられた板バネであって、前記先端部がカードから遠ざかる方向に変位可能なロックバネとを備えており、前記スライダは、挿入されたカードに押圧されることにより前記スプリングの付勢力に抗してカード排出位置からカード挿入位置にかけてカードと共に移動する一方、カード排出時に、前記スプリングの付勢力によりカード挿入位置からカード排出位置を越えてカード飛び出し防止位置にカードと共に移動するようになっており、前記ロックバネは、挿入されたカードの係合凹部に前記先端部が係合された状態で、前記カード及びスライダと共に移動するようになっており、前記ベース部内には、前記スライダがカード飛び出し防止位置に位置しているときに、前記ロックバネの先端部に当接して当該先端部の前記変位を妨げ、これにより前記先端部が前記カードの係合凹部に係合された状態を維持する第１のリブが設けられていることを特徴としている。

また、前記ベース部内には、前記スライダがカード挿入位置に位置しているときに、前記ロックバネの先端部に当接して当該ロックバネの先端部の変位を妨げる第２のリブが設けられている。

さらに、前記ベース部内には、前記スライダがカード飛び出し防止位置に位置したときに当該スライダの先端部に当接して当該スライダをカード飛び出し防止位置からカード排出位置に復帰させる弾性部材が設けられている。

前記ロックバネ先端部は少なくとも前記第１のリブに当接した状態でカードの係合凹部との係合が外れるよう弾性変形可能な形状とすることができる。

本発明の請求項１に係るカードコネクタによる場合、カード排出時にスプリングの付勢力によりスライダをカード飛び出し防止位置に移動させると共に、当該スライダがカード飛び出し防止位置に位置したときに、ロックバネの先端部がベース部に設けられた第１のリブに当接してカードから遠ざかる方向に変位するのを妨げられるようになっている。このため、ロックバネの先端部がカードの係合凹部に係合された状態が維持され、カードの飛び出しを防止することができるので、従来例の如くカード排出時に飛び出したカードを紛失したり、飛び出したカードが顔に当たって怪我をしたりするというようなことがなくなる。また、従来例のごとく摩擦を用いてカードの飛び出しを防止するものではないので、コネクタ自体を壊れ難くすることができる。

本発明の請求項２に係るカードコネクタによる場合、スライダがカード挿入位置に位置したときに、ロックバネの先端部がベース部に設けられた第２のリブに当接しその変位を妨げられるようになっている。このため、ロックバネの先端部がカードの係合凹部に係合された状態が維持され、挿入時のカードを無理に抜くことができない。よって、カードを無理に抜くことによるカードコネクタの故障を防止することができる。

本発明の請求項３に係るカードコネクタによる場合、スライダがカード飛び出し防止位置に位置したときにベース部に設けられた弾性部材に当接してカード飛び出し防止位置からカード排出位置に復帰させられる。これにより、スライダがカード飛び出し防止位置に位置したままでカードが抜けないというようなことを防止することができる。

本発明の請求項４に係るカードコネクタによる場合、前記ロックバネの先端部が少なくとも前記第１のリブに当接した状態でカードの係合凹部との係合が外れるよう弾性変形可能な形状となっている。よって、故障等によりカードがうまく排出されなかったとしても、当該カードを抜き取ることができる。

［図１］本発明の実施の形態に係るカードコネクタの内部が透過した概略的平面図である。
［図２］スライダがカード排出位置に位置したときを示す同コネクタのａーａ断面図である。
［図３］スライダがカード挿入位置に位置したときを示す同コネクタのａーａ断面図である。
［図４］スライダがカード飛び出し防止位置に位置したときを示す同コネクタのａーａ断面図である。
［図５］同コネクタのスライダを説明するための図であって、（ａ）は下側から見た同スライダの概略的斜視図、（ｂ）は上側から見た同スライダの概略的斜視図である。
［図６］本発明の第２の実施の形態に係るカードコネクタの内部が透過した概略的平面図である。
［図７］スライダがカード挿入位置に位置したときを示す同コネクタのａーａ断面図である。
［図８］同コネクタの図６のＸ部の拡大断面図であって、（ａ）がスライダがカード排出位置に位置したときを示す図、（ｂ）がスライダがカード飛び出し防止位置に位置したときを示す図である。
［図９］同コネクタのロックバネが取り付けられたスライダの先端部の底面図である。
［図１０］同コネクタのロックバネが弾性変形した状態を示すＸ部の拡大断面図である。

符号の説明

Ａカードコネクタ
１００ベース部
１３０第１のリブ
１４０第２のリブ
２００スライダ
３００スプリング
４００ロックバネ
Ａ’ カードコネクタ
８００スライダ
９００ロックバネ
７００ベース部
Ｍカード
１０係合凹部

以下、本発明の実施の形態について説明する。

まず、本発明の第１の実施の形態に係るカードコネクタについて図面を参照しながら説明する。図１は本発明の第１の実施の形態に係るカードコネクタの内部が透過した概略的平面図、図２はスライダがカード排出位置に位置したときを示す同コネクタのａーａ断面図、図３はスライダがカード挿入位置に位置したときを示す同コネクタのａーａ断面図、図４はスライダがカード飛び出し防止位置に位置したときを示す同コネクタのａーａ断面図、図５は同コネクタのスライダを説明するための図であって、（ａ）は下側から見た同スライダの概略的斜視図、（ｂ）は上側から見た同スライダの概略的斜視図である。

図１及び図２に示すカードコネクタＡは、一方の側面に係合凹部１０が形成されたカードＭが挿入されるコネクタであって、カードＭが挿入可能なスロット１１０を有するベース部１００と、このベース部１００内のカード当接可能位置に配設されたスライダ２００と、スライダ２００をカードの排出方向に付勢するスプリング３００と、先端部４１０がカードＭの係合凹部１０に係合可能であり且つ基端部４２０がスライダ２００に取り付けられた板バネであって、先端部４１０がカードＭから遠ざかる方向に変位可能なロックバネ４００とを有している。以下、各部を詳しく説明する。なお、ここに掲げるカードＭは、先端面に複数の接触部２０を有し、スライダ２００と当接する箇所に凹部３０が設けられている。

ベース部１００は、コネクタ本体であって、その一端部１２０には、図２、図３及び図４に示すように、スライダ２００、スプリング３００及びロックバネ４００を収容するための溝部１２１が形成されている。この溝部１２１内をスライダ２００が、挿入されるカードＭに押圧されることによりスプリング３００の付勢力に抗してカード排出位置ε（図２参照）からカード挿入位置β（図３参照）にかけてカードＭと共に移動する一方、カード排出時に、スプリング３００の付勢力によりカード挿入位置βからカード排出位置εを越えてカード飛び出し防止位置α（図４参照）にカードＭと共に移動するのである。

この溝部１２１は、一方の端部に開口部１２１ａが設けられている一方、他方の端部に凹部１２１ｂが設けられている。開口部１２１ａにはスプリング３００を支持する支持部材５００が嵌め込まれる。一方、凹部１２１ｂにはスライダ２００がカード飛び出し防止位置αに位置したときに、当該スライダ２００をカード飛び出し防止位置αからカード排出位置εに押し戻すためのスプリング６００（即ち、弾性部材）が収容されている。なお、スプリング６００はスライダ２００がカード挿入位置βからカード飛び出し防止位置αにかけて移動するときの衝撃を受け止める緩衝材としての役割も果たす。

この凹部１２１ｂのスロット１１０に面する内側の壁部の先端には、突起である第１のリブ１３０が設けられている。この第１のリブ１３０が、図４に示すように、スライダ２００がカード飛び出し防止位置αに位置しているときに、ロックバネ４００の先端部４１０に当接して当該先端部４１０の変位を妨げるようになっている。これが本願発明の特徴部分である。

また、溝部１２１の中央部には、第２のリブ１４０が設けられている。この第２のリブ１４０が、図３に示すように、スライダ２００がカード挿入位置βに位置しているときに、ロックバネ４００の先端部４１０に当接して当該先端部４１０の変位を妨げるようになっている。

このベース部１００は、スロット１１０内にカードＭの複数の接触端子２０と接触する複数の接触端子１５０が設けられている。この接触端子１５０を通じて図外の電子機器とカードＭとが電気接続される。

スライダ２００は、図５の（ａ）に示すように、先端部の下面部に底面視Ｊ字状の壁部２１０が形成されている一方、図５の（ｂ）に示すように、上面部にハートカム機構の一部を構成するカム溝２２０が形成されている。

壁部２１０は、ロックバネ４００が取り付けられる第１の壁部２１１と、この第１の壁部２１１に対向する第２の壁部２１２とを有する。第２の壁部２１２は、第１の壁部２１１よりも長く伸びた凸脈であって、ロックバネ４００の先端部４１０に対向する位置に、変位した先端部４１０を収容するための凹部２１２ａが設けられている。また、第２の壁部２１２の先端部にはベース部１００の凹部１２１ｂに挿入可能な突起２１２ｂが設けられている。第１の壁部２１１には、ロックバネ４００の基端部４２０を係止する溝２１１ａが設けられている。

カム溝２２０は、図示しないピンと共にハートカム機構を構成する。このハートカム機構は、周知のものであって、スロット１１０内に挿入されたカードＭを押し込むことによって、当該カードＭをカード挿入位置βにロックする一方、再度押し込むことによってロックを解除するようになっている。

また、スライダ２００は、図２、図３及び図４に示すように、後端部の一側面にカードＭの凹部３０に嵌まり込む凸部２３０が設けられている。この凸部に２３０がカードＭの凹部３０に嵌まり込んだ状態で、ロックバネ４００の先端部４１０がカードＭの係合凹部１０に係合される（図１参照）。これにより、スライダ２００はカードＭと共にスライド移動可能になる。また、スライダ２００の後端部には、スプリング３００が嵌まり込む穴部２４０が形成されている。

ロックバネ４００は、先端部４１０が折り曲げられ、凸状にされている一方、基端部４２０が略Ｌ字状に折り曲げられている。この基端部４２０がスライダ２００の第１の壁部２１１の溝２１１ａに係止され、これによりロックバネ４００がスライダ２００に取り付けられる。この状態で、ロックバネ４００の先端部４１０は、図２に示すように、開放されており、カードＭが当接することにより初期位置γから退避位置δ（即ち、カードから遠ざかる方向）に変位するようになっている。

スプリング３００は、一端部にスライダ２００の穴部２４０に挿入される一方、他端部が後述する支持部材５００が挿入された状態で、ベース部１００の溝部１２１に収容される。このスプリング３００は、図３に示すように、スライダ２００がカード挿入位置β位置したときに縮み、これにより当該スライダ２００をカードＭの排出方向に付勢する。

以下、このように構成されたカードコネクタＡの使用方法を説明すると共に、各部の動作について説明する。まず、カードＭを挿入する前においては、スライダ２００はカード排出位置εに位置している。

その後、ベース部１００のスロット１１０内にカードＭを挿入する。すると、カードＭの凹部３０にロックバネ４００の先端部４１０が当接し、これにより当該先端部４１０が初期位置γから退避位置δに変位し、スライダ２００の第２の壁部２１２の凹部２１２ａに嵌まり込む。

その後、カードＭの凹部３０がスライダ２００の凸部２３０に当接し、これにより当該スライダ２００がカードＭと共にカード排出位置εからカード挿入位置βにかけてスライド移動する。このとき、ロックバネ４００の先端部４１０は退避位置δから初期位置γに変位してカードＭの係合凹部１０に嵌まり込む（図１参照）。

スライダ２００がカード挿入位置βに押し込められると、ハートカム機構によりこの状態が維持される。このとき、ロックバネ４００の先端部４１０は、図３に示すように、第２のリブ１４０に当接して退避位置δに変位するのを妨げられる。このようにしてロックバネ４００の先端部４１０がカードＭの係合凹部１０に嵌まり込んだ状態が維持される。

カードＭを排出するときには、カードＭを挿入方向に押し込んでハートカム機構のロックを解除する。すると、スプリング３００の付勢力によりスライダ２００がカード挿入位置βからカード飛び出し防止位置αにかけてカードＭと共に移動する。スライダ２００がカード飛び出し防止位置αに位置すると、ロックバネ４００の先端部４１０が、図４に示すように、第１のリブ１３０に当接して退避位置δに変位するのを妨げられる。即ち、ロックバネ４００の先端部４１０がカードＭの係合凹部１０に嵌まり込んだ状態が維持され、これによりカードＭの飛び出しが防止される。

また、スライダ２００がカード飛び出し防止位置αに位置したとき、スライダ２００の突起２１２ｂがベース部１００の凹部１２１ｂに入り込み、スプリング６００に当接する。このスプリング６００の付勢力によりスライダ２００はカードＭと共にカード飛び出し防止位置αからカード排出位置εに押し戻される。

スライダ２００が、カード排出位置εに位置すると、ロックバネ４００の先端部４１０は、図２に示すように、第１のリブ１３０に当接しなくなる。即ち、ロックバネ４００の先端部４１０が初期位置γから退避位置δに変位可能になるので、カードＭをスロット１１０から引き抜くことができる。

このようなカードコネクタＡによる場合、スライダ２００がカード飛び出し防止位置αに位置したときに、ロックバネ４００の先端部４１０がベース部１００に設けられた第１のリブ１３０に当接して退避位置δに変位するのを妨げられ、当該先端部４１０がカードＭの係合凹部１０に係合された状態が維持されるので、カードＭの飛び出しを防止することができる。よって、従来例の如くカード排出時に飛び出したカードＭを紛失したり、飛び出したカードＭが顔に当たって怪我をしたりするというようなこともなくなる。また、従来例のごとく摩擦を用いてカードＭの飛び出しを防止するものではないので、カードコネクタＡ自体を壊れ難くすることができる。

次に、本発明の第２の実施の形態に係るカードコネクタについて図面を参照しながら説明する。図６は本発明の第２の実施の形態に係るカードコネクタの内部が透過した概略的平面図、図７はスライダがカード挿入位置に位置したときを示す同コネクタのａーａ断面図、図８は同コネクタの図６のＸ部の拡大断面図であって、（ａ）がスライダがカード排出位置に位置したときを示す図、（ｂ）がスライダがカード飛び出し防止位置に位置したときを示す図、図９は同コネクタのロックバネが取り付けられたスライダの先端部の底面図、図１０は同コネクタのロックバネが弾性変形した状態を示すＸ部の拡大断面図である。

図６に示すカードコネクタＡ’は、カードコネクタＡとほぼ同様の構成であるが、ロックバネ９００の形状、スライダ８００の先端部の下面部の形状及びベース部７００の溝部７２１の他方の端部の形状が異なっている。以下、この相違点について詳しく説明し、重複する部分については説明を省略する。なお、符号については、ベース部に７００を、スライダ８００を、ロックバネに９００を付す。

ベース部７００は、図７及び図８に示すように、溝部７２１の他方の端部に当該溝部７２１の内壁に沿って延びる凸脈７６０が設けられている。この凸脈７６０のカード排出側の端部には、ロックバネ９００の先端部９１０が当接可能な角部が設けられている。この角部が第１のリブ７３０となり、スライダ８００がカード飛び出し防止位置α（図７参照）に位置したときロックバネ９００の先端部９１０と当接し、当該ロックバネ９００の先端部９１０の位置変位を妨げる。また、凸脈７６０のカード収納側の端部にはスロット７１０側に向けて凸の凸部が設けられている。この凸部が第２のリブ７４０となり、スライダ８００がカード収納位置β（図７参照）に位置したときにロックバネ９００の先端部９１０と当接し、当該ロックバネ９００の先端部９１０の位置変位を妨げる。更に、凸脈７６０の第１のリブ７３０及び第２のリブ７４０の間の中間部には、スライダ８００がカード排出位置εに位置したときに変位したロックバネ９００の先端部９１０が嵌まり込む凹部７６１が設けられている。

また、ベース部７００の溝部７２１の他方の端部には、凸脈７６０の内側（即ち、スロット７１０側）に凹部７２１ｂが設けられている（図８参照）。この凹部７２１ｂには、スライダ８００がカード飛び出し防止位置αに位置したときに当該スライダ８００の凸部８１２が挿入される。この凹部７２１ｂには、スライダ８００をカード飛び出し防止位置αからカード排出位置εに押し戻すためのスプリング６００（即ち、弾性部材）が収容されている。

スライダ８００は、図９に示すように、先端部の下面部のスライド方向後側の基部にロックバネ９００の基端部９２０が係合される略Ｌ字状の係合溝８１１が設けられている。また、このスライダ８００は、先端部の下面部のスライド方向前側の箇所にベース部７００の凹部７６１に挿入可能な凸部８１２が前記基部と間隔を空けて配設されている（図８及び図９参照）。

ロックバネ９００は、図７に示すように、実施例１と同様に直線状の板バネを折り曲げて構成したものであり、角張った鉤状の先端部９１０と、略Ｌ字状の基端部９２０と、先端部９１０と基端部９２０との間の直線状の中間部９３０とを有する。このロックバネ９００は、基端部９２０をスライダ８００の係合溝８１１に係合させ、当該スライダ８００に取り付けられると、スライダ８００の前記基部と凸部８１２との間の隙間から先端部９１０がスロット７１０側に向けて突出するようになっている。このロックバネ９００の先端部９１０は、図１０に示すように、第１のリブ７３０に当接した状態で、カードＭが引き抜かれると、当該カードＭの係合凹部１０の壁面に押圧され、弾性変形して潰れるようになっている。中間部９３０は先端部９１０の弾性変形に伴って弾性変形し、スロット７１０から離れる方向に変位するようになっている。これによりロックバネ９００の先端部９１０とカードＭの係合凹部１０との係合が外れ、当該カードＭを取り出すことが可能になる。

以下、このように構成されたカードコネクタＡ’の使用方法を説明すると共に、各部の動作について説明する。

まず、カードＭを挿入する前においては、スライダ８００はカード排出位置εに位置している。その後、ベース部７００のスロット７１０内にカードＭを挿入する。すると、カードＭの凹部３０にロックバネ９００の先端部９１０が当接し、これにより当該先端部９１０が初期位置γから退避位置δに変位してベース部７００の凸脈７６０の凹部７６１に嵌まり込む（図８の（ａ）参照）。

その後、カードＭの凹部３０がスライダ８００の凸部８３０に当接し、これにより当該スライダ８００がカードＭと共にカード排出位置εからカード挿入位置βにかけてスライド移動する。このとき、ロックバネ９００の先端部９１０は退避位置δから初期位置γに変位してカードＭの係合凹部１０に嵌まり込む。

スライダ８００がカード挿入位置βに押し込められると、ハートカム機構によりこの状態が維持される。このとき、ロックバネ９００は第２のリブ７４０に当接し、当該ロックバネ９００の先端部９１０が退避位置δに変位するのを妨げられる（図７参照）。このようにしてロックバネ９００の先端部９１０がカードＭの係合凹部１０に嵌まり込んだ状態が維持される。

カードＭを排出するときには、カードＭを挿入方向に押し込んでハートカム機構のロックを解除する。すると、スプリング３００の付勢力によりスライダ８００がカード挿入位置βからカード飛び出し防止位置αにかけてカードＭと共に移動する。スライダ８００がカード飛び出し防止位置αに位置すると、ロックバネ９００の先端部９１０が、第１のリブ７３０に当接して退避位置δに変位するのを妨げられる（図８の（ｂ）参照）。これにより、ロックバネ９００の先端部９１０がカードＭの係合凹部１０に嵌まり込んだ状態が維持され、カードＭの飛び出しが防止される。

また、スライダ８００がカード飛び出し防止位置αに位置すると、スライダ８００の凸部８１２がベース部７００の凹部７２１ｂに入り込み、スプリング６００に当接する。このスプリング６００の付勢力によりスライダ８００はカードＭと共にカード飛び出し防止位置αからカード排出位置εに押し戻される。

スライダ８００がカード排出位置εに位置すると、ロックバネ９００の先端部９１０が、図８の（ａ）に示すように、凸脈７６０の凹部７６１に対向する。このため、ロックバネ９００の先端部９１０が初期位置γから退避位置δに変位可能になるので、カードＭをスロット７１０から引き抜くことができる。

また、何らかの故障により、カードＭをベース部７００のスロット７１０から抜き取ることができなくなった場合、カードＭをカードの排出方向に引っ張ると、当該カードＭと共にスライダ８００が排出方向に移動する。すると、ロックバネ９００の先端部９１０が、図１０に示すように、第１のリブ７３０に当接する一方、当該カードＭの係合凹部１０の壁面に押圧される。これにより先端部９１０が弾性変形して潰れる（図１０参照）。これと共に中間部９３０が弾性変形して変位する。これにより当該ロックバネ９００の先端部９１０とカードＭの係合凹部１０との係合が外れ、カードＭを取り出すことができる。

このようなカードコネクタＡ’による場合、スライダ８００がカード飛び出し防止位置αに位置したときに、ロックバネ９００の先端部９１０がベース部７００に設けられた第１のリブ７３０に当接して退避位置δに変位するのを妨げられ、当該先端部９１０がカードＭの係合凹部１０に係合された状態が維持されるので、カードＭの飛び出しを防止することができる。よって、従来例の如くカード排出時に飛び出したカードＭを紛失したり、飛び出したカードＭが顔に当たって怪我をしたりするというようなこともなくなる。また、従来例のごとく摩擦を用いてカードＭの飛び出しを防止するものではないので、カードコネクタＡ自体を壊れ難くすることができる。しかも、故障時に、カードＭを引っ張ればロックバネ９００の先端部９１０が弾性変形してカードＭの係合凹部１０と係合が外れるようになっているので、カードＭがスロット７１０内に詰まるというようなことがなくなる。

このカードコネクタＡ及びＡ’については、少なくとも一方の側面に係合凹部が形成されたカードが挿入されるカードコネクタにおいて、カードが挿入可能なスロットを有するベース部と、このベース部内のカード当接可能位置に配設されており且つスロット内をカード飛び出し防止位置からカード挿入位置にかけてカードと共にスライド移動可能なスライダと、このスライダをカード飛び出し防止位置とカード挿入位置との間のカード排出位置で保持すると共に、当該スライダがカード挿入位置に位置しているときにカードの排出方向に付勢するスプリングと、先端部がカードの係合凹部に係合可能であり且つ基端部が前記スライダに取り付けられた板バネであって、前記先端部がカードから遠ざかる方向に変位可能なロックバネとを有しており、前記ベース部内には、前記スライダがカード飛び出し防止位置に位置しているときに、前記ロックバネの先端部に当接して当該先端部の変位を妨げる第１のリブが設けられている限り、どのような設計変形を行ってもかまわない。

ベース部１００、７００については、少なくとも第１のリブ１３０、７３０が設けられていれば良く、その他の形状については任意である。

また、スライダ２００、８００については、ハートカム機構によりカード挿入位置βに位置した状態が維持されるとしたが、他のロック機構を用いることが可能である。

ロックバネ４００は、先端部４１０がカードＭの係合凹部１０と係合可能な形状であればどのような形状のもを用いてもかまわない。また、ロックバネ９００は、先端部９１０が鉤状であるとしたが、これに限定されることはなく当該先端部９１０が第１のリブ７３０に当接した状態でカードＭの係合凹部１０との係合が外れるよう弾性変形可能な形状となっている限りどのような形状のものを用いてもかまわない。また、ロックバネ９００の先端部９１０は第１のリブ７３０に当接した状態で弾性変形可能であるとしたが、ロックバネ４００の先端部４１０が第２のリブ７４０に当接した状態でカードＭの係合凹部１０との係合が外れるよう弾性変形可能であることは言うまでもない。但し、カード挿入位置βで詰まったカードＭをユーザが引っ張ることができるように、ベース部７００のスロット７１０の長さ寸法をカードＭの長さ寸法よりも短くする必要がある（即ち、スロット７１０にカードＭの一部しか収容されないようにする必要がある）。このようにすれば、何らかの故障によりカードＭがカード挿入位置βで詰まったとしても容易に取り出すことが可能になる。

スプリング６００については、スライダ２００がカード飛び出し防止位置αに位置したときに当該スライダ２００の先端部に当接して当該スライダ２００をカード飛び出し防止位置αからカード排出位置εに復帰させる弾性部材であればどのようなものを用いてもかまわない。従って、例えば、ゴム等を用いることも当然可能である。

なお、カードＭの両側面に係合凹部１０が形成されている場合には、ベース部１００、７００の両端部に、スライダ２００、８００、スプリング３００及びロックバネ４００、９００等を収容するための溝部１２１、７２１を形成し、少なくとも第１のリブ１３０、７３０を設けるようにすれば良い。

Claims

少なくとも一方の側面に係合凹部が形成されたカードが挿入されるカードコネクタにおいて、
カードが挿入可能なスロットを有するベース部と、
このベース部内のカード当接可能位置に配設されるスライダと、
このスライダをカードの排出方向に付勢するスプリングと、
先端部がカードの係合凹部に係合可能であり且つ基端部が前記スライダに取り付けられた板バネであって、前記先端部がカードから遠ざかる方向に変位可能なロックバネとを備えており、
前記スライダは、挿入されたカードに押圧されることにより前記スプリングの付勢力に抗してカード排出位置からカード挿入位置にかけてカードと共に移動する一方、カード排出時に、前記スプリングの付勢力によりカード挿入位置からカード排出位置を越えてカード飛び出し防止位置にカードと共に移動するようになっており、
前記ロックバネは、挿入されたカードの係合凹部に前記先端部が係合された状態で、前記カード及びスライダと共に移動するようになっており、
前記ベース部内には、前記スライダがカード飛び出し防止位置に位置しているときに、前記ロックバネの先端部に当接して当該先端部の前記変位を妨げ、これにより前記先端部が前記カードの係合凹部に係合された状態を維持する第１のリブが設けられていることを特徴とするカードコネクタ。
請求項１記載のカードコネクタにおいて、前記ベース部内には、前記スライダがカード挿入位置に位置しているときに、前記ロックバネの先端部に当接して当該先端部の変位を妨げる第２のリブが設けられていることを特徴とするカードコネクタ。
請求項１記載のカードコネクタにおいて、前記ベース部内には、前記スライダがカード飛び出し防止位置に位置したときに当該スライダの先端部に当接して当該スライダをカード飛び出し防止位置からカード排出位置に復帰させる弾性部材が設けられていることを特徴とするカードコネクタ。
請求項１又は２記載のカードコネクタにおいて、前記ロックバネの先端部は少なくとも前記第１のリブに当接した状態でカードの係合凹部との係合が外れるよう弾性変形可能な形状となっていることを特徴とするカードコネクタ。