JP4050095B2 - 内視鏡用クリップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに通して使用されて、体内の止血、結紮或いはマーキング等を行うために用いられる内視鏡用クリップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来の内視鏡用クリップ装置の先端に配置されたクリップ1が開いた状態の側面断面図であり、基端部で互いに連結された一対の腕部1aが基端部1bを支点にして開閉自在に形成されている。
【0003】
そして、各腕部1aの基端部1bの近傍に形成された開閉駆動部1cにクリップ閉じリング6を後方から押し被せることにより、腕部1aが開いた後に閉じ、クリップ1を閉じた状態に維持して患部に留置することができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図7は、そのようなクリップ1が開いた状態の正面図であり、180°対称に配置された一対の腕部1aが、開閉駆動部1cにおいて相互に面接触して安定した状態で当接し合っている。
【0005】
しかし、腕部1aを3個以上設けると、図8に3個の場合が示されるように、腕部1aどうしが縁部における点接触の状態になるので、各腕部1aに作用する力が少しアンバランスになっただけで、図9に示されるように腕部1aの当接状態が崩れて正常に開閉しなくなってしまう。
【0006】
その傾向は腕部1aを大きく開こうとするほど顕著であり、3個以上の腕部1aによって、クリップ1を一旦大きく開いてから患部を包み込むようなマルチ方向クリッピングを行うことができなかった。
【0007】
そこで本発明は、クリップに3個以上の腕部を設けて安定した状態で滑らかに大きく開閉させ、患部を包み込むマルチ方向クリッピングを確実かつ容易に行うことができる内視鏡用クリップ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用クリップ装置は、基端部で互いに連結された複数の腕部が開閉自在に設けられたクリップと、各腕部の基端寄りの位置に形成された開閉駆動部に係合することにより腕部を閉じた状態に維持するクリップ閉じリングとが、シースの先端付近にシースから離脱可能に配置され、開閉駆動部に係合していない状態のクリップ閉じリングをシースの基端側からの遠隔操作によって開閉駆動部に係合させる操作動作伝達部材が設けられた内視鏡用クリップ装置において、クリップに、互いに交差することなく略均等の方向に開閉する少なくとも3個の腕部が設けられると共に、腕部が開いた状態のときにその開きの基端位置において3個の腕部の全部に圧接する芯金がクリップに内挿配置され、腕部が開くのに伴ってその開きの基端が次第に芯金の太い部分に圧接するように、芯金の先端近傍部分がテーパ状に形成されているものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図3は内視鏡用クリップ装置の全体構成を示しており、例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ又は超弾性合金管等からなる可撓性の外套管2の先端部分にクリップ1が配置されている。
【0010】
図3においては、クリップ1は基端寄りの部分が外套管2の先端内に収容されていて、ある程度開いた状態の腕部1aと、その各先端に内方に向かって突出形成された先端爪部1dとが見えている。
【0011】
外套管2は、例えばステンレス鋼線を一定の径で密着巻きしたコイルパイプからなるシース7に緩く被嵌されており、シース7の基端に連結された操作部20は、端部に指掛け22が取り付けられた本体軸21に対して、操作ワイヤ3(操作動作伝達部材)の基端に連結されたスライダー23がスライド自在に取り付けられた構成になっている。
【0012】
また、外套管2の基端筒状体24が本体軸21に対して独立してスライド自在に配置されており、基端筒状体24に突設された送水注入口金25から外套管2内に送液することができるようになっている。
【0013】
図4は、この実施例の内視鏡用クリップ装置の先端部分を拡大して示しており、閉じた状態のクリップ1がほぼ完全に外套管2内に収納されるように外套管2が少し前方に押し出された状態になっている。
【0014】
クリップ1は、例えばバネ用ステンレス鋼板等を曲げて一つながりに形成されていて、基端部1bにおいて互いにつながっている3個の腕部1aが相互に交差することなく放射状に開閉自在に均等の間隔(即ち、略120°間隔)に配置されている。
【0015】
各腕部1aの開閉する部分の基端は内方に括れた括れ部1c1になっていて、その後方部分は外方に膨んだ膨出部1c2になっている。そのような括れ部1c1と膨出部1c2とによって開閉駆動部1cが形成されており、開閉駆動部1cを変形させることにより腕部1aが開閉する。
【0016】
操作部20に配置された前述のスライダー23によって軸線方向に進退操作される操作ワイヤ3はシース7の軸線位置に配置されていて、操作ワイヤ3の先端には、クリップ1から後方に延出するクリップ連結ワイヤ5に対して係脱させることができるクリップ連結フック4が取り付けられている。
【0017】
クリップ連結フック4は、後側半部に操作ワイヤ3の先端が半田付け等によって連結固着され、先側半部の側面部分に凹んで形成された凹部4aに、環状のクリップ連結ワイヤ5を係脱させることができるようになっている。この実施例のクリップ連結ワイヤ5は、一本のワイヤの両端部分を結び合わせて環状に形成されている。5aがその結び目である。
【0018】
シース7の先端に半田付け等によって固着されたリング受け筒8の先側部分には、クリップ1の膨出部1c2を外面側から押さえ付けて変形させるためのクリップ閉じリング6の基端寄りの部分が係脱自在に嵌め込まれている。
【0019】
また、クリップ1の開閉駆動部1cから基端部1bにかけて、クリップ1の内側にはクリップ芯金9が内挿配置されている。クリップ芯金9は、クリップ1の腕部1aが閉じた状態のときに括れ部1c1の内側に位置する部分が細い円柱状に形成され、そこより先側の部分(先端近傍部9a)は逆テーパ状に先側へ滑らかに径が大きく形成されて、最先端部分は一定の外径になっている。
【0020】
クリップ芯金9の後寄りの部分(クリップ1の括れ部1c1の内側に位置する部分より後方の部分)は、その前後両端が括れ部1c1部分を通過できない太い円形の断面形状に形成されて、クリップ1の内側から抜け出ないようになっている。
【0021】
そして、クリップ芯金9の後側半部には、クリップ1が開閉する動作の最中にクリップ芯金9とクリップ1との間の干渉量が小さくなるように径を細くした逃げ部9bが、前後両端以外の部分に形成されている。
【0022】
クリップ連結ワイヤ5は、クリップ1の基端部1bとクリップ芯金9の後端面との間に通され、クリップ閉じリング6はクリップ1の基端部1bの外面に被嵌されて摩擦力によりそこに係止されている。
【0023】
このようにして、クリップ1、クリップ連結ワイヤ5、クリップ閉じリング6及びクリップ芯金9は、シース7及び操作ワイヤ3に対して結合/分離自在な一つのユニット状に構成されている。
【0024】
このような内視鏡用クリップ装置を使用する際には、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルに通された内視鏡用クリップ装置の先端をクリッピング対象の患部の正面に誘導する。
【0025】
そして、図1に示されるように、外套管2を後方に退避させて操作部20側から操作ワイヤ3を強く牽引する。すると、クリップ1の膨出部1c2がクリップ閉じリング6内に引き込まれて潰された状態に変形することにより、腕部1aが大きく開く。それと共に、腕部1aの基端に形成されている括れ部1c1は、膨出部1c2が伸ばされることにより先側に移動する。
【0026】
この動作において、括れ部1c1は内方(径方向)に向かって強く押され、正面図である図2にも示されるように、3個の腕部1aの開きの基端である括れ部1c1がその内側に位置するクリップ芯金9の先端近傍部9aに周囲から均等に圧接されながら腕部1aが開いていく。
【0027】
その際に、3個の腕部1aの括れ部1c1が次第にクリップ芯金9の先端近傍部9aの太い部分に圧接するように圧接位置が変化することにより、クリップ1の3個の腕部1aはバランスが崩れることなく略120°間隔で滑らかに確実に開き、最後には、腕部1aが大きく安定して開いた状態になる。
【0028】
そこで、目標とする患部等を腕部1aで囲んだ状態で、操作ワイヤ3をさらに強く操作部20側へ牽引すれば、図5に示されるように、クリップ1の腕部1aの拡がり部分の一部がクリップ閉じリング6内に引き込まれた状態になって窄められ、各腕部1aの先端の先端爪部1dが患部100を包み込む状態に粘膜に突き刺さる。
【0029】
このようにして、3個又はそれ以上の数の腕部1aを有するクリップ1を大きく開いて広範囲の止血部等をクリッピングすることができ、クリップ閉じリング6によって強制的に閉じられた状態のクリップ1を、患部100をマルチ方向からクリッピングした状態で体内に留置することができる。
【0030】
なお、クリップ芯金9の後側半部に逃げ部9bが形成されていることにより、クリップ1を閉じる動作の際にクリップ1との干渉量が小さくなり、クリップ1を軽い操作力量で円滑に開閉させることができるが、このような逃げ部9bを設けることは本発明においては必須ではない。
【0031】
クリップ1が閉じきった後、操作ワイヤ3を前方に押し出しながらシース7を後方に少し退避させれば、クリップ閉じリング6がリング受け筒8から外れ、クリップ連結フック4がシース7より前方に突き出た状態で、その部分を左右に適当に動かすことによりクリップ連結ワイヤ5とクリップ連結フック4との係合が外れる。
【0032】
なお本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えばクリップ芯金9の先端近傍部9aには径が一定の部分を設けても設けなくてもよく、クリップ1の腕部1aの数が4個以上設けられていてもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、クリップに、互いに交差することなく略均等の方向に開閉する少なくとも3個の腕部を設けると共に、腕部が開いた状態のときにその開きの基端位置において3個の腕部の全部に圧接する芯金をクリップに内挿配置し、腕部が開くのに伴ってその開きの基端が次第に芯金の太い部分に圧接するように、芯金の先端近傍部分をテーパ状に形成したことにより、クリップに3個以上の腕部を設けた場合でも安定した状態で滑らかに大きく開閉させて、患部を包み込む広範囲のマルチ方向クリッピングを確実かつ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の内視鏡用クリップ装置のクリップの開閉動作における開状態を示す側面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の内視鏡用クリップ装置のクリップの開閉動作における開状態を示す正面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の内視鏡用クリップ装置の全体構成を示す外観図である。
【図4】本発明の第1の実施例の内視鏡用クリップ装置の先端部分の側面断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例の内視鏡用クリップ装置のクリップの開閉動作における閉状態を示す側面断面図である。
【図6】従来の内視鏡用クリップ装置(二本腕)のクリップの開閉動作における開状態を示す側面断面図である。
【図7】従来の内視鏡用クリップ装置(二本腕)のクリップの開閉動作における開状態を示す正面図である。
【図8】従来の内視鏡用クリップ装置(三本腕)のクリップの開閉動作における開状態を示す正面図である。
【図9】従来の内視鏡用クリップ装置(三本腕)のクリップの開閉動作における開状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 クリップ
1a 腕部
1c 開閉駆動部
1c1 括れ部
1c2 膨出部
3 操作ワイヤ(操作動作伝達部材)
4 クリップ連結フック
5 クリップ連結ワイヤ
6 クリップ閉じリング
7 シース
9 クリップ芯金
9a 先端近傍部
9b 逃げ部
20 操作部
Claims (1)
- 基端部で互いに連結された複数の腕部が開閉自在に設けられたクリップと、上記各腕部の基端寄りの位置に形成された開閉駆動部に係合することにより上記腕部を閉じた状態に維持するクリップ閉じリングとが、シースの先端付近に上記シースから離脱可能に配置され、上記開閉駆動部に係合していない状態の上記クリップ閉じリングを上記シースの基端側からの遠隔操作によって上記開閉駆動部に係合させる操作動作伝達部材が設けられた内視鏡用クリップ装置において、
上記クリップに、互いに交差することなく略均等の方向に開閉する少なくとも3個の腕部が設けられると共に、
上記腕部が開いた状態のときにその開きの基端位置において上記3個の腕部の全部に圧接する芯金が上記クリップに内挿配置され、
上記腕部が開くのに伴ってその開きの基端が次第に上記芯金の太い部分に圧接するように、上記芯金の先端近傍部分が先側へ次第に径が大きくなるテーパ状に形成されてその最先端部分が上記芯金の太い部分として一定の外径に形成されていることを特徴とする内視鏡用クリップ装置。
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