JP4049597B2 - 車両用内燃機関の出力制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用内燃機関の出力制御装置に関し、特に、車載の他の制御装置からのトルク低減要求に応じてエンジン出力を適切に低減可能とする出力制御装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
近年、車両走行の安定性を向上するため、種々の車両挙動制御装置が実用に供されている。例えば、エンジン出力を駆動輪のスリップが生じないように制御するトラクションコントロール装置や車両旋回を安定に行えるように制御するスタビリティ制御装置などが知られ、これらのコントローラは、駆動輪がスリップしたり車両旋回時のエンジン出力が過大であると判断したときに、エンジン出力低減要求をエンジン出力制御装置に送出するようになっている。また、自動変速機においても、変速動作時にエンジン出力低減要求を必要に応じて送出して円滑な自動変速を実現するようにしている。
【0003】
その様な場合、エンジン出力レベルの適否が車両挙動制御装置や変速制御装置(以下、一括して車両制御装置という)により判別されるが、一般には、エンジン出力制御装置により算出されたトルク情報が判別の基礎データとして用いられる。このトルク情報は車両用ネットワークを介してエンジン出力制御装置から車両制御装置に送信され、車両制御装置はトルク情報に基づいてエンジン出力が過大であると判別すると、トルク低減要求を出力制御装置に送信する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
トルク情報に基づくトルク低減要求が適正であればエンジン出力を適正値に制御しつつ車両挙動制御を行うことにより走行性能を向上可能である。しかしながら、エンジン出力制御装置で算出されるトルク情報は厳密には正確さを欠き、その様なトルク情報に基づくトルク低減要求に従ってディーゼルエンジンの出力を低減させた場合、エンジン出力が過度に低下してエンジンがストールするおそれがある。
【0005】
以下、その理由を図2を参照して説明する。
図2において、エンジン制御ECU1は、例えば分配型燃料噴射ポンプ2を備えたディーゼルエンジン(図示略)の出力を制御するものになっており、エンジン出力制御に関連して、エンジン制御ECU1は、車両挙動制御装置としてのスタビリティ制御装置のコントローラ(以下、ASCECUという)3にドライバ要求Pe(トルク情報)を送出すると共にASCECU3から必要に応じて送出される目標トルク(トルク低減要求)を入力するようになっている。
【0006】
エンジン制御ECU1は、アクセル開度に対応する第1コントロールスリーブ位置(以下、コントロールスリーブ位置をCSPと略記する)を求める第1設定部11と、目標車速維持用の第2CSPを求める第2設定部12と、第1または第2CSPあるいは目標トルクに対応するCSPの小さい方に各種補正を施して第3CSPを求める第3設定部13と、第1CSPを補正してトルク情報たとえばドライバ要求Pe(平均有効圧)を求める第4設定部14とを備える。
【0007】
詳しくは、第1設定部11は、アクセル開度センサ4から入力したアクセル開度データ(以下、単にアクセル開度という。その他のデータについても同様に略記する)に対するなまし処理(一次遅れ処理)をアクセルペダル踏込時及び解放時にそれぞれ施すダンピング部及びダッシュポット部を有したなまし処理部11aと、なまし処理済みのアクセル開度APSとエンジン回転数Neとに基づきマップを参照して第1CSP(基本CSP)を求める算出部11bとを備える。
【0008】
第2設定部12は、車速センサ5から入力した車速に基づいてオートクルーズ用の目標APSを算出する目標APS算出部12aと、ダンピング部及びダッシュポット部を有するなまし処理部12bと、なまし処理済みの目標APSとエンジン回転数Neとに基づきマップを参照して第2CSP(オートクルーズ用の基本CSP)を求める算出部12cとを備える。
【0009】
第3設定部13は、第1CSPと第2CSPの大きい方を選択するマックス選択部13aと、ASCECU3から入力した目標トルクとエンジン回転数Neとに基づきマップを参照して目標トルクに対応するCSPを求める算出部13bと、マックス選択されたCSPと目標トルクに対応するCSPの小さい方を選択するミニマム選択部13cと、ミニマム選択されたCSPに対して水温補正、燃温補正、大気圧補正、学習補正などの各種補正を施して第3CSP(燃料噴射制御用のCSP)を求める算出部13dとを備え、分配型燃料噴射ポンプ2のコントロールスリーブ位置を第3CSPに制御してエンジン出力を可変制御するようになっている。この様に、第3設定部13では燃料噴射制御用CSPの算出に際して種々の補正が行われる。例えば、製造上のバラツキに起因して個々の燃料噴射ポンプの燃料噴射特性が台上試験用のマスタポンプのものと若干異なることを考慮して、その様な特性のバラツキの影響を低減するためにCSPに対して学習補正を施こすようにしている。
【0010】
第4設定部14は、第1CSPに水温補正及び燃温補正を施す補正部14aと、補正済みCSPとエンジン回転数Neとに基づいてマップを参照してドライバ要求Peを算出する算出部14bとを備える。すなわち、CSPが同一であっても水温や燃温が異なると燃料噴射量が大きく変化することを考慮して、マスタポンプを用いた台上試験時(ドライバ要求Pe算出用マップの作成時)と実際のエンジン出力制御時とにおける水温や燃温の差異の影響を解消するため、第4設定部14では第1CSPに対して水温補正及び燃温補正が施こされる。
【0011】
ASCECU3は、例えば横加速度などに基づいて旋回時の適正なエンジン出力トルクを表す参照トルクを算出し、ドライバ要求Peと参照トルクとに基づいて算出した目標トルクをエンジン制御ECU1に送出する。
上述のように、図2に示す制御システムでは、ドライバ要求Peは、アクセル開度に対応する基本CSP(第1CSP)に対して水温・燃温補正のみを施して得たCSPに対応しており、いわば、基本CSPに簡易的な補正を施したものになっている。この様に、ドライバ要求Peは、燃料噴射制御用CSPの算出に際して施されるその他の補正たとえば学習補正を反映していない分、トルク情報としての正確さを欠くものになっている。このため、ドライバ要求Peに基づいてASCECU3により算出される目標トルクがエンジンの無負荷トルクを下回るおそれがあり、その様な目標トルクに対応するCSPに基づいて燃料噴射ポンプ2のコントロールスリーブ位置制御(燃料噴射制御)ひいてはディーゼルエンジンの出力制御が行われると、エンジンストールが生じるおそれがある。また、エンジンストール防止のために目標トルクが常に大きめになるような算出処理をASCECU3で行うと燃料噴射量が常に多めになって燃費が悪化する。
【0012】
以上説明したように、ディーゼルエンジンの場合、目標トルクが過小すなわちトルク低減要求が過大であると、ガソリンエンジンでは通常惹起しないエンジンストールという問題が生じるおそれがあり、これを解消しようとすると燃費が悪化するおそれがある。
本発明の目的は、内燃機関のストールを防止しつつ車両挙動に応じて内燃機関の出力を適切に制御できる車両用内燃機関の出力制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の車両用内燃機関の出力制御装置は、アクセル開度に応じて燃料噴射量相関値を設定する噴射量設定手段と、燃料噴射装置の作動を制御する噴射装置作動制御手段と、噴射量設定手段により設定された燃料噴射量相関値に基づき内燃機関の出力トルク相関値を導出するトルク相関値導出手段と、この出力トルク相関値と車両の運転状態とに基づき内燃機関の目標トルク相関値を導出する目標トルク導出手段と、アクセル開度センサにより検出されたアクセル開度と目標アクセル開度導出手段により目標トルク相関値に応じて導出された目標アクセル開度の小さい方を選択して噴射量設定に供するアクセル開度情報選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項1の出力制御装置によれば、燃料噴射量相関値に基づく出力トルク相関値と車両挙動とに基づき目標トルク相関値を導出するので車両の運転状態に対応する最適な目標トルク相関値を適切に設定でき、また、目標トルク相関値に基づいて導出した目標アクセル開度とアクセル開度センサにより検出されるアクセル開度との小さい方を噴射量相関値設定用のアクセル開度とするので、燃料噴射量の極端な低下を未然に防止することができ、内燃機関のストールを有効に防止しながら車両挙動に対応して内燃機関の出力を適切に制御できる。すなわち、目標トルク相関値に対応して直接的に噴射量を制御すると内燃機関のストールを招くおそれがあるが、目標トルク相関値に対応した目標アクセル開度を設定するため、燃料噴射量が極端に低下することがなく内燃機関のストールを招くことがない。
【0015】
請求項2に記載の出力制御装置は、噴射量設定手段が、アクセル開度に応じて設定される基本噴射量相関値を所定の補正手段により補正して燃料噴射量相関値を設定するように構成され、また、目標アクセル開度導出手段が、目標トルク相関値を補正手段による補正に対して逆補正してから目標アクセル開度を導出するように構成されることを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の出力制御装置によれば、燃料噴射量相関値の設定で使用される補正とは逆の補正を目標トルク相関値に対して行ってから目標アクセル開度を導出するので、目標アクセル開度に対応して噴射量相関値を設定する場合でも補正が二重に行われることが無く、精度の高い出力制御を実現できる。
請求項3に記載の出力制御装置は、アクセル開度センサの出力に基づいて要求トルク相関値を導出する要求トルク相関値導出手段を更に備え、噴射量設定手段が、アクセル開度に応じて設定される基本噴射量相関値を所定の補正手段により補正して燃料噴射量相関値を設定するように構成され、また、目標アクセル開度導出手段が、出力トルク相関値と要求トルク相関値から求まる補正分トルク相当値を目標トルク相関値から減算した値に基づいて目標アクセル開度を導出することを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の出力制御装置によれば、燃料噴射量相関値の設定で使用される補正による補正分トルク相当値を目標トルク相関値から減算した値に基づいて目標アクセル開度を導出するので、目標アクセル開度に対応して噴射量相関値を設定する場合でも補正が二重に行われることがなく、精度の高い出力制御を実現できる。
【0018】
本発明の出力制御装置において、好ましくは、目標トルク導出手段は、車両挙動制御装置等の車両制御装置に設けられる。この場合、車両制御装置によりエンジン出力を適切に制御でき、また、トルクによりエンジン出力を管理できるので車両制御装置からのエンジン出力制御が簡単になる。
また、好ましくは、運転状態検出手段は、運転状態として車両挙動より具体的には横加速度あるいはヨーレイトを検出する。この場合、機関出力を適切に制御できるので、車両のヨー運動等を高精度に制御できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による車両用内燃機関の出力制御装置を説明する。
図1に示すように、本実施形態の出力制御装置は、例えば分配型燃料噴射ポンプ2を備えたディーゼルエンジン(図示略)の出力を制御するエンジン制御ECU101と、車両挙動制御装置としてのスタビリティ制御装置のコントローラ(ASCECU)3とから構成される。この出力制御装置は、図2に示した装置と基本構成が略同一であり、図2のものと共通の構成については簡略に説明することにする。
【0020】
エンジン制御ECU101は、図2に示した4つの設定部11〜14にそれぞれ略対応する第1ないし第4設定部111〜114に加えて、第5設定部115を備えている。
第1設定部111は、アクセル開度センサ4が検出したアクセル開度(図示しないアクセル操作部材たとえばアクセルペダルの開度)を入力してなまし処理を施すなまし処理部111aと、なまし処理済みのアクセル開度APSまたは後述の如く第5設定部115により求められる目標APSの小さい方を選択するミニマム選択部111bと、ミニマム選択されたAPSとエンジン回転数Neとに基づきマップを参照してアクセル開度に対応する第1CSP(基本CSP)を求める算出部111cとを備える。
【0021】
第2設定部112は、車速センサ5から入力した車速に基づいてオートクルーズ用の目標APSを算出する目標APS算出部112aと、なまし処理部112bと、なまし処理済みのオートクルーズ用目標APSとエンジン回転数Neとに基づきマップを参照して車速に対応する第2CSP(オートクルーズ用の基本CSP)を求める算出部112cと、ASCECU3のスタビリティ制御動作時にオフされるスイッチ112dとを備える。
【0022】
第3設定部113は、第1CSPと第2CSPの大きい方を選択するマックス選択部113aと、マックス選択されたCSPに対して水温補正、燃温補正、大気圧補正、学習補正などの各種補正を施して第3CSP(燃料噴射制御用のCSP)を求める算出部(補正手段)113bとを備え、分配型燃料噴射ポンプ2のCSPを第3CSPに制御してディーゼルエンジン出力を可変制御するようになっている。すなわち、第3設定部113は、アクセル開度に応じて設定される基本CSPすなわち基本燃料噴射量相関値を補正して燃料噴射量相関値を設定する噴射量設定手段として機能すると共に噴射ポンプ(燃料噴射装置)2の作動を制御する噴射装置作動制御手段として機能する。
【0023】
また、第3設定部113は、第3CSPとエンジン回転数Neとに基づいてマップを参照して理論Peを算出する算出部113cを備え、この算出部113cは理論Peをトルク情報としてASCECU3に送出するようになっている。すなわち、第3設定部113は、燃料噴射量相関値に基づき内燃機関の出力トルク相関値(理論Pe)を導出するトルク相関値導出手段として機能する。
【0024】
第4設定部114は、エンジン回転数Neと第1設定部111から送出されるなまし処理済みのアクセル開度とに基づきマップを参照してアクセル開度に対応するCSPを求める算出部114aと、このCSPと第2設定部112が求めたオートクルーズ用の第2CSPのうちの大きい方を選択するマックス選択部114bと、マックス選択されたCSPに対して水温補正及び燃温補正を施す補正部114cと、水温及び燃温補正済みのCSPとエンジン回転数Neとに基づきマップを参照してドライバ要求Peを表すトルクを算出する算出部114dとを備え、ドライバ要求PeはASCECU3に送出される。すなわち、第4設定部114は、アクセル開度センサ出力に基づいて要求トルク相関値を導出する要求トルク相関値導出手段として機能する。
【0025】
ASCECU3は、運転状態検出手段としての図示しない横加速度センサやヨーレイトセンサなどの車両挙動検出手段から入力した横加速度やヨーレイトなどの車両挙動情報、及びまたは車速、操舵角などの運転パラメータに基づいて例えば旋回時の適正なエンジントルクを参照トルクとして算出し、また、エンジン制御ECU101の第3設定部113から入力した理論Peと参照トルクとに基づいて算出した目標トルク(目標Pe)をエンジン制御ECU101に送出するようになっている。すなわち、ASCECU(挙動制御装置)3は、目標トルク相関値を導出する目標トルク導出手段として機能する。 車両挙動制御の終了後、ASCECU3は目標Peをドライバ要求Peまで漸増させ、これにより通常のエンジン出力制御に移行してエンジン出力はドライバの要求に適合したものになる。
【0026】
エンジン制御ECU101の第5設定部115は、ASCECU3から送出される目標Peから目標APSを算出して第1設定部111のミニマム選択部111bに送出するようになっている。このため、第5設定部115は、ASCECU3から入力した目標Peに対して、第4設定部114の補正部114cにおける水温補正及び燃温補正に対する逆補正を行う逆補正部115aと、理論Peからドライバ要求Peを減算して得た差を逆補正済みの目標Peから減算する減算部115bと、逆補正部115aから送出される逆補正済みの目標Peと減算部115bから送出される減算補正済みの目標Peの小さい方を選択するミニマム選択部115cと、ミニマム選択された目標Pe(トルク)とエンジン回転数Neとに基づきマップを参照して目標Peに対応するCSPを求める算出部115dと、この算出CSPとエンジン回転数Neとに基づいてマップを参照して目標Peに対応する目標APSを求める算出部115eとを備える。
【0027】
すなわち、第5設定部115は、目標トルク相関値を逆補正すると共に、出力トルク相関値と要求トルク相関値とから求まる補正分トルク相当値を目標トルク相関値から減算した値に基づいて目標トルク相関値に対応する目標アクセル開度を導出する目標アクセル開度導出手段として機能する。
付言すれば、第1設定部111のミニマム選択部111bは、目標アクセル開度とアクセル開度センサ4により検出されるアクセル開度との小さい方を噴射量設定手段(補正部113b)に供給するアクセル開度情報選択部として機能する。
【0028】
上記の説明からわかるように、本実施形態の出力制御装置は、図2に示した従来装置に比べて、構成・作用効果が種々の点で相違する。
すなわち、本実施形態の第1の特徴は、ドライバ要求Peに代えて理論Peをトルク情報としてASCECU(車両挙動制御装置)3に供する点にある。ドライバ要求Peは、水温・燃温補正のみを施したCSPに対応するトルク情報であって、燃料噴射量設定用のCSPの算出において施されるその他の補正が施されていない点でトルク情報としての正確さを欠くが、これに対して、理論Peは各種補正を施した燃料噴射量設定用のCSPをトルク換算して得たものであり、燃料噴射量設定に係る全ての補正が反映されており、ドライバ要求Peに比べて正確である。従って、理論Peから算出される目標Peも正確なものになる。この結果、ASCECU3による車両挙動制御やエンジン制御ECU101によるエンジン出力制御における制御精度が向上する。
【0029】
第2の特徴は、目標Peを換算して得た目標APSを燃料噴射量設定(燃料噴射量設定用CSPの算出)に供する点にある。図2の従来装置では、目標Peを燃料噴射量に対応するCSPに換算したものを燃料噴射量設定に供しているため、目標Peが過小であればこれに対応するCSPひいては燃料噴射量がエンジンストールを招来するような過度に小さい値に設定されるおそれがある。これに対して、本実施形態の装置では、目標Peに対応する目標APSを、燃料噴射量設定を行う第3設定部113よりも上流側の基本CSP算出用の第1設定部111に供給するようにしている。目標APSの最小値はアクセル開度ゼロに対応し、たとえ目標APSが最小値がとったとしてもCSPや燃料噴射量はアクセル開度ゼロに対応する値に設定されるのでエンジンはアイドル運転され、エンジンストールを生じることがない。この様に、目標Peを目標APSに換算して燃料噴射量設定に供することにより、燃料噴射量(CSP)がエンジンストールを招来するような過度に小さい値に設定されることがなく、エンジンストールを確実に防止できる。
【0030】
さて、燃料噴射量設定に関わる各種補正の全てを施した目標Peに対応する目標APSをそのまま燃料噴射量設定に供した場合には、燃料噴射量設定に際して基本CSPに対して各種補正が二度施されることになる。そこで、本実施形態では、その様な二重補正を回避するようにしている。
すなわち、本実施形態の出力制御装置の第3の特徴は、第5設定部115の逆補正部115aにおいて水温・燃温補正に対する逆補正を目標Peに施すことにより1回分の水温・燃温補正を相殺し、また、減算部115bにおいて理論Peとドライバ要求Peとの差を目標Peから減算することにより水温・燃温補正以外のその他の補正の1回分を相殺する点にあり、これにより二重補正が回避される。
【0031】
第4の特徴は、第5設定部115にミニマム選択部115cを設けて逆補正済みの目標Peと減算補正済みの目標Peの小さい方を選択して目標APSの算出に供するようにした点にある。ドライバ要求Peが理論Peよりも大きければ理論Peからドライバ要求Peを減じた値(補正分トルク相当値)は負になるので、理論Peからその様な値を減じたもの(減算補正済みの目標Pe)は、逆補正済みの目標Peよりも大きくなる。この場合、減算補正済みの目標Peから目標APSを求めると燃料噴射量が増大するが、本実施形態では上記の如くミニマム選択により逆補正済みの目標Peを選択して燃料噴射量の増大を回避することができる。
【0032】
第5の特徴は、第2設定部112の算出部112cの下流側にスイッチ112dを設けて車両挙動制御中はオートクルーズ用の基本CSPを燃料噴射量設定に供することを禁止した点にあり、これにより検出APSと目標APSの小さい方に基づいて燃料噴射量を設定し、ASCECU3からのトルク低減要求に則した燃料噴射量設定を行うようにしている。
【0033】
要するに、本実施形態の出力制御装置は、ドライバ要求Peに代わる理論Peを車両挙動制御装置にトルク情報として送信することにより、トルク情報を正確なものにするばかりでなく、このトルク情報に基づいて算出される目標トルク(目標Pe)をより正確なものとし、これにより車両挙動制御およびエンジン出力制御の精度を向上可能であると共に、トルク低減要求があったときに燃料噴射量(CSP)が過小設定されることを回避してエンジンストールを確実に防止可能である。
【0034】
以上で本発明の一実施形態による出力制御装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態のものに限定されない。
例えば、上記実施形態では、車両挙動制御装置をスタビリティコントローラ(ASCECU)で構成した場合について説明したが、これに代えて或いはこれと共にトラクションコントロール装置や自動変速制御装置などを車両制御装置として使用可能である。
【0035】
また、上記実施形態のように燃料噴射量設定用のCSPの算出に際してアクセル開度に対応する第1CSPと共にオートクルーズ用目標APSに対応する第2CSPを求めることは必須ではなく、第2CSPの算出を省略可能であり、また、第1、第2CSPの算出に際してアクセル開度や車速になまし処理を施すことも必須ではない。
【0036】
また、上記実施形態では目標Peから目標APSを算出する際に目標Peに対して逆補正を施したり、理論Peとドライバ要求Peとの差を目標Peから減算して目標APSを精度良く求めるようにしたが、逆補正や減算を行うことは必須ではなく、目標Peを目標APSに直接に換算して装置構成を簡略にしても良い。
【0037】
更に、上記実施形態ではディーゼルエンジンを出力制御対象としたが、本発明はガソリンエンジンの出力制御にも適用可能である。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に記載の車両用内燃機関の出力制御装置は、燃料噴射量に対応する出力トルク相関値と車両挙動とに基づき目標トルク相関値を導出するので車両挙動に対応する最適な目標トルク相関値を適切に設定でき、また、目標トルク相関値から導出した目標アクセル開度と検出アクセル開度との小さい方を噴射量設定用のアクセル開度とするので、燃料噴射量の極端な低下を防止でき、内燃機関のストールを有効に防止しながら車両挙動に対応して内燃機関の出力を適切に制御できる。すなわち、目標トルク相関値に対応した目標アクセル開度を設定して燃料噴射量設定に供するので、目標相関値を燃料噴射量設定に直接適用する場合のように燃料噴射量が極端に低下することがなく、内燃機関のストールを招くことがない。
【0039】
請求項2に記載の出力制御装置は、燃料噴射量の設定で使用される補正とは逆の補正を目標トルク相関値に対して行ってから目標アクセル開度を導出するので、目標アクセル開度に対応して噴射量を設定する場合にも、補正が二重に行われることが無く精度の高い制御を実現できる。
請求項3に記載の出力制御装置は、燃料噴射量の設定で使用される補正による補正分トルク相当値を目標トルク相関値から減算した値に基づいて目標アクセル開度を導出するので、目標アクセル開度に対応して噴射量を設定する場合にも、補正が二重に行われることがなく精度の高い制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるエンジン出力制御装置の機能ブロック図である。
【図2】従来のエンジン出力制御装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
2 燃料噴射ポンプ(燃料噴射装置)
3 スタビリティ制御装置のコントローラ(車両制御装置)
4 アクセル開度センサ
101 エンジン制御ECU
111 第1設定部
111b 基本CSP算出部
111c ミニマム選択部(アクセル開度情報選択部)
112 第2設定部
112c オートクルーズ用基本CSP算出部
113 第3設定部(噴射量設定手段および噴射装置作動制御手段)
113b 燃料噴射制御用CSP算出部(補正手段)
113c 理論Pe算出部(トルク相関値導出手段)
114 第4設定部(要求トルク相関値導出手段)
114a 補正部
114b ドライバ要求Pe算出部
115 第5設定部(目標アクセル開度導出手段)
115a 逆補正部
115b 減算部
115d CSP算出部
115e 目標APS算出部

Claims (3)

  1. アクセル操作部材の開度を検出するアクセル開度センサと、
    アクセル開度に応じて燃料噴射量相関値を設定する噴射量設定手段と、
    上記噴射量設定手段により設定された上記燃料噴射量相関値に基づき燃料噴射装置の作動を制御する噴射装置作動制御手段と、
    上記噴射量設定手段により設定された上記燃料噴射量相関値に基づき内燃機関の出力トルク相関値を導出するトルク相関値導出手段と、
    車両の運転状態を検出する車両運転状態検出手段と、
    上記トルク相関値導出手段により導出される出力トルク相関値と上記車両運転状態検出手段が検出した車両の運転状態とに基づき上記内燃機関の目標トルク相関値を導出する目標トルク導出手段と、
    上記目標トルク導出手段により導出される上記目標トルク相関値に対応する目標アクセル開度を導出する目標アクセル開度導出手段と、
    上記アクセル開度センサにより検出される検出アクセル開度と上記目標アクセル開度導出手段により導出される目標アクセル開度の小さい方を上記アクセル開度として上記噴射量設定手段に供給するアクセル開度情報選択手段と
    を備えたことを特徴とする車両用内燃機関の出力制御装置。
  2. 上記噴射量設定手段は、アクセル開度に応じて設定される基本噴射量相関値を所定の補正手段により補正して上記燃料噴射量相関値を設定するように構成され、
    上記目標アクセル開度導出手段は、上記目標トルク相関値を上記補正手段による補正に対して逆補正してから上記目標アクセル開度を導出するように構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用内燃機関の出力制御装置。
  3. 上記アクセル開度センサの出力に基づいて要求トルク相関値を導出する要求トルク相関値導出手段を更に備え、
    上記噴射量設定手段は、アクセル開度に応じて設定される基本噴射量相関値を所定の補正手段により補正して上記燃料噴射量相関値を設定するように構成され、
    上記目標アクセル開度導出手段は、上記出力トルク相関値と上記要求トルク相関値から求まる補正分トルク相当値を上記目標トルク相関値から減算した値に基づいて上記目標アクセル開度を導出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用内燃機関の出力制御装置。
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