JP4037714B2 - 溶接部位を有する部品の塗装方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接部位を有する部品の塗装方法に関するものであり、特に溶接部位が電着塗装されない場合でも、耐食性と耐候性を有する塗膜を形成することのできる塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のボディーや部品、二輪車の部品には、通常、金属基材上に、その腐食を防止するための電着塗料による下塗り塗膜、地色を隠ぺいし被塗面を平滑にするための中塗り塗膜、さらに色彩や光沢および耐候性を付与するための上塗り塗膜が形成されている。
【0003】
近年、資源および労力の節約の観点から塗装工程の簡略化が求められている。従って、中塗りや上塗り工程を省略して、電着塗装による下塗り工程のみで塗装を完了させる塗装方法、いわゆるワンコート塗装方法が提案されている。例えば特開平2−160876号公報等には、金属基材側に耐食性に優れるアミン変性エポキシ樹脂層が形成され、表面側に耐候性に優れるアミン変性アクリル樹脂層が形成される、エポキシ/アクリルブレンド系バインダー成分を含有するカチオン電着塗料をワンコート塗装する方法が記載されている。
【0004】
しかし、溶接部位を有する部品を上記の電着塗料でワンコート塗装する場合、溶接部位には、スラグと呼ばれる絶縁部が生成されているため塗膜がその上に十分形成されず、その部分から腐食が進行してしまうという問題点があった。この問題を解決する方法として、本特許出願人らによる特開2001−293432号公報には、カチオン電着塗料を電着塗装した後、電着塗装されなかった溶接部位に同一のカチオン電着塗料をスプレー塗装し、その後焼付硬化させる工程による溶接部位を有する部品の塗装方法が記載されている。
【0005】
上記塗装方法は溶接部位を有する部品の塗装方法としての有用性が高いものである。しかし、この塗装方法を塗装ラインで使用したところ、(1)スプレー塗装による塗装膜厚が不十分であるため被塗装物の地色隠ぺい性が低くなり、また(2)低粘度であるため通常のスプレー塗装条件ではタレ等が生じてスプレー作業性に劣るという不具合が生じた。また、(3)カチオン電着塗料は、特に高温環境下で塗料粘度が低下し易く、この高温環境下での塗料粘度の低下により、上記(1)(2)の不具合は顕著なものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、溶接部位にも地色隠ぺい性や仕上がり外観の優れた塗膜を良好な作業性で形成することのできる、溶接部位を有する部品の塗装方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の塗装方法は、溶接部位を有する部品にカチオン電着塗料組成物を電着塗装する工程、電着塗装後、電着塗装されなかった溶接部位に増粘配合したカチオン電着塗料組成物をスプレー塗装する工程、および電着塗装で得られた塗膜とスプレー塗装で得られた塗膜とを同時に焼付硬化させる工程を包含する、溶接部位を有する部品の塗装方法であって、増粘配合したカチオン電着塗料組成物が、アミノ基含有エポキシ樹脂7〜30重量%、アミノ基含有アクリル樹脂48〜62重量%、および脂肪族ブロックポリイソシアネート22〜25重量%からなり前記3種の合計が100重量%であるバインダー成分、塗膜中の顔料体積率で1〜7%の顔料、および増粘配合したカチオン電着塗料組成物全体に対して2〜5重量%の疎水性溶剤を含有する、塗装方法である。
【0008】
また、上記電着塗装する工程とスプレー塗装する工程との間に、電着塗装で得られた塗膜を風乾もしくは80〜150℃で予備加熱する工程を更に含んでいることが好ましい。
【0009】
上記増粘配合したカチオン電着塗料組成物の増粘配合は、好ましくは、(a)顔料分散ペースト(F1)、および(b)アミノ基含有エポキシ樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂および脂肪族ブロックポリイソシアネートからなるバインダー成分を含むメインエマルション(F2)の混合比を調節し、(c)疎水性溶剤の含有量を調節することによって行なわれる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の塗装方法は、溶接部位を有する部品にカチオン電着塗料組成物を電着塗装する工程、電着塗装後、電着塗装されなかった溶接部位に増粘配合したカチオン電着塗料組成物をスプレー塗装する工程、および上記電着塗装で得られた塗膜と上記スプレー塗装で得られた塗膜とを同時に焼付硬化させる工程を包含する方法である。
【0011】
一般に、複数の金属片を溶接して構成されている金属材料は、その表面に溶性部位を有する。このような溶接部位を有する部品には、例えば、原付自転車、自動二輪、大型自動二輪等の二輪車に用いられる部品の車輪のフレームやフェンダー等の部品がある。本発明によって、このような部品の溶接部位に地色隠ぺい性や仕上がり外観の優れた塗膜を良好な作業性で形成することができる。
【0012】
カチオン電着塗料組成物
本発明の塗装方法で用いるカチオン電着塗料組成物は、アミノ基含有エポキシ樹脂7〜30重量%、アミノ基含有アクリル樹脂48〜62重量%、および脂肪族ブロックポリイソシアネート22〜25重量%であって、上記3種の合計が100重量%からなるバインダー成分と、塗膜中の顔料体積率(PVC)で1〜7%の顔料とを含有するものである。
【0013】
バインダー成分を構成する、アミノ基含有エポキシ樹脂としては、電着塗料の分野では周知のアミン変性エポキシ樹脂を用いうる。一般に、これらはエポキシ樹脂のエポキシ基を1級アミン、2級アミンまたは3級アミン酸塩との反応によって開環して製造される。
【0014】
このアミノ基含有エポキシ樹脂は、中和剤を含む水性媒体中に分散される必要がある。アミン変性エポキシ樹脂を調製するために用いるエポキシ樹脂の分子量およびエポキシ樹脂に導入するアミノ基の量等は、電着塗料用バインダーとして、良好な分散性を有するように適宜調節することができる。
【0015】
アミノ基含有エポキシ樹脂を調製するために用いる典型的なエポキシ樹脂は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多環式フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物である、ポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0016】
上記エポキシ樹脂は、アミンと反応させる前に、2官能のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ビスフェノール類、2塩基性カルボン酸等を使用して鎖延長してよい。または、アミンと反応させる前に、一部のエポキシ基に2−エチルヘキサン酸、2−エチルへキサノール、ノニルフェノール、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルのようなモノカルボン酸またはモノヒドロキシ化合物を付加して、分子量またはアミン当量を調節し、熱フロー性を改善してもよい。
【0017】
ここでエポキシ樹脂と反応させるアミンは、例えばブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸塩などの1級、2級または3級アミン酸塩である。アミノエチルエタノールアミンメチルイソブチルケチミンのようなケチミンブロック1級アミノ基含有2級アミンもしばしば使用される。アミンは、エポキシ基に対してほぼ当量で反応させることが好ましい。
【0018】
アミノ基含有エポキシ樹脂はバインダー成分中7〜30重量%、好ましくは13〜20重量%の量である。アミノ基含有エポキシ樹脂の含有量が30重量%を上回ると得られる塗膜の耐候性が低下し、7重量%を下回ると防食性が低下する。
【0019】
また、上記アミノ基含有アクリル樹脂は、(i)アミノ基含有アクリルモノマー、(ii)水酸基含有アクリルモノマー、および(iii)その他のエチレン性不飽和モノマーの共重合によって得ることができる。さらにアミノ基含有アクリルモノマーの代わりにエポキシ基含有アクリルモノマーを水酸基含有アクリルモノマーおよびその他のエチレン性不飽和モノマーと共重合し、得られた共重合体のエポキシ基をアミンで開環することにより得ることもできる。
【0020】
アミノ基含有アクリルモノマー(i)の例は、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等である。
【0021】
水酸基含有アクリルモノマー(ii)の例は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のようなアルキレンジオールのモノ(メタ)アクリレート類が好ましい。
【0022】
また、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブロピル(メタ)アクリルアミド等のような(メタ)アクリルアミド類も好ましく、さらにヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンとの反応生成物またはヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートと六員環カーボネートとの反応生成物も水酸基含有アクリルモノマー(ii)として好適に使用できる。
【0023】
その他のエチレン性不飽和モノマー(iii)の例は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソブロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニルなどである。
【0024】
アミノ基含有アクリル樹脂を調製するための別法として、水酸基を有するアクリルモノマーおよびその他のエチレン性不飽和モノマーと、グリシジル(メタ)アクリレートのようなエポキシ基を有するモノマーとを共重合させた後、エポキシ基に2級アミンを反応させてもよい。エポキシ基との反応に使用し得る2級アミンは、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モルホリン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン等であり、特に分子内にヒドロキシル基と2級アミノ基とを有するアミンが好ましい。また、ジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンジケチミン化物や2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールのメチルイソブチルケトンモノケチミン化物等も使用できる。
【0025】
重合は溶液重合法のような常法により行うことができる。共重合体の数平均分子量は1000〜50000、好ましくは2000〜20000の範囲であり、場合によりドデシルメルカプタンやチオグリコ−ル酸2−エチルヘキシルのような連鎖移動剤を使用して重合度を調節する。
【0026】
アミノ基含有アクリル重合体へハーフブロックジイソシアネートをウレタン結合により付加し、自己架橋性を持たせてもよい。その場合ジイソシアネートは、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)のような脂環式ジイソシアネートを使用するのが好ましい。
【0027】
ジイソシアネートの一方のイソシアネート基をブロックしてハーフブロックジイソシアネートとするために、公知のブロック剤を用いうる。ブロック剤の例は、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコ一ルモノブチルエーテル、シクロヘキサノール等のアルコール類;フェノール、ニトロフェノール、クレゾール、ノニルフェノール等のフェノール類;ジメチルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム等のオキシム類、ε−カプロラクタム等のラクタム類などを使用することができる。
【0028】
上記アミノ基含有アクリル樹脂は、2種以上の樹脂の混合物であり、かつ上記アミノ基含有エポキシ樹脂よりそのSP値が低い方が好ましい。具体的には、アミノ基含有アクリル樹脂のSP値はアミノ基含有エポキシ樹脂のSP値よりも少なくとも0.5、好ましくは0.5〜2.0程度低いことが好ましい。
【0029】
このように、アミノ基含有エポキシ樹脂と、アミノ基含有エポキシ樹脂よりSP値が低いアミノ基含有アクリル樹脂とを併用すれば、本発明の電着塗料組成物は、電着後焼付け時にアミノ基含有エポキシ樹脂が金属基材側に移行して防食性の層を形成し、アミノ基含有アクリル樹脂が塗膜表面側に移行して耐候性の層を形成すると考えられ、その結果、その上に上塗塗装しなくても、防食性および耐候性が更に優れた硬化塗膜を与えることになる。
【0030】
一般に、共重合体のSP値は、構成モノマーのホモポリマーのSP値と、モノマー混合物中の各構成モノマーの重量分率とに基づいて計算によって推定することができるので、アミノ基含有エポキシ樹脂のSP値を実測することによって知れば、所望のSP値を有するアミノ基含有アクリル共重合体を設計することが可能である。
【0031】
上記SP値とは、溶解度パラメーターを言い、文献(SUH,CLARKE,J.P.S.A−1,5,1671〜1681(1967))に詳細に記載されており、その測定方法は、濁度法など当業者にとって周知の方法である。
【0032】
アミノ基含有アクリル樹脂は10〜150meq/gのアミン価を有することが好ましい。また、50〜120mgKOH/gの水酸基価を有することが好ましい。アミン価および水酸基価がこのような範囲となるようにモノマー組成を構成することは当業者に周知である。
【0033】
アミノ基含有アクリル樹脂はバインダー成分中48〜62重量%、好ましくは48〜55重量%である。アミノ基含有アクリル樹脂の含有量が48重量%を下回ると得られる塗膜の耐候性が低下し、62重量%を上回ると防食性が低下する。
【0034】
一方、上記脂肪族ブロックポリイソシアネートとしては、種々のものが利用できるが、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添MDI、NBDI(ノルボルナンジイソシアネート)、それらの二量体および三量体、およびトリメチロールプロパンなどの脂肪族多価アルコールとの付加物など、脂環式ポリイソシアネートがより好ましい。これらを用いて得られる塗膜が、耐食性および非黄変性に優れるからである。
【0035】
ブロック剤も先にハーフブロックジイソシアネートに関して述べた任意のブロック剤でよいが、160℃以下の低温硬化を望む場合はラクタム類およびオキシム類を使用するのがよい。
【0036】
脂肪族ブロックポリイソシアネートはバインダー成分中22〜25重量%である。脂肪族ブロックポリイソシアネートの含有量が22重量%を下回ると得られる塗膜の防食性が低下し、25重量%を上回ると耐候性が低下する。
【0037】
ここで、上記バインダー成分である、上記アミノ含有エポキシ樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂および脂肪族ブロックポリイソシアネートの3種の合計が100重量%とする。
【0038】
上記カチオン電着塗料組成物は、上記バインダー成分のほかに顔料を含む。顔料として、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、銅鉄マンガンブラック等の種々の着色顔料を含有させることができる。隠ぺい力および着色力の点から、粒子径15nm以下、特に13nm以下のカーボンブラックを着色顔料として含有させることが好ましい。カーボンブラックの粒子径が15nmを上回ると得られる塗膜の隠ぺい性及び着色力が低下する。また、カーボンブラックと上記顔料とを併用してもよい。
【0039】
またカチオン電着塗料組成物における上記顔料の使用量は、PVCとして1〜7%であり、2.5〜5.5%であることが好ましい。1%を下回ると得られる塗膜の隠ぺい性および着色力が低下し、7%を上回ると得られる塗膜の耐候性が低下する。尚、PVCとは、塗膜中の顔料体積率のことをいう。
【0040】
このような着色顔料は、一般に疎水性であるため、水性媒体中に均一に分散し難い。このため通常、これらの着色顔料は、予め顔料分散ペースト化して用いられる。
【0041】
顔料分散ペースト(一般に「F1」とも称される。)とは、上記顔料を顔料分散用樹脂分散物とともに分散させたものである。顔料分散用樹脂分散物とは、顔料分散用樹脂を水性媒体中に分散させたものである。顔料分散用樹脂として例えば、カチオン性またはノニオン性の低分子量界面活性剤や4級アンモニウム基および/又は3級スルホニウム基を有する変性エポキシ樹脂を用いることができる。
【0042】
顔料分散ペースト(F1)は、例えば固形分35〜70重量%、好ましくは40〜65重量%である。固形分中、顔料は35〜75重量%、好ましくは40〜70重量%を占め、顔料分散用樹脂は25〜65重量%、好ましくは30〜60重量%を占める。
【0043】
上記顔料分散用樹脂分散物および顔料を、所定量混合した後、その混合物中の顔料の粒径が所定の均一な粒径となるまで、ボールミルやサンドグラインドミル等の通常の分散装置を用いて分散させることにより、顔料分散ペースト(F1)が得られる。
【0044】
上記カチオン電着塗料組成物は、上記バインダー成分および顔料のほかに、更に第2のアクリル樹脂を必要に応じ含有していてもよい。カチオン電着塗料組成物中に、第2のアクリル樹脂が含まれる場合、アミノ基含有エポキシ樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂および脂肪族ブロックポリイソシアネートに、第2のアクリル樹脂を含めたものが、バインダー成分となる。
【0045】
上記第2のアクリル樹脂としては、必ずしもアミノ基を持たなくても良いこと、およびSP値が上記アミノ基含有アクリル樹脂よりも低いことを除き、上記アミノ基含有アクリル樹脂と同じ特性を有する共重合体でよい。具体的には、第2のアクリル樹脂のSP値はアミノ基含有アクリル樹脂のSP値よりも少なくとも0.5、好ましくは0.5〜2.0程度低いことが好ましい。
【0046】
このように、アミノ基含有エポキシ樹脂と、アミノ基含有エポキシ樹脂よりSP値が低いアミノ基含有アクリル樹脂と、アミノ基含有アクリル樹脂よりSP値が低い第2のアクリル樹脂とを併用することにより、電着後焼付け時にアミノ基含有エポキシ樹脂が金属基材側に移行して防食性の層を形成し、その上にアミノ基含有アクリル樹脂が密着性に優れた中間層を形成し、第2アクリル樹脂が塗膜表面側に移行して耐候性の層を形成すると思われる。
【0047】
また、アミノ基含有エポキシ樹脂のSP値と、第2のアクリル樹脂のSP値との間に、大きな開きがあっても、これらのSP値の中間となるSP値を有するアミノ基含有アクリル樹脂が存在することにより、この第2のアクリル樹脂をブレンドしても、十分に分散することができる。
【0048】
さらに最も低いSP値を有する第2アクリル樹脂の濃度勾配は塗膜表面近くで最も高くなると考えられ、それによって耐候性向上に寄与すると同時に、ハジキやへこみ等の外観異常を抑制する効果も発揮する。その結果、本発明の塗装方法では、その上に上塗塗装しなくても、防食性および耐候性が優れた硬化塗膜が得られる。
【0049】
第2のアクリル樹脂の調製は、一般には、水酸基含有アクリルモノマーと、それ以外のエチレン性不飽和モノマーを必須モノマーとし、アミノ基を含有する場合はアミノ基含有アクリルモノマーを共重合するか、またはエポキシ基含有アクリルモノマーを共重合後アミンと反応させることによってアミノ基を導入することにより行われる。
【0050】
ここで、第2のアクリル樹脂はアミノ基含有アクリル樹脂成分より低いSP値を持たなければならないので、モノマー組成として、t−ブチル(メタ)アクリレート、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等、ホモポリマーのSP値が低いモノマーを相対的に多くするか、または反対に高SPモノマーの割合を減らして所望SP値範囲に設計する必要がある。
【0051】
第2のアクリル樹脂は、アミノ基含有アクリル樹脂と同様ハーフブロックジイソシアネートを付加して使用することもできる。
【0052】
第2のアクリル樹脂は塗膜の表面付近においてその濃度勾配が最大になることが意図されるので、ハジキ、へこみなどの外観異常が発生し難いことが望ましい。そのため、重合時使用する他のエチレン性不飽和モノマーの一部として、エーテル部分を有するアクリルモノマーを使用するのが有効である。
【0053】
そのようなアクリルモノマーの例は、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、ナトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブロポキシエチル(メタ)アクリレート、4−2−エチルヘキシルオキシ)ブチル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート等である。
【0054】
第2のアクリル樹脂を更に含有する本発明の好ましい態様では、上記カチオン電着塗料組成物は、アミノ基含有エポキシ樹脂7〜20重量%、好ましくは13〜20重量%、そのアミノ基含有エポキシ樹脂よりもSP値が0.5以上低いアミノ基含有アクリル樹脂48〜62重量%、好ましくは48〜55重量%、脂肪族ブロックポリイソシアネート20〜30重量%、好ましくは22〜25重量%およびそのアミノ基含有アクリル樹脂よりもSP値が低い第2のアクリル樹脂1〜10重量%、好ましくは5〜10重量%であって、上記4種の合計が100重量%からなるバインダー成分を含有するものである。
【0055】
カチオン電着塗料組成物が第2アクリル樹脂を含む場合、バインダー成分中、第2アクリル樹脂の量が1重量%を下回ると得られる塗膜の耐候性が低下し、塗膜にハジキやヘコミが発生し易くなり、10重量%を上回ると塗膜の防食性が低下する。
【0056】
上記カチオン電着塗料組成物は、上記成分のほか、中和剤、水性媒体を含有する。
【0057】
上記中和剤としては、塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、ヒドロキシ酢酸、スルファミン酸、乳酸のような無機酸または有機酸である。中和剤の量は、少なくとも20%、好ましくは30〜60%の中和率を達成する量であればよい。
【0058】
上記水性媒体としては、水並びに種々の有機溶剤であってよい。本発明での使用に適した溶剤の例としては、炭化水素類(例えば、キシレンまたはトルエン)、アルコール類(例えば、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール)、エーテル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−エチルエチレングリコールモノヘキシルエーテル)、ケトン類(例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン)、エステル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)、並びにそれらの混合物が挙げられる。これらの溶剤の使用量はカチオン電着塗料組成物全体に対して約0.01〜25重量%、好ましくは0.05〜15重量%である。
【0059】
本発明において、バインダー成分として、アミノ基含有エポキシ樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂、脂肪族ブロックポリイソシアネート、および必要に応じ第2アクリル樹脂を使用する。これらのバインダー成分のブレンド方法はいく通りかが存在する。通常は、最終的に使用する脂肪族ブロックポリイソシアネート量を2つに分け、その一方とアミノ基含有エポキシ樹脂とを混合してエマルションを調製し、これとは別に、他方の脂肪族ブロックイソシアネートとアミノ基含有アクリル樹脂と必要に応じ第2アクリル樹脂とを混合してエマルションを調製し、これら2つのエマルションを用いてメインエマルション(F2)を調製し、カチオン電着塗料組成物を調製する。本明細書中では、このバインダー成分を分散したメインエマルションを単に「メインエマルション」という。このメインエマルションは一般に「F2」とも称される。
【0060】
メインエマルション(F2)は、例えば固形分25〜35重量%、好ましくは固形分30重量%である。このメインエマルジョンの固形分はバインダー成分を主として含む。このバインダー成分がアミノ基含有エポキシ樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂および脂肪族ブロックポリイソシアネートからなる場合は、アミノ基含有エポキシ樹脂7〜30重量%、アミノ基含有アクリル樹脂48〜62重量%、および脂肪族ブロックポリイソシアネート22〜25重量%であって、前記3種の合計が100重量%である。
【0061】
一般に電着塗料組成物は、最初バインダー成分を中和剤を含む水性媒体中に分散してメインエマルションをつくり、これへ顔料分散ペースト(F1)を添加し、混合して調製される。
【0062】
上記電着塗料組成物は、触媒として、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジブチルスズオキサイドのようなスズ化合物の触媒や、通常のウレタン開裂触媒を含んでもよい。その量は脂肪族ブロックポリイソシアネートの0.1〜10重量%が通常である。この触媒は、通常顔料分散ペースト(F1)に含まれることが好ましい。
【0063】
さらに、添加剤として、水混和性有機溶剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの常用の塗料用添加剤を含んでもよい。これらの添加剤は、通常メインエマルション(F2)に含まれることが好ましい。
【0064】
増粘配合したカチオン電着塗料組成物
本発明の塗装方法で用いる増粘配合したカチオン電着塗料組成物は、上記カチオン電着塗料組成物の成分の含有量を変化させて、スプレー適性及び粘度安定性を有するように変性した塗料組成物である。ここで、スプレー適性とは通常の条件でスプレー塗装を行うことができ、その結果、良好な外観の塗膜を、被塗物の地色を隠蔽するのに十分な厚さに形成することができることをいう。尚、通常、カチオン電着塗料組成物は粘度が低く、スプレー適性を付与するためには増粘させる必要がある。また、粘度安定性とは、一定温度で一定期間保存した後でも粘度の変化がないことをいう。
【0065】
例えば、成分の含有量を、アミノ基含有エポキシ樹脂7〜30重量%、アミノ基含有アクリル樹脂48〜62重量%、および脂肪族ブロックポリイソシアネート22〜25重量%からなり前記3種の合計が100重量%であるバインダー成分、塗膜中の顔料体積率(PVC)で1〜7%の顔料、および塗料組成物全体に対して2〜5重量%の疎水性溶剤を含有するように変化させたカチオン電着塗料組成物は、増粘配合したカチオン電着塗料組成物に含まれる。
【0066】
増粘配合したカチオン電着塗料組成物は、上記のカチオン電着塗料組成物と同様に、上記の第2のアクリル樹脂を必要に応じ含有していてもよい。
【0067】
増粘配合したカチオン電着塗料組成物は、増粘配合すること以外は、カチオン電着塗料組成物と同様にして調製することができる。増粘配合は、カチオン電着塗料組成物の調製の際に用いた顔料分散ペースト(F1)とメインエマルション(F2)を用いて、F1/F2混合比を適当に調節し、疎水性溶剤の含有量を調節することにより行うことが好ましい。
【0068】
顔料分散ペースト(F1)とメインエマルション(F2)との混合比の調節は、メインエマルション(F2)に顔料分散ペースト(F1)を添加、混合する際に、顔料分散ペースト(F1)の量を、上記PVCに整合するように増大させればよい。
【0069】
例えば、顔料分散ペースト(F1)の顔料としてカーボンブラックを使用し、顔料分散ペースト(F1)の固形分が34重量%(固形分中の顔料の重量%:41%)であってメインエマルション(F2)の固形分が30重量%である場合、F1/F2の混合比(重量比)は1/5〜1/8である。
【0070】
また、増粘配合に適した疎水性溶剤の例として、例えば、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、2−メチル−1−プロパノール(イソブタノール)、2-エチルエチレングリコールモノヘキシルエーテル(2−エチルヘキシルセロソルブ)、並びにそれらの混合物が挙げられる。ヘキシレングリコール、イソブタノール、2-エチルエチレングリコールモノヘキシルエーテル、またはそれらの混合物を使用するのが好ましい。これらの疎水性溶剤の含有量は、増粘配合したカチオン電着塗料組成物全体に対して約2〜5重量%、より好ましくは5重量%に調節される。
【0071】
塗装方法
本発明の塗装方法において、カチオン電着塗装は、通常の方法で行なえばよい。例えば、被塗装物である溶接部位を有する部品を陰極に取り付け、それをカチオン電着塗料組成物で満たされた電着浴中に浸漬して、電圧をかけて行なわれる。
【0072】
スプレー塗装は、増粘配合したカチオン電着塗料組成物を用いて、通常の方法で行えばよい。例えば、カチオン電着塗装で塗装されなかった溶接部位に対して、通常使用されるスプレー塗装機を用いて、ガン距離50cm、吐出圧2〜5kg・f/cm2で2度スプレー塗装することにより行なうことができる。
【0073】
ここで、電着塗装されなかった溶接部位に上記の増粘配合したカチオン電着塗料組成物をスプレー塗装する前に、上記電着塗装で得られた電着塗膜を、30分以上の風乾もしくは80〜150℃、好ましくは、100〜130℃の温度条件で、5〜15分間、予備加熱することが好適である。この風乾もしくは予備加熱によって、電着塗装後の塗膜にある水分を蒸発させ、次工程のスプレー工程でのタレやワキの防止をすることができる。
【0074】
増粘配合したカチオン電着塗料組成物をスプレー塗装した後、先の電着塗装により得られた電着塗膜とスプレー塗装により得られたスプレー塗膜とを同時に焼き付けて硬化させる。焼き付けは通常の方法、例えば、焼付炉中で、焼成オーブン中でまたは赤外ヒートランプで焼き付ける。焼き付け温度は通常約140℃〜180℃であり、温度を変化させてもよい。
【0075】
【実施例】
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「%」及び「部」は特に断らない限り重量基準である。但しPVC「%」は体積率である。
【0076】
製造例1
顔料分散ペースト(F1)の調製
撹拌機、冷却機、窒素注入管、温度計および滴下ロートを取り付けたフラスコを用意した。このフラスコにイソホロンジイソシアネート222.0部を加え、メチルイソブチルケトン39.1部で希釈した後にジブチルスズジラウレート0.2部を加えた。50℃に昇温後、2−エチルヘキサノール131.5部を窒素をバブリングしながら撹拌しているところに滴下ロートから2時間かけて滴下した。適宜冷却することにより、この間の反応温度を50℃に維持した。その結果、2−エチルヘキサノールハーフブロック化イソホロンジイソシアネートを得た(固形分90%)。
【0077】
撹拌機、窒素注入管、冷却管を備えた反応容器にエポン828(シェル化学社製エポキシ樹脂、エポキシ当量190)351.6部およびビスフェノールA99.2部を仕込み、窒素雰囲気下130℃まで加熱し、ベンジルジメチルアミン1.41部を添加し、170℃で約1時間反応させることにより、エポキシ当量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂を得た。
【0078】
次いで、反応溶液を140℃まで冷却した後、上で調製した2−エチルヘキサノールハーフブロック化イソホロンジイソシアネート218.3部(固形分量196.5部)を加え、140℃に1時間保った。ここにジプロピレングリコールモノブチルエーテル172.3部を加えて希釈し、反応溶液を100℃に冷却し、SHP−100(1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノール、三洋化成社製)408.0部(固形分量136.0部)、ジメチロールプロピオン酸134.0部および脱イオン水144.0部を加え、70〜75℃で酸価3.0以下になるまで反応させた。
【0079】
3級スルホニウム化率70.6%の3級オニウム基含有エポキシ樹脂を得た。これをジプロピレングリコールモノブチルエーテル324.8部およびイオン交換水1204.8部で希釈し、エポキシ系3級オニウム塩型顔料分散用樹脂分散物を得た(樹脂固形分30%)。
【0080】
得られたエポキシ系3級オニウム塩型顔料分散用樹脂分散物(固形分30%)83部、カーボンブラック(三菱化成社製「M−2600」、平均粒径13nm)17部を混合し、サンドグラインドミルで粒度10μm以下まで粉砕して顔料分散ペースト(F1)(固形分34%)を調製した。
【0081】
製造例2
アミノ基含有エポキシ樹脂の調製
撹拌装置、窒素導入管、冷却管および温度計を備えた反応容器にエポキシ当量が950のエポトートYD−014(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成社製)950部を入れ、メチルイソブチルケトン237.5部と共に100℃に加熱し完全に溶解させた。次いで、N−メチルエタノールアミン60部、ジエチレントリアミンのメチルイソブチルケチミン73%メチルイソブチルケトン溶液73部を添加した。
【0082】
この混合物を120℃で1時間保温し、SP値11.4のアミノ基含有エポキシ樹脂の溶液を得た。
【0083】
製造例3
脂肪族ブロックポリイソシアネートの調製
撹拌装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器にイソホロンジイソシアネート222部を入れ、メチルイソブチルケトン56部を加えて希釈した後ジブチル錫ジラウレート0.2部を加えた。その後、50℃に昇温し、メチルエチルケトオキシム174部を樹脂温度が70℃を超えないように加えた。赤外線吸収スペクトルによりイソシアネート基の吸収が実質上消滅するまで70℃で1時間保持し、その後、n−ブタノール43部を加えて希釈して脂肪族ブロックポリイソシアネートの溶液を得た。
【0084】
製造例4
第2アクリル樹脂の調製
撹拌機、温度計、デカンター、環流冷却器、窒素導入管及び滴下ロートを備えた反応容器にメチルイソブチルケトン1550部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ120℃に昇温し、メタクリル酸メチル627部、メタクリル酸ラウリル191部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル182部、アクリル酸−2−メトキシエチル300部、メタクリル酸ブチル200部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート50部の混合物を3時間かけて等速滴下した。滴下終了後3時間さらに120℃で反応後冷却し、SP値9.7の第2アクリル樹脂の溶液を得た。
【0085】
製造例5
アミノ基含有エポキシ樹脂と脂肪族ブロックポリイソシアネートとを含むエマルションの調製
製造例2で得たアミノ基含有エポキシ樹脂の溶液120.4部、及び製造例3で得た脂肪族ブロックポリイソシアネートの溶液56.2部を加えて混合した後、窒素雰囲気下60℃で30分間保持し、その得られた混合物を、酢酸2.0部とイオン交換水215.6部とから得られた液に、十分撹拌しながら徐々に加え、アミノ基含有エポキシ樹脂と脂肪族ブロックポリイソシアネートとを含むエマルションを得た。エマルションの固形分は36%であった。
【0086】
製造例6
アミノ基含有アクリル樹脂、脂肪族ブロックポリイソシアネートおよび第2アクリル樹脂を含むエマルションの調製
環流冷却器、撹拌機、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた5つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン56.3部を仕込み、窒素雰囲気下115℃に加熱保持した。これへ、グリシジルメタクリレート16.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.2部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート14.8部、n−ブチルメタクリレート58.1部、t−ブチルメタクリレート6.9部、およびt−ブチルパーオクトエート4.0部の混合物を滴下ロートから3時間かけて滴下した。滴下終了後115℃に約1時間保持した後、t−ブチルパーオクトエート0.5部を滴下し、115℃で約30分保持し、固形分65%のアクリル樹脂の溶液を得た。数平均分子量は6000であった。
【0087】
冷却後これへN−メチルエタノールアミン8.5部を加え、窒素雰囲気下120℃で2時間反応させ、樹脂SP10.3および固形分約67%のアミノ基含有アクリル樹脂の溶液を得た。
【0088】
この溶液に製造例3で得た脂肪族ブロックポリイソシアネート44.6部と、製造例4で得た第2アクリル樹脂の溶液33.6部とを混合し、窒素雰囲気下で70℃で30分保持し、その混合物を、酢酸2.6部とイオン交換水301.2部とから得られた液に十分撹拌しながら徐々に加え、アミノ基含有アクリル樹脂を含むエマルションを得た。エマルションの固形分は30%であった。
【0089】
製造例7
アミノ基含有エポキシ樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂、脂肪族ブロックポリイソシアネートおよび第2アクリル樹脂を含むメインエマルション(F2)の調製
製造例5で得られた、アミノ基含有エポキシ樹脂と脂肪族ポリイソシアネートとを含むエマルション606部および製造例6で得られた、アミノ基含有アクリル樹脂と脂肪族ブロックポリイソシアネートと第2アクリル樹脂とを含むエマルション727部を混合し、表題のメインエマルション(F2)を得た。このF2の固形分は30%であった。
【0090】
実施例1
製造例1で得られた顔料分散ペースト(F1)152部と、製造例7で得られたアミノ基含有エポキシ樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂、脂肪族ブロックポリイソシアネートおよび第2アクリル樹脂を含むメインエマルション(F2)1333部とを混合し、得られた混合物にイオン交換水を加えて固形分を20%とし、カチオン電着塗料組成物を得た。この電着塗料を用いて、二輪車用フレーム(1400×700mm)を、温度28℃、塗装電圧150Vで電着塗装した。
【0091】
表1に従い、製造例1で得られた顔料分散ペースト(F1)と、製造例7で得られたアミノ基含有エポキシ樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂、脂肪族ブロックポリイソシアネートおよび第2アクリル樹脂とを含むメインエマルション(F2)とを混合し、得られた混合物に2-エチルヘキシルセロソルブを加えて固形分を29%とし、増粘配合したカチオン電着塗料組成物を得た。得られた電着塗料のPVCは2.7%であり、ヘキシレングリコールの含有量は、増粘配合したカチオン電着塗料組成物全体に対して4.8重量%であった。
【0092】
上記電着塗装した二輪車用フレームを水洗した後、30分風乾した。スプレー塗装機を用いて、上記で得られた増粘配合したカチオン電着塗料組成物を、ガン距離50cm、吐出圧2kg・f/cm2で2度スプレー塗装した。次いで、165℃で20分間焼付乾燥を行った。得られた塗膜を以下の要領で評価した。下記評価の結果を表3に示す。
【0093】
塗膜の外観評価
(1)隠ぺい性
水洗および30分間風乾した後の電着塗膜上に、白色部および黒色部を有する隠ぺい紙を貼りつけた後、スプレー塗装し、白色部が隠ぺいされる膜厚で判定した。
○:膜厚10μm以下
×:膜厚10μm以上
【0094】
(2)仕上がり肌
スプレー塗装により得られた電着塗膜部の仕上がり肌を、電着塗装により得られた電着塗膜部と比較して、目視で評価した。
○:電着塗装により得られた電着塗膜部と同等またはそれ以上
×:電着塗装により得られた電着塗膜部より劣る
【0095】
(3)光沢
電着塗膜表面の20°グロスを測定し、以下の基準で評価した。
○:グロス測定値≧72
×:グロス測定値<72
【0096】
(4)ワキ、タレ
得られた塗膜について目視により、ワキ・タレが認められない場合○、認められる場合を×とした。結果を表3に示す。
【0097】
増粘配合したカチオン電着塗料組成物の粘度特性
(1)経時粘度変化の評価
得られた増粘配合したカチオン電着塗料組成物について、放置前および40℃で7日間放置した後の粘度変化を確認した。
評価基準
○:粘度変化10%以下
×:粘度変化10%以上
【0098】
(2)塗装粘度(スプレー適性)
得られた増粘配合したカチオン電着塗料組成物について、エアースプレー塗装でのスプレー適性を評価した。
○:良好
×:不具合あり
【0099】
実施例2
表1に従って増粘配合したカチオン電着塗料組成物を得るほかは、実施例1と同様に実施した。得られた増粘配合したカチオン電着塗料組成物の固形分は29%、PVCは1.7%であり、ヘキシレングリコールの含有量は、増粘配合したカチオン電着塗料組成物全体に対して4.8重量%であった。
【0100】
実施例3
表1に従って増粘配合したカチオン電着塗料組成物を得るほかは、実施例1と同様に実施した。得られた増粘配合したカチオン電着塗料組成物の固形分は29%、PVCは2.7%であり、2−エチルヘキシルセロソルブの含有量は、増粘配合したカチオン電着塗料組成物全体に対して4.8重量%であった。
【0101】
比較例1
表1に従って増粘配合したカチオン電着塗料組成物を得るほかは、実施例1と同様に実施した。その際、親水性溶剤であるブチルセロソルブを含有させた。得られた増粘配合したカチオン電着塗料組成物の固形分は29%、PVCは2.7%であり、ブチルセロソルブの含有量は、増粘配合したカチオン電着塗料組成物全体に対して4.8重量%であった。
【0102】
比較例2
表2に従って増粘配合したカチオン電着塗料組成物を得るほかは、実施例1と同様に実施した。その際、親水性溶剤であるブチルカービトールを含有させた。得られた増粘配合したカチオン電着塗料組成物の固形分は29%、PVCは2.7%であり、ブチルカービトールの含有量は、増粘配合したカチオン電着塗料組成物全体に対して4.8重量%であった。
【0103】
比較例3
表2に従って増粘配合したカチオン電着塗料組成物を得るほかは、実施例1と同様に実施した。得られた増粘配合したカチオン電着塗料組成物の固形分は29%、PVCは2.7%であった。
【0104】
比較例4
表2に従って増粘配合したカチオン電着塗料組成物を得るほかは、実施例1と同様に実施した。得られた増粘配合したカチオン電着塗料組成物の固形分は29%、PVCは3.1%であった。
【0105】
比較例5
表2に従って増粘配合したカチオン電着塗料組成物を得るほかは、実施例1と同様に実施した。得られた増粘配合したカチオン電着塗料組成物の固形分は29%、PVCは1.7%であった。
【0106】
比較例6
表2に従って増粘配合したカチオン電着塗料組成物を得るほかは、実施例1と同様に実施した。得られた増粘配合したカチオン電着塗料組成物の固形分は29%、PVCは1.4%であった。
【0107】
【表1】
Figure 0004037714
【0108】
【表2】
Figure 0004037714
(表1、2に示す配合量は全て重量部である)
* :2−メチル−2,4−ペンタンジオール
* :2-エチルエチレングリコールモノヘキシルエーテル
* :エチレングリコールモノブチルエーテル
* :ジエチレングリコールモノブチルエーテル
【0109】
【表3】
Figure 0004037714
【0110】
【表4】
Figure 0004037714
【0111】
上記の結果からわかるように、本発明の増粘配合したカチオン電着塗料組成物は、粘度安定性、塗膜作業性(スプレー適性)に優れるものであり、またその塗料から得られる塗膜の外観、塗装膜厚(隠ぺい性)は良好なものである。
【0112】
【発明の効果】
溶接部位を有する部品に対して、カチオン電着塗料組成物を用いて電着塗装し、次いで電着塗装されなかった溶接部位に増粘配合したカチオン電着塗料組成物の塗料を用いてスプレー塗装することにより、その部品全体に耐食性と耐候性のある塗膜を形成することができる。この増粘配合したカチオン電着塗料は、塗膜作業性(スプレー適性)および粘度安定性に優れたものであり、またその塗料から得られる塗膜は塗装膜厚(隠ぺい性)が良好なものである。これにより、溶接部位にも地色隠ぺい性や仕上がり外観の優れた塗膜を良好な作業性で形成することができる。

Claims (6)

  1. 溶接部位を有する部品にカチオン電着塗料組成物を電着塗装する工程、
    電着塗装後、電着塗装されなかった溶接部位に、増粘配合したカチオン電着塗料組成物をスプレー塗装する工程、および
    電着塗装で得られた塗膜とスプレー塗装で得られた塗膜とを同時に焼付硬化させる工程を包含する、溶接部位を有する部品の塗装方法であって、
    該増粘配合したカチオン電着塗料組成物が、アミノ基含有エポキシ樹脂7〜30重量%、アミノ基含有アクリル樹脂48〜62重量%、および脂肪族ブロックポリイソシアネート22〜25重量%からなり前記3種の合計が100重量%であるバインダー成分、塗膜中の顔料体積率で1〜7%の顔料、および増粘配合したカチオン電着塗料組成物全体に対して2〜5重量%の疎水性溶剤を含有し、該疎水性溶剤が、ヘキシレングリコール、イソブタノールおよび2 - エチルエチレングリコールモノヘキシルエーテルからなる群から選択される1種以上である、塗装方法。
  2. 前記電着塗装する工程とスプレー塗装する工程との間に、電着塗装で得られた塗膜を風乾もしくは80〜150℃で予備加熱する工程を更に包含する、請求項1記載の塗装方法。
  3. 前記顔料が、粒子径15nm以下のカーボンブラックである、請求項1〜いずれかに記載の塗装方法。
  4. 前記アミノ基含有アクリル樹脂が2種以上の樹脂の混合物であり、かつ前記アミノ基含有エポキシ樹脂よりも0.5以上低いSP値を有する、請求項1〜いずれかに記載の塗装方法。
  5. 前記増粘配合したカチオン電着塗料組成物の増粘配合が、(a)顔料分散ペースト(F1)、および(b)アミノ基含有エポキシ樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂および脂肪族ブロックポリイソシアネートからなるバインダー成分を含むメインエマルション(F2)の混合比を調節し、(c)疎水性溶剤の含有量を調節することによって行なわれる、請求項1記載の塗装方法。
  6. 溶接部位を有する部品にカチオン電着塗料組成物を電着塗装する工程、
    電着塗装後、電着塗装されなかった溶接部位に、増粘配合したカチオン電着塗料組成物をスプレー塗装する工程、および
    電着塗装で得られた塗膜とスプレー塗装で得られた塗膜とを同時に焼付硬化させる工程を包含する、溶接部位を有する部品の塗装方法であって、
    該カチオン電着塗料組成物が、(a)顔料分散ペースト(F1)と、(b)アミノ基含有エポキシ樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂および脂肪族ブロックポリイソシアネートからなるバインダー成分を含むメインエマルション(F2)とを混合して得られたカチオン電着塗料組成物であり、
    該増粘配合したカチオン電着塗料組成物が、(a)該顔料分散ペースト(F1)、(b)該メインエマルション(F2)とをF1/F2混合比(重量比)1/5〜1/8で含み、さらに(c)疎水性溶剤の含有量が調節されており、疎水性溶剤が、ヘキシレングリコール、イソブタノールおよび2 - エチルエチレングリコールモノヘキシルエーテルからなる群から選択される1種以上である増粘配合したカチオン電着塗料組成物であり、および
    顔料分散ペースト(F1)が、該ペーストの固形分中、顔料35〜75重量%および顔料分散用樹脂25〜65重量%であって、固形分34重量%であり、
    メインエマルション(F2)が、アミノ基含有エポキシ樹脂7〜30重量%、アミノ基含有アクリル樹脂48〜62重量%、および脂肪族ブロックポリイソシアネート22〜25重量%からなり前記3種の合計が100重量%であるバインダー成分を含むものであり、固形分30重量%である、
    塗装方法。
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