JP4263302B2 - 高耐候性黒色電着塗料組成物 - Google Patents

高耐候性黒色電着塗料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高耐候性黒色電着塗料組成物に関し、特に、耐候性および耐食性に優れ、高い隠蔽性および黒色度を有する黒色電着塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車ボディのような金属基材は、一般に、主として錆止めのための下塗塗膜、この下塗塗膜の上に、地色を隠蔽し被塗面を平滑にするための中塗塗膜、ついで色彩や光沢を付与するための上塗塗膜を形成して塗装される。つまり、通常金属基材を塗装する場合は、耐食性を有する下塗塗膜および耐候性を有する上塗塗膜を重ねて形成することにより、被塗面を腐蝕から保護しその美感を使用期間中維持する、という塗装の目的が達成される。
【0003】
しかしながら、近年では、資源および労力の節約のため塗装工程の簡略化が求められている。金属基材の塗装分野においても、従来の下塗り、中塗り、および上塗りを重ねる塗装方法から、中塗工程、およびひいては上塗工程をも省略し、下塗り工程のみで塗装を完了させる塗装方法に対する要望が強い。他方、単に上塗塗膜の形成を省略したのでは、塗装面が耐候性に劣り、その美感を使用期間中維持するという塗装の重要な機能が損なわれることとなる。
【0004】
そこで、従来と同様に耐食性を保持しながら、他方では上塗塗装しなくても、塗装面として十分な美感性および耐候性を有する下塗塗膜、およびこのような下塗塗膜を形成できる下塗塗料が望まれている。
【0005】
ところで、金属基材の下塗塗装には電着塗装方法が広く使用されている。電着塗装方法に用いる塗料としては、中和剤を含む水性媒体中に分散されたバインダー成分と顔料成分等を含む電着塗料が良く知られている。バインダー成分は、一般に、カチオン性樹脂と硬化剤とを含む樹脂成分である。電着塗装方法では、金属基材の表面に塗料成分を電着した後、加熱してバインダー成分を硬化させ、顔料成分を樹脂で固めた下塗塗膜を形成する。
【0006】
電着塗料に使用されるカチオン性樹脂としては、アミン変性エポキシ樹脂、アミン変性アクリル樹脂などが知られている。そのうちアミン変性エポキシ樹脂は耐食性に優れ、アミン変性アクリル樹脂は耐候性に優れている。
【0007】
一般に、アミン変性エポキシ樹脂とアミン変性アクリル樹脂とは、用途に応じて使い分けされるか、又は、耐食性および耐候性の両方が要求される場合は、両方の樹脂をブレンドして用いられる。
【0008】
例えば、特開昭62−174277号公報、特開昭63−51470号公報、特開平2−33069号公報、および特開平2−160876号公報等には、金属基材側に耐食性に優れるアミン変性エポキシ樹脂層が形成され、表面側に耐候性に優れるアミン変性アクリル樹脂層が形成されるように、二層に分離するエポキシ/アクリルブレンド系バインダー成分が記載されている。
【0009】
しかし、かかるエポキシ/アクリルブレンド系バインダー成分を用いた電着塗料組成物においても、バインダー成分と組み合わせて用いる顔料によっては、塗装面の美感性および耐候性を実用的に満足できるレベルに高めることは困難である。
【0010】
例えば、黒色塗膜を形成する場合、塗装面の美感性を実用的に満足できるレベルにとするためには塗膜の隠蔽性および黒色度を高める必要があり、そのため、塗膜中の顔料濃度をかなり高める必要がある。ところが、塗装面の美感性を実現するのに十分なレベルにまで顔料濃度を高めるると、塗膜の物理的強度が低下し、その結果、塗膜の耐候性が却って低下するという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、従来と同様に耐食性を保持していながら、その上に上塗塗装しなくても、塗装面として十分な美感性および耐候性を有する下塗塗膜を形成できる、黒色電着塗料組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、中和剤を含む水性媒体中に分散されたバインダー成分と顔料成分とを含有する黒色電着塗料組成物であって、
該バインダー成分が、
a)アミノ基含有エポキシ樹脂5〜35重量%;
b)アミノ基含有アクリル樹脂30〜65重量%;および
c)脂肪族ブロックポリイソシアネート20〜30重量%;
で構成され(成分(a)〜(c)の合計は100重量%である。)、
該顔料成分が、粒子径15nm以下のカーボンブラックであり、その量は塗料PVCとして1〜7%である黒色電着塗料組成物を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
アミノ基含有エポキシ樹脂
アミノ基含有エポキシ樹脂としては、電着塗料の分野では周知のアミン変性エポキシ樹脂を用いうる。一般に、これらはエポキシ樹脂のエポキシ基を1級アミン、2級アミンまたは3級アミン酸塩との反応によって開環して製造される。
【0014】
バインダー成分を構成するアミノ基含有エポキシ樹脂は中和剤を含む水性媒体中に分散される必要がある。従って、これらは水溶性であってはならない。アミン変性エポキシ樹脂を調製するために用いるエポキシ樹脂の分子量およびエポキシ樹脂に導入するアミノ基の量等は、電着塗料用バインダーとして、良好な分散性を有するように適宜調節することができる。
【0015】
アミノ基含有エポキシ樹脂を調製するために用いる典型的なエポキシ樹脂は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多環式フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物である、ポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂である。
【0016】
エポキシ樹脂は、アミンと反応させる前に、2官能のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ビスフェノール類、2塩性カルボン酸等を使用して鎖延長してよい。または、アミンと反応させる前に、一部のエポキシ基に2−エチルヘキサン酸、2−エチルへキサノール、ノニルフェノール、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルのようなモノカルボン酸またはモノヒドロキシ化合物を付加して、分子量またはアミン当量を調節し、熱フロー性を改善してもよい。
【0017】
エポキシ樹脂と反応させるアミンは、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸塩などの1級、2級または3級アミン酸塩である。アミノエチルエタノールアミンメチルイソブチルケチミンのようなケチミンブロック1級アミノ基含有2級アミンもしばしば使用される。アミンは、エポキシ基に対してほぼ当量で反応させることが好ましい。
【0018】
アミノ基含有エポキシ樹脂はバインダー成分中5〜35重量%、好ましくは13〜27重量%を占める量で電着塗料組成物に含有される。アミノ基含有エポキシ樹脂の含有量が35重量%を上回ると得られる塗膜の耐候性が低下し、5重量%を下回ると防食性が低下する。
【0019】
アミノ基含有アクリル樹脂
アミノ基含有アクリル樹脂は、(i)アミノ基含有アクリルモノマー、(ii)水酸基含有アクリルモノマー、および(iii)その他のエチレン性不飽和モノマーの共重合によって得られる。さらにアミノ基含有アクリルモノマーの代わりにエポキシ基含有アクリルモノマーを水酸基含有アクリルモノマーおよびその他のエチレン性不飽和モノマーと共重合し、得られた共重合体のエポキシ基をアミンで開環することにより得ることもできる。
【0020】
アミノ基含有アクリルモノマー(i)の例は、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等である。
【0021】
水酸基含有アクリルモノマー(ii)の例は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のようなアルキレンジオールのモノ(メタ)アクリレート類が好ましい。
【0022】
また、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブロピル(メタ)アクリルアミド等のような(メタ)アクリルアミド類も好ましく、さらにヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンとの反応生成物またはヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートと六員環カーボネートとの反応生成物も水酸基含有アクリルモノマー(ii)として好適に使用できる。
【0023】
その他のエチレン性不飽和モノマー(iii)の例は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソブロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニルなどである。
【0024】
アミノ基含有アクリル樹脂を調製するための別法として、水酸基を有するアクリルモノマーおよびその他のエチレン性不飽和モノマーと、グリシジル(メタ)アクリレートのようなエポキシ基を有するモノマーとを共重合させた後、エポキシ基に2級アミンを反応させてもよい。エポキシ基との反応に使用し得る2級アミンは、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モルホリン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン等であり、特に分子内にヒドロキシル基と2級アミノ基とを有するアミンが好ましい。また、ジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンジケチミン化物や2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールのメチルイソブチルケトンモノケチミン化物等も使用できる。
【0025】
重合は溶液重合法のような常法により行うことができる。共重合体の数平均分子量は1000〜50000、好ましくは2000〜20000の範囲であり、場合によりドデシルメルカプタンやチオグリコ−ル酸2−エチルヘキシルのような連鎖移動剤を使用して重合度を調節する。
【0026】
アミノ基含有アクリル重合体へハーフブロックジイソシアネートをウレタン結合により付加し、自己架橋性を持たせてもよい。その場合ジイソシアネートは、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)のような脂環式ジイソシアネートを使用するのが好ましい。
【0027】
ジイソシアネートの一方のイソシアネート基をブロックしてハーフブロックジイソシアネートとするために、公知のブロック剤を用いうる。ブロック剤の例は、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコ一ルモノブチルエーテル、シクロヘキサノール等のアルコール類;フェノール、ニトロフェノール、クレゾール、ノニルフェノール等のフェノール類;ジメチルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム等のオキシム類、ε−カプロラクタム等のラクタム類などを使用することができる。
【0028】
アミノ基含有アクリル樹脂は、アミノ基含有エポキシ樹脂よりそのSP値が低い方が好ましい。具体的には、アミノ基含有アクリル樹脂のSP値はアミノ基含有エポキシ樹脂のSP値よりも少なくとも0.5、好ましくは0.5〜2.0程度低いことが好ましい。
【0029】
このように、アミノ基含有エポキシ樹脂と、アミノ基含有エポキシ樹脂よりSP値が低いアミノ基含有アクリル樹脂とを併用すれば、本発明の電着塗料組成物は、電着後焼付け時にアミノ基含有エポキシ樹脂が金属基材側に移行して防食性の層を形成し、アミノ基含有アクリル樹脂が塗膜表面側に移行して耐候性の層を形成すると考えられ、その結果、その上に上塗塗装しなくても、防食性および耐候性が更に優れた硬化塗膜を与えることになる。
【0030】
一般に、共重合体のSP値は、構成モノマーのホモポリマーのSP値と、モノマー混合物中の各構成モノマーの重量分率に基づいて計算によって推定することができるので、アミノ基含有エポキシ樹脂のSP値を周知の方法によって実測によって知れば、所望のSP値を有するアミノ基含有アクリル共重合体を設計することが可能である。
【0031】
例えば、SP値は次の方法によって実測することができる[参考文献:SUH、CLARKE、J.P.S.A−1、5、1671〜1681(1967)]。
【0032】
【表1】
Figure 0004263302
【0033】
樹脂のSP値δは次式によって与えられる。
【0034】
【表2】
δ=(Vml 1/2δml+Vmh 1/2δmh)/(Vml 1/2+Vmh 1/2
m=V12/(φ12+φ21
δm=φ1δ1+φ2δ2
i:溶媒の分子容(ml/mol)
φi:濁点における各溶媒の体積分率
δi:溶媒のSP値
ml:低SP貧溶媒混合系
mh:高SP貧溶媒混合系
【0035】
アミノ基含有アクリル樹脂は10〜150meq/gのアミン価を有することが好ましい。また、50〜120mgKOH/gの水酸基価を有することが好ましい。アミン価および水酸基価がこのような範囲となるようにモノマー組成を構成することは当業者に周知の方法で行うことができる。
【0036】
アミノ基含有アクリル樹脂はバインダー成分中30〜65重量%、好ましくは41〜55重量%を占める量で電着塗料組成物に含有される。アミノ基含有アクリル樹脂の含有量が30重量%を下回ると得られる塗膜の耐候性が低下し、65重量%を上回ると防食性が低下する。
【0037】
脂肪族ブロックポリイソシアネート
硬化剤塗料分野においてバインダー樹脂の硬化剤としてブロックポリイソシアネートを使用することは周知である。本発明では脂肪族ブロックポリイソシアネートを用いることが好ましい。中でも、IPDI、水添MDI、NBDI(ノルボルナンジイソシアネート)、それらの二量体および三量体、およびトリメチロールプロパンなどの脂肪族多価アルコールとの付加物など、脂環式ポリイソシアネートがより好ましい。これらで得られる塗膜は、耐食性および非黄変性に優れるからである。
【0038】
ブロック剤も先にハーフブロックジイソシアネートに関して述べた任意のブロック剤でよいが、低温硬化(160℃)を望む場合はラクタム類およびオキシム類を使用するのがよい。
【0039】
脂肪族ブロックポリイソシアネートはバインダー成分中20〜30重量%を占める量で電着塗料組成物に含有される。脂肪族ブロックポリイソシアネートの含有量が20重量%を下回ると得られる塗膜の防食性が低下し、30重量%を上回ると耐候性が低下する。
【0040】
第2アクリル樹脂
本発明の電着塗料組成物には、バインダー成分中に更にアクリル樹脂を含有させることが好ましい。このアクリル樹脂は、必ずしもアミノ基を持たなくても良いこと、およびSP値が上記アミノ基含有アクリル樹脂よりも低いことを除き、上記アミノ基含有アクリル樹脂と同じ特性を有する共重合体でよい(以下「第2アクリル樹脂」という。)。具体的には、第2アクリル樹脂のSP値はアミノ基含有アクリル樹脂のSP値よりも少なくとも0.5、好ましくは0.5〜2.0程度低いことが好ましい。
【0041】
このように、アミノ基含有エポキシ樹脂と、アミノ基含有エポキシ樹脂よりSP値が低いアミノ基含有アクリル樹脂と、アミノ基含有アクリル樹脂よりSP値が低い第2アクリル樹脂とを併用すれば、本発明の電着塗料組成物は、電着後焼付け時にアミノ基含有エポキシ樹脂が金属基材側に移行して防食性の層を形成し、その上にアミノ基含有アクリル樹脂が密着性に優れた中間層を形成し、第2アクリル樹脂が塗膜表面側に移行して耐候性の層を形成すると思われる。
【0042】
また、かかる本発明の電着塗料組成物では、アミノ基含有エポキシ樹脂と、第2アクリル樹脂との中間のSP値を有するアミノ基含有アクリル樹脂が存在するため、塗料組成物全体の分散安定性は、相対的に差が小さいアミノ基含有アクリル樹脂と第2アクリル樹脂との間のSP値差に主して依存し、相対的に差が大きいアミノ基含有エポキシ樹脂と第2アクリル樹脂との間のSP値差に直接依存しない。その結果、分散安定性に悪影響することなく耐候性を実現するのに十分な量の第2アクリル樹脂をブレンドすることができるようになる。
【0043】
さらに最も低いSP値を有する第2アクリル樹脂の濃度勾配は塗膜表面近くで最も高くなると考えられ、それによって耐候性向上に寄与すると同時に、ハジキやへこみ等の外観異常を抑制する効果も発揮する。その結果、本発明の電着塗料組成物では、その上に上塗塗装しなくても、防食性および耐候性が更に優れた硬化塗膜を与えることになる。
【0044】
第2アクリル樹脂の調製は、一般には、水酸基含有アクリルモノマーと、それ以外のエチレン性不飽和モノマーを必須モノマーとし、アミノ基を含有する場合はアミノ基含有アクリルモノマーを共重合するか、またはエポキシ基含有アクリルモノマーを共重合後アミンと反応させることによってアミノ基を導入する。
【0045】
しかしながら第2アクリル樹脂はアミノ基含有アクリル樹脂成分より低いSP値を持たなければならないので、モノマー組成として、t−ブチル(メタ)アクリレート、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等、ホモポリマーのSP値が低いモノマーを相対的に多くするか、または反対に高SPモノマーの割合を減らして所望SP値範囲に設計する必要がある。
【0046】
第2アクリル樹脂は、アミノ基含有アクリル樹脂と同様ハーフブロックジイソシアネートを付加して使用することもできる。
【0047】
第2アクリル樹脂は塗膜の表面付近においてその濃度勾配が最大になることが意図されるので、ハジキ、へこみなどの外観異常が発生し難いことが望ましい。そのため、重合時使用する他のエチレン性不飽和モノマーの一部として、エーテル部分を有するアクリルモノマーを使用するのが有効である。
【0048】
そのようなアクリルモノマーの例は、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、ナトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブロポキシエチル(メタ)アクリレート、4−2−エチルヘキシルオキシ)ブチル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート等である。
【0049】
第2アクリル樹脂を更に含有する本発明の好ましい態様では、黒色電着塗料組成物のバインダー成分は、固形分合計100重量%中、(a)アミノ基含有エポキシ樹脂5〜35重量%、好ましくは13〜27重量%;(b)該アミノ基含有エポキシ樹脂よりもSP値が0.5以上低いアミノ基含有アクリル樹脂20〜64重量%、好ましくは24〜55重量%;(c)脂肪族ブロックポリイソシアネート20〜30重量%、好ましくは24〜27重量%;および(d)該アミノ基含有アクリル樹脂よりもSP値が低い第2アクリル樹脂1〜10重量%、好ましくは5〜10重量%;で構成される(成分(a)〜(d)の合計は100重量%である。)。
【0050】
バインダー成分中、第2アクリル樹脂の量が1重量%を下回ると得られる塗膜の耐候性が低下し、塗膜にハジキやヘコミが発生し易くなり、10重量%を上回ると塗膜の防食性が低下する。
【0051】
顔料
本発明の黒色電着塗料組成物には、種々の黒色顔料を含有させることができる。黒色顔料の例は、カーボンブラック、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、銅鉄マンガンブラック等である。
【0052】
好ましい黒色顔料はカーボンブラックである。隠蔽力および着色力に優れるからである。粒子径15nm以下、特に13nm以下のカーボンブラックが好ましい。用いるカーボンブラックの粒子径が15nmを上回ると得られる塗膜の隠蔽性及び黒色度が低下する。
【0053】
黒色顔料としてカーボンブラックを用いる場合、その使用量は、塗料PVCとして1〜7%、特に2.5〜5.5%であることが好ましい。カーボンブラックの使用量がPVC1%を下回ると得られる塗膜の隠蔽性および黒色度が低下し、PVC7%を上回ると得られる塗膜の耐候性が低下する。尚、PVCとは、塗膜中の顔料体積率のことをいう。
【0054】
中和剤
ここで使用する中和剤は、塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、ヒドロキシ酢酸、スルファミン酸、乳酸のような無機酸または有機酸である。中和剤の量は、少なくとも20%、好ましくは30〜60%の中和率を達成する量であればよい。
【0055】
水性媒体
水性媒体としては、水並びに種々の有機溶剤であってよい。本発明での使用に適した溶剤の例としては、炭化水素類(例えば、キシレンまたはトルエン)、アルコール類(例えば、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール)、エーテル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ケトン類(例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン)、エステル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)、並びにそれらの混合物が挙げられる。これらの溶剤の使用量は塗料全体に対して約0.01〜25重量%、好ましくは0.05〜15重量%である。
【0056】
顔料分散ペースト
電着塗料組成物のような、水性媒体中に分散されたバインダー成分と顔料成分とを含む水性塗料組成物を製造する場合、粉体である顔料と水性媒体中に分散されたバインダー成分とを直接混合すると、顔料は一般に疎水性であるため水性媒体中に均一に分散しない。従って、通常は、顔料を水性媒体中に高濃度で均一に分散させて顔料分散ペーストを調製し、これを水性媒体中に分散されたバインダー成分を用いて希釈することにより水性塗料組成物とする。
【0057】
本発明の電着塗料組成物においても、水性媒体中に分散されたバインダー成分と顔料成分とを混合するために、予め顔料分散ペーストを調製する。顔料分散ペーストは、顔料と顔料分散剤と水性媒体とを含有する。
【0058】
顔料と顔料分散剤と水性媒体とを混合することにより、顔料分散ペーストが調製される。一般に、顔料分散ペーストは固形分35〜70重量%、好ましくは40〜65重量%に調製される。固形分中、顔料は35〜75重量%、好ましくは40〜70重量%を占め、顔料分散剤は25〜65重量%、好ましくは30〜60重量%を占める。
【0059】
電着塗料組成物
一般に電着塗料組成物は、最初バインダー成分を中和剤を含む水性媒体中に分散してメインエマルションをつくり、これへ顔料分散ペーストを添加し、混合して調製される。本発明においてはバインダー樹脂としてアミノ基含有エポキシ樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂、および必要に応じて第2アクリル樹脂を使用するのでこれらのブレンド方法はいく通りかが存在する。具体的には、特願平9−114242号第0036〜0037段落に記載の方法によりメインエマルションを調製することが好ましい。
【0060】
添加する顔料分散ペーストの量は、塗料全体に含まれる顔料の量に依存して適宜調節することができる。一般には、メインエマルションに含まれるバインダー成分100重量部に対して顔料成分が2〜13重量部、好ましくは3〜6重量部となる量で添加される。
【0061】
電着塗料組成物は、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジブチルスズオキサイドのようなスズ化合物や、通常のウレタン開裂触媒を含むことができる。その量は脂肪族ブロックポリイソシアネートの0.1〜10重量%が通常である。
【0062】
電着塗料は、水混和性有機溶剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの常用の塗料用添加剤を含むことができる。
【0063】
本発明の電着塗料組成物は、鉛系防錆顔料を実質上含有しない。「鉛系防錆顔料を実質上含有しない」とは、鉛系顔料を全く使用しないか、または使用しても希釈塗料(電着浴へ加える際のカチオン電着塗料組成物の状態)における鉛イオン濃度が500ppm以下、好ましくは200ppm以下となるような量であることをいう。鉛イオン濃度が高いと環境に有害であるばかりでなく、平滑性が低下し得る。
【0064】
本発明の電着塗料組成物で得られる塗膜は耐食性に優れ、塗装面として十分な美感性および耐候性を有する。従って、本発明の電着塗料組成物は、中塗工程および上塗工程を省略して下塗り工程のみで金属基材の塗装を完了させる1コート塗装方法に用いることができる。具体的には、
電着塗装方法により金属基材の被塗面に本発明の電着塗料組成物の塗膜を形成する工程;及び
電着塗料組成物の塗膜を焼付け硬化させる工程;
を包含する方法で金属基材の塗装を行うことができる。
【0065】
【実施例】
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「%」及び「部」は特に断らない限り重量基準である。
【0066】
製造例1〜3
製造例1〜3では顔料分散ペーストの調製について説明する。
【0067】
製造例1
撹拌機、冷却機、窒素注入管、温度計および滴下ロートを取り付けたフラスコを用意した。このフラスコにイソホロンジイソシアネート222.0部を加え、メチルイソブチルケトン39.1部で希釈した後にジブチルスズジラウレート0.2部を加えた。50℃に昇温後、2−エチルヘキサノール131.5部を窒素をバブリングしながら撹拌しているところに滴下ロートから2時間かけて滴下した。適宜冷却することにより、この間の反応温度を50℃に維持した。その結果、2−エチルヘキサノールハーフブロック化イソホロンジイソシアネートを得た(固形分90%)。
【0068】
撹拌機、窒素注入管、冷却管を備えた反応容器にエポン828(シェル化学社製エポキシ樹脂、エポキシ当量:190)351.6部およびビスフェノールA99.2部を仕込み、窒素雰囲気下130℃まで加熱し、ベンジルジメチルアミン1.41部を添加し、170℃で約1時間反応させることにより、エポキシ当量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂を得た。
【0069】
次いで、反応溶液を140℃まで冷却した後、上で調製した2−エチルヘキサノールハーフブロック化イソホロンジイソシアネート218.3部(固形分量196.5部)を加え、140℃に1時間保った。ここにジプロピレングリコールモノブチルエーテル172.3部を加えて希釈し、反応溶液を100℃に冷却し、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノール(三洋化成社製「SHP−100」)408.0部(固形分量136.0部)、ジメチロールプロピオン酸134.0部および脱イオン水144.0部を加え、70〜75℃で酸価3.0以下になるまで反応させた。
【0070】
3級スルホニウム化率70.6%の3級オニウム基含有エポキシ樹脂を得た。これをジプロピレングリコールモノブチルエーテル324.8部およびイオン交換水1204.8部で希釈し、エポキシ系3級オニウム塩型顔料分散用樹脂を得た(樹脂固形分30%)。
【0071】
得られたエポキシ系3級オニウム塩型顔料分散樹脂(固形分30%)83部、カーボンブラック(三菱化成社製「M−2600」、平均粒径13nm)17部を混合し、サンドグラインドミルで粒度10μm以下まで粉砕して顔料分散ペースト(固形分42%)を調製した。
【0072】
製造例2
製造例1で得たエポキシ系3級オニウム塩型顔料分散樹脂(固形分30%)83部、カーボンブラック(コロンビアカーボン社製「ラーベン410」、平均粒径70nm)17部を混合し、サンドグラインドミルで粒度10μm以下まで粉砕して顔料分散ペースト(固形分42%)を調製した。
【0073】
製造例3
製造例1で得たエポキシ系3級オニウム塩型顔料分散樹脂(固形分30%)83部、カーボンブラック(三菱化成社製「MA−100」、平均粒径22nm)17部を混合し、サンドグラインドミルで粒度10μm以下まで粉砕して顔料分散ペースト(固形分42%)を調製した。
【0074】
製造例4
アミノ基含有エポキシ樹脂(a)の調製
撹拌装置、窒素導入管、冷却管および温度計を備えた反応容器にエポキシ当量が950のビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製エポトートYD−014)950部を入れ、メチルイソブチルケトン237.5部と共に100℃に加熱し完全に溶解させた。次いで、N−メチルエタノールアミン60部、ジエチレントリアミンのメチルイソブチルケチミン73%メチルイソブチルケトン溶液73部を添加した。
【0075】
この混合物を120℃で1時間保温し、SP値11.4のアミノ基含有エポキシ樹脂の溶液を得た。
【0076】
製造例5
脂肪族ブロックポリイソシアネート(c)の調製
撹拌装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器にイソホロンジイソシアネート222部を入れ、メチルイソブチルケトン56部を加えて希釈した後ジブチル錫ジラウレート0.2部を加えた。その後、50℃に昇温し、メチルエチルケトオキシム174部を樹脂温度が70℃を超えないように加えた。赤外線吸収スペクトルによりイソシアネート基の吸収が実質上消滅するまで70℃で1時間保持し、その後、n−ブタノール43部を加えて希釈して脂肪族ブロックポリイソシアネートの溶液を得た。
【0077】
製造例6
第2アクリル樹脂(d)の調製
撹拌機、温度計、デカンター、環流冷却器、窒素導入管及び滴下ロートを備えた反応容器にメチルイソブチルケトン1550部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ120℃に昇温し、メタクリル酸メチル627部、メタクリル酸ラウリル191部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル182部、アクリル酸−2−メトキシエチル300部、メタクリル酸ブチル200部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート50部の混合物を3時間かけて等速滴下した。滴下終了後3時間さらに120℃で反応後冷却し、SP値9.7の第2アクリル樹脂の溶液を得た。
【0078】
製造例7
アミノ基含有エポキシ樹脂(a)と脂肪族ブロックポリイソシアネート(c)とを含むエマルションの調製
製造例4で得たアミノ基含有エポキシ樹脂の溶液120.4部、及び製造例5で得た脂肪族ブロックポリイソシアネートの溶液56.2部を加えて混合した後、窒素雰囲気下60℃で30分間保持し、酢酸2.0部を加え、十分撹拌しながらイオン交換水215.6部を徐々に加え、アミノ基含有エポキシ樹脂と脂肪族ブロックポリイソシアネートとを含むエマルションを得た。エマルションの固形分は36%であった。
【0079】
製造例8
アミノ基含有アクリル樹脂(b)と脂肪族ブロックポリイソシアネート(c)と第2アクリル樹脂(d)とを含むエマルションの調製
環流冷却器、撹拌機、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた5つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン56.3部を仕込み、窒素雰囲気下115℃に加熱保持した。これへ、グリシジルメタクリレート16.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.2部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート14.8部、n−ブチルメタクリレート58.1部、t−ブチルメタクリレート6.9部、およびt−ブチルパーオクトエート4.0部の混合物を滴下ロートから3時間かけて滴下した。滴下終了後115℃に約1時間保持した後、t−ブチルパーオクトエート0.5部を滴下し、115℃で約30分保持し、固形分65%のアクリル樹脂の溶液を得た。数平均分子量(Mn)は6000であった。
【0080】
冷却後これへN−メチルエタノールアミン8.5部を加え、窒素雰囲気下120℃で2時間反応させ、樹脂SP10.3および固形分約67%のアミノ基含有アクリル樹脂の溶液を得た。
【0081】
この溶液に製造例5で得た脂肪族ブロックポリイソシアネート44.6部、製造例6で得た第2アクリル樹脂の溶液33.6部及び酢酸2.6部を加え、窒素雰囲気下で70℃で30分保持し、十分撹拌しながらイオン交換水301.2部を徐々に加え、アミノ基含有アクリル樹脂を含むエマルションを得た。エマルションの固形分は30%であった。
【0082】
実施例1〜5及び比較例1〜6
黒色電着塗料組成物の調製
表3に示す塗料成分の配合量に従って、製造例1〜3で得られた顔料分散ペーストと製造例7および8で得られたエマルションとを混合し、得られた混合物にイオン交換水を加えて固形分を20%とし、電着塗料組成物を得た。
【0083】
【表3】
Figure 0004263302
【0084】
これらの電着塗料組成物を用いてリン酸亜鉛処理鋼板(0.8×70×150mm)に対して電着塗装を施し、170℃(被膜物)で20分間焼付を行った。焼き付け後の膜厚は20μmとなるようにした。
【0085】
得られた電着塗膜の外観及び性能を以下の様にして評価した。結果を表4及び5に示す。
【0086】
塗膜の外観
(1)色相
スガ試験機社製SM−4型カラーコンピューターにて、黒色標準板(現行上塗板)と比較して、硬化塗膜の色差(黒色度の差)ΔLを測定した。
評価基準
良好:ΔL≦3
不良:ΔL>3
【0087】
(2)平滑性(Ra)
表面粗さ測定機(ミツトヨ社製「Surftest211」)を用いて硬化塗膜のRa(μm)を測定した。
評価基準
良好:Ra≦0.3
不良:Ra>0.3
【0088】
(3)へこみ
電着塗板(厚み0.7mm)面積70×150mm当たりのあわ粒からあずき粒大のへこみの発生個数を数えた。
評価基準
良好:0
不良:1≦
【0089】
塗膜の性能
(1)耐候性
電着塗装した亜鉛処理鋼板をサンシャインウェザオメーター(JIS B 7753(サンシャインカーボンアーク燈式耐候性試験機)に規定されるもの)に取り付け、400時間照射した。その後、電着塗膜表面の60°グロスを測定し、初期60°グロスに対するグロス保持率を求めた。
評価基準
良好:グロス保持率≧80%
不良:グロス保持率<80%
【0090】
(2)耐塩水噴霧性
電着塗装した亜鉛処理鋼板の塗膜に小型カッター(例えば、NTカッター)を用いて、交差する対角線状に、素地に達するクロスカットを入れた。JIS Z2371に規定する塩水噴霧試験器に規定時間入れ、クロスカット部のさび(ふくれ)幅を測定した。
評価基準
良好:カット線からの最大さび(ふくれ)幅(片側)≦2mm
不良:カット線からの最大さび(ふくれ)幅(片側)>2mm
【0091】
【表4】
Figure 0004263302
【0092】
【表5】
Figure 0004263302
【0093】
【発明の効果】
従来と同様に耐食性を保持していながら、その上に上塗塗装しなくても、塗装面として十分な美感性および耐候性を有する下塗塗膜を形成できる、黒色電着塗料組成物が提供された。

Claims (7)

  1. 中和剤を含む水性媒体中に分散されたバインダー成分と顔料分散ペーストとを含有する黒色電着塗料組成物であって、
    該バインダー成分が、
    a)アミノ基含有エポキシ樹脂5〜35重量%;
    b)アミノ基含有アクリル樹脂30〜65重量%;および
    c)脂肪族ブロックポリイソシアネート20〜30重量%;
    で構成され(成分(a)〜(c)の合計は100重量%である。)、
    該顔料分散ペーストが、カーボンブラックと顔料分散剤と水性媒体とを混合することによって調製され、顔料分散剤がエポキシ系3級オニウム塩型顔料分散樹脂であり、カーボンブラックが粒子径15nm以下のカーボンブラックであり、その量は顔料分散ペーストの固形分中35〜75重量%、かつ塗料PVCとして1〜7%である黒色電着塗料組成物。
  2. 前記アミノ基含有アクリル樹脂がアミノ基含有エポキシ樹脂よりも0.5以上低いSP値を有するものである請求項1記載の電着塗料組成物。
  3. 前記バインダー成分が、
    a)アミノ基含有エポキシ樹脂5〜35重量%;
    b)該アミノ基含有エポキシ樹脂よりもSP値が0.5以上低いアミノ基含有アクリル樹脂20〜64重量%;
    c)脂肪族ブロックポリイソシアネート20〜30重量%;および
    d)該アミノ基含有アクリル樹脂よりもSP値が0.5以上低い第2アクリル樹脂1〜10重量%;
    で構成される(成分(a)〜(d)の合計は100重量%である。)請求項1記載の黒色電着塗料組成物。
  4. 前記エポキシ系3級オニウム塩型顔料分散樹脂が3級スルホニウム化したものであることを特徴とする請求項1記載の黒色電着塗料組成物。
  5. 前記エポキシ系3級オニウム塩型顔料分散樹脂がビスフェノールフルA型エポキシ樹脂から製造されることを特徴とする請求項1記載の黒色電着塗料組成物。
  6. 電着塗装方法により金属基材の被塗面に請求項1〜3のいずれか記載の電着塗料組成物の塗膜を形成する工程;及び
    電着塗料組成物の塗膜を焼付け硬化させる工程;
    を包含する、金属基材の塗装方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか記載の黒色電着塗料組成物を包含する1コート塗装方法用黒色電着塗料組成物。
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