JP4037643B2 - モータ駆動装置及びモータ回転子位置検出方法 - Google Patents

モータ駆動装置及びモータ回転子位置検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ特に永久磁石回転子を有する同期モータの駆動装置、及び、その駆動制御において使用されるモータの回転子位置の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
単相交流電源を用いて冷凍空調機器の圧縮機などを可変速駆動する駆動制御においては、モータの回転子の位置を検知し、その回転子位置に応じて、通電相を切替える。
【0003】
回転子位置は通常、位置センサを用いて検出されるが、従来より、回転子位置センサを用いずにモータの可変速駆動方法がある。例えば、モータの三相の電気端子に対して、そのうちの2つの相に一定の電圧を印加し、残りの非通電相での電圧から誘起電圧を観測して回転位相を割り出して、通電する相をサイクリックに切り替えていく方法がある。
【0004】
また、駆動のための基本電源として商用の単相交流電源を用い、交流を整流、平滑し、ほぼ直流の状態にしてから、半導体によるスイッチングデバイスを用いてパルス幅変調により、疑似交流化せしめてモータを駆動する方法がある。また、モータをさらに高効率で駆動する方法として、正弦波電流で駆動する方法もある。
【0005】
図15は、一般的な正弦波駆動によるモータ駆動を行なう駆動装置の回路構成を示した図である。正弦波駆動では、モータに常に電流が流れているため、非通電の端子電圧から誘起電圧情報を得る方法が使えないため、モータの相電流を電流センサ5u、5v、5wで検出し、さらに、平滑コンデンサ16の端子電圧を検出して、パルス幅変調値を用いてモータの印加電圧を計算し、モータパラメータから、モータの誘起電圧情報を割り出して、回転位相情報を算出する。なお、電流センサは3つの電流値の合計は常に0であるので、1つを省略し、2つで実現してもよい。
【0006】
また、別の方法として、モータ巻線の各相のインダクタンスが回転位相により変化するという特性を利用して、回転位相検出を行う方法もある。図16はモータのインダクタンス特性と誘起電圧特性を示した図である。同図に示すように、モータのインダクタンスは、誘起電圧の1周期中に2回変化するという特性を有する。このような特性を利用した位置検出方法として、例えば、竹下等による「センサレス突極形ブラシレスDCモータの始動法と安定性」(電気学会研究会 SPC−95−95)に開示された方法がある。この方法では、位置検出を行なうために別途パルス電圧をモータに印加し、そのときの電流値からインダクタンス値を調べている。
【0007】
さらに、小笠原等による「突極性に基づく位置推定法を用いた位置センサレスIPMモータ駆動システム」(電気学会産業応用部門論文誌, 118巻 5号, 1998)に開示された方法では、インダクタンス値を得るための電流値を確実に求められるようにするため、各相の電圧の変化エッジが確実に検出できるように一キャリア周期におけるPWMパルスの波形を工夫している。すなわち、図17に示すように、インバータを駆動するためのPWMパルスを、一キャリア周期において、PWMパルスの立上りエッジ、立下りエッジがそれぞれ2回ずつ現れるように変形するように工夫している。このような波形のPWMパルスを用いてインバータを駆動することにより、モータ巻線の各相の電圧のエッジの変化が確実に検出でき、その電圧の変化エッジに対応した電流を調べることで、別途にパルス電圧を重畳することなく位置検出を可能としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図17に示すPWMパターンを用いた位置検出方法では、通常のPWM変調に比べて、1キャリア周期当りのエッジ数が2倍になっている。このため、三相PWMインバータ回路4に対して、スイッチング損失が増加し、高速応答を必要とするようになる。したがって、大きな進角になる場合でも、安定して、かつ余分な騒音も発生せずに効率よくかつ高速で位置検出できる方法が、アルゴリズムおよびそれを実現する回路についても必要となる。
【0009】
また、一般的に図15に示すモータ駆動装置において電圧脈動低減のため容量の大きな平滑コンデンサ16が設けられているが、大容量の平滑コンデンサ16は装置の大型化を招くという弊害がある。平滑コンデンサ16の容量を小さくすると小型化は計れるが、瞬停等による電源電圧の変動があり、直流電圧Vdcが0V付近まで低下し、モータの端子電圧よりも低くなると、モータにブレーキがかかるので、磁束を弱める電流を流す必要がある。磁束を弱める電流を大きくすると、誘起電圧に対してトルクを発生させる電流を進める、いわゆる進角制御が必要になるが、図15で示した誘起電圧を用いる回転位置検出方法では、誘起電圧の位置ずれに対する変化が少ないところを利用するため、回転位相を割り出すことが困難となる。
【0010】
本発明は上記の課題を解決するものであり、モータの可変速駆動に用いられる回転子位置情報を回転位置センサを用いずに精度よく検出可能なモータ駆動装置及びモータ回転子位置検出方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1のモータ駆動装置は、単相交流電圧を整流する整流手段と、整流後の直流電圧をスイッチング素子を用いてパルス幅変調(PWM)を行なうことにより任意の周波数と電圧の疑似三相交流電圧に変換するインバータ手段とを備え、疑似三相交流電圧によりモータを駆動するモータ駆動装置である。そのモータ駆動装置は、所定の演算によりモータ巻線各相へ出力すべき出力電圧値を求める手段と、デューティ値と該デューティ値に対し出力すべきPWM出力パターンとを関連付けたテーブルであって、各相間においてパルスの立ち上り及び立下りエッジが重複せず、かつ、一PWMキャリア周期において一つのパルスのみが含まれるように決定されたPWM出力パターンを複数含むテーブルと、出力電圧値をパルス幅変調におけるデューティ値に変換し、その得られたデューティ値をPWMキャリア周期の1/6の整数倍の期間の分解能で量子化し、量子化されたデューティ値に基いて前記テーブルを参照してPWM出力パターンを選択し、PWM出力パターンから出力すべきPWMパルス信号のデューティ値及び位相を決定し、決定されたデューティ値に量子化の際に切り捨てられた分を加算して、インバータ手段のスイッチング素子を駆動するための正規のPWMパルス信号のデューティ値及び位相を決定するパルス変調手段と、モータ巻線の各相の電流変化を検出し、その単位時間かつ単位電圧変化当りの電流変化量である電流変化率δI'u、δI'v、δI'wに基いて所定の計算式を用いて現在の回転位相θ^を算出する位置検出手段とを有する。
これにより、任意の位相で、位置センサなしで、1キャリア周期以内で位置検出が可能になる。
【0012】
また、現在の回転位相θ^は、下記の式により電流変化率δI'u、δI'v、δI'wに基いて算出することができる。
【数3】
Figure 0004037643
【0013】
また、モータ始動前に、モータの特定の2つの相間に一定電流を通電することにより、モータを位置決めし、そのときの位相を回転子位相の初期値に定めてもよい。これにより、回転子に含まれる永久磁石のN極とS極を判別することができ、以降の位置検出を的確に行うことが可能になる。
【0014】
上記のパルス変調手段は、所定のクロックに同期して計数するカウンタと、PWMパルス発生時におけるインバータ手段の各スイッチング素子に対する出力電圧の値を決定するための設定値を記憶する初期値レジスタと、初期値レジスタに対してキャリア周期毎に転送するデータを格納する初期値バッファレジスタと、各スイッチング素子に対する出力電圧の値をLowからHighに立ち上げるカウンタ値を記憶する第1のレジスタと、第1のレジスタに対してキャリア周期毎に転送するデータを格納する第1のバッファレジスタと、各スイッチング素子に対する出力電圧の値をHighからLowに立ち下げるカウンタ値を記憶する第2のレジスタと、第2のレジスタに対してキャリア周期毎に転送するデータを格納する第2のバッファレジスタと、各スイッチング素子に対する出力電圧の値が変化したタイミングにおけるモータ巻線の電流値を記憶する手段とを備えてもよい。これにより、モータのそれぞれの相へのPWMパルスを独立に設定することが簡単に実現できる。クロックはキャリア周期毎に初期化されてもよい。
【0016】
本発明に係る第1の位置検出方法は、単相交流電圧を整流し、整流後の直流電圧をスイッチング素子を用いてパルス幅変調(PWM)を行なうことにより任意の周波数と電圧の疑似三相交流電圧に変換し、該疑似三相交流電圧を用いてモータを駆動するモータ駆動制御においてモータの回転子位置を検出する検出方法である。その方法は、所定の演算によりモータ巻線各相へ出力すべき出力電圧値を求め、出力電圧値をパルス幅変調におけるデューティ値に変換し、得られたデューティ値をPWMキャリア周期の1/6の整数倍の期間の分解能で量子化し、デューティ値と該デューティ値に対し出力すべきPWM出力パターンとを関連付けたテーブルであって、各相間においてパルスの立ち上り及び立下りエッジが重複せず、かつ、一PWMキャリア周期において一つのパルスのみが含まれるように決定されたPWM出力パターンを複数含むテーブルを参照し、前記量子化されたデューティ値に基いてPWM出力パターンを選択し、そのPWM出力パターンから出力すべきPWMパルス信号のデューティ値及び位相を決定し、決定されたデューティ値に量子化の際に切り捨てられた分を加算して、正規のPWMパルス信号のデューティ値及び位相を決定し、その決定した正規のPWMパルス信号を用いて、スイッチング素子を駆動し、モータ巻線の各相の電流変化を検出し、その単位時間かつ単位電圧変化当りの電流変化量である電流変化率δI'u、δI'v、δI'wに基いて所定の計算式を用いて現在の回転位相θ^を算出する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明に係るモータ駆動装置及び方法を開示する。なお、以下の説明では、モータ電流制御においてd軸、q軸とからなる回転座標軸を用いており、q軸とは永久磁石によるトルクを発生できる電流の回転座標軸であり、それに対して90°進んだ回転座標軸がd軸である。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明に係るモータ駆動装置の全体構成を示すブロック図である。
モータ駆動装置は単相交流電源1から入力した電圧を三相交流電圧に変換してモータ2を可変速駆動する。モータ駆動装置はダイオードブリッジで構成される整流回路3と、力率改善のためのチョークコイル18と、小型(小容量)の平滑コンデンサ16と、複数のスイッチング素子からなる三相PWMインバータ回路4と、三相PWMインバータ回路4のスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する制御回路7とからなる。さらに、モータ駆動装置は、モータ2の各相巻線の電流を検出する電流センサ5u、5v、5wを有する。なお、チョークコイル18は、本発明では、平滑コンデンサ容量が小さくできるので、コンデンサ容量が大きい従来の場合に比して、電源力率に対する要求がさほど高くない場合には省略することが可能である。
【0020】
同駆動装置において、電力は、単相交流電源1から入力され、整流回路3を経て、後段のPWMパルスの影響を除去する小型の平滑コンデンサ16を経由し、三相PWMインバータ回路4を経てモータ2へと送られる。制御回路7は、電流センサ5u、5v、5wにより検出されたモータ2の巻線の三相の相電流を参照しながら、かつ、平滑コンデンサ16により得られる直流電圧Vdcを検出し、設定回転数(指令値)ω*に対する状況を判断して、三相PWMインバータ回路4に対する、疑似三相交流電力発生のためのパルス幅変調(PWM)指令を出力する。モータ2の電流検出のための電流センサは必ずしも各相毎に設ける必要はなく、2相分の電流センサのみを設けてもよい。これは、3つの電流値の合計は常に0になることから、2つの相の電流が判れば、残りの一相の電流値を演算で求めることができるからである。
【0021】
図2に制御回路7のさらに詳細な構成を示す。制御回路7は、トルク制御ブロック20、座標変換回路21、22、補償回路23、位置検出回路30及びPWM変調回路31を含む。
【0022】
制御回路7において、位置検出回路30はモータ2回転位相情報θや回転速度情報ωを算出する。位置検出回路30の動作の詳細は後述する。回転位相情報θは座標変換回路21、22に送られる。また、回転速度情報ωは、トルク制御ブロック20に送られる。トルク制御ブロック20は、位置検出回路30から得た回転速度情報ω、中間直流電圧Vdc、設定回転数(回転速度指令)ω*及びモータ2のパラメータ(抵抗、インダクタンス等)を用いて、d軸電流およびq軸電流の設定値Id*、Iq*を算出する。電流センサ5u、5v、5wにて検出されたモータ相電流情報は座標変換回路21に送られて、現在の回転位相情報θを用いて回転座標軸d軸とq軸での電流値Id、Iqに変換される。変換されたd軸電流Idとq軸電流Iqは比較回路24、25に送られて、d軸電流設定値Id*とq軸電流設定値Iq*と比較され、それぞれの電流に対する電流誤差情報を得る。電流誤差情報は、制御特性改善のための補償回路23に送られて、d軸、q軸での電圧設定値Vd*、Vq*に変換される。電圧設定値Vd*、Vq*は座標変換回路22に送られ、回転位相情報θを用いてU、V、W軸での電圧値Vu*、Vv*、Vw*に変換され、三相PWM変調回路31に送られる。三相PWM変調回路31は電圧変換回路22からの電圧値Vu*、Vv*、Vw*に基いてPWMパターンを決定する。すなわち、三相PWM変調回路31では、所定の規則にしたがい電圧変換回路22からの電圧値Vu*、Vv*、Vw*から、PWMパルス信号のデューティ値及び位相が決定される。三相PWM変調回路31の詳細な動作は後述する。三相PWMインバータ回路4では、三相PWM変調回路31からのPWMパルス信号によりスイッチング素子のオン・オフ動作が制御され、各相の所望の駆動電圧に変換される。
【0023】
<位置検出回路の動作>
次に、位置検出回路30の詳細な動作について説明する。
位置検出回路30は、モータのインダクタンスが回転子位相にしたがい変化するというインダクタンス特性(図16参照)を利用して位置検出を行なう。
【0024】
図2に示すように、位置検出回路30は電流変化量検出回路32、回転位相算出回路34及び微分回路35を含む。電流変化量検出回路32は、電流センサ5u、5v、5wにより検出されたモータ巻線各相の電流Iu、Iv、Iwと、三相PWM変調回路31からのPWMパルス信号の変化タイミングとを用いて、単位時間かつ単位電圧変化当りの電流変化量(すなわち、正規化した電流変化量)δIu、δIv、δIwである電流変化率δI'u、δI'v、δI'wを求める。
【0025】
回転位相算出回路34は後述の計算式にしたがい電流変化量δIu、δIv、δIwを正規化して算出した単位時間かつ単位電圧変化当りの電流変化量である電流変化率δI'u、δI'v、δI'wから回転子位置(回転位相)θ^を求める。微分回路35は回転位相θ^を微分することにより速度ω^を算出する。
【0026】
ここで、回転位相算出回路34で用いる回転子位置を算出するための計算式について説明する。
【0027】
電流変化量検出回路32から得られた電流変化率δI'u、δI'v、δI'wは、各相のモータ巻線のインダクタンスと密接な関係にある。すなわち、単位時間かつ単位電圧変化当りの電流変化率は相のインダクタンスに反比例する関係にある。
【0028】
図3に相電流の電流波形と瞬時相電圧の電圧波形との関係を示す。説明の便宜状、U相についてのみ説明する。図3(a)に示すように、相電流は瞬時相電圧δVu(相の端子電圧から相の平均電圧である中性点電圧を差し引いた電圧、図3(d)参照)がプラスになっている期間は増加し、瞬時相電圧がマイナスになっている期間は減少する。電流の変化量δIuはこの瞬時の相電圧δVuの大きさに比例し、モータ巻線のインダクタンスに反比例する。ただし、ここでのインダクタンス(以下「見かけのインダクタンス」という。)は該当する相自身のインダクタンスとそれ以外の2つの相が並列に接続されたものとが直列に接続された場合の合成インダクタンスである。例えば、U相の見かけのインダクタンスをLu'、各相のインダクタンスをLu、Lv、Lwとすると、下記の式で求められる。
Lu'=Lu+(Lv//Lw) (1)
一方、相のインダクタンスと回転位相θ^との関係は次式の通りである。
【数4】
Figure 0004037643
これを前述のLu'、Lv'、Lw' に置換えて、さらにインダクタンスLu'、Lv'、Lw'と電流の変化量δIu、δIv、δIwとの関係から電流変化率δI'u、δI'v、δI'wの式に書き換えると次式が得られる。
【数5】
Figure 0004037643
上式を用いて電流変化量δIu、δIv、δIwすなわち電流変化率δI'u、δI'v、δI'wから回転位相θ^を求めることができる。
【0029】
図4は、位置検出処理の手順を示すフローチャートである。まず、電流変化量検出回路32は、各相の電流のエッジ変化に同期して各相の電流値Iu、Iv、Iwを読み出す(S251)。次に、前回のエッジ変化から今回のエッジ変化までの時間δTとその間の電圧変化の振幅δVとを用いて、電流変化量δIを正規化し、その正規化した電流変化量すなわち単位時間かつ単位電圧変化当りの電流変化率δI'u、δI'v、δI'wを算出する(S252)。正規化する理由は、エッジが変化しない期間の長さや電圧振幅の大きさにより、位相が同じ場合でも検出される電流変化量が異なるからである。次に、回転位相算出回路34は、この単位時間かつ単位電圧変化当りの電流変化率δI'u、δI'v、δI'wから上式を用いて回転位相θ^を求める(S253)。その後、微分回路35は回転位相θ^を微分することにより速度ω^を算出する。以上のようにして回転位相θ^、速度ω^が求められる。
【0030】
<PWM出力パターン>
以上のように電流変化量を求めることにより回転位相を求めることができるが、その電流変化量を得るためには、各相電流のエッジ変化を検出する必要がある。そこで、三相PWM変調回路31による、エッジ変化を確実に検出可能とするPWMパルスを発生するための処理手順を説明する。
【0031】
図5は、エッジ変化を確実に検出可能とするPWMパルスを発生させるための処理手順を示したフローチャートである。三相PWM変調回路31は、補償回路23による電流補償演算の後、座標変換回路22により得られた三相電圧設定値Vu*、Vv*、Vw*から、直流電圧Vdcを参照してPWMパルスの基本デューティ(デューティ比)の値を算出する(S201)。次に、算出した基本デューティの値を、1/6のデューティ比(つまり、0.16666…)で量子化する(S202)。このとき、量子化による切り捨てされた分は、後に利用できるように所定の記憶領域に保存しておく。
【0032】
次に、量子化されたディーティを用いてPWMパターンテーブル(図6参照)を参照して、U、V、W各相のデューティの補正値およびPWMパルスの位相を求める(S203)。PWMパターンテーブルは三相PWM変調回路31内に格納されており、その詳細については後述する。そして、ディーティの補正値に、1/6のデューティで量子化する際に切り捨てた値を再び加算して、各相の正規のPWMタイミングを得る(S204)。得られた値をパルス信号発生手段であるPWMタイマ(後述する出力コンペアレジスタバッファに該当)に書き込む(S205)。そして、エッジ発生時刻(位相)と、各相のエッジの発生順序とを所定の記憶手段に書き込んで(S206)、処理を終了する。エッジの発生時刻、発生順序の情報は、各相の電流変化を検出する際に参照される。
【0033】
図6を用いてPWMパターンテーブルについて説明する。図6に示すテーブルは、補償演算及び座標変換後に得られたU、V、W各相の基本ディーティと、その基本ディーティにより定まる出力を得るためのPWMパルスの出力パターンとを関連づけている。図6に示した各PWM出力パターンは以下のルールにしたがい求められている。
1)基本的に各相の変化エッジが重ならない(変化エッジのタイミングが同一とならない)。
2)各相毎に、一キャリア周期において1つのパルスのみが含まれるように、すなわち、一キャリア周期において1組の立ち上りエッジと立ち下りエッジが含まれるようにする。
3)基本デューティの組み合わせによっては、エッジが重ならないようなパターンが生成できない場合があり、その場合は例外として一部のエッジが重なってもよい(図6(d)参照)。
【0034】
以上のルールにしたがいPWM出力パターンを作成するため、1つの本来の基本デューティの値に対し、必要に応じて所定の修正値(図6における「Duty修正」)を加減算している。このように各相に所定値を加算しても相間の電圧差が変化しなけば、基本デューティで定義される所望の出力を得ることができる。
【0035】
図6(a)はU、V、W各相のディーティ値が1/6(=16.666…%)、1/6、1/6の場合のPWM出力パターンである。図6(b)は各相のディーティ値が1/6、1/6、2/6の場合のPWM出力パターンである。図6(b)の例では、エッジの重なりを生じないようにするため、各相とも+1/6ずつディーティ値が加算されて修正されている。このように全体としてディーティ値を増加させても、相間の電圧差は変らないため、所望の電圧が得られる。
【0036】
図6(c)は各相のディーティ値が1/6、1/6、3/6の場合のPWM出力パターンである。
【0037】
図6(d)は各相のディーティが1/6、2/6、5/6の場合のPWM出力パターンである。この場合は、各相において+1/6ずつデューティを加算して補正している。図6(d)の例では、例外として、二相間においてエッジが重なる箇所がある。しかし、この場合は、2つの相のエッジが同時に変化したときのタイミングを、エッジが変化しない残りの相についての電流検出のタイミングとする。
【0038】
なお、入力するデューティの組み合わせによっては、1/6周期の量子化では合致しない場合がある。その場合は修正量は1/12デュティとなる。また、図6はパターンの一例を示しており、実際には、各相のデューティ値の組み合わせに応じてさらに多くの出力パターンを用意する必要がある。また、本実施形態では、量子化する際に、1/6のデューティで行なったが、1/12のデューティでもよく、さらに6の倍数分の1のデューティで量子化してもよい。
【0039】
上述の処理内容を具体例を挙げて説明する。
例えば、直流電圧Vdcが600V、各相の電圧Vu*、Vv*、Vw*がそれぞれ120V、140V、200Vの場合を考える。各相の基本デューティは、1.2/6(=120/600)、1.4/6(=140/600)、2/6(=200/600)となる(S201)。各相の基本デューティの値を1/6デューティで量子化してそれぞれ端数を切り捨てると、1/6、1/6、2/6となる(S202)。このとき、U相については0.2/6(=20V)だけ、V相については0.4/6(=40V)だけ量子化により切り捨てられており、この切り捨て分は記憶される。量子化後のディーティ値に基いてPWMパターンテーブルを参照する(S202)。量子化後の各相のデューティの値は1/6、1/6、2/6であるため、各相のデューティは図6(b)のテーブルが選択され、そのテーブルのパターンで決定される発生タイミング(位相)及びパルス幅が決定される(S203)。次に、U相、V相について量子化の際に切り捨てた20V、40V分をそれぞれのデューティに加算する(S204)。このようにして求めたPWMの正規のタイミングをPWMタイマに書き込み(S205)、さらに、エッジ発生時刻と、エッジ発生順序とを所定の記憶領域に格納しておく(S206)。ここで、エッジ発生順序とは、図6(b)の場合、V相立ち上がり、W相立ち上がり、V相立ち下がり、U相立ち上がり、W相立ち下がり、U相立ち下がり、というような順序情報である。
【0040】
以上のようにして求めたデューティ値を用いれば、相電流のエッジ変化を確実に検出できる。このため、インダクタンスの変化を示す電流変化を確実に検出でき、その電流変化から前述の式(3)により回転位相θを確実に求めることができる。
【0041】
<回転子位置の初期化>
図16を参照すると、各相間のインダクタンスLu、Lv、Lwの関係が一つ定まった場合であっても、その関係に対して、180°ずれた2つの回転位相が対応することがわかる。したがって、インダクタンス値からのみでは一義的に回転位相を決定することはできない。そこで、本実施形態では、モータ始動前に回転子を所定位置に固定することで、始動後の回転子位置の正確な把握を可能とする。
【0042】
図7は、制御回路7によるモータ始動前の制御手順を示したフローチャートである。本制御は、所定の二相に通電することにより、モータ回転子を所定の位置に位置決めする(以下、この処理を「モータの初期化」という。)。
【0043】
図7において、モータ始動時に、まず、モータの初期化のために所定の二つの相にのみ通電を開始する(S601)。そして、初期化のための通電を開始してから所定の通電時間が経過したか否かを調べる(S602)。所定時間経過していない場合には、所定の二つの相への通電を続ける(S603)。このとき、通電電流を検出しながら、過電流が流れないように通電する。所定時間が経過すると、初期化のための通電を停止し(S604)、初期化を終了する。位置決めで固定された回転子の位置を回転子位置の初期値に設定する。
【0044】
<三相PWM変調回路のハードウェア構成例>
図8は、PWMパルス信号を生成する三相PWM変調回路31のハードウェア構成の一例を示した図である。
【0045】
三相PWM変調回路31は、CPU300と、バス308と、UPカウンタ306と、種々のレジスタ302、303…と、コンパレータ301と、AD変換器351とを含む。また、三相PWM変調回路31は、三相PWMインバータ回路4におけるU、V、W相のスイッチング素子を駆動するPWMパルス信号を生成する回路ブロック310、320、330を含む。以下ではU相に対する回路ブロック310について各相のブロック320、330を代表して説明する。U相に対する回路ブロック310は、種々のレジスタ312、313、316、317と、RSフリップフロップ314と、コンパレータ311、315とを含む。
【0046】
UPカウンタ306は所定の高速クロックに同期して計数し、コンパレーター0(301)からのリセット信号によりカウント値がリセットされる。
【0047】
CPU300は、バス308を介してレジスタバッファ(以下「OCR−BF」と称す。)303、313、317にPWMパルスのエッジのタイミングを指定するデータを書き込み可能となっている。
【0048】
OCR−BF−0(303)には、CPU300により、UPカウンタ306のリセットタイミングすなわちPWM制御におけるキャリア周期を与えるデータが書き込まれる。OCR−BF−0(303)に書き込まれたデータはOCR−0(302)へ転送される。
【0049】
初期値バッファ304は、CPU300により、PWMパルスの初期値が書き込まれる。この初期値バッファ304の値はUPカウンタ306がリセットされる毎に反映される。
【0050】
OCR−BF−U(313)、OCR−BF−X(317)には、CPU300により、U相のスイッチング素子のエッジを変化させるタイミングを与えるデータが書き込まれる。すなわち、OCR−BF−U(313)にはU相の上アームのスイッチング素子をONさせるタイミングを与えるデータが、OCR−BF−X(317)にはU相の下アームのスイッチング素子をONさせるタイミングを与えるデータが書き込まれる。OCR−BF−U(313)、OCR−BF−X(317)に書き込まれたデータは、OCR−U(312)、OCR−X(316)へそれぞれ転送される。
【0051】
OCR−0(302)、OCR−U(312)、OCR−X(316)へは、UPカウンタ306がリセットされるタイミングで、それぞれの対応するバッファレジスタ303、313、317からデータが転送される。つまり、コンパレータ−0(301)によりUPカウンタ306の計数値とOCR−0(302)の値とが一致していることを検出された時にリセット信号が出力され、このリセット信号に同期して各レジスタ302、312、316へデータ転送が行なわれる。リセット信号によりUPカウンタ306はリセットすなわち初期化され、再び一致検出されるまでカウントアップを開始する。つまり、UPカウンタ306はキャリア周期毎に初期化される。その後、OCR−BF−0(303)に書き込まれた値はOCR−0(302)に転送されているので、コンパレータ−0(301)から一致検出パルスが繰り返し発生する。
【0052】
一致検出パルスは、他のOCRであるOCR−U(312)、OCR−X(316)にも送られており、CPU300によって設定されたOCR−BF−U(313)、PCR−BF−X(317)に書き込まれた値をそれぞれ、OCR−U(312)、OCR−X(316)に転送する。OCR−U(312)、OCR−X(316)の出力はコンパレータU(311)、コンパレータX(315)に接続されており、UPカウンタ306の値と比較される。比較した結果、UPカウンタ306の値と一致すると、コンパレータ311、315からは一致パルスが出力され、RSフリップフロップ314にそれぞれセット信号、リセット信号として入力される。すなわち、RSフリップフロップ314は、OCR−BF−U(313)に書き込まれた値に関連するタイミングでセットされ、OCR−BF−X(317)に書き込まれた値に関連するタイミングでリセットされる。RSフリップフロップ314の出力は信号「U_ON」であり、さらにその反転した出力信号が「X_ON」である。これらの2つの信号が、図2の三相PWMインバータ回路4のU相の上アームおよび下アームのスイッチング素子の制御に用いられる。
【0053】
また、CPU300から初期値バッファ304にもデータが書き込まれる。初期値バッファ304の値を、コンパレーター0(301)による一致検出毎に、RSフリップフロップ314のプリセット値として設定する。すなわち、RSフリップフロップ314は、コンパレータ−0(301)の一致検出毎にプリセット値に設定され、さらに、コンパレータ−U(311)及びコンパレータ−X(315)の一致を検出する毎に、セットあるいはリセットされる。
【0054】
以上U相に対するブロック310について説明したが、V、W相に対する回路ブロック320、330の動作も同様である。
【0055】
RSフリップフロップ314の出力信号は、三相PWMインバータ回路4の制御以外に、AD変換器351と選択回路352に入力される。AD変換器351は、選択回路352により選択された電流情報Iu、Iv、Iwのいずれかを、AD変換し、その値を記憶しておく。AD変換器351に記憶された値は、CPU300から読み出すことができる。これにより、三相PWMインバータ回路4のスイッチングを変化させたときの電流値が自動的に記憶される。
【0056】
図9は、図8の回路の動作を示すタイミング図である。UPカウンタ306の出力はノコギリ波状に変化している。ノコギリ波状のエッジのタイミングでCPU300に割り込み要求「IRQ_0」が出される。CPU300は、割り込み処理として、各種レジスタ(OCR_0、OCR_U、OCR_X等)の設定を行う。ここで設定した値は次回のIRQ_0のときに有効な値になる。
【0057】
初期値バッファ304に「1」を書き込めば、割込み要求時にU_ON出力は「1」から始まり、「0」を書き込めば、U_ON出力は「0(Low)」から始まるようになる。OCR_BF_U(313)には、U_ON出力が「1(High)」になるタイミングを与えるカウンタ値が書き込まれ、OCR_BF_X(317)には、U_ON出力が「0」になるタイミングを与えるカウンタ値が書き込まれる。これらのバッファに書き込まれた設定値は、次のIRQ_0を過ぎてから有効となる。
【0058】
<三相PWM変調回路の別の構成例>
図10は、図8に示した三相PWM変調回路の別の構成例を示した図である。図8の回路構成と異なる点は、UPカウンタ306の代わりに所定の高速クロックに同期して計数するフリーランカウンタ406を用いている点である。フリーランカウンタ406を用いているため、コンパレーター0(301)の一致出力はフリーランカウンタ406には入力されていない。それ以外の構成、動作は図8の回路構成と同じである。
【0059】
図11は図10の回路の動作を示すタイミングチャートである。フリーランカウンタ406の出力値は単調増加している。CPU300への割り込み「IRQ_0」は、コンパレータ−0(301)により、フリーランカウンタ406のカウンタ値と、OCR−0の値とが一致する毎に発生する。したがって、次の割り込み発生までのカウントアップ値を毎回考慮して、バッファレジスタにデータを書き込めば、図8の回路の場合と同様に使用することができる。この方法では、フリーランカウンタを用いているため、カウントアップ値の情報を汎用的に用いることができる。すなわち、フリーランカウンタ406を、本位置検出のみならず、他の制御にも使用することが可能となる。
【0060】
(実施の形態2)
ここでは、電源電圧が短期間降下した場合であっても、精度よく位置検出が可能な位置検出方法について説明する。この方法は例えば整流後の電圧を平滑する平滑コンデンサの容量が小さく、電源電圧の変動により三相PWMインバータ回路への入力電圧がほぼゼロに低下する場合であっても精度よく位置検出を行なえる点で有効な方法である。
【0061】
図12は、本実施形態における位置検出方法を説明するための図である。同図においては、時刻T1から時刻T2の間の期間において、入力電圧(電源電圧)が異常に降下し、ほぼゼロになった場合を示している。
【0062】
図13は本実施形態のモータ駆動装置の回路構成を示した図である。制御回路7の全体構成は図1で示したものとほぼ同じである。異なる点は、単相電源1の電圧の異常を検出する入力電圧異常検出回路8を設け、その検出結果を制御回路7へ出力する点、及び、PWMインバータ回路4の出力端子電圧Vu、Vv,Vwの値(正確には整流回路3のマイナス側端電位を基準とした電圧値Vu-n、Vv-n、Vw-n)も制御回路7に入力している点である。
【0063】
図12に示すように時刻T1にて入力電圧が低下すると、入力電圧異常検出回路8により、異常であることを示す情報が制御回路7へと伝達される。入力電圧異常検出回路8は入力電圧Vacが所定値より低下したときに異常であると判断する。この情報をもとに、制御回路7がPWMインバータ回路4を制御してモータ2への通電を停止すると、モータ2は発電機として動作し、モータ端子に発電電圧情報が観測される。整流回路3のマイナス側端電位を基準として各モータ端子電圧を観測すると、図12に示すような、120度の期間の平坦な区間を有する山形の波形が観測される。この山形の波形の位相は、モータの相誘起電圧の位相と一致しているので、山形波形の位相を見れば、回転位置が把握できる。波形をsin関数で近似すると、U相の誘起電圧が最も高くなるのは、90degをピークにして、±60degの範囲、すなわち、30deg〜150degの区間である。したがって、入力電圧異常電圧が検出された区間では、各相の端子電圧を検出し、相間で端子電圧の大小関係を判別することにより、回転子位置を予想することが可能となる。本実施形態の位置検出はこの原理を利用している。
【0064】
図14はこの原理を利用した、モータ端子電圧の大小関係にしたがい回転位相を判別する制御を示したフローチャートである。本制御は制御回路7により行なわれる。
【0065】
まず、入力電圧異常検出回路8からの出力に基いて入力電圧が異常か否かを調べる(S501)。正常であれば、通常の制御を行う(S510)。
【0066】
異常であれば、通電をOFFし(S502)、三相の端子電圧Vu、Vv、Vwの大小関係を調べる(S503)。
「Vw>Vu>Vv」であれば、回転子の位相は0deg近傍であると判断する(S504)。
「Vu>Vw>Vv」であれば、位相は60deg近傍であると判断する(S505)。
「Vu>Vv>Vw」であれば、位相は120deg近傍であると判断する(S506)。
「Vv>Vu>Vw」であれば、位相は180degであると判断する(S507)。
「Vv>Vw>Vu」であれば、位相は240deg近傍であると判断する(S508)。
「Vw>Vv>Vu」であれば、位相は300deg近傍であると判断する(S509)。
【0067】
以上のようにして、異常時にはモータの各相間の端子電圧の大小順位により回転位相の概略値を検出することができる。したがって、電源が復旧した場合にも、概略の回転位相を捕捉できているので、ただちに、位置センサレス駆動に復旧することが可能となる。
【0068】
なお、回転速度と駆動に必要な電圧との間には、回転速度が高ければ駆動に必要な電圧も高くなるという単調な対応関係があることから、入力電圧の異常を判定するための入力電圧異常検出回路8のしきい値は、回転速度に対して可変にすることが好ましい。
【0069】
【発明の効果】
本発明の第1のモータ駆動装置又は第1の位置検出方法によれば、任意の進角位相で、駆動のため以外の電力を重畳することなく、1キャリア周期毎に、位置センサを用いることなく回転位相が検出でき、時々刻々と進角値を変化させることも可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の位置検出装置を利用したモータ駆動装置の全体構成を示すブロック図
【図2】 実施の形態1の制御回路の詳細な構成を示すブロック図
【図3】 モータの相電流と相電圧の関係を示した図
【図4】 モータの回転位相の検出処理の手順を示すフローチャート
【図5】 モータ駆動用PWMパターンの発生手順を示すフローチャート
【図6】 PWMパターンテーブルの例を示した図
【図7】 モータ始動時の位置決め処理の手順を示すフローチャート
【図8】 第1の例の三相PWM変調回路の構成を示すブロック図
【図9】 第1の例の三相PWM変調回路のUPカウンタの値とU_ON出力の値の変化を示した図
【図10】 第2の例の三相PWM変調回路の構成を示すブロック図
【図11】 第2の例の三相PWM変調回路のフリーランカウンタの値とU_ON出力の値の変化を示した図
【図12】 本発明の実施形態2の位置検出方法を説明するための図
【図13】 本発明のの実施形態2の位置検出装置の全体構成を示すブロック図
【図14】 本発明のの実施形態2の位置検出装置における制御回路の動作を示すフローチャート
【図15】 従来のモータ駆動装置の全体構成を示すブロック図
【図16】 回転位相に応じて変化するモータのインダクタンス特性及び誘起電圧特性を示した図。
【図17】 従来のインダクタンス特性を利用した位置検出方法において、確実な相電流の変化エッジの検出を可能とするPWM出力パターンを示した図
【符号の説明】
1…………… 単相電源
2…………… IPMモータ
3…………… 整流回路
4…………… 三相PWMインバータ回路
5u,5v、5w…………… 電流センサ
16…………… 平滑コンデンサ
7、7b…………… 制御回路
8…………… 入力電圧異常検出回路
20………… トルク制御ブロック
32………… 電流変化量検出回路
34………… 回転位相算出回路
306………… UPカウンタ
301、311、315……… コンパレータ
406………… フリーランカウンタ
351………… AD変換器
303、304、313、317……… バッファレジスタ
314………… RSフリップフロップ

Claims (8)

  1. 単相交流電圧を整流する整流手段と、整流後の直流電圧をスイッチング素子を用いてパルス幅変調(PWM)を行なうことにより任意の周波数と電圧の疑似三相交流電圧に変換するインバータ手段とを備え、該疑似三相交流電圧によりモータを駆動するモータ駆動装置において、
    所定の演算によりモータ巻線各相へ出力すべき出力電圧値を求める手段と、
    デューティ値と該デューティ値に対し出力すべきPWM出力パターンとを関連付けたテーブルであって、各相間においてパルスの立ち上り及び立下りエッジが重複せず、かつ、一PWMキャリア周期において一つのパルスのみが含まれるように決定されたPWM出力パターンを複数含むテーブルと、
    前記出力電圧値をパルス幅変調におけるデューティ値に変換し、その得られたデューティ値をPWMキャリア周期の1/6の整数倍の期間の分解能で量子化し、前記量子化されたデューティ値に基いて前記テーブルを参照してPWM出力パターンを選択し、該PWM出力パターンから出力すべきPWMパルス信号のデューティ値及び位相を決定し、該決定されたデューティ値に量子化の際に切り捨てられた分を加算して、前記インバータ手段のスイッチング素子を駆動するための正規のPWMパルス信号のデューティ値及び位相を決定するパルス変調手段と、
    モータ巻線の各相の電流変化を検出し、その単位時間かつ単位電圧変化当りの電流変化量である電流変化率δI'u、δI'v、δI'wに基いて所定の計算式を用いて現在の回転位相θ^を算出する位置検出手段と
    を有する
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 下記の式により、電流変化率δI'u、δI'v、δI'wに基き、現在の回転位相θ^を算出することを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
    Figure 0004037643
  3. モータ始動前に、モータの特定の2つの相間に一定電流を通電することにより、モータを位置決めし、そのときの位相を回転子位相の初期値に定めることを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
  4. 前記パルス変調手段は、
    所定のクロックに同期して計数するカウンタと、
    PWMパルス発生時におけるインバータ手段の各スイッチング素子に対する出力電圧の値を決定するための設定値を記憶する初期値レジスタと、
    該初期値レジスタに対してPWMキャリア周期毎に転送するデータを格納する初期値バッファレジスタと、
    各スイッチング素子に対する出力電圧の値をLowからHighに立ち上げるカウンタ値を記憶する第1のレジスタと、
    該第1のレジスタに対してPWMキャリア周期毎に転送するデータを格納する第1のバッファレジスタと、
    各スイッチング素子に対する出力電圧の値をHighからLowに立ち下げるカウンタ値を記憶する第2のレジスタと、
    該第2のレジスタに対してPWMキャリア周期毎に転送するデータを格納する第2のバッファレジスタと、
    前記各スイッチング素子に対する出力電圧の値が変化したタイミングにおけるモータ巻線の電流値を記憶する手段と
    を備えることを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
  5. 前記クロックはPWMキャリア周期毎に初期化されることを特徴とする請求項4記載のモータ駆動装置。
  6. 単相交流電圧を整流し、整流後の直流電圧をスイッチング素子を用いてパルス幅変調(PWM)を行なうことにより任意の周波数と電圧の疑似三相交流電圧に変換し、該疑似三相交流電圧を用いてモータを駆動するモータ駆動制御においてモータの回転子位置を検出する検出方法であって、
    所定の演算によりモータ巻線各相へ出力すべき出力電圧値を求め、
    該出力電圧値をパルス幅変調におけるデューティ値に変換し、
    得られたデューティ値を、PWMキャリア周期の1/6の整数倍の期間の分解能で量子化し、
    デューティ値と該デューティ値に対し出力すべき PWM 出力パターンとを関連付けたテーブルであって、各相間においてパルスの立ち上り及び立下りエッジが重複せず、かつ、一PWMキャリア周期において一つのパルスのみが含まれるように決定されたPWM出力パターンを複数含むテーブルを参照し、前記量子化されたデューティ値に基いてPWM出力パターンを選択し、該PWM出力パターンから出力すべきPWMパルス信号のデューティ値及び位相を決定し、
    決定されたデューティ値に量子化の際に切り捨てられた分を加算して、正規のPWMパルス信号のデューティ値及び位相を決定し、
    その決定した正規のPWMパルス信号を用いて、スイッチング素子を駆動し、
    モータ巻線の各相の電流変化を検出し、その単位時間かつ単位電圧変化当りの電流変化量である電流変化率δI 'u 、δI 'v 、δI 'w に基いて所定の計算式を用いて現在の回転位相θ ^ を算出することを特徴とするモータ回転子位置検出方法。
  7. 下記の式により、電流変化率δI 'u 、δI 'v 、δI 'w に基き、現在の回転位相θ ^ を算出することを特徴とする請求項6記載のモータ回転子位置検出方法。
    Figure 0004037643
  8. モータ始動前に、モータの特定の2つの相間に一定電流を通電することにより、モータを位置決めし、そのときの位相を回転子位相の初期値に定めることを特徴とする請求項6記載のモータ回転子位置検出方法。
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