JP4037021B2 - 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷のような画像形成方法における静電荷像を顕像化するためのトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真などの画像形成方法を用いたハードコピーの技術は、白黒からフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市揚は特に拡大している。フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は、一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色を用いて全ての色の再現を行なうものである。
そのフルカラー電子写真法の一般的なものは、先ず原稿からの光をトナーの色と補色の関係にある色分解光透過フィルターを通して光導電層上に静電潜像を形成する。次いで現像、転写工程を経てトナーを支持体に保持させる。続いて前述の工程を順次複数回行い、レジストレーションを合わせつつ、同一支持体上に各色トナーを重ね合わせ、ただ一回のみの定着によって最終のフルカラー画像を得る。
【0003】
現像に関しては、キャリアを用いた二成分現像剤を用いた二成分現像方式と、キャリアを用いずトナーのみからなる一成分現像剤を用い、現像ローラーに該トナーを薄層化して担持させ、これで静電荷像を現像する一成分現像方式とがある。
二成分現像剤では現像装置の中で、トナーとキャリアが攪拌され、トナーが適切な帯電量になるように帯電し、現像に寄与する。特にカラートナーにおいては、一般に使用される結着樹脂は低軟化温度のものを用い、熱定着時に十分な溶融を行い、定着されたトナーを均一な薄い層とし、画像の色発色性を良好にし、光沢を付与する必要がある。また、トナーの現像装置内への補給性や、転写性を良好なものとする為に、トナーの流動性を向上する目的で、トナーの表面に流動性向上剤(硬質微粉末など)を塗布する事が効果的である。しかし、現像装置内でのキャリアとの強い攪拌により、特にカラートナーの様な低軟化温度の柔らかい結着樹脂を用いたトナーでは、トナー表面の流動性向上剤がトナーの内部に埋まりやすく、トナーに必要な流動性を低下させ、現像性、転写性、補給性などを悪化させやすい。
【0004】
一方、小型化、軽量化などに優れる一成分現像方式には、トナーに磁性材料を添加して、現像ローラー中に磁石を組み込み、磁力でトナーが現像ローラーに供給される磁性一成分現像方式と、トナーに磁性材料を添加せず、トナーをトナー供給部材等から、当接する現像ローラーへ供給する非磁性一成分現像方式とがある。また、一般にトナーに添加する磁性材料は、黒色〜着色力の強い有色である事から、カラートナーの色調を損ないやすく、カラー画像形成に使用する事が困難であり、このため、カラー画像形成には通常は非磁性トナーが非磁性一成分現像方式に用いられる。
【0005】
ところが、この一成分現像方式においては、現像ローラーへのトナーの補給性や、現像ローラーのトナー保持性が悪いため、現像ローラーへトナーを強制的に擦りつけたり、ブレードにより現像ローラー上のトナー量を規制したりする。その結果、現像ローラーヘトナーがフィルミングしやすくなり、現像ローラーの寿命が短くなったり、トナーの帯電量が不安定になるという問題が生じる。また、これにより良好な現像が行なわれなくなる。
従って、非磁性一成分現像用のカラートナーにおいては、一般のトナーに必要とされる特性に加えて、現像ローラーへのトナーのフィルミング防止などが要求される。
【0006】
このような従来のカラートナーの欠点を解決すべく、各種の現像用トナーが提案されている。
例えば、特開平5−53369号公報には、BET比表面積が1〜150m2/gで、炭素数5以上の飽和又は不飽和の環状又は非環状有機基を有するカップリング剤で処理された無機微粉体と、BET比表面積が160〜400m2/gで疎水化度30以上の無機微粉体とを着色粒子表面に付着させたトナーが提案されている。
しかしながら、該トナーは、二成分現像方式での使用においては、トナーの帯電量が変化しやすく、また一成分現像方式での使用においては、現像ローラー上のトナーの帯電特性が不安定となり、トナーが現像ローラーからこぼれたり、飛散したりする場合がある等の欠点を有する。
【0007】
特開平6−202374号公報には、着色粒子表面に平均粒径が30nm以上、100nm未満の無機微粒子を付着させてなる非磁性一成分トナーが提案されている。
しかしながら、該トナーは、トナーの流動性が十分でなく、トナーの補給性が不十分になる場合がある等の欠点を有する。
【0008】
特開平8−15890号公報には、平均粒径4〜9μmのトナー粒子と、小粒径(7〜20nm)および大粒径(20〜80nm)の外添加剤とから成り、小粒径外添加剤を1〜2%有する一成分現像剤が提案されている。
しかしながら、該トナーは、現像ローラー上のトナーの帯電特性が不安定であり、トナーが現像ローラーからこぼれたり、飛散したりする場合がある等の欠点を有する。
【0009】
特開平8−227171号公報には、平均粒径1〜9μmのトナー粒子と、疎水化された無機微粉末(10〜90nm)および疎水化されたケイ素化合物微粉末(30〜120nm)の外添加剤とから成るトナーが提案されている。
しかしながら、該トナーは、二成分現像方式では、トナーの帯電量が変化しやすく、一成分現像方式では、現像ローラー上のトナーの帯電特性が不安定であり、トナーが現像ローラーからこぼれたり、飛散したりする場合がある等の欠点を有する。
【0010】
特開平9−288369号公報には、BET比表面積20〜50m2/g、pH6〜8、疎水率85%以上のシリカ微粒子を含有するトナーが提案されている。
しかしながら、該トナーは、トナーの流動性が十分でなく、トナーの補給性が不十分になる場合がある等の欠点を有する。
【0011】
また、特開平9−297424号公報には、軟化点(Sp)が90〜115℃、ガラス転移点(Tg)との関係が、Sp+110≦4Tg≦Sp+170のポリエステル樹脂を有するトナー表面に、BET比表面積70m2/gの微粒子を有する非磁性一成分トナーが提案されている。
しかしながら、該トナーも、トナーの流動性が十分でなく、トナーの補給性が不十分になる場合がある等の欠点を有する。
【0012】
更にまた、特開平10−3179号公報には、平均粒径4〜12μmのトナー粒子と無機微粉体(1〜50nm)と樹脂粒子(0.1〜2μm)と金属酸化物(0.3〜3μm)の外添加剤からなるトナーが提案されている。
しかしながら、該トナーは、トナーの流動性が十分でなく、トナーの補給性が不十分になる場合がある等の欠点を有する
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、安定した帯電特性、流動性をもち、長期の撹拌においても安定した優れた現像性を有する静電荷像現像用トナー及びこれを用いる画像形成方法を提供することである。本発明の他の目的は、特にカラー画像形成方法に有用な静電荷像現像用カラートナーを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第一に、少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を主成分とする母体着色粒子と、外添加剤とからなる静電荷像現像用トナーにおいて、該外添加剤として下記(a)成分、(b)成分及び(c)成分の3種類のものを組み合わせ含有させた静電荷像現像用トナーであって(a)成分、(b)成分及び(c)成分が、(1)から(4)のいずれかであることを特徴とする静電荷像現像用トナーが提供される。
【0015】
(1):(a)1次粒子径0.01〜0.03μmのヘキサメチルジシラザンで疎水化処理されたシリカ
(b)1次粒子径0.01〜0.03μmで、比表面積60〜140m2/gの疎水化処理された酸化チタン
(c)比表面積20〜50m2/g、嵩密度100〜250g/1のヘキサメチルジシラザンで疎水化処理されたシリカ
(2):(a)1次粒子径0.01〜0.03μmのポリジメチルシロキサンで疎水化処理されたシリカ
(b)1次粒子径0.01〜0.03μmで、比表面積60〜140m2/gの疎水化処理された酸化チタン
(c)比表面積20〜50m2/g、嵩密度100〜250g/1のジメチルジクロロシランで疎水化処理されたシリカ
(3):(a)1次粒子径0.01〜0.03μmのジメチルジクロロシランで疎水化処理されたシリカ
(b)1次粒子径0.01〜0.03μmで、比表面積60〜140m2/gの疎水化処理された酸化チタン
(c)比表面積20〜50m2/g、嵩密度100〜250g/1のヘキサメチルジシラザンで疎水化処理されたシリカ
(4):(a)1次粒子径0.01〜0.03μmのポリジメチルシロキサンで疎水化処理されたシリカ
(b)1次粒子径0.01〜0.03μmで、比表面積60〜140m2/gの疎水化処理された酸化チタン
(c)比表面積20〜50m2/g、嵩密度100〜250g/1のポリジメチルシロキサンで疎水化処理されたシリカ
【0016】
第二に、前記(a)成分、(b)成分及び(c)成分の含有量が、前記母体着色粒子100重量部に対し、各々0.2〜1.0重量部、0.2〜0.8重量部及び0.5〜2.0重量部であることを特徴とする上記第一に記載の静電荷像現像用トナーが提供される。
【0017】
第三に、前記母体着色粒子と、前記(a)成分及び前記(b)成分とを混合した後、前記(c)成分を添加し混合することにより、該母体着色粒子を、該(a)成分、(b)成分及び(c)成分で被覆したものであることを特徴とする上記第一又は第二に記載の静電荷像現像用トナーが提供される。
【0018】
第四に、前記母体着色粒子の体積平均粒径が4〜10μmであることを特徴とする上記第一〜三のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーが提供される。
【0019】
第五に、前記帯電制御剤が、サリチル酸誘導体の金属塩化合物であることを特徴とする上記第一〜四のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーが提供される。
【0020】
第六に、前記サリチル酸誘導体の金属塩化合物が、下記一般式(I)で示される化合物であることを特徴とする上記第五に記載の静電荷像現像用トナーが提供される。
【化3】
Figure 0004037021
(但し、式中、R1、R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基あるいはアリル基であるが、特に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基あるいはアリル基が望ましい。ここでR1、R2及びR3は同時に同じであっても異なっていても良い。また、Meは亜鉛、ニッケル、コバルト、銅及びクロムから選ばれるいずれかの金属である。)
【0021】
第七に、前記着色剤がイエロー、マゼンダ、シアン又はブラックであることを特徴とする上記第一〜六のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーが提供される。
【0022】
第八に、前記トナーがマゼンダトナー、シアントナー、イエロートナー又はこれにブラックトナーを加えたフルカラー用のものであることを特徴とする上記第一〜七のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナーが提供される。
【0023】
また、本発明によれば、第九に、少なくともマゼンダ、シアン、イエローのトナー像を重ねることにより多色画像を形成する画像形成方法において、該トナーが上記第八に記載のカラートナーであることを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内容を具体的に説明する。
【0025】
来の静電荷像現像用トナーの欠点を解消し、本発明の目的を達成するためには、トナーの特性が下記の要件を満足することが必要である。特に、トナーがカラートナーである場合にはその要件を確実に満たすことが必要である。
【0026】
(二成分現像剤用のトナーの特性)
1.キャリアの表面にトナーが均一に供給、塗布され、攪拌により必要なトナーの帯電量が付与されること。
2.キャリア表面のトナーが、長期的な消費及び供給をされても、帯電量、流動性等の特性が、常に安定していること。
【0027】
(非磁性一成分現像用のトナーの特性)
1.現像ローラー上にトナーが均一に供給され、現像ローラー上のトナー層が均一に形成されること。
2.現像ローラー上のトナーが充分に帯電し、その帯電量のレベルが現像ローラーの長期的な撹拌や、使用環境によっても変化が少ないこと。
3.現像ローラーの長期的な撹拌によっても、現像ローラーや、トナーを薄層化させる部材に、トナーが融着することによるスジ等が発生しないこと。
【0028】
本発明者等は、鋭意検討を行った結果、静電荷像現像用トナーにおいて、その外添加剤として、前記(a)成分、(b)成分、(c)成分の特定なシリカ及び酸化チタンを組み合わせて用いることにより、従来のトナー(特にカラートナー)の欠点を解消し、上記トナーの特性の要件を満足うることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0029】
すなわち、本発明の静電荷像現像用トナーの外添加剤の(a)成分は、1次粒子径0.01〜0.03μmの疎水化処理されたシリカであり、その添加量は母体着色粒子100重量部に対し、0.2〜1.0重量部である。
このように、(a)成分のシリカを母体着色粒子100重量部に対し、0.2〜1.0重量部、好ましくは0.4〜0.8重量部を母体着色粒子の表面に付着させることにより、トナーに必要な流動性と帯電性が付与され、二成分現像剤においては、キャリア表面へのトナーの供給性が良好になると共に、トナーに必要な帯電性が付与される。また、非磁性一成分トナーにおいては、現像ローラー上へのトナー供給性及び現像ローラーから感光体への現像性が良好となる。
【0030】
ここで上記(a)成分の疎水化処理されたシリカの1次粒子径が0.01μmより小さいと現像ローラの長期的撹拌により、シリカがトナーの表面に埋まり、流動性が悪化する場合があり、逆に0.03μmより大きいとトナーに充分な流動性を付与することが出来ない場合がある。
また、(a)成分のシリカの添加量が、母体着色粒子100重量部に対して0.2重量部より少ない場合には、現像ローラーに必要な量のトナーが供給されなかったり、必要なトナーの帯電量が得られない場合がある。逆に1.0重量部より多く添加した場合にはトナーの帯電性が高すぎて十分なトナーの現像が行われなかったり、トナーが現像ユニットから飛散する場合がある。
【0031】
また、本発明の静電荷像現像用トナーの外添加剤の(b)成分は、1次粒子径0.01〜0.03μmで比表面積60〜140m2/g(特に好ましくは80〜120m2/g)の疎水化処理された酸化チタンであり、その添加量は母体着色粒子100重量部に対して0.2〜0.8重量部である。
このように、(b)成分の酸化チタンを母体着色粒子100重量部に対し、0.2〜0.8重量部、好ましくは0.3〜0.6重量部をトナーの表面に付着させることにより、トナーの帯電性の安定化し、及び特に帯電立ち上がり性とチャージアップが防止される。
【0032】
ここで上記(b)成分の疎水化処理された酸化チタンの1次粒子径が0.01μmより小さいと現像ローラの長期的撹拌により、酸化チタンがトナーの表面に埋まり、流動性が悪化する場合があり、逆に0.03μmより大きいとトナーに充分な流動性を付与することが出来ない場合がある。
また(b)成分の疎水化処理された酸化チタンの添加量が、母体着色粒子100重量部に対して0.2重量部より少ない場合には、トナーの帯電性が高すぎて十分なトナーの現像が行われない場合がある。逆に0.8重量部より多く添加した場合にはトナーの帯電性が低すぎてトナーが現像ユニットから飛散したり、地肌汚れの原因となる場合がある。
また、(b)成分の疎水化処理された酸化チタンの比表面積が60m2/gより小さいとトナーに充分な流動性を付与することができない場合があり、逆に140m2/gより大きいと現像ローラーの長期攪拌により酸化チタンがトナーの表面に埋まり、トナーの流動性が悪化する場合がある。なお、比表面積はBET法により測定を行った値である。
【0033】
更にまた、本発明の静電荷像現像用トナーの外添加剤の(c)成分は、比表面積20〜50m2/gであり、特に好ましくは25〜45m2/gであり、嵩密度100〜250g/lの疎水化処理されたシリカであり、その添加量は母体着色粒子100重量部に対し、0.5〜2.0重量部である。
このように、(c)成分のシリカを母体着色粒子100重量部に対し、0.5〜2.0重量部を母体着色粒子の表面に付着させることにより、二成分現像剤においては、キャリアとの長期の攪拌によっても、トナーの帯電性、流動性等のトナー特性の変化が少なく、現像性や転写性の劣化を防止出来る。また、一成分現像剤においてはトナーの現像ローラー上での薄層が均一となり、薄層のムラが大幅に改善され、更に長期の現像ローラーの撹拌により、撹拌現像剤塗布ブレードヘのトナーの融着による白スジの発生を防止しうる。
【0034】
ここで上記(c)成分の疎水化処理されたシリカの比表面積が20m2/gより小さいとトナー表面からシリカが脱離しやすくなり、添加する効果が薄れる場合があり、逆に50m2/gより大きいと二成分現像剤においては、キャリアとの長期の攪拌により、トナーの帯電性、流動性等のトナー特性の変化が発生する場合があり、また、一成分現像においてはトナーの薄層ムラが発生する場合がある。なお、比表面積は前記と同様に、BET法により測定を行った値である。
また嵩密度が100g/lより小さいとトナーの流動性を悪化させる場合があり、逆に250g/lより大きいと、二成分現像方式においては、キャリアとの長期の攪拌により、トナーの帯電性、流動性等のトナー特性が変化する場合があり、また、一成分現像方式においてはトナーの薄層ムラが発生する場合がある。
【0035】
更に(c)成分のシリカの添加量が、母体着色粒子100重量部に対して0.5重量部より少ない場合には、二成分現像剤においては、キャリアとの長期の攪拌により、トナーの帯電性、流動性等のトナー特性が変化する場合があり、また、一成分現像剤においてはトナーの現像ローラー上での薄層が不均一となり、トナーの均一な現像及び画像が得られない場合や、撹拌現像剤塗布ブレードヘのトナーの融着による白スジの発生する場合がある。逆に2.0重量部より多く添加した場合には該シリカが過剰に存在し、トナーの表面に付着されず、トナーの帯電安定性を阻害する場合がある。
【0036】
以上示したような、本発明に示した母体着色粒子と、本発明の3種類の外添加剤との構成から成る静電荷像現像用トナーは、従来からは存在していなかったし、又このトナーはカラートナーとして極めて有用である。
【0037】
本発明に用いられる(a)成分、および(c)成分の原料シリカは、一般に湿式法もしくは乾式法で生成されたものであるが、特に乾式法(ケイ素化ハロゲン化合物の蒸気相酸化)により生成された、いわゆるヒュームドシリカと称されるものが、流動性の面から好ましい。
これは、従来公知の技術によって製造されるものである。
例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式を下記に示す。
SiCl4 + 2H2 + O2 → SiO2 + 4HCl
また、この製造工程において、例えば、塩化アルミニウム、又は塩化チタンなど他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、本発明においては、それらも使用しうる。
【0038】
次いで、シリカ微粉末を疎水化処理するが、該疎水化処理する方法としては、シリカ微粉末の表面をシラン系化合物等で表面処理する方法が挙げられる。
即ち、シリカ微粉末に結合している水酸基にシラン化合物を反応させ、水酸基をシロキシル基等に置換することにより行われる。
疎水化処理は、シリカ微粉末にシラン化合物、例えばジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザン、アルキルトリハロゲン化シラン等を高温下で反応させることにより行なわれる。
【0039】
ここで、疎水化における疎水化度とは疎水化前に存在した水酸基のうち上記反応により消失した水酸基の割合である。
そして、前記シリカ微粉末の“疎水化度”は、次の方法により測定することができる。
200mlのビーカーに水50mlを入れ、更に0.2gのシリカ微粉末を添加する。そして、マグネットスターラーでゆるやかに撹拌しつつ、滴下時に先端が水中に浸漬されたピュレットからメタノールを加え、浮かんでいるシリカ微粉末が沈み始め、完全に沈んだ時の滴下メタノールのml数を読み、下記式から求められる。
疎水化度
={滴下メタノールのml数/(50+滴下メタノールのml数)}
×100(%)
メタノールはこの場合界面活性剤の役割をし、メタノールの滴下に伴って浮いているシリカ微粉末がメタノールを介して水中に分散するので、上記式で求められる疎水化度の値が大きいほどシリカ微粉末の疎水化度(疎水化前に存在した見ず酸基のうち前記反応により消失した水酸基の割合)は高い。
【0040】
また、本発明で用いられる(b)成分の酸化チタン微粒子としては、硫酸法と塩素法により製造されたものがあり、ルチル型、アナターゼ型、アモルファス及びその混合型のいずれでもよい。
表面の疎水化処理については、上記のシリカの場合と同様の化合物で行なうことができる。
【0041】
外添加剤の母体着色粒子への混合被覆方法としては、母体着色粒子と外添加剤を各種のミキサーなどで機械的に混合する方法が挙げられる。
特に母体着色粒子と(a)成分の1次粒子径0.01〜0.03μmの疎水化処理されたシリカと、(b)成分の1次粒子径0.01〜0.03μmで比表面積60〜140m2/gの疎水化処理された酸化チタンを混合した後、(c)成分の比表面積20〜50m2/g、嵩密度100〜250g/lの疎水化処理されたシリカを添加して混合することにより、トナーの表面から外添加剤の脱離が防止され、二成分現像剤においては、キャリア表面にトナー表面から外添加剤が移行する事で発生する帯電付与効果の低下が防止され、一成分現像剤においては、現像ローラーと現像剤塗布ブレードの間に外添加剤が存在することによるトナー薄層ムラが改善される。
すなわち、母体着色粒子とすべての外添加剤を同時に混合した場合には、外添加剤同士が凝集しやすく、トナーの表面に均一に付着されなくなる場合があり、前述のような現象が発生する場合があるが、このような混合被覆方法により、改善することができる。
【0042】
また、本発明の静電荷像現像用トナーの帯電制御剤として、前記一般式(I)で示されるサリチル酸誘導体の金属塩化合物を用いることにより、二成分現像剤においては、キャリアとの安定したトナーの帯電特性を得る事ができ、また、一成分現像剤では一成分現像装置における現像ローラー上での均一なトナーの薄層を得つつ、安定した帯電特性を得ることが出来る。
【0043】
更に、上記サリチル酸誘導体の金属塩化合物は、CLARK,J,L,Kao,H(1948)J.Amer.Chem.Soc.70,2151に記載された方法によって容易に合成することができる。例えば、溶媒中に2モルのサリチル酸ナトリウム塩(サリチル酸誘導体のナトリウム塩を含む)と、1モルの塩化亜鉛とを添加し混合し、加温して撹拌することにより亜鉛塩として得ることができる。
この金属塩は白色を呈する結晶であり、トナーバインダー中に分散させた場合にも着色を示さないものである。金属塩が亜鉛塩以外のものについても、上記の方法に準じて製造することができる。
【0044】
本発明の静電荷像現像用トナーにおいて、上記サリチル酸誘導体の金属塩化合物の配合量は、結着樹脂100重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部程度である。
【0045】
本発明で用いられるサリチル酸誘導体金属塩化合物の具体例を、以下の表1に示す。
【表1】
Figure 0004037021
【0046】
また、本発明における母体着色粒子の体積平均粒径は特に4〜10μmであることが好ましい。この範囲よりも小さい場合には、二成分現像剤においては、キャリアとの長期攪拌により、トナーがキャリア表面に融着し、トナーに十分な帯電量を付与出来なくなる場合があり、また、一成分現像剤においては、現像ローラー上での十分なトナー量を得ることが難しくなったり、長期の現像ローラーの撹拌により、現像ローラーや現像剤塗布ブレードにトナーが融着する場合がある。逆にこの範囲よりも大きい場合には、二成分現像剤においては、トナーに十分な帯電量を付与出来なくなる場合があり、また、一成分現像剤においては、現像ローラー上のトナー層が不均一となったり、長期の撹拌により現像ローラー上でのトナー量が変化する場合がある。
【0047】
更に、本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、各種のものを用いることができるが、カラートナーとして必要な定着性、光沢、透明性、更には帯電の安定性を付与するために、ポリエステル樹脂や、ポリオール樹脂を用いることが特に好ましい。
【0048】
上記ポリエステル樹脂として、各種のタイプのものが使用できるが、本発明に用いるものとしては前記一般式(II)で示されるジオール成分と多価カルボン酸成分とを縮合して得られるポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0049】
多価カルボン酸の具体的な例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸及びそれらの無水物、及びそれらの低級アルキルエステル、トリメリット酸もしくはその無水物、n−ドデセニルこはく酸、n−ドデシルこはく酸、n−ブチルこはく酸、イソ−ドデセニルこはく酸、イソ−オクチルこはく酸等のこはく酸誘導体等が挙げられる。
これらの内、こはく酸誘導体を導入することにより、トナーとしての低温時の定着性が十分で、更に光沢も向上する。
【0050】
また、前記一般式(II)で示されるジオール成分の例としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエステル(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(16)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0051】
なお、該ジオール成分に下記のような2官能以上のポリヒドロキシ化合物を、約5モル%以下使用することもできる。
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのエーテル化ポリヒドロキシル化合物等。
【0052】
上記ポリエステル樹脂は、通常ジオール成分と多価カルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中で180〜250℃の温度な縮合重合することによって製造することができる。
【0053】
また、前記のポリオール樹脂としては、各種のタイプのものが使用できるが、本発明においては、特にポリオール樹脂として、▲1▼エポキシ樹脂と、▲2▼2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物若しくはそのグリシジルエーテルと、▲3▼エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1価有する化合物と、▲4▼エポキシ樹脂基と反応する活性水素分子中に2個以上有する化合物を反応してなるポリオールを用いることが好ましい。
更にまた、▲1▼のエポキシ樹脂は、数平均分子量の相異する少なくとも2種以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂であることが特に好ましい。
このようなポリオール樹脂を用いることにより、良好な光沢、透明性を付与し、耐オフセット性に効果がある。
【0054】
本発明に用いられる上記▲1▼エポキシ樹脂は、好ましくはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとエピクロロピドリンを結合して得られたものである。
【0055】
本発明で用いられる上記▲2▼2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びこれらの混合物とビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物が挙げられる。
得られた付加物をエピクロロヒドリンやβ−メチルエピクロロヒドリンでグリシジル化して用いてもよい。
特に下記一般式(III)で表わされるビスフェノールAのアルキルオキサイド付加物のジグリシジルエーテルが好ましい。
【化5】
Figure 0004037021
(式中、R5は、−CH2−CH2−、−CH2−CH(CH3)−又は−CH2−CH2−CH2−基であり、またn、mは繰り返し単位の数であり、各々1以上であってn+m=2〜6である。)
【0056】
また、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物若しくはそのグリシジルエーテルは、ポリオール樹脂に対して10〜40%含まれていることが好ましい。ここで量が少ないと、カールが増すなどの不具合が生じ、またn+mが7以上であったり、量が多すぎると、光沢が出すぎたり、更には保存性の悪化の可能性がある。
【0057】
本発明で用いられる上記▲3▼エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物としては、1価フェノール類、2級アミン類、カルボン酸類がある。
1価フェノール類としては、フェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレノール、p−クミルフェノール等が挙げられる。
2級アミン類としては、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチル(エチル)ピペラジン、ピペリジンなどが挙げられる。
また、カルボン酸類としては、プロピオン酸、カプロン酸などが挙げられる。
【0058】
本発明で用いられる▲4▼エポキシ樹脂基と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物としては、2価フェノール類、3価以上の多価フェノール類、多価カルボン酸類が挙げられる。
2価フェノールとしては、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類が挙げられる。
また、多価フェノール類としては、オルソクレゾールノボラック類、フェノールノボラック類、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼンが挙げられる。
更にまた、多価カルボン酸類としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメット酸、無水トリメリット酸が挙げられる。
【0059】
また、本発明の主鎖にエポキシ樹脂部とアルキレンオキサイド部を有するポリオール樹脂を得るためには、他の種々の原材料の組合せが可能である。例えば、両末端グリシジル基のエポキシ樹脂と両末端グリシジル基の2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物を、ジハライドやジイソシアネート、ジアミン、ジオチール、多価フェノール、ジカルボン酸と反応させることにより得ることができる。このうち、2価のフェノールを反応させるのが反応安定性の点で最も好ましい。また、ゲル化しない範囲で多価フェノール類や多価カルボン酸類を、2価フェノールと併用するのも好ましい。ここで、多価フェノール類、多価カルボン酸の量は、全量に対し15%以下、好ましくは10%以下である。
【0060】
これらのポリエステル樹脂やポリオール樹脂は、高い架橋密度を持たせると、透明性や光沢度が得られにくくなり、好ましくは非架橋若しくは弱い架橋(THF不溶分5%以下)とすることが好ましい。
また、特にカラー画像に適切な光沢、透明性、定着性を得るために、トナーに用いる結着樹脂の、1/2流出開始温度は110〜130℃であることが好ましい。1/2流出開始温度は以下のように測定できる。
即ち、高架式フローテスター(CTF−500:島津製作所製)を用い、ダイス細孔の径1mm、圧力1.96×106Pa、昇温速度6℃/minの条件で1cm3の試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度を示す。
【0061】
また、更に本発明のトナーに用いられる着色剤は、限定されないが、フルカラー画像を作用するためには、イエロー、マゼンタ、シアン、又はこれらにブラックを加えた色のトナーを得ることが可能な染顔料が使用できる。
例えば、カーボンブラック、ランプブラック、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料等の染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用し得る。
これらの着色剤の使用量は、結着樹脂に対し、通常1〜20%、好ましくは3〜20%である。
【0062】
また、本発明のトナーに必要に応じて定着性を改善するために、ワックスを添加することができる。具体的には以下のようなものが挙げられる。マイクロワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが使用できるが、これらに限られたものではない。
【0063】
また、本発明のトナーに用いられる帯電制御剤は、前述のサリチル酸誘導体の金属塩を用いることが特に好ましいが、必要に応じてカラートナーの色調を損なうことのない透明もしくは白色の物質を添加して、トナーの帯電性を安定的に付与することができる。具体的には、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩類、カリックスアレン系化合物等が用いられるが、これらに限られるものではない。
【0064】
更にまた、外添加剤として、トナーの流動性を向上させる目的で、本発明に用いられる疎水性のシリカ及び酸化チタンの他に、アルミナ、更に必要に応じて脂肪酸金属塩類やポリフッ化ビニリデン等を添加しても良い。
【0065】
本発明の静電荷像現像用トナーを二成分現像剤として用いる場合、キャリア粒子は、適当な抵抗を持った無機/金属粒子、比較的抵抗の低い粒子を分散させた樹脂粒子や、これらを核とした芯材に対して被覆層を設けた粒子等を用いることができる。この時、トナー粒子との混合攪拌によるトナー摩擦帯電量が、本発明規定の範囲となる様、キャリア粒子構成が選択される。これらに使用される材料の例としては、以下の様なものが挙げられる。
【0066】
まず、キャリア粒子に使用できる無機/金属粒子の例としては、従来より公知のものが使用でき、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物等が挙げられる。
【0067】
次に、キャリア粒子の樹脂粒子及び/又は被覆層を形成する樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル(例えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変成品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0068】
中でも、トナースペントを防止する点で被覆層用の材料として好ましいのは、シリコーン樹脂またはその変成品、弗素樹脂、特にシリコーン樹脂またはその変成品である。
シリコーン樹脂としては、従来から知られているいずれのシリコーン樹脂であってもよく、オルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーンおよびアルキド、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどで変成したシリコーン樹脂が挙げられる。
【0069】
また前述の様に樹脂粒子及び/又は被覆層に分散されてキャリア粒子の体積固有抵抗を制御するために使用される低抵抗材料は、従来より公知のもので良く、その例としては、鉄、金、銅等の金属;フェライト、マグネタイト等の酸化鉄;カーボンブラック等の顔料が挙げられる。
この中でも特にカーボンブラックの一つであるファーネスブラックとアセチレンブラックの混合物を用いることにより、少量の低抵抗微粉末の添加で効果的に導電性の調整が可能で、更に樹脂粒子/被覆層の耐摩耗性に優れたキャリア粒子を得ることが可能となった。これらの低抵抗微粉末は、粒径0.01〜10μm程度のものが好ましく、樹脂粒子または被覆樹脂100重量部に対して2〜30重量部添加されることが好ましく、さらには5〜20重量部が好ましい。
【0070】
また、樹脂粒子及び/又は被覆層中には核体粒子との接着性を向上させたり導電性付与剤の分散性を向上させる目的でシランカップリング剤、チタンカップリング剤等を添加しても良い。
【0071】
被覆層の形成法としては、従来と同様、キャリア核体粒子の表面に被覆層形成液を噴霧法、浸漬法等の手段で塗布すればよい。被覆層の厚さは0.1〜2μmが好ましい。
【0072】
本発明の静電荷像現像用トナーは、従来公知の二成分及び一成分の現像装置に用いることができる。
【0073】
二成分現像装置は、トナーとキャリアから成る現像剤を攪拌する機構が設けられ、攪拌された現像剤を、磁石の内蔵された回転する現像ローラーにドクターで供給現像剤量を制御しながら供給し、感光体近傍に現像ローラーからの磁力により現像剤の穂立ちをさせながら供給する方式が一般的であるが、この方式に限られるものではない。
【0074】
また、一成分現像装置には、各種の方式が提案されており、本発明の静電荷像現像用トナーを適用する事が可能であるが、特に本発明の電子写真用カラートナーを、少なくとも金属材質からなる現像ローラーと、この現像ローラーに当接させたトナー薄層を得るための表面がゴム材質からなる現像剤塗布ブレードや塗布ローラーとを有する現像装置に用いることにより、本発明のトナーは本発明の目的に対して多大な効果を発揮する。
即ち、本発明のトナーを用いた場合に、金属材質の現像ローラーを用いることにより、現像ローラー上のトナー薄層が均一となり、薄層のムラが大幅に改善されると共に、現像ローラーの長期撹拌によっても現像ローラー上のトナー量が安定化する。
【0075】
【実施例】
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、以下に、非磁性一成分現像装置での本発明における特性の評価方法を記載する。
<現像ローラー上トナー特性>
(評価装置)
図1に示す現像装置にトナー7を供給する。図1において、1は潜像担持体(ベルト感光体)、2は現像ローラー、2−1は芯金、2−2は樹脂コート層、3はトナー供給部材、4は現像剤塗布ブレード、5はアジテーター及び6は現像領城である。具体的には、現像ローラー2は、芯金2−1に樹脂コート2−2としてシリコーン樹脂を主成分とした表層を設けたものであり、現像ローラー2に当接するポリウレタン材質から成るトナー供給ローラー3、更に現像ローラー2に当接するウレタン材質から成るブレード4を、図1に示すように設定した。なお、図1は現像ローラー2が、芯金2−1と樹脂コート層2−2を有するものを示したが、芯金2−1と樹脂コート層2−2の代わりに、全体が金属材質2−3からなる現像装置も使用した。
【0076】
▲1▼ 帯電量 及び ▲2▼ トナー付着量
出口側にフィルター層を具備したファラデーケージを介して、現像ローラー上のトナーを吸引し、ファラデーケージ内にトラップされたトナーの比電荷を測定する吸引法比電荷測定装置により、帯電量の測定を行なう。
また、同時にトラップされたトナーの重量と、吸引された現像ローラーの面積との関係から、トナー付着量を算出する。
これらの特性の適正な値は、現像ローラーと感光体の線速(比)などで異なるが、一般には以下の通りであり、特に多数枚のプリントによる現像ローラーの長期撹拌によっても安定していることが、現像されるトナー量が安定化する観点から好ましい。
帯電量 絶対値で10〜25(μc/g)
付着量 0.4〜1.2(mg/cm2
▲3▼ トナー薄層性
現像ローラー上トナーの薄層性は目視による観察を行なった。また、現像ローラーの長期撹拌後に現像ユニットを分解し、トナーを除去後、現像ローラー上のトナーのフィルミング状態、現像剤塗布ブレードヘのトナーの固着状態を目視により観察した。
【0077】
実施例1
・結着樹脂1
(ポリエステル樹脂、1/2流出開始温度:119℃) 50重量部
・結着樹脂2
(ポリオール樹脂、1/2流出開始温度:115℃) 50重量部
・帯電制御剤
(含フッ素4級アンモニウム塩化合物) 3重量部
・着色剤
〈イエロートナー用〉
ビスアゾ系イエロー顔料
(C.I.Pigment Ye11ow17) 5重量部
〈マゼンタトナー用〉
ナフトール系マゼンタ顔料
(C.I.PigmentRed184) 4重量部
〈シアントナー用〉
銅フタロシアニンブルー顔料
(C.I.PigmentB1ue15) 2重量部
〈ブラックトナー用〉
カーボンブラック 5重量部
上記の材料を各色ごとにブレンダーで充分混合したのち、100〜110℃に加熱した2本ロールによって溶融混凍した。混練り物を自然放冷後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級装置を用いて各色の母体着色粒子を得た。なお、各色母体着色粒子の体積平均粒径は、以下の通りであった。(体積平均粒径は、コールターエレクトロニクス社製のコールターカウンターモデルTA−IIにより計測した。)
イエロー:8.3(μm)、マゼンタ:8.1(μm)
シアン :8.4(μm)、ブラック:8.5(μm)
次に、母体着色粒子100重量部に対して、まず、下記外添加剤(b)を、ついで下記外添加剤(a)及び(c)を添加混合して、ヘンシェルミキサーにて混合撹拌を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを得た。
(a)疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品。
疎水化度80%、1次粒子径:0.02μm) 0.5重量部
(b)疎水性酸化チタン(イソブチルトリメトキシシランでの
表面処理品。疎水化度70%、比表面積100m2/g、
1次粒子径:0.02μm) 0.5重量部
(c)疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品。
疎水化度90%、比表面積40m2/g、嵩密度120
g/l) 1.5重量部
得られたトナーを、リコー社製マイリコピーM−5の改造機にセットし、現像ローラー上のトナー層の特性評価を行った。なお、現像ローラー上のトナー薄層は均一で、3万枚プリント後においても変化が無く、帯電量とトナー付着量の変化も少なかった。
なお、評価結果を表2に示す。
【0078】
実施例2
・結着樹脂(ポリエステル樹脂、1/2流出開始温度:
121℃) 100重量部
・帯電制御剤(含フッ素4級アンモニウム塩化合物) 3重量部
・着色剤は実施例1と同じ
上記の材料を実施例1と同様に処理を行ない、以下の体積平均粒径の母体着色粒子を得た。
イエロー:7.4(μm)、マゼンタ:7.3(μm)
シアン :7.2(μm)、ブラック:7.3(μm)
次に、母体着色粒子100重量部に対して、まず、下記外添加剤(a)及び(b)を、ついで下記外添加剤(c)を添加混合して、ヘンシェルミキサーにて混合撹拌を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを得た。
(a)疎水性シリカ(ポリジメチルシロキサンでの表面処理品。
疎水化度70%、1次粒子径:0.015μm) 0.7重量部
(b)疎水性酸化チタン(メチルトリメトキシシランでの
表面処理品。疎水化度80%、比表面積70m2/g、
1次粒子径:0.015μm) 0.8重量部
(c)疎水性シリカ(ジメチルジクロロシランでの表面処理品。
疎水化度90%、比表面積35m2/g、嵩密度150
g/l) 2.0重量部
更に、実施例1と同様の評価を行ったところ、実施例1と同様良好な結果を得た。評価結果を表2に示す。
【0079】
実施例3
・結着樹脂(ポリエステル樹脂、1/2流出開始温度:
120℃) 100重量部
・帯電制御剤(サリチル酸誘導体金属塩:表1中の化合物例4) 3重量部
・着色剤は実施例1と同じ
上記の材料を実施例1と同様に処理を行ない、以下の体積平均粒径の母体着色粒子を得た。
イエロー:8.6(μm)、マゼンタ:8.4(μm)
シアン :8.8(μm)、ブラック:8.7μm)
次に、母体着色粒子100重量部に対して、まず、下記外添加剤(a)及び(b)を、ついで下記外添加剤(c)を添加混合して、ヘンシェルミキサーにて混合撹拌を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを得た。
(a)疎水性シリカ(ジメチルジクロロシランでの表面処理品。
疎水化度70%、1次粒子径:0.02μm) 1.0重量部
(b)疎水性酸化チタン(テトラデシルトリクロロシランでの
表面処理品。疎水化度60%、比表面積120m2/g、
1次粒子径:0.03μm) 0.7重量部
(c)疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品。
疎水化度80%、比表面積25m2/g、嵩密度220
g/l) 1.0重量部
更に、実施例1と同様の評価を行ったところ、実施例1と同様良好な結果を得た。評価結果を表2に示す。
【0080】
実施例4
・結着樹脂(ポリオール樹脂、1/2流出開始温度:
115℃) 100重量部
・帯電制御剤(サリチル酸誘導体金属塩:表1中の化合物例1) 4重量部
・着色剤は実施例1と同じ
上記の材料を実施例1と同様に処理を行ない、以下の体積平均粒径の母体着色粒子を得た。
イエロー:8.0(μm)、マゼンタ:7.7(μm)
シアン :7.8(μm)、ブラック:7.9(μm)
次に、母体着色粒子100重量部に対して、まず、下記外添加剤(a)及び(b)を、ついで下記外添加剤(c)を添加混合して、ヘンシェルミキサーにて混合撹拌を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを得た。
(a)疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品。
疎水化度80%、1次粒子径:0.02μm) 0.6重量部
(b)疎水性酸化チタン(イソブチルトリメトキシシランでの
表面処理品。疎水化度50%、比表面積120m2/g、
1次粒子径:0.02μm) 0.3重量部
(c)疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品。
疎水化度80%、比表面積45m2/g、嵩密度170
g/l) 1.2重量部
更に、実施例1と同様の評価を行ったところ、実施例1と同様良好な結果を得た。評価結果を表2に示す。
【0081】
実施例5
・結着樹脂(ポリエステル樹脂、1/2流出開始温度:
122℃) 100重量部
・帯電制御剤 3.5重量部
(サリチル酸誘導体金属塩:表1中の化合物例5)
・着色剤は実施例1と同じ
上記の材料を実施例1と同様に処理を行ない、以下の体積平均粒径の母体着色粒子を得た。
イエロー:4.5(μm)、マゼンタ:4.8(μm)
シアン :5.0(μm)、ブラック:4.7(μm)
次に、母体着色粒子100重量部に対して、まず、下記外添加剤(a)及び(b)を、ついで下記外添加剤(c)を添加混合して、ヘンシェルミキサーにて混合撹拌を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを得た。
(a)疎水性シリカ(ポリジメチルシロキサンでの表面処理品。
疎水化度70%、1次粒子径:0.03μm) 0.7重量部
(b)疎水性酸化チタン(イソブチルトリメトキシシランでの
表面処理品。疎水化度60%、比表面積130m2/g、
1次粒子径:0.02μm) 0.4重量部
(c)疎水性シリカ(ポリジメチルシロキサンでの表面処理品。
疎水化度70%、比表面積40m2/g、嵩密度170
g/l) 0.7重量部
更に、実施例1と同様の評価を行ったところ、実施例1と同様良好な結果を得た。評価結果を表2に示す。
【0082】
比較例1
・結着樹脂(ポリエステル樹脂:1/2流出開始温度:
120℃) 100重量部
・帯電制御剤(含フッ素4級アンモニウム塩化合物) 3重量部
・着色剤は実施例1と同じ
上記の材料を実施例1と同様に処理を行ない、以下の体積平均粒径の母体着色粒子を得た。
イエロー:7.7(μm)、マゼンタ:7.4(μm)
シアン :7.6(μm)、ブラック:7.8(μm)
次に、母体着色粒子100重量部に対して、下記外添加剤(a)及び(b)を添加混合して、ヘンシェルミキサーにて混合撹拌を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを得た。
(a)疎水性シリカ(ポリジメチルシロキサンでの表面処理品。
疎水化度50%、1次粒子径:0.02μm) 0.9重量部
(b)疎水性酸化チタン(イソブチルトリメトキシシランでの
表面処理品。疎水化度70%、比表面積100m2/g、
1次粒子径:0.02μm) 1.0重量部
更に、実施例1と同様の評価を行ったところ、3万枚プリント後こにおいて、現像ローラーにトナーがフィルミングし、現像剤塗布ブレードにトナーが固着し、帯電量とトナー付着量が低下し、トナーの薄層が不均一化した。評価結果を表2に示す。
【0083】
比較例2
・結着樹脂(ポリオール樹脂:1/2流出開始温度:
120℃) 100重量部
・帯電制御剤(サリチル酸誘導体金属塩:化合物例2) 3.5重量部
・着色剤は実施例1と同じ
上記の材料を実施例1と同様に処理を行ない、以下の体積平均粒径の母体着色粒子を得た。
イエロー:7.1(μm)、マゼンタ:7.2(μm)
シアン :7.0(μm)、ブラック:6.8(μm)
次に、母体着色粒子100重量部に対して、下記外添加剤(a)及び(c)を添加混合して、ヘンシェルミキサーにて混合撹拌を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを得た。
(a)疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品。
疎水化度50%、1次粒子径:0.02μm) 0.7重量部
(c)疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品。
疎水化度90%、比表面積40m2/g、嵩密度150
g/l) 0.7重量部
更に、実施例1と同様の評価を行ったところ、3万枚プリント後において、帯電量が低下し、トナーの薄層が不均一化し、現像ローラーからトナー落ちが発生した。
評価結果を表2に示す。
【0084】
比較例3
・結着樹脂(ポリエステル樹脂:1/2流出開始温度:
119℃) 100重量部
・帯電制御剤(含フッ素4級アンモニウム塩化合物) 3重量部
・着色剤は実施例1と同じ
上記の材料を実施例1と同様に処理を行ない、以下の体積平均粒径の母体着色粒子を得た。
イエロー:8.6(μm)、マゼンタ:8.4(μm)
シアン :8.5(μm)、ブラック:8.5(μm)
次に、母体着色粒子100重量部に対して、下記外添加剤(b)及び(c)を添加混合して、ヘンシェルミキサーにて混合撹拌を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを得た。
(b)疎水性酸化チタン(イソブチルトリメトキシシランでの
表面処理品。疎水化度70%、比表面積130m2/g、
1次粒子径:0.02μm) 0.7重量部
(c)疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品。
疎水化度50%、比表面積40m2/g、嵩密度150
g/l) 0.6重量部
更に、実施例1と同様の評価を行ったところ、初期より帯電量が低く現像ローラーからトナー落ちが発生した。
評価結果を表2に示す。
【0085】
【表2】
Figure 0004037021
【0086】
実施例6
実施例1で作成したカラートナー5重量部と、以下に記載のキャリア95重量部を、ブレンダーで10分間混合し、現像剤を作成した。
(キャリア)
芯材:平均粒径50μmの球形フェライト粒子
コート材構成材料:アミノシラン系カップリング材を分散したシリコーン樹脂
アミノシラン系カップリング材とシリコーン樹脂をトルエンに分散させ、分散液を調整後、加温状態にて芯材にスプレーコートし、焼成、冷却後、平均コート樹脂膜厚み0.2μmのキャリアを得た。
また、現像剤の帯電量は−24μc/gであった。なお、現像剤の帯電量は、ブローオフ法により、エレクトロメーターを使用して測定した。
この現像剤を、リコー製プリテール650機に搭載し画像の評価を行ったところ、良好な画像を得た。更に、3万枚のプリント後の現像剤の帯電量は−21μc/gで、更に初期と変わらぬ良好な画像が維持された。評価結果を表3に示す。
【0087】
実施例7
実施例4で作成したカラートナー5重量部と、実施例6で作成したキャリア95重量部を、ブレンダーで10分間混合し、現像剤を作成した。現像剤の帯電量は−28μc/gであった。
この現像剤を、実施例6と同様に画像の評価を行ったところ、良好な画像を得た。更に、3万枚のプリント後の現像剤の帯電量は−25μc/gで、更に初期と変わらぬ良好な画像が維持された。評価結果を表3に示す。
【0088】
実施例8
実施例5で作成したカラートナー5重量部と、実施例6で作成したキャリア95重量部を、ブレンダーで10分間混合し、現像剤を作成した。現像剤の帯電量は−27μc/gであった。
この現像剤を、実施例6と同様に画像の評価を行ったところ、良好な画像を得た。更に、3万枚のプリント後の現像剤の帯電量は−26μc/gで、更に初期と変わらぬ良好な画像が維持された。評価結果を表3に示す。
【0089】
比較例4
比較例1で作成したカラートナー5重量部と、実施例6で作成したキャリア95重量部を、ブレンダーで10分間混合し、現像剤を作成した。現像剤の帯電量は−29μc/gであった。
この現像剤を、実施例6と同様に画像の評価を行ったところ、初期は良好な画像が得られたが、3万枚のプリント後の現像剤の帯電量は−15μc/gで、画像には地肌汚れが見られ、転写不良による画像抜けが発生した。評価結果を表3に示す。
【0090】
【表3】
Figure 0004037021
【0091】
【発明の効果】
(1)請求項1及び2の静電荷像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を主成分とする母体着色粒子に、本発明の3種類の外添加剤を含有することにより、現像装置内でのトナーの特性が長期に亘って安定化し、安定した優れた現像性を有する。
(2)請求項3の静電荷像現像用トナーは、請求項1に示すトナー外添加剤の混合被覆方法を特定なものに規定することにより、更にトナー特性の安定化維持を向上させることができる。
(3)請求項4の静電荷像現像用トナーは、請求項1の母体着色粒子の体積平均粒径を規定する事により、トナー特性を更に安定化し、安定した現像性を付与できる。
(4)請求項5及び6の静電荷像現像用トナーは、請求項1に示すトナーの帯電制御剤として、特にサリチル酸誘導体の金属塩化合物を用いることにより、更にトナーの帯電特性の安定化維持を向上させることができる。
(5)請求項7及び8の静電荷像現像用トナーは、請求項1に示すトナーの結着樹脂として、特にポリエステル樹脂又はポリオール樹脂を用いることにより、カラートナーとしての定着性、光沢、透明性、帯電安定性が良好になる。
(6)請求項9及び10の静電荷像現像用トナーはカラー画像形成に有用である。
(7)請求項11の画像形成方法は、良質のカラー画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーを使用するのに有用な現像装置の一例を示す現像ローラー部を中心とした模式断面図である。
【符号の説明】
1 潜像担持体(ベルト感光体)
2 現像ローラー
2−1 芯金
2−2 樹脂コート層
3 トナー供給部材
4 現像剤塗布ブレード
5 アジテータ
6 現像領域
7 トナー

Claims (9)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を主成分とする母体着色粒子と、外添加剤とからなる静電荷像現像用トナーにおいて、該外添加剤として下記(a)成分、(b)成分及び(c)成分の3種類のものを組み合わせ含有させた静電荷像現像用トナーであって、(a)成分、(b)成分及び(c)成分が、(1)から(4)のいずれかであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    (1):(a)1次粒子径0.01〜0.03μmのヘキサメチルジシラザンで疎水化処理されたシリカ
    (b)1次粒子径0.01〜0.03μmで、比表面積60〜140m2/gの疎水化処理された酸化チタン
    (c)比表面積20〜50m2/g、嵩密度100〜250g/1のヘキサメチルジシラザンで疎水化処理されたシリカ
    (2):(a)1次粒子径0.01〜0.03μmのポリジメチルシロキサンで疎水化処理されたシリカ
    (b)1次粒子径0.01〜0.03μmで、比表面積60〜140m2/gの疎水化処理された酸化チタン
    (c)比表面積20〜50m2/g、嵩密度100〜250g/1のジメチルジクロロシランで疎水化処理されたシリカ
    (3):(a)1次粒子径0.01〜0.03μmのジメチルジクロロシランで疎水化処理されたシリカ
    (b)1次粒子径0.01〜0.03μmで、比表面積60〜140m2/gの疎水化処理された酸化チタン
    (c)比表面積20〜50m2/g、嵩密度100〜250g/1のヘキサメチルジシラザンで疎水化処理されたシリカ
    (4):(a)1次粒子径0.01〜0.03μmのポリジメチルシロキサンで疎水化処理されたシリカ
    (b)1次粒子径0.01〜0.03μmで、比表面積60〜140m2/gの疎水化処理された酸化チタン
    (c)比表面積20〜50m2/g、嵩密度100〜250g/1のポリジメチルシロキサンで疎水化処理されたシリカ
  2. 前記(a)成分、(b)成分及び(c)成分の含有量が、前記母体着色粒子100重量部に対し、各々0.2〜1.0重量部、0.2〜0.8重量部及び0.5〜2.0重量部であることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記母体着色粒子と、前記(a)成分及び前記(b)成分とを混合した後、前記(c)成分を添加し混合することにより、該母体着色粒子を、該(a)成分、(b)成分及び(c)成分で被覆したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記母体着色粒子の体積平均粒径が4〜10μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記帯電制御剤が、サリチル酸誘導体の金属塩化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記サリチル酸誘導体の金属塩化合物が、下記一般式(I)で示される化合物であることを特徴とする請求項5記載の静電荷像現像用トナー。
    Figure 0004037021
    (但し、式中、R1、R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基あるいはアリル基であるが、特に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基あるいはアリル基が望ましい。ここでR1、R2及びR3は同時に同じであっても異なっていても良い。また、Meは亜鉛、ニッケル、コバルト、銅及びクロムから選ばれるいずれかの金属である。)
  7. 前記着色剤がイエロー、マゼンダ、シアン又はブラックであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 前記トナーがマゼンダトナー、シアントナー、イエロートナー又はこれにブラックトナーを加えたフルカラー用のものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 少なくともマゼンダ、シアン、イエローのトナー像を重ねることにより多色画像を形成する画像形成方法において、該トナーが請求項8に記載のカラートナーであることを特徴とする画像形成方法。
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