JP4034890B2 - 農用トラクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンからの出力を湿式多板式のメインクラッチを介して車軸伝動系に伝達する農用トラクタにおいて、メインクラッチ切断時に発生する連れ回りトルクが車軸系に伝達されるのを防止するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エンジンからの出力を湿式多板式のメインクラッチを介して車軸伝動系に伝達する構成の農用トラクタの技術は公知となっている。このトランスミッションは、メインクラッチとして油中で作動する湿式多板式摩擦クラッチを用いることで、クラッチより発生する熱を作動油を媒介して効率的に拡散させ、該クラッチ部分の損耗を低減して、クラッチの寿命を延ばすこととしている。湿式多板式クラッチの基本構造については、例えば、特許番号1080623の如き技術が公知となっている。また、メインクラッチの冷却に関しては、特許番号1825166の如き技術が公知となっている。
【0003】
また、湿式多板式クラッチは油中で作動するものであるため、該作動油の粘性によりクラッチ切断時に従動側に多少の連れ回りトルクが発生する。この連れ回りトルクが車軸に伝達される不都合を防止するために従動側の車軸伝動系にブレーキを設けたりする技術が知られている。例えば、連れ回り防止の技術に関する特許番号1116538の如き技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の技術は、連れ回りトルクの車軸への伝達を防止するために車軸伝動系に新たにブレーキを設ける構成としているため、部品点数や工数のアップとなり、コスト的に不利となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
エンジンからの出力を湿式多板式のメインクラッチを介して車軸伝動系に伝達し、かつ、車軸回転を正逆変換するための前進側リバーサ用油圧クラッチと後進側リバーサ用油圧クラッチを、前記車軸伝動系に設けた構成の農用トラクタにおいて、前記メインクラッチの断接を操作するクラッチペダルの近傍に始動安全スイッチを配設し、該始動安全スイッ チはクラッチペダルを踏み込んで、メインクラッチを断にした場合にONとなるように構成し、該始動安全スイッチは前記エンジンのフライホイールを回転させるキースイッチとスタータモーター回路に電気的に接続し、前記リバーサ用油圧クラッチへの圧油を切換制御するリバーサコントロールバルブの圧油送油回路に、電磁バルブよりなる切換弁を設け、該切換弁と前記始動安全スイッチとを制御装置に電気的に接続し、前記クラッチペダルを踏込みにより、該メインクラッチの切断時に、該メインクラッチより車軸側に位置するリバーサ用油圧クラッチを切断することにより、該メインクラッチが湿式多板式クラッチである為に、作動油の粘性により発生する連れ回りトルクの車軸への伝達を防止するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係る農用トラクタの全体的な構成を示した側面図、図2はクラッチペダル及び始動安全スイッチの位置を示した側面図、図3はメインクラッチ及びトランスミッションの構成を示した側面断面展開図である。図4は本トラクタの動力伝達構成を示したスケルトン図、図5は本トラクタの油圧回路図である。
【0007】
まず、本発明の一実施例に係る農用トラクタの全体的な構成について、図1を用いて説明する。すなわち、このトラクタは、前後に前輪1及び後輪2を懸架する本体の前部にボンネット6を配設し、該ボンネット6内部にはエンジン5を配置している。ボンネット6の後方にはステアリングハンドル10を設けており、該ステアリングハンドル近傍には前後進切替用のリバーサレバー82が配設される。上記ステアリングハンドル10の後方にはシート11を配設している。また、シートの側部には主変速レバー77が突設される。ステアリングハンドル10及びシート11は、キャビン12によって覆われる。
【0008】
エンジン5の後方にはクラッチハウジング8を配設し、該クラッチハウジング8の後方にはミッションケース9を連結し、エンジン5からの動力を後輪2に伝達して駆動している。但し、操作によっては、前輪1にも同時に駆動力を伝達する四輪駆動とすることも可能である。
【0009】
また、エンジン5の駆動力はミッションケース9後端から突出したPTO軸15に伝達されて該PTO軸15を駆動し、機体後端に接続した作業機を駆動するように構成している。
【0010】
そして、トラクタを操作するオペレータの足元には、クラッチを断接操作するためのクラッチ操作手段たるクラッチペダル16が図2に示す如く傾動可能に支持され、オペレータが該クラッチペダル16を踏むと、それに連動してクラッチハウジング8に収納されたメインクラッチ21が切断されるようにしている。ただし、クラッチペダル16の代わりにクラッチレバーとしてもよい。
【0011】
また、前記クラッチペダル16近傍には始動安全スイッチ17が配設される。該始動安全スイッチ17はエンジン5始動時の車両の急発進を防止すべく設けられるものであって、クラッチペダル16を踏み込んだ場合にONとなるように構成しており、エンジン5のフライホイールを回転させるスタータモーターに電気的に接続されている。従って、クラッチペダル16を一杯に踏み込んだ状態でないと始動安全スイッチ17がONとならないので、オペレータがキースイッチを始動側に回転してもスタータモーターに電力が供給されず、エンジン5が始動しないようになっている。
【0012】
次に、クラッチハウジング8及びミッションケース9内の構成について、図3及び図4をもとに説明する。即ち、エンジン5の後方にクラッチハウジング8を固設し、クラッチハウジング8の後面にはミッションケース9が取り付けられる。ミッションケース9は前後に二分割される構成(9a・9b)としており、間にセンタープレート13を挟持している。後半部のトランスミッションハウジング9bの後部左右側にはリアアクスルケースが固設される。
【0013】
次に、後車軸伝動系の構成について説明する。
即ち、上記クラッチハウジング8内には上記クラッチペダル16に連係される湿式多板式のメインクラッチ21が配置され、該メインクラッチ21の原動側軸22にエンジン5のクランク軸の回転が入力される。メインクラッチ21の従動側軸23は機体後方に延出され、その後端に形設したギア23aには走行クラッチ軸24に遊嵌された主変速四速歯車34が噛合している。該主変速四速歯車34は主軸25に固設された伝達歯車44に噛合している。該主軸25には三枚の伝達歯車41・42・43が更に固設されあるいは形設されており、該三枚の伝達歯車41・42・43を介して、走行クラッチ軸24にそれぞれ遊嵌された主変速一速歯車31、主変速二速歯車32、主変速三速歯車33に動力が伝達される。従って、メインクラッチ21の従動側軸23が回転すると、主変速一速歯車31、主変速二速歯車32、主変速三速歯車33及び主変速四速歯車34は各々異なる回転数で回転することとなる。そして、上記主変速レバー77に連動連結された油圧制御弁により、四つの油圧クラッチ51・52・53・54のいずれか一が選択されて「接」とされて、四段階の変速が可能となり、主軸25の回転が該変速を経て走行クラッチ軸24に伝達される。
【0014】
走行クラッチ軸24はセンタープレート13を貫通して後方に延長される。該延長部分には正転側歯車26及び逆転側歯車27がそれぞれ同一軸心上に遊嵌される。そして、前記リバーサレバー82に連係する油圧制御弁の操作により、前進側のリバーサ用油圧クラッチ56又は後進側のリバーサ用油圧クラッチ57のいずれか一が選択され接続され、走行クラッチ軸24の回転は正転側歯車26又は逆転側歯車27のいずれか一に伝達される。ただし、リバーサレバー82がニュートラル位置の場合は、回転は両歯車26・27いずれにも伝達されない。
【0015】
正転側歯車26は副変速軸35に相対回転不能に連結され、同時に、クリープ変速軸36に固設された伝達歯車37に噛合しており、その回転を両軸35・36に伝達する。逆転側歯車27は、正逆転軸38の一端に形設された歯車39に噛合しており、該正逆転軸の他端に形設された歯車40は、クリープ変速軸36に固設された前記伝達歯車37に噛合する。従って、逆転側歯車27の回転は、正逆転軸38を介して該クリープ変速軸36を逆転方向に回転させる。また、該クリープ変速軸36の伝達歯車37に噛合する正転側歯車26を介して、それに連結された副変速軸35を逆転方向に回転させる。
【0016】
副変速軸35の後部には副変速第二軸45が同一軸心上に配置され遊転可能としており、該副変速第二軸45にはクリープ変速歯車46が遊嵌される。該クリープ変速歯車46はクリープ変速軸36に形設した歯車47に噛合している。また、副変速第二軸45には入力クラッチスライダ91が軸方向摺動可能にスプライン嵌合され、図示せぬクリープ変速レバーに連係されている。従って、該入力クラッチスライダ91は、上記クリープ変速レバーの操作により副変速軸35又はクリープ変速歯車46のいずれか一に噛み合って、その回転を副変速第二軸45に伝達可能としている。即ち、該入力クラッチスライダ91の摺動に基づく選択により、副変速軸35の回転又は副変速軸35からクリープ変速軸36によるクリープ変速を経た回転のいずれか一が、副変速第二軸45に入力される。
【0017】
また、出力軸48が副変速第二軸45と平行に軸支され、該出力軸48には二枚の伝達歯車49・50が固設される。該伝達歯車49・50は副変速第二軸45に遊嵌された二枚の変速歯車59・60に噛合している。また、副変速第二軸45には出力クラッチスライダ92が軸方向摺動可能にスプライン嵌合されている。該出力クラッチスライダ92は図略の副変速レバーに連係されている。従って、副変速レバーの操作により出力クラッチスライダ92が摺動され、二枚の変速歯車59・60のいずれか一に噛み合って、該副変速第二軸45の回転を二枚の変速歯車59・60のいずれか一に伝達可能としている。従って、出力クラッチスライダ92の摺動に基づく選択により、副変速第二軸45の回転が二段の変速を経て出力され、出力軸48に入力される。
【0018】
トランスミッションハウジング後部9bには後輪デフ部66bが配置され、前記出力軸48の回転が、その後端に形設したベベルギア20を介して該後輪デフ部66bに入力され、リアアクスルケース内の車軸、伝達歯車等を経由して後輪2を駆動する。
【0019】
次に、PTO伝動系について説明する。即ち、トランスミッションハウジング前部9a内には主軸25と平行にPTOクラッチ軸29が配置され、該PTOクラッチ軸29には四枚のPTO変速歯車、即ちPTO一速歯車61、PTO二速歯車62、PTO三速歯車63、PTO四速歯車64が遊嵌される。該PTO変速歯車61・62・63・64は、主軸25に固設あるいは形設した四枚の前記伝達歯車41・42・43・44に噛合しており、主軸25の回転により該PTO変速歯車61・62・63・64が異なる回転数で回転される。また、PTOクラッチ軸29にはPTO逆転歯車65が遊嵌され、該PTO逆転歯車65は、走行クラッチ軸24に遊嵌された前述の主変速一速歯車31に噛合している。即ち、該主変速一速歯車31は、PTO逆転付与機構のアイドルギアとしての役割をも果たす。
【0020】
また、PTOクラッチ軸には二つのPTOクラッチスライダ93・94が軸方向摺動可能にスプライン嵌合される。また、該PTOクラッチスライダ93・94は、図略のPTO変速レバーに連係されている。従って、両PTOクラッチスライダ93・94の摺動に基づく選択により、主軸の回転が四段階の変速を経た後にPTO軸に伝達される。また、主変速一速歯車31、PTO逆転歯車65を介して、主軸25の回転が正逆変換されてPTOクラッチ軸29に伝達される。即ち、正転四速、逆転一速の変速が両軸25・29の間に行われる。前記PTOクラッチ軸29はPTO軸15に相対回転不能に連結される。該PTO軸15は後方に延出され、トラクタ後端に接続された作業機100を駆動する。
【0021】
次に、前車軸伝動系について説明する。即ち、前記PTO軸15にはパイプ状の前輪入力軸55が遊転可能に外嵌され、該前輪入力軸55と平行に前輪クラッチ軸30が軸支される。前記前輪入力軸55には入力歯車67が固設され、該入力歯車67は前記出力軸48に固設された二枚の伝達歯車のうちの一枚49に噛合している。該前輪入力軸55には更に二枚の変速歯車18・19が固設され、該変速歯車は前輪クラッチ軸30に遊嵌された二枚の歯車、即ち四輪駆動側歯車68及び前輪倍速側歯車69にそれぞれ噛合している。
【0022】
そして、図略の4WD・前輪倍速切替スイッチに連動する油圧制御弁の操作により、二つの油圧クラッチ78・79のいずれか一が選択され接続されて、前輪入力軸55の回転が略二倍の増速あるいは略等速で前輪クラッチ軸30に伝達される。前輪クラッチ軸30の回転は前端に連結する前輪伝達軸14、ユニバーサルジョイント等を介して前輪側のデフ部66aに入力され、フロントアクスルケース内の車軸、伝達歯車等を介して前輪1を駆動する。
【0023】
以上構成のトラクタに具備される油圧回路の構成を、図5をもとに説明する。即ち、油タンク(ミッションケース)71内の作動油はサクションストレーナ73を経て二方向に分岐され、一方は走行系油圧ポンプ72によりパワーステアリングユニット74に圧送される。このパワーステアリングユニット74は、ステアリングハンドル10を操作するのに必要なトルクを低減すべく設けられるものであって、ステアリングハンドル10に連動した切換弁75により、前輪操向装置に連結された複動シリンダ76が駆動され、前輪1に舵取り角を与えることとしている。
【0024】
パワーステアリングユニット74を経た作動油は三つに分岐され、一つは主変速レバー77に連動した主変速コントロールバルブ80により、四つの油圧クラッチ51・52・53・54のいずれか一を作動させ、主変速を行う。もう一つは比例減圧弁81を経て、リバーサレバー82に連動したリバーサコントロールバルブ83により、二つのリバーサ用油圧クラッチ56・57のうちいずれか一を作動させ、トラクタの前進又は後進の切り換えを行う。前記比例減圧弁81は電磁バルブよりなる切換弁より構成されている。残りは電磁コントロールバルブ95を経て、二つの油圧クラッチ78・79のうちいずれか一を作動させて、前輪増速又は四輪駆動の切り換えを行う。前輪増速時は、更に後輪左右に設けられるブレーキ装置84・85のうち旋回内側のものを作動させて、旋回半径を小さいものとしている。
【0025】
次に、作業機制御系の油圧回路について説明する。前記油タンク71からサクションストレーナ73を経て分岐された作動油は、作業機用油圧ポンプ86により、外部油圧取出部87を経て作業機制御用ユニット88に圧送される。そして、作業機昇降用シリンダ89及び作業機水平制御シリンダ90を適宜作動させ、トラクタ後端に連結された作業機の昇降及び水平制御を行う。
【0026】
次に、上記のリバーサ用油圧クラッチ56・57に圧力を供給する比例減圧弁81の制御について、図6及び図7を用いて説明する。図6は比例減圧弁の制御装置の構成図である。図7は制御装置の制御フローを示した図である。即ち、図5及び図6に示す比例減圧弁81はソレノイド電磁切換型のものであって、制御装置96に電気的に接続されており、該制御装置96が送出する信号のデューティ比により圧力が制御される。尚、97は該制御装置96に電力を供給するバッテリーである。そして、前記の始動安全スイッチ17のON又はOFFの情報がこの制御装置96に入力され、該制御装置96はその情報をもとに比例減圧弁81を以下のように制御する。
【0027】
即ち、図7に示す如く、始動安全スイッチがOFFのときは、制御装置96はクラッチペダル16が踏み込まれていないものと、即ちメインクラッチ21が接続状態にあるものと判断し、上記比例減圧弁81を十分な圧力に保つべく信号を送る。従って、リバーサコントロールバルブ83に十分な圧力が供給され、該リバーサコントロールバルブ83に連係するリバーサレバー82が前進又は後進位置にある場合は、それに対応して二つのリバーサ用油圧クラッチ56・57のうち一つが接続される。
【0028】
一方、始動安全スイッチ17がONのときは、制御装置96はクラッチペダル16が踏み込まれているものと、即ちメインクラッチ21が切断されたものと判断し、上記比例減圧弁81を切り換える信号を送り、リバーサコントロールバルブ83のポンプポートをドレンして圧力がゼロとする。従って、上記リバーサレバー82が前進、後進、ニュートラルのどの位置にあったとしても、リバーサコントロールバルブ83に油圧が供給されないので、二つリバーサ用油圧クラッチ56・57のいずれも作動せず、走行クラッチ軸24と副変速軸35との接続が断たれる。即ち、メインクラッチ21より車軸側に位置するリバーサ用油圧クラッチ56・57を切断することにより、クラッチペダル16踏込み時にメインクラッチ21に生じる連れ回りトルクの車軸への伝達が防止されるのである。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏するのである。
エンジンからの出力を湿式多板式のメインクラッチを介して車軸伝動系に伝達し、かつ 、車軸回転を正逆変換するための前進側リバーサ用油圧クラッチと後進側リバーサ用油圧クラッチを、前記車軸伝動系に設けた構成の農用トラクタにおいて、前記メインクラッチの断接を操作するクラッチペダルの近傍に始動安全スイッチを配設し、該始動安全スイッチはクラッチペダルを踏み込んで、メインクラッチを断にした場合にONとなるように構成し、該始動安全スイッチは前記エンジンのフライホイールを回転させるキースイッチとスタータモーター回路に電気的に接続し、前記リバーサ用油圧クラッチへの圧油を切換制御するリバーサコントロールバルブの圧油送油回路に、電磁バルブよりなる切換弁を設け、該切換弁と前記始動安全スイッチとを制御装置に電気的に接続し、前記クラッチペダルを踏込みにより、該メインクラッチの切断時に、該メインクラッチより車軸側に位置するリバーサ用油圧クラッチを切断することにより、該メインクラッチが湿式多板式クラッチである為に、作動油の粘性により発生する連れ回りトルクの車軸への伝達を防止するので、メインクラッチ切断時に切換弁を切り換えて圧油を送油しなくすることで、リバーサ用油圧クラッチは断の状態となり、メインクラッチ切断時に発生する連れ回りトルクが車軸に伝達されるのを連れ回り防止用ブレーキ等を付加することなく防止できる。
従って、車軸伝動系にブレーキ等を特別に設ける必要がなく、簡素な構成となり、部品の点数を削減でき、コストが低減できる。
【0030】
また、前記メインクラッチの断接を検出する検出手段を始動安全スイッチとしたので、既設の始動安全スイッチをメインクラッチ切断の検出手段として兼用することができ、検出手段を特別に設ける必要もなくなり、更に簡素な構成となって部品点数削減、コスト低減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る農用トラクタの全体的な構成を示した側面図。
【図2】 クラッチペダル及び始動安全スイッチの位置を示した側面図。
【図3】 メインクラッチ及びトランスミッションの構成を示した側面断面展開図。
【図4】 本トラクタの動力伝達構成を示したスケルトン図。
【図5】 本トラクタの油圧回路図。
【図6】 比例減圧弁の制御装置の構成図。
【図7】 制御装置の制御フローを示した図。
【符号の説明】
5 エンジン
16 クラッチペダル
17 始動安全スイッチ
21 メインクラッチ
56 リバーサ用油圧クラッチ(前進側)
57 リバーサ用油圧クラッチ(後進側)
81 比例減圧弁
96 制御装置
Claims (1)
- エンジンからの出力を湿式多板式のメインクラッチを介して車軸伝動系に伝達し、かつ、車軸回転を正逆変換するための前進側リバーサ用油圧クラッチと後進側リバーサ用油圧クラッチを、前記車軸伝動系に設けた構成の農用トラクタにおいて、前記メインクラッチの断接を操作するクラッチペダルの近傍に始動安全スイッチを配設し、該始動安全スイッチはクラッチペダルを踏み込んで、メインクラッチを断にした場合にONとなるように構成し、該始動安全スイッチは前記エンジンのフライホイールを回転させるキースイッチとスタータモーター回路に電気的に接続し、前記リバーサ用油圧クラッチへの圧油を切換制御するリバーサコントロールバルブの圧油送油回路に、電磁バルブよりなる切換弁を設け、該切換弁と前記始動安全スイッチとを制御装置に電気的に接続し、前記クラッチペダルを踏込みにより、該メインクラッチの切断時に、該メインクラッチより車軸側に位置するリバーサ用油圧クラッチを切断することにより、該メインクラッチが湿式多板式クラッチである為に、作動油の粘性により発生する連れ回りトルクの車軸への伝達を防止することを特徴とする農用トラクタ。
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