JP4032313B2 - プロジェクション溶接用ボルトおよびその溶接方法 - Google Patents

プロジェクション溶接用ボルトおよびその溶接方法 Download PDF

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Description

この発明は、軸部と、この軸部と一体的に形成された拡径部と、この拡径部の中央に配置された溶着用突起によって構成されたプロジェクション溶接用ボルトおよびその溶接方法に関するものである。
下記の特許文献1に開示されているプロジェクションボルトは、図5(A)に示した形状である。このプロジェクションボルト20は鉄製であり、雄ねじが形成された軸部21と、この軸部21と一体的に形成され軸部21の直径よりも大径とされた円形の拡径部22と、前記軸部21とは反対側の拡径部中央に配置された円形の溶着用突起23とによって構成されている。そして、前記溶着用突起23は、拡径部22よりもわずかに小径とされた円形の***形状部であり、小さな傾斜角のテーパ部24と中心部が尖った形状の頂部25を備えている。
一方、下記の特許文献2に開示されているプロジェクションボルトは、図5(B)に示した形状である。このプロジェクションボルト20は鉄製であり、溶着用突起の形状が(A)図に示したものと異なっている。すなわち、拡径部22の端面は外周側が低くなったテーパ面26とされ、その中央部に溶着用突起27が形成されている。この溶着用突起27は、その端面に小さな傾斜角のテーパ部28と中心部が尖った形状の頂部29を備えている。
図5(A),(B)のプロジェクションボルト20が鋼板部品30に電気抵抗溶接で溶接されると、同図(C)に示すように周囲に隙間L1ができた溶着状態になったり、あるいは同図(D)に示すように隙間L1がなく全面的な溶着状態になったりする。なお、各図において黒く塗りつぶした部分が溶着部分であり、符号31で示されている。
特開平7−223078号公報 特開2004−174599号公報
図5(A)のボルト20が溶接されると、同図(C)に示す溶着状態になる。この場合、溶着面積が広くて電流密度が全般的に小さくなるので、鋼板部品30側の溶融深さL2がわずかな量となる。このように溶融深さL2がわずかであると、溶接強度を十分に確保することができず、軸部21に軸部を傾倒させる方向の曲げ荷重が作用すると、溶着部分が容易に剥離しやすくなる。まして隙間L1が存在していると、曲げ荷重によって一層剥離しやすくなる。あるいは、隙間L1によって軸部21が傾いた状態で溶接されるおそれがある。さらに、隙間L1が存在すると、鋼板部品30の表面から軸部21の端部までの長さすなわち軸部長さL3にばらつきが発生し、精度面での品質において良好ではない。
また、図5(D)に示すような全面が密着した状態になると、隙間L1の問題は発生しないが、やはり溶融深さL2がわずかであることから、上述と同様な溶接強度の問題が発生する。
図5(B)に示すボルト20が溶接されると、溶着状態は同図(C)および(D)に示すようなものとなる。初期の段階で溶着用突起27が急速に溶融し、それに引き続いてテーパ面26の部分へ溶融が拡大してゆく。したがって、溶融部分は平面的に拡大する傾向が強く現れるので、溶融深さL2は浅くなる。
上述の溶接深さL2を大きくして溶接強度を高めるために、電流値を高くしたり通電時間を長くしたりすると、鋼板部品30に、その厚さ全体におよぶような異常溶融すなわち鋼板部品30の厚さ全体が溶損した過剰溶融が発生しやすくなる。他方、拡径部22の側でも過剰溶融が発生し、拡径部22の厚さが小さくなる。鋼板部品30の側で前記過剰溶融が発生すると、前述の曲げ荷重が反復して作用することにより、溶融部と非溶融部との境界部が破断しやすくなる。さらに、厚さ方向の過剰溶融により、その部分の鋼板部品の厚さが他の部分よりも薄くなり、わずかな曲げ荷重で鋼板部品が破損することになる。また、拡径部22の厚さまでもが変化するようになると、軸部長さL3を均一に整えることが困難になる。さらに、上記過剰溶融が鋼板部品30に発生すると、著しい場合には、鋼板部品30が溶損することもあり、電流値を高めたり通電時間を長くしたりすることは、上記のような弊害を生むことになる。そして、消費電力も増大して不経済になる。
また、特許文献2には、溶着範囲が溶着用突起27よりも広くて中央部に形成されていることが開示されているが、溶融深さL2が浅いので溶接強度を十分に確保することができない。さらに、特許文献2に開示されている技術は、加圧時に溶着用突起によって鋼板部品の厚さをあらかじめ薄くするものである。したがって、薄くなった箇所において十分な溶融深さを求めることが行いにくい。さらに、加圧力を大きく設定する必要があり、しかも加圧力を均一に制御することが重要な因子になっている。このような均一な値の加圧力は、精度の高い制御が要求されるので、実用面で得策ではない。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、狭い領域で溶融深さの大きな部分を形成し、それ以外の部分で鋼板部品への密着を確保して、高い溶接強度と安定した密着状態が得られるプロジェクション溶接用ボルトおよびその溶接方法を提供することを目的とする。
以下の説明において、プロジェクションボルトを単にボルトと表現する場合もある。
問題を解決するための手段
請求項1記載の発明は、雄ねじが形成された軸部と、この軸部と一体的に形成され軸部の直径よりも大径とされた円形の拡径部と、端面に外周側が低くなる小さな傾斜角のテーパ部を有する初期溶融部とこの初期溶融部に連なる主溶融部からなるとともに前記軸部とは反対側の拡径部中央に配置されている円形の溶着用突起とによって形成され、この溶着用突起はそれだけが溶融する溶接電流が通電されるものであり、溶着用突起を鋼板部品に加圧後通電することにより、溶着用突起の領域が鋼板部品に溶着しその外周側の拡径部の端面が鋼板部品の表面に密着するように構成したものであって、前記拡径部の端面に、拡径部の外周部と前記溶着用突起の基部とを前記外周部側が低くなる傾斜面で接続することによって塑性変形部が形成され、この塑性変形部は、前記傾斜面の傾斜角に応じた厚さを有し前記溶着用突起の溶融にともなって溶融する中央部の円形の溶融部と、前記基部から外周部に向かう前記傾斜面によって厚さが次第にうすくなるとともに前記溶融部の外周側に配置された環状の軟化部からなり、この軟化部の体積は溶融部の体積よりも大きく設定されているとともに溶融部の体積に対する軟化部の体積の比が1.2〜1.8とされ、前記軟化部は前記溶融部からの溶融熱によって軟化するとともに前記加圧によって中央の変形性のある溶融部分の方へ流動するように構成されていることを特徴とするプロジェクション溶接用ボルトである。
発明の効果
前記溶着用突起が鋼板部品に加圧された後、溶接電流が通電されると、通電初期の段階で前記初期溶融部がその全域にわたって溶融する。この溶融は、初期溶融部に傾斜角の小さなテーパ部が形成されているので、加圧にともなって直径方向に放射状のほぼ平面的な溶融範囲が円形に拡大してゆく。このような初期溶融部の全域溶融は、主溶融部の円形断面全体の溶融に移行してボルトの軸線方向に溶融が進行する。このような溶融進行が完了する時期には溶着用突起の面積範囲で鋼板部品においても溶融が進行している。この時期に通電が停止されることにより、溶融範囲が溶着用突起の領域に限定された状態となる。そして、前述の加圧によって溶着用突起の外周側の拡径部の端面が鋼板部品の表面に密着する。
上述のように、初期溶融部の全面的な溶融が主溶融部の円形断面全体の溶融と化してボルトの軸線方向に進行するものであるから、それにともなって鋼板部品側に生じる溶融は溶着用突起の領域に限定されたものとなる。このように限定された溶融であるから、鋼板部品側の溶融深さが大きくなり溶接強度が向上する。同時に、溶着用突起の外周側の拡径部の端面が鋼板部品の表面に密着するので、中央部における十分な溶接強度と前記密着が複合して、ボルトの傾きがなく軸部長さの均一な高い溶接強度が確保できる。したがって、曲げ荷重が作用したりしても、容易に溶着部が剥離するようなことがない。さらに、溶着用突起だけを溶融させる通電条件であるから、溶着用突起の体積に適合した電流値や通電時間などの通電条件を設定すればよく、通電条件を設定する因子が単純化されて通電制御が行いやすくなり、溶接品質が安定する。同時に、電力消費が少なくなって経済的である。
すなわち、中央部における溶融深さの大きな溶着状態が狭い領域において形成され、この溶着部分から離隔した拡径部の周縁部分までの端面領域が鋼板部品に密着している。したがって、溶接強度は中央部において確保され、曲げ荷重に対しては前記密着と中央部の溶着によって高い剛性が得られる。
前記塑性変形部は、前記傾斜面の傾斜角に応じた厚さを有する中央部の円形の溶融部と、前記基部から外周部に向かって厚さが次第にうすくなる環状の軟化部とによって構成されている。溶着用突起だけが溶融されてもそれに連なる塑性変形部の溶融部も溶融状態になり、この溶融熱が前記軟化部に伝熱されてこの部分が軟化する。加圧力は継続的に作用しているので、軟化部の金属材料が中央の溶融部分の方へ流動しながら、傾斜した拡径部すなわち軟化部の端面が鋼板部品の表面に密着してゆく。
上記の軟化部の金属材料は、加圧によって外周側に流動しようとするが、その反力によって中央の変形性のある溶融部分の方へ流動し、前記密着がなされるのである。このとき中央の溶融部分に対して外周側から金属材料の流動圧が作用するので、溶融部分はボルトの軸方向に拡大成長し、それによって鋼板部品の溶融深さが増大する。そして、軟化部は溶融部に近い厚さの大きな部分の方が外周側に比して高温であるから、肉厚の大きな箇所の変形性が十分に得られ、溶融部側への金属材料の流動が良好に確保できる。このような金属材料の流動現象は、軟化部の体積が溶融部の体積よりも大きく設定されているとともに溶融部の体積に対する軟化部の体積の比が1.2〜1.8であることによって、良好になされている。つまり、軟化部の溶融部に対する熱容量が大きくなり、軟化部は溶融部からの加熱で溶融状態にいたることがなく、軟化促進に適した加熱を受けることになる。
上述のような塑性変形部の溶融と変形挙動であるから、溶着用突起の領域に限定された部分の溶融が形成され、しかもその溶融深さが溶接強度面で十分な値になる。また、軟化部は溶着用突起や溶融部の溶融熱で加熱されているので、その変形性が良好なものとなり、傾斜した拡径部の端面が鋼板部品の表面に確実に密着する。
請求項2記載の発明は、前記傾斜面の外周側に傾斜のない平面部が設けられている請求項1記載のプロジェクション溶接用ボルトである。このような平面部も鋼板部品の表面に密着して、前述のような作用効果を発揮する。
請求項3記載の発明は、前記拡径部の直径に対する溶着用突起の直径の比が、0.3〜0.6である請求項1または請求項2記載のプロジェクション溶接用ボルトである。
前記の比が0.3未満であると、溶融範囲が過小になり、溶接強度が不十分になる。また、前記の比が0.6を超えると、溶融範囲は十分に確保できるが、拡径部の端面と鋼板部品の表面との密着部分における直径方向の寸法が不足し、軸部の曲げ荷重に対する剛性が確保できなくなる。したがって、上述の比が0.3〜0.6に設定されることにより、十分な溶接強度が確保できる。
請求項4記載の発明は、前記初期溶融部の体積に対する前記主溶融部の体積の比が、4.0〜6.5である請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルトである。
前記の比が4.0未満であると、初期溶融部の体積が過大となってそれ自体の熱容量が過剰になるとともに溶着用突起としての体積も過大となるので、溶着用突起全体の溶融によって鋼板部品の厚さ方向の溶融量が過剰になって、適正な溶接強度が得られない。また、前記の比が6.5を超えると、初期溶融部の体積が過小となってそれ自体の熱容量が不十分となるので、主溶融部を連続的に溶融させることが不可能となり、結果的には鋼板部品の溶融深さに不足が生じる。したがって、上述の比が4.0〜6.5に設定されることにより、十分な溶接強度が確保できる。
請求項5記載の発明は、前記溶着用突起の体積は塑性変形部の体積よりも小さく設定されている請求項1〜請求項4のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルトである。
溶着用突起の体積は、塑性変形部の体積よりも小さく設定されているので、溶着用突起を溶融させる熱量によって塑性変形部を外周側へ向かって溶融する状態に至ることがなく、塑性変形部は加熱状態にとどめられる。つまり、継続的に発生するジュール熱が溶着用突起の溶融部分をへて徐々に塑性変形部へ伝熱され、溶融部の溶融はなされるが軟化部は溶融までにいたることがなく、軟化する程度の加熱がなされる。このために、溶融範囲が溶着用突起の領域に限定され、しかも鋼板部品の厚さ方向の溶融が促進されて、所定の溶融深さが得られる。
請求項6記載の発明は、前記溶着用突起の体積に対する前記塑性変形部の体積の比が、1.3〜2.0である請求項1〜請求項5のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルトである。
前記の比が1.3未満になると、塑性変形部の体積が溶着用突起の体積に対して過小になり、溶着用突起の溶融熱によって塑性変形部の軟化部が外周側に向かって溶融して行くようになる。このように溶着用突起の溶融熱が軟化部の溶融に費やされるので、鋼板部品の厚さ方向の溶融量が不十分になり、溶融深さが不足することになる。それと同時に、塑性変形部が外周方向に溶融すると、溶融範囲は大きくなるが溶融深さが不足した状態になる。また、前記の比が2.0を超えると、塑性変形部の体積が溶着用突起の体積に対して過大になり、溶着用突起の溶融熱による軟化部の加熱が不十分になり、軟化部の軟化が得られなくなる。そのため、鋼板部品の厚さ方向の溶融量も不十分になり、溶融深さが不足することになる。したがって、上述の比が1.3〜2.0に設定されることにより、十分な溶接強度が確保できる。
請求項7記載の発明は、前記初期溶融部のテーパ部の傾斜角度は、5〜14度である請求項1〜請求項6のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルトである。
前記の傾斜角度が5度未満であると、わずかな加圧変位であっても溶着部分の拡大が急速に進行するので、加圧力の制御が困難となる。また、加圧にともなって電流密度の低下が急速に進行するので、ジュール熱の発生が緩慢になり、それによって主溶融部への溶融移行が円滑に行われない状態になる。また、傾斜角度が14度を超えると、大きな加圧変位であっても溶着部分の拡大進行が緩慢となるので、やはり加圧力の制御が困難となり、同時に主溶融部への溶融移行が円滑に行われない状態になる。さらに、傾斜角度が14度を超えて大きくなると、塑性変形部の体積に対する溶着用突起の体積が大きくなり、塑性変形部における適正な加熱や軟化が不可能となる。したがって、上述の傾斜角度が5〜14度に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
請求項8記載の発明は、前記塑性変形部の傾斜面の傾斜角度は、5〜14度である請求項1〜請求項7のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルトである。
前記の傾斜角度が5度未満であると、軟化部の金属材料が加圧によって中央の溶融部分の方へ流動する力成分が小さくなるので、溶融部分に対する外周側から加圧力が不足し、溶融部分のボルト軸方向の拡大成長が緩慢になって溶融深さが十分に確保できない。同時に、溶着用突起の体積に対する塑性変形部の体積が過小になり、両体積の比が適正に求められなくなる。また、前記の傾斜角度が14度を超えると、溶着用突起の体積に対する塑性変形部の体積が過大になり、溶着用突起の溶融熱で塑性変形部の溶融部を溶融したり、軟化部を加熱したりすることが困難になる。同時に、塑性変形部の方へ溶着用突起の溶融熱が過剰に奪われるので、鋼板部品の溶融深さが不十分になる。したがって、上述の傾斜角度が5〜14度に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
上述の請求項3〜請求項8に記載した種々な数値などを特定することにより、溶着用突起だけの溶融によって溶融範囲が前述のように限定され、適正な溶融深さが確保され、しかも拡径部端面が鋼板部品の表面に確実に密着するのである。
請求項9記載の発明は、前述の問題を解決するために提供されたものであり、雄ねじが形成された軸部と、この軸部と一体的に形成され軸部の直径よりも大径とされた円形の拡径部と、端面に外周側が低くなる小さな傾斜角のテーパ部を有する初期溶融部とこの初期溶融部に連なる主溶融部からなるとともに前記軸部とは反対側の拡径部中央に配置されている円形の溶着用突起とによって形成されたプロジェクション溶接用ボルトを準備し、前記溶着用突起を鋼板部品に加圧後通電し、この加圧通電条件を溶着用突起だけが溶融してその領域が鋼板部品に溶着しその外周側の拡径部の端面が鋼板部品の表面に密着するように設定して溶接するものであって、前記プロジェクション溶接用ボルトには、前記拡径部の外周部と前記溶着用突起の基部とを前記外周部側が低くなる傾斜面で接続した塑性変形部が形成され、この塑性変形部は、前記傾斜面の傾斜角に応じた厚さを有し前記溶着用突起の溶融にともなって溶融する中央部の円形の溶融部と、前記基部から外周部に向かう前記傾斜面によって厚さが次第にうすくなるとともに前記溶融部の外周側に配置された環状の軟化部からなり、この軟化部の体積は溶融部の体積よりも大きく設定されているとともに溶融部の体積に対する軟化部の体積の比が1.2〜1.8とされ、前記加圧により円形の前記溶融部の溶融熱によって前記軟化部の変形を促進し軟化部を中央の変形性のある溶融部分の方へ流動させることを特徴とするプロジェクション溶接用ボルトの溶接方法である。
上述のように、溶着用突起だけが溶融してその領域が鋼板部品に溶着しその外周側の拡径部の端面が鋼板部品の表面に密着するような加圧通電条件が設定されている。このときの溶融進行の状態は、初期溶融部の全面的な溶融が主溶融部の円形断面全体の溶融と化してボルトの軸線方向に進行し、それにともなって鋼板部品側に生じる溶融は溶着用突起の領域に限定されたものとなる。このように限定された溶融であるから、鋼板部品側の溶融深さが大きくなり溶接強度が向上する。同時に、溶着用突起の外周側の拡径部の端面が鋼板部品の表面に密着するので、中央部における十分な溶接強度と前記密着が複合して、ボルトの傾きがなく軸部長さの均一な高い溶接強度が確保できる。したがって、曲げ荷重が作用したりしても、容易に溶着部が剥離するようなことがない。さらに、溶着用突起だけを溶融させる通電条件であるから、溶着用突起の体積に適合した電流値や通電時間などの通電条件を設定すればよく、通電条件を設定する因子が単純化されて通電制御が行いやすくなり、溶接品質が安定する。同時に、電力消費が少なくなって経済的である。
すなわち、中央部における溶融深さの大きな溶着状態が狭い領域において形成され、この溶着部分から離隔した拡径部の周縁部分までの端面領域が鋼板部品に密着している。したがって、溶接強度は中央部において確保され、曲げ荷重に対しては前記密着と中央部の溶着によって高い剛性が得られる。
上述のような溶融範囲,溶融深さおよび拡径部端面の密着を良好な状態で確保するために、加圧通電条件が設定されている。この条件は、溶着用突起だけを溶融させる条件として、電流値や通電時間が所定値に設定され、とくに通電時間が重要である。通電は加圧後に開始され、初期溶融部の溶融開始から主溶融部の溶融完了時期まで継続される。また、鋼板部品に対する加圧力は、溶着用突起の溶融範囲が外周側に拡大することがなく、しかも鋼板部品の溶融深さが所定の値になるように設定される。そして、拡径部端面は、前記の溶融範囲,溶融深さが適正に求められることに連携した状態で、鋼板部品の表面に密着するのである。
前記塑性変形部は、前記傾斜面の傾斜角に応じた厚さを有する中央部の円形の溶融部と、前記基部から外周部に向かって厚さが次第にうすくなる環状の軟化部とによって構成されている。溶着用突起だけが溶融されてもそれに連なる塑性変形部の溶融部も溶融状態になり、この溶融熱が前記軟化部に伝熱されてこの部分が軟化する。加圧力は継続的に作用しているので、軟化部の金属材料が中央の溶融部分の方へ流動しながら、傾斜した拡径部すなわち軟化部の端面が鋼板部品の表面に密着してゆく。
上記の軟化部の金属材料は、加圧によって外周側に流動しようとするが、その反力によって中央の変形性のある溶融部分の方へ流動し、前記密着がなされるのである。このとき中央の溶融部分に対して外周側から金属材料の流動圧が作用するので、溶融部分はボルトの軸方向に拡大成長し、それによって鋼板部品の溶融深さが増大する。そして、軟化部は溶融部に近い厚さの大きな部分の方が外周側に比して高温であるから、肉厚の大きな箇所の変形性が十分に得られ、溶融部側への金属材料の流動が良好に確保できる。このような金属材料の流動現象は、軟化部の体積が溶融部の体積よりも大きく設定されているとともに溶融部の体積に対する軟化部の体積の比が1.2〜1.8であることによって、良好になされている。つまり、軟化部の溶融部に対する熱容量が大きくなり、軟化部は溶融部からの加熱で溶融状態にいたることがなく、軟化促進に適した加熱を受けることになる。
上述のような塑性変形部の溶融と変形挙動であるから、溶着用突起の領域に限定された部分の溶融が形成され、しかもその溶融深さが溶接強度面で十分な値になる。また、軟化部は溶着用突起や溶融部の溶融熱で加熱されているので、その変形性が良好なものとなり、傾斜した拡径部の端面が鋼板部品の表面に確実に密着する。
請求項10記載の発明は、前記傾斜面の外周側に傾斜のない平面部が設けられている請求項9記載のプロジェクション溶接用ボルト溶接方法である。このような平面部も鋼板部品の表面に密着して、前述のような作用効果を発揮する。
請求項11記載の発明は、溶着用突起の領域とそれに対向する鋼板部品を溶融する加圧通電条件は、電流値が8000〜15000A、通電時間が5〜15サイクル、加圧力が2000〜5000Nである請求項9または請求項10記載のプロジェクション溶接用ボルトの溶接方法である。
このような加圧通電条件が設定されているので、溶融範囲が溶着用突起の範囲に設定され、溶融深さを所定値に設定することができる。
請求項12記載の発明は、溶接電流の通電により、初期溶融部全域通電初期段階で溶融し、それに引き続主溶融部の溶融を終了させ、前記通電は主溶融部の溶融が終了する時期まで行われる請求項9〜請求項11のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルトの溶接方法である。
このような通電制御を行うことによって、溶着用突起だけを適確に溶融させることができる。
また、後述の実施例から明らかなように、請求項3〜請求項8に記載の各種数値などを特定して、請求項9〜請求項12に記載した溶接方法を実施することにより、前述のような良好な溶接が実現する。
つぎに、本発明のプロジェクション溶接用ボルトおよびその溶接方法を実施するための最良の形態を説明する。
プロジェクション溶接用ボルトの寸法や形状について説明する。
鉄製のプロジェクション溶接用ボルトの形状は、図1(A)に示されている。このボルト1は、雄ねじが形成された軸部2と、この軸部2と一体的に形成され軸部2の直径よりも大径とされた円形の拡径部3と、前記軸部2とは反対側の拡径部中央に配置された円形の溶着用突起4と、前記拡径部3の外周部と前記溶着用突起4の基部5とを前記外周部側が低くなる傾斜面6で接続することによって形成された塑性変形部7とによって形成されている。なお、前記の「外周部側が低くなる」というのは、図1(A)において、外周部側が軸部2の下端側に接近した傾斜方向であることを意味している。そして、符号8は軸部2の外周面に形成された雄ねじであり、ねじ山は谷部と山部を有している。
前記溶着用突起4は、図4に示すように、初期溶融部4Aと主溶融部4Bから構成されている。前記初期溶融部4Aは、溶着用突起4の端面に外周側が低くなる小さな傾斜角のテーパ部15を設けることによって形成された平たい形状の円錐形状部である。この初期溶融部4Aの中央部に尖った形状の頂部16が形成されている。そして、主溶融部4Bは初期溶融部4Aに連なった状態で形成されている。
塑性変形部7の形状について説明する。
図4に示すように、前記塑性変形部7は、溶着用突起4(主溶融部4B)と拡径部3との間の扁平な円形の金属材料部であり、その部分だけを抽出して示した断面形状が図4(B)である。傾斜面6の傾斜角に応じた厚さを有する中央部の円形の部分が、溶融部7Aである。この溶融部7A(基部5の箇所)から外周部に向かって厚さが次第にうすくなる環状の部分が、軟化部7Bである。この軟化部7Bの断面は、図4(B)に示すように、楔型である。
なお、前記傾斜面6の傾斜角度は、軸部2の軸線が垂直に交わっている仮想平面との間で形成される角度を意味している。溶着用突起4のテーパ部15の傾斜角度も、同様である。フランジ状の拡径部3と塑性変形部7と溶着用突起4によってボルト1の頭部が形成されている。前記傾斜面6が拡径部3の端面である。図1(A)と図4(A)には、傾斜面6の外周側に設けられた傾斜のない平面部3Aが図示され、これも拡径部3の端面である。
図2は、ボルト1が鋼板部品9に溶接される状態を示す断面図である。可動電極10は、エアシリンダまたは進退出力型の電動モータなど(図示していない)で進退動作をする。その端面中央部に可動電極10の長手方向に受入孔11があけられ、その奥部に永久磁石12が取り付けてある。鋼板部品9は可動電極10と同軸状態で配置された固定電極13上に載置されている。
作業者または供給ロッドによって、軸部2が可動電極10の受入孔11に挿入され、永久磁石12で吸引されてボルト1が可動電極10に保持される。このときには、可動電極10の端面14が拡径部3の裏面に密着している。図2は、ボルト1を保持した可動電極10が進出してきて、溶着用突起4が鋼板部品9に加圧されている状態を示している。この状態で溶接電流が通電されて、鋼板部品9への溶接がなされる。
図1(B)には、実施例の寸法状態などを理解しやすくするために、各部の寸法や傾斜角度が記載されている。この図に示すように、軸部2の直径は5mm、拡径部3の直径と厚さはそれぞれ10mmと1.5mm、溶着用突起4の基部5すなわち溶着用突起4の付け根部分の直径は5mmである。
さらに、溶着用突起4の端面(テーパ部15)の直径は4.5mm、溶着用突起4の基部5から頂部16までの高さは1.0mm、初期溶融部4Aの高さ(厚さ)は0.35mm、塑性変形部7の高さ(厚さ)は0.5mm、傾斜面6の傾斜角度θ1は9度、溶着用突起4のテーパ部15の傾斜角度θ2は9度である。
したがって、拡径部3の直径に対する溶着用突起4の直径の比は、0.5である。また、軸部2の直径に対する拡径部3の直径の比は、2.0である。
図4は、拡径部3,塑性変形部7,溶着用突起4および溶着用突起4を構成する初期溶融部4Aと主溶融部4Bの各部分の体積を示すための区分図である。図1に示した寸法や傾斜角度を有するボルト1の各部体積は、拡径部3が117.75mm、塑性変形部7が24.53mm、溶着用突起4が14.80mm、初期溶融部4Aが2.38mm、主溶融部4Bが12.42mmである。そして、塑性変形部7における溶融部7Aが9.81mm、軟化部が14.72mmである。上記数値から明らかなように、溶着用突起4の体積は塑性変形部7の体積よりも小さく設定されている。
そして、初期溶融部4Aの体積に対する主溶融部4Bの体積の比は、5.2である。溶着用突起4の体積に対する塑性変形部7の体積の比は、1.66である。また、溶着用突起4の体積と塑性変形部7の体積の和に対する拡径部3の体積の比は、2.99である。そして、溶着用突起4の体積と塑性変形部7の体積との合計体積は、拡径部3の体積よりも小さく設定されている。
上述の各部寸法から明らかなように、このボルト1はいわゆる小物部品である。このように小物であるから、溶融の進行状態や溶着部分(ナゲット)の大きさなどが溶接品質に大きく影響するのである。
つぎに、このボルト1の溶着現象について説明する。
溶接は前述のように、図2に示す状態で行われる。加圧通電条件は、溶着用突起4だけが溶融するとともに、溶着用突起4の範囲面積に対応する鋼板部品9の部分が溶融するように設定される。ここで、相手方部材である鋼板部品9の板厚は、0.7mmである。そして、可動電極10による加圧力すなわち鋼板部品9に対する溶着用突起4の加圧力は、2900Nであり、溶接電流は10600A、初期加圧時間は60サイクル,通電時間は9サイクル,保持時間は30サイクルである。前記通電時間9サイクルは、初期溶融部4Aが溶融を開始しそれに引き続く主溶融部4Bの溶融が終了するまでの時間であり、この時点では溶融部7Aと鋼板部品9側においても溶融がなされている。なお、1サイクルは1/60秒である。
上述の条件で良好な溶接が可能であるが、各条件の設定範囲は、加圧力は2000〜5000N、溶接電流は8000〜15000A、通電時間は5〜15サイクルとするのが良好である。
上述の溶接条件で進行する溶融過程が、図3に示されている。図3(A)は、溶着用突起4の頂部16が鋼板部品9に加圧されている状態を示す。この状態では図示していないが、頂部16が鋼板部品9にわずかにめり込んでいる。
上述の加圧状態のところへ通電されると、前記のめり込んでいる箇所から溶融が開始され、図3(B)に示すように、通電初期の段階で前記初期溶融部4Aがその全域にわたって溶融する。溶融箇所は符号17で示されている。この頂部16から開始される溶融は、初期溶融部4Aのテーパ部15に傾斜角θ2=9度のテーパ角が形成されているので、加圧にともなって直径方向に放射状のほぼ平面的な溶融範囲が円形に拡大してゆく。つまり、傾斜角θ2が小さいので、わずかな溶融であっても通電面積が急増しそれにともなって電流密度は急減する。そのため、溶融拡大は熱容量の大きなボルト1の軸方向よりも直径方向に進行しやすくなる。なお、溶融部分,溶着部分,溶着箇所および溶融範囲は、溶融箇所と同義語であり、それらにも符号17が用いてある。
このような初期溶融部4Aの全域溶融は、主溶融部4Bの円形断面全体の溶融に移行して、図3(C)に示すように、ボルト1の軸線方向に溶融が進行する。このような溶融進行が完了する時期には、加圧にともなって溶着用突起4の断面積範囲で鋼板部品9においても溶融が進行し、この時期に通電が停止される。その結果、溶融範囲が溶着用突起4の領域に限定された状態となる。この段階では、図3(C)に示すように、傾斜面6と鋼板部品9の表面9Aとの間にわずかな隙間19が存在しているが、可動電極10の加圧によって通電停止とほぼ同時にこの隙間19は消滅し、図3(D)に示すように、傾斜面6は鋼板部品9の表面9Aに密着する。
図3(D)の密着部分を鋼板部品9の面方向に切断した平面図が、同図(E)である。この切断状態から明らかなように、溶融箇所17すなわち溶着箇所が溶着用突起4の直径とほぼ同じ大きさになっていることが認められる。この溶融箇所17の直径は、5.1mmである。10本のボルト1を溶接した結果、この寸法は、4.9〜5.2mmの範囲に分布しており、溶着範囲は適正であることが認められた。
つぎに、塑性変形部7の変形挙動について説明する。
上述の加圧および溶融の過程においては、次のような塑性変形部7の変形挙動がなされている。この変形挙動は、図3(F)および(G)に示されているが、理解しやすくするために、図(F)における傾斜面6の傾斜角度を大きく図示してある。なお、溶融箇所17をくわしく観察するために、溶融箇所17の部分を切断した。図(G)は、この切断面を示している。
前記塑性変形部7は、前記傾斜面6の傾斜角θ1に応じた厚さを有する中央部の円形の溶融部7Aと、前記基部5から外周部に向かって厚さが次第にうすくなる環状の軟化部7Bとによって構成されている。溶着用突起4だけが溶融されても、それに連なる塑性変形部7の溶融部7Aも溶融状態になり、この溶融熱が前記軟化部7Bに伝熱されてこの部分が軟化する。加圧力は継続的に作用しているので、軟化部7Bの金属材料が中央の溶融部分17の方へ流動しながら、傾斜した拡径部3すなわち軟化部7Bの端面6が鋼板部品9の表面9Aに密着してゆく。
上記の軟化部7Bの金属材料は、加圧によって外周側に流動しようとするが、その反力によって矢線7Cのように中央の変形性のある溶融部分17の方へ流動し、前記密着がなされるのである。このとき中央の溶融部分17に対して外周側から金属材料の流動圧が作用するので、溶融部分17はボルト1の軸方向に拡大成長し、それによって鋼板部品9の溶融深さが増大する。そして、軟化部7Bは溶融部7Aに近い厚さの大きな部分の方が外周側に比して高温であるから、肉厚の大きな箇所の変形性が十分に得られ、溶融部分17側への金属材料の流動が良好に確保できる。
上述のような塑性変形部7の溶融と変形挙動であるから、溶着用突起4の領域に限定された部分の溶融が形成され、しかもその溶融深さL2が溶接強度面で十分な値になる。また、軟化部7Bは溶着用突起4や溶融部7Aの溶融熱で加熱されているので、その変形性が良好なものとなり、傾斜した拡径部3の端面6が鋼板部品9の表面9Aに確実に密着する。
鋼板部品9の板厚は前記のように0.7mmであり、上述のような過程をへて形成された図(G)に示す溶融深さL2は、約0.35mmである。前述の図5(C)や(D)のような広い溶着面積における溶融深さL2が約0.15mm(比較例)であるから、上記約0.35mmは十分な溶融深さであると判定できる。そして、鋼板部品9の非溶融厚さが約0.35mmであるから、鋼板部品9自体としての剛性も損なわれていないことが認められる。
また、溶融箇所17の拡径部3側と鋼板部品9側におよぶ全体の厚さL4は約0.5mmである。前述の図5(C)や(D)のような溶融箇所の厚さL4が約0.25mm(比較例)であるから、上記の約0.5mmは十分な溶融厚さL4であると判定できる。
10本のボルト1を溶接した結果、上記L2は0.30〜0.40mmの範囲に分布している。また、上記L4は0.40〜0.55に分布している。これらの分布状況から、良好な溶融深さであると判定できる。
上述のようにして溶着した鋼板部品9を治具などで固定し、軸部2の直径方向にハンマーで叩く衝撃テストを行った結果、軸部2は屈曲変形をしたが、溶着箇所17の部分は剥離などが発生しないとともに、傾斜面6と鋼板の表面9Aとの密着状態は維持され、完全な溶着状態が確保されていることが確認された。したがって、十分な溶接強度が確保されていることが認められた。
さらに、鋼板部品9を治具で固定し、軸部2を軸方向に引っ張るテストの結果、図6に示す破断状態となった。このように溶着用突起4側に溶着している鋼板部品9の部分9Bが、剪断状態で鋼板部品9の本体9Cから破断して抜け穴9Dの状態になっていることが認められる。この破断は、上記引っ張り荷重が4200〜5250Nの範囲で発生しており、このようなサイズのボルト1の溶接強度として十分であると判定される。
上述の溶接本数からすると、溶融深さL2は鋼板部品9の板厚の43〜57%の範囲内に分布し、図3(E)に示す溶融箇所17の直径は溶着用突起4の直径(基部5の直径)に対して0.98〜1.04倍に分布している。これらの数値は、それぞれ最適値は50%と1.01〜1.02倍であり、好ましくは46〜54%と1.00〜1.03倍であり、実施可能な値としては43〜57%と0.98〜1.04倍である。
また、溶融部7Aの体積に対する軟化部7Bの比が、1.5である。このように軟化部7Bの体積が大きく設定されているために、軟化部7Bの溶融部7Aに対する熱容量が大きくなり、軟化部7Bは溶融部7Aからの加熱で溶融状態にいたることがなく、軟化促進に適した加熱を受けることになる。溶融部7Aの体積に対する軟化部7Bの比は、1.2〜1.8であり、好ましくは1.3〜1.7であり、1.5が最適値である。
特許請求の範囲には記載していないが、前述の溶融部7A,軟化部7Bなどの部分の流動挙動と、上記の鋼板部品の厚さに対する溶融深さL2の比率や、溶着用突起4の直径に対する溶融箇所17の直径の倍数などを特定して発明を形成することができる。
前記の拡径部3の直径に対する溶着用突起4の直径の比が、0.3未満であると、溶融範囲が過小になり、溶接強度が不十分になる。また、前記の比が0.6を超えると、溶融範囲は十分に確保できるが、拡径部3の端面6と鋼板部品9の表面9Aとの密着部分における直径方向の寸法が不足し、軸部2の曲げ荷重に対する剛性が確保できなくなる。したがって、上述の比が0.3〜0.6に設定されることにより、十分な溶接強度が確保できる。
上述の比は、0.3〜0.6に設定されるが、好ましくは0.35〜0.55であり、最適値は本実施例における0.5である。
前記の初期溶融部4Aの体積に対する主溶融部4Bの体積の比が、4.0未満であると、初期溶融部4Aの体積が過大となってそれ自体の熱容量が過剰になるとともに溶着用突起4としての体積も過大となるので、溶着用突起4全体の溶融によって鋼板部品9の厚さ方向の溶融量が過剰になって、適正な溶接強度が得られない。また、前記の比が6.5を超えると、初期溶融部4Aの体積が過小となってそれ自体の熱容量が不十分となるので、主溶融部4Bを連続的に溶融させることが不可能となり、結果的には鋼板部品9の溶融深さに不足が生じる。したがって、上述の比が4.0〜6.5に設定されることにより、十分な溶接強度が確保できる。
上述の比は、4.0〜6.5に設定されるが、好ましくは4.5〜6.0であり、最適値は本実施例における5.2である。
前記の溶着用突起4の体積に対する前記塑性変形部7の体積の比が、が1.3未満になると、塑性変形部7の体積が溶着用突起4の体積に対して過小になり、溶着用突起4の溶融熱によって塑性変形部7が外周側に向かって溶融して行くようになる。このように溶着用突起4の溶融熱が塑性変形部7の外周側に向かう溶融に費やされるので、鋼板部品9の厚さ方向の溶融量が不十分になり、溶融深さL2が不足することになる。それと同時に、塑性変形部7が外周方向に溶融すると、溶融範囲17は大きくなるが溶融深さL2が不足した状態になる。また、前記の比が2.0を超えると、塑性変形部7の体積が溶着用突起4の体積に対して過大になり、溶着用突起4の溶融熱による塑性変形部7の加熱が不十分になり、塑性変形部7の軟化が得られなくなる。そのため、鋼板部品9の厚さ方向の溶融量も不十分になり、溶融深さL2が不足することになる。したがって、上述の比が1.3〜2.0に設定されることにより、十分な溶接強度が確保できる。
上述の比は、1.3〜2.0に設定されるが、好ましくは1.5〜1.8であり、最適値は本実施例における1.66である。
前記初期溶融部4Aのテーパ部15の傾斜角度θ2が、5度未満であると、わずかな加圧変位であっても溶着部分17の拡大が急速に進行するので、加圧力の制御が困難となる。また、加圧にともなって電流密度の低下が急速に進行するので、ジュール熱の発生が緩慢になり、それによって主溶融部4Bへの溶融移行が円滑に行われない状態になる。また、傾斜角度が14度を超えると、大きな加圧変位であっても溶着部分17の拡大進行が緩慢となるので、やはり加圧力の制御が困難となり、同時に主溶融部4Bへの溶融移行が円滑に行われない状態になる。さらに、傾斜角度が14度を超えて大きくなると、塑性変形部7の体積に対する溶着用突起4の体積が大きくなり、塑性変形部7における適正な加熱や軟化が不可能となる。したがって、上述の傾斜角度が5〜14度に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
上述の傾斜角度θ2は、5〜14度に設定されるが、好ましくは7〜12度であり、最適値は本実施例における9度である。
前記塑性変形部7の傾斜面6の傾斜角度θ1が、5度未満であると、軟化している傾斜部分の金属材料7Aが加圧によって中央の溶融部分17の方へ流動する力成分(図3(F)の矢線7C参照)が小さくなるので、溶融部分17に対する外周側から加圧力が不足し、溶融部分17のボルト軸方向の拡大成長が緩慢になって溶融深さL2が十分に確保できない。同時に、溶着用突起4の体積に対する塑性変形部7の体積が過小になり、両体積の比が適正に求められなくなる。また、前記の傾斜角度θ1が14度を超えると、溶着用突起4の体積に対する塑性変形部7の体積が過大になり、溶着用突起4の溶融熱で塑性変形部7を十分に加熱することが困難になる。同時に、塑性変形部7の方へ溶着用突起4の溶融熱が奪われるので、鋼板部品9の溶融深さL2が不十分になる。したがって、上述の傾斜角度θ1が5〜14度に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
上述の傾斜角度θ1は、5〜14度に設定されるが、好ましくは7〜12度であり、最適値は本実施例における9度である。
さらに、図1(C)に示すように、頂部16の形成を止めて、中央部に円形の小さな平坦面18を設けた場合でも、良好な溶接をすることができる。
以上に説明した実施例の作用効果を列記すると、つぎのとおりである。
前記溶着用突起4が鋼板部品9に加圧された後、溶接電流が通電されると、通電初期の段階で前記初期溶融部4Aがその全域にわたって溶融する。この溶融は、初期溶融部4Aに傾斜角の小さなテーパ部15が形成されているので、加圧にともなって直径方向に放射状のほぼ平面的な溶融範囲17が円形に拡大してゆく。このような初期溶融部4Aの全域溶融は、主溶融部4Bの円形断面全体の溶融に移行してボルト1の軸線方向に溶融が進行する。このような溶融進行が完了する時期には溶着用突起4の面積範囲で鋼板部品9においても溶融が進行している。この時期に通電が停止されることにより、溶融範囲17が溶着用突起4の領域に限定された状態となる。そして、前述の加圧によって溶着用突起4の外周側の拡径部3の端面6が鋼板部品9の表面9Aに密着する。
上述のように、初期溶融部4の全面的な溶融が主溶融部4Bの円形断面全体の溶融と化してボルト1の軸線方向に進行するものであるから、それにともなって鋼板部品9側に生じる溶融は溶着用突起4の領域に限定されたものとなる。このように限定された溶融であるから、鋼板部品9側の溶融深さL2が大きくなり溶接強度が向上する。同時に、溶着用突起4の外周側の拡径部3の端面6が鋼板部品9の表面9Aに密着するので、中央部における十分な溶接強度と前記密着が複合して、ボルトの傾きがなく軸部長さL3の均一な高い溶接強度が確保できる。したがって、曲げ荷重が作用したりしても、容易に溶着部17が剥離するようなことがない。さらに、溶着用突起4だけを溶融させる通電条件であるから、溶着用突起4の体積に適合した電流値や通電時間などの通電条件を設定すればよく、通電条件を設定する因子が単純化されて通電制御が行いやすくなり、溶接品質が安定する。同時に、電力消費が少なくなって経済的である。
すなわち、中央部における溶融深さL2の大きな溶着状態が狭い領域において形成され、この溶着部分17から離隔した拡径部3の周縁部分までの端面領域が鋼板部品9の表面9Aに密着している。したがって、溶接強度は中央部において確保され、曲げ荷重に対しては前記密着と中央部の溶着によって高い剛性が得られる。
前記拡径部3の端面に、拡径部3の外周部と溶着用突起4の基部5とを前記外周部側が低くなる傾斜面6で接続することによって塑性変形部7が形成され、この塑性変形部7は、前記傾斜面6の傾斜角θ1に応じた厚さを有する中央部の円形の溶融部7Aと、前記基部5から外周部に向かって厚さが次第にうすくなる環状の軟化部7Bとによって構成されている。
前記塑性変形部7は、前記傾斜面6の傾斜角θ1に応じた厚さを有する中央部の円形の溶融部7Aと、前記基部5から外周部に向かって厚さが次第にうすくなる環状の軟化部7Bとによって構成されている。溶着用突起4だけが溶融されてもそれに連なる塑性変形部7の溶融部7Aも溶融状態になり、この溶融熱が前記軟化部7Bに伝熱されてこの部分が軟化する。加圧力は継続的に作用しているので、軟化部7Bの金属材料が中央の溶融部分17の方へ流動しながら、傾斜した拡径部3すなわち軟化部7Bの端面6が鋼板部品9の表面9Aに密着してゆく。
上記の軟化部7Bの金属材料は、加圧によって外周側に流動しようとするが、その反力によって中央の変形性のある溶融部分17の方へ流動し、前記密着がなされるのである。このとき中央の溶融部分17に対して外周側から金属材料(7B)の流動圧が作用するので、溶融部分17はボルト1の軸方向に拡大成長し、それによって鋼板部品9の溶融深さL2が増大する。そして、軟化部7Bは溶融部7Aに近い厚さの大きな部分の方が外周側に比して高温であるから、肉厚の大きな箇所の変形性が十分に得られ、溶融箇所17側への金属材料(7B)の流動が良好に確保できる。このような金属材料の流動現象は、軟化部7Bの体積が溶融部7Aの体積よりも大きく設定されているとともに溶融部7Aの体積に対する軟化部7Bの体積の比が1.2〜1.8であることによって、良好になされている。つまり、軟化部7Bの溶融部7Aに対する熱容量が大きくなり、軟化部7Bは溶融部7Aからの加熱で溶融状態にいたることがなく、軟化促進に適した加熱を受けることになる。
上述のような塑性変形部7の溶融と変形挙動であるから、溶着用突起4の領域に限定された部分の溶融が形成され、しかもその溶融深さL2が溶接強度面で十分な値になる。また、軟化部7Bは溶着用突起4や溶融部7Aの溶融熱で加熱されているので、その変形性が良好なものとなり、傾斜した拡径部3の端面6が鋼板部品9の表面9Aに確実に密着する。
また、前記平面部3Aも鋼板部品の表面9Aに密着して、前述のような作用効果を発揮する。
前記拡径部3の直径に対する溶着用突起4の直径の比が、0.3〜0.6である。
前記の比が0.3未満であると、溶融範囲17が過小になり、溶接強度が不十分になる。また、前記の比が0.6を超えると、溶融範囲17は十分に確保できるが、拡径部3の端面6と鋼板部品9の表面9Aとの密着部分における直径方向の寸法が不足し、軸部2の曲げ荷重に対する剛性が確保できなくなる。したがって、上述の比が0.3〜0.6に設定されることにより、十分な溶接強度が確保できる。
前記初期溶融部4Aの体積に対する前記主溶融部4Bの体積の比が、4.0〜6.5である。
前記の比が4.0未満であると、初期溶融部4Aの体積が過大となってそれ自体の熱容量が過剰になるとともに溶着用突起4としての体積も過大となるので、溶着用突起4全体の溶融によって鋼板部品9の厚さ方向の溶融量が過剰になって、適正な溶接強度が得られない。また、前記の比が6.5を超えると、初期溶融部4Aの体積が過小となってそれ自体の熱容量が不十分となるので、主溶融部4Bを連続的に溶融させることが不可能となり、結果的には鋼板部品9の溶融深さL2に不足が生じる。したがって、上述の比が4.0〜6.5に設定されることにより、十分な溶接強度が確保できる。
前記溶着用突起4の体積は塑性変形部7の体積よりも小さく設定されている。
溶着用突起4の体積は、塑性変形部7の体積よりも小さく設定されているので、溶着用突起4を溶融させる熱量によって塑性変形部7を外周側へ向かって溶融する状態に至ることがなく、塑性変形部7は加熱状態にとどめられる。つまり、継続的に発生するジュール熱が溶着用突起4の溶融部分をへて徐々に塑性変形部7へ伝熱され、溶融部7Aの溶融はなされるが軟化部7Bは溶融までにいたることがなく、軟化する程度の加熱がなされる。このために、溶融範囲が溶着用突起4の領域に限定され、しかも鋼板部品9の厚さ方向の溶融が促進されて、所定の溶融深さL2が得られる。
前記溶着用突起4の体積に対する前記塑性変形部7の体積の比が、1.3〜2.0である。
前記の比が1.3未満になると、塑性変形部7の体積が溶着用突起4の体積に対して過小になり、溶着用突起4の溶融熱によって塑性変形部7の軟化部7Bが外周側に向かって溶融して行くようになる。このように溶着用突起4の溶融熱が軟化部7Bの溶融に費やされるので、鋼板部品9の厚さ方向の溶融量が不十分になり、溶融深さL2が不足することになる。それと同時に、塑性変形部7が外周方向に溶融すると、溶融範囲は大きくなるが溶融深さL2が不足した状態になる。また、前記の比が2.0を超えると、塑性変形部7の体積が溶着用突起4の体積に対して過大になり、溶着用突起4の溶融熱による軟化部7Bの加熱が不十分になり、軟化部7Bの軟化が得られなくなる。そのため、鋼板部品9の厚さ方向の溶融量も不十分になり、溶融深さL2が不足することになる。したがって、上述の比が1.3〜2.0に設定されることにより、十分な溶接強度が確保できる。
前記初期溶融部4Aのテーパ部15の傾斜角度θ2は、5〜14度である。
前記の傾斜角度θ2が5度未満であると、わずかな加圧変位であっても溶着部分17の拡大が急速に進行するので、加圧力の制御が困難となる。また、加圧にともなって電流密度の低下が急速に進行するので、ジュール熱の発生が緩慢になり、それによって主溶融部4Bへの溶融移行が円滑に行われない状態になる。また、傾斜角度θ2が14度を超えると、大きな加圧変位であっても溶着部分17の拡大進行が緩慢となるので、やはり加圧力の制御が困難となり、同時に主溶融部4Bへの溶融移行が円滑に行われない状態になる。さらに、傾斜角度θ2が14度を超えて大きくなると、塑性変形部7の体積に対する溶着用突起4の体積が大きくなり、塑性変形部7における適正な加熱や軟化が不可能となる。したがって、上述の傾斜角度θ2が5〜14度に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
前記塑性変形部7の傾斜面6の傾斜角度θ1は、5〜14度である。
前記の傾斜角度θ1が5度未満であると、軟化部7Bの金属材料が加圧によって中央の溶融部分17の方へ流動する力成分(図3(F)の矢線7C参照)が小さくなるので、溶融部分17に対する外周側から加圧力が不足し、溶融部分17のボルト軸方向の拡大成長が緩慢になって溶融深さL2が十分に確保できない。同時に、溶着用突起4の体積に対する塑性変形部7の体積が過小になり、両体積の比が適正に求められなくなる。また、前記の傾斜角度が14度を超えると、溶着用突起4の体積に対する塑性変形部7の体積が過大になり、溶着用突起4の溶融熱で塑性変形部の溶融部7Aを溶融したり、軟化部7Bを加熱したりすることが困難になる。同時に、塑性変形部7の方へ溶着用突起4の溶融熱が過剰に奪われるので、鋼板部品9の溶融深さL2が不十分になる。したがって、上述の傾斜角度θ1が5〜14度に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
上述の種々な数値などを特定することにより、溶着用突起4だけの溶融によって溶融範囲17が前述のように限定され、適正な溶融深さL2が確保され、しかも拡径部端面6が鋼板部品9の表面9Aに確実に密着するのである。
溶接方法の作用効果は、つぎのとおりである。
本発明における溶接方法は、前述の問題を解決するために提供されたものであり、雄ねじ8が形成された軸部2と、この軸部2と一体的に形成され軸部2の直径よりも大径とされた円形の拡径部3と、端面に外周側が低くなる小さな傾斜角θ2のテーパ部15を有する初期溶融部4Aとこの初期溶融部4Aに連なる主溶融部4Bからなるとともに前記軸部2とは反対側の拡径部中央に配置されている円形の溶着用突起4とによって形成されたプロジェクション溶接用ボルト1を準備し、前記溶着用突起4を鋼板部品9に加圧後通電し、この加圧通電条件を溶着用突起4だけが溶融してその領域が鋼板部品9に溶着しその外周側の拡径部3の端面6が鋼板部品9の表面9Aに密着するように設定して溶接するものであって、前記プロジェクション溶接用ボルトには、前記拡径部の外周部と前記溶着用突起の基部とを前記外周部側が低くなる傾斜面で接続した塑性変形部が形成され、この塑性変形部は、前記傾斜面の傾斜角に応じた厚さを有し前記溶着用突起の溶融にともなって溶融する中央部の円形の溶融部と、前記基部から外周部に向かう前記傾斜面によって厚さが次第にうすくなるとともに前記溶融部の外周側に配置された環状の軟化部からなり、この軟化部の体積は溶融部の体積よりも大きく設定されているとともに溶融部の体積に対する軟化部の体積の比が1.2〜1.8とされ、前記加圧により円形の前記溶融部の溶融熱によって前記軟化部の変形を促進し軟化部を中央の変形性のある溶融部分の方へ流動させて溶接するものである。
溶接方法の作用効果は、基本的には前述のボルトと同様である。
上述のように、溶着用突起4だけが溶融してその領域が鋼板部品9に溶着しその外周側の拡径部3の端面6が鋼板部品9の表面9Aに密着するような加圧通電条件が設定されている。このときの溶融進行の状態は、初期溶融部4Aの全面的な溶融が主溶融部4Bの円形断面全体の溶融と化してボルト1の軸線方向に進行し、それにともなって鋼板部品9側に生じる溶融は溶着用突起4の領域に限定されたものとなる。このように限定された溶融であるから、鋼板部品9側の溶融深さL2が大きくなり溶接強度が向上する。同時に、溶着用突起4の外周側の拡径部3の端面6が鋼板部品9の表面9Aに密着するので、中央部における十分な溶接強度と前記密着が複合して、ボルト1の傾きがなく軸部長さL3の均一な高い溶接強度が確保できる。したがって、曲げ荷重が作用したりしても、容易に溶着部17が剥離するようなことがない。さらに、溶着用突起4だけを溶融させる通電条件であるから、溶着用突起4の体積に適合した電流値や通電時間などの通電条件を設定すればよく、通電条件を設定する因子が単純化されて通電制御が行いやすくなり、溶接品質が安定する。同時に、電力消費が少なくなって経済的である。
すなわち、中央部における溶融深さL2の大きな溶着状態が狭い領域において形成され、この溶着部分17から離隔した拡径部3の周縁部分までの端面領域が鋼板部品9に密着している。したがって、溶接強度は中央部において確保され、曲げ荷重に対しては前記密着と中央部の溶着によって高い剛性が得られる。
上述のような溶融範囲17,溶融深さL2および拡径部端面6の密着を良好な状態で確保するために、加圧通電条件が設定されている。この条件は、溶着用突起4だけを溶融させる条件として、電流値や通電時間が所定値に設定され、とくに通電時間が重要である。通電は加圧後に開始され、初期溶融部4Aの溶融開始から主溶融部4Bの溶融完了時期まで継続される。また、鋼板部品9に対する加圧力は、溶着用突起4の溶融範囲17が外周側に拡大することがなく、しかも鋼板部品9の溶融深さL2が所定の値になるように設定される。そして、拡径部端面6は、前記の溶融範囲17,溶融深さL2が適正に求められることに相関した状態で、鋼板部品9の表面9Aに密着するのである。
前記プロジェクション溶接用ボルト1には、前記拡径部3の外周部と前記溶着用突起4の基部5とを前記外周部側が低くなる傾斜面6で接続した塑性変形部7が形成され、この塑性変形部7は、前記傾斜面6の傾斜角θ1に応じた厚さを有する中央部の円形の溶融部7Aと、前記基部5から外周部に向かって厚さが次第にうすくなる環状の軟化部7Bとによって構成され、円形の前記溶融部7Aの溶融熱によって前記軟化部7Bの変形を促進する。
前記塑性変形部7は、前記傾斜面6の傾斜角θ1に応じた厚さを有する中央部の円形の溶融部7Aと、前記基部5から外周部に向かって厚さが次第にうすくなる環状の軟化部7Bとによって構成されている。溶着用突起4だけが溶融されてもそれに連なる塑性変形部7の溶融部7Aも溶融状態になり、この溶融熱が前記軟化部7Bに伝熱されてこの部分が軟化する。加圧力は継続的に作用しているので、軟化部7Bの金属材料が中央の溶融部分17の方へ流動しながら、傾斜した拡径部3すなわち軟化部7Bの端面6が鋼板部品9の表面9Aに密着してゆく。
上記の軟化部7Bの金属材料は、加圧によって外周側に流動しようとするが、その反力によって中央の変形性のある溶融部分17の方へ流動し、前記密着がなされるのである。このとき中央の溶融部分17に対して外周側から金属材料(7B)の流動圧が作用するので、溶融部分17はボルト1の軸方向に拡大成長し、それによって鋼板部品9の溶融深さL2が増大する。そして、軟化部7Bは溶融部7Aに近い厚さの大きな部分の方が外周側に比して高温であるから、肉厚の大きな箇所の変形性が十分に得られ、溶融箇所17側への金属材料(7B)の流動が良好に確保できる。このような金属材料の流動現象は、軟化部7Bの体積が溶融部7Aの体積よりも大きく設定されているとともに溶融部7Aの体積に対する軟化部7Bの体積の比が1.2〜1.8であることによって、良好になされている。つまり、軟化部7Bの溶融部7Aに対する熱容量が大きくなり、軟化部7Bは溶融部7Aからの加熱で溶融状態にいたることがなく、軟化促進に適した加熱を受けることになる。
上述のような塑性変形部7の溶融と変形挙動であるから、溶着用突起4の領域に限定された部分の溶融が形成され、しかもその溶融深さL2が溶接強度面で十分な値になる。また、軟化部7Bは溶着用突起4や溶融部7Aの溶融熱で加熱されているので、その変形性が良好なものとなり、傾斜した拡径部3の端面6が鋼板部品9の表面に確実9Aに密着する。
また、前記平面部3Aも鋼板部品の表面9Aに密着して、前述のような作用効果を発揮する。
前記加圧通電条件は、溶着用突起4の領域とそれに対向する鋼板部品9を溶融するのに適したものである。
このような加圧通電条件が設定されているので、溶融範囲17が溶着用突起4の範囲に設定され、溶融深さL2を所定値に設定することができる。
溶接電流の通電は、初期溶融部4A全域が通電初期段階で溶融し、それに引き続く主溶融部4Bの溶融が終了する時期まで実行される。
このような通電制御を行うことによって、溶着用突起4だけを適確に溶融させることができる。
また、上述の実施例から明らかなように、請求項3〜請求項8に記載の各種数値などを特定して、請求項9〜請求項12に記載した溶接方法を実施することにより、前述のような良好な溶接が実現する。
上述のように、本発明によれば、溶着用突起や塑性変形部の体積および加圧通電条件などを設定して、良好な溶接品質が確保されるものである。したがって、自動車の車体溶接工程や家電製品の鋼板溶接工程などにおいて、広く活用できることが期待される。
プロジェクションボルトの各部形状を示す図である。 ボルトが溶接される状態を示す断面図である。 溶融状態を段階的に示す断面図である。 ボルトの各部の体積区分状態を示す図である。 従来のボルト溶着状態を示す図である。 引っ張り試験後の状態を示す断面図である。
符号の説明
1 プロジェクション溶接用ボルト
2 軸部
3 拡径部
4 溶着用突起
4A 初期溶融部
4B 主溶融部
5 基部
6 傾斜面,端面
7 塑性変形部
7A 溶融部
7B 軟化部
9 鋼板部品
9A 表面
15 テーパ部
16 頂部
17 溶融箇所,溶融部分,溶着部分,溶融範囲
θ1 傾斜角度
θ2 傾斜角度

Claims (12)

  1. 雄ねじが形成された軸部と、この軸部と一体的に形成され軸部の直径よりも大径とされた円形の拡径部と、端面に外周側が低くなる小さな傾斜角のテーパ部を有する初期溶融部とこの初期溶融部に連なる主溶融部からなるとともに前記軸部とは反対側の拡径部中央に配置されている円形の溶着用突起とによって形成され、この溶着用突起はそれだけが溶融する溶接電流が通電されるものであり、溶着用突起を鋼板部品に加圧後通電することにより、溶着用突起の領域が鋼板部品に溶着しその外周側の拡径部の端面が鋼板部品の表面に密着するように構成したものであって、前記拡径部の端面に、拡径部の外周部と前記溶着用突起の基部とを前記外周部側が低くなる傾斜面で接続することによって塑性変形部が形成され、この塑性変形部は、前記傾斜面の傾斜角に応じた厚さを有し前記溶着用突起の溶融にともなって溶融する中央部の円形の溶融部と、前記基部から外周部に向かう 前記傾斜面によって厚さが次第にうすくなるとともに前記溶融部の外周側に配置された環状の軟化部からなり、この軟化部の体積は溶融部の体積よりも大きく設定されているとともに溶融部の体積に対する軟化部の体積の比が1.2〜1.8とされ、前記軟化部は前記溶融部からの溶融熱によって軟化するとともに前記加圧によって中央の変形性のある溶融部分の方へ流動するように構成されていることを特徴とするプロジェクション溶接用ボルト。
  2. 前記傾斜面の外周側に傾斜のない平面部が設けられている請求項1記載のプロジェクション溶接用ボルト。
  3. 前記拡径部の直径に対する溶着用突起の直径の比が、0.3〜0.6である請求項1または請求項2記載のプロジェクション溶接用ボルト。
  4. 前記初期溶融部の体積に対する前記主溶融部の体積の比が、4.0〜6.5である請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルト。
  5. 前記溶着用突起の体積は塑性変形部の体積よりも小さく設定されている請求項1〜請求項4のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルト。
  6. 前記溶着用突起の体積に対する前記塑性変形部の体積の比が、1.3〜2.0である請求項1〜請求項5のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルト。
  7. 前記初期溶融部のテーパ部の傾斜角度は、5〜14度である請求項1〜請求項6のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルト。
  8. 前記塑性変形部の傾斜面の傾斜角度は、5〜14度である請求項1〜請求項7のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルト。
  9. 雄ねじが形成された軸部と、この軸部と一体的に形成され軸部の直径よりも大径とされた円形の拡径部と、端面に外周側が低くなる小さな傾斜角のテーパ部を有する初期溶融部とこの初期溶融部に連なる主溶融部からなるとともに前記軸部とは反対側の拡径部中央に配置されている円形の溶着用突起とによって形成されたプロジェクション溶接用ボルトを準備し、前記溶着用突起を鋼板部品に加圧後通電し、この加圧通電条件を溶着用突起だけが溶融してその領域が鋼板部品に溶着しその外周側の拡径部の端面が鋼板部品の表面に密着するように設定して溶接するものであって、前記プロジェクション溶接用ボルトには、前記拡径部の外周部と前記溶着用突起の基部とを前記外周部側が低くなる傾斜面で接続した塑性変形部が形成され、この塑性変形部は、前記傾斜面の傾斜角に応じた厚さを有し前記溶着用突起の溶融にともなって溶融する中央部の円形の溶融部と、前記基部から外周部に向かう前記傾斜面によって厚さが次第にうすくなるとともに前記溶融部の外周側に配置された環状の軟化部からなり、この軟化部の体積は溶融部の体積よりも大きく設定されているとともに溶融部の体積に対する軟化部の体積の比が1.2〜1.8とされ、前記加圧により円形の前記溶融部の溶融熱によって前記軟化部の変形を促進し軟化部を中央の変形性のある溶融部分の方へ流動させることを特徴とするプロジェクション溶接用ボルトの溶接方法。
  10. 前記傾斜面の外周側に傾斜のない平面部が設けられている請求項9記載のプロジェクション溶接用ボルト溶接方法。
  11. 溶着用突起の領域とそれに対向する鋼板部品を溶融する加圧通電条件は、電流値が8000〜15000A、通電時間が5〜15サイクル、加圧力が2000〜5000Nである請求項9または請求項10記載のプロジェクション溶接用ボルトの溶接方法。
  12. 溶接電流の通電により、初期溶融部全域通電初期段階で溶融し、それに引き続主溶融部の溶融を終了させ、前記通電は主溶融部の溶融が終了する時期まで行われる請求項9〜請求項11のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルトの溶接方法。
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