JP6604797B2 - 親水化剤 - Google Patents

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本発明は、親水化剤に関する。
一般に、基材表面が親水化されると、基材に付着した水滴は一様に拡がるようになる。その結果、都市煤塵、自動車等の排気ガスに含まれる燃焼生成物、油脂、シーラント溶出成分等の疎水性汚染物質の付着抑制や、上記疎水性汚染物質が付着した場合でも、降雨、水洗あるいは水拭のような簡単な操作での除去が可能となる。また、基材への密着性、接着性、メッキ特性、帯電防止性などを向上することが期待されている。
医療分野では、移植用細胞の培養容器を親水化することにより、培養された細胞の採取を容易に行うことが期待されている。また、血液浄化装置の部品を親水化することにより、血液の凝固を防止することも期待されている。
基材表面を親水性にする方法の1つとして、樹脂と親水化剤との混合物を成形する方法(以下、練り込み法と記載する)が知られている。練り込み法は、基材表面に親水化剤を塗布する方法と比べて、成形品の製造が簡便であるという利点がある。このような親水化剤としては、例えば、スルホン酸塩とアミン化合物を用いる方法(特許文献1)がある。
特開平9−272758号公報
しかしながら、特許文献1の親水化剤は、時間の経過とともに親水性が低下する、また、低温環境下における初期親水性が低いという問題がある。また、そこで、本発明は、長期にわたって親水性を維持し、低温環境下における初期親水性に優れる親水化剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る親水化剤は、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)を含有し、前記糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)における糖類残基の含有量とオキシエチレン基の含有量との総和が20〜95質量%であるものである。
前記糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)は、平均水酸基価が70〜700mgKOH/gであることが好ましい。
前記糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)は、1分子中にエステル基を平均0.5〜2.5個有することが好ましい。
前記糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)の数平均分子量は、600〜5000であることが好ましい。
本発明に係る樹脂成形品は、上記親水化剤および樹脂(B)を含有するものである。
本発明によれば、長期にわたって親水性を維持し、低温環境下における初期親水性に優れる親水化剤が得られる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本実施形態の親水化剤は、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)を含有する。
本発明に用いる糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)における糖類としては、例えば、糖および糖アルコールなどが挙げられる。糖としては、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトースおよびマンノースなどの単糖、スクロース、ラクトース、マルトースおよびトレハロースなどの二糖、セルロース、アミロースおよびキチンなどの多糖などが挙げられる。また、糖アルコールとしては、ソルビトール、マンニトール、マルチトールおよびエリスリトールなどが挙げられる。これらのうち、比較的低粘度であるため取り扱いが容易であること、また、親水性をより長期にわたって維持できることから、二糖および糖アルコールが好ましく、ショ糖がより好ましい。
本発明に用いる糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)におけるアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、グリシドール、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち、親水性をより長期にわたって維持できること、低温環境下における初期親水性がより優れることから、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから選択される少なくとも1種であることが好ましく、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの組み合わせがより好ましい。エチレンオキシドとプロピレンオキシドとを組み合わせて使用する場合、その割合(モル比)は、エチレンオキシド/プロピレンオキシドが1/9〜9/1であることが好ましく、2/8〜8/2であることがより好ましく、3/7〜7/3であることがさらに好ましい。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとを組み合わせて用いる場合は、ランダム付加物であってもよく、ブロック付加物であってもよい。これらのうち、親水性をより長期にわたって維持でき、低温環境下における初期親水性がより優れることから、ブロック付加物が好ましく、エチレンオキシドとプロピレンオキシドをこの順でブロック付加したものであることがより好ましい。
前記アルキレンオキシドの付加量は、糖類1モルあたり3〜100モルであることが好ましい。上記範囲内とすることにより、親水性をより長期にわたって維持することができること、低温環境下における初期親水性がより優れたものとなる。上記アルキレンオキシドの付加量は、5〜50モルであることがより好ましく、7〜30モルであることがさらに好ましい。
本発明に用いる糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)における炭素数1〜24のモノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸などの脂肪族カルボン酸が挙げられる。これらのうち、低温環境下における初期親水性がより優れることから、脂肪族カルボン酸は炭素数が6〜22であることが好ましく、8〜20であることがより好ましく、12〜18であることがさらに好ましい。
また、前記炭素数1〜24のモノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、トルイル酸、メトキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの芳香族カルボン酸も用いることができる。これらのうち、温環境下における初期親水性がより優れることから、芳香族カルボン酸は炭素数が6〜22であることが好ましく、6〜20であることがより好ましく、6〜18であることがさらに好ましい。
前記糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)は、平均水酸基価が70〜700mgKOH/gであることが好ましい。上記範囲内とすることにより、親水性をより長期にわたって維持できるとともに、低温環境下における初期親水性がより優れたものとなる。上記平均水酸基価は、150〜600mgKOH/gであることがより好ましく、200〜500mgKOH/gであることがさらに好ましい。なお、平均水酸基価は、JIS K0070に準じて測定することができる。
前記糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)は、数平均分子量が600〜5000であることが好ましい。上記範囲内とすることにより、親水性をより長期にわたって維持できるとともに、低温環境下における初期親水性がより優れたものとなる。上記数平均分子量は、700〜3000であることがより好ましく、800〜2000であることがさらに好ましい。
前記糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)は、平均エステル化度が0.5〜2.5であることが好ましい。上記範囲内とすることにより、親水性をより長期にわたって維持できるとともに、低温環境下における初期親水性がより優れたものとなる。上記平均エステル化度は、0.7〜2.0であることがより好ましく、0.9〜1.5であることがさらに好ましい。なお、本明細書において、平均エステル化度は、1分子中に含まれる炭素数1〜24のモノカルボン酸エステル基の平均値を示す。なお、本明細書において、平均エステル化度は1分子中に含まれるエステル基の平均数を示す。
本発明に用いる糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)は、糖類残基の含有量とオキシエチレン基の含有量との総和が20〜95質量%である。上記範囲内とすることにより、親水性を長期にわたって維持できるとともに、低温環境下における初期親水性がより優れたものとなる。糖類残基の含有量とオキシエチレン基の含有量との総和は、25〜90質量%であることが好ましく、30〜85質量%であることがより好ましい。なお、本明細書において、糖類残基は、糖類からアルキレンオキシドや炭素数1〜24のモノカルボン酸が置換している水酸基を除いた基を示す。
本発明に用いる糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)は、オキシエチレン基を0〜60質量%含有することが好ましい。上記範囲内とすることにより、親水性を長期にわたって維持できるとともに、低温環境下における初期親水性がより優れたものとなる。オキシエチレン基の含有量は、0〜50質量%であることがより好ましい。
本発明に用いる糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)は、例えば、糖類にアルキレンオキシドを付加して糖類のアルキレンオキシド付加物とし、これと炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化反応を行う方法(製法1)、糖類と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化反応により糖類のモノカルボン酸エステルとし、これにアルキレンオキシドを付加する方法(製法2)、などにより得ることができる。これらのうち、親水性をより長期にわたって維持できるとともに、低温環境下における初期親水性がより優れることから、製法1が好ましい。
以下、前記製法1について説明する。
糖類にアルキレンオキシドを付加する方法としては、例えば、糖類および触媒の存在下、アルキレンオキシドを70〜120℃、0〜0.3MPaとなるように反応容器に導入し、糖類と反応させる方法など、公知の方法を用いることができる。
前記アルキレンオキシド付加反応に用いる糖類は、糖類単独でも使用可能であるが、反応溶液の粘度を低下させる観点から、糖類を溶解しうる化合物に溶解した糖類を用いることが好ましい。このような糖類を溶解しうる化合物としては、例えば、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの糖類以外の水酸基含有化合物が挙げられる。これらのうち、糖類の溶解性が高く、付加反応後の留去が容易であることから水が好ましい。また、糖類を溶解しうる化合物の使用量は、糖類に付加するアルキレンオキシドの割合を高める観点から、糖類100質量部に対して20質量部以下であることが好ましい。
前記アルキレンオキシド付加反応に用いる触媒としては、特に限定されないが、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属類、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどのアミン類、カチオン重合触媒、複合金属シアン化物錯体触媒などが挙げられる。触媒の使用量は、例えば、糖類100質量部に対して0.01〜5.0質量部である。
前記糖類のアルキレンオキシド付加反応物は、さらに精製処理を行ってもよい。精製処理を行うことにより、親水性をより長期にわたって維持することが可能となる。このような精製処理としては、例えば、吸着剤処理、蒸留処理などが挙げられる。これらのうち、製造工程が容易であることから吸着剤処理が好ましい。
前記吸着剤処理の方法は特に限定されないが、例えば、前記糖類のアルキレンオキシド付加反応物と吸着剤とを攪拌機などを用いて混合する方法、吸着剤充填カラムに前記糖類のアルキレンオキシド付加反応物を通過させる方法などが挙げられる。これらのうち、操作が簡便であることから、糖類のアルキレンオキシド付加反応物と活性炭とを混合する方法が好ましい。また、水や有機溶媒などの溶媒を用いる場合は、予め糖類のアルキレンオキシド付加反応物と混合してから吸着剤を添加してもよく、吸着剤を溶媒に分散してから糖類のアルキレンオキシド付加反応物と混合してもよい。
吸着剤は、糖類のアルキレンオキシド付加反応物に含まれる不純物を吸着させてこれを除去するためのものである。かかる吸着剤は、粉末状、粒状、ペレット状のいずれであってもよく、好ましくは粉末状である。このような吸着剤としては、活性炭、ゼオライトなどが挙げられ、特に、親水化剤の耐熱性がより優れることから、活性炭が好ましく、1質量%の水懸濁液におけるpHが4〜11である活性炭がより好ましく、該pHが4.5〜7.5である活性炭がさらに好ましい。
前記吸着剤の使用量は、特に限定されないが、前記アルキレンオキシド付加反応物100質量部に対して0.1〜20.0質量部であることが好ましく、1.0〜10.0質量部であることがより好ましい。吸着剤の使用量を上記範囲内とすることにより、製造工程がより簡便なものとなる。
また、前記吸着剤処理においては、溶媒を用いることが好ましい。溶媒を用いることにより、前記アルキレンオキシド付加反応物が低粘度化され、精製処理を簡便に行うことができる。
また、前記吸着剤処理においては、前記溶媒以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤など、各種添加剤を使用してもよい。
上記方法により得られた糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化反応は、公知の方法により行うことができる。例えば、触媒の存在下、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とを70℃〜180℃、1kPa〜100kPaの条件で反応させる方法などが挙げられる。
前記炭素数1〜24のモノカルボン酸は、モノカルボン酸エステル基を形成し得る化合物であればよく、モノカルボン酸誘導体を用いることができる。このようなモノカルボン酸誘導体としては、モノカルボン酸クロライドやモノカルボン酸ブロマイドなどのモノカルボン酸ハロゲン化物、モノカルボン酸メチルエステルやモノカルボン酸エチルエステルなどのモノカルボン酸エステルなどが挙げられる。これらのうち、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)の着色をより抑制できることから、モノカルボン酸エステルを用いることが好ましい。
本発明に係る樹脂成形品は、上記糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)および樹脂(B)を含有するものである。前記樹脂成形品は、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)と樹脂(B)とを混合状態で含有することが好ましい。
本発明に使用し得る樹脂(B)としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。これらのうち、熱可塑性樹脂が好ましい。
本発明の樹脂成形品における前記糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)の含有量は、前記樹脂(B)100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。上記範囲内とすることにより、より高い親水性を長期にわたって維持することができる。上記含有量は、0.5〜5.0質量部であることがより好ましい。
本発明の樹脂成形品の製造方法は、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)と樹脂(B)とを混合できる方法であれば特に限定されない。このような方法としては、例えば、開放型2軸混錬機やニーダーなどの混錬機を用いて混合する方法が挙げられる。
前記製造方法において、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)と樹脂(B)との混合温度は140〜240℃であることが好ましい。上記範囲内とすることにより、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)と樹脂(B)とをより均一に混合することができるため、より高い親水性を長期にわたって維持できるとともに、低温環境下における初期親水性がより優れたものとなる。
本発明の樹脂成形品は、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)および樹脂(B)以外に、公知の添加剤を含有することができる。このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などが挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例では、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)として、下記製造例1〜11で得られる糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(a−1)〜(a−11)を用いた。
(製造例1)
ステンレス製オートクレーブに、ショ糖342g(1モル)、水70g、水酸化カリウム3gを仕込み、反応器内を窒素置換した。80℃まで昇温してショ糖を溶解し、続いて、100℃に昇温し、エチレンオキシド441g(10モル)を内圧0.3MPa以下に保ちながら導入した。導入終了後、さらに100℃で2時間反応させた。この反応物500gと水150gとを混合して50℃に調整し、さらに酢酸を添加してpHを6に調整した。続いて、粉末状の活性炭(商品名:強力白鷺A(日本エンバイロケミカルズ社製、1%水溶液のpH:4.9)50gを加え、50℃で2時間攪拌した。その後、ろ過により活性炭を取り除き、減圧下90℃にて水を除去することにより、ショ糖のエチレンオキシド(10モル)付加物を得た。
続いて、ステンレス製オートクレーブに、上記ショ糖エチレンオキシド(10モル)付加物391g、ラウリン酸メチル(商品名:パステルM−12、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)107g、炭酸カリウム1.5gを仕込み、反応器内を窒素置換した。100℃まで昇温し、減圧下(2.7kPa)で5時間反応させた。次いで、70℃まで冷却してから1気圧に戻し、乳酸2.4gを加えて炭酸カリウムを中和することにより、ショ糖のエチレンオキシド(10モル)付加物とラウリン酸とのエステル化物(a−1)を得た。
(製造例2)
エチレンオキシドに代えて、プロピレンオキシド464g(8モル)を用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、ショ糖のプロピレンオキシド(8モル)付加物とラウリン酸とのエステル化物(a−2)を得た。
(製造例3)
ラウリン酸メチルに代えて、ステアリン酸メチル(商品名:パステルM−180、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)224gを用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、ショ糖のエチレンオキシド(10モル)付加物とステアリン酸とのエステル化物(a−3)を得た。
(製造例4)
ラウリン酸メチルに代えて、
オレイン酸メチル(商品名:パステルM−181、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)134gを用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、ショ糖のエチレンオキシド(10モル)付加物とオレイン酸とのエステル化物(a−4)を得た。
(製造例5)
ラウリン酸メチルの使用量を86gとした以外は製造例1と同様の操作を行い、ショ糖のエチレンオキシド(10モル)付加物とラウリン酸とのエステル化物(a−5)を得た。
(製造例6)
ステンレス製オートクレーブに、ショ糖342g(1モル)、水70g、水酸化カリウム3gを仕込み、反応器内を窒素置換した。80℃まで昇温してショ糖を溶解し、続いて、100℃に昇温し、エチレンオキシド352g(8モル)を内圧0.3MPa以下に保ちながら導入した。導入終了後、さらに100℃で2時間反応させた。続いて、プロピレンオキシド464g(8モル)を内圧0.3MPa以下に保ちながら導入した。プロピレンオキシドの導入終了後、100℃で2時間反応させた。この反応物500と水150gとを混合して50℃に調整し、さらに酢酸を添加してpHを6に調整した。続いて、粉末状の活性炭(商品名:強力白鷺A(日本エンバイロケミカルズ社製、1%水溶液のpH:4.9)50gを加え、50℃で2時間攪拌した。その後、ろ過により活性炭を取り除き、減圧下90℃にて水を除去することにより、ショ糖のエチレンオキシド(8モル)プロピレンオキシド(8モル)ブロック付加物を得た。
続いて、ステンレス製オートクレーブに、上記ショ糖のエチレンオキシド(8モル)プロピレンオキシド(8モル)ブロック付加物580g、ラウリン酸メチル(商品名:パステルM−12、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)107g、炭酸カリウム1.5gを仕込み、反応器内を窒素置換した。100℃まで昇温し、減圧下(2.7kPa)で5時間反応させた。次いで、70℃まで冷却してから1気圧に戻し、乳酸2.4gを加えて炭酸カリウム中和することにより、ショ糖のエチレンオキシド(8モル)プロピレンオキシド(8モル)ブロック付加物とラウリン酸とのエステル化物(a−6)を得た。
(製造例7)
エチレンオキシドの使用量を441g(10モル)に、プロピレンオキシドの使用量を291g(5モル)に変更した以外は製造例6と同様の操作を行い、ショ糖のエチレンオキシド(10モル)プロピレンオキシド(5モル)ブロック付加物とラウリン酸とのエステル化物(a−7)を得た。
(製造例8)
エチレンオキシドの使用量を220g(5モル)に、プロピレンオキシドの使用量を581g(10モル)に変更した以外は製造例6と同様の操作を行い、ショ糖のエチレンオキシド(5モル)プロピレンオキシド(10モル)ブロック付加物とラウリン酸とのエステル化物(a−8)を得た。
(製造例9)
ラウリン酸メチルに代えて、ステアリン酸メチル(商品名:パステルM−180、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)150gを用いた以外は製造例6と同様の操作を行い、ショ糖のエチレンオキシド(8モル)プロピレンオキシド(8モル)ブロック付加物とステアリン酸とのエステル化物(a−9)を得た。
(製造例10)
ラウリン酸メチルに代えて、オレイン酸メチル(商品名:パステルM−181、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)149gを用いた以外は製造例6と同様の操作を行い、ショ糖エチレンオキシド(8モル)プロピレンオキシド(8モル)ブロック付加物とオレイン酸とのエステル化物(a−10)を得た。
(製造例11)
ラウリン酸メチルの使用量を214gとした以外は製造例6と同様の操作を行い、ショ糖エチレンオキシド(8モル)プロピレンオキシド(8モル)ブロック付加物とラウリン酸とのエステル化物(a−11)を得た。
製造例1〜11で得られた糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(a−1)〜(a−11)の平均エステル化度、平均水酸基価(OHV)、オキシエチレン基の含有量(EO含有量)、糖類残基の含有量とオキシエチレン基の含有量との総和(糖類とEOの含有量)、数平均分子量を表1に示す。
(平均水酸基価の測定方法)
JIS K0070に準じて測定した。
(数平均分子量の測定方法)
下記条件でGPC法にて測定し、ポリエチレン換算の数平均分子量を算出した。
[測定条件]
測定サンプル:1重量%テトラヒドロフラン溶液
装置:LC−10AD(商品名、島津製作所社製)
カラム:GPC KF−801、GPC KF−801およびGPC KF−803(商品名、いずれも昭和電工社製)を直列に接続したもの
移動相:テトラヒドロフラン(流量:0.8mL/min)
カラム温度:25℃
また、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)以外の原料として、下記のものを使用した。
・樹脂(B)
(b−1)低密度ポリエチレン(商品名:ノバテックLL UF442、日本ポリエチレン社製)
・その他の成分(C)
(c−1)ラウリル硫酸ナトリウム(商品名:エマール0、花王社製)60gとラウリルモノエタノールアミド40gとをメタノール30gに溶解し、メタノールを留去した混合物
(c−2)アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(商品名:ライポンPS−230、ライオン社製)80gとラウリルジエタノールアミン20gとをメタノール50gに溶解し、メタノールを留去した混合物
(実施例1〜13)
表2に記載の割合で、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)および樹脂(B)を開放型2軸混錬機を用いて150℃で10分間混錬した。得られた混練物を、金型(直径10cm、厚み1mm)にて150℃でプレス成型を行うことにより、試験片を作製した。この試験片を用いて、下記の方法により親水性を評価した。結果を表2に示す。
(親水性)
得られた試験片を恒温恒湿器(設定温度:60℃、設定湿度:70%RH)で所定期間(1日間、14日間または30日間)静置した。この試験片を用いて、JIS R3257に準じて接線法による接触角(度)を測定した。
(低温環境下での初期親水性)
得られた試験片の表面を、エタノールを含ませた布で拭き取った後、恒温恒湿器(5℃、70%RH)で1日間静置した。この試験片を用いて、JIS R3257に準じて接線法による接触角(度)を測定した。
(比較例1および2)
糖類のアルキレンオキシド付加物(A)を用いず、表2に記載のその他の成分(c−1)または(c−2)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
表2から明らかなとおり、本発明の親水化剤は、長期にわたって親水性を維持することができるとともに、低温環境下における初期親水性が優れている。特に、実施例6〜13のように、糖類のエチレンオキシドプロピレンオキシドブロック付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物を用いた場合、上記効果がより優れている。一方、比較例1および2のように糖類のアルキレンオキシド付加物(A)を用いない場合は、短期間で親水性が大きく低下し、低温環境下における初期親水性が劣ることがわかる。
本発明の親水化剤は、長期にわたって優れた親水性を維持できるとともに低温環境下における初期親水性がより優れているため、樹脂などに用いる親水化剤として利用可能である。

Claims (5)

  1. 糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)を含有する親水化剤であって、
    前記糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)における、糖類残基の含有量とオキシエチレン基の含有量との総和が20〜95質量%であり、
    前記糖類がショ糖である、親水化剤。
  2. 前記糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)が、平均水酸基価70〜700mgKOH/gである請求項1に記載の親水化剤。
  3. 前記糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)が、平均エステル化度0.5〜2.5である請求項1または2に記載の親水化剤。
  4. 前記糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)の数平均分子量が、600〜5000である請求項1〜3のいずれか1項に記載の親水化剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の親水化剤および樹脂(B)を含有する樹脂成形品。
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