JP4029871B2 - 鋼板の冷却装置、熱延鋼板の製造装置及び製造方法 - Google Patents

鋼板の冷却装置、熱延鋼板の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼板を均一に冷却し得る冷却装置、及び、該冷却装置を備える熱延鋼板の製造装置、並びに、熱延鋼板の製造方法に関する。
自動車用材や構造材等に用いられる鋼材は、強度、加工性、靭性といった機械的特性に優れることが求められ、これらの機械的特性を総合的に高めるには、鋼材の組織を微細化することが有効である。そのため、微細な組織を有する鋼材を得るための製造方法が数多く模索されてきている。また、組織の微細化方法は、合金元素の添加量を削減した安価な高強度熱延鋼板の製造を実現する方法としても、近年注目を集めている。
組織の微細化方法としては、仕上げ圧延の特に後段において、高圧下圧延を行ってオーステナイト粒を微細化するとともに鋼板に圧延歪を蓄積させ、圧延後に得られるフェライト粒の微細化を図る方法が知られている。そして、さらに、オーステナイトの再結晶や回復を抑制してフェライト変態を促進させるという観点から、圧延後のできるだけ短時間に鋼板を600〜700℃まで冷却することが有効である。すなわち、仕上げ圧延に引き続き、ランナウトテーブルで従来行われている冷却の数倍の冷却速度で冷却が可能な冷却装置を設置し、圧延後の鋼板を急冷することが有効である。
しかしながら、冷却装置の冷却能力を高めれば高めるほど、目標の冷却温度まで冷却し得る冷却装置が備えるべき装置長さが短くなり、冷却装置がコンパクトとなる反面、装置の冷却能力(特に鋼板板幅方向における冷却能力)に僅かでも不均一性が存在すると、その不均一性の影響が拡大しやすくなり、冷却後の鋼板に大きな温度ムラが生じる危険性が高まる。すなわち、優れた冷却能力を有する冷却装置を実機に適用する場合には、目標の冷却速度の実現に対する配慮とともに、従来の冷却装置よりも冷却能力の均一性を一層高めることに対する配慮が必要となる。 従来の熱延鋼板の冷却において、ランナウトテーブル等における冷却装置に関しては、冷却後の鋼板の板幅方向における温度分布が問題にされることはあまり無く、鋼板端部の過冷発生防止を除いては、鋼板板幅方向における温度の均一性を改善するための技術開発はほとんどなされてこなかった。すなわち、冷却装置については、主として均一な流量分布を得るための創意工夫がなされてきただけであった。
しかし、上述のように、冷却装置の冷却能力を高めて冷却装置をコンパクトにすると、冷却能力の僅かな不均一性をも解消し得る工夫が必要となる。特に、冷却能力を高めるには、鋼板に噴射される単位面積当りの冷却水量、すなわち、流量密度を大きくする必要があるが、流量密度を大きくすると、鋼板上に溜まる冷却水(滞留水)の量も増加する。この滞留水は、鋼板中央部から端部に向けて流れ、その流速は鋼板の端部に近づくほど増加するため、鋼板板幅方向における冷却ムラを引き起こす。そして、流量密度の増加に伴って滞留水の量が増加すると、鋼板板幅方向における冷却ムラの程度は更に増加する。すなわち、冷却能力の高い冷却装置ほど、鋼板上の滞留水による冷却ムラが発生しやすくなる。
これまで、鋼板の冷却装置に関する技術は、いくつか開示されている。例えば、特許文献1には、最終仕上げ圧延機後方の6m以内から冷却装置を設置し、圧延機から冷却装置までの領域に、ガイドではさまれた狭い隙間に鋼板を搬送させる手段を備えた冷却装置に関する技術が開示されている。また、熱延鋼板の急冷装置に関する技術として、例えば、特許文献2には、互いに隣り合う上ロール間の中央に位置して設けられるとともに冷却水を鋼板の上面に向けて吐出する上部冷却水ノズルと、上部冷却水ノズルから吐出された冷却水を各上ロールの近傍において吸引する給水ノズルとを設けることにより、鋼板上の滞留水を除去しながら冷却を行う装置に関する技術が開示されている。さらに、特許文献3には、2組の上下ローラ間において鋼板の上下にカバーを設け、各カバーにスリット状の給水ノズルを取付け、ローラ表面に近接したカバーの端部に鋼板から離れる方向に湾曲した弧状端部を形成し、ノズルから噴射された冷却水がカバーと鋼板の間で形成された冷却水室を通って弧状端部から流出されるように構成した冷却装置に関する技術が開示されている。
特開2001−246410号公報 特公平7−8374号公報 特公平3−10407号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、冷却速度を高めるために流量密度を大きくした場合、特に鋼板の上面側では鋼板中央部から端部へと冷却水が流れ出る量が増加する。そのため、冷却速度を高めるほど、鋼板板幅方向における冷却ムラの傾向が顕著になるという問題点があった。加えて、特許文献1に開示されている技術では、最終仕上げ圧延機から冷却装置までの間の鋼板の案内手段として上下に設けられたガイドは最大6mと比較的長く、かつ、上下ガイド間の隙間は冷却装置に向けて徐々に広げていく必要がある。そのため、当該ガイドに鋼板が接触する頻度が高いほか、ガイドが設けられている区間では冷却水を噴射できず、摩擦熱により鋼板表面の一部がはがれてガイドに焼きつく等、鋼板やガイドに疵が付きやすいという問題点があった。
また、特許文献2に開示されている技術によれば、鋼板板幅方向における冷却ムラを低減し得ると考えられるが、冷却速度を高めるために流量密度を大きくしていった場合、供給すべき冷却水の量も増加する。ところが、バキューム等により吸引できる水の量には限界があるため、例えば高流量密度条件下で100mm以上堆積する冷却水を全て吸引しきることは、事実上不可能と考えられる。したがって、一部の冷却水は端部方向に流れ出ることになり、端部ほど過冷されることに起因して生じる冷却ムラの傾向を解消することはできないという問題点があった。
さらに、特許文献3に開示されている技術によれば、鋼板上の鋼板板幅方向における冷却水の流れを抑制することができ、排出された冷却水はカバーの上に流れ出て鋼板の冷却には影響しないので、鋼板板幅方向における冷却ムラの発生を解消し得ると考えられる。しかし、カバーの拘束ロール近傍に設けられた弧状端部は、鋼板から数十mm上の位置まで近接させる必要があるが、鋼板先端部が冷却装置に突っ掛けることがないようにするため、鋼板の先端部が通過して拘束ロールにより鋼板を拘束し始めた後に、ノズルとカバーとを下降させて所定の高さにセットする必要がある。さらに、ノズルとカバーとを約1m上方の退避位置から鋼板直上まで下降させるには、少なくとも5〜10秒程度の時間を要する。そのため、たとえ冷却水の噴射をあらかじめ開始していたとしても、装置を下降させている間は、冷却能力が大きく低下した状態における冷却となる。通常、鋼板は秒速10〜15m/秒程度の速さで搬送されているため、特許文献3に開示されている技術では、鋼板先端から少なくとも数十mの長さの部分は十分に冷却されていない状態で巻き取らざるを得ず、鋼板の搬送方向における冷却ムラが生じやすいという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、冷却ムラを低減することが可能な鋼板の冷却装置、及び、当該冷却装置を備える熱延鋼板の製造装置、並びに、熱延鋼板の当該製造装置による処理工程を含む熱延鋼板の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、鋼板上にバキューム装置や冷却水を誘導するカバー等を近接させることなく、すなわち、鋼板が冷却装置内に進入する度に退避させておく必要がなく、比較的簡易な設備で、鋼板上における滞留水の流れに起因する鋼板板幅方向の冷却ムラの発生を解消し得る冷却装置について検討した。図9に、冷却装置内の鋼板上に形成される滞留水の形状と冷却水の流れの様子とを概略的に示す。図9において、矢印は冷却水の流れの方向を表し、矢印の長さは流れの速さと対応している。すなわち、長い矢印は冷却水の流れが速いことを表している。また、図9において、紙面の左右方向が鋼板板幅方向であり、紙面に垂直な方向が鋼板搬送方向である。
図9に示す冷却装置内において、搬送ロール99上を搬送される鋼板96は、鋼板96の上面側に設けられた冷却ノズル92a、92a、…から冷却水噴流93a、93a、…が噴射されて冷却されるとともに、鋼板96の下面側に設けられた冷却ノズル92b、92b、…から冷却水噴流93b、93b、…が噴射されて冷却されている。そして、鋼板96の上面には、冷却ノズル92a、92a、…から噴射された冷却水が滞留して滞留水91を形成している。
図9に示すように、滞留水91は、鋼板96の板幅方向端部から搬送ロール99の方へと流れ出すため、鋼板中央部における滞留水91の高さは、鋼板端部における滞留水91の高さよりも高い。一方、液高さの違いに起因した静水圧の差により、鋼板中央部から鋼板端部に向けて、冷却水の鋼板板幅方向の流れが生じる。したがって、滞留水91の液高さは、鋼板中央部で最大になるとともに、鋼板中央部から鋼板端部に向けて上記液高さは徐々に減少し、クラウン状の分布となる。他方、鋼板板幅方向における冷却水の流速は、鋼板端部に近づくほど増加する。
図10に、鋼板の板幅が1.6mの場合における、冷却水の流量密度と鋼板板幅方向中央部における滞留水の高さとの関係を示す。図10において、縦軸は鋼板板幅方向中央部における滞留水の高さであり、横軸は冷却水の流量密度である。図10より、冷却水の流量密度が増加するにつれて滞留水の高さはほぼ直線的に増加し、冷却水の流量密度が20m/m・分の場合、滞留水の高さは約400mmに達することが分かる。また、図11に、板幅が1.6mの鋼板に流量密度が20m/m・分である冷却水が噴射された場合における、鋼板板幅方向中央からの距離と、滞留水高さ及び鋼板板幅方向における冷却水の流速(鋼板板幅方向中央から端部へと流れる滞留水流れの滞留水高さ方向に平均した流速)との関係を示す。図11において、左側の縦軸、右側の縦軸、及び、横軸は、それぞれ、滞留水の高さ、鋼板板幅方向における冷却水の流速、及び、鋼板板幅方向中央からの距離である。図11より、滞留水の高さは、鋼板中央部で約400mm、鋼板端部で約300mmのクラウン状の分布となることが分かる。ここに、鋼板上における滞留水の高さが高いほど、冷却水噴流が鋼板に衝突する際の衝突圧が減少し、冷却能が減少する。したがって、鋼板上に滞留水の上記クラウン状の分布が生じると、鋼板中央部の冷却能が減少するため、鋼板の端部側ほど冷却能が増加する冷却能分布が発生する。また、図11より、冷却水の流速は、鋼板の端部に近づくにつれてほぼ直線状に増加し、鋼板端部における流速は0.8m/秒となることが分かる。このような流速分布が生じると、鋼板板幅方向の冷却水流れによる冷却効果が加わり、鋼板端部側ほど冷却能が大きくなりやすくなるため、鋼板板幅方向における上記冷却能分布がさらに大きく助長される。
本発明者は、これらの知見に基づいて、発明を完成させるに至った。以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、搬送ロール(29、29、…)上のパスラインを搬送される鋼板(16)を冷却すべき、複数の冷却ノズル帯を備える鋼板の冷却装置(4)であって、複数の冷却ノズル帯は、鋼板(16)の上面側及び下面側に設けられるとともに鋼板(16)の搬送方向に列をなし、冷却ノズル帯は、鋼板(16)の板幅方向に所定の間隔で配置された複数の冷却ノズル(32a、32a、…、32b、32b、…)を備え、複数の冷却ノズル(32a、32a、…、32b、32b、…)は、鋼板(16)を冷却すべき冷却水を噴射し、鋼板(16)の上面側に設けられた冷却ノズル(32a、32a、…)とパスラインとの間に第1のガイド板(22a、22b、22c)が設けられるとともに、当該第1のガイド板(22a、22b、22c)は、冷却ノズル(32a、32a、…)から鋼板(16)に向けて噴射された冷却水が通過すべき流入孔(33a、33a、…)と、冷却水が鋼板(16)から冷却ノズル(32a、32a、…)の方向へと通過すべき流出孔(35a、35a、…)と、を有することを特徴とする、鋼板の冷却装置(4)により、上記課題を解決する。
上記の本発明において、パスラインの上面側であるとともに鋼板(16)の板幅方向両端側に、側壁(36a、36b)が設けられていることが好ましい。
また、上記の本発明において、側壁(36a、36b)の上辺とパスラインとの距離は、冷却ノズル(32a、32a、…)の冷却水噴射口とパスラインとの距離よりも大きいことが好ましい。
さらに、上記の本発明において、鋼板(16)の下面側に設けられた冷却ノズル(32b、32b、…)と搬送ロール(29、29、…)により形成されるパスラインとの間に第2のガイド板(24a、24b、24c、24d)が設けられ、当該第2のガイド板(24a、24b、24c、24d)は、冷却ノズル(32b、32b、…)から鋼板(16)に向けて噴射された冷却水が通過すべき流入孔(33b、33b、…)と、冷却水が鋼板(16)から冷却ノズル(32b、32b、…)の方向へと通過すべき流出孔(35b、35b、…)と、を有することが好ましい。
また、さらに、上記の本発明において、パスラインの下面側であるとともに鋼板(16)の板幅方向両端側に、側壁(36c、36d)が設けられていることが好ましい。
加えて、上記の本発明において、冷却ノズル(32a、32a、…、32b、32b、…)1個当りの冷却水の平均流量をQ(m/分)、鋼板(16)の板幅方向における冷却ノズル(32a、32a、…、32b、32b、…)の平均配置間隔をP(m)、鋼板(16)の搬送方向における冷却ノズル帯の平均間隔をP(m)、及び、鋼板(16)の搬送方向における冷却ノズル帯数をN、とするとき、式(1)で定義される流量密度W(m/m・分)が6.0以上であるとともに、式(2)で定義される有効冷却長L(m)と流量密度Wとが式(3)を満たすことが好ましい。
=Q/(P・P) (1)
=P・N (2)
8.5/W 3/5 ≦ L ≦ 36.7/W 2/3 (3)
第2の本発明は、熱延仕上げ圧延機列(2)における最終スタンド(2a)と、第1の本発明にかかる鋼板の冷却装置(4)と、冷却水の水切りを行う水切り手段(8、14)とを、鋼板(16)の搬送方向に順に備えることを特徴とする、熱延鋼板の製造装置により、上記課題を解決する。
上記第2の本発明において、最終スタンド(2a)のロール(21a、21b)と水切り手段(14)との間の領域に冷却水のプールが形成されるとともに、鋼板(16)がプールの冷却水中に浸漬されるように水切り手段(8、14)が配置されていることが好ましい。
また、上記第2の本発明において、鋼板(16)の上面側に設けられている冷却装置の冷却ノズル(32a、32a、…)は、冷却ノズル(32a、32a、…)の冷却水噴射口がプールの冷却水中に浸漬されるように設けられていることが好ましい。
さらに、上記第2の本発明において、冷却装置(4)が備える冷却ノズル帯の中で最終スタンド(2a)に最も近い冷却ノズル帯が備える冷却ノズル(32a、32a、…、32b、32b、…)の冷却水噴射口が、最終スタンド(2a)の出口に位置すべき鋼板に向けられていることが好ましい。
第3の本発明は、第2の本発明にかかる熱延鋼板の製造装置を用いて、熱延仕上げ圧延機列(2)における最終スタンド(2a)で圧延された鋼板(16)を処理する工程を含むことを特徴とする、熱延鋼板の製造方法により、上記課題を解決する。
第1の本発明によれば、特に、鋼板板幅方向における冷却ムラを低減することが可能になるため、冷却ムラを低減することが可能な鋼板の冷却装置(4)を提供することができる。
また、パスラインの上面側であるとともに鋼板(16)の板幅方向両端側に、側壁(36a、36b)が設けられることで、鋼板端部における鋼板板幅方向の冷却水の流れを抑制することが可能になるとともに、鋼板(16)と第1のガイド板(22a、22b、22c)との間の空間を冷却水により容易に満たすことが可能になる。したがって、第1の本発明によれば、冷却ムラを容易に低減することが可能な、鋼板の冷却装置(4)を提供することができる。
さらに、側壁(36a、36b)の上辺とパスラインとの距離が、冷却ノズル(32a、32a、…)の冷却水噴射口とパスラインとの距離よりも大きいことで、冷却ノズル(32a、32a、…)から噴射される冷却水が、滞留水(31)の高さ分布の影響及び冷却水の鋼板板幅方向における流れの影響を受けることなく、鋼板(16)の表面に到達することが可能になる。したがって、第1の本発明によれば、冷却ムラをより一層低減することが可能な鋼板の冷却装置(4)を提供することができる。
また、さらに、第2のガイド板(24a、24b、24c、24d)が設けられることで、鋼板(16)と第2のガイド板(24a、24b、24c、24d)との間の空間を、冷却ノズル(32b、32b、…)から噴射される冷却水により満たすことが可能になる。したがって、第1の本発明によれば、鋼板の冷却装置(4)の冷却能を向上させることが可能になる。
さらに、また、パスラインの下面側であるとともに鋼板(16)の板幅方向両端側に、側壁(36c、36d)が設けられることで、鋼板(16)と第2のガイド板(24a、24b、24c、24d)との間の空間を、冷却ノズル(32b、32b、…)から噴射される冷却水により満たすことが容易になるとともに、鋼板(16)の下面側も、鋼板板幅方向における均一な冷却が可能になる。したがって、第1の本発明によれば、冷却能を向上させることが可能であるとともに、冷却ムラをより一層低減することが可能な、鋼板の冷却装置(4)を提供することができる。
加えて、式(1)で定義される流量密度W(m/m・分)が6.0以上であるとともに、式(2)で定義される有効冷却長L(m)と流量密度Wとが式(3)を満たすことで、結晶粒の微細化に必要な冷却能力を有しつつ、有効冷却長さLを8m以下に抑えることが可能になる。したがって、第1の本発明によれば、従来の熱延鋼板の圧延ラインを大幅に改造することなく鋼板の冷却装置(4)を配置することができる。
第2の本発明によれば、鋼板を均一に冷却し得る鋼板の冷却装置(4)により、熱延仕上げ圧延機列(2)の最終スタンド(2a)を経た鋼板(16)を冷却することができる。圧延後の鋼板を均一に冷却し得る鋼板の冷却装置により鋼板を冷却すれば、高強度熱延鋼板を製造することが可能になるため、第2の本発明によれば、高強度熱延鋼板を製造し得る熱延鋼板の製造装置を提供することができる。
また、熱延仕上げ圧延機列(2)の最終スタンド(2a)を経た鋼板(16)が冷却水のプールに浸漬されることで、圧延後の鋼板(16)を急冷することが可能になり、圧延後の鋼板の急冷は、高強度熱延鋼板の製造にとって有効である。したがって、第2の本発明によれば、高強度熱延鋼板を容易に製造し得る熱延鋼板の製造装置を提供することができる。
さらに、冷却ノズル(32a、32a、…)の冷却水噴射口がプールの冷却水中に浸漬されることで、熱延仕上げ圧延機列(2)の最終スタンド(2a)を経た鋼板(16)を均一に急冷することが容易になる。したがって、第2の本発明によれば、高強度熱延鋼板をより一層容易に製造し得る熱延鋼板の製造装置を提供することができる。
加えて、冷却装置(4)が備える冷却ノズル帯の中で最終スタンド(2a)に最も近い冷却ノズル帯が備える冷却ノズル(32a、32a、…、32b、32b、…)の冷却水噴射口が、最終スタンド(2a)の出口に位置すべき鋼板に向けられていることで、当該最終スタンド(2a)を経た直後の鋼板(16)を容易に急冷することが可能になる。したがって、本発明によれば、高強度熱延鋼板をより一層容易に製造し得る熱延鋼板の製造装置を提供することができる。
第3の本発明によれば、高強度熱延鋼板を製造し得る熱延鋼板の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の鋼板の冷却装置を備えた熱延鋼板の製造装置の実施形態を概略的に示す外観図である。図1において、鋼板は左から右の方向へと搬送されており、紙面上下方向が鉛直方向である。以下、図1の紙面左側を上流側、紙面右側を下流側と記述することがある。
図1に示すように、加熱炉から抽出され粗圧延機で圧延された粗バー1は、温度を制御されながら連続的に熱延仕上げ圧延機列2で所定の厚みまで圧延された後、本発明の鋼板の冷却装置(以下において、「第1の冷却装置」と記述することがある。)4内で急速に冷却される。ここに、第1の冷却装置4は、熱延仕上げ圧延機列の最終スタンド2aのハウジング内部から圧延ロールに極力近接するようにして設置されている。そして、第1の冷却装置4を経た鋼板16は、ランナウトテーブル9、9、…の上を搬送される間に数秒間空冷された後、第2の冷却装置5により所定の巻き取り温度まで冷却され、巻取り機3によりコイル状に巻き取られる。
第1の冷却装置4の出側には、水切り手段を兼ねたピンチロール8が設けられており、さらに、ピンチロール8の下流側には、鋼板16の上面側に水切りヘッダ14が設けられている。また、第2の冷却装置5の入側及び出側にも、鋼板16の上面側に水切りヘッダ15a、15bが設けられており、各水切りヘッダ14、15a、及び、15bの直後あるいは直前には、鋼板16の上面側に、温度計6、7a、及び、7bが設けられている。熱延仕上げ圧延機列2の最終スタンド2aと、当該スタンド2aの直前に配置されたスタンド2bとの間には、鋼板16の上面側に温度計10が設けられている。熱延仕上げ圧延機列2における鋼板16の仕上げ温度は、最終スタンド2aにより圧延される前の鋼板温度を温度計10により測定した温度から推定されるとともに、第1の冷却装置4による急冷が行われた後の鋼板温度は温度計6により測定され、第2の冷却装置5による冷却前及び冷却後における鋼板温度は温度計7a及び7bにより測定される。他方、第2の冷却装置5は、一般的なランナウト用冷却装置であり、鋼板16の上面側には円管ラミナーノズルヘッダ11、11、…が、鋼板16の下面側には搬送ロール間にスプレーノズルヘッダ12、12、…が、それぞれ設けられている。
本発明にかかる冷却装置4を備える熱延鋼板の製造装置では、当該装置4の下流側にピンチロール8を配置することが好ましい。このような形態とすることで、冷却装置4内で噴射された冷却水が鋼板16の下流側へと流出することを防止することが可能になるほか、冷却装置4内における鋼板16の波打ちを抑制して、特に、鋼板16の先端が巻き取り機3に噛み込む前の時点における鋼板16の通板性を向上させることが可能になる。
図2に、第1の冷却装置4の鉛直方向断面を概略的に拡大して示す。図2において、図の左右方向が鋼板搬送方向及び水平方向である一方、紙面に垂直な方向が鋼板板幅方向である。なお、図2における上下方向の矢印は、ピンチロール8における上ロール8aの移動方向を示している。
図2に示すように、第1の冷却装置4は、第1のガイド板22a及び第2のガイド板24aを備えている。第1のガイド板(以下において、「上ガイド板」と記述する。)22aは、下流側になるほど搬送ロール29、29、29により形成されるパスラインから遠ざかるように傾斜して配置されており、当該ガイド板22aに続く上ガイド板22b、22cは、上記パスラインに概ね平行、又は、ガイド板の下流側がパスラインからやや遠ざかるように傾斜させて配置されている。一方、第2のガイド板(以下において、「下ガイド板」と記述する。)24a、及び、これに続く下ガイド板24b、24c、24dは、上記パスラインに概ね平行、又は、ガイド板の下流側がパスラインからやや遠ざかるように傾斜させて配置されている。下ガイド板24a、24b、24c、24dの間には、搬送ロール29、29、29が配置されており、熱延仕上げ圧延機列の最終スタンド2aのロール21a、21bにより圧下された鋼板16は、上ガイド板22a、22b、22c及び下ガイド板24a、24b、24c、24dにより、第1の冷却装置4内へと誘導される。
上ガイド板22a、22b、22c及び下ガイド板24a、24b、24c、24dの外側には、冷却ヘッダ26a、26a、…、及び、26b、26b、…、並びに、27a、27a、…、及び、27b、27b、…が設けられている。各冷却ヘッダ26a、26a、…、26b、26b、…、27a、27a、…、及び、27b、27b、…のヘッダ管には、鋼板搬送方向に所定の間隔で導管が取り付けられており、当該導管の先端には冷却ノズルが取り付けられている。さらに、上ガイド板22a、22b、22c及び下ガイド板24a、24b、24c、24dには、冷却ノズルから鋼板16に向けて噴射した冷却水噴流が通過すべき流入孔が設けられている。そして、この流入孔の大きさ及び形状は、後述するように、冷却水噴流がガイド板に干渉することなく、かつ、鋼板16の長手方向先端部が当該流入孔に突っ掛かることを防止するという観点から、ガイド板毎に設計されている。
このような形態を備えることで、第1の冷却装置4は、以下の特徴を有する。
1)ロール21a、21bの出口から、上ガイド板22a、22b、22c及び下ガイド板24a、24b、24c、24dを連続的に設置することで、特に鋼板先端部進入時の突っ掛かりを防止しつつ、第1の冷却装置4内に鋼板16を誘導することが可能になるため、鋼板16の先端部進入時に、冷却装置4を退避させる必要がない。したがって、鋼板先端の非定常冷却部の長さを短くすることができ、鋼板16の搬送方向における冷却ムラを低減することが可能になる。
2)熱延仕上げ圧延機列2を経た直後から、鋼板16を第1の冷却装置4により冷却することが可能になる。そのため、熱延仕上げ圧延機列2で強圧下を行うことにより蓄積された歪を回復させることなく鋼板16を急冷することが可能になり、鋼板16における組織の微細化をより促進することが可能になる。
3)鋼板の先端が第1の冷却装置4内に入る前に、あらかじめ第1の冷却装置4内の冷却水の噴射を開始しておくことで、鋼板の先端部が冷却装置4内で波打ちを生じて鋼板20のような形態となりガイド板と接触しそうになっても、冷却水は、鋼板20をガイド板から遠ざける方向へと噴射されている。そのため、鋼板20がガイド板に衝突した場合でも、その衝突の衝撃を低減することが可能になる。また、あらかじめ噴射されている冷却水により、鋼板16とガイド板との摩擦熱を低減することが可能になるため、摩擦熱に起因して生じる鋼板表層の剥離を抑制することが可能になるほか、ガイド板や鋼板に形成される疵を低減することができる。
加えて、ロール21a、鋼板16、ピンチロールの上側ロール8a、及び、後述する側壁により囲まれる領域(以下において、「冷却室」と記述することがある。)が冷却水で満たされ、冷却水のプールが形成されると、第1の冷却装置4は定常的な冷却状態となって所定の冷却能力が得られるようになる。したがって、第1の冷却装置4の出側にピンチロール8を設ける構成とすることで、鋼板先端における非定常冷却部の長さを一層短くすることが可能になる。
図3に、第1の冷却装置4の鋼板板幅方向断面における、滞留水の流れの状況を概略的に示す。図3において、紙面に垂直な方向が鋼板搬送方向である一方、紙面の左右方向が鋼板板幅方向である。なお、図3において、矢印は、冷却水の流れを表している。
図3に示すように、第1の冷却装置4において、鋼板16の上面側には上ガイド板(図2の22a、22b、22cに相当する。図3の説明では、単に「上ガイド板37a」と記述する。)が設けられている。また、鋼板16の下面側には下ガイド板(図2の24a、24b、24c、24dに相当する。図3の説明では、単に「下ガイド板37b」と記述する。)が設けられるとともに、搬送ロール29が配置されている。他方、鋼板16の板幅方向両端側には、鋼板16の上面側に上側壁36a及び36bが、鋼板16の下面側に下側壁36c及び36dが、それぞれ設けられており、鋼板16の表面は、ロール及び側壁により囲まれて冷却室が形成される。したがって、第1の冷却装置4において、鋼板16に向けて噴射された冷却水は、当該冷却室に溜まり、冷却室に形成された滞留水のプールにより浸漬されることで、鋼板16は冷却される。
鋼板16の上面側及び下面側に備えられている冷却ノズル(以下において、「上ノズル」及び「下ノズル」と記述する。)32a、32a、…、及び、32b、32b、…から鋼板16に向けて噴射される冷却水噴流は、上ガイド板37a及び下ガイド板37bに設けられた流入孔33a、33a、…、及び、33b、33b、…から上記冷却室内へと流入して鋼板16に衝突する。そして、鋼板16の上面側及び下面側に衝突した冷却水は、上ガイド板37a及び下ガイド板37bに設けられた流出孔35a、35a、…、及び、35b、35b、…から、冷却室外へと排出される。
図3に示す第1の冷却装置4では、鋼板16の板幅方向両端側に設けられている側壁36a、36b、36c、及び36dにより、滞留水が鋼板16の端部から流出することを防止しており、上記冷却室内に滞留した冷却水は上ガイド板及び下ガイド板の流出孔35a、35a、…、及び、35b、35b、…から排出される。そのため、各冷却ノズル32a、32a、…、及び、32b、32b、…から冷却室内へと噴射されて鋼板16に衝突した冷却水は、鋼板板幅方向への流れを抑制され、冷却室内へと流入する冷却水噴流間を通り抜けて、流出孔35a、35a、…、及び、35b、35b、…から排出される(図3矢印参照)。したがって、上記冷却室内では、冷却水の鋼板板幅方向の流れがほとんど生じないため、鋼板板幅方向において均一冷却を行うことが可能になる。
図3に示す第1の冷却装置4において、上記上側壁36a及び36bの上端と鋼板16との距離は、上ノズル32a、32a、…における冷却水噴射口と鋼板16との距離よりも大きくすることが好ましい。このような構成とすることで、上ノズル32a、32a、…から噴射される冷却水の噴射圧を低下させて冷却水の流量密度を小さくした場合であっても、上記冷却室内における滞留水の液高さを、上ノズル32a、32a、…における冷却水噴射口の位置よりも高くすることができる。そのため、上記冷却室内が冷却水により満たされている第1の冷却装置4の定常運転状態下では、冷却水の流量密度によらず、常に、上ノズル32a、32a、…における冷却水噴射口を、冷却水中に配置することができる。すなわち、図3に示すように、上側壁36a及び36bの上端よりも低い位置に上ノズル32a、32a、…における冷却水噴射口を配置することで、冷却水噴流に対する鋼板板幅方向の滞留水高さ分布の影響を完全に排除することが可能になる。一方、上述のように、第1の冷却装置4では、上側壁36a及び36bの上端よりも低い位置では冷却水の鋼板板幅方向の流れがほとんど生じないため、冷却水噴流に対する鋼板板幅方向の冷却水流れによる影響も排除することが可能になる。したがって、かかる構成を備える第1の冷却装置4とすることで、鋼板16上における冷却水噴流の衝突圧を、鋼板板幅方向の全ての冷却ノズルにおいて完全に均等にすることができるため、鋼板板幅方向における更なる均一冷却を行うことが可能になる。
なお、常に十分に高い流量密度(例えば、下記式(1)で定義される流量密度Wが8.0(m/m・分)程度)の冷却水が噴射されている状況下で使用する場合、又は、上ガイド板37a及び上ノズル32a、32a、…を十分に鋼板16に近接可能な場合であって側壁36a、36b、36c、及び、36dが存在しなくても上ガイド板37aと鋼板16との間を冷却水で満たすことが可能な場合等には、側壁36a、36b、36c、及び、36dを備えない第1の冷却装置4であっても良い。かかる形態の冷却装置4では、特に鋼板の端部近傍で鋼板板幅方向の冷却水流れが生じるため、鋼板端部の冷却能が上昇しやすいと考えられるが、上記場合には流出孔35a、35a、…から大部分の冷却水が排出される。したがって、このような形態を備える冷却装置4であっても、従来よりも鋼板板幅方向における均一冷却を行うことが可能な冷却装置4を提供することができる。
図3に示す第1の冷却装置4のように、鋼板16の下面側にも下ガイド板37b並びに/又は下側壁36c及び36dを配置し、鋼板16と下ガイド板37bとの間も冷却水で満たすことで、優れた冷却能を有するとともに鋼板板幅方向における均一冷却をより一層確実に行い得る冷却装置4とすることができる。ここに、滞留水に起因する冷却ムラは、通常、鋼板の上面側で生じる現象である。そのため、鋼板板幅方向における均一冷却の実施のみを重視する場合には、下ガイド板37b並びに/又は下側壁36c及び36dを備えない冷却装置4としても良い。
また、本発明にかかる第1の冷却装置4は、当該冷却装置4内における鋼板16の蛇行を抑制するという観点から、サイドガイド38a及び38bを備えることが好ましい。サイドガイド38a及び38bは、駆動アーム39a及び39bを介して鋼板板幅方向へと移動可能となるように構成されている。当該方向へ移動可能な形態とすることで、冷却装置4内を搬送される鋼板16の搬送位置を、鋼板板幅方向における冷却装置4の中央部へ制御することができる。かかるサイドガイド38a及び38bは、上記機能に加えて、鋼板16の両サイド(上側壁36a及び36bと鋼板16両端部の間)から回り込む冷却水の流れを遮る機能をも有するため、サイドガイド38a及び38bを備えることで、鋼板板幅方向における均一冷却をより一層確実に行い得る第1の冷却装置4を提供することができる。
なお、本発明にかかる第1の冷却装置4は、下ガイド板37bと搬送ロール29、29、…との間、あるいは冷却装置4入側の上ガイド板37a及び下ガイド板37bと圧延ロール21a及び21bとの間、あるいは冷却装置4の出側に、ピンチロール8を備える形態であっても良い(図1参照)。第1の冷却装置4がピンチロール8を備える場合、ピンチロール8と上ガイド板37a及び下ガイド板37bとの接触を避けるという観点から、ピンチロール8と上ガイド板37a及び下ガイド板37bとの間に10〜20mm程度の隙間を設ける必要があるため、冷却水はかかる隙間からも冷却室外へと排出される。したがって、鋼板板幅方向における冷却ムラの発生を防止するという観点から、ピンチロール8を備える第1の冷却装置4では、上記隙間を鋼板板幅方向に一様とすることが好ましい。
本発明にかかる第1の冷却装置4では、上側壁36a及び36bを設置することで、上ガイド板37aとパスラインとの距離が500mm程度であっても、鋼板板幅方向における均一冷却を実施することができる。そのため、本発明の冷却装置4は、厚鋼板の冷却装置として適用可能であるほか、冷却装置4の入側にピンチロールを配置するか又は熱延仕上げ圧延機列2の直後に当該冷却装置4を配置することで、鋼板先端の非定常冷却域を低減させ得る熱延鋼板の冷却装置としても適用することができる。ここに、例えば、本発明にかかる第1の冷却装置4が熱延鋼板の製造装置に備えられる場合、冷却装置4が配置されるべき位置は特に限定されるものではないが、熱延仕上げ圧延機列2における最終スタンド2aの直後に、ハウジングの内部から当該最終スタンド2aの圧延ロール21a及び21bに極力近接するように配置させることが好ましい。このように配置させることで、熱延仕上げ圧延機列2による圧延直後の鋼板16を急冷することが可能になるとともに、鋼板16の先端部を安定して冷却装置4に誘導することが可能となるため、冷却装置4を退避させることなく鋼板16の先端部をも定常冷却部とし得る熱延鋼板の製造装置を提供することが可能になる。
鋼板16が最終スタンド2aで圧下されてから冷却が開始されるまでの時間をより一層短くするという観点から、本発明にかかる第1の冷却装置4では、熱延仕上げ圧延機列2の最終スタンド2aの圧延ロール21a及び21bに最も近い冷却ヘッダから噴射される冷却水の噴射方向を、当該冷却ヘッダから上記ロール21a及び21bへの方向とすることが好ましい。上記ロール21a及び21bに最も近い冷却ヘッダから、このような方向に冷却水を噴射することで、ロール21a及び21bを経た直後の鋼板16に向けて冷却水を噴射することが可能になる。したがって、圧延で蓄積された圧延歪が回復する時間をほぼゼロにすることができるため、より微細な組織を有する鋼板を製造することができる。
また、本発明にかかる第1の冷却装置4の装置長さは、特に限定されるものではないが、良好な通板性を確保するとともにメンテナンス作業を容易にするという観点から、可能な限り短くすることが好ましい。好ましい装置長さは8m以下、さらに好ましくは5m以下である。
本発明者が行った冷却ノズルの冷却能測定結果を基に、本発明にかかる第1の冷却装置4を用いて板厚が3mmの鋼板を850℃から650℃までΔTc=200℃の冷却を行う場合における、流量密度W(m/m・分)と、表面から0.75mmの領域の鋼板冷却速度V(℃/秒)との関係を見積もった。この結果を図4に示す。図4において、縦軸は冷却速度V(℃/秒)、横軸は流量密度W(m/m・分)である。なお、以下において、鋼板温度をX℃低下させる冷却を、「ΔT=X℃の冷却」と記述する。
上記ΔT=200℃の冷却において、冷却ノズルへの給水圧は1.5MPa、鋼板搬送方向における冷却ノズル帯の間隔Pは0.1mとし、鋼板の上面側及び下面側における冷却水の流量密度は同一とした。
冷却ノズル1個当たりの冷却水の平均流量をQ(m/分)、鋼板板幅方向における冷却ノズルの平均配置間隔をP(m)とするとき、流量密度Wは、
=Q/(P・P) (1)
で与えられる。ここに、上記冷却ノズルの平均配置間隔Pを小さくするほど冷却効率が上昇するため、冷却装置のコンパクト化を図ることが可能になる。本発明の冷却装置4を実機へと適用する場合、メンテナンス作業を効率良く行う等の観点から、Pは0.04m以上が好ましく、板幅方向の冷却均一性確保の観点から、0.16m以下であることが好ましい。図4に、P=0.04m、0.08m、及び、0.16mのそれぞれの場合における流量密度Wと冷却速度Vとの関係を示す。
一方、冷却ノズルへの給水圧は、高圧にするほど冷却効率が上昇するが、実機適用時における操業条件を適当なものにする等の観点から、冷却ノズルへの給水圧は1.5MPa前後とすることが好ましい。
したがって、これらの条件を満たすという観点から、板厚3mmの鋼板を冷却する場合における冷却速度Vは、
109・W 2/3 ≦ V ≦ 177・W 3/5 (i)
であることが好ましい。図4に、V=109・W 2/3を一点鎖線で、V=177・W 3/5を破線で、それぞれ示す。図4より、P=0.04m、0.08m、及び、0.16mのそれぞれの場合における値は、上記式(i)を満たす領域内に位置している。
ここに、本発明にかかる冷却装置4を熱延鋼板の冷却装置として適用し、熱延仕上げ圧延後に鋼板を急冷させて鋼板の結晶粒の微細化を図る場合、圧延直後の鋼板に対して、ΔT=100〜200℃の冷却を行う必要がある。一方、巻き取り機で巻き取られ始めて速度が増した後における鋼板の通板速度Vは、15〜20m/秒程度である。そこで、第1の冷却装置4に備えられるノズル帯の総数をNとするとき、冷却装置4が備えるべき鋼板搬送方向の装置長さ(以下において、「有効冷却長さ」と記述することがある。)L(m)は、次式で与えられる。
=P・N=V・ΔT/V (ii)
すなわち、上記式(i)及び(ii)より、本発明にかかる冷却装置4を熱延鋼板の冷却装置として適用して、板厚3mmの鋼板を冷却する場合に必要とされる有効冷却長さLの範囲は、
15・100/(177・W 3/5) ≦ L ≦ 20・200/(109・W 2/3
より、
8.5/W 3/5 ≦ L ≦ 36.7/W 2/3 (3)
となる。したがって、本発明にかかる冷却装置4の有効冷却長さLを上記式(3)の範囲に制限することで、結晶粒の微細化に必要な冷却能力を有するとともに良好な操業性を備え得る、冷却装置4を提供することができる。
ところで、従来の熱延鋼板の圧延ラインでは、通常、熱延仕上げ圧延機列の最終スタンドから冷却装置までの距離は10m程度であり、この10m程の間に、各種計測器類が配置されている。そのため、当該計測器類を2mの区間内に配置すれば、8mの区間を確保することができる。したがって、本発明にかかる冷却装置4の鋼板搬送方向における装置長さLを8m以下に抑えれば、従来の冷却装置を動かすことなく、従来の熱延鋼板の圧延ラインに本発明にかかる冷却装置4を配置することができる。すなわち、本発明にかかる冷却装置4の有効冷却長さLを8m以下に抑えることで、従来の熱延鋼板の製造装置から鋼板の結晶粒を微細化させ得る熱延鋼板の製造装置へと改造する際のコストを低減することが可能になる。
ここに、上記式(3)におけるLの最大値を与えるΔT=200℃及びV=20m/秒の場合にLを8m以下とするには、式(ii)より、冷却速度Vを500℃/秒以上とする必要がある。そして、かかる冷却速度Vとするには、図4より、流量密度Wを最低でも5.65m/m・分程度以上とする必要がある。したがって、冷却装置4において、流量密度Wが6.0以上であるとともに、式(ii)で定義される有効冷却長L(m)と流量密度Wとが式(3)を満たす場合には、従来の熱延鋼板の製造装置から鋼板の結晶粒を微細化させ得る熱延鋼板の製造装置へと改造する際のコストを低減することが可能な、冷却装置4とすることができる。
なお、上記式(3)は、板厚3mmの鋼板を冷却する場合を想定して導出された式であるが、板厚が3mmよりも厚い鋼板を冷却する場合には、鋼板の冷却速度が低下するため、それに伴い鋼板の通板速度を低下させることで、結晶粒の微細化に必要な冷却能力を有するとともに良好な操業性を備え得る、冷却装置4とすることができる。これに対し、板厚が3mmよりも薄い鋼板を冷却する場合には、鋼板の冷却速度が増加するため、それに伴い鋼板の通板速度を増加させることで、同様の効果を備える冷却装置4とすることができる。したがって、上記式(3)を満たす冷却装置4とすることで、通常の製造範囲内の板厚を備える全ての熱延鋼板を冷却し得る冷却装置4とすることが可能である。
便宜上、上記説明では、第1の冷却装置4の下流側にピンチロール8及び水切りヘッダ14が設けられている形態について説明したが、本発明にかかる冷却装置4の通常運転時には、高圧の冷却水が大量に噴射されているので、鋼板16と上ガイド板37a及び下ガイド板37bとの衝突による表面疵は発生し難い。そのため、本発明にかかる冷却装置4及び当該冷却装置4を備える熱延鋼板の製造装置は、当該装置4の下流側にピンチロール8が設けられていない形態であっても良い。ピンチロール8が設けられていない形態の具体例としては、当該装置4の下流側に水切りヘッダ14が鋼板の上面側に設けられている形態等を挙げることができる。第1の冷却装置4の下流側にピンチロール8が設けられていないとともに水切りヘッダ14が設けられている形態の場合、第1の冷却装置4では大量の冷却水が噴射されるため、水切りヘッダ14は優れた水切り能力を有することが好ましい。通常は水切りヘッダとしては板幅方向にスプレーノズルを所定の間隔で並べて配置したものが使用されているが、更に水切り能力に優れたノズルとして板幅方向に一様なギャップを有するスリットノズルを用いた方が良い。例えば、当該ヘッダ14にスリットノズルを用いる場合、ノズルのスリットギャップを3〜10mm程度とし、1.0MPa前後の高圧水を噴射し得ることが好ましい。さらに、第1の冷却装置4の下流側にピンチロール8が設けられていない場合には、上記水切りヘッダ14の下流側(直後)にスプレータイプの水切りヘッダを設置して、当該水切りヘッダが設けられている鋼板16の上面側から上流側に向けて水を噴射するか、又は、鋼板板幅方向の両端側から鋼板16に向けて噴射する形態とすることが好ましい。このような形態とすることで、水切りヘッダ14による水切りを経てなお鋼板面上に残存する水を完全に水切りすることが可能になる。
本発明にかかる第1の冷却装置4の操業方法を、以下に説明する。鋼板が巻き取り機3により巻き取られてから次の鋼板の圧延が開始されるまでの非圧延時間において、第1の冷却装置4における冷却水の噴射は停止される。そして、第1の冷却装置4の下流側にピンチロール8が設けられている場合には、上記非圧延時間中に、冷却装置4の上ガイド板37aよりも高い位置までピンチロールの上側ロール8aが移動され、その後、次の鋼板の圧延が開始される。当該次の鋼板の先端が熱延仕上げ圧延機列2の最終スタンド2aに噛み込む数秒前に、冷却装置4に備えられている冷却ノズル32a、32a、…、及び、32b、32b、…、並びに、水切りヘッダ14、15a、15bにおいて冷却水の噴射が開始され、鋼板の先端が冷却装置4を通過した直後に冷却水の噴射圧力がほぼ所定値となるように制御される。ここに、第1の冷却装置4の下流側にピンチロール8が設けられている場合には、鋼板16の先端がピンチロール8を通過した直後に上側ロール8aを下降させ、鋼板16のピンチを開始する。
鋼板16の先端が第1の冷却装置4内へと搬送される前から冷却水の噴射を開始することで、鋼板先端における非定常冷却部の長さを短くすることが可能になるほか、冷却ノズル32a、32a、…、及び、32b、32b、…から噴射される冷却水により、鋼板16の通板性を安定化させることが可能になる。すなわち、鋼板16が浮き上がって上ガイド板37aへと近づこうとする場合には、鋼板16が冷却ノズル32a、32a、…より噴射される冷却水噴流から受ける衝突力が増し、鋼板16に鉛直方向下向きの力が作用する。そのため、鋼板16が上ガイド板37aへと衝突した場合であっても、冷却水噴流から受ける衝突力によりによりその衝撃力が緩和されるとともに、鋼板16と上ガイド板37aとの摩擦熱が低減されるため、鋼板表面に生じる擦り疵を低減することが可能になる。
したがって、このように操業される冷却装置4を熱延仕上げ圧延機列2の下流側に備える熱延鋼板の製造装置により、熱延鋼板を製造すれば、圧延機列2により圧延された直後の鋼板16を急冷することが可能になる。すなわち、かかる製造方法により熱延鋼板を製造することで、組織が微細化された熱延鋼板を製造することが可能になる。
本発明にかかる第1の冷却装置を備える熱延鋼板の製造装置(図1参照)を想定した試験装置を用いて、熱延鋼板を製造した。本実施例にかかる熱延鋼板は、C:0.10%、Si:0.05%、Mn:1.05%、P:0.02%、S:0.003%、Al:0.02%、並びに、残部はFe及び不可避的不純物である汎用的な材質とした。1100℃まで加熱されたスラブが加熱炉から抽出され、粗圧延機による圧延により30mmの厚みとされた粗バー1は、続く熱延仕上げ圧延機列2による圧延により板厚3mmの鋼板となる。ここに、上記圧延において、鋼板の温度は粗圧延後で950〜1000℃であるとともに、最終仕上げ圧延直前では830±10℃となるように温度計10の測温結果を適宜参照しながら鋼板温度を制御した。
本実施例において、熱延仕上げ圧延機列2の最終スタンド2aを経た鋼板16の先端が巻き取り機3に噛み込むまでの鋼板搬送速度は600mpmで一定とし、その後、20mpm/秒で1200mpmとなるまで加速させ、それ以降の鋼板搬送速度は1200mpmで一定とした。
本実施例では、温度計6で測温した結果を用いて冷却後の鋼板温度が680±20℃となるように制御しながら、熱延仕上げ圧延機列2による圧延を経た鋼板16を、第1の冷却装置4により、1050℃/秒の冷却速度で冷却した。さらに、第1の冷却装置4による冷却を経た鋼板16を、温度計7bで測温した結果を用いて冷却後の鋼板温度が500±15℃となるように制御しながら、第2の冷却装置5により70℃/秒の冷却速度で冷却した。ここに、第1の冷却装置4及び第2の冷却装置5による冷却を行う際の温度制御は、鋼板16の通板速度の変化を考慮しながら、冷却ヘッダ毎の冷却水噴射をオンオフ制御し冷却水を噴射させるヘッダ数を調整することにより行った。
本実施例にかかる第1の冷却装置4に備えられる上ノズル32a、32a、…、並びに、下ノズル32b、32b、…において、鋼板搬送方向のノズル間隔Pは0.1m、鋼板板幅方向のノズル間隔Pは0.04m、ノズルに供給される冷却水の水圧は1.5MPa、ノズル1個当たりの冷却水の流量Qは0.08m/分、及び、冷却水の流量密度Wは20m/m・分とした。これら上ノズル32a、32a、…、及び、下ノズル32b、32b、…は、ノズル毎に、冷却ヘッダ26a、26a、…、及び、26b、26b、…、並びに、27a、27a、…、及び、27b、27b、…に設けられた導水管の先端に取り付けられている(図2及び図3参照)。なお、本実施例にかかる第1の冷却装置4において、鋼板の上面側及び下面側には、それぞれ32基及び24基の冷却ヘッダを設けた。ところで、第1の冷却装置4において得られる鋼板温度の降下量は、冷却ヘッダに取り付けられている冷却ノズル数及び冷却ノズル1個当たりの冷却水流量が一定であれば、使用される冷却ヘッダ数にほぼ比例する。そのため、鋼板の通板速度が600mpmの時には、冷却装置4内の上流側に位置している半分の冷却ヘッダ(上面側16基、下面側12基)を用いて鋼板16の冷却を行い、鋼板16の通板速度が増加するにつれて使用する冷却ヘッダ数を増加させ、通板速度が1200mpmの時には、全ての冷却ヘッダを用いて鋼板16の冷却を行った。以下、冷却ヘッダ、冷却ノズル、並びに、上ガイド板及び下ガイド板の配置条件に関する説明では、適宜図2及び図3を参照して、それらに使用されている符号を付して説明する。
本実施例において、第1の冷却装置4に備えられる上ガイド板22a、22b、22c及び下ガイド板24a、24b、24c、24dの厚さはそれぞれ30mmとし、搬送ロール29、29、29により形成されるパスラインと上ガイド板22b、22cとの距離は約300mm、当該パスラインと下ガイド板24a、24b、24c、24dとの距離は約15mmとした。また、上ガイド板22aは、当該ガイド板22aの上流側端部と熱延仕上げ圧延機列2における最終スタンド2aの上側ロール21aのバイト出口との距離が10〜20mm程度となるように配置した。そして、当該ガイド板22aの下流側端部が上記上流側端部よりもパスラインから離れるように、かつ、当該下流側端部及びガイド板22bと上記パスラインとの距離が略同一となるように、上ガイド板22aを配置した。さらに、上記パスラインとの距離が約300mmとなるように配置されている下ガイド板24aは、当該ガイド板24aの上流側端部と上記最終スタンド2aの下側ロール21bのバイト出口との距離が10〜20mm程度となるように配置した。他方、冷却ヘッダ26a、26a、…、及び、26b、26b、…に備えられている冷却ノズルにおける冷却水噴射口と上ガイド板22a、22b、22cとの距離は約10mmとし、冷却ヘッダ27a、27a、…、及び、27b、27b、…に備えられている冷却ノズルにおける冷却水噴射口と下ガイド板24a、24b、24c、24dとの距離は約100mmとした。
本実施例にかかる冷却装置4では、ガイド板37a及び37bと鋼板16とが衝突した場合でも、上ガイド板37a及び下ガイド板37bを支持する支持架台が破損しないようにするという観点から、当該支持架台には、十分な剛性を持たせた。また、冷却装置4のメンテナンス作業を容易にするという観点から、本実施例にかかる冷却装置4は、上ガイド板22b及び22cを冷却ヘッダ26a、26a、…と共にパスラインから離れる方向(上方)へと退避させることが可能な構造にした。加えて、当該冷却装置4は、上ガイド板22aを、ガイド板22bの上記退避後に冷却ヘッダ26b、26b、…と共に下流側斜め上方へと移動させて退避させることが可能な構造とした。
本実施例において、冷却装置4には、鋼板の上面側に、32基の冷却ヘッダ26a、26a、…、及び、26b、26b、…が設けられている。一方、鋼板の下面側には、3本の搬送ロール29、29、29と24基の冷却ヘッダ27a、27a、…、及び、27b、27b、…が設けられている。そして、各搬送ロールの上流側及び下流側に冷却ヘッダ27a、27a、…、及び、27b、27b、…が6基ずつ備えられるように、搬送ロール29、29、29並びに冷却ヘッダ27a、27a、…、及び、27b、27b、…を配置した。ここに、上述のように、本実施例ではP=0.1mより、有効冷却長さLは、鋼板16の上面側で3.2m、同下面側で2.4mとなる。さらに、Q=0.08m/分、P=0.1m、P=0.04mより、W=Q/(P・P)=20m/m・分であるから、本実施例にかかる鋼板16の上面側及び下面側の有効冷却長さLは、式(3)を満たしている。なお、本実施例にかかる冷却装置4に備えられている全ての冷却ヘッダは、1つの冷却ヘッダ毎に1つのON/OFF弁で、使用/不使用の制御をすることができる。また、4〜8基の冷却ヘッダを1つのバンクとし、当該バンク毎に冷却水の流量調節弁が設けてあるため、本実施例にかかる冷却装置4では、上記バンク毎に冷却水の流量調節をすることもできる。
本実施例にかかる冷却装置4に備えられる冷却ノズルは、扇状の冷却水噴流(例えば、2〜3mm程度の厚さ)を形成可能なフラットタイプのスプレーノズルとした。図5に鋼板表面における冷却水噴流の衝突位置を概略的に示す。図5において、白丸は冷却ノズルの直下(又は直上)の位置を、太線は冷却水噴流の衝突位置を、それぞれ表している。なお、図5における上下方向が、鋼板の搬送方向である。
本実施例では、冷却装置4に備えられる任意の冷却ノズル帯について、鋼板表面における幅方向の全ての位置にわたって冷却水噴流を少なくとも2回通過できるように冷却ノズルを配置した。すなわち、冷却ノズルの間隔P、冷却水噴流の衝突幅L、ねじり角βとの間に、
L=2P/cosβ
の関係が成り立つように、冷却ノズルを配置した。なお、鋼板板幅方向における冷却能の均一化を図るという観点から、鋼板搬送方向で隣り合う冷却ノズル帯では、互いに逆の方向に冷却ノズルを捻った。また、本実施例にかかる冷却装置4において、各冷却ノズルの冷却水噴射口から噴射される冷却水の噴射方向は、鉛直方向又は鉛直方向の逆方向(下から上への方向)を基本とする一方、ロール21a及び21bに最も近い冷却ヘッダ26b及び27bにおける上記噴射方向は、可能な限りロール21a及び21bの出口に近い位置から鋼板の急冷を開始するという観点から、ロール21a及び21bの出口に位置すべき鋼板へと向かう方向とした。
本実施例にかかる冷却装置4に備えられる上ガイド板37a及び下ガイド板37bには、噴射された冷却水噴流が通過すべき流入孔33a及び33bと、鋼板16に衝突した冷却水が排出されるべき流出孔35a及び35bとが設けられている。下ガイド板37bに設けられる流入孔33b及び流出孔35bの形状例を、図6に示す。図6において、図の左右方向が鋼板板幅方向、図の上下方向が鋼板の搬送方向である。
下ガイド板37bには、図5において太線で表される冷却水噴流の衝突位置と対応する箇所に、平行四辺形の帯状の流入孔33b、33b、…が設けられており、当該流入孔33b、33b、…は、鋼板板幅方向に、冷却ノズル間隔と同一の40mm間隔で設けられている。本実施例にかかる下ガイド板37bでは、2〜3mm程度の厚さを有する冷却水噴流が通過可能な隙間にするという観点から、上記流入孔33b、33b、…が備える隙間の幅は、6mmとした。さらに、下ガイド板37bには、上記流入孔33b、33b、…の間又は外側に、平行四辺形の帯状の流出孔35b、35b、…が、鋼板板幅方向に40mmの間隔で設けられている。本実施例にかかる下ガイド板37bでは、冷却水の排出を容易にするという観点から、上記流出孔35b、35b、…が備える隙間の幅は、10mmとした。加えて、流入孔33b、33b、…、及び流出孔35b、35b、…の傾き(水平面にて平行四辺形の長辺が板幅方向に対してなす角度であり、冷却ノズルのねじり角βに合せる)は45°とし、流入孔33b、33b、…と流出孔35b、35b、…との間の部分(以下において、「ビーム部」と記述する。)Dの幅は、6.1mmとした。なお、本ガイド板37bには、冷却装置4内を搬送される鋼板16の先端がガイド板37bに衝突した場合であっても鋼板16の突っかかりを抑制するという観点から、図6のA−A断面に表されるように、面取り部B、B、Bを設けた。
本実施例にかかる冷却装置4の上ガイド板37aに設けられる流入孔33a及び流出孔35aの形状例を、図7に示す。上ガイド板37aにおいて、流出孔35a、35a、…の形状は、下ガイド板37bにおける流出孔35b、35b、…の形状と同様とした。一方、上ガイド板37aと鋼板の上面側に設けられている冷却ヘッダ26a、26a、…、及び、26b、26b、…に備えられている冷却ノズルにおける冷却水噴射口との距離は約10mmであり、噴射された冷却水噴流はそれほど拡がっていない。そのため、上ガイド板37aにおける流入孔33a、33a、…の形状は、必ずしも帯状とする必要はないことから、本実施例では、長円形状の流入孔33a、33a、…とした。また、上ガイド板37aのビーム部には、下ガイド板37bの場合と同様の観点から、面取り部を設けた。
なお、便宜上、上ガイド板37a及び下ガイド板37bに備えられる流入孔33a、33a、…、及び、33b、33b、…、並びに、流出孔35a、35a、…、及び、35b、35b、…は、図6及び図7に示す形状としたが、本発明の冷却装置4が備え得る流入孔及び流出孔の形態はこれらの形態に限定されるものではない。冷却水をスムーズに通過させることが可能であれば、流入孔及び流出孔の形状は特に限定されることはなく、例えば、長方形、六角形、楕円形等の形状から任意の形状を適宜選択することができる。
本実施例では、第2の冷却装置5として、ランナウトテーブルにおける鋼板の冷却に従来から用いられている典型的な冷却装置を用い、鋼板16の上面側には円管ラミナーノズルヘッダ11、11、…を、同下面側には円錐スプレーノズルヘッダ12、12、…を配置した(図1参照)。本実施例にかかる第2の冷却装置5における流量密度は、鋼板16の上面側で1.2m/m・分、鋼板16の下面側で0.9m/m・分とし、鋼板16の上面側及び下面側には、それぞれ32基及び64基のヘッダを設けた。なお、上記第2の冷却装置5において、鋼板16の上面側に設けられているヘッダは1ヘッダ毎に、鋼板16の下面側に設けられているヘッダは2ヘッダ毎に、冷却水噴流のON/OFF制御が可能な構成とした。
本実施例において、冷却装置4の上ガイド板22aは平板状としたが、本発明にかかる冷却装置4は、通常の圧延機で用いられているガイドのように、下流側が上方に湾曲している形状の上ガイド板を備えていても良い。また、本実施例にかかる冷却ノズルは、フラットタイプのノズルとしたが、本発明にかかる冷却ノズルとして使用し得る形態は、フラットタイプに限定されるものではなく、例えば、噴射される冷却水噴流の衝突部が楕円状や長円状の形態となるノズル等であっても好適に使用することができる。
上記形態を備える試験装置を用いて熱延鋼板を製造した結果、以下のことが確認された。
1)第1の冷却装置4を用いて熱延仕上げ圧延機列2による圧延直後から鋼板16を急冷することにより、平均2μmのフェライト粒を主相とする、細粒鋼を製造することができた。すなわち、本発明の冷却装置4を用いることで、微細な組織を有する熱延鋼板を製造できることが確認された。
2)本実施例にかかる第1の冷却装置4では、ロール21a、21bの出口から、上ガイド板22a、22b、22c及び下ガイド板24a、24b、24c、24dが連続的に設置されているため、鋼板16の先端が冷却装置4内へと進入する前に、パスラインの上面側に配置されている冷却装置部材をパスラインの上方へと退避させる必要がない。さらに、本実施例にかかる第1の冷却装置4では、鋼板16の先端が当該冷却装置4内へと進入する前から冷却水の噴射を開始することで、鋼板16の先端が熱延仕上げ圧延機列2を通過後0.5秒以内に、冷却装置4における定常冷却状態を実現することができた。一方、従来の製造装置では、パスラインの上方へと退避させた冷却装置が再び鋼板を冷却すべき位置に戻されて定常冷却状態が実現されるまでに7〜8秒程度の時間を要していた。したがって、本発明の冷却装置4を用いて熱延鋼板を製造することで、鋼板先端部の非定常冷却部長さ(切捨て代)を低減し得ることが確認された。すなわち、例えば鋼板先端部の通板速度が600mpmであれば、本発明の冷却装置4を用いて熱延鋼板を製造することで、上記非定常冷却部長さを約70m削減することができる。
3)第1の冷却装置4の下流側に配置した温度計6の更に下流側に、鋼板板幅方向の温度分布を測定し得る幅温度計を設置し、第1の冷却装置4により冷却された後の鋼板16の上面の鋼板板幅方向における温度分布の測定結果を、図8に示す。なお、比較のため、側壁及び流出孔を備える第1の冷却装置4を用いた形態(実施例1)、流出孔を備える一方で側壁を備えない第1の冷却装置4を用いた形態(実施例2)、及び、側壁を備えず流出孔を塞いだ第1の冷却装置を用いた形態(比較例)について、温度分布を測定した。
図8に示すように、実施例1にかかる冷却装置4により冷却された鋼板16は、鋼板板幅方向における温度差(以下において、「温度偏差」と記述する。)が15℃以内に収まっていた。そのため、本発明にかかる冷却装置4を用いて冷却することで、鋼板板幅方向における冷却ムラが低減された鋼板が得られることが確認された。また、実施例2にかかる冷却装置4により冷却された鋼板16は、冷却装置4が側壁を備えない形態だったため、特に鋼板端部近傍において鋼板板幅方向の冷却水流れが生じた結果、鋼板端部近傍における温度降下が認められたが、温度偏差は約20℃に止まっていた。そのため、側壁を備えない形態であっても、本発明の冷却装置4を用いて冷却することで、鋼板板幅方向における冷却ムラが低減された鋼板が得られることが確認された。これに対し、側壁及び流出孔を備えない比較例の冷却装置により冷却された鋼板は、冷却装置内で生じた鋼板板幅方向の冷却水流れにより鋼板の冷却ムラが拡大したため、温度偏差は約40℃へと拡大した。
すなわち、本発明にかかる冷却装置により急速冷却を行うことで、冷却後の鋼板における冷却ムラを低減することができる。したがって、本発明の冷却装置を用いて鋼板を製造すれば、鋼板内で均一な粒径分布とフェライト分率とを有するとともに、機械特性のばらつきが少ない細粒鋼を製造することが可能である。
本発明の鋼板の冷却装置を備えた熱延鋼板の製造装置の実施形態を概略的に示す外観図である。 本発明の鋼板の冷却装置の鉛直方向断面を概略的に示す図である。 滞留水の流れを概略的に示す図である。 流量密度と鋼板の冷却速度との関係を示す図である。 鋼板表面における冷却水噴流の衝突位置を概略的に示す図である。 下ガイド板に設けられる流入孔及び流出孔の形状例を示す図である。 上ガイド板に設けられる流入孔及び流出孔の形状例を示す図である。 冷却装置による冷却後の鋼板における鋼板板幅方向の温度分布測定結果を示す図である。 鋼板上に形成される滞留水の形状と冷却水の流れの様子とを概略的に示す図である。 冷却水の流量密度と鋼板板幅方向中央部における滞留水の高さとの関係を示す図である。 鋼板板幅方向中央からの距離と滞留水高さ及び鋼板板幅方向における冷却水の流速との関係を示す図である。
符号の説明
2 熱延仕上げ圧延機列
2a 最終スタンド
4 冷却装置
14 水切り手段
16 鋼板
21a、21b ロール
22a、22b、22c、37a 第1のガイド板(上ガイド板)
24a、24b、24c、24d、37b 第2のガイド板(下ガイド板)
29 搬送ロール
32a、32b 冷却ノズル
33a、33b 流入孔
35a、35b 流出孔
36a、36b、36c、36d 側壁

Claims (11)

  1. 搬送ロール上のパスラインを搬送される鋼板を冷却すべき、複数の冷却ノズル帯を備える鋼板の冷却装置であって、
    複数の前記冷却ノズル帯は、前記鋼板の上面側及び下面側に設けられるとともに前記鋼板の搬送方向に列をなし、
    前記冷却ノズル帯は、前記鋼板の板幅方向に所定の間隔で配置された複数の冷却ノズルを備え、
    複数の前記冷却ノズルは、前記鋼板を冷却すべき冷却水を噴射し、
    前記鋼板の上面側に設けられた前記冷却ノズルと前記パスラインとの間に第1のガイド板が設けられるとともに、該第1のガイド板は、前記冷却ノズルから前記鋼板に向けて噴射された前記冷却水が通過すべき流入孔と、前記冷却水が前記鋼板から前記冷却ノズルの方向へと通過すべき流出孔と、を有することを特徴とする、鋼板の冷却装置。
  2. 前記パスラインの上面側であるとともに前記鋼板の板幅方向両端側に、側壁が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の鋼板の冷却装置。
  3. 前記側壁の上辺と前記パスラインとの距離は、前記冷却ノズルの冷却水噴射口と前記パスラインとの距離よりも大きいことを特徴とする、請求項2に記載の鋼板の冷却装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼板の冷却装置であって、
    さらに、前記鋼板の下面側に設けられた前記冷却ノズルと前記パスラインとの間に第2のガイド板が設けられ、該第2のガイド板は、前記冷却ノズルから前記鋼板に向けて噴射された前記冷却水が通過すべき流入孔と、前記冷却水が前記鋼板から前記冷却ノズルの方向へと通過すべき流出孔と、を有することを特徴とする、鋼板の冷却装置。
  5. 前記パスラインの下面側であるとともに前記鋼板の板幅方向両端側に、側壁が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼板の冷却装置。
  6. 前記冷却ノズル1個当たりの前記冷却水の平均流量をQ(m/分)、
    前記鋼板の板幅方向における前記冷却ノズルの平均配置間隔をP(m)、
    前記鋼板の搬送方向における前記冷却ノズル帯の平均間隔をP(m)、
    前記鋼板の搬送方向における前記冷却ノズル帯の総数をN、とするとき、
    式(1)で定義される流量密度W(m/m・分)が6.0以上であるとともに、
    式(2)で定義される有効冷却長L(m)と前記流量密度Wとが式(3)を満たすことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の鋼板の冷却装置。
    =Q/(P・P) (1)
    =P・N (2)
    8.5/W 3/5 ≦ L ≦ 36.7/W 2/3 (3)
  7. 熱延仕上げ圧延機列における最終スタンドと、請求項1〜6のいずれか1項に記載の鋼板の冷却装置と、冷却水の水切りを行う水切り手段とを、鋼板の搬送方向に順に備えることを特徴とする、熱延鋼板の製造装置。
  8. 前記最終スタンドのロールと前記水切り手段との間の領域に前記冷却水のプールが形成されるとともに、前記鋼板が前記プールの冷却水中に浸漬されるように前記水切り手段が配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の熱延鋼板の製造装置。
  9. 前記鋼板の上面側に設けられている前記冷却装置の冷却ノズルは、該冷却ノズルの冷却水噴射口が前記プールの冷却水中に浸漬されるように設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の熱延鋼板の製造装置。
  10. 前記冷却装置が備える冷却ノズル帯の中で前記最終スタンドに最も近い前記冷却ノズル帯が備える冷却ノズルの冷却水噴射口が、前記最終スタンド出口に位置すべき鋼板に向けられていることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の熱延鋼板の製造装置。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の熱延鋼板の製造設備を用いて、熱延仕上げ圧延機列における最終スタンドで圧延された鋼板を処理する工程を含むことを特徴とする、熱延鋼板の製造方法。
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