JP4024782B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、ファスニングテープを有する使い捨ておむつに関するものであり、特に、機械的ファスナーのフック材を設けたファスニングテープを有する展開型の使いすておむつに関するものである。
使い捨ておむつは、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置された吸収体から基本的に形成されており、着用時に***された尿等の***物を液透過性のトップシートを介して吸収体に保持し、液不透過性のバックシートにより、***物がおむつの外に漏れ出すのを防ぐ構造になっており、その用途に応じて好適に使用できるように展開型、パンツ型等、様々な形態のものが提案されており、乳幼児を始めとして成人失禁者まで広く使用されている。
展開型の使い捨ておむつは、一般に、後身頃の左右両側縁部にファスニングテープを配置し、前身頃のバックシート表面にファスニングテープを着脱可能に係合するためのフロントテープからなるターゲットゾーンを配置し、ファスニングテープをフロントテープに接合することにより、おむつを着用者に装着するようになっている。このような展開型の使い捨ておむつのファスニングテープは、通常左右に1個ずつ、または複数個ずつ取り付けられており、前者は新生児用、乳幼児用の使い捨ておむつに多く、後者は大人用の使い捨ておむつに多く見られる。
従来の展開型の使い捨ておむつでは、後身頃両側縁部に複数個のファスニングテープを取り付けた場合には、それらは全ておむつの縦方向に対して直角に取り付けられていた。そのために、おむつ装着時には、腰周り部側に取り付けたファスニングテープは、おむつの縦方向に対してほぼ直角方向にある後身頃と前身頃の合わせ目を使用者の身体にフィットするように締結することができるが、脚周り部側に取り付けられたファスニングテープは、そのまま配置方向に引っ張って締結させると、着用者の脚周りにおけるフィット性が不十分であり、おむつと着用者の身体の間に隙間が生じやすいものであった。
特に長期間寝たままの状態にある着用者の場合、痩せて腰周りや脚周りが細くなっていることが多く、このような着用者におむつをフィットさせるためにファスニングテープを締結させようとすると、特に脚周り部側のファスニングテープを取り付け方向とは異なる角度、すなわちやや上方向に引っ張る必要があるが、ファスニングテープがおむつ縦方向に対して直角に配置されていると、上手く上方向に引っ張って締結させることが難しく、その結果、着用者とおむつの間に隙間が生じやすくなり、漏れやすくなっていた。
また、このように、おむつを着用者にしっかりと装着できないと、おむつ使用中に着用者が歩いたり、姿勢を変えたりした場合や、***物の負荷を受けた時に生じる下方向の力等により、おむつが着用者の身体から容易に弛んだりずり落ちたりすることになり、早期の漏れの一因になっていた。
これらの問題点を解決するためにさまざまな提案がなされており、例えば、後身頃両側縁にファスニングテープを2個ずつ配置し、その両方を下向きに配置した使いすておむつ(特許文献1)や、脚周り開口部側に位置するファスニングテープをおむつ横軸方向に対して上方向に45度までの角度を持って斜めに取り付けた使いすておむつ(特許文献2)が提案されている。また、後身頃左右のサイドフラップの側縁に2個の締結手段を取り付け、締結手段の間のサイドフラップにおむつの横方向、あるいは股下方向に斜めにスリットを形成し、着用者へのフィット性の改善を図った使いすておむつ(特許文献3、特許文献4)や、おむつの後身頃の両側縁部にウイングを取付け、ウイングを二分してそれぞれに係合手段を形成した使い捨ておむつ(特許文献5)が提案されている。
これら従来の一方の側縁部にファスニングテープを2個取り付けた展開型の使い捨ておむつは、着用者におむつをフィットさせる場合、おむつが着用者の身体に密着する方向にファスニングテープを引張り、これをフロントテープ等のターゲットゾーンに止着して固定している。
しかしながら、着用者の体形によっては、腰周り及び脚周りにおいて、一方のファスニングテープの上にもう一方のファスニングテープが重なる方向にファスニングテープを引張る必要が生じる場合があるが、上記従来展開型の使い捨ておむつでは、ファスニングテープの締結手段を設けた面とは反対側の面に締結手段を固定するためのターゲットゾーンが設けられていないため、このような場合には、一方のファスニングテープの上に重ねたもう一方のファスニングテープを固定することができないため、おむつを着用者に十分にフィットさせることができないものであった。
また、基材シートの一方の面にフック材を設け、他方の面にフック材と係合可能なループ材(ターゲットゾーン)を設けた積層構造のファスニングテープを有する使い捨ておむつ(特許文献6)も提案されている。
しかしながら、通常、展開型の使い捨ておむつは、未使用時には、ファスニングテープをおむつ上に折返して仮止めしているので、このようなフック材とループ材を設けたファスニングテープを使用すると、テープ端部が積層構造になっているため重くなり、テープをおむつ本体へ十分に仮止めすることができないため、後述するように、おむつの製造工程におけるトラブル発生原因となる可能性がある。
さらに、上記のようなファスニングテープの場合、ループ材は、接着剤により基材シート上へ接着固定されるが、その端部領域まで基材シートに完全に接着しようとすると、端部からの接着剤のはみ出しや滲み出し等により、その後の製造工程でトラブルが発生することが多いため、通常、端部領域において基材シートとの間に非接着部分が形成されるような接着方式が採用されている。しかしながら、ファスニングテープ同士を接着するタイプの使い捨ておむつの場合、このようなループ材の非接着部分が多いと、製品の美観を損なうだけでなく、ファスニングテープ同士を引張った状態で重ね合わせて接合するため、装着者の身体の動き等によってファスニングテープ同士の重ね合わせ接合部に強い引張力が加わると、ループ材の非接着部分が摘み部のように作用して基材シートからの剥離が生じ易くなり、ファスニングテープの機能を低下させるという問題を有している。
また、この様なファスニングテープとフロントテープの組合せとしては、粘着剤層を有するファスニングテープと各種フィルムからなるフロントテープを組合せたもの及び、機械的ファスナーのフック材を有するファスニングテープとフック材を係合可能なループ材からなるフロントテープを組合せたものが知られている。しかしながら、粘着剤を用いたファスニングテープは、おむつ装着時に、誤ってファスニングテープをフロントテープ以外の場所に接着させた場合や、粘着剤層の面に汚れが付着した場合には、テープの接着力が低下し、再使用できなくなるという問題点を有している。そのため、最近では、フック材を有するファスニングテープが主流になっている。
さらに、製造工程でファスニングテープをおむつ本体に取付ける場合、ファスニングテープの一部がおむつ本体の側縁部から延出した状態で取付けられるため、そのままにしておくと、その後の製造工程でファスニングテープが製造設備にひっかかり、円滑な製造ができなくなる。そのため、ファスニングテープをおむつ本体上に折返して仮止めする方法が行なわれている。
また、フック材を有するファスニングテープの場合、ファスニングテープをおむつ本体上に折返し、フック材を不織布からなるトップシートと係合させて仮止めしているが、係合力が十分でない場合があり、時として製造工程中でファスニングテープがおむつ本体から外れてしまい、円滑な製造ができなくなる場合がある。そこで、フック材を有するファスニングテープをおむつ本体に仮止めする方法として、仮止め用接着剤を用いてファスニングテープをおむつ本体に仮止めする方法(特許文献7、特許文献8)、ファスニングテープあるいはおむつ本体のトップシートを熱溶融性材料で形成し、ファスニングテープとおむつ本体を熱溶融により仮止めする方法(特許文献9、特許文献10)、ファスニングテープのフック材とおむつ本体のサイドフラップとをエンボス処理により仮止めする方法(特許文献11)、ファスニングテープとおむつ本体のサイドフラップとを貫通する穴を形成して仮止めする方法(特許文献12)等が開示されている。
しかしながら、上記のような仮止め方法は、いずれも、ファスニングテープのフック材を直接おむつ本体の不織布からなるトップシートに係合して仮止めしているため、フック材を外す際にトップシートを傷付けたり破いたりすることにより、製品品質を低下させる場合があった。
また、大人用のおむつのように大型のおむつの場合には、おむつの装着性を良好にするために大型のファスニングテープを取付ける必要があるが、上記のような仮止め方法では、フック材の部分がおむつの中心部付近に位置するようになり、おむつ装着時にフック材の部分が着用者の臀部に隠れてしまい、ファスニングテープが引き出し難くなり、おむつの装着に時間がかかるため、特に着用者が身体の不自由な大人の場合には、介護者にとっておむつの装着は大きな負担になっていた。さらに、製品おむつを包装袋に包装する場合、おむつを折り畳んで包装されるが、上記のような仮止め方法では、おむつを折り畳む際にフック材の部分で折り畳まれてしまい、おむつを装着する際にファスニングテープがうまく機能しない場合があった。
実開昭53−110035公報 実開平6−31726号公報 特開昭62−268802号公報 特開平7−227403号公報 特開平11−99178号公報 特許平1−156502号公報 特開昭63−309606号公報 特開平1−61501号公報 特開平10−24066号公報 特開2002−45393号公報 特開2002−647号公報 特開2003−153949号公報
本発明は、上記従来の使い捨ておむつの有する問題点を解決し、いかなる体形の着用者に対しても、装着性、フィット性に優れ、特に脚周りからの漏れ防止効果の優れた使い捨ておむつを提供することにある。
また、本発明は、上記従来のフック材を有するファスニングテープを仮止めした使い捨ておむつの有する問題点を克服し、製品品質を低下させることなく、短時間で容易に装着することが可能であり、装着状態でファスニングテープの機能が損なわれることのない使い捨ておむつを提供するものである。
上記従来の使い捨ておむつの有する問題点を解決するための本発明、及び本発明にいたる過程で開発された関連発明を挙げると以下のとおりとなる。
(1)液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置した吸収体とを有するおむつ本体の後身頃の両側縁部に機械的ファスナーのフック材を有するファスニングテープが配置され、前記おむつ本体の前身頃には前記フック材と係合可能な部材からなるターゲットゾーンが形成されている使い捨ておむつにおいて、
前記ファスニングテープは、帯状基材シートの一方の端部領域において、一方の面に前記機械的ファスナーのフック材を配置して形成されており、前記帯状基材シートのもう一方の端部領域が前記おむつ本体に接着固定されており、
おむつの未使用時には、前記ファスニングテープは、前記帯状基材シートの前記フック材が配置されている一方の端部領域が前記フック材を内側にして基材シート上に折返され、次いで、折返された前記端部領域を内側にしてさらにおむつ本体上に折返され、その状態で、少なくとも1箇所の接合部において接合手段によりおむつ本体に仮止めされていることを特徴とする使い捨ておむつ。
(2)前記ファスニングテープには、前記帯状基材シートの前記フック材を配置した面とは反対側の面に、フック材と係合可能な部材からなるターゲットゾーンが設けられていることを特徴とする(1)項記載の使い捨ておむつ。
(3)前記ファスニングテープの前記ターゲットゾーンは、おむつ本体側の端部における基材シートに接着されていない非接着部分の長さが10mm以下となるように基材シートに接着固定されていることを特徴とする(2)項記載の使い捨ておむつ。
(4)前記ファスニングテープに設けられた前記ターゲットゾーンは、前記機械的ファスナーのフック材と係合可能な部材を前記帯状基材シート上に接着固定して形成されており、かつ、前記ターゲットゾーンの少なくともおむつ本体側の端部領域は、ヒートシール、超音波接着及び熱エンボスから選ばれる少なくとも1種の熱融着処理によって前記帯状基材シートに接着固定されていることを特徴とする(2)項又は(3)項に記載の使い捨ておむつ。
(5)前記ファスニングテープに設けられた前記ターゲットゾーンは、前記基材シートの前記フック材を設けた面とは反対側の面において、少なくとも基材シートのおむつ本体側端部の近傍まで設けられており、前記基材シートと一体としておむつ本体側端部領域がおむつ本体に接着固定されていることを特徴とする(2)項〜(4)項のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(6)前記ファスニングテープに設けられた前記ターゲットゾーンは、おむつ本体から延出している基材シート部分の面積の30%以上の面積で設けられていることを特徴とする(2)項〜(5)項のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(7)前記ファスニングテープに設けられた前記ターゲットゾーンと機械的ファスナーのフック材は、下記測定条件で測定した場合の剥離強度が0.03〜4.0N/100mm2 (係合部分の面積)であることを特徴とする(2)項〜(6)項のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
測定条件:
プラスチック板上にターゲットゾーンを形成する部材をターゲットゾーンが上向きになるように固定し、次に、ターゲットゾーンの上に幅20〜60mmのファスニングテープのフック材の部分を重ね合せ、長さ60mm、重さ1Kgのローラーを用いて、5mm/secの速度でファスニングテープ面を一往復してフック材をターゲットゾーンに押し当てて仮止めした後、図9に示すように、テーブルの角等を利用して、ファスニングテープの端部に1Kgの錘を2秒間取付けてファスニングテープが引張られる方向に荷重をかけ、フック材とターゲットゾーンを係合させる。
次いで、テンシロン引張試験機により、一方のチャックにプラスチック板を固定し、もう一方のチャックにファスニングテープの端部を固定して、チャック間距離50mm、引張速度300mm/minの条件で、ファスニングテープの端部をターゲットゾーンの面に対して垂直方向に引張ってファスニングテープを剥離し、90度剥離強度を測定する。得られた測定値をターゲットゾーンとフック材の係合部分の面積で除した後、係合部分の面積100mm2 当りの値を算出し、剥離強度とする。
(8)前記ファスニングテープは、おむつの未使用時に、前記帯状基材シートの前記フック材が配置されている一方の端部領域が前記フック材を内側にして帯状基材シート上に折返され、折返された端部領域を内側にしてさらにおむつ本体上に折返され、その状態で、前記フック材を内側にして折返された端部領域の背面及び/又は該端部領域の背面が存在しない基材シート上に設けられた接合手段によりおむつ本体上に仮止めされていることを特徴とする(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(9)前記ファスニングテープは、おむつの未使用時に、前記帯状基材シートのフック材が配置されている一方の端部領域が前記フック材を内側にして基材シート上に折返され、その状態で、フック材が対面している基材シート面に設けられた接合手段により仮止めされていることを特徴とする(1)項〜(8)項のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(10)前記ファスニングテープは、前記帯状基材シートのフック材が配置されている一方の端部領域が他の基材シート部分よりも狭幅に形成されており、おむつの未使用時に、前記帯状基材シートの一方の端部領域がフック材を内側にして基材シート上に折返され、折返された端部領域を内側にしてさらにおむつ本体上に折り返され、その状態で、前記基材シート上の前記フック材が対面する位置に基材シートの幅方向全体に設けられた接合手段により、フック材が基材シートに仮止めされると共に、前記折返された基材シートが、前記端部領域の両側縁外側の端部領域が存在しない部分において、おむつ本体に仮止めされていることを特徴とする(1)項〜(9)項のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(11)前記ファスニングテープに設けられた前記ターゲットゾーンは、不織布によって形成されていることを特徴とする(2)項〜(10)項のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(12)前記ファスニングテープに設けられた前記ターゲットゾーンは、織布とフィルムの積層体によって形成されていることを特徴とする(2)項〜(10)項のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(13)前記仮止めのための接合手段が、接着剤、熱溶融処理、及びエンボス処理のうちの少なくとも1つからなることを特徴とする(1)項〜(12)項のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(14)前記おむつ本体の後身頃の各々の側縁部には、少なくとも2個のファスニングテープが配置されていることを特徴とする(1)項〜(13)項のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
本発明の使い捨ておむつは、後身頃の両側縁部に、基材シートと、基材シートの一方の面に機械的ファスナーのフック材を設け、もう一方の面にフック材と係合可能なターゲットゾーンを設けて形成されたファスニングテープが配置されており、さらに、ファスニングテープは、そのターゲットゾーンが、おむつ本体側の端部領域における非接着部分の長さが10mm以下になるように基材シートに接着固定されている。
上記ファスニングテープは、ターゲットゾーンを形成するシート体を、その端部が基材シートの端部又はその近傍まで延びているように配置して基材シートと積層接着し、ターゲットゾーンの端部を含むファスニングテープ端部をおむつ本体に接着固定することによって、ターゲットゾーン端部領域の非接着部分の長さを実質的にゼロとしたものであってもよい。
さらに、本発明の使い捨ておむつは、ファスニングテープは、おむつの未使用時には、フック材を内側にして折返されて、接合手段によりおむつ本体上に仮止めされている。
このような構成を有する本発明の使い捨ておむつは、後身頃の両側縁部のファスニングテープを引張っておむつを着用者の身体に密着させる場合、引張る方向がファスニングテープ同士が重なる方向であっても、ファスニングテープ同士をしっかりと固定することができるため、いかなる体形の着用者に対しても良好にフィットさせることが可能であり、さらに、ファスニングテープを引張って互いに重ね合わせることによっておむつを着用者の身体に密着させる場合、ファスニングテープのターゲットゾーンにはおむつ本体側端部を引き剥がすような力が加わるが、ターゲットゾーン端部領域の接合強度が十分であるためにターゲットゾーンが剥離してファスニングテープの機能を低下させることがない。
本発明の場合、ファスニングテープに設けたフック材とターゲットゾーンは、後述する条件で測定した場合の剥離強度が0.03〜4.0N/100mm2 (係合部分の面積)であることが好ましい。剥離強度がこの範囲にあると、ファスニングテープ同士の再接着、再剥離が容易であり、さらに、ファスニングテープ同士をしっかりと固定することができる。
また、特に、後身頃の両側縁部に各々2個づつファスニングテープを配置した大人用の使い捨ておむつの場合、腰周り及び脚周りの両方を良好にフィットさせることが可能であり、大腿部裏側から側部にかけて隙間が生じることがないので、簡便におむつを脚周りにフィットさせることができ、脚周りからの漏れが防止され、介護者及び被介護者の負担を軽減することができる。
さらに、本発明の使い捨ておむつは、ファスニングテープを仮止めした場合にフック材がおむつ本体のトップシートに接触することがないため、ファスニングテープを引き出す際にトップシートを傷付けたり破いたりすることがなく、製品品質を低下させることがない。また、ファスニングテープは、おむつ本体の両側縁部近傍に仮止めされており、着用者の身体に隠れることがなく簡単に引き出すことができるため、おむつを短時間で容易に装着させることが可能である。さらに、おむつを折り畳んで包装する場合にも、フック材の部分が折り畳まれてしまうことがないため、おむつの装着時にファスニングテープの機能が低下することがない。また、おむつを製造する場合にも、製造工程でファスニングテープが外れることがないため、生産性を向上させることが可能である。
本発明の使い捨ておむつの場合、おむつ本体上に折返された前記ファスニングテープは、前記基材シートの前記フック材が折返された部分を除いた部分とおむつ本体の間、又は折返された前記フック材の背面部とおむつ本体の間、あるいは、その両方を接合手段により仮止めすることが好ましく、このようにファスニングテープを仮止めすることにより、上記の効果を有する本発明の使い捨ておむつをより安定的に得ることができる。
さらに、前記ファスニングテープは、折返された前記フック材と前記基材シートとの間が、接合手段により仮止めされていることが好ましく、このようにファスニングテープを仮止めすることにより、上記の効果を有する本発明の使い捨ておむつをさらに安定的に得ることができる。
また、前記ファスニングテープは、前記フック材が前記基材シートよりも狭幅に形成されており、おむつの未使用時には、前記フック材の部分が、前記フック材を内側にして前記基材シート上に折返され、さらに、前記基材シートが、折返された前記フック材を内側にして前記おむつ本体上に折返され、かつ、前記フック材と前記基材シートの間、及び前記基材シートの前記フック材の両側縁部に隣接する部分と前記おむつ本体との間が、前記接合手段により仮止めされていることが好ましい。このようにファスニングテープを仮止めすることにより、接合手段を1箇所に施すだけで前記フック材と前記基材シートの間、及び前記基材シートと前記おむつ本体の間を仮止めすることができるため、上記の効果を有する本発明の使い捨ておむつを効率良く製造することが可能になる。
以下、図面を参照して、本発明の使い捨ておむつを詳細に説明するが、勿論、本発明はこれらによって何等制限されるものではない。
図1は、本発明の使い捨ておむつを展開した状態を示す一部切り欠き平面図である。図1において、使い捨ておむつ1は、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート3と、これら両シートの間に配置された吸収体4とから基本的に構成されており、前身頃5と後身頃6とを有し、後身頃6の両側縁にはファスニングテープ7が配置され、前身頃5にはファスニングテープ7を係合するためのフロントシートからなるターゲットゾーン8が配置されている。
また、図1において、ファスニングテープ7の一方は、おむつ未使用時におけるテープ7が折返されておむつ本体上に仮止めされた状態を示しており、もう一方は、おむつ使用時におけるテープ7が伸ばされた状態を示している。
さらに、ファスニングテープ7は、基材シート9と、基材シート9の一方の面の端部領域に設けられた機械的ファスナーのフック材10と、基材シート9のフック材10を設けた面とは反対側の面に設けられたフック材と係合可能なターゲットゾーン8’とから形成されており、基材シート9のもう一方の端部領域がおむつ1のサイドフラップ11に接着固定されている。
なお、図1においては、ファスニングテープ7のフック材10は、その先端部が放物線状に切除されて基材シート9より狭幅に形成されている状態を示したが、フック材と基材シートが同じ幅に形成されていても良い。
図2は、本発明の使いすておむつの使用状態の1例を示す斜視図である。図2において、使い捨ておむつ1は、後身頃6の両側縁に2個づつ配置されたファスニングテープ7が前身頃5に配置されたターゲットゾーン8に固定されて、パンツ型に組み立てられている。この場合、おむつの脚周り開口部側のファスニングテープ7は前身頃5のターゲットゾーン8に直接固定されているが、おむつのウエスト周り開口部側のファスニングテープ7はターゲットゾーン8に一部固定されると同時にその一部がおむつの脚周り開口部側のファスニングテープ7の裏面に形成されたターゲットゾーン8’にも固定されている。
このように、本発明の使い捨ておむつは、一方のファスニングテープの上にもう一方のファスニングテープを重ねて固定することができるため、いかなる体形の着用者に対しても、装着性、フィット性に優れ、特に脚周りからの漏れ防止効果に優れている。
なお、図2では、後身頃の両側縁において、同じ側の側縁部に配置されたファスニングテープ同士を固定した例を示したが、着用者の体形によっては、両側縁の相対する位置に配置したファスニングテープ同士が繋がる場合があり、その場合には、一方のファスニングテープのフック材をもう一方のファスニングテープのターゲットゾーンに固定することも可能である。
また、ファスニングテープに設けたターゲットゾーンとフック材は、以下に示す条件で測定した場合の剥離強度が0.03〜4.0N/100mm2 (係合部分の面積)であることが好ましい。剥離強度がこの範囲にあると、ファスニングテープ同士の再接着、再剥離が容易であり、さらに、ファスニングテープ同士をしっかりと固定することができる。
剥離強度が0.03N未満になると、フック材とターゲットゾーンの係合力が低下し、ファスニングテープ同士をしっかりと固定することができなくなる。また、剥離強度が4.0Nを超えて大きくなると、フック材とターゲットゾーンの係合力が強くなり過ぎるため、ファスニングテープ同士の再剥離を容易に行うことができなくなる。
本発明において、ファスニングテープに設けたターゲットゾーンとフック材の剥離強度は、次のようにして測定した剥離強度を意味する。
測定条件:
プラスチック板上にターゲットゾーンを形成する部材をターゲットゾーンが上向きになるように固定し、次に、ターゲットゾーンの上に幅20〜60mmのファスニングテープのフック材の部分を重ね合せ、長さ60mm、重さ1Kgのローラーを用いて、5mm/secの速度でファスニングテープ面を一往復してフック材をターゲットゾーンに押し当てて仮止めした後、図9に示すように、テーブルの角等を利用して、ファスニングテープの端部に1Kgの錘を2秒間取付けてファスニングテープが引張られる方向に荷重をかけ、フック材とターゲットゾーンを係合させる。
次いで、テンシロン引張試験機により、一方のチャックにプラスチック板を固定し、もう一方のチャックにファスニングテープの端部を固定して、チャック間距離50mm、引張速度300mm/minの条件で、ファスニングテープの端部をターゲットゾーンの面に対して垂直方向に引張ってファスニングテープを剥離し、90度剥離強度を測定する。得られた測定値をターゲットゾーンとフック材の係合部分の面積で除した後、係合部分の面積100mm2 当りの値を算出し、剥離強度とする。
図3は、本発明の使い捨ておむつの未使用時において、ファスニングテープが折返されて、おむつ上に仮止めされるまでの状態を示す断面図である。
図3(a)は、ファスニングテープ7が折返される前の状態を示しており、ファスニングテープ7は、帯状の基材シート9と、基材シート9の一方の端部領域において一方の面に機械的ファスナーのフック材10を設け、基材シート9のフック材10を設けた面とは反対側の面にターゲットゾーン8’を設けて形成されており、基材シート9のもう一方の端部領域がおむつのサイドフラップ11に接着固定されている。
図3(b)は、ファスニングテープ7のフック材10の部分が、フック材10を内側にして基材シート9上に折返された状態を示しており、また、この段階で、基材シート9のサイドフラップ11に隣接する部分にファスニングテープ7をサイドフラップ11上に仮止めするための接着剤からなる接合手段12が設けられている。
図3(c)は、フック材10が折返された状態のファスニングテープ7が、折返されたフック材10を内側にしてさらにサイドフラップ11上に折返され、基材シート9とサイドフラップ11の間が接合手段12により仮止めされている状態を示している。
なお、図3では、基材シート9面にフック材10と係合可能な材料からなるターゲットゾーン8’を設けた例を示したが、基材シート9をフック材10と係合可能な材料で形成した場合には、基材シート9をそのままターゲットゾーン8’として使用することも可能である。
また、基材シート9面にターゲットゾーン8’を設ける場合には、おむつ本体のサイドフラップ11から延出した基材シート9部分の面積の30%以上の面積で設けることが好ましく、50%以上の面積で設けることがより好ましい。基材シート部分の面積に占めるターゲットゾーンの面積が30%未満になると、ファスニングテープ同士を係合する場合にフック材とターゲットゾーンの重なりが不十分となり、十分な係合力が得られない場合があり、好ましくない。
図4は、図3とは異なる例を示しており、本発明の使い捨ておむつの未使用時において、ファスニングテープが折返されて、おむつ上に仮止めされるまでの状態を示す断面図である。
図4において、ファスニングテープ7が折返される状態は図3の場合と同様であるが、フック材10の内側の基材シート9上に、フック材10に隣接して、接着剤からなる接合手段12が設けられており〔図4(a)〕、フック材10はこの接合手段12の上に折返されて基材シート9に仮止めされ〔図4(b)〕、さらに、基材シート9がサイドフラップ11上に折返され、接着剤からなる接合手段12を介してサイドフラップ11上に仮止めされている〔図4(c)〕。
また、図4では、基材シート9としてフック材と係合可能な部材を用い、基材シート9がそのままターゲットゾーン8’の機能を備えている例を示している。
図5は、図3及び図4とは異なる例を示しており、本発明の使い捨ておむつの未使用時において、ファスニングテープが折返されて、おむつ上に仮止めされるまでの状態を示す断面図である。
図5において、ファスニングテープ7が折返される状態は図3の場合と同様であるが、フック材10の内側の基材シート9上に、フック材10に隣接して、接着剤からなる接合手段12が設けられており〔図5(a)〕、フック材10は、この接合手段12の上に折返されて基材シート9に仮止めされると共にフック材の背面部13に接着剤からなる接合手段12が設けられ〔図5(b)〕、さらに、基材シート9がサイドフラップ11上に折返され、接合手段12を介してフック材の背面部13がサイドフラップ11上に仮止めされている〔図5(c)〕。
なお、図5では、基材シート9とフック材10の間、及びフック材の背面部13とサイドフラップ11の間を仮止めした例を示したが、基材シート9とフック材10の間の仮止めを省略して、フック材の背面部13とサイドフラップ11の間のみを仮止めすることも可能である。
また、図5も、基材シート9としてフック材と係合可能な部材を用い、基材シート9がそのままターゲットゾーン8’の機能を備えている例を示している。
図6は、図3、図4及び図5とは異なる例を示しており、本発明の使い捨ておむつの未使用時において、ファスニングテープが折返されて、おむつ上に仮止めされるまでの状態を示す平面図である。
図6(a)は、ファスニングテープ7が折返される前の状態を示しており、ファスニングテープ7は、フック材10の配置部分が基材シート9の通常の幅よりも狭幅に形成されており、フック材10の内側の基材シート9上には、フック材10に隣接して、基材シート9の幅方向全体に接着剤からなる帯状の接合手段12が設けられている。
図6(b)は、フック材10の部分が、フック材10を内側にして基材シート9の接合手段12上に折返され、接合手段12を介して基材シート9に仮止めされている状態を示している。
図6(c)は、フック材10が折返された状態の基材シート9が、さらに、折返されたフック材10を内側にしてサイドフラップ11上に折返され、基材シート9のフック材10の両側縁部に隣接する部分(すなわち、フック材10が存在しない部分)とサイドフラップ11の間が接合手段12により仮止めされている状態を示している。
また、図6も、基材シート9としてフック材と係合可能な部材を用い、基材シート9がそのままターゲットゾーン8’の機能を備えている例を示している。
図7は、図3〜図6とは異なる例を示しており、本発明の使い捨ておむつの未使用時において、ファスニングテープが折返されて、おむつ上に仮止めされるまでの状態を示す断面図である。
図7(a)は、ファスニングテープ7が折返される前の状態を示しており、ファスニングテープ7は、帯状の基材シート9と、基材シート9の一方の端部領域において一方の面に機械的ファスナーのフック材10を配置し、基材シート9のフック材10を設けた面とは反対側の面にターゲットゾーン8’を配置して形成されており、また、ターゲットゾーン8’は、おむつ本体側の端部領域が基材シート9に接着されないで、非接着部分14が形成されている。さらに、基材シート9は、おむつ本体側の端部領域がおむつのサイドフラップ11に接着固定されている。
図7(b)は、ファスニングテープ7のフック材10の部分が、フック材10を内側にして基材シート9上に折返された状態を示しており、また、この段階で、基材シート9のサイドフラップ11に隣接する部分にファスニングテープ7をサイドフラップ11上に仮止めするための接着剤からなる接合手段12が設けられている。
図7(c)は、フック材10が折返された状態のファスニングテープ7が、さらに、折返されたフック材10を内側にしてサイドフラップ11上に折返され、基材シート9とサイドフラップ11の間が接合手段12により仮止めされている状態を示している。
図7において、ターゲットゾーン8’の端部領域に形成した非接着部分14は、その長さが10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。非接着部分14の長さが10mm以下であれば、ファスニングテープ7同士を重ね合わせた場合でも、非接着部分14からターゲットゾーン8’が剥離することがなく、ファスニングテープ7の機能を良好に維持することができ、ファスニングテープ7同士をしっかりと係合することができる。さらに、おむつ製品の使用時の外観においても優れたものとなる。
なお、ターゲットゾーン8’は、フック材10と係合可能なループ材等を有するシート体を用いて、通常、接着剤により、その端部の非接着部分14の長さが10mm以下になるように、基材シート9上に接着して形成されるが、この非接着部分14の長さをさらに短くして接着強度を高め、製品の外観を良くしようとする場合には、非接着部分14を接着剤による接着ではなく、ヒートシール、超音波接着及び熱エンボスから選ばれる少なくとも1種の熱融着処理によって接着することが好ましい。このような熱融着処理による接着方式を採用することにより、ターゲットゾーン8’の端部まで接着剤を使用して接着した場合の接着剤の滲み出しや漏れに起因する各種のトラブルを生じることがない製品を得ることができる。また、ターゲットゾーンの基材シートへの接着は、全ての部分の接着を上記熱融着処理方式の1種もしくはそれらの組合せによって行ってもよい。
図8は、図3〜図7とは異なる例を示しており、本発明の使い捨ておむつの未使用時において、ファスニングテープが折返されて、おむつ上に仮止めされるまでの状態を示す断面図である。
図8において、ファスニングテープ7は、そのターゲットゾーン8’が基材シート9と同じ長さに形成されており、ターゲットゾーン8’の端部領域が基材シート9の端部領域と共におむつ本体のサイドフラップ11に接着固定されている構成を有している以外は、ファスニングテープ7が折返されて、おむつ上に仮止めされるまでの状態は、図7の場合と同様である。
なお、図7及び図8においては、ファスニングテープが仮止めされる状態は図3の場合と同様の例を示したが、これに限定されるものではなく、図4〜図6に示すような状態で仮止めすることも可能である。
また、上記実施例では、何れも接合手段として接着剤を用い、基材シートあるいはフック材を折返す前に予め基材シート上に接着剤層を設ける例を示したが、接合手段として熱溶融処理あるいはエンボス処理を用い、フック材及び基材シートを折返した後、基材シートにこれらの処理を施すことにより、ファスニングテープをおむつ上に仮止めするすることもできる。また、接合手段としては、接着剤、熱溶融処理、及びエンボス処理を各々単独で用いても良く、あるいは2つ以上の方法を組合せて用いても良い。
以下、本発明の使い捨ておむつにおいて使用される材料について説明するが、本発明は、これらによって何等制限されるものではない。
本発明の使いすておむつにおいて、ファスニングテープは、帯状の基材シートと、基材シートの一方の端部領域に機械的ファスナーのフック材を設け、基材シートのフック材を設けた面とは反対側の面にフック材と係合可能な材料からなるターゲットゾーンを設けて形成されている。
基材シートとしては、各種の不織布シートあるいはフィルムを用いることができ、これらの材料を単独で、あるいは数種類の材料を積層して形成される。
また、フック材としては、係合部が鉤状、きのこ状、錨状等の各種の形状を有する、通常の使い捨ておむつに使用されているものをそのまま使用することができる。
さらに、ターゲットゾーンとしては、フック材と係合可能なループ材、不織布、織布等を使用することができ、これらの材料をそのまま用いても良く、他の材料、例えばフィルムと張り合せた積層構造のものを用いても良い。
また、ファスニングテープには、フック材を備えた部分の外側に、摘持部を有していることが好ましい。
本発明の使いすておむつにおいて、液透過性のトップシートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維等からなる不織布に親水化処理を施したものが用いられる。
本発明の使いすておむつにおいて、液不透過性のバックシートとしては、微孔を形成したポリエチレンシート、あるいは熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸したシートのような透湿性のある液体不透過性のシートが用いられる。このようなシートを用いると、ムレが改善されるため快適な着用感が得られる。さらに、このようなシートの外側に不織布からなるカバーシートを張合わせた積層構造のシートを用いることもできる。
本発明の使いすておむつにおいて、吸収体としては、通常の使い捨ておむつのような吸収性物品に使用されるものであればいずれも使用することができる。すなわち、綿状パルプと高吸収性ポリマー(SAP)を併用したもの、さらに熱融着性繊維を加えたもの等を使用することができ、全体をティッシュのような親水性シートで包まれているものが好ましい。その他、親水性シートの片面にSAPの層を設けたもの、2枚の親水性シートの間にSAPを挟持したもの等のシート状の吸収体も使用することができる。また、吸収体の形状は、砂時計型であっても良く、あるいは矩形であっても良い。
本発明の使いすておむつにおいて、サイドフラップは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維からなる不織布により形成することができ、上記トップシート単独で、または、上記バックシートの両側縁から延出したカバーシート部分単独で形成しても良く、あるいは、上記トップシートとバックシートの吸収体の両側縁から外側へ延出する部分を積層して形成しても良い。さらに、バックシートの吸収体の両側縁から外側へ延出する部分に上記不織布を積層して形成することもできる。
本発明の使いすておむつにおいて、おむつ本体の前身頃に配置される、ファスニングテープを係合するためのターゲットゾーンとしては、フック材と係合可能なループ材、不織布、織布等を使用することができ、これらの材料をそのまま用いても良く、他の材料、例えばフィルムと張り合せた積層構造のものを用いても良い。
なお、バックシートとしてフィルムからなるシートの外側にフック材と係合可能な不織布からなるカバーシートを張合わせた積層構造のシートを用いた場合には、ターゲットゾーンを省略することもできる。
本発明の使い捨ておむつは、後身頃の両側縁部に、基材シートと、基材シートの一方の面に機械的ファスナーのフック材を設け、もう一方の面にフック材と係合可能なターゲットゾーンを設けて形成されたファスニングテープが配置されており、さらに、ファスニングテープは、ターゲットゾーンのおむつ本体側の端部領域が、非接着部分の長さが10mm以下になるように基材シートに接着固定されるか、基材シートと共におむつ本体に接着固定されている。
このような構成を有する本発明の使い捨ておむつは、ファスニングテープを引張っておむつを着用者の身体に密着させる場合、引張る方向がファスニングテープ同士が重なる方向であっても、ターゲットゾーンが剥離してファスニングテープの機能を低下させることがなく、ファスニングテープ同士をしっかりと固定することができるため、いかなる体形の着用者に対しても良好にフィットさせることが可能であり、特に、後身頃の両側縁部に各々2個づつファスニングテープを配置した大人用の使い捨ておむつの場合、腰周り及び脚周りの両方を良好にフィットさせることが可能である。そして、特に大腿部裏側から側部にかけて隙間が生じることがないので、簡便におむつを脚周りにフィットさせることができ、脚周りからの漏れが防止され、介護者及び被介護者の負担を軽減することができる。また、おむつの着用時にファスニングテープから立上るターゲットゾーンの非接着部分が少ないか存在しないため、着用時の外観も良好である。
さらに、本発明の使い捨ておむつは、おむつの未使用時には、ファスニングテープがフック材を内側にして2回折返され、おむつ上に仮止めされている構成を有することにより、ファスニングテープを仮止めした場合にフック材がおむつ本体のトップシートに接触することがないため、ファスニングテープを引き出す際にトップシートを傷付けたり破いたりすることがなく、製品品質を低下させることがない。また、ファスニングテープは、おむつ本体の両側縁部近傍に仮止めされており、着用者の身体に隠れることがなく、簡単に引き出すことができるため、おむつを短時間で容易に装着させることが可能であり、幼児用を始めとして大人用の展開型の使い捨ておむつとして有用である。
本発明の使い捨ておむつを展開した状態を示す一部切り欠き平面図である。 本発明の使いすておむつの使用状態を示す斜視図である。 ファスニングテープが折返されて、おむつ上に仮止めされるされるまでの状 態を示す断面図である。 ファスニングテープが折返されて、おむつ上に仮止めされるされるまでの状 態を示す断面図である。 ファスニングテープが折返されて、おむつ上に仮止めされるされるまでの状 態を示す断面図である。 ファスニングテープが折返されて、おむつ上に仮止めされるされるまでの状 態を示す平面図である。 ファスニングテープが折返されて、おむつ上に仮止めされるされるまでの状 態を示す断面図である。 ファスニングテープが折返されて、おむつ上に仮止めされるされるまでの状 態を示す断面図である。 剥離強度を測定するためのファスニングテープの調整方法を示す斜視図であ る。
符号の説明
1:使い捨ておむつ
2:液透過性のトップシート
3:液不透過性のバックシート
4:吸収体
5:前身頃
6:後身頃
7:ファスニングテープ
8:ターゲットゾーン
8’:ターゲットゾーン
9:基材シート
10:フック材
11:サイドフラップ
12:接合手段
13:フック材の背面部
14:ターゲットゾーンの非接着部分
20:プラスチック板
21:ターゲットゾーン
22:フック材
23:ファスニングテープ
24:錘

Claims (6)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置した吸収体とを有するおむつ本体の後身頃の両側縁部に機械的ファスナーのフック材を有するファスニングテープが配置され、前記おむつ本体の前身頃には前記フック材と係合可能な部材からなるターゲットゾーンが形成されている使い捨ておむつにおいて、
    前記ファスニングテープは、帯状基材シートの一方の端部領域において、一方の面に前記機械的ファスナーのフック材を配置して形成されており、前記帯状基材シートのもう一方の端部領域が前記おむつ本体に接着固定されており、
    おむつの未使用時には、前記ファスニングテープは、前記帯状基材シートのフック材が配置されている一方の端部領域が前記フック材を内側にして基材シート上に折返され、折返された前記端部領域を内側にしてさらにおむつ本体上に折返され、その状態で、前記フック材が対面している基材シート面に設けられた接合手段によりおむつ本体に仮止めされていることを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. 前記ファスニングテープは、前記帯状基材シートのフック材が配置されている一方の端部領域が他の基材シート部分よりも狭幅に形成されており、おむつの未使用時に、前記帯状基材シートの一方の端部領域がフック材を内側にして基材シート上に折返され、折返された端部領域を内側にしてさらにおむつ本体上に折り返され、その状態で、前記基材シート上の前記フック材が対面する位置に基材シートの幅方向全体に設けられた接合手段により、フック材が基材シートに仮止めされると共に、前記折返された基材シートが、前記端部領域の両側縁外側の端部領域が存在しない部分において、おむつ本体に仮止めされてい
    ることを特徴とする請求項1記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記ファスニングテープには、前記帯状基材シートの前記フック材を配置した面とは反対側の面にフック材と係合可能なターゲットゾーンが設けられており、当該ターゲットゾーンは、不織布によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記ファスニングテープには、前記帯状基材シートの前記フック材を配置した面とは反対側の面にフック材と係合可能なターゲットゾーンが設けられており、当該ターゲットゾーンは、織布とフィルムの積層体によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記仮止めのための接合手段が、接着剤、熱溶融処理、及びエンボス処理のうちの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記おむつ本体の後身頃の各々の側縁部には、少なくとも2個のファスニングテープが配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
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