JP4023909B2 - 超音波撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波撮像方法および装置に関し、特に、マイクロバルーン(microballoon)造影剤を注入した被検体についての超音波撮像方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
造影剤を用いる超音波撮像では、直径が1〜数μmの多数のマイクロバルーンを液体に混入したマイクロバルーン造影剤を用いる。マイクロバルーンは生体に無害な気体を、生体に無害な物質からなる殻に封入したものとなっている。このようなマイクロバルーンを被検体に注入し、超音波を照射して殻を破壊し、その結果放出される気泡を撮像に利用する。
【0003】
気泡は、非線形なエコー(echo)源性により送波超音波の第2高調波エコーを発生するので、第2高調波エコーに基づいて画像を生成することにより、体内における気泡の分布を画像化することが行なわれる。あるいは、マイクロバルーンを破壊する前の気泡のない状態で撮像した画像と、マイクロバルーンを破壊して気泡を発生させた状態で撮影した画像との差を求め、気泡像すなわち造影画像を得ることが行なわれる。
【0004】
殻の破壊によって放出された気泡は、血液等に溶解して例えば数ms程度で消滅するので寿命が極めて短い。このように短命な気泡を撮像するために、超音波ビーム走査の1音線ごとに、マイクロバルーン破壊用の超音波ビームの送波と、気泡撮像用の超音波ビームの送波およびそのエコーの受波を行なうようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
マイクロバルーンの破壊の前後で撮像した画像の差から造影画像を求める場合は、マイクロバルーンの破壊は撮像範囲について一挙に行ない、それに続いて撮像を行なうことが、マイクロバルーンの破壊の前後における撮像の音線走査条件を同一にする点で好ましいが、撮像範囲のマイクロバルーンを一挙に破壊する超音波を送波することは、超音波プローブを駆動する通常の送波トライバ(driver)の瞬時パワー(power) 能力の限界を越えるため実現が困難であるという問題があった。
【0006】
また、上記のように、1音線ごとに逐一マイクロバルーンを破壊しては撮像する動作を繰り返す方法では、マイクロバルーンの破壊の前後における撮像の音線走査条件が同一でないので、得られた差分画像は必ずしも適正なものとはいえないという問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、通常の送波トライバの瞬時パワー能力の限界内で撮像範囲のマイクロバルーンを極めて短い時間内に破壊して造影撮像を行なう超音波撮像方法および装置を実現することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決する第1の発明は、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体を超音波ビームで走査しエコーに基づいて画像を生成する超音波撮像方法であって、撮像予定範囲を、前記マイクロバルーンの殻を破壊する瞬時音圧を持つ第1の超音波ビームにより、1つの方位に送波した超音波ビームの波面が前記撮像予定範囲を進行している間に次の方位に超音波ビームを送波する関係で音線順次で走査し、次いで前記第1の超音波ビームで走査した範囲を第2の超音波ビームにより音線順次で走査しエコーに基づいて画像を生成する、ことを特徴とする超音波撮像方法である。
【0009】
(2)上記の課題を解決する第2の発明は、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体を超音波ビームで走査しエコーに基づいて画像を生成する超音波撮像装置であって、撮像予定範囲を、前記マイクロバルーンの殻を破壊する瞬時音圧を持つ第1の超音波ビームにより、1つの方位に送波した超音波ビームの波面が前記撮像予定範囲を進行している間に次の方位に超音波ビームを送波する関係で音線順次で走査する超音波走査手段と、前記第1の超音波ビームで走査した範囲を第2の超音波ビームにより音線順次で走査しエコーを受信する超音波送受信手段と、前記エコーに基づいて画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置である。
【0010】
第1の発明または第2の発明において、前記撮像予定範囲が、撮像画面の1フレームを複数の領域に分割したものであることが、マイクロバルーン破壊用の超音波ビームの走査時間を短縮する点で好ましい。
【0011】
(作用)
本発明では、撮像予定範囲を、マイクロバルーンの殻を破壊する瞬時音圧を持つ第1の超音波ビームにより、1つの方位に送波した超音波ビームの波面が撮像予定範囲を進行している間に次の方位に超音波ビームを送波する関係で音線順次で走査する。これにより、撮像予定範囲についてのマイクロバルーン破壊用の超音波の走査時間が短縮される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に、超音波撮像装置のブロック(block) 図を示す。本装置は本発明の超音波撮像装置の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置についての実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法についての実施の形態の一例が示される。
【0013】
本装置の構成を説明する。図1に示すように、本装置は、超音波プローブ(probe) 2を有する。超音波プローブ2は、図示しない超音波トランスデューサアレイ(transducer array)を有する。超音波プローブ2は、図示しない操作者により被検体4に当接されて使用される。被検体4には、予めマイクロバルーン造影剤40が注入されている。
【0014】
超音波プローブ2は送受信部6に接続されている。送受信部6は、超音波プローブ2に駆動信号を与えて、被検体4内に超音波を送波させるようになっている。送受信部6は、また、超音波プローブ2が受波した被検体4からのエコーを受信するようになっている。超音波プローブ2および送受信部6は、本発明における超音波走査手段の実施の形態の一例である。また、本発明における超音波送受信手段の実施の形態の一例である。
【0015】
送受信部6のブロック図を図2に示す。同図において、送波タイミング(timing)発生回路602は、送波タイミング信号を周期的に発生して送波ビームフォーマ(beamformer)604に入力するようになっている。
【0016】
送波ビームフォーマ604は、送波タイミング信号に基づいて、送波ビームフォーミング(beamforming) 信号、すなわち、超音波トランスデューサアレイ中の送波アパーチャ(aperture)を構成する複数の超音波トランスデューサを時間差をもって駆動する複数の駆動信号を発生し、送受切換回路606に入力するようになっている。
【0017】
駆動信号は振幅および波形が可変になっている。これによって、後述するように、マイクロバルーンの殻を破壊する瞬時音圧が高い超音波を送波させる大振幅の駆動信号と、マイクロバルーンの殻を破壊しない瞬時音圧が低い超音波を送波させる小振幅の駆動信号とをそれぞれ発生する。
【0018】
送受切換回路606は、複数の駆動信号を超音波トランスデューサアレイに入力するようになっている。アレイ中の送波アパーチャ(aperture)を構成する複数の超音波トランスデューサは、複数の駆動信号の時間差に対応した位相差を持つ複数の超音波をぞれぞれ発生する。それら超音波の波面合成により超音波ビームが形成される。
【0019】
超音波ビームの送波は、送波タイミング発生回路602が発生する送波タイミング信号により、所定の時間間隔で繰り返し行われる。超音波ビームの方位は送波ビームフォーマ604によって順次変更される。それによって、被検体4の内部が、超音波ビームが形成する音線によって走査される。すなわち被検体4の内部が音線順次で走査される。
【0020】
送受切換回路606は、超音波トランスデューサアレイ中の受波アパーチャが受波した複数のエコー信号を受波ビームフォーマ610に入力するようになっている。受波ビームフォーマ610は、複数の受波エコーに時間差を付与して位相を調整し次いでそれら加算して、音線に沿ったエコー受信信号の形成、すなわち、受波のビームフォーミングを行なうようになっている。受波ビームフォーマ610により、受波の音線も送波に合わせて走査される。以上の、送波タイミング発生回路602乃至受波ビームフォーマ610は、後述の制御部18によって制御されるようになっている。
【0021】
このような構成の送受信部6は、例えば図3に示すような走査を行なう。すなわち、放射点200からz方向に延びる超音波ビーム(音線)202が扇状の2次元領域206をθ方向に走査し、いわゆるセクタスキャン(sector scan) を行なう。
【0022】
送波および受波のアパーチャを超音波トランスデューサアレイの一部を用いて形成するときは、このアパーチャをアレイに沿って順次移動させることにより、例えば図4に示すような走査を行なうことができる。すなわち、放射点200からz方向に発する音線202を直線状の軌跡204に沿って平行移動させることにより、矩形状の2次元領域206がx方向に走査され、いわゆるリニアスキャン(linear scan) が行なわれる。
【0023】
なお、超音波トランスデューサアレイが、超音波送波方向に張り出した円弧に沿って形成されたいわゆるコンベックスアレイ(convex array)である場合は、リニアスキャンと同様な音線操作により、例えば図5に示すように、音線202の放射点200を円弧状の軌跡204に沿って移動させ、扇面状の2次元領域206をθ方向に走査して、いわゆるコンベクススキャンが行なえるのは言うまでもない。
【0024】
送受信部6はBモード(mode)処理部10に接続され、各音線毎のエコー受信信号をBモード処理部10に入力するようになっている。Bモード処理部10はBモード画像データ(data)を形成するものである。Bモード処理部10は、例えば図6に示すように基本波処理部110および高調波処理部130を備えている。基本波処理部110および高調波処理部130には、受波ビームフォーマ610の出力信号が共通に入力される。
【0025】
基本波処理部110は、基本波エコーすなわち送波超音波の中心周波数と同じ周波数を持つエコー受信信号を通過させる図示しないフィルタ(filter)を有する。高調波処理部130は第2高調波エコーすなわち送波超音波の中心周波数の第2高調波と同じ周波数を持つエコー受信信号を通過させる図示しないフィルタを有する。
【0026】
基本波処理部110は、入力信号につき、基本波エコーを対数増幅および包絡線検波することにより、音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号すなわちAスコープ(scope) 信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード画像データを形成するようになっている。すなわち基本波処理部110は基本波エコーに基づくBモード画像データを生成する。
【0027】
高調波処理部130は、入力信号につき、第2高調波エコーを対数増幅および包絡線検波することにより、音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号すなわちAスコープ信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード画像データを形成するようになっている。すなわち高調波処理部130は、第2高調波エコーに基づくBモード画像データをそれぞれ生成する。
【0028】
Bモード処理部10は画像処理部14に接続されている。Bモード処理部10および画像処理部14は、本発明における画像生成手段の実施の形態の一例である。画像処理部14は、Bモード処理部10から入力される複数系統のBモード画像データに基づいて複数のBモード画像をそれぞれ生成するものである。
【0029】
画像処理部14は、図7に示すように、バス(bus) 140によって接続された音線データメモリ(data memory) 142、ディジタル・スキャンコンバータ(digital scan converter)144、画像メモリ146および画像処理プロセッサ(processor) 148を備えている。
【0030】
Bモード処理部10から音線毎に入力された基本波エコーおよび第2高調波エコーによるBモード画像データは、音線データメモリ142にそれぞれ記憶される。音線データメモリ142内にはそれぞれの音線データ空間が形成される。
【0031】
ディジタル・スキャンコンバータ144は、走査変換により音線データ空間のデータを物理空間のデータに変換するものである。ディジタル・スキャンコンバータ144によって変換された画像データは、画像メモリ146に記憶される。すなわち、画像メモリ146は物理空間の画像データを記憶する。画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142および画像メモリ146のデータについてそれぞれ所定のデータ処理を施す。
【0032】
画像処理部14には表示部16が接続されている。表示部16は、画像処理部14から画像信号が与えられ、それに基づいて画像を表示するようになっている。表示部16は、カラー(color)画像が表示可能なものとなっている。
【0033】
以上の送受信部6、Bモード処理部10、画像処理部14および表示部16は制御部18に接続されている。制御部18は、それら各部に制御信号を与えてその動作を制御するようになっている。また、制御部18には、被制御の各部から各種の報知信号が入力されるようになっている。制御部18による制御の下で、超音波撮像が遂行される。
【0034】
制御部18には操作部20が接続されている。操作部20は操作者によって操作され、制御部18に所望の指令や情報を入力するようになっている。操作部20は、例えばキーボード(keyboard)やその他の操作具を備えた操作パネル(panel) で構成される。
【0035】
本装置の動作を説明する。操作者は、超音波プローブ2を被検体4の所望の個所に当接し、操作部20を操作して撮像を行う。撮像は、制御部18による制御の下で遂行される。
【0036】
先ず、マイクロバルーンの殻を破壊するための超音波を送波する。そのような超音波として、図8の(a)に示すように、最初の半サイクル(cycle) が負圧となる超音波を用いる。このような超音波は、例えば最初の半サイクルを負極姓とした駆動信号等によって発生させることができる。
【0037】
このような超音波がマイクロバルーンに加わると、負圧によるキャビテーション(cavitation)効果によって、その殻が破壊する。殻の硬度が比較的高いものほど負圧によって破壊し易い。被検体内での超音波伝播の非線形性により、例えば図8の(b)に示すように、瞬時音圧波形は進行につれて負の期間が伸びる傾向を示す。負の期間が伸びるのは、負圧の印加時間を長くし、ますますマイクロバルーンの殻の破壊に有利に作用する。このため、比較的低い瞬時音圧でも殻を破壊することが可能であり能率が良い。また、瞬時音圧波形の正の部分が急峻になるのも破壊を促進する点で有利である。
【0038】
これに対して、図9の(a)に示すように、最初の半サイクルが正の超音波を用いた場合は、伝播の非線形性があっても同図の(b)に示すように正の部分は急峻になるもののそれらの間隔は変わらず、したがって負圧の期間が伸びるということがないので、図8の場合よりもマイクロバルーンの殻の破壊効果が劣る。そこで、最初の半サイクルが正の超音波を用いる場合は、十分な破壊効果が得られるように送波超音波の瞬時音圧レベルを高める必要がある。
【0039】
ここでは、図8の(a)に示したような超音波を送受信部6によって送波してマイクロバルーンの殻を破壊し、放出気泡を利用して造影撮像を行うものとする。なお、図9の(a)に示したような超音波を用い、マイクロバルーンの殻を破壊するようにしても良いのは勿論である。以下ではマイクロバルーンの殻の破壊を単にマイクロバルーンの破壊という。
【0040】
マイクロバルーンの破壊は、撮像予定範囲である2次元領域206を超音波ビームで走査することにより行なう。その際、超音波ビームの送波は、方位を高速に切り換えながら矢継ぎ早に行ない、例えば図10に示すように、方位の異なる複数の超音波ビームの波面が順次に少しずつ遅れて並進するようにする。これらの超音波ビームは、本発明における第1の超音波ビームの実施の形態の一例である。図10はセクタスキャンの場合であるが、リニアスキャンおよびコンベックススキャンの場合は、それぞれ、例えば図11および図12に示すようになる。
【0041】
このようにすると、最初に送波した方位において超音波の波面が2次元領域206の最深部に到達する時間内に、最後の方位に対する超音波の送波を終えることができる。例えば、2次元領域206のz方向の深さが10cmであるとすると、超音波の波面が最深部に到達する時間は100μs程度であり、この時間内に2次元領域206の全方位への送波が終了する。なお、超音波ビームの太さをできるだけ太くすることが、少ない音線で2次元領域206を走査する点で好ましい。
【0042】
上記の時間は、通常の音線順次の超音波撮像時に、2次元領域206について超音波を1音線分送波しそのエコーを受信するに要する時間の1/2に相当する。したがって、通常の超音波撮像における1音線分の超音波送受信時間より短い時間で、2次元領域206全体についてのマイクロバルーン破壊用の超音波の送波を終了させることができる。すなわち、極く短時間で撮像予定範囲のマイクロバルーンを破壊することができる。しかも、マイクロバルーンは1音線ずつ破壊して行くので、そのような超音波を送波することは、送受信部6における送波用ドライバの瞬時パワー能力の範囲で十分に可能である。
【0043】
このような破壊用超音波ビームの走査に続いて、音線順次による通常の超音波撮像を行なう。すなわち、例えば図3に示したようなセクタスキャンを音線順次で行ない、各音線ごとに撮像用の超音波ビームを送波し、そのエコーを受信し、エコー受信信号に基づいてBモード画像を生成する。勿論、図4および図5に示したリニアスキャンおよびコンベックススキャンを行なうようにしても良い。このとき送波する超音波ビームは、上記のマイクロバルーン破壊用の超音波ビームよりも瞬時音圧が低いものとして良い。この超音波ビームは、本発明における第2の超音波ビームの実施の形態の一例である。
【0044】
撮像予定範囲内のマイクロバルーンが、上記のようにして例えば100μs程度の時間で破壊されるので、殻から放出された寿命が例えば数ms程度の気泡は、音線順次による撮像期間中消滅することなく存在し続ける。したがって、気泡を利用した安定な造影撮像が可能になる。
【0045】
各音線のエコー受信信号に基づき、Bモード処理部10でBモード画像データが形成される。Bモード画像データは、基本波エコーに基づくものと第2高調波エコーに基づくものとがそれぞれ形成され、画像処理部14の音線データメモリ142に記憶される。
【0046】
画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142の複数系統のBモード画像データを、ディジタル・スキャンコンバータ144で走査変換してそれぞれ画像メモリ146に書き込む。
【0047】
操作者は、操作部20を操作して、これらのBモード画像を表示部16に表示させる。すなわち、例えば図13に示すように、組織の断層像160と第2高調波エコー像162との合成画像を表示させる。マイクロバルーンを破壊する前に、同じ撮像範囲を予めマイクロバルーンを破壊しない超音波で撮像したときは、基本波エコー像同士または第2高調波エコー像同士で、それぞれ、マイクロバルーンの破壊の前後の画像の差を求め、差分画像を表示させるようにしても良い。この場合、マイクロバルーンの破壊の前後の撮像の音線走査条件が同一になり、適正な差分画像を得ることができる。
【0048】
基本波エコー像同士の差分画像は気泡像を示すものとなり、造影画像を得ることができる。第2高調波エコー像同士の差分画像では、超音波送受信における非線形性よる気泡エコーに無関係な共通成分が相殺され、気泡像のみを示す画像すなわち精密な造影画像を得ることができる。
【0049】
以上は、表示画面の1フレーム(frame) に相当する撮像範囲のマイクロバルーンを1回の走査で破壊する例であるが、1フレームを複数の領域に分け、各領域ごとにマイクロバルーンの破壊とそれに続く撮像を逐一行なうようにしても良い。これは、破壊用の超音波の走査時間を短縮する点で好ましい。その際、複数の領域は、方位方向に沿って設定しても良く、また、深さ方向に沿ってフォーカルゾーン(focal zone)ごとに設定しても良い。あるいはそれらを組み合わせるようにしても良い。なお、分割領域についての画像は最後に合成して表示する。
【0050】
また、差分画像は、画像メモリの画像に限るものではなく、音線データメモリの音線データについて行なっても良いのはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、通常の送波トライバの瞬時パワー能力の限界内で撮像範囲のマイクロバルーンを極めて短い時間内に破壊して造影撮像を行なう超音波撮像方法および装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態の一例の装置における送受信部のブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。
【図4】 本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。
【図5】 本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。
【図6】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるBモード処理部のブロック図である。
【図7】 本発明の実施の形態の一例の装置における画像処理部のブロック図である。
【図8】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるマイクロバルーン破壊用の送波信号の一例を示す波形図である。
【図9】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるマイクロバルーン破壊用の送波信号の一例を示す波形図である。
【図10】 本発明の実施の形態の一例の装置によるマイクロバルーン破壊用の超音波走査の概念図である。
【図11】 本発明の実施の形態の一例の装置によるマイクロバルーン破壊用の超音波走査の概念図である。
【図12】 本発明の実施の形態の一例の装置によるマイクロバルーン破壊用の超音波走査の概念図である。
【図13】 本発明の実施の形態の一例の装置における表示画像の模式図である。
【符号の説明】
2 超音波プローブ
4 被検体
40 マイクロバルーン造影剤
6 送受信部
10 Bモード処理部
14 画像処理部
16 表示部
18 制御部
20 操作部
602 送波タイミング発生回路
604 送波ビームフォーマ
606 送受切換回路
610 受波ビームフォーマ
110 基本波処理部
130 高調波処理部
Claims (1)
- マイクロバルーン造影剤を注入した被検体を超音波ビームで走査しエコーに基づいて画像を生成する超音波撮像装置であって、
撮像予定範囲を、前記マイクロバルーンの殻を破壊する瞬時音圧を持つ第1の超音波ビームにより、1つの方位に送波した超音波ビームの波面が前記撮像予定範囲を進行している間に次の方位に超音波ビームを送波する関係で音線順次で走査する超音波走査手段と、
前記第1の超音波ビームで走査した範囲を第2の超音波ビームにより音線順次で走査しエコーを受信する超音波送受信手段と、
前記エコーに基づいて画像を生成する画像生成手段と、
を具備することを特徴とする超音波撮像装置。
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