JP2002209895A - 超音波撮像方法及び超音波撮像装置 - Google Patents

超音波撮像方法及び超音波撮像装置

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JP2002209895A
JP2002209895A JP2001009063A JP2001009063A JP2002209895A JP 2002209895 A JP2002209895 A JP 2002209895A JP 2001009063 A JP2001009063 A JP 2001009063A JP 2001009063 A JP2001009063 A JP 2001009063A JP 2002209895 A JP2002209895 A JP 2002209895A
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JP2001009063A
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Hirohiko Tsuzuki
博彦 都築
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波の送信においてサブハーモニック成分
の発生する確率が高く、超音波エコーに含まれるサブハ
ーモニック成分をリアルタイムに近い速度で検出して空
間分解能に優れた画像を得ることができる超音波撮像方
法等を提供する。 【解決手段】 10周期以上連続する超音波を被検体に
送信するステップ(a)と、ステップ(a)の後で所定
の期間経過後に、4周期以上10周期未満連続する超音
波を被検体に送信するステップ(b)と、ステップ
(b)において送信された超音波が被検体に反射されて
生じる超音波エコーを受信して検出信号を得るステップ
(c)と、検出信号に基づいて超音波エコーのサブハー
モニック成分を抽出するステップ(d)とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に超音波撮
像方法及び超音波撮像装置に関し、特に、マイクロバブ
ル(micro bubble)造影剤を用いてサブハ
ーモニック(sub−harmonic:分調波)エコ
ー強度を検出する超音波撮像方法及び超音波撮像装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超音波診断は、血流情報を得るこ
とができるという特徴を有することから、胸部並びに腹
部領域の診断において著しく発展した。特に、造影剤を
用いる超音波撮像技術が開発されたため、より正確な血
流情報が得られるようになって来ている。このような超
音波造影においては、直径が1〜数μmの多数のマイク
ロバブルを液体に混入したマイクロバブル造影剤を、主
に静脈に注射することにより用いる。このマイクロバブ
ルは、生体に無害な気体(空気、フッ化炭素等)を、生
体に無害な物質(レシチン等)からなる殻に封入したも
のである。
【0003】日本国特許出願公開(特開)平9−164
138号公報には、血流中に微小気泡の超音波コントラ
スト剤を注入し、組織中の微小気泡を破壊する超音波パ
ルスを発信し、微小気泡の破壊からある時間間隔の間に
どの程度組織中に微小気泡が再灌流したかを超音波によ
り測定する超音波診断画像処理方法が掲載されている。
【0004】また、超音波撮像技術においても、ドップ
ラー信号や高調波信号の利用が進み、より多くの組織に
おける血流情報の取得が可能となった。特に、超音波造
影との組み合わせにより、血流動態の評価がより正確に
行われるようになった。
【0005】特開平11−178824号公報には、変
調された超音波のシーケンスを体内に発信し、その応答
として得られる超音波エコーに位相差を生じさせる発信
段階と、該発信シーケンスに応答する超音波エコー信号
の集合を受信する段階と、線形と非線形信号成分の位相
シフト情報を分離するために該集合を分析する段階とか
らなるパルス反転ドップラー超音波診断画像処理方法が
掲載されている。しかしながら、このようなドップラー
信号の検出においては、心筋等の動きの大きい組織から
の強い信号や、組織そのものから発生する高調波信号が
混入するため、血管内のマイクロバブルのみを検出する
ことはできない。
【0006】そこで、連続する複数の波を有する超音波
を照射することにより、血管内にあるマイクロバブルの
みから発生するサブハーモニック(分調波)エコーに基
づいて画像を生成する、いわゆるサブハーモニックイメ
ージングが検討され始めている。分調波成分はマイクロ
バブルのカオス的振動と分岐現象によってのみ生成され
るため、サブハーモニックイメージングによれば、ハー
モニック(高調波)イメージングよりも高いコントラス
トの造影が得られると考えられている。
【0007】米国特許第5,706,819号には、高
調波コントラスト剤を被検体に注入し、送信パルスの極
性を交互に反転させながら受信したエコー信号を組み合
わせることにより、送信信号の高調波成分を抑圧すると
共に散乱を除去して高調波コントラスト剤の影響を検出
する超音波診断画像処理方法が掲載されている。しかし
ながら、この方法によれば、高調波とサブハーモニック
スとの和が検出されるため、サブハーモニックスのみの
検出はできない。
【0008】また、特開2000−5167号公報に
は、連続する複数の波を持つ超音波を送波するに当り、
マイクロバルーン(マイクロバブル)を破壊しない瞬時
音圧を持つ少なくとも1つの波の前後にマイクロバルー
ンを破壊する瞬時音圧を持つ波がそれぞれ存在する超音
波を送信し、サブハーモニックエコーを確実に発生させ
る超音波送波方法が掲載されている。しかしながら、こ
の方法によれば、マイクロバルーンを破壊させてしまう
ので、被検体中に注入されているマイクロバルーンを連
続的にリアルタイムで観測することができない。
【0009】さらに、近年においては、サブハーモニッ
クスの発生メカニズムの検討が多くなされており、連続
する複数の波を有する超音波を照射することにより、サ
ブハーモニックスの強度が高まることが知られている
(Nico de Jong、第1回国際造影超音波京
都シンポジウムS1−1、1999年10月23日)。
しかしながら、超音波による撮像においては、送信した
連続波の長さで空間分解能が決定されるため、長期間連
続する超音波を用いると、得られる超音波画像の空間分
解能が低下してしまうという問題が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記の点に鑑
み、本発明の目的は、超音波の送信においてサブハーモ
ニック成分の発生する確率が高く、超音波エコーに含ま
れるサブハーモニック成分をリアルタイムに近い速度で
検出して空間分解能に優れた画像を得ることができる超
音波撮像方法及び超音波撮像装置を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、本発明に係る超音波撮像方法は、10周期以上連続
する超音波を被検体に送信するステップ(a)と、ステ
ップ(a)の後で所定の期間経過後に、4周期以上10
周期未満連続する超音波を被検体に送信するステップ
(b)と、ステップ(b)において送信された超音波が
被検体に反射されて生じる超音波エコーを受信して検出
信号を得るステップ(c)と、検出信号に基づいて超音
波エコーのサブハーモニック成分を抽出するステップ
(d)とを具備する。
【0012】また、本発明に係る超音波撮像装置は、複
数の超音波トランスデューサが配列されている超音波プ
ローブと、10周期以上連続する超音波を被検体に送信
した後で所定の期間経過後に、4周期以上10周期未満
連続する超音波を被検体に送信するように超音波プロー
ブに駆動信号を供給する送信手段と、4周期以上10周
期未満連続する超音波が被検体に反射されて生じるエコ
ーを超音波プローブにより受信して検出信号を得る受信
手段と、検出信号に基づいて超音波エコーのサブハーモ
ニック成分を抽出する信号処理手段とを具備する。
【0013】以上の構成によれば、10周期以上連続す
る超音波を被検体に送信することにより、マイクロバブ
ルのカオス的振動又は分岐現象を活性化させてサブハー
モニック成分の発生確率を高め、その後に4周期以上1
0周期未満連続する超音波を被検体に送信して超音波エ
コーに含まれるサブハーモニック成分をリアルタイムに
近い速度で検出することにより、空間分解能に優れた画
像を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の第
1の実施形態に係る超音波撮像装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【0015】図1に示すように、この超音波撮像装置
は、複数の超音波トランスデューサにより構成される超
音波トランスデューサアレイを含む超音波プローブ20
を有する。超音波プローブ20は、操作者により被検体
10に当接されて使用される。被検体10には、予めマ
イクロバブル造影剤が注入されて、マイクロバブル10
0が含まれている。
【0016】超音波プローブ20は、送受信部30に接
続されている。送受信部30において、送波タイミング
発生回路322は、送波タイミング信号を周期的に発生
して、送波ビームフォーマ321に供給する。送波ビー
ムフォーマ321は、この送波タイミング信号に基づい
て、超音波プローブ20の複数の超音波トランスデュー
サを時間差をもって駆動する複数の駆動信号(送波ビー
ムフォーミング信号)を発生し、送受信切り替え回路3
11を介して超音波プローブ20に供給する。これらの
駆動信号の波形は、送波超音波の音圧波形が後述の波形
となるように選ばれている。超音波プローブ20の送波
アパーチャを構成する複数の超音波トランスデューサ
は、これらの駆動信号の時間差に対応した位相差を持つ
複数の超音波を被検体10に向けてそれぞれ送信する。
このような複数の超音波の波面合成により、超音波ビー
ムが形成される。
【0017】一方、超音波プローブ20は、被検体10
から反射された超音波(エコー)を受信し、これを電気
信号に変換して、送受信切り替え回路311を介して受
波ビームフォーマ331に出力する。このように、超音
波プローブ20の受波アパーチャを構成する複数の超音
波トランスデューサが受信した複数のエコー信号が、受
波ビームフォーマ331に入力されるようになってい
る。受波ビームフォーマ331は、複数の受信エコーに
時間差を付与して位相を調整し、次にそれらを加算し
て、音線に沿ったエコー検出信号の形成、即ち、受波の
ビームフォーミングを行うようになっている。受波ビー
ムフォーマ331により、受波の音線も送波に合わせて
走査される。
【0018】超音波プローブ20により送信される超音
波ビームは、その収束領域において、図2に示す音圧波
形を形成するような連続する波を生じるように設定され
ている。図2に示すように、まず、マイクロバブルのカ
オス的振動又は分岐現象を活性化させるために、m個
(mは10以上の整数)の周期(波長)の間連続する第
1のバースト波を送信する。その後、超音波画像を得る
ために、n個(nは4以上10未満の整数)の周期(波
長)の間連続する第2のバースト波を送信する。第1の
バースト波においては、連続する周期数mを、好ましく
は10以上50,000以下とし、さらに好ましくは1
0以上100以下とする。また、第2のバースト波にお
いては、連続する周期数nを、好ましくは4以上6以下
とする。
【0019】ここで、第1のバースト波の長さを10周
期以上とするのは、マイクロバブルを活性化するため
に、この程度の期間が必要となるからである。また、第
1のバースト波の長さを50,000周期以下とするの
は、マイクロバブル活性化の効率と超音波の走査に要す
る時間との兼ね合いを考慮したからである。一方、第2
のバースト波の長さを4周期以上とするのは、サブハー
モニックスを発生させ易くするためである。また、第2
のバースト波の長さを10周期未満とするのは、長期間
連続する超音波を用いると、得られる超音波画像の空間
分解能が低下してしまうからである。
【0020】図2に示すように、マイクロバブルを活性
化させるための第1のバースト波が第1の期間t1にお
いて送信され、第2の期間t2において超音波の送信が
停止された後に、超音波画像を得るための第2のバース
ト波が第3の期間t3において送信される。ここで、第
2の期間t2は、第1の期間t1において送信された超音
波が被検体に反射されて戻って来るまでの時間を考慮し
て、1msec以上1sec以内とし、好ましくは10
msec以上100msec以内とする。
【0021】また、第1及び第2のバースト波の照射強
度は、造影剤(マイクロバブル)を瞬時には破壊しない
音圧とする。具体的には、第1及び第2のバースト波の
音圧として、10kPa以上200kPa以下、特に、
30kPa以上100kPa以下とすることが望まし
い。このようにすれば、マイクロバブルを瞬時に破壊し
ないので、被検体中に注入されているマイクロバブルを
連続的にリアルタイムで観測することができる。
【0022】このような波形の超音波が、図3に示すよ
うな被検体の組織に入射され、被検体10から反射され
た超音波(エコー)が、超音波プローブに入射する。図
3に示すように、被検体10には、組織a、b、cが含
まれている。例えば、組織aとcは細胞であり、組織b
は血管である。組織bの内部には、マイクロバブル10
0が注入されている。送信波の音線202は、組織a、
b、cを突き抜けて進むと共に、送信波の一部は、組織
a、組織bの2つの壁、組織cにおいて反射される。ま
た、送信波の他の一部は、組織bの内部に存在するマイ
クロバブル100によって反射されて、サブハーモニッ
ク成分を生ずる。ここで、送信波を発信してから反射波
を受信するまでの時間を特定することにより、深さ方向
の異なる位置における画像情報を選択的に取得すること
が出来る。
【0023】超音波ビームの送信は、図1に示す送波タ
イミング発生回路322が発生する送波タイミング信号
により、所定の時間間隔で繰り返し行われる。超音波ビ
ームの方位は、送波ビームフォーマ321によって順次
変更される。これにより、被検体10の内部が、超音波
ビームが形成する音線によって走査される。即ち、被検
体10の内部において、音線の方向が順次変化する。こ
のような構成の送受信部30は、例えば図4に示すよう
な走査を行う。図4においては、放射点200からz方
向に延びる超音波ビーム(音線202)が、扇状の2次
元領域206をθ方向に走査し、いわゆるセクタスキャ
ンを行う。
【0024】一方、送波及び受波のアパーチャを超音波
トランスデューサアレイの一部を用いて形成する場合に
は、このアパーチャを超音波トランスデューサアレイに
沿って順次移動させることにより、例えば図5に示すよ
うな走査を行うことができる。図5においては、放射点
200からz方向に延びる音線202を直線上の軌跡2
04に沿って平行移動させることにより、矩形状の2次
元領域206をx方向に走査し、いわゆるリニアスキャ
ンを行う。
【0025】また、超音波トランスデューサアレイが、
超音波送波方向に張り出した円弧に沿って形成されたい
わゆるコンベックスアレイである場合は、リニアスキャ
ンと同様な音線走査により、例えば図6に示すような走
査を行うことができる。図6においては、音線202の
放射点200を、発散点208を中心とした円弧状の軌
跡204に沿って移動させ、扇面状の2次元領域206
をθ方向に走査して、いわゆるコンベックススキャンを
行う。
【0026】ここで、音線ごとに第1のバースト波と第
2のバースト波とを交互に照射しても良い。また、1つ
の2次元領域内を第1のバースト波でスキャンした後
に、同じ2次元領域内を第2のバースト波でスキャンし
て超音波画像を得るようにしても良い。あるいは、複数
の2次元領域内を第2のバースト波でスキャンして超音
波画像を得る合間に、第1のバースト波で適宜スキャン
するようにしても良い。いずれにしても、第1のバース
ト波と第2のバースト波とを交互に照射し、その間は、
1msec以上1sec以内、好ましくは10msec
以上100msec以内の無送信期間を設けることが望
ましい。
【0027】再び図1を参照すると、受波ビームフォー
マ331は、信号処理部40の波形処理部400に接続
されている。波形処理部400は、入力された音線毎の
エコー受信信号から基本波成分とサブハーモニック成分
を分離し、基本波成分を基本波処理部401に出力する
と共に、サブハーモニック成分をサブハーモニック処理
部402に出力する。基本波処理部401及びサブハー
モニック処理部402は、入力された基本波成分及びサ
ブハーモニック成分をそれぞれ処理して画像処理部40
3に出力する。画像処理部403は、基本波成分に基づ
いて、基本波の強度により輝度変調して得られる基本波
Bモード画像を生成すると共に、サブハーモニック成分
に基づいて、サブハーモニック成分の強度により輝度変
調して得られるサブハーモニックB画像を生成する。
【0028】ここで、波形処理部400は、バンドパス
フィルタを用いて、受波ビームフォーマ331より入力
された検出信号からサブハーモニック成分を抽出する。
抽出すべきサブハーモニック成分の周波数は、基本波の
周波数の1/2又は3/2とするのが良好であり、特
に、基本波の周波数の3/2とすることが好ましい。
【0029】基本波処理部401は、受信波から得られ
た基本波エコー(送信波の基本周波数と同じ周波数を有
する受信波)を検出して、これを対数増幅及び包絡線検
波することにより、音線上の個々の反射点におけるエコ
ーの強度を表す信号、即ちAスコープ信号を得る。ま
た、基本波処理部401は、このAスコープ信号の各々
の時点における瞬時の振幅をそれぞれの輝度値として、
Bモード画像データを形成する。
【0030】ここで、基本波エコーに基づいて生成した
1次元の画像データを、図7の(a)に輝度信号X0
10として示す。輝度信号X0910には、図3に示す
組織aの散乱911、組織bの2つの壁の散乱912及
び913、組織cの散乱914、及び、組織bに注入さ
れたマイクロバブルの散乱915が抽出されている。
【0031】サブハーモニック処理部402(図1)
は、受信波から得られたサブハーモニックエコーを対数
増幅及び包絡線検波することにより、音線上の個々の反
射点におけるエコーの強度を表す信号、即ちAスコープ
信号を得る。また、サブハーモニック処理部402は、
このAスコープ信号の各々の時点における瞬時の振幅を
それぞれの輝度値として、Bモード画像データを形成す
る。
【0032】ここで、サブハーモニックエコーに基づい
て生成した1次元の画像データを、図7の(b)に輝度
信号XSUB920として示す。輝度信号XSUB920に
は、図3に示す組織bに注入されたマイクロバブルのサ
ブハーモニック信号925が抽出されている。
【0033】再び図1を参照すると、基本波処理部40
1及びサブハーモニック処理部402は、画像処理部4
03に接続されている。画像処理部403は、基本波処
理部401及びサブハーモニック処理部402からそれ
ぞれ入力されるBモード画像データに基づいて、複数の
Bモード画像をそれぞれ生成する。この動作について、
以下に詳しく説明する。
【0034】基本波処理部401及びサブハーモニック
処理部402から音線毎に入力された基本波エコー及び
サブハーモニックエコーによるBモード画像データは、
画像処理部403内の音線データメモリにそれぞれ記憶
される。音線データメモリ内には、それぞれの音線デー
タ空間が形成されている。
【0035】音線データメモリ内の音線データ空間は、
ディジタル・スキャンコンバータ(DSC)404の走
査変換によって、音線データ空間のデータから物理空間
のデータに変換される。DSC404によって変換され
た画像データは、画像メモリ405に記憶される。画像
メモリ405は、物理空間の画像データを記憶する。音
線データメモリ及び画像メモリ405のデータは、画像
処理プロセッサによって、それぞれ所定のデータ処理を
施される。
【0036】画像メモリ405には、表示部50が接続
されている。表示部50は、画像メモリ405に記憶さ
れている物理空間の画像データに基づいて画像を表示す
る。表示部50は、カラー画像の表示が可能なものであ
ることが望ましい。
【0037】送受信部30と信号処理部40は、制御部
60に接続されている。制御部60は、これら各部に制
御信号を与えて、その動作を制御するようになってい
る。また、制御部60には、これら各部から各種の報知
信号が入力されるようになっている。制御部60による
制御の下で、超音波撮像が遂行される。更に、制御部6
0には、操作部が含まれている。操作部は操作者によっ
て操作され、制御部に所望の指令や情報を入力するよう
になっている。操作部は、例えばキーボードやその他の
操作具を備えた操作パネルで構成される。
【0038】なお、基本波処理部401〜画像処理部4
03の各部は、アナログ回路で構成しても良いし、ディ
ジタル回路で構成しても良い。あるいは、ソフトウェア
とCPUで構成しても良い。その場合には、CPUを含
む制御部60が、記録媒体70に記録された超音波処理
プログラムに基づいて、検出信号を処理する。記録媒体
70としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ハー
ドディスク、MO、MT、RAM、CDROM、又はD
VDROM等が該当する。
【0039】次に、本実施形態に係る超音波撮像装置の
操作について説明する。操作者は、超音波プローブ20
を被検体10の所望の個所に当接し、操作部を操作して
撮像を行う。制御部60の制御の下で、音線を順次スキ
ャンしながら超音波の送受信を行い、撮像が遂行され
る。例えば、図4に示したようなセクタスキャンで音線
を順次スキャンしながら、各音線毎に超音波ビームを送
波し、そのエコーを受信して、エコー受信波に基づいて
Bモード画像を生成する。もちろん、図5又は図6に示
したようなリニアスキャン又はコンベックススキャンを
行うようにしても良い。
【0040】このとき送波する超音波ビームは、例えば
図2に示した音圧波形を有し、マイクロバブル100を
活性化させ、サブハーモニックエコーを確実に生じさせ
る。各音線におけるエコー受信波に基づいてBモード画
像データが形成される。Bモード画像データは、基本波
エコーに基づくものとサブハーモニックエコーに基づく
ものとがそれぞれ形成され、画像処理部403内の音線
データメモリに記憶される。
【0041】音線データメモリ内の音線データをDSC
404で走査変換して、画像メモリ405にそれぞれ書
き込む。操作者は、操作部を操作して、これらのBモー
ド画像を表示部50に表示させる。例えば、図8に示す
ように、表示部のディスプレイ110において、基本波
エコーに基づいて求めた組織の断層像111と、マイク
ロバブルのサブハーモニックエコーに基づいて求めた像
112との合成画像を表示させる。
【0042】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。本実施形態においては、超音波エコーの検出信
号からサブハーモニック成分を抽出するために、第1の
実施形態におけるバンドパスフィルタを用いるかわり
に、波形処理部において、検出信号と遅延された検出信
号との差を求める。
【0043】本実施形態におけるサブハーモニック信号
の抽出方法について、図9を参照しながら説明する。マ
イクロバブルのエコーは、図9に示す波形R1のように
なっている。この波形R1を、送信波の基本周期τだけ
遅延させて、波形R2を作成する。次に、波形R1と波形
2との差を求め、サブハーモニック信号の波形RSUB
得る。送信超音波のエコーは、基本波と、高調波と、サ
ブハーモニック信号との和で形成されている。ここで、
基本波ならびに高調波は、送信波の基本周期τを繰り返
し単位とした波形であるため、上述の信号処理により除
去される。その結果、サブハーモニック信号のみが残る
こととなる。
【0044】図10に、本実施形態における波形処理部
の構成の一部を示す。図10において、遅延回路1は、
検出信号を送波基本周期τだけ遅延させる。差分回路2
は、検出信号と遅延された検出信号との差を求めること
により、サブハーモニック信号を抽出して出力する。
【0045】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。本実施形態においては、超音波エコーの検出信
号からサブハーモニック成分を抽出するために、第2の
実施形態における遅延回路を用いるかわりに、超音波の
反射点と超音波プローブに含まれている複数の超音波ト
ランスデユーサとの間の行路差によって位相差を有する
2つの検出信号を得て、これらの差を求める。
【0046】図11に示すように、超音波プローブ20
に含まれている複数の超音波トランスデューサ21は、
受信方向に段差を設けて配列されていることが望まし
い。受波ビームフォーマ331は、複数の超音波トラン
スデューサ21の中から少なくとも2つの超音波トラン
スデューサを選択することにより、送信超音波の1周期
に相当する時間だけ位相がずれている2つの検出信号を
得る。例えば、超音波トランスデューサT1から検出信
号S1を得て、超音波トランスデューサT2から検出信号
2を得る。ここで、送信超音波の1波長をλ、被検体
10の反射点から超音波トランスデューサT1までの距
離をL1、被検体10の反射点から超音波トランスデュ
ーサT2までの距離をL2とすると、L2−L1=λの関係
にある。
【0047】さらに、受波ビームフォーマ331は、複
数の受信エコーに時間差を付与して位相を調整し、次に
それらを加算して、音線に沿ったエコー検出信号の形
成、即ち、受波のビームフォーミングを行うようにして
も良い。受波ビームフォーマ331は、検出信号S1
2等を処理して、送信超音波の1周期に相当する時間
だけ位相がずれている第1の検出信号R1と第2の検出
信号R2を最終的に出力する。波形処理部400におい
て、第1の検出信号R1と第2の検出信号R2の差を求め
ることにより、第2の実施形態と同様に、図8に示すよ
うなサブハーモニック信号の波形RSUBを得る。
【0048】これらの実施形態においては、サブハーモ
ニックエコーを利用してBモード撮像を行う例について
説明したが、超音波撮像はBモード撮像に限るものでは
なく、サブハーモニックエコーのドップラーシフトを利
用して動態画像を撮像するようにしても良い。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
10周期以上連続する超音波を被検体に送信することに
より、造影剤(マイクロバブル等)のカオス的振動又は
分岐現象を活性化させてサブハーモニック成分の発生確
率を高め、その後に4周期以上10周期未満連続する超
音波を被検体に送信して超音波エコーに含まれるサブハ
ーモニック成分をリアルタイムに近い速度で検出するこ
とにより、空間分解能に優れた画像を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超音波撮像装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る超音波撮像装置
において送信された超音波の音圧波形を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る超音波撮像装置
において送信された超音波が被検体に入射される様子を
示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る超音波撮像装置
における音線走査の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る超音波撮像装置
における音線走査の他の例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る超音波撮像装置
における音線走査のさらに他の例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る超音波診断画像の信
号の処理方法において生成した1次元の画像データを輝
度信号として示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る超音波撮像装置
における表示画像の一例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例における検出信号の処理
を説明するための波形図である。
【図10】本発明の第2の実施例における波形処理部の
構成の一部を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3の実施例における超音波プロー
ブとその周辺回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 遅延回路 2 差分回路 10 被検体 20 超音波プローブ 30 送受信部 40 信号処理部 50 表示部 60 制御部 70 記録媒体 100 マイクロバブル 110 表示部のディスプレイ 111 基本波エコーに基づいて求めた組織の断層像 112 マイクロバブルのサブハーモニックエコーに基
づいて求めた像 200 放射点 202 音線 204 軌跡 206 2次元領域 208 発散点 311 送受信切り替え回路 321 送波ビームフォーマ 322 送波タイミング発生回路 331 受波ビームフォーマ 400 波形処理部 401 基本波処理部 402 サブハーモニック処理部 403 画像処理部 404 ディジタル・スキャンコンバータ(DSC) 405 画像メモリ 910 輝度信号X0 911 組織aの散乱 912、913 組織bの2つの壁の散乱 914 組織cの散乱 915 組織bに注入されたマイクロバブルの散乱 920 輝度信号XSUB 925 組織bに注入されたマイクロバブルのサブハー
モニック信号

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10周期以上連続する超音波を被検体に
    送信するステップ(a)と、 ステップ(a)の後で所定の期間経過後に、4周期以上
    10周期未満連続する超音波を被検体に送信するステッ
    プ(b)と、 ステップ(b)において送信された超音波が被検体に反
    射されて生じる超音波エコーを受信して検出信号を得る
    ステップ(c)と、 前記検出信号に基づいて超音波エコーのサブハーモニッ
    ク成分を抽出するステップ(d)と、を具備する超音波
    撮像方法。
  2. 【請求項2】前記所定の期間経過が、1msec以上1
    sec以内であることを特徴とする請求項1記載の超音
    波撮像方法。
  3. 【請求項3】 ステップ(a)及びステップ(b)にお
    いて送信される超音波の音圧が、10kPa以上200
    kPa以下であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の超音波撮像方法。
  4. 【請求項4】 ステップ(a)の前に、前記被検体にマ
    イクロバブル造影剤を注入するステップをさらに具備す
    る請求項1〜3のいずれか1項記載の超音波撮像方法。
  5. 【請求項5】 複数の超音波トランスデューサが配列さ
    れている超音波プローブと、 10周期以上連続する超音波を被検体に送信した後で所
    定の期間経過後に、4周期以上10周期未満連続する超
    音波を被検体に送信するように前記超音波プローブに駆
    動信号を供給する送信手段と、 4周期以上10周期未満連続する超音波が被検体に反射
    されて生じるエコーを前記超音波プローブにより受信し
    て検出信号を得る受信手段と、 前記検出信号に基づいて超音波エコーのサブハーモニッ
    ク成分を抽出する信号処理手段と、を具備する超音波撮
    像装置。
  6. 【請求項6】 前記所定の期間経過が、1msec以上
    1sec以内であることを特徴とする請求項5記載の超
    音波撮像装置。
  7. 【請求項7】 前記超音波プローブによって送信される
    超音波の音圧が、10kPa以上200kPa以下であ
    ることを特徴とする請求項5又は6記載の超音波撮像装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015150810A1 (en) * 2014-04-01 2015-10-08 Sintef Tto As Ultrasonic contrast agent detection and imaging
CN110913769A (zh) * 2017-07-09 2020-03-24 利兰斯坦福初级大学董事会 利用频谱合成来减少斑点的超声成像

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