JP2005305191A - 超音波撮像装置およびマイクロバルーン破壊方法 - Google Patents

超音波撮像装置およびマイクロバルーン破壊方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 マイクロバルーン破壊後に生じる気泡を利用して造影撮像を行う。
【解決手段】 マイクロバルーン造影剤を注入した被検体にマイクロバルーン造影剤におけるマイクロバルーンの殻を破壊する音圧を持つ第1の超音波を送波し、その第1の超音波の送波から時間をおいて第2の超音波を送波し、その第2の超音波に対するエコーに基づいて画像を生成する。
【選択図】 図10

Description

本発明は、超音波撮像装置およびマイクロバルーン(micro baloon)破壊方法に関し、特に、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体についての超音波撮像装置、および、被検体に注入したマイクロバルーンの破壊方法に関する。
造影剤を用いる超音波撮像では、直径が1〜数μmの多数のマイクロバルーンを液体に混入したマイクロバルーン造影剤を用いる。マイクロバルーンは生体に無害な気体を、生体に無害かつ経時分解性の殻に封入したものとなっている。このようなマイクロバルーンは、非直線的なエコー(echo)源性により、例えば第2高調波等の特徴的な高調波エコーを発生するので、それに基づいて画像を生成することにより、体内における造影剤の分布を画像化する。
マイクロバルーン造影剤を用いた造影撮像には、マイクロバルーンの殻を破壊しない超音波を送波し、第2高調波エコーに基づく画像を生成する非破壊モード(mode)と、マイクロバルーンの殻を破壊する超音波を送波し、殻の破壊時に発生するサブハーモニックス(subharmonics)エコーを利用して画像を生成する破壊モードとがある。
超音波送受信系の非直線性や被検体内の超音波伝播の非線形性等により、マイクロバルーン造影剤を含まない体内組織からのエコーにも第2高調波成分等が不可避的に含まれる。この現象を、本書では仮に基本波からのスペクトラム(spectrum)の漏れと呼ぶ。このスペクトラムの漏れのため、第2高調波エコーから画像を生成すると、組織像も一緒に画像化され、造影剤像の識別が困難になるという問題がある。
また、破壊モードで撮像した場合、マイクロバルーンの破壊された殻から気泡が放出される。この気泡は瞬時には消滅せず、血液等に溶解して消滅するまである時間体内に存在し続ける。したがって、この気泡も造影剤として利用可能であるが、従来は、これを造影に利用するという発想がなく、ただ気泡の消滅を待つのみであった。
また、破壊モードで撮像する場合、送波超音波の音圧をマイクロバルーンの殻を破壊するに足るレベル(level)まで上げる必要があるが、生体に対する安全性の観点からなるべく低い音圧で確実に破壊することが望まれる。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、マイクロバルーンの殻の破壊後に生じる気泡を利用して造影撮像を行う超音波撮像装置を実現することを目的々する。さらには、マイクロバルーンを能率良く破壊するマイクロバルーン破壊方法を実現することを目的とする。
(1)上記の課題を解決する第1の発明は、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体に前記マイクロバルーン造影剤におけるマイクロバルーンの殻を破壊する音圧を持つ第1の超音波を送波し、前記第1の超音波の送波から時間をおいて第2の超音波を送波する送波手段と、前記第2の超音波に対するエコーを受信する受信手段と、前記受信したエコーに基づいて画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする。
(2)上記の課題を解決する第2の発明は、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体を超音波ビームにより音線順次で走査し各音線上のエコーに基づいて画像を生成する超音波撮像装置であって、隣合う少なくとも3つの音線に跨がるビーム幅を有し、中央の音線上では前記マイクロバルーン造影剤中のマイクロバルーンの殻を破壊するに足る音圧となり、両側の音線では前記マイクロバルーンの殻を破壊するに足りない音圧となるビームプロファイルを有する超音波を送波する送波手段と、前記両側の音線のうち前記中央の音線から見て前記音線順次の走査方向とは反対側にある音線に沿ってエコーを受信する受信手段と、前記受信したエコーに基づいて画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする。
(3)上記の課題を解決する第3の発明は、マイクロバルーンを注入した被検体に最初の半サイクルが負圧となる超音波を送波する、ことを特徴とする。
第1の発明において、前記第1の超音波は最初の半サイクルが負圧であることが、マイクロバルーンの殻を能率良く破壊する点で好ましい。また、第1の発明において、前記第1の超音波は、そのビームの横断面内に撮像用の複数の音線を含むことが、マイクロバルーンの殻の破壊の能率を上げる点で好ましい。
第1の発明では、マイクロバルーンの殻の破壊と超音波撮像との間に時間をあけて、殻から放出された気泡の状態が整定した後に撮像を行う。
第2の発明において、前記中央の音線から見て前記音線順次の走査方向側にある音線に沿ってエコーを受信し、それに基づいて画像を生成することが、マイクロバルーンの殻の破壊前の画像を得る点で好ましい。
第2の発明では、エコー受信用の音線が通過する領域が、1音線前に送波超音波ビームの中心が通過してマイクロバルーンの殻を破壊した領域となる。
第3の発明において、前記超音波の波形が1サイクルで終わることが、マイクロバルーンの殻の破壊能率を上げる点で好ましい。
第3の発明では、負圧から始まる超音波を印加することにより、マイクロバルーンを能率良く破壊する。
本発明によれば、マイクロバルーンの殻の破壊後に生じる気泡を利用して造影撮像を行う超音波撮像装置を提供することができる。また、マイクロバルーンを能率良く破壊するマイクロバルーン破壊方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。
図1に、超音波撮像装置のブロック(block)図を示す。本装置は本発明の超音波撮像装置の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置についての実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法についての実施の形態の一例が示される。
<構成>
本装置の構成を説明する。図1に示すように、本装置は、超音波プローブ(probe)2を有する。超音波プローブ2は、例えば前方に張り出した円弧に沿って形成された図示しない超音波振動子アレイ(array)を有する。すなわち、超音波プローブ2はコンベックスプローブ(convex probe)となっている。超音波プローブ2は、操作者により被検体4に当接されて使用される。被検体4には、マイクロバルーン造影剤40が注入されている。
超音波プローブ2は送受信部6に接続されている。送受信部6は、超音波プローブ2に駆動信号を与えて、被検体4内に超音波を送波させるようになっている。送受信部6は、また、超音波プローブ2が受波した被検体4からのエコーを受信するようになっている。超音波プローブ2および送受信部6は、本発明における送受信手段の実施の形態の一例である。また、本発明における送波手段の実施の形態の一例である。また、本発明における受信手段の実施の形態の一例である。
送受信部6のブロック図を図2に示す。同図において、送波タイミング(timing)発生回路602は、送波タイミング信号を周期的に発生して送波ビームフォーマ(beam former)604に入力するようになっている。
送波ビームフォーマ604は、送波タイミング信号に基づいて、送波ビームフォーミング(beam forming)信号、すなわち、超音波振動子アレイ中の複数の超音波トランスデューサ(transducer)を時間差をもって駆動する複数の駆動信号を発生し、送受切換回路606に入力するようになっている。駆動信号は振幅および波形が可変となっている。
送受切換回路606は、複数の駆動信号をセレクタ(selector)608に入力するようになっている。セレクタ608は、超音波振動子アレイの中から送波アパーチャ(aperture)を形成する複数の超音波トランスデューサを選択し、それらに複数の駆動信号をそれぞれ与えるようになっている。
複数の超音波トランスデューサは、複数の駆動信号の時間差に対応した位相差を持つ複数の超音波をぞれぞれ発生する。それら超音波の波面合成によって超音波ビームが形成される。超音波ビームの送波方向は、セレクタ608が選択する送波アパーチャによって定まる。
超音波ビームの送波は、送波タイミング発生回路602が発生する送波タイミング信号により、所定の時間間隔で繰り返し行われる。超音波ビームの送波方向は、セレクタ608で送波アパーチャを切り換えることにより順次変更される。それによって、被検体4の内部が、超音波ビームが形成する音線によって走査される。すなわち被検体4の内部が音線順次で走査される。
セレクタ608は、また、超音波トランスデューサのアレイの中から受波アパーチャを形成する複数の超音波トランスデューサを選択し、それら超音波トランスデューサが受波した複数のエコー信号を送受切換回路606に入力するようになっている。
送受切換回路606は、複数のエコー信号を受波ビームフォーマ610に入力するようになっている。受波ビームフォーマ610は、複数のエコー信号に時間差を付与して位相を調整し、次いでそれら加算して受波のビームフォーミング、すなわち、受波音線上のエコー受信信号を形成するようになっている。セレクタ608により、受波の音線も送波に合わせて走査される。
以上の、送波タイミング発生回路602乃至受波ビームフォーマ610は、後述の制御部18によって制御されるようになっている。
超音波プローブ2および送受信部6によって、例えば図3に示すような走査が行われる。すなわち、同図に示すように、放射点200から発する音線202が円弧204上を移動することにより、扇面状の2次元領域206がθ方向に走査され、いわゆるコンベックススキャン(convex scan)が行われる。音線202を超音波の送波方向(z方向)とは反対方向に延長したとき、全ての音線が一点208で交わるようになっている。点208は全ての音線の発散点となる。
送受信部6はBモード(mode)処理部10に接続され、音線毎のエコー受信信号をBモード処理部10に入力するようになっている。Bモード処理部10はBモード画像データ(data)を形成するものである。Bモード処理部10は、図4に示すように基本波処理部110および高調波処理部112を備えており、それらに受波ビームフォーマ610の出力信号が入力される。
基本波処理部110は、入力信号につき、送波超音波の基本波に相当する周波数を持つ信号を対数増幅および包絡線検波することにより音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号、すなわちAスコープ(scope)信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード(mode)画像データを形成するようになっている。すなわち、基本波処理部110は、基本波エコーに基づく画像データを生成する。
高調波処理部112は、入力信号につき、送波超音波の高調波に相当する信号を対数増幅および包絡線検波することにより音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号、すなわちAスコープ(scope)信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード(mode)画像データを形成するようになっている。すなわち、高調波処理部112は、高調波エコーに基づく画像データを生成する。
高調波エコーは第2高調波エコーを主体とする。それに限らず、マイクロバルーン造影剤のエコーに含まれる他の次数の高調波エコーをも利用して差支えない。高調波処理部112については、のちにあらためて説明する。
Bモード処理部10は画像処理部14に接続されている。Bモード処理部10および画像処理部14は、本発明における画像生成手段の実施の形態の一例である。画像処理部14は、Bモード処理部10から入力されるデータに基づいてBモード画像を生成するものである。
画像処理部14は、図5に示すように、バス(bus)140によって接続された音線データメモリ(data memory)142、ディジタル・スキャンコンバータlscan converter)144、画像メモリ146および画像処理プロセッサ(prosessor)148を備えている。
Bモード処理部10から音線毎に入力されたBモード画像データは、音線データメモリ142にそれぞれ記憶される。音線データメモリ142内には音線データ空間が形成される。
ディジタル・スキャンコンバータ144は、走査変換により音線データ空間のデータを物理空間のデータに変換するものである。ディジタル・スキャンコンバータ144によって変換された画像データは、画像メモリ146に記憶される。すなわち、画像メモリ146は物理空間の画像データを記憶する。画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142および画像メモリ146のデータについてそれぞれ所定のデータ処理を施すものである。
画像処理部14には表示部16が接続されている。表示部16は、画像処理部14から画像信号が与えられ、それに基づいて画像を表示するようになっている。表示部16は、カラー(color)画像が表示可能なものとなっている。
以上の送受信部6、Bモード処理部10、画像処理部14および表示部16は制御部18に接続されている。制御部18は、それら各部に制御信号を与えてその動作を制御するようになっている。また、制御部18には、被制御の各部から各種の報知信号が入力されるようになっている。制御部18の制御の下で、超音波撮像が遂行される。
制御部18には操作部20が接続されている。操作部20は操作者によって操作され、制御部18に所望の指令や情報を入力するようになっている。操作部20は、例えばキーボード(keyboard)やその他の操作具を備えた操作パネル(panel)で構成される。
図6に、高調波処理部112の要部のブロック図を示す。同図に示すように、高調波処理部112は、レンジゲート(range gate)部114を有し、入力信号をレンジゲートしてFFT(fast Fourie transform)部116に入力するようになっている。
FFT部116は、入力信号をFFT処理すなわちフーリエ(Fourie)変換して時間ドメイン(domain)の信号を周波数ドメインの信号に変換し、その出力信号を、切換部118を通じて係数演算部120またはスペクトラムシミュレーション(sprectrum simulation)部122に選択的に入力するようになっている。スペクトラムシミュレーション部122は、本発明における算出手段の実施の形態の一例である。スペクトラムシミュレーション部122への入力信号は、引算部124にも共通に入力される。引算部124は、本発明における差引手段の実施の形態の一例である。
引算部124は、FFT部116の出力信号からスペクトラムシミュレーション部122の出力信号を引算してiFFT(inverse fast Fourie transform)部126に入力するようになっている。iFFT部126は、引算部124の出力信号をiFFT処理して周波数ドメインの信号を時間ドメインの信号に戻すようになっている。
係数演算部120は、切換部120を通じて与えられる入力信号に基づいて基本波からのスペクトラム漏れを表す係数を求めるようになっている。この係数は、マイクロバルーン造影剤40を注入しない状態で、被検体4を超音波で走査して得たエコーのFFT結果から求めるようにしている。係数の大小は、スペクトラム漏れの大小に対応する。
すなわち、レンジゲート部114でレンジゲートした区間のエコー信号を、FFT部116でFFT処理して周波数スペクトラムを求め、この周波数スペクトラムから、係数演算部120により、高調波すなわち基本波からの漏れスペクトラムの個々の成分の構成比を表す係数列を求める。これを音線上の全区間について行い、また、走査範囲の全音線について行う。このようにして求めた係数列をスペクトラムシミュレーション部122に与える。
スペクトラムシミュレーション部122は、造影撮像時に切換部120を通じてFFT部116から入力される信号に基づいて、基本波からのスペクトラム漏れをシミュレーションするようになっている。
すなわち、被検体4にマイクロバルーン造影剤40を注入して行う造影撮像時に、レンジゲート部114でレンジゲートした区間のエコー信号を、FFT部116でFFT処理して周波数スペクトラムを求め、この周波数スペクトラムと前記係数列に基づき、スペクトラムシミュレーション部122により、基本波からのスペクトラム漏れをシミュレーションによって生成する。なお、係数列は、音線およびレンジゲート区間が入力信号のそれと対応するものが利用される。
このように生成した漏れスペクトラムを、引算部124でFFT部116の出力信号から引算することにより、漏れスペクトラムを含まない高調波のスペクトラムを得る。これによって、iFFT部126から漏れスペクトラムを含まない高調波信号を時間ドメインの信号として得る。これを音線上の全区間について行い、また、走査範囲の全音線について行う。
以上の、FFT部116乃至iFFT部124は、例えば、コンピュータ等を用いて構成する。
<動作>
本装置の動作を説明する。操作者は、超音波プローブ2を被検体4の所望の個所に当接し、操作部20を操作して撮像を行う。撮像は、制御部18による制御の下で遂行される。
操作者は、撮影に先立ち、被検体4にマイクロバルーン造影剤40を注入しない状態で、造影撮像予定範囲について超音波による予備走査を行い、エコー信号に基づき係数演算部120により前述のような係数算出を行う。その後に、マイクロバルーン造影剤40を被検体4に注入して造影撮像を開始する。
先ず、非破壊モードでの造影撮像について説明する。送受信部6は、超音波プローブ2を通じて音線順次で被検体4の内部を走査して逐一そのエコーを受信する。超音波の送波レベルはマイクロバルーンの殻を破壊しない程度に設定されている。音線がマイクロバルーン造影剤40の注入部位を走査したとき、エコーには、体内組織からの基本波エコーに加えて、マイクロバルーン造影剤40からの高調波エコーが含まれる。高調波エコーの主体は、第2高調波エコーである。これらのエコーの混在した信号が、送受信部6からBモード処理部10に入力される。
Bモード処理部10は、基本波処理部110により基本波エコーに基づくBモード画像データを形成する。高調波処理部112は、高調波エコーに基づくBモード画像データを形成する。高調波処理部112は、スペクトラムシミュレーション部122と引算部124の働きにより、基本波からのスペクトラム漏れを除いた高調波エコーに基づくBモード画像データを生成するので、マイクロバルーン造影剤40のみを示す画像データが得られる。
スペクトラムシミュレーション部122と引算部124によるスペクトラム漏れの除去は高速に行われ、マイクロバルーン造影剤40の画像データが音線走査にともなってリアルタイム(real time)で得られる。
これらの画像データは画像処理部14の音線データメモリ142にそれぞれ記憶される。これによって、音線データメモリ142内に、Bモード画像データについての2系統の音線データ空間が形成される。
画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142の2系統のBモード画像データを、ディジタル・スキャンコンバータ144でそれぞれ走査変換して画像メモリ146に書き込む。
画像処理プロセッサ148は、2系統のBモード画像を別々な領域に書き込む。基本波エコーによるBモード画像は、走査面における体内組織の断層像を示すものとなる。高調波エコーによるBモード画像は、走査面におけるマイクロバルーン造影剤40の所在を示すものとなる。
操作者は、操作部20を操作して、これらのBモード画像を表示部16に表示させる。すなわち、例えば図7に示すように、組織の断層像160と高調波エコー像162との合成画像を表示させる。組織の断層像160と高調波エコー像162はそれぞれ表示色を違えて表示する。これにより、組織に対する位置関係が明確な造影剤像を得ることができる。
次に、破壊モードでの撮像について説明する。本発明では、マイクロバルーンの殻を破壊して気泡を放出させ、この気泡を高調波エコー源として造影撮像を行う。殻から放出された気泡は瞬時には消滅せず、血液等に溶解して消滅するまである時間体内に存在し続ける。したがって、この気泡も一種の造影剤として利用可能である。
先ず、マイクロバルーンの殻を破壊するための超音波を送波する。そのような超音波として、図8の(a)に示すように、最初の半サイクル(cycle)が負圧となる超音波が用いられる。そのような超音波は、例えば最初の半サイクルが負極姓の駆動信号等によって発生させる。
このような超音波がマイクロバルーンに加わると、負圧によるキャビテーション(cavitation)効果によって、その殻が破壊する。特に、超音波伝播の非線形性により、例えば図8の(b)に示すように、音圧波形は進行につれて負の期間が伸びる傾向を示す。負の期間が伸びるのは、負圧の印加時間を長くし、ますます破壊に有利に作用する。このため、比較的低い音圧でも殻を破壊することが可能であり、能率が良い。また、音圧波形の正の部分が急峻になるのも破壊を促進する点で有利である。
なお、この正のサイクルで音圧波形が終わり、その後に波形がないか、あるいは、図8の(a)に破線で示すようにできるだけ小さな波形であることが、負圧の印加時間を効果的に延ばす点で好ましい。また、このような超音波を用いれば、造影剤としてのマイクロバルーンに限らず、例えば、薬剤等を封入したマイクロバルーンないしマイクロカプセル(micro capsule)を、被検体内で破壊することも可能である。
これに対して、図9の(a)に示すように、最初の半サイクルが正の超音波を用いた場合は、伝播の非線形性があっても同図の(b)に示すように正の部分は急峻になるものの、それらの間隔は変わらず、したがって負圧の期間が伸びるということがないので、図8の場合よりもマイクロバルーンの殻の破壊効果が劣る。そこで、最初の半サイクルが正の超音波を用いる場合は、十分な破壊効果が得られるように送波超音波の音圧レベルを高める必要がある。
図8の(a)に示したような超音波を送受信部6によって送波してマイクロバルーンの殻を破壊し、放出気泡を利用して造影撮像を行う。なお、マイクロバルーンの殻の破壊には、図9の(a)に示したような超音波を用いても良いのは勿論である。
本発明者は、破壊モードで撮像する場合、殻の破壊に用いた超音波のエコーを利用するよりも、その後に送波する超音波のエコーを利用したほうが好結果が得られることを見出した。
これは、殻の破壊後、放出気泡の状態が落ち着く(整定する)までにある程度の時間がかかるためと考えられる。そこで、送受信部6は、次のようなシーケンス(sequence)で超音波の送受信を行う。なお、以下、マイクロバルーンの殻の破壊を単にマイクロバルーンの破壊という。
図10に、超音波送受信シーケンスを模式的に示す。同図に示すように、最初の期間30において、マイクロバルーンを破壊するための超音波を送波する。マイクロバルーンを破壊するための超音波は、本発明における第1の超音波の実施の形態の一例である。この超音波は、例えば、音圧が0.5MPa以上、周波数が0.5〜1MHz、送波時間が1〜数μSである。送波用の駆動波形としては、図8の(a)に示したものを用いるのが有利である。それに限らず、図9の(a)に示したものを用いても良いのは勿論である。また、超音波ビームの太さまたは走査範囲を調整を調整し、破壊の範囲が所望の範囲となるようにする。
次に、期間32において、超音波の送波および受波を停止し待ちの状態に入る。待ち時間は、マイクロバルーンの種類に応じた破壊の進行速度に合わせて、例えば、数μS〜数mSとする。この間に、マイクロバルーンの破壊が完了し、また、殻から放出された気泡の状態が整定する。
このような待ち時間を入れる効用は、放出気泡の整定に加えて、この間に破壊用超音波によって生じる雑多なエコーが消えつくすことにもあり、また、振動子駆動用の電圧を、破壊用の電圧から撮像用の電圧に切り換える時間を与えることにもある。
次に、期間34において、撮像用の超音波送波およびエコーの受波を行う。撮像用の超音波は、本発明における第2の超音波の実施の形態の一例である。このときの送波超音波は、例えば、音圧が0.5MPa未満、周波数が1.5〜1.8MHzである。超音波ビームの走査範囲はマイクロバルーンの破壊範囲とする。撮像期間34の長さは、例えば、数mS〜数Sである。
以上のシーケンスを所望の破壊範囲ごとに繰返すことにより、被検体4内を走査し、高調波エコーに基づいて造影剤像を生成する。超音波プローブ2が2次元の超音波振動子アレイを有するときは、例えば、図11に示すように、太い超音波ビーム208による破壊を行い、その有効破壊範囲210内の例えば4×4のマトリクス(matrix)に対応する各音線202に沿って、撮像用の超音波を逐次送受波するようにしても良い。これは、1回の送波当たりの破壊能率を高める点で好ましい。なお、図11では、超音波ビーム208および各音線202を超音波の送受方向に垂直な断面図すなわち横断面図で示す。
図12に、上記とは別な形態によりマイクロバルーンの破壊とエコー受信を行う例を示す。同図に示すように、この例では 隣合う3つの音線20n−1,20n,20n+1にまたがる幅ないし横断面を持つ送波超音波を用いる。音線20n−1,20n,20n+1は、この順序に走査されるものである。
幅方向ないし横断面内での音圧の強度プロファイル(profile)212は、中心となる音線20n上ではマイクロバルーンを破壊するのに十分な音圧とし、両側の音線20n−1,20n+1上ではマイクロバルーンを破壊しない音圧としている。
このような送波超音波により音線順次で2次元領域206を走査しつつ、音線20n上の送波に対するエコーを、音線20n−1に沿って受信する。音線20n−1は、1回前の送波時にマイクロバルーンを破壊する超音波が通過したところであり、しかも、マイクロバルーンの破壊から1PRT(pulse repetition time)の時間が経過している。したがって、この音線上ではすでにマイクロバルーンが破壊され、気泡が十分に放出されている。
このため、音線20n−1に沿って気泡からの高調波エコーを受信することができ、それに基づいて影剤剤像を生成することができる。この撮像は、気泡撮像のための超音波を新たに送波する必要がないので能率が良い。また、強度プロファイル212を適切に定めることにより、図示しない音線20n−2、すなわち、前前回の送波で破壊された部分のエコーを受信することもできる。これによって、2PRT後の気泡の状態を画像化することができる。
また、音線20n+1のエコーを利用して画像を生成することができる。この画像はマイクロバルーンの破壊前の状態を画像化したものとなる。すなわち、非破壊モードでの造影撮像を行うことができ、1フレーム(frame)の超音波走査で非破壊モードの撮像と破壊モードの撮像を一挙に行うことができる。しかも、音線2n−2のエコーをも利用すれば破壊モードの造影剤像を2種類得ることができる。
非破壊モードでの造影画像と破壊モードでの造影画像との差分を音線が同一なもの同士で求めれば、両者に共通に含まれる不要成分を除去することができる。また、破壊前後の造影剤像の差分画像は新たな診断情報を提供する。
図1は、本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態の一例の装置における送受信部のブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。 図4は、本発明の実施の形態の一例の装置におけるBモード処理部のブロック図である。 図5は、本発明の実施の形態の一例の装置における画像処理部のブロック図である。 図6は、本発明の実施の形態の一例の装置における高調波処理部のブロック図である。 図7は、本発明の実施の形態の一例の装置における表示画像の模式図である。 図8は、本発明の実施の形態の一例の装置における送波信号の一例を示す波形図である。 図9は、本発明の実施の形態の一例の装置における送波信号の一例を示す波形図である。 図10は、本発明の実施の形態の一例の装置における超音波送受波のシーケンスを示す模式図である。 図11は、本発明の実施の形態の一例の装置におけるマイクロバルーン破壊用超音波ビームの横断面を示す模式図である。 図12は、本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。
符号の説明
2 超音波プローブ
4 被検体
40 マイクロバルーン造影剤
6 送受信部
10 Bモード処理部
14 画像処理部
16 表示部
18 制御部
20 操作部
602 送波タイミング発生回路
604 送波ビームフォーマ
606 送受切換回路
608 セレクタ
610 受波ビームフォーマ
110 基本波処理部
112 高調波処理部
140 バス
142 音線データメモリ
144 ディジタル・スキャンコンバータ
146 画像メモリ
148 画像処理プロセッサ
200 放射点
202 音線
204 円弧
206 2次元領域
208 発散点
114 レンジゲート部
116 FFT部
118 切換部
120 係数演算部
122 スペクトラムシミュレーション部
124 引算部
126 iFFT部
160 組織の断層像
162 高調波エコー像
208 超音波ビーム
210 有効破壊範囲
20n−1,20n,20n+1 音線

Claims (7)

  1. マイクロバルーン造影剤を注入した被検体に前記マイクロバルーン造影剤におけるマイクロバルーンの殻を破壊する音圧を持つ第1の超音波を送波し、前記第1の超音波の送波から時間をおいて第2の超音波を送波する送波手段と、
    前記第2の超音波に対するエコーを受信する受信手段と、
    前記受信したエコーに基づいて画像を生成する画像生成手段と、
    を具備することを特徴とする超音波撮像装置。
  2. 請求項1に記載の超音波撮像装置において、
    前記送波手段における第1の超音波の送波から第2の超音波を送波するまでにおく時間は、前記マイクロバルーンの殻の破壊後、放出した気泡の状態が整定するのに必要な時間であることを特徴とする超音波撮像装置。
  3. 請求項1に記載の超音波撮像装置において、
    前記送波手段における第1の超音波の送波から第2の超音波を送波するまでにおく時間は、数マイクロ秒から数ミリ秒までの範囲に属する時間であることを特徴とする超音波撮像装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の超音波撮像装置において、
    前記第1の超音波の送波から時間をおいてから、前記第2の超音波を送波し前記第2の超音波に対するエコーを受信することを繰り返す時間は数ミリ秒から数秒までの範囲に属する時間であることを特徴とする超音波撮像装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の超音波撮像装置において、
    前記第1の超音波の送波において使用される超音波は、最初の半サイクルが負圧であることを特徴とする超音波撮像装置。
  6. マイクロバルーン造影剤を注入した被検体を超音波ビームにより音線順次で走査し各音線上のエコーに基づいて画像を生成する超音波撮像装置であって、
    隣合う少なくとも3つの音線に跨がるビーム幅を有し、中央の音線上では前記マイクロバルーン造影剤中のマイクロバルーンの殻を破壊するに足る音圧となり、両側の音線では前記マイクロバルーンの殻を破壊するに足りない音圧となるビームプロファイルを有する超音波を送波する送波手段と、
    前記両側の音線のうち前記中央の音線から見て前記音線順次の走査方向とは反対側にある音線に沿ってエコーを受信する受信手段と、
    前記受信したエコーに基づいて画像を生成する画像生成手段と、
    を具備することを特徴とする超音波撮像装置。
  7. マイクロバルーンを注入した被検体に最初の半サイクルが負圧となる超音波を送波する、
    ことを特徴とするマイクロバルーン破壊方法。
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