JP4022685B2 - ヒートシール性樹脂組成物、及びそれを用いたフィルム、並びに積層体 - Google Patents

ヒートシール性樹脂組成物、及びそれを用いたフィルム、並びに積層体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明はヒートシール性樹脂組成物に関するものである。更に詳しくは、ポリスチレン系樹脂からなる容器に対するヒートシール性に優れたヒートシール性樹脂組成物、及びそれを用いたフィルム、並びに積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリスチレン系樹脂容器は、食品包装、医療品・薬品等の包装、シャンプー・化粧品等のトイレタリー製品の包装、ICチップのトレーなど包装材料の1つとして広く採用されている。
【0003】
そのような包装容器の蓋材には、十分な密封性且つ輸送時に破袋することなく、安全に取り扱いが可能なシール強度を有することが要求されている。このような蓋材用途に用いられるシーラント材として、従来よりポリオレフィン系樹脂よりなるフィルムが用いられているが、一般的にポリオレフィン系樹脂はポリスチレン系樹脂との相容性が悪いため、ポリオレフィン系樹脂に粘着性を付与する成分やポリスチレン系樹脂との相容性がよい樹脂を大量に添加する方法が採られている。
【0004】
ポリオレフィン系樹脂に粘着性を付与する成分を添加する方法として、特開昭58−47038号公報には、ポリオレフィン系樹脂として(a)ビニルエステル含量が3〜15重量%のエチレンービニルエステル共重合体30〜50重量%、(b)密度0.85〜0.90g/cm3、メルトインデツクス0.2〜30g/10分の低結晶性または非結晶性のエチレンとプロピレンまたはブテンー1との共重合体30〜50重量%と、粘着性を付与する成分として粘着付与剤10〜30重量%、とを均一に溶融混練してなるヒートシール性樹脂組成物が提案されている。
【0005】
一方ポリオレフィン系樹脂にポリスチレン系樹脂との相容性がよい樹脂を添加する方法として、特開昭57−30743号公報には、ポリオレフィン樹脂として2種類のエチレン−酢酸ビニルコポリマー80〜90重量%と、ポリスチレン系樹脂と相容性がよい樹脂としてスチレンホモポリマー10〜20重量%、を含むヒートシール可能な包装用フィルムが提案されている。同様に、特開平8−26340号公報には、ポリオレフィン系樹脂としてエチレン・不飽和エステル共重合体80〜95重量部が、ポリスチレン系樹脂との相容性がよい樹脂として水素添加スチレン・ブタジエンゴム80〜5重量部からなるエチレン系共重合体組成物が提案されている。
【0006】
しかしながら、いずれの方法においてもポリオレフィン系樹脂に対し、高価な成分を大量に添加しなければポリスチレン系樹脂とのヒートシール性が発現せず、近年最も重要視されるコスト面で劣るものである。また該成分を大量かつ均一に添加するためには、ポリオレフィン樹脂製造工程とは別の均一化工程を経なければならず、この点でもコストを悪化させているのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、ポリスチレン系樹脂よりなる容器に対し、内容物を保護するのに十分なヒートシール強度を有するシーラント材として使用でき、且つ著しくコストを削減することが可能なヒートシール性樹脂組成物、及びそのフィルムを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂に対し、特定のスチレン系重合体を、特定量配合したヒートシール性樹脂組成物からなるフィルムが、ポリスチレン系樹脂容器に対する高いヒートシール性を発現し、且つコストに優れる事を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が1000〜40000で、分子中に少なくとも1つのエポキシ基を有するスチレン系重合体0.01重量部〜5重量部を含んでなる、ポリスチレン系樹脂に対するヒートシール性が良好なヒートシール性樹脂組成物に関するものである。
【0010】
また、本発明は、上記ヒートシール性樹脂組成物からなり、ヒートシールされる面が酸化処理されていることを特徴とするヒートシール性フィルムに関するものである。
【0011】
また、本発明は、上記ヒートシール性フィルムよりなることを特徴とするポリスチレン系樹脂容器用蓋材に関するものである。
【0012】
以下に、本発明について詳細に説明する。
【0013】
本発明のヒートシール性樹脂組成物を構成するポリオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン、1−ブテンなど炭素数2〜12のα−オレフィンの単独重合体もしくは共重合体のことを示す。例えば、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらポリオレフィン樹脂は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
【0014】
好ましくは、本発明にて用いられるポリオレフィン樹脂は、JIS K6922−1(1999年)によるMFRが0.1〜100g/10minの範囲にあることが、ヒートシール性フィルムを成形する際の成形性に優れることから良い。
【0015】
本発明にて用いられるポリオレフィン樹脂の重合方法は、特に限定するものではなく、高圧法低密度ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体等の場合、例えば高圧法によるラジカル重合法を挙げることができ、エチレン・1−ブテン共重合体やエチレン・1−へキセン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、ポリ1−ブテン等の場合、チーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒を用いた気相法、溶液法、高圧法等の重合法を挙げることができる。
【0016】
本発明のヒートシール性樹脂組成物を構成するスチレン系重合体は、スチレン系単量体残基と分子中に少なくとも1つのエポキシ基を有する重合体である。
【0017】
本発明において、該スチレン系重合体は、ポリオレフィン樹脂に添加されフィルム化された後、フィルムのヒートシールされる側表面に滲出し、フィルムの表面酸化処理によりフィルム表面に固定化され、そのことによりヒートシール性を発現するものと考えられる。
【0018】
本発明にて用いられるスチレン系単量体は、特に限定されるものではないが、スチレン、α−メチルスチレン、o−クロロスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物を例示することができる。これらは1種又は2種以上混合して使用してもかまわない。
【0019】
また、本発明にて用いられるスチレン系重合体は、分子中に少なくとも1つのエポキシ基を有するものである。
【0020】
該スチレン系重合体にエポキシ基を導入する方法としては、ラジカル重合可能な不飽和基とエポキシ基を有する不飽和エポキシ単量体をスチレン系単量体と共重合する方法が挙げられる。
【0021】
このような不飽和エポキシ単量体は特に限定されるものではないが、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルアクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート、グリシジルイタコネート、グリシジルブテニネート、グリシジルヘキセノエート、グリシジルオレート等の不飽和グリシジルエステル類;アリルグリシジルエーテル、p−エチレニルフェニルグリシジルエーテル、プロペニルグリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテル類;p−グリシジルスチレン等のグリシジルスチレン類;3,4−エポキシブテン、3,4−エポキシー1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチルペンテン、5,6−エポキシー1−へキセン等のエポキシアルケン類が挙げられる。これらは1種又は2種以上混合して使用してもかまわない。
【0023】
本発明のヒートシール性樹脂組成物を構成するスチレン系重合体は、スチレン系単量体残基と分子中に少なくとも1つのエポキシ基を有する部位の他に、これらと共重合可能な単量体残基を含んでいてもよい。
【0024】
共重合可能なその他の単量体としては、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、セチルアクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート等のアルキル基を有するアクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有ビニル化合物、アクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールアクリレート、ポリアルキレングリコールメタクリレート類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。
【0025】
本発明のヒートシール性樹脂組成物を構成するスチレン系重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて、以下に示す条件下で測定し、単分散ポリスチレンでユニバーサルな検量線を測定し、直鎖のポリエチレンの分子量として計算した重量平均分子量(以下、Mwと記す。)が1000〜40000を示すものである。
【0026】
機種:東ソー HLC−8120GPC、SC8020
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1ml/min
温度:40℃
測定濃度:1mg/ml
注入量:100μl
カラム:東ソー製 TSKgel GMH HR−H 2本
重量平均分子量が1000未満の場合、フィルム成形加工に供した際、スチレン系重合体の空気中への飛散量が多くなり、得られたヒートシール性フィルムのヒートシール強度が低く、重量平均分子量が40000を超える場合、スチレン系重合体がフィルム表面に滲出しなくなり、得られたヒートシール性フィルムのヒートシール強度が低い。
【0027】
本発明のヒートシール性樹脂組成物を構成するスチレン系重合体は、公知の方法により製造することができる。例えば、溶液重合法では40〜150℃の溶剤中でラジカル発生剤や連鎖移動剤の存在下、不飽和エポキシ単量体および共重合可能なその他の単量体の混合物を共重合することによって得られる。その他、懸濁重合法や乳化重合法等一般的に知られている方法によっても得ることができる。
【0028】
該スチレン系重合体は、市場で容易に入手することができ、日本油脂(株)製「ブレンマ−CP」などを例示することができる。
【0029】
本発明にて用いられるポリオレフィン樹脂とスチレン系重合体の配合割合は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、スチレン系重合体0.01重量部〜5重量部である。スチレン系重合体の配合割合が0.01重量部未満の場合はスチレン系重合体の界面滲出量が少なくフィルム成形加工に供し得られたヒートシール性フィルムのヒートシール強度が低い。又5重量部を越える場合は、ヒートシール性は良好なものの、コストが悪化するため好ましくない。
【0030】
本発明のヒートシール性樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂とスチレン系重合体とを押出機等で溶融混合したものでも良いし、ポリオレフィン樹脂ペレットと、スチレン系重合体を予めポリオレフィン樹脂に高濃度練り込んだマスターバッチとをドライブレンドしたものであっても良い。
【0031】
本発明のヒートシール性樹脂組成物はエポキシ基の硬化反応を促進する添加剤を添加してもよい。該添加剤の種類及び量に特に制限は無いが、押出機中でエチレン系重合体と反応し接着性を低下させたり、若しくはエチレン系重合体のゲル化を促進したりしない範囲内で使用するのが好ましい。
【0032】
該添加剤としては、例えば、エチレンジアミン,ジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン,テトラエチレンペンタミン等の脂肪族アミン;脂肪族ポリアミン,ジアミノフェニルスルフォンm−キシレンジアミン等の芳香族アミン;メルカプタン系硬化剤;無水フタル酸,無水マレイン酸,無水トリメリット酸,ヘキサヒドロ無水フタノール酸,テトラヒドロ無水フタノール酸,無水ハイミック酸,無水イタコン酸等の酸無水物;フマル酸、フタル酸,マレイン酸,トリメリット酸,アジピン酸,セバシン酸,ドデカンニ酸等のジカルボン酸等が挙げられる。これらは一種もしくは二種以上の混合物として使用してもよい。
【0033】
また、本発明の押出ラミネート用エチレン系樹脂組成物は、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、中和剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、スリップ剤等、通常ポリオレフインに使用される添加剤を添加したものでもかまわない。
【0034】
本発明のヒートシール性樹脂組成物は、公知の方法でフィルム化し、ヒートシール性フィルムを製造することができる。
【0035】
フィルム化の方法としては、インフレーション成形機、Tダイキャスト成形機、カレンダー成形機、プレス成形機等を例示することができ、またこれら成形法により得られたヒートシール性フィルムを、サンドウィッチラミネート法、ドライラミネート法、サーマルラミネート法等により多層フィルムとすることも可能であり、押出ラミネート法や共押出ラミネート法等により各種基材に直接ヒートシールフィルムを溶融ラミネートし多層フィルムを得ることも可能である。
【0036】
また、上記基材としては合成高分子重合体フィルム及びシート、金属箔、紙類、セロファン等が挙げられる。この中でも合成高分子重合体フィルム及びシートが特に好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成高分子重合体からなるフィルム及びシート、等が挙げられる。更に、これら高分子重合体フィルム及びシートはさらにアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着されたものでもよい。また、これら高分子重合体フィルム及びシートはさらにウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよい。
【0037】
金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが例示でき、また紙類としてはクラフト紙、上質紙、グラシン紙やセロファン等が挙げられる。
【0038】
本発明のヒートシール性フィルムは、ヒートシールされる面が酸化処理されていることを特徴とするものである。該フィルム表面を酸化処理することにより、ポリスチレン系樹脂に対する良好なヒートシール性を発現する。
【0039】
酸化処理方法としては、クロム酸処理、硫酸処理、空気酸化、オゾン処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等、特に限定するものではないが、好ましくはオゾン処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理がポリオレフイン樹脂表面に酸化物を効果的に形成させる上で良い。
【0040】
また、上記製法により得られたヒートシール性フィルムは、該スチレン系重合体のフィルム表面への滲出、及び酸化処理されたポリオレフィン樹脂表面の酸基、水酸基などとの反応を促進し、安定したヒートシール性を発現させるため、30℃以上の温度で10時間以上熟成させることが好ましい。
【0041】
本発明のヒートシール性フィルムの厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はないが、好ましくは柔軟性に優れ、破損などの問題が小さいことから、1μm〜1mmの厚みであることが良い。
【0042】
本発明のヒートシール性フィルムは、ポリスチレン系樹脂容器に対し、ヒートシールにより密封することを容易にすることができ、食品包装、医療品・薬品等の包装容器の蓋材、シャンプー・化粧品等のトイレタリー製品の包装容器の蓋材、ICチップのトレーなどの蓋材として用いることができる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0044】
[物性、加工性の測定方法と評価方法]
(イ)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K6922−1(1999年)に準拠。
【0045】
(ロ)密度
JIS K6922−1(1999年)に準拠。
【0046】
(ハ)ヒートシール性
実施例により得られたヒートシール性フィルムと(1)ハイインパクトポリスチレンシート(以下、HIPSシートと記す場合がある)、(2)発泡ポリスチレンシート(以下、発泡PSシートと記す場合がある)、とを重ね合わせ、圧力0.2MPa、時間1秒、シール温度160℃の条件で、ヒートシールバーにより押さえてヒートシールを行った。そして、該ヒートシール部分を、引張試験機(島津製作所(株)製、商品名オートグラフDCS500)を用い、サンプル巾15mm、剥離速度300mm/分、180度剥離での剥離強度を測定し、該剥離強度をヒートシール強度とした。
【0047】
実施例1
ポリオレフイン樹脂として、MFRが8g/10分、密度が918kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213、以下、LDPEと記す。)10kg、エポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体A(日本油脂(株)製 商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.05kg配合し、単軸押出機にて溶融混練しヒートシール性樹脂組成物ペレットを得た。
【0048】
得られたペレットを25mmΦのスクリューを有する押出ラミネーターの押出機へ供給し、305℃の温度でTダイより押出し、基材である厚み12μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製 商品名東洋紡エステルフィルムE5100、以下PETと記す。)とLDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213、厚み25μm)との2層フィルムのLDPE面に、ヒートシール性樹脂組成物層が30μmの厚さになるようラミネートした後、ヒートシール性樹脂組成物層を50W・分/m2となるようコロナ放電処理を施し、多層ヒートシール性フィルムを得た。
【0049】
得られた多層ヒートシール性フィルムを20時間40℃に保温されたオーブン中に保管した後、ヒートシール強度を測定した。評価結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004022685
実施例2
ポリオレフイン樹脂として、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)を10kg、エポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体A(日本油脂(株)製 商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.05kgの代わりに、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)10kg、エポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体A(日本油脂(株)製商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.1kgとした以外は実施例1と同様にしてヒートシール性フィルムを得た。評価結果は表1に示す。
【0051】
実施例3
ポリオレフイン樹脂として、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)を10kg、エポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体A(日本油脂(株)製 商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.05kgの代わりに、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)10kg、エポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体A(日本油脂(株)製商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.2kgとした以外は実施例1と同様にしてヒートシール性フィルムを得た。評価結果は表1に示す。
【0052】
実施例4
ポリオレフイン樹脂として、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)を10kg、エポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体A(日本油脂(株)製 商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.05kgの代わりに、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)10kg、エポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体A(日本油脂(株)製商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.48kgとした以外は実施例1と同様にしてヒートシール性フィルムを得た。評価結果は表1に示す。
【0053】
実施例5
ポリオレフイン樹脂として、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)を10kg、エポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体A(日本油脂(株)製 商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.05kgの代わりに、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)10kg、エポキシ当量が310、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が20000であるスチレン系重合体B(日本油脂(株)製 商品名ブレンマーCP−50S、以下Bと記す場合がある)を0.2kgとした以外は実施例1と同様にしてヒートシール性フィルムを得た。評価結果は表1に示す。
【0054】
実施例6
ポリオレフイン樹脂として、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)を10kg、エポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体(日本油脂(株)製 商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.05kgの代わりに、直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロンZ TZ420、以下、LLDPEと記す場合がある)10kg、エポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体A(日本油脂(株)製 商品名ブレンマーCP−30S、以下Aと記す場合がある)を0.05kgとした以外は実施例1と同様にしてヒートシール性フィルムを得た。評価結果は表1に示す。
【0055】
実施例7
ポリオレフイン樹脂として、MFRが3g/10分、密度が900kg/m3であるプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(チッソ(株)製 商品名チッソポリプロF8577、以下、PPと記す)10kg、及びエポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体(日本油脂(株)製 商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.05kg配合し、単軸押出機にて溶融混練しペレットを得た。
【0056】
得られたペレットを50mmΦのスクリューを有するTダイキャスト成形機の押出機へ供給し、230℃の温度で厚み30μmになるようTダイより押出し、該フィルム表面を50W・分/m2となるようコロナ放電処理を施し、ヒートシール性フィルムを得た。上記ヒートシール性フィルムと基材である厚み12μmのニ軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製 商品名東洋紡エステルフィルムE5100、以下PETと記す)とをウレタン系接着剤(大日精化(株)製 商品面セイカボンドE−263/C−26)を用いドライラミネート成形を行い、多層ヒートシール性フィルムを得た。
【0057】
得られた易剥離性フィルムを20時間40℃に保温されたオーブン中に保管した後、ヒートシール性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0058】
比較例1
ポリオレフイン樹脂として、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)を10kg、エポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体A(日本油脂(株)製 商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.05kgの代わりに、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)10kgのみとした以外は実施例1と同様にしてヒートシール性フィルムを得た。評価結果は表2に示すが、ヒートシール強度が低かった。
【0059】
【表2】
Figure 0004022685
比較例2
ポリオレフイン樹脂として、PP(チッソ(株)製 商品名チッソポリプロF8577)を10kg、エポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体A(日本油脂(株)製 商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.05kgの代わりに、PP(チッソ(株)製 商品名チッソポリプロF8577)10kgのみとしたこと以外は実施例7と同様にしてヒートシール性フィルムを得た。評価結果は表2に示すが、ヒートシール強度が低かった。
【0060】
比較例3
ポリオレフイン樹脂として、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)を10kg、エポキシ当量が530、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体A(日本油脂(株)製 商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.05kgの代わりに、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)10kg、エポキシ基を有さず、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が200000であるスチレン系重合体C(大日本インキ化学工業(株)製 商品名ディックスチレンGH−8300−1、以下Cと記す場合がある)を0.5kgのみとした以外は実施例1と同様にしてヒートシール性フィルムを得た。評価結果は表2に示すが、ヒートシール強度が低かった。
【0061】
比較例4
ポリオレフイン樹脂として、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)を10kg、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9000であるスチレン系重合体A(日本油脂(株)製 商品名ブレンマーCP−30、以下、Aと記す場合がある)を0.05kgの代わりに、LDPE(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)10kg、エポキシ基を有さず、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が80000であるスチレン系重合体D(シェル化学(株)製 商品名クレイトンG−1650、以下Dと記す場合がある)を0.5kgのみとした以外は実施例1と同様にしてヒートシール性フィルムを得た。評価結果は表2に示すが、ヒートシール強度が低かった。
【0062】
【発明の効果】
本発明のヒートシール性フィルムは、ポリスチレン系樹脂容器等を被着体とした容器及び多層容器に対して、良好なヒートシール性を有し、ポーションゼリー、菓子、カップ味噌、豆腐、納豆、即席麺、冷凍食品、レトルト食品用の包装容器に好適なシーラント用フィルムを提供することができる。

Claims (5)

  1. ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が1000〜40000で、分子中に少なくとも1つのエポキシ基を有する、スチレン系単量体とラジカル重合可能な不飽和基とエポキシ基を有する単量体からなるスチレン系重合体0.01〜5重量部を含んでなる、ポリスチレン系樹脂に対するヒートシール性が良好なヒートシール性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載のヒートシール性樹脂組成物からなり、ヒートシールされる面が酸化処理されていることを特徴とするヒートシール性フィルム。
  3. 酸化処理がコロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理、プラズマ処理から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のヒートシール性フィルム。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のヒートシール性フィルムをヒートシール層として積層した多層フィルムであることを特徴とする積層体。
  5. 請求項2又は請求項3のいずれかに記載のヒートシール性フィルムよりなることを特徴とするポリスチレン系樹脂容器用蓋材。
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