JP4019936B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は操舵補助力の発生源としてモータを用いてなる電動式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用の電動式パワーステアリング装置としては、例えば操舵輪に繋がる入力軸及び該入力軸にトーションバーを介して同軸的に繋がる出力軸の相対角変位量によって前記入力軸に加わる操舵トルクを検出し、検出したトルクに基づいて操舵補助用のモータを駆動し、該モータの回転力を減速歯車機構を介して舵取機構に伝動することにより操舵輪の回転に応じた舵取機構の動作を前記モータの回転により補助し、舵取りのための運転者の労力負担を軽減するように構成されている。
【0003】
減速歯車機構としては前記モータの駆動軸に結合されたウォームと、該ウォームに噛合するウォームホイールとを備え、該ウォームホイールが前記出力軸の途中に嵌合固定されている。
【0004】
また、ウォームはその両端部を一対の転がり軸受で支持し、ウォームの回転性を高めてあるが、転がり軸受には複数の転動体、内輪及び外輪間にスラスト隙間があるため、このスラスト隙間をなくする必要がある。つまり、転がり軸受のスラスト隙間によってウォームが軸長方向へガタつき、このガタつきによって発生する異音が車室の内部に洩れることになり、運転者に不快感を与えることになるため、前記スラスト隙間をなくする必要がある。
【0005】
ウォームの一端を支持する一方の転がり軸受の外輪の一端に当接するねじ環を回転操作することにより一方の転がり軸受の外輪及び内輪を軸長方向へ相対移動させ、さらにウォームを介して他方の転がり軸受の内輪及び外輪を軸長方向へ相対移動させることによりスラスト隙間をなくし、ウォームの軸長方向へのガタつきをなくするようにしてある(例えば、特許文献1。)。
【0006】
ところで、以上のように構成された電動式パワーステアリング装置のウォームは、両端部を支持する転がり軸受に対して軸長方向への移動ができないように支持されているため、前記操舵輪が操舵中立位置から左又は右方向へ操舵されることにより、操舵初期から前記モータが回転し、操舵補助が行われるように構成された場合、車両の高速走行時に操舵角が例えば1°程度に小さいときにおいても操舵補助が行われることになり、操舵フィーリングの低下を来すことになる。このため、一般には操舵角が1°程度に小さいときはモータが駆動されず、適度の操舵角を超えたときにモータが駆動されるように構成されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−21943号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このように適度の操舵角を超えるまでの間モータが駆動されないように構成された場合、モータが駆動されない操舵領域、即ち、操舵中立位置の近傍領域での操舵時、操舵輪の操舵力が前記入力軸、トーションバー、出力軸、ウォームホイール及びウォームを介してモータの駆動軸に伝動され、該駆動軸が回転されることになる。この結果、モータの駆動軸を回転させるための負荷がウォーム、ウォームホイール、出力軸、トーションバー及び入力軸を介して操舵輪に加わり、操舵負荷が大きくなる。
【0009】
ところで、モータが駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減するには、例えば特開平11−43062号公報に記載されているように、モータの駆動軸に結合されたウォームを軸長方向に離間する2個の転がり軸受が軸長方向への移動を可能に支持し、この2個の転がり軸受の内輪と前記ウォームとの間に2個の皿ばねを設け、各皿ばねの弾性復元力により前記各内輪を外輪に対して軸長方向へ付勢し、転がり軸受のスラスト隙間をなくするとともに、ウォームの軸長方向両方への移動を抑制するように構成することにより達成することが可能である。
【0010】
この構成にあっては、モータが駆動されない操舵領域で操舵されることによって操舵輪の操舵力がウォームホイールからウォームに伝動されたとき、該ウォームに加わる軸長方向への分力によってウォームが皿ばねの弾性復元力に打ち勝って軸長方向へ移動し、ウォームの回転角は小さくなり、ウォームからモータの駆動軸への伝動は緩和される。
【0011】
しかしながら、特開平11−43062号公報に記載されているように構成された場合、転がり軸受のスラスト隙間をなくするために2個の転がり軸受と、2個の皿ばねとを必要とし、構造が複雑となる。
しかも、ウォームの軸長方向両方への移動を抑制するための皿ばねが転がり軸受のスラスト隙間をなくする機能を兼ねているため、皿ばねの弾性復元力を比較的高く設定する必要があり、それだけモータが駆動されない操舵領域での操舵負荷の低減効果が低下する。
【0012】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、操舵補助用のモータによって回転されるウォームを支持する転がり軸受が1個の場合においても転がり軸受のスラスト隙間をなくし、モータが駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減することができる電動式パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る電動式パワーステアリング装置は、操舵補助用のモータによって回転されるウォームと、該ウォームを軸長方向へ移動可能に支持する軸受手段と、前記ウォームに噛合し舵取機構に繋がるウォームホイールとを備え、前記モータの回転によって操舵補助するようにした電動式パワーステアリング装置において、前記軸受手段は前記ウォームの一端がその内輪に挿入される転がり軸受を有しており、前記内輪を軸長方向へ付勢する付勢手段と、該付勢手段による前記内輪の移動を止めた状態で前記ウォームの軸長方向両方への移動を抑制する弾性体とを有することを特徴とする。
【0016】
発明にあっては、付勢手段が内輪を軸長方向へ付勢しているため、転がり軸受のスラスト隙間をなくすることができる。また、ウォームの軸長方向両方への移動を抑制する弾性体が、前記付勢手段による前記内輪の移動を止めた状態でウォームの軸長方向への移動を抑制しているため、ウォームを支持する転がり軸受のスラスト隙間をなくし、さらに、弾性体の弾性復元力を前記付勢手段と関係なく設定することができ、モータが駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減することができる。しかも、操舵中立位置から左右方向への一定の操舵角に対する弾性体の撓み量を等しくすることができ、操舵フィーリングを良好にできる。
【0017】
発明に係る電動式パワーステアリング装置は、前記軸受手段は前記ウォームの他端が挿入されるすべり軸受を有することを特徴とする。
【0018】
発明にあっては、転がり軸受のスラスト隙間をなくし、モータが駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減することができるにも拘らず、2個の転がり軸受を用いた場合に比べて軸受手段のコスト、ひいては電動式パワーステアリング装置のコストを低減でき、また、ウォーム支持部分の小形化及び軽量化を図ることができる。
【0019】
発明に係る電動式パワーステアリング装置は、前記弾性体は、前記ウォームの一端又は他端が挿入されている貫通孔を有する環部材と前記ウォームとに接して設けられていることを特徴とする。
【0020】
発明にあっては、転がり軸受の位置に影響されることなく、弾性体を配置することができ、設計の自由度を増すこができ、ユーザの要望に対応し易い。
【0021】
発明に係る電動式パワーステアリング装置は、前記環部材は前記内輪であることを特徴とする。
【0022】
発明にあっては、ウォームの一端を支持する1個の転がり軸受の内輪によって弾性体の位置を維持することができるため、より一層構造を簡単にでき、より一層コストを低減できる。
【0023】
発明に係る電動式パワーステアリング装置は、前記弾性体は前記すべり軸受の両端部及び/又はすべり軸受を支持する環部材の両端部に位置させるように前記ウォーム、すべり軸受及び環部材の何れかに保持されていることを特徴とする。
【0024】
発明にあっては、ウォームの他端を支持する1個のすべり軸受によって弾性体の位置を維持することができるため、より一層構造を簡単にでき、より一層コストを低減できる。
【0025】
発明に係る電動式パワーステアリング装置は、前記ウォームは前記転がり軸受での支持部を中心として傾き可能としてあり、該ウォームを前記ウォームホイールに向けて押付ける押付手段を備えていることを特徴とする。
【0026】
発明にあっては、押付手段によってウォームをウォームホイールに向けて押付けることにより、ウォームとウォームホイールとの回転中心間距離を調整することができ、ウォーム及びウォームホイールの噛合部のバックラッシュ量を少なくすることができる。
【0027】
発明に係る電動式パワーステアリング装置は、操舵補助用のモータによって回転され、支持部材に軸受手段を介して軸長方向へ移動可能に支持されたウォームと、該ウォームに噛合し舵取機構に繋がるウォームホイールとを備え、前記モータの回転によって操舵補助するようにした電動式パワーステアリング装置において、前記軸受手段は前記ウォームの一端部がその内輪に圧入され、その外輪が前記支持部材に移動可能に内嵌された転がり軸受を有しており、前記ウォームを軸長方向一方へ押付け、ウォームの軸長方向他方への移動を抑制する第1弾性体と、ウォームの軸長方向一方への移動を抑制する第2弾性体とを有することを特徴とする。
【0028】
発明にあっては、第1弾性体がウォームを軸長方向一方へ押付けているため、転がり軸受のスラスト隙間をなくすることができる。また、第1弾性体がウォームの軸長方向他方への移動を抑制し、第2弾性体がウォームの軸長方向一方への移動を抑制しているため、モータが駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減することができる。しかも、転がり軸受の内輪がウォームの一端部に圧入され、外輪が支持部材に移動可能に内嵌されているため、ウォームが内輪に移動可能に挿入されているものに比べてウォームの回転性を良好にできる。また、ウォームを支持する転がり軸受を1つにでき、モータが駆動されない操舵領域で1つの転がり軸受をウォームとともに移動させるように構成することができるため、2個の転がり軸受を用いる必要がある場合に比べて軸受手段のコスト、ひいては電動式パワーステアリング装置のコストを低減でき、また、ウォーム支持部分の小形化及び軽量化を図ることができる。
【0029】
発明に係る電動式パワーステアリング装置は、操舵補助用のモータによって回転され、支持部材に軸受手段を介して軸長方向への移動を可能に支持されたウォームと、該ウォームに噛合し舵取機構に繋がるウォームホイールとを備え、前記モータの回転によって操舵補助するようにした電動式パワーステアリング装置において、前記軸受手段は前記ウォームの一端部がその内輪に圧入され、その外輪が前記支持部材に移動可能に内嵌された転がり軸受を有しており、該転がり軸受の内輪及び外輪の相対移動を拘束する拘束手段と、前記外輪の両端部に配置され、前記転がり軸受を介してウォームの軸長方向両方への移動を抑制する弾性体とを有することを特徴とする。
【0030】
発明にあっては、拘束手段が内輪及び外輪の相対移動を拘束しているため、転がり軸受のスラスト隙間をなくすることができる。また、拘束手段とは別にウォームの軸長方向両方への移動を抑制する弾性体を有するため、弾性体による移動抑制力の設定の自由度を増すことができ、車種に対応して設計し易い。しかも、転がり軸受の内輪がウォームの一端部に圧入され、外輪が支持部材に移動可能に内嵌されているため、ウォームが内輪に移動可能に挿入されているものに比べてウォームの回転性を良好にできる。また、ウォームを支持する転がり軸受を1つにでき、モータが駆動されない操舵領域で1つの転がり軸受をウォームとともに移動させるように構成することができるため、2個の転がり軸受を用いる必要がある場合に比べて軸受手段のコスト、ひいては電動式パワーステアリング装置のコストを低減でき、また、ウォーム支持部分の小形化及び軽量化を図ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係る電動式パワーステアリング装置の実施の形態1の構成を示す断面図である。
電動式パワーステアリング装置は、上端が舵取りのための操舵輪Aに繋がり、下端に筒部1aを有する入力軸1と、前記筒部1a内に挿入されてその上端が前記入力軸1の筒部1aに同軸的に連結され、前記操舵輪Aに加わる操舵トルクの作用によって捩れるトーションバー2と、下端が前記トーションバー2の下端に同軸的に連結される出力軸3と、前記トーションバー2の捩れに応じた入力軸1及び出力軸3の相対回転変位量によって前記操舵輪Aに加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ4と、該トルクセンサ4が検出したトルクに基づいて駆動される操舵補助用のモータ5と、該モータ5の回転に連動し、該回転を減速して出力軸3に伝動するウォーム6及びウォームホイール7を有する減速歯車機構Bと、前記トルクセンサ4及び前記減速歯車機構Bが収容されるハウジング8とを備えている。
【0032】
このハウジング8は、前記トルクセンサ4を収容する第1の収容部8aと、該収容部8aに連なり、前記ウォームホイール7を収容する第2の収容部8bと、該収容部8bに連なり、前記ウォーム6を収容する第3の収容部8cとを備えている。
【0033】
図2は実施の形態1の減速歯車機構部分の構成を示す断面図、図3は実施の形態1の要部の構成を示す拡大断面図である。
第3の収容部8cはウォーム6の軸長方向に長くなっており、その長手方向一端が開放され、他端が閉鎖されている。第3の収容部8cの一端には転がり軸受9が嵌合される嵌合孔81と、該嵌合孔81の一端に連なるねじ孔82と、該ねじ孔82に連なるモータ取付部83と、前記嵌合孔81の他端に連なり前記転がり軸受9の移動を規制する規制部84とが設けられている。そして、前記嵌合孔81に前記転がり軸受9の外輪9aが嵌合され、該外輪9aの一端に当接するねじ環10が前記ねじ孔82に螺着され、前記外輪9aの他端を前記規制部84に押付けている。また、前記モータ取付部83には前記モータ5が取付けられている。
【0034】
また、第3の収容部8cの他端には前記ウォーム6の他端に設けられた軸部6cが挿入される凹孔85及び該凹孔85の内面に臨み、ウォーム6のラジアル方向に向けて穿設された円柱形の案内孔86を有する案内部材87が一体に設けられており、該案内孔86にすべり軸受11を有する移動が可能な押付体12と、該押付体12を一方向へ付勢する付勢手段としての弾性体13とが収容されており、さらに、案内孔86の外部への開口縁側に前記弾性体13を介して前記押付体12を移動操作するための操作体14が螺着されている。
【0035】
減速歯車機構Bは、前記モータ5の駆動軸50に筒形の軸継手15を介して結合されるウォーム6と、前記出力軸3の途中に嵌合固定され、舵取機構に繋がるウォームホイール7との噛合により前記駆動軸50の回転を減速して出力軸3に伝動し、該出力軸3からユニバーサルジョイントを経て例えばラックピニオン式の舵取機構(図示せず)へ伝達するようにしている。
【0036】
ウォーム6は前記出力軸3の軸芯と交叉するように配置されており、複数条の歯を有する歯部6aの両端に軸部6b,6cが設けられている。一端の軸部6bは前記転がり軸受9の内輪9bに軸方向への移動を可能に挿入され、転がり軸受9を介して前記嵌合孔81に回転可能に支持されている。他端の軸部6cは前記凹孔85から前記すべり軸受11に挿入され、該すべり軸受11を介して前記押付体12に回転可能に支持されている。
【0037】
一端の軸部6bを支持する転がり軸受9の内輪9bは、該内輪9bの一端と前記軸継手15との間に設けられた付勢手段としての弾性体16によって軸長方向左方へ付勢され、内輪9b及び外輪9aの間の隙間、即ち、転がり軸受9のスラスト隙間をなくしてある。尚、前記外輪9aと内輪9bとの間には複数の転動体9cが介在されている。また、前記弾性体16による付勢力は、転動体9cを介して外輪9aに加わり、内輪9bの軸長方向への移動が止められる。
【0038】
このように転がり軸受9とすべり軸受11とに軸方向移動可能に支持されたウォーム6の一端側では、ウォーム6と前記転がり軸受9の内輪9bの両端との間には、前記弾性体16と離間した位置に配置され前記弾性体16による前記内輪9bの移動を止めた状態で前記ウォーム6の軸長方向両方への移動を抑制する2個の弾性体17,18が設けられている。
【0039】
この弾性体17,18は例えば合成ゴム製のOリングからなり、前記ウォーム6の外周面に保持されている。この弾性体17,18の保持は、前記歯部6aの一端に凹設された環状の保持溝19と、前記軸部6bの途中に設けられた環状溝に嵌合固定された保持環20とに保持されており、前記内輪9bの両端に接触する(図3参照)。詳述すると、転がり軸受9が弾性体16によりハウジング8に固定された状態において、弾性体17,18が弾性体16の付勢力を受けない(付勢力を受けないので全く撓んでいない)状態となるようにしてウォーム6に対して組み込まれる。そして、ウォーム6が前記内輪9bに対して軸長方向一方及び他方へ移動することを抑制している。尚、付勢手段としての弾性体16は、移動抑制用の弾性体17,18の弾性復元力よりも高い弾性復元力とし、モータ5が駆動されない操舵領域で前記操舵輪Aが操舵されるとき、前記ウォームホイール7からウォーム6に加わる回転力の分力によって前記内輪9bが軸長方向へ移動しないようにしてある。
【0040】
また、すべり軸受11を介して前記軸部6cを支持する前記押付体12は円柱形に形成されており、その軸長方向の中間位置、換言すれば前記案内孔86に沿って移動する移動方向の途中に前記移動方向と直交するように貫通された嵌合孔12aに前記すべり軸受11が嵌合固定されている。
【0041】
また、押付体12と前記操作体14との間に介在された前記弾性体13はコイルバネからなり、前記押付体12をウォーム6のウォームホイール7との噛合部に予圧を加えるべく前記移動方向へ付勢している。また、前記押付体12と前記操作体14との間で、前記弾性体13の周りには例えば合成ゴム製の環状の弾性板21が介在されており、前記操作体14の回転操作によって弾性体13が所定寸法だけ撓んだ後、操作体14の端面が弾性板21の他面と接触し、弾性板21が弾性体13とともに撓むようにしてある。
【0042】
以上のように構成された電動式パワーステアリング装置は、モータ5の駆動軸50に軸継手15を介して結合されたウォーム6の一端を転がり軸受9により、また、他端をすべり軸受11により夫々軸長方向へ移動可能に支持している。しかし、前記転がり軸受9の内輪9bと前記軸継手15との間に弾性体16を設けて前記内輪9bを軸長方向左方へ付勢し、前記転がり軸受9のスラスト隙間をなくしてあるため、ウォーム6の軸長方向へのガタつきをなくすることができる。なお、内輪9bを付勢する弾性体16は、ウォーム6及びモータ5の駆動軸50と一体に回転する軸継手15と前記内輪9bとの間に設けてあるため、弾性体16によるウォーム6の回転負荷をなくし、ウォーム6の回転性を高めることができる。
【0043】
しかも、スラスト隙間をなくした転がり軸受9の内輪9bとウォーム6との間に、前記弾性体16による前記内輪9bの移動を止めた状態で、換言すれば前記弾性体16と離間した位置で弾性体16の付勢力を受けないようにしてウォーム6の軸長方向両方への移動を抑制する弾性体17,18が設けられているため、モータ5が駆動されない操舵領域、即ち、車両の高速走行時の操舵角が例えば1°程度に小さい操舵領域で操舵されることにより、操舵輪Aの操舵力が前記入力軸1、トーションバー2、出力軸3及びウォームホイール7を介してウォーム6に伝達されたとき、該ウォーム6に加わる軸長方向への分力によってウォーム6は前記弾性体17又は18の弾性復元力に打ち勝って軸長方向一方、又は他方へ移動し、ウォーム6の回転角が小さくなり、ウォーム6からモータ5の駆動軸50への伝動を緩和することができ、モータ5が駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減することができる。また、前記転がり軸受9のスラスト隙間をなくするための弾性体16の弾性復元力がウォーム6に加わらないため、操舵中立位置から左右方向への一定の操舵角に対する弾性体17,18の撓み量を等しくすることができ、操舵フィーリングを良好にできる。
【0044】
また、ウォーム6の軸長方向両方への移動を抑制する弾性体17,18は、内輪9bを付勢する弾性体16と離間した位置にあって該弾性体16による内輪9bの移動を止めた状態で設けられているため、弾性体16と関係なく弾性体17,18の弾性復元力を設定、換言すれば前記スラスト隙間をなくするために必要な弾性復元力よりも大幅に小さい弾性復元力に設定することができ、モータ5が駆動されない操舵領域での操舵負荷をより一層低減することができる。
【0045】
また、ウォーム6の他端は弾性体13によって付勢された押付体12にすべり軸受11を介して支持されているため、弾性体13がウォーム6をウォームホイール7に向けて付勢し、ウォーム6とウォームホイール7との回転中心間距離を調整することができ、ウォーム6及びウォームホイール7の噛合部のバックラッシュ量を低減できる。
【0046】
実施の形態2
図4は実施の形態2の減速歯車機構部分の構成を示す断面図である。
この実施の形態2の電動式パワーステアリング装置は、ウォーム6とウォームホイール7との回転中心間距離を調整するための前記押付体12、弾性体13及び操作体14をなくし、前記ハウジング8の収容部8cに嵌合孔88を設け、該嵌合孔88にすべり軸受22を嵌合固定し、該すべり軸受22に前記ウォーム6の軸部6cを挿入支持したものである。
【0047】
この実施の形態2においても、ウォーム6の一端を支持する転がり軸受9、該転がり軸受9の内輪9bを付勢する弾性体16、ウォーム6の軸長方向両方への移動を抑制する弾性体17,18は実施の形態1と同様に設けられている。
【0048】
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0049】
実施の形態3
図5は実施の形態3の減速歯車機構部分の構成を示す断面図である。
この実施の形態3の電動式パワーステアリング装置は、実施の形態1、2のようにウォーム6の一端を支持する転がり軸受9の内輪9bとウォーム6との間に前記弾性体17,18を設ける代わりに、ウォーム6の他端の軸部6cを支持する前記すべり軸受22の両端と前記軸部6cとの間に、ウォーム6の軸長方向両方への移動を抑制する前記弾性体17,18を設けたものである。
【0050】
この実施の形態3において、前記ハウジング8の収容部8cの他端はすべり軸受22が嵌合された前記嵌合孔88を有し、ハウジング8と一体に形成された環部材89と、該環部材89に連なり前記嵌合孔88よりも大径で外部に開放された凹所80とを備えており、前記すべり軸受22に前記軸部6cが軸長方向へ移動可能に挿入されている。また、前記凹所80には蓋体23が取外し可能に取付けられている。
【0051】
ウォーム6の一端の軸部6bは前記転がり軸受9の内輪9bに挿入支持され、内輪9bと前記軸継手15との間にはコイルバネからなる前記弾性体16が設けられており、また、軸部6bの途中には前記内輪9bの軸長方向への移動を規制する止め輪24が設けられている。他端の軸部6cは軸長方向の途中に止め輪25が設けられている。
【0052】
また、合成ゴム製のOリングからなる前記弾性体17,18は前記軸部6cに保持されている。この弾性体17,18の保持は、軸部6cに軸長方向への移動を可能に嵌合され前記すべり軸受22の両端と向き合う2つの保持環26,27に保持されており、該保持環26,27が前記すべり軸受22の両端又は前記環部材89の両端と接触し、弾性体17,18が前記歯部6aの他端と前記止め輪25とに接触することによりウォーム6が前記すべり軸受22に対して軸長方向一方及び他方へ移動することを抑制し、ウォーム6に軸長方向への力が加わったとき、保持環26,27を介して弾性体17,18が撓むようにしてある。尚、保持環26,27は弾性体17,18よりも摩擦係数が低くすべり性が高い合成樹脂等の材料からなり、弾性体17,18との接触抵抗によって保持環26,27がウォーム6と一体に回転するとき、該保持環26,27とすべり軸受22及び環部材89との接触抵抗を小さくし、ウォーム6の回転性を高めている。
【0053】
また、前記すべり軸受22は前記環部材89の軸長方向長さとほぼ等しい長さとしてあり、該すべり軸受22の両端及び環部材89の両端に前記保持環26,27を接触させることにより弾性体17,18をすべり軸受22及び環部材89の両端部に位置させてあるが、その他、前記すべり軸受22と環部材89との軸長方向長さが異なり、すべり軸受22の長さが環部材89の長さよりも長い場合は、すべり軸受22の両端に前記保持環26,27を接触させ、弾性体17,18をすべり軸受22の両端部に位置させるのであり、また、環部材89の長さがすべり軸受22の長さよりも長い場合は、環部材89の両端に前記保持環26,27を接触させ、弾性体17,18を環部材89の両端部に位置させる。
【0054】
実施の形態3にあっては、ウォーム6の軸長方向両方への移動を抑制する弾性体17,18を、転がり軸受9及び該転がり軸受9の内輪9bを付勢する弾性体16に影響されることなく配置することができるため、減速歯車機構B部分が小形化された場合においても容易に対応することができる。
【0055】
その他の構成及び作用は実施の形態1、2と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0056】
尚、以上説明した実施の形態2、3ではウォーム6の一端を転がり軸受9で支持し、他端をすべり軸受11又は22で支持したが、その他、ウォーム6の両端を転がり軸受によって軸長方向へ移動可能に支持してもよい。この場合、ウォーム6の一端側は実施の形態1と同様に構成し、他端側は図示していないが転がり軸受の内輪と前記ハウジング8又はウォーム6の軸長方向への移動を規制された規制部材との間に前記内輪を軸長方向へ付勢するコイルバネ等の付勢手段を設け、転がり軸受のスラスト隙間をなくする。尚、前記規制部材としては図示していないが例えば前記ウォーム6の回転中心を貫通して前記モータ5の駆動軸50に結合される回転軸と、該回転軸の先端に設けられたフランジ部とを有する回転体を用い、前記フランジと前記内輪9bとの間に前記付勢手段を設けてもよい。この回転体を有する構成とすることにより前記付勢手段をウォームと一体的に回転させることができるため、付勢手段と規制部材との相対回転抵抗を低減でき、ウォーム6に回転負荷を加えることなく両側の転がり軸受のスラスト隙間をなくすることができる。
【0057】
また、以上説明した実施の形態1、2、3では、ウォームに弾性体17,18を保持したが、その他、この弾性体17,18は前記内輪9bの両端、前記すべり軸受22の両端及び前記環部材89の両端の何れかに保持してもよい。
【0058】
また、前記弾性体17,18の間に配置して弾性体17,18とともにウォーム6の軸長方向両方への移動を抑制する環部材は、前記転がり軸受9の内輪9b、又は、すべり軸受22を含む環部材89である構成としたが、その他、前記内輪9b及び環部材89と別の位置に、前記ウォーム6の軸部が挿入される貫通孔を有する環部材を設けた構成としてもよいし、また、実施の形態1における押付体12を環部材としてもよい。この押付体12が環部材である場合、押付体12における嵌合孔12aの両端部と前記軸部6cとの間に弾性体17,18を設ける。
【0059】
実施の形態4
図6は実施の形態4の減速歯車機構部分の構成を示す断面図である。
この実施の形態4の電動式パワーステアリング装置は、実施の形態1〜3のようにウォーム6の軸部6bを内輪9bに移動可能に挿入する代わりに、内輪9bを軸部6bに圧入し、外輪9aを嵌合孔81に軸長方向へ移動可能に内嵌するとともに、ウォーム6の軸部6b端面と駆動軸50の端面との間に介装されてウォーム6を反モータ側へ押付け、ウォーム6のモータ5側への移動を抑制する第1弾性体28と、ウォーム6の反モータ側への移動を抑制する第2弾性体29とを設けたものである。
【0060】
この実施の形態4において、ウォーム6は軸部6bを転がり軸受9により支持し、軸部6cをすべり軸受22により支持してある。軸部6bは軸継手15に軸長方向への移動を可能にセレーション嵌合してある。さらに、軸部6bの途中には歯部6aの端面との間で内輪9bのウォーム6に対する軸長方向への移動を規制するC形リング等の規制環30が着脱可能に取付けられている。また、軸部6bの端面には軸長方向へ窪んだ凹所61が設けられている。この凹所61には駆動軸50の端面にその一端が当接してウォーム6を反モータ側へ押付ける例えばコイルバネからなる第1弾性体28が収容されている。
【0061】
この第1弾性体28は操舵中立位置のウォーム6に、内輪9b及び外輪9a間の隙間、即ち、転がり軸受9のスラスト隙間をなくするだけの押付力を加えている。従って、第1弾性体28は僅かに撓んでおり、この撓み状態で第2弾性体29との弾性復元力がほぼバランスし、ウォーム6のモータ5側への移動を抑制している。
【0062】
転がり軸受9の外輪9aと嵌合孔81に連なる規制部84との間には例えば合成ゴム製のOリング、皿ばねからなる環状の第2弾性体29を介してある。この第2弾性体29はウォーム6が操舵中立位置にある場合に非撓み状態であり、ウォーム6の反モータ側への移動を抑制している。
【0063】
また、嵌合孔81の周面には環状溝81aを設け、該環状溝81aに外輪の周面に接触するOリングからなる弾性環31が設けられており、該弾性環31が転がり軸受9のラジアル方向への移動を規制している。
【0064】
実施の形態4にあっては、ウォーム6を支持する転がり軸受9が1つであり、この転がり軸受9のスラスト隙間を第1弾性体28によりなくしてあるため、ウォーム6の軸長方向へのガタつきをなくすることができる。この場合においても、第1弾性体28は軸部6b及び駆動軸50の端面間に設けてあるため、第1弾性体28によるウォーム6の回転負荷をなくすることができ、ウォーム6の回転性を高めることができる。さらに、転がり軸受9は内輪9bが外輪9aとの間でウォーム6とともに回転するため、ウォーム6が内輪9bに対して回転する場合に比べてウォーム6の回転性をより一層高めることができる。
【0065】
そして、モータ5が駆動されない操舵領域、即ち、車両の高速走行時の操舵角が例えば1°程度に小さい操舵領域で操舵されることにより、ウォーム6が軸長方向一方(反モータ側)へ移動する場合、第2弾性体29が撓み、ウォーム6の反モータ側への移動を抑制することができ、また、ウォーム6が軸長方向他方(モータ側)へ移動する場合、該ウォーム6とともに転がり軸受9が移動し、第1弾性体28が撓み、ウォーム6の反モータ側への移動を抑制することができる。しかも、ウォーム6を支持する転がり軸受9が1個であり、モータ5が駆動されない操舵領域で1個の転がり軸受9をウォーム6とともに移動させる構成であるため、2個の転がり軸受を用いた場合に比べて軸受手段のコスト、ひいては電動式パワーステアリング装置のコストを低減でき、また、ウォーム支持部分の小形化及び軽量化を図ることができ、さらに、ウォームの組込作業性を向上できる。
その他の構成及び作用は実施の形態1、2と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0066】
実施の形態5
図7は実施の形態5の減速歯車機構部分の構成を示す断面図である。
この実施の形態5の電動式パワーステアリング装置は、実施の形態4のすべり軸受22に代えて、実施の形態1と同様、前記回転中心間距離を調整することができるように軸部6cを支持する押付体12、該押付体12を付勢する付勢手段としての弾性体13、該弾性体13を介して押付体12を移動操作するための操作体14とを備える構成としたものである。
その他の構成及び作用は実施の形態1、2、4と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0067】
実施の形態6
図8は実施の形態6の減速歯車機構部分の構成を示す断面図である。
この実施の形態6の電動式パワーステアリング装置は、実施の形態1〜3のようにウォーム6の軸部6bを内輪9bに移動可能に挿入する代わりに、実施の形態4のように内輪9bを軸部6bに圧入し、外輪9aを嵌合孔81に軸長方向へ移動可能に内嵌するとともに、ウォーム6の軸部6b端面と駆動軸50の端面との間に介されて転がり軸受9の内輪9b及び外輪9aの相対移動を拘束する拘束手段としてのコイルバネ32と、外輪9aの両端部に配置され、転がり軸受9を介してウォーム6の軸長方向両方への移動を抑制する2つの弾性体33,34とを備える構成としたものである。
【0068】
この実施の形態6において、ウォーム6は軸部6bを転がり軸受9により支持し、軸部6cを押付体12により前記回転中心間距離を調整することができるように支持してある。さらに、軸部6bの端面に設けられた凹所61にはコイルバネ32が収容されている。
【0069】
このコイルバネ32は操舵中立位置のウォーム6に、内輪9b及び外輪9a間の隙間、即ち、転がり軸受9のスラスト隙間をなくするだけの押付力を加えている。従って、コイルバネ32は僅かに撓んでおり、この撓み状態で2つの弾性体33,34の弾性復元力がバランスし、ウォーム6の軸長方向両方への移動を抑制している。
【0070】
転がり軸受9の外輪9aと嵌合孔81に連なる規制部84との間、及び外輪9aと嵌合孔81の近傍に係止された規制環35との間に例えば合成ゴム製の環部材からなる弾性体33,34を介してある。各弾性体33,34はウォーム6が操舵中立位置にある場合に非撓み状態であり、ウォーム6の軸長方向両方への移動を抑制している。
規制環35はC形リング等からなり、嵌合孔81の近傍に設けられた環状溝81bに着脱可能に係止されている。
【0071】
実施の形態6にあっては、コイルバネ32により転がり軸受9のスラスト隙間をなくしてあるため、ウォーム6の軸長方向へのガタつきをなくすることができる。この場合においても、コイルバネ32は軸部6b及び駆動軸50の端面間に設けてあるため、コイルバネ32によるウォーム6の回転負荷をなくすることができ、ウォーム6の回転性を高めることができる。さらに、転がり軸受9は内輪9bが外輪9aとの間でウォーム6とともに回転するため、ウォーム6が内輪9bに対して回転する場合に比べてウォーム6の回転性をより一層高めることができる。
【0072】
そして、モータ5が駆動されない操舵領域、即ち、車両の高速走行時の操舵角が例えば1°程度に小さい操舵領域で操舵されることにより、ウォーム6が軸長方向一方(反モータ側)へ移動する場合、該ウォーム6とともに転がり軸受9が移動し、一方の弾性体33が撓み、ウォーム6の反モータ側への移動を抑制することができ、また、ウォーム6が軸長方向他方(モータ側)へ移動する場合、該ウォーム6とともに転がり軸受9が移動し、他方の弾性体34が撓み、ウォーム6のモータ側への移動を抑制することができる。
しかも、ウォーム6を支持する転がり軸受9が1個であり、モータ5が駆動されない操舵領域で1個の転がり軸受9をウォーム6とともに移動させる構成であるため、2個の転がり軸受を用いた場合に比べて軸受手段のコスト、ひいては電動式パワーステアリング装置のコストを低減でき、また、ウォーム支持部分の小形化及び軽量化を図ることができ、さらに、ウォームの組込作業性を向上できる。
その他の構成及び作用は実施の形態1、2、4と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0073】
尚、以上説明した実施の形態4〜6にあっては、ウォーム6が軸長方向他方(モータ側)へ移動する場合、転がり軸受のスラスト隙間をなくするための第1弾性体28又はコイルバネ32を撓ませることになるため、ウォーム6が軸長方向一方、他方へ移動する場合の操舵負荷が異なることになるが、この操舵負荷が均等化されるように第1弾性体及び第2弾性体の弾性復元力、弾性体の弾性復元力を設定してもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述したように第1発明によれば、ウォームを支持する転がり軸受のスラスト隙間をなくすることができ、しかも、ウォームの軸長方向両方への移動を抑制するための弾性体の弾性復元力を付勢手段と関係なく設定することができ、モータが駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減することができるとともに、操舵フィーリングを良好にできる。
【0076】
発明によれば、2個の転がり軸受を用いてウォームを支持したものに比べて構造を簡単にでき、電動式パワーステアリング装置のコストを低減できるとともに、ウォーム支持部分の小形化及び軽量化を図ることができる。
【0077】
発明によれば、転がり軸受の位置に影響されることなく、弾性体を配置することができ、設計の自由度を増すこができる。
【0078】
発明及び第発明によれば、より一層構造を簡単にでき、より一層コストを低減できる。
【0079】
発明によれば、ウォームとウォームホイールとの回転中心間距離を調整することができ、ウォーム及びウォームホイールの噛合部のバックラッシュ量を少なくすることができる。
【0080】
発明によれば、ウォームを支持する転がり軸受のスラスト隙間をなくすることができるとともに、モータが駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減することができ、しかも、ウォームが内輪に軸長方向移動可能に挿入されているものに比べてウォームの回転性を良好にできる。また、ウォームを支持する転がり軸受を1個にできるため、2個の転がり軸受を用いる必要がある場合に比べて軸受手段のコスト、ひいては電動式パワーステアリング装置のコストを低減できるとともに、ウォーム支持部分の小形化及び軽量化を図ることができる。
【0081】
発明によれば、ウォームを支持する転がり軸受のスラスト隙間をなくすることができるとともに、ウォームの軸長方向への移動を抑制するための弾性体による移動抑制力の設定の自由度を増すことができ、車種に対応して設計し易いのであり、しかも、ウォームが内輪に移動可能に挿入されているものに比べてウォームの回転性を良好にできる。また、ウォームを支持する転がり軸受を1個にできるため、2個の転がり軸受を用いる必要がある場合に比べて軸受手段のコスト、ひいては電動式パワーステアリング装置のコストを低減できるとともに、ウォーム支持部分の小形化及び軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の実施の形態1の構成を示す断面図である。
【図2】実施の形態1の減速歯車機構部分の構成を示す断面図である。
【図3】実施の形態1の要部の構成を示す拡大断面図である。
【図4】実施の形態2の減速歯車機構部分の構成を示す断面図である。
【図5】実施の形態3の減速歯車機構部分の構成を示す断面図である。
【図6】実施の形態4の減速歯車機構部分の構成を示す断面図である。
【図7】実施の形態5の減速歯車機構部分の構成を示す断面図である。
【図8】実施の形態6の減速歯車機構部分の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
5 モータ
6 ウォーム
7 ウォームホイール
9 転がり軸受(軸受手段)
9a 外輪
9b 内輪(環部材)
11,22 すべり軸受
12 押付体
16 弾性体(付勢手段,拘束手段)
17,18 弾性体
28 第1弾性体(拘束手段)
29 第2弾性体
32 コイルバネ(拘束手段)
33,34 弾性体
89 環部材

Claims (8)

  1. 操舵補助用のモータによって回転されるウォームと、該ウォームを軸長方向へ移動可能に支持する軸受手段と、前記ウォームに噛合し舵取機構に繋がるウォームホイールとを備え、前記モータの回転によって操舵補助するようにした電動式パワーステアリング装置において、前記軸受手段は前記ウォームの一端がその内輪に挿入される転がり軸受を有しており、前記内輪を軸長方向へ付勢する付勢手段と、該付勢手段による前記内輪の移動を止めた状態で前記ウォームの軸長方向両方への移動を抑制する弾性体とを有することを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. 前記軸受手段は前記ウォームの他端が挿入されるすべり軸受を有する請求項記載の電動式パワーステアリング装置。
  3. 前記弾性体は、前記ウォームの一端又は他端が挿入されている貫通孔を有する環部材と前記ウォームとに接して設けられている請求項又は記載の電動式パワーステアリング装置。
  4. 前記環部材は前記内輪である請求項記載の電動式パワーステアリング装置。
  5. 前記弾性体は前記すべり軸受の両端部及び/又はすべり軸受を支持する環部材の両端部に位置させるように前記ウォーム、すべり軸受及び環部材の何れかに保持されている請求項記載の電動式パワーステアリング装置。
  6. 前記ウォームは前記転がり軸受での支持部を中心として傾き可能としてあり、該ウォームを前記ウォームホイールに向けて押付ける押付手段を備えている請求項乃至の何れかに記載の電動式パワーステアリング装置。
  7. 操舵補助用のモータによって回転され、支持部材に軸受手段を介して軸長方向への移動を可能に支持されたウォームと、該ウォームに噛合し舵取機構に繋がるウォームホイールとを備え、前記モータの回転によって操舵補助するようにした電動式パワーステアリング装置において、前記軸受手段は前記ウォームの一端部がその内輪に圧入され、その外輪が前記支持部材に移動可能に内嵌された転がり軸受を有しており、前記ウォームを軸長方向一方へ押付け、ウォームの軸長方向他方への移動を抑制する第1弾性体と、ウォームの軸長方向一方への移動を抑制する第2弾性体とを有することを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  8. 操舵補助用のモータによって回転され、支持部材に軸受手段を介して軸長方向への移動を可能に支持されたウォームと、該ウォームに噛合し舵取機構に繋がるウォームホイールとを備え、前記モータの回転によって操舵補助するようにした電動式パワーステアリング装置において、前記軸受手段は前記ウォームの一端部がその内輪に圧入され、その外輪が前記支持部材に移動可能に内嵌された転がり軸受を有しており、該転がり軸受の内輪及び外輪の相対移動を拘束する拘束手段と、前記外輪の両端部に配置され、前記転がり軸受を介してウォームの軸長方向両方への移動を抑制する弾性体とを有することを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
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