JP4014022B2 - 化粧用パフ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧用パフ及びその製造方法に係り、特に化粧を落とすときや洗顔をするときに使用するのに便利な化粧用パフ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、手で洗顔すると洗顔料の泡立ちが悪く、また顔の細部に洗い残しが生じて、顔に付着した汚れや角質化した皮膚を十分に落とすことができない。
【0003】
この不具合を解消するものとして化粧用パフが知られている。即ち、化粧用パフで洗顔すると洗顔料の泡立ちが良くなり、かつ顔の細かい凹所も洗うことができるので、汚れや角質を取り除き易くなる。
【0004】
ところで、化粧用パフの代表的なものは、スポンジで芯材を構成して、スポンジの表裏面に各々絹製の織布を被せ、各々の織布の周囲を接合した状態で縫製して、全体を偏平な楕円形に形成したものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、絹製の織布は、絹繊維を布状に織る構成であるために、比較的長い絹繊維(長繊維)を使用する結果となる。このため、皮膚に付着した汚れや古い角質を十分に取り除くことが難しいという問題点があった。
【0006】
即ち、1本のシルクは極細の繊維の集合体であり、絹製の織布は1000mくらいの長い繊維が縦横に規則正しく並んでいる状態となっている。
これに対し、不織布は短い繊維がランダムに絡んでシート状になっている状態であるため、空間部が確保され空気や水を含み易くなる。また使用時には、短繊維の方が両端がフリーとなって細い繊維に分かれるから、汚れや角質を落とし易くなる。
【0007】
また、絹製織布の周囲を縫製する際には、比較的固い縫製部が突出して存在してしまうこととなり、その縫製部を皮膚に当てると皮膚に傷を付ける惧れがあった。したがって、化粧用パフを使用するときに、縫製部を皮膚に当てないように注意しながら使用することになり、化粧用パフとしての使い勝手がよくないという問題点があった。
【0008】
さらに、化粧用パフの外形が偏平な楕円形を呈していたので、皮膚に当てる部分が表面と裏面に限定されてしまい、この点からも化粧用パフとしての使い勝手が悪いという問題点があった。
【0009】
また、スポンジの全表面に絹製の織布を被せていたため、スポンジの表裏面に同時に絹製の織布を被せる作業が必要となり、その作業に手間取って、生産性を高められないという問題点があった。
【0010】
そこで本発明の目的は上記従来技術が有する問題点を解消し、皮膚に付着した汚れや古い角質を確実に取り除くことができ、かつ使い勝手がよく、さらには生産性を高めることも可能な化粧用パフ及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題を解決するための手段として、まず請求項1のものは、一対のウレタンスポンジの一方の表面と他方の表面に各々絹製の不織布を貼り合わせ、一対のウレタンスポンジの間に中空部を確保すると共にその不織布を繋ぎ合わせることで、パフ全体の外形を曲線を有する形状に形成し、前記各々の不織布の繋ぎ合わせ目部分を不織布の表面と略面一になるように形成したことを特徴とする化粧用パフである。
【0012】
本発明によれば、表面層を絹製の不織布とすることで、比較的短い絹繊維(短繊維)を使用した製品となり、その結果、皮膚に付着した汚れや古い角質を確実に取り除くことが可能となる。
また、化粧用パフの外形を略マユダマ状のように曲線を有する形状に形成したので、化粧用パフの表面全域を皮膚に当てて使用しても違和感がなく、使い勝手を向上させることができる。
【0013】
さらに前記各々の不織布の繋ぎ合わせ目部分を不織布の表面と略面一になるようにしたため、繋ぎ合わせ目部分を皮膚に当てても、突出部ができないため皮膚に傷を付ける心配がなくなり、化粧用パフを使用するときに繋ぎ合わせ目部分を皮膚に当てないように注意する必要が無くなる。
【0014】
請求項2は、一対のウレタンスポンジの表面を溶融して絹製の不織布を貼り合わせる工程と、絹製の不織布を貼り合わせた一対のウレタンスポンジを、絹製の不織布が表向きとなるように接着することなく2枚重ね合わせる工程と、2枚重ね合わせたウレタンスポンジを圧着裁断してパフ全体の外形を曲線を有する形状に型抜き加工する工程とからなる化粧用パフの製造方法である。
【0015】
これにより、ウレタンスポンジの表面に絹製の不織布を貼り合わせたものを2枚準備し、これら一対のウレタンスポンジを不織布が表側に向く状態で互いに重ね合わせることで、一対のウレタンスポンジの全表面に不織布を貼り合わせることが可能となった。
【0016】
したがって、一対のウレタンスポンジの全表面に比較的簡単に絹製の不織布を貼り合わせることができ、手間をかけることなく化粧用パフを製造することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下添付図に基づいて本発明に係る化粧用パフ及びその製造方法の一実施の形態を詳説する。
図1は本発明に係る化粧用パフの斜視図であり、図2は図1のA−A線断面図である。
【0018】
化粧用パフ1は、全体の外形を例えば略マユダマ状のように曲線を有する形状に形成したもので、一対のウレタンスポンジ2の一方の表面3と他方の表面4を溶融して溶融層5、6を形成し、これら溶融層5、6に各々絹製の不織布7、8を貼り合わせ、その貼り合わせた各々の不織布7、8を繋ぎ合わせ、その繋ぎ合わせ目部分9を不織布7、8の表面と略面一になるようにしている。
【0019】
化粧用パフ1の外形を曲線を有する形状に形成したので、化粧用パフ1の表面全域を無理なく皮膚に当てることができるため、化粧用パフ1の使い勝手を向上させることができる。
【0020】
ウレタンスポンジ2は、クッション性や保水性に優れた材質なのでソフト感を得ることができ、このウレタンスポンジ2は、上側ウレタンスポンジ2aと下側ウレタンスポンジ2bとから構成されている。さらに、ウレタンスポンジの中に中空部11を確保したことによって、保水性、ファッション性に優れたものとなる。
【0021】
絹製の不織布7、8は、不織布とすることで絹繊維を短繊維とすることができる。一般的に織布は繊維を布状に織るために、絹繊維が長繊維となるが、不織布は繊維を布状に織る必要がないので短繊維となる。
【0022】
このように不織布にすると、繊維間に空気や水を含み易くソフトな肌触りになるため、皮膚に当てても皮膚に傷を付ける心配はない。
また、不織布にすると、皮膚に付着した汚れや古い角質が取り除きやすくなり、肌をつるつるに仕上げることが可能となる。
【0023】
さらに、本発明は、不織布7、8を絹繊維で形成しているが、この絹繊維は強い(強度の高い)繊維であるため、皮膚に付着した汚れや古い角質を確実に取り除くことができるとともに、絹繊維は細く、ソフトなタッチをもっているので、皮膚に当てても皮膚に傷を付ける心配はない。
【0024】
すなわち不織布7、8の繋ぎ合わせ目部分9を、不織布7、8の表面Hと略面一又は表面Hの内側に位置するようにしたので(図2参照)、この繋ぎ合わせ目部分9を皮膚に当てても皮膚に傷を付ける心配はない。したがって、化粧用パフ1を使用するときに、その繋ぎ合わせ目部分9を皮膚に当てないように注意する必要もない。
【0025】
つぎに、本発明の化粧用パフの製造方法を図3〜図5に基づいて説明する。
図3に示すように、上側ウレタンスポンジ2aの表面3をガスバーナで溶かして溶融層5を形成し、この溶融層5に絹製の不織布7を貼り合わせて積層体10を形成する。この積層体10を少なくとも2個準備する。
【0026】
図4に示すように、2個の積層体10のうちの一方を上向き、他方を下向きにして2枚の積層体10を向かい合うように重ねる。なお、他方の積層体10を、一方の積層体10と図面上で区別するために、他方の積層体10のウレタンスポンジと、その表面と、溶融層及び不織布を、各々下側ウレタンスポンジ2b、表面4、溶融層6及び不織布8としている。
【0027】
図5に示すように、2枚重ねした一方の積層体10と、他方の積層体10とを裁断刃12で圧着裁断して、化粧用パフ1を曲線を有する形状に型抜き加工するが、その際、上側ウレタンスポンジ2a、下側ウレタンスポンジ2b、不織布7、8とが一体に圧着されて、その繋ぎ合わせ目部分9が形成される。
【0028】
このように、各々のウレタンスポンジ2a、2bの表面3、4に絹製の不織布7、8を貼り合わせて一方の積層体10と、他方の積層体10とを2枚準備し、これを互いに不織布7、8が表側を向くように重ね合わせることで、ウレタンスポンジ2a、2bの全表面に不織布7、8が貼り合わされることとなる。
【0029】
したがって、比較的短い時間で効率よくウレタンスポンジ2a、2bの全表面に不織布7、8を貼り合わせることができ、手間をかけずに化粧用パフ1を製造することが可能となる。
【0030】
化粧用パフ1を洗顔に使用する例を説明したが、この化粧用パフ1は化粧を落とすときやその他の場合でも使用できることはもちろんである。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による化粧用パフによれば、ウレタンスポンジの表面に絹製の不織布を貼り合わせたため、パフ表面を短絹繊維で覆うことができ、したがって皮膚に付着した汚れや古い角質を確実に取り除くことができる。
【0032】
また、パフ全体の外形を曲線を有する形状に形成したので、化粧用パフの表面全域を皮膚に当てることができ、化粧用パフの使い勝手を向上させることも可能となった。
【0033】
さらに不織布の繋ぎ合わせ目部分を不織布の表面と略面一になるようにしたため、繋ぎ合わせ目部分を皮膚に当てても皮膚に傷を付ける心配がなく、この化粧用パフを使用するときに繋ぎ合わせ目部分を皮膚に当てないように注意する必要がなくなり使い勝手が向上した。
【0034】
請求項2の化粧用パフの製造方法によれば、各々のウレタンスポンジの表面に絹製の不織布を貼り合わせたものを2枚準備し、これを互いに不織布が表側を向くように重ね合わせることで、ウレタンスポンジの全表面に不織布を貼り合わせることが可能となった。
【0035】
したがって、比較的短い時間でウレタンスポンジの全表面に不織布を貼り合わせることができ、手間をかけずに化粧用パフを製造することができるので、化粧用パフの生産性を高めることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る化粧用パフの斜視図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 本発明に係る化粧用パフの製造方法の第1説明図である。
【図4】 本発明に係る化粧用パフの製造方法の第2説明図である。
【図5】 本発明に係る化粧用パフの製造方法の第3説明図である。
【符号の説明】
1…化粧用パフ
2…ウレタンスポンジ
2a…上側ウレタンスポンジ
2b…下側ウレタンスポンジ
3…ウレタンスポンジの一方の表面
4…ウレタンスポンジの他方の表面
5、6…溶融層
7、8…絹製の不織布
9…不織布の繋ぎ合わせ目部分
10…積層体
11…中空部
12…裁断刃
Claims (2)
- 一対のウレタンスポンジの一方の表面と他方の表面に各々絹製の不織布を貼り合わせ、一対のウレタンスポンジの間に中空部を確保すると共にその不織布を繋ぎ合わせることで、パフ全体の外形を曲線を有する形状に形成し、前記各々の不織布の繋ぎ合わせ目部分を不織布の表面と略面一になるように形成したことを特徴とする化粧用パフ。
- 一対のウレタンスポンジの表面を溶融して絹製の不織布を貼り合わせる工程と、絹製の不織布を貼り合わせた一対のウレタンスポンジを、絹製の不織布が表向きとなるように接着することなく2枚重ね合わせる工程と、2枚重ね合わせたウレタンスポンジを圧着裁断してパフ全体の外形を曲線を有する形状に型抜き加工する工程とからなる化粧用パフの製造方法。
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JP09743799A JP4014022B2 (ja) | 1999-04-05 | 1999-04-05 | 化粧用パフ及びその製造方法 |
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JP09743799A Expired - Lifetime JP4014022B2 (ja) | 1999-04-05 | 1999-04-05 | 化粧用パフ及びその製造方法 |
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