JP4013834B2 - 給紙装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコピー機、プリンタ、ファクシミリなどに用いられる原稿や記録紙などの用紙を給紙する給紙装置に係り、特に用紙の搬送不良を防止する給紙装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コピー機、プリンタ、ファクシミリなどの画像記録装置には、原稿などの用紙を読み取り部に、あるいは、記録用の用紙を画像記録部に供給するための給紙装置が配設されている。給紙装置は通常、複数枚の用紙が重なった状態で搬送されるのを防止する重送防止機構を有しており、用紙トレイに収納された多数枚の用紙を1枚ずつ搬送できるようになっている。近年では、重送防止機構として種々の方式が開発・実用化されており、その代表的なものに摩擦係数の差を用紙の分離要素とした摩擦分離方式がある。
【0003】
摩擦分離方式の重送防止機構を組み込んだ給紙装置では、用紙の給紙方向に回転する給紙ローラと、トルクリミッタを介して用紙の給紙方向と逆方向に一定の回転力が伝達される分離ローラとが配設されており、用紙が用紙トレイから送り出されて給紙ローラと分離ローラとの間を通過しながら搬送されるようになっている。ここで、用紙トレイから両ローラ間に1枚の用紙が送り込まれたときには分離ローラが給紙ローラに従動して回転し、用紙トレイから両ローラ間に2枚以上の用紙が送り込まれたときには分離ローラが給紙ローラの給紙方向とは逆方向に用紙を搬送するように回転して、用紙トレイの用紙を1枚ずつ搬送できるようになっている。
【0004】
このような給紙装置の一例が特許文献1,2に開示されている。特に、特許文献1では給紙装置の使用状況に応じて給紙ローラ(41)に圧接する分離ローラ(42)の圧接力を増加させ、用紙の給紙動作を安定させている。特許文献2では用紙が給紙されるごとに分離ローラ(103)に与える回転力(トルク)を適宜変更して用紙の給紙動作を安定させている。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−313548号公報
【特許文献2】
特開平9−67037号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、用途により用紙の種類が変更されたり給紙装置の設置環境(温度や湿度など)が変わったりすると、場合によっては給紙ローラと用紙との間の摩擦係数が低くなり、特許文献1,2に記載の通りに給紙ローラに対する分離ローラの圧接力を増加させたり、分離ローラに与える回転力を適宜変更したりするだけでは、給紙ローラが用紙との接触面で滑って用紙の給紙・搬送を安定させるのが難しい。
【0007】
本発明の課題は、給紙ローラが用紙との接触面で滑って用紙の搬送不良が生じるのを防止することができる給紙装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明の給紙装置は、
用紙を給紙方向に搬送するように回転する給紙ローラと、前記給紙ローラの給紙方向とは逆方向に用紙を搬送するように回転力が伝達される分離ローラとを有し、前記給紙ローラが回転することにより用紙が前記給紙ローラと前記分離ローラとの間を通過しながら搬送される給紙装置において、
前記給紙ローラに回転力を伝達するか否かを切り替え可能な第1伝達機構と、
前記分離ローラに回転力を伝達するか否かを切り替え可能な第2伝達機構と、
用紙の搬送方向の前記給紙ローラより下流側に配置されて用紙の有無を検知する第1センサと、
前記第1伝達機構及び前記第2伝達機構をそれぞれ制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1伝達機構及び前記第2伝達機構をそれぞれ作動させて前記給紙ローラ及び前記分離ローラにそれぞれ回転力が伝達された状態のときに、用紙の給紙動作を開始してから予め設定された設定時間内に前記第1センサが用紙を検知しなかったら、前記第2伝達機構の作動を一時停止させて前記第2伝達機構を再度作動させることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明では、第2伝達機構が作動した状態において設定時間内に第1センサが用紙を検知しなかったら、第2伝達機構の作動が一時停止するため、給紙ローラと分離ローラとの間を通過する用紙には、搬送方向と逆方向の送り戻し力(負荷)が一時的に掛からなくなる。したがってこのとき、第1伝達機構の作動により給紙ローラの回転力だけで用紙が搬送されるので、給紙ローラの回転力を確実に用紙に伝達することができ、給紙ローラが用紙との接触面で滑って用紙の搬送不良が生じるのを防止することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の給紙装置において、
用紙の搬送方向の前記第1センサより上流側に配置されて用紙の有無を検知する第2センサを備え、
前記制御部は、
前記第1伝達機構及び前記第2伝達機構をそれぞれ作動させて前記給紙ローラ及び前記分離ローラにそれぞれ回転力が伝達された状態のときに、前記第2センサが用紙を検知してから前記設定時間内に前記第1センサが用紙を検知しなかったら、前記第2伝達機構の作動を一時停止させて、その後に前記第1センサが用紙を検知したら前記第2伝達機構を再度作動させることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載の給紙装置において、
前記制御部は、
前記第1伝達機構及び前記第2伝達機構をそれぞれ作動させて前記給紙ローラ及び前記分離ローラにそれぞれ回転力が伝達された状態のときに、前記第2伝達機構を作動させてから前記設定時間内に前記第1センサが用紙を検知しなかったら、前記第2伝達機構の作動を一時停止させて、その後に前記第1センサが用紙を検知したら前記第2伝達機構を再度作動させることを特徴とする。
【0012】
請求項2、3に記載の発明では設定時間の起算点が互いに異なっている。その上、請求項1と同様に、請求項2、3に記載の発明では、第2伝達機構が作動した状態において設定時間内に第1センサが用紙を検知しなかったら、第2伝達機構の作動が一時停止するため、給紙ローラと分離ローラとの間を通過する用紙には、搬送方向と逆方向の送り戻し力が一時的に掛からなくなり、このとき第1伝達機構の作動により給紙ローラの回転力だけで用紙が搬送されるので、給紙ローラの回転力を確実に用紙に伝達することができ、給紙ローラが用紙との接触面で滑って用紙の搬送不良が生じるのを防止することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、
請求項2に記載の給紙装置において、
前記給紙ローラから前記第2センサまでの間隔が、前記給紙ローラの半径以内の距離に収まっていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明では、給紙ローラから第2センサまでの間隔が給紙ローラの半径以内の距離に収まっているため、第2センサは用紙の搬送経路に非常に近接した位置に配置される。したがって第2センサの近傍を通過する用紙を瞬時に検知することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の給紙装置において、
用紙の搬送方向の前記給紙ローラより下流側に配置されて前記給紙ローラと同じ方向に回転する搬送ローラと、
用紙の搬送方向の前記搬送ローラより下流側に配置されて用紙の有無を検知する第3センサと、
を備え、
前記制御部は、
前記第2伝達機構を一時停止させた後に前記第2伝達機構を再度作動させて前記分離ローラに回転力が伝達された状態のときに、第3センサが用紙を検出している状態から用紙を検出しなくなったら、前記第2伝達機構の作動を停止させることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明では、第3センサが用紙の搬送方向の搬送ローラより下流側に配置されており、その第3センサが用紙を検出している状態から用紙を検出しなくなったら第2伝達機構の作動が停止するため、分離ローラに余分な回転力を伝達するのを防止することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の給紙装置において、
前記第2伝達機構は、前記分離ローラに伝達すべき回転力を制限するトルクリミッタを有し、前記トルクリミッタを介して前記分離ローラに回転力を伝達することを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明では、第2伝達機構がトルクリミッタを介して分離ローラに回転力を伝達するため、分離ローラに一定以上の回転力が伝達されるのを防止することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の給紙装置において、
前記第1伝達機構は、前記給紙ローラに回転力を伝達するか否かを切り替え可能な電磁クラッチを有することを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明では、第1伝達機構が電磁クラッチを有するため、電磁クラッチを通電させることで給紙ローラに回転力を伝達することができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の給紙装置において、
前記第2伝達機構は、前記分離ローラに回転力を伝達するか否かを切り替え可能な電磁クラッチを有することを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明では、第2伝達機構が電磁クラッチを有するため、電磁クラッチを通電させることで分離ローラに回転力を伝達することができる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の給紙装置において、
複数枚の用紙を収納可能なトレイと、
前記トレイに収納された用紙を前記給紙ローラと前記分離ローラとの間に送り出す送り出しローラと、
を備え、
前記送り出しローラの回転軸と前記給紙ローラの回転軸との間には、無端のベルトが巻回されていることを特徴とする。
【0024】
請求項9に記載の発明では、送り出しローラの回転軸と給紙ローラの回転軸との間に無端のベルトが巻回されているため、送り出しローラと給紙ローラとを互いに同期させて回転させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係る給紙装置の実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0026】
[第1の実施の形態]
始めに図1〜図4を参照しながら第1の実施の形態における給紙装置1について説明する。
図1は給紙装置1の側面図である。
【0027】
図1に示す通り、給紙装置1は用紙3を収納可能なトレイ2を有しており、トレイ2上に多数枚の用紙3が互いに積み重ねられた状態で収納されている。トレイ2の上方には、用紙3を給紙装置1の内部に送り出す送り出しローラ4が配設されており、送り出しローラ4は自重によりトレイ2の最も上に配置された用紙3に接触している。送り出しローラ4は図1において反時計回り方向に回転するようになっており、トレイ2上で最も上に配置された用紙3に接触した状態で回転してトレイ2上の用紙3を基本的には1枚ずつ給紙装置1の内部に送り出すようになっている。
【0028】
用紙3の送り出し方向の送り出しローラ4より下流側には、送り出しローラ4から送り出された用紙3を次工程側に搬送する給紙ローラ5と、送り出しローラ4から複数枚の用紙3が重なった状態で送り出された場合にそれらの用紙3のなかから下側の用紙3を分離する分離ローラ6とが配設されている。給紙ローラ5と分離ローラ6は互いの外周部で圧接している。給紙ローラ5は上記送り出しローラ4と同様に図1において反時計回り方向に回転するようになっており、送り出しローラ4から送り出された用紙3を図1において左方から右方に搬送するようになっている。
【0029】
分離ローラ6には、図1において給紙ローラ5の給紙方向とは逆方向に用紙3を搬送するように反時計回り方向に回転力が伝達されるようになっている。図1において分離ローラ6の右方には、分離ローラ6に伝達する回転力を制限するトルクリミッタ7が配設されており、トルクリミッタ7を介して分離ローラ6に回転力が伝達されるようになっている。したがって、分離ローラ6には図1において反時計回り方向に一定の回転力だけが伝達される。
【0030】
用紙3の搬送方向の給紙ローラ5及び分離ローラ6より下流側には、給紙ローラ5から搬送された用紙3を次工程側に搬送する搬送ローラ8と、搬送ローラ8に従動する従動ローラ9とが配設されている。搬送ローラ8と従動ローラ9は互いの外周部で接触している。搬送ローラ8は上記給紙ローラ5と同様に図1において反時計回り方向に回転するようになっており、給紙ローラ5から搬送された用紙3を図1において左方から右方に搬送するようになっている。従動ローラ9は回転自在とされており、搬送ローラ8の回転に伴って搬送ローラ8に従動するように図1において時計回り方向に回転するようになっている。
【0031】
用紙3の搬送経路沿いには、用紙3を図1において左方から右方に案内する3枚のガイド板10,11,12が配設されている。各ガイド板10,11,12はすべて図1の紙面の表側から裏側にかけて(又は裏側から表側にかけて)延在している。ガイド板10はトレイ2から分離ローラ6にまで至っており、ガイド板11は分離ローラ6の近傍から用紙3の搬送方向の従動ローラ9より下流側にまで至っており、ガイド板12はガイド板10の中途部の上方からガイド板11の端部の上方にまで至っている。本実施形態では上記送り出しローラ4、給紙ローラ5及び搬送ローラ8の回転により、用紙3が各ガイド板10,11,12にガイドされながらトレイ2から給紙ローラ5及び分離ローラ6並びに搬送ローラ8及び従動ローラ9の各接触部を通過して給紙装置1の外部に搬送されるようになっている。
【0032】
さらに用紙3の搬送経路沿いには、用紙3の有無を検知する3個の第1〜第3センサ13,14,15が配設されている。第1センサ13は搬送ローラ8の近傍であって、用紙3の搬送方向の搬送ローラ8より上流側に配置されている。第2センサ14は給紙ローラ5の近傍であって、用紙3の搬送方向の第1センサ13より上流側に配置されている。第3センサ15は搬送ローラ8の近傍であって、用紙3の搬送方向の搬送ローラ8より下流側に配置されている。特に第2センサ14では、給紙ローラ5から第2センサ14までの間隔が給紙ローラ5の半径以内の距離に収まっており、給紙ローラ5及び分離ローラ6の圧接部を通過する用紙の有無を瞬時に検知することができるようになっている。
【0033】
続いて図2を参照しながら給紙装置1の駆動系の構成について説明する。
図2は給紙装置1の正面図である。
【0034】
給紙装置1は送り出しローラ4、給紙ローラ5及び分離ローラ6の駆動源となるモータ20を有しており、モータ20の出力軸にギヤ21が固定されている。ギヤ21には、送り出しローラ4及び給紙ローラ5にモータ20の回転力を伝達するための第1伝達ギヤ22が噛み合っており、第1伝達ギヤ22の回転軸18には、モータ20の回転力を分離ローラ6に伝達する第2伝達ギヤ19が固定されている。給紙装置1は、モータ20の回転力を第1伝達ギヤ22から送り出しローラ4及び給紙ローラ5に伝達する第1伝達機構16と、モータ20の回転力を第2伝達ギヤ19から分離ローラ6に伝達する第2伝達機構17との2つの伝達機構を有している。
【0035】
第1伝達機構16では軸心回りに回転自在なシャフト23が配設されている。図2においてシャフト23の左側には、シャフト23の回転方向を1方向に規制するワンウェイクラッチ70とモータ20の回転力を送り出しローラ4及び給紙ローラ5に伝達するか否かを切り替える電磁クラッチ24とが配設されており、電磁クラッチ24のクラッチギヤ25が第1伝達ギヤ22に噛み合っている。図2においてシャフト23の右側には給紙ローラ5が固定されている。シャフト23と送り出しローラ4の回転軸26とにはプーリ27,28がそれぞれ固定されており、各プーリ27,28間に無端のベルト29が巻回されている。
【0036】
第1伝達機構16ではモータ20が作動して回転した状態において電磁クラッチ24が通電されて作動すると、シャフト23と電磁クラッチ24とが結合してモータ20の回転力が第1伝達ギヤ22からクラッチギヤ25を介してシャフト23に伝達され、シャフト23が回転するようになっている。そしてシャフト23が回転すると給紙ローラ5が回転し、さらにその回転力がベルト29を介して回転軸26にも伝わり、送り出しローラ4及び給紙ローラ5が同時に同一方向に回転するようになっている。
【0037】
逆にモータ20が作動した状態において電磁クラッチ24への通電が解除されて電磁クラッチ24の作動が停止すると、シャフト23と電磁クラッチ24との結合が解除されてクラッチギヤ24が空転し、シャフト23の回転が停止するようになっている。このとき第1伝達ギヤ22からシャフト23への回転力の伝達が遮断されるから、送り出しローラ4及び給紙ローラ5の回転も同時に停止するようになっている。つまり第1伝達機構16では、電磁クラッチ24の作動とその停止とに基づき送り出しローラ4及び給紙ローラ5が互いに同期して動作をおこなうようになっている。なお、シャフト23にはワンウェイクラッチ70が配設されているため、給紙ローラ5は分離ローラ6に従動して用紙3の給紙方向と逆方向には回転しない。
【0038】
一方、第2伝達機構17では軸心回りに回転自在なシャフト30が配設されている。図2においてシャフト30の左端部には、モータ20の回転力を分離ローラ6に伝達するか否かを切り替える電磁クラッチ31が配設されており、電磁クラッチ31のクラッチギヤ32が第2伝達ギヤ19に噛み合っている。図2においてシャフト30の右側にはトルクリミッタ7が配設されている。トルクリミッタ7の左端部にはギヤ34が配設されており、ギヤ34がギヤ35に噛み合っている。また分離ローラ6の回転軸にはギヤ36が固定されており、ギヤ36がギヤ35に噛み合っている。
【0039】
第2伝達機構17ではモータ20が作動した状態において電磁クラッチ31が通電されて作動すると、シャフト30と電磁クラッチ31とが結合してモータ20の回転力が第2伝達ギヤ19からクラッチギヤ32を介してシャフト30に伝達され、シャフト30が回転するようになっている。そしてシャフト30が回転するとその回転力がトルクリミッタ7により制限された状態で3枚のギヤ34,35,36を介して分離ローラ6に伝達され、分離ローラ6が送り出しローラ4及び給紙ローラ5の給紙方向とは逆方向に用紙3を搬送するように回転するようになっている。つまり第2伝達機構17では、上記第1伝達機構16と異なり、シャフト30と分離ローラ6との間にトルクリミッタ7が介在しているため、モータ20の回転力のすべてが分離ローラ6には伝達されず、一定の回転力だけがモータ20から分離ローラ6に伝達されるようになっている。
【0040】
逆にモータ20が作動した状態において電磁クラッチ31への通電が解除されて電磁クラッチ31の作動が停止すると、シャフト30と電磁クラッチ31との結合が解除されてクラッチギヤ32が空転し、シャフト30の回転が停止するようになっている。このとき第2伝達ギヤ19からシャフト30への回転力の伝達が遮断されるから、分離ローラ6とシャフト30は給紙ローラ5に従動しながら回転するようになっている。
【0041】
なお、図1及び図2には図示しないけれども、給紙装置1には、上記第1伝達機構16と同様に、モータ20の回転力を搬送ローラ8に伝達するためのシャフト、ギヤ、電磁クラッチ41(図3参照)などの部材が別途配設されており、電磁クラッチ41の作動により搬送ローラ8が回転するようになっている。
【0042】
続いて図3を参照しながら給紙装置1の回路構成について説明する。
図3は、給紙装置1を制御する制御装置50の構成を示すブロック図である。
制御装置50は、汎用のCPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などから構成された制御部51を有している。制御部51は、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開してCPUにより当該処理プログラムを実行するようになっている。
【0043】
具体的には制御部51は上記処理プログラムにしたがい上記モータ20及び電磁クラッチ24,31,41の各部材の動作を制御するようになっている。特に給紙装置1では上記第1〜第3センサ13〜15が制御部51に接続されており、制御部51は各第1〜第3センサ13〜15の検知結果に基づき各電磁クラッチ24,31,41を制御するようになっている。
【0044】
続いて図4を参照しながら給紙装置1の給紙動作について説明する。
図4は給紙装置1の給紙動作を複数の工程に分けて経時的に表現したフローチャートである。
【0045】
制御装置50の制御部51に用紙3の給紙を指令する信号が入力されると、モータ20が作動して回転し始める(ステップS1)。その後、電磁クラッチ24が作動してシャフト23と電磁クラッチ24とが連結し、モータ20の回転力が第1伝達ギヤ22からクラッチギヤ25を介してシャフト23に伝達され、シャフト23が回転し始める。するとその回転力がシャフト23から送り出しローラ4及び給紙ローラ5に伝達され、送り出しローラ4及び給紙ローラ5が同時に図1において反時計回り方向に回転し始める(ステップS2)。送り出しローラ4が回転し始めると、トレイ2の最も上に配置された用紙3がトレイ2から給紙ローラ5と分離ローラ6との圧接部に送り出され、その用紙3は給紙ローラ5と分離ローラ6とのあいだに挟持された状態で給紙ローラ5により搬送ローラ8側に搬送される。
【0046】
その後、制御部51が第2センサ14による用紙3の有無を判断し(ステップS3)、第2センサ14が用紙3を検知しない場合(ステップS3:NO)には第2センサ14が用紙3を検知するまでステップS3の動作が繰り返される。第2センサ14が用紙3の先端部を検知したら(ステップS3:YES)、電磁クラッチ31が作動してシャフト30と電磁クラッチ31とが連結し、モータ20の回転力が第2伝達ギヤ19からクラッチギヤ32を介してシャフト30に伝達され、シャフト30が回転し始める。するとその回転力がシャフト30から3枚のギヤ34,35,36を介して分離ローラ6に伝達され、分離ローラ6がモータ20から給紙ローラ5の給紙方向とは逆方向に用紙3を搬送するように回転力を受ける(ステップS4)。
【0047】
この状態においてトレイ2から1枚の用紙3が送り出されている場合には、給紙ローラ5が用紙3を搬送ローラ8側に搬送し続け、分離ローラ6はモータ20の回転力をトルクリミッタ7により制限された状態で受けているため、用紙3に接触しながら給紙ローラ5に連れ回されるようにして回転する。これとは異なり、トレイ2から複数枚の用紙3が互いに重なった状態で送り出されている場合には、給紙ローラ5が最も上に配置された用紙3に接触しながら図1において反時計回り方向に回転し続けてその用紙3を搬送ローラ8側に搬送し続け、分離ローラ6は複数枚の用紙3のなかで下側に重なった用紙3に接触しながら図1において反時計回り方向に回転してその用紙3をトレイ2側に送り戻す。つまりトレイ2から複数枚の用紙3が互いに重なった状態で送り出されている場合には、最も上に配置された用紙3だけが搬送ローラ8側に搬送され、それ以外の用紙3(互いに重ねられた複数枚の用紙3のなかで下側に重なった用紙3)が最も上に配置された用紙3から分離される。
【0048】
その後、ステップS3の動作で第2センサ14が用紙3の先端部を検知してから第1センサ13がその用紙3の先端部を検知するまでの時間が設定時間内に収まっているか否かを制御部51が判断する(ステップS5)。ここでの「設定時間」というのは、用紙3の搬送が正常におこなわれているか否かを判断するための指標であって、制御部51のROM又はRAMに予め設定された値として格納されている。
【0049】
第2センサ14が用紙3の先端部を検知してから第1センサ13がその用紙3の先端部を検知するまでの時間が設定時間内に収まっていたら(ステップS5:YES)、つまり設定時間内に第1センサ13が用紙3の先端部を検知したら、制御部51が計時を開始する(ステップS20)。
【0050】
その後、制御部51はステップS20の処理で計時を開始してから所定の時間が経過したか否かを判断し(ステップS21)、所定の時間が経過していないと判定したら(ステップS21:NO)、ステップS20の処理で計時を開始してから所定の時間が経過するまでステップS21の処理を繰り返す。
【0051】
ステップS20の処理で計時を開始してから所定の時間が経過したと制御部51が判定したら(ステップS21:YES)、電磁クラッチ24の作動が停止する(ステップS22)。するとシャフト23と電磁クラッチ24との結合が解除されてクラッチギヤ25が空転し、第1伝達ギヤ22から送り出しローラ4及び給紙ローラ5への回転力の伝達が遮断される。
【0052】
その後、制御部51は用紙3の給紙の再開を指令する信号が入力されたか否かを判断し(ステップS23)、その指令信号が入力されていないと判定したら(ステップS23:NO)、用紙3の給紙の再開を指令する信号が入力されるまでステップS23の処理を繰り返す。用紙3の給紙の再開を指令する信号が入力されたと制御部51が判定したら(ステップS23:YES)、電磁クラッチ41が作動して搬送ローラ8が図1において反時計回り方向に回転する(ステップS6)。
【0053】
一方、第2センサ14が用紙3の先端部を検知してから第1センサ13がその用紙3の先端部を検知するまでの時間が設定時間内に収まっていなかったら(ステップS5:NO)、つまり設定時間が経過しても第1センサ13が用紙3の先端部を検知しなかったら、電磁クラッチ31の作動が停止する(ステップS7)。するとシャフト30と電磁クラッチ31との結合が解除されてクラッチギヤ32が空転し、第2伝達ギヤ19から分離ローラ6への回転力の伝達が遮断される。
【0054】
この状態においては分離ローラ6の回転が停止して給紙ローラ5が回転し続けるため、トレイ2から送り出された用紙3が1枚であっても複数枚であっても、その用紙3は分離ローラ6による作用を受けずに給紙ローラ5の作用だけを受けて搬送ローラ8側に搬送される。
【0055】
その後、ステップS3で第2センサ14が用紙3の先端部を検知してから第1センサ13がその用紙3の先端部を検知するまでの時間がエラー時間内に収まっているか否かを制御部51が判断する(ステップS8)。ここでの「エラー時間」というのは、用紙3の搬送不良が発生しているか否かを判断するための指標であって、上記設定時間よりも長く設定されており、上記設定時間と同様に制御部51のROM又はRAMに予め設定された値として格納されている。
【0056】
第2センサ14が用紙3の先端部を検知してから第1センサ13がその用紙3の先端部を検知するまでの時間がエラー時間内に収まっていたら(ステップS8:YES)、つまりエラー時間内に第1センサ13が用紙3の先端部を検知したら、電磁クラッチ31が再度作動して分離ローラ6に給紙ローラ5の給紙方向とは逆方向に用紙3を搬送するように回転力が伝達される(ステップS9)。
【0057】
この状態においてはステップS4の動作後と同様に、トレイ2から1枚の用紙3が送り出されている場合には、給紙ローラ5が用紙3を搬送ローラ8側に搬送し続け、分離ローラ6は用紙3に接触しながら給紙ローラ5に連れ回されるようにして回転する。また、トレイ2から複数枚の用紙3が互いに重なった状態で送り出されている場合には、給紙ローラ5が最も上に配置された用紙3を搬送ローラ8側に搬送し続け、分離ローラ6は複数枚の用紙3のなかで下側に重なった用紙3をトレイ2側に送り戻す。その後ステップS6の動作がおこなわれる。
【0058】
第2センサ14が用紙3の先端部を検知してから第1センサ13がその用紙3の先端部を検知するまでの時間がエラー時間内に収まっていなかったら(ステップS8:NO)、つまりエラー時間が経過しても第1センサ13が用紙3の先端部を検知しなかったら、制御部51が用紙3の搬送不良を通知する処理をおこなう(ステップS10)。本実施形態では、給紙装置1の各部材の機械的な動作が停止する。ただし、給紙装置1に設けられた表示パネル(図示略)にメッセージが表示されたり、給紙装置1に設けられたブザー(図示略)が自動的に鳴ったりするようにしてもよい。
【0059】
そして、ステップS9の動作の後は、上記したステップS20からステップS6までの動作がおこなわれる。ステップS6の動作で搬送ローラ8が回転すると、給紙ローラ5及び分離ローラ6の圧接部を通過した用紙3の先端部が搬送ローラ8と従動ローラ9とのあいだに挟み込まれ、その用紙3が搬送ローラ8の回転に伴い搬送ローラ8及び従動ローラ9の接触部を通過しながら給紙装置1の外部側に搬送される。
【0060】
その後、制御部51が第3センサ15による用紙3の有無を判断し(ステップS12)、第3センサ15が用紙3を検知しない場合(ステップS12:NO)には第3センサ15が用紙3を検知するまでステップS12の動作が繰り返される。第3センサ15が用紙3の先端部を検知したら(ステップS12:YES)、制御部51が再度第3センサ15による用紙3の有無を判断する(ステップS13)。第3センサ15が用紙3を検出しているあいだ(ステップS13:NO)はステップS13の動作が繰り返される。
【0061】
第3センサ15が用紙3を検出しなくなったら(ステップS13:YES)、つまり用紙3の後端部が第3センサ15による用紙3の検知箇所を通過したら、2つの電磁クラッチ31,41の作動が停止する(ステップS14)。するとシャフト30と電磁クラッチ31との結合が解除されてクラッチギヤ32が空転し、第2伝達ギヤ19から分離ローラ6への回転力の伝達が遮断される。同時にモータ20から搬送ローラ8への回転力の伝達も遮断される。
【0062】
その後、制御部51が、用紙3の次の給紙を指令する信号の有無を判断し(ステップS15)、制御部51に次の給紙の旨の指令信号が入力されている場合には(ステップS15:YES)、上記ステップS2〜ステップS14までの各部材の動作が繰り返され、制御部51に次の給紙の旨の指令信号が入力されていない場合には(ステップS15:NO)、モータ20の回転が停止して(ステップS16)給紙装置1における給紙動作が終了する。
【0063】
以上の給紙装置1では、ステップS4の動作で電磁クラッチ31が作動して分離ローラ6に回転力が伝達された状態において、設定時間内に第1センサ13が用紙3を検知しなかったら、電磁クラッチ31の作動が停止するため、給紙ローラ5と分離ローラ6との間を通過する用紙3には、搬送方向と逆方向の送り戻し力(負荷)が掛からなくなる。したがってこのとき、給紙ローラ5の回転力だけで用紙3が搬送されるので、給紙ローラ5の回転力を確実に用紙3に伝達することができ、給紙ローラ5が用紙3との接触面で滑るようなこともなく、用紙3の搬送不良が生じるのを防止することができる。
【0064】
また、別の観点から考えると、ステップS4の動作で電磁クラッチ31が作動して分離ローラ6に回転力が伝達された状態において、設定時間内に第1センサ13が用紙3を検知しなかったら電磁クラッチ31の作動が一時停止して、その後に第1センサ13が用紙3を検知したら電磁クラッチ31が再度作動するため、電磁クラッチ31の一時的な停止動作の前後で分離ローラ6に回転力が伝達され、給紙ローラ5及び分離ローラ6の接触部を通過する用紙3には搬送方向と逆方向の送り戻し力が2度にわたって作用する。
【0065】
したがって給紙ローラ5及び分離ローラ6の圧接部を複数枚の用紙3が通過する場合に、例えば、先に作用した分離ローラ6の送り戻し力で複数枚の用紙3のなかから下側に重なった用紙3を充分に分離できなくても、後に作用した分離ローラ6の送り戻し力でその用紙3を完全に分離することができる。これにより、複数枚の用紙3が重なった状態で搬送されるのを確実に防止することができる。
【0066】
[第2の実施の形態]
次に図5〜図7を参照しながら第2の実施の形態における給紙装置100について説明する。ただし、本第2の実施形態では、給紙装置100が上記第1の実施形態における給紙装置1とほぼ同様の構成を具備しているため、給紙装置100中の部材において給紙装置1と同様の部材には図1〜図3と同様の符号を付してその部材の詳細な説明を省略している。
図5は給紙装置100の側面図であり、図6は給紙装置100の回路構成を示すブロック図である。
【0067】
図5に示す給紙装置100が給紙装置1と異なるのは、図1及び図3に図示した第2センサ14が省略されているところであって、それ以外の給紙装置100の構成は給紙装置1と同様である。図6に図示した給紙装置100の制御装置60の制御部61も、給紙装置1の制御部51と同様の構成を有している。ただし、給紙装置100では上記の通り第2センサ14が省略されているため、2つの第1,第3センサ13,15が制御部61に接続され、制御部61が各第1,第3センサ13,15の検知結果に基づき各電磁クラッチ24,31,41を制御するようになっている。
【0068】
続いて図7を参照しながら給紙装置100の給紙動作について説明する。
図7は給紙装置100の給紙動作を複数の工程に分けて経時的に表現したフローチャートである。
【0069】
制御装置60の制御部61に用紙3の給紙を指令する信号が入力されると、モータ20が作動して回転し始め(ステップT1)、その後2つの電磁クラッチ24,31が作動する(ステップT2)。電磁クラッチ24が作動すると、シャフト23と電磁クラッチ24とが連結してモータ20の回転力が送り出しローラ4及び給紙ローラ5に伝達され、送り出しローラ4及び給紙ローラ5が同時に図5において反時計回り方向に回転し始める。一方、電磁クラッチ31が作動すると、シャフト30と電磁クラッチ31とが連結してモータ20の回転力がトルクリミッタ7を介して分離ローラ6に伝達され、分離ローラ6がモータ20から給紙ローラ5の給紙方向とは逆方向に用紙3を搬送するように回転力を受ける。
【0070】
送り出しローラ4が回転し始めると、トレイ2の最も上に配置された用紙3がトレイ2から給紙ローラ5と分離ローラ6との圧接部に送り出され、その用紙3は給紙ローラ5と分離ローラ6とのあいだに挟持された状態で給紙ローラ5により搬送ローラ8側に搬送される。
【0071】
この状態においてトレイ2から1枚の用紙3が送り出されている場合には、給紙ローラ5が用紙3を搬送ローラ8側に搬送し続け、分離ローラ6はモータ20の回転力をトルクリミッタ7により制限された状態で受けているため、用紙3に接触しながら給紙ローラ5に連れ回されるようにして回転する。これとは異なり、トレイ2から複数枚の用紙3が互いに重なった状態で送り出されている場合には、給紙ローラ5が最も上に配置された用紙3に接触しながら図5において反時計回り方向に回転し続けてその用紙3を搬送ローラ8側に搬送し続け、分離ローラ6は複数枚の用紙3のなかで下側に重なった用紙3に接触しながら図5において反時計回り方向に回転してその用紙3をトレイ2側に送り戻す。
【0072】
その後、ステップT2の動作で電磁クラッチ24が作動してから第1センサ13がその用紙3の先端部を検知するまでの時間が設定時間内に収まっているか否かを制御部61が判断する(ステップT3)。ここでの「設定時間」というのは、上記第1の実施形態のステップS5の動作で説明した設定時間と同様に、用紙3の搬送が正常におこなわれているか否かを判断するための指標であって、制御部61のROM又はRAMに予め設定された値として格納されている。
【0073】
電磁クラッチ24が作動してから第1センサ13がその用紙3の先端部を検知するまでの時間が設定時間内に収まっていたら(ステップT3:YES)、つまり設定時間内に第1センサ13が用紙3の先端部を検知したら、制御部61が計時を開始する(ステップT20)。
【0074】
その後、制御部61はステップT20の処理で計時を開始してから所定の時間が経過したか否かを判断し(ステップT21)、所定の時間が経過していないと判定したら(ステップT21:NO)、ステップT20の処理で計時を開始してから所定の時間が経過するまでステップT21の処理を繰り返す。
【0075】
ステップT20の処理で計時を開始してから所定の時間が経過したと制御部61が判定したら(ステップT21:YES)、電磁クラッチ24の作動が停止する(ステップT22)。するとシャフト23と電磁クラッチ24との結合が解除されてクラッチギヤ25が空転し、第1伝達ギヤ22から送り出しローラ4及び給紙ローラ5への回転力の伝達が遮断される。
【0076】
その後、制御部61は用紙3の給紙の再開を指令する信号が入力されたか否かを判断し(ステップT23)、その指令信号が入力されていないと判定したら(ステップT23:NO)、用紙3の給紙の再開を指令する信号が入力されるまでステップT23の処理を繰り返す。用紙3の給紙の再開を指令する信号が入力されたと制御部51が判定したら(ステップT23:YES)、電磁クラッチ41が作動して搬送ローラ8が図5において反時計回り方向に回転する(ステップT4)。
【0077】
一方、電磁クラッチ24が作動してから第1センサ13がその用紙3の先端部を検知するまでの時間が設定時間内に収まっていなかったら(ステップT3:NO)、つまり設定時間が経過しても第1センサ13が用紙3の先端部を検知しなかったら、電磁クラッチ31の作動が停止する(ステップT5)。するとシャフト30と電磁クラッチ31との結合が解除されてクラッチギヤ32が空転し、第2伝達ギヤ19から分離ローラ6への回転力の伝達が遮断される。
【0078】
この状態においては分離ローラ6の回転が停止して給紙ローラ5が回転し続けるため、トレイ2から送り出された用紙3が1枚であっても複数枚であっても、その用紙3は分離ローラ6による作用を受けずに給紙ローラ5の作用だけを受けて搬送ローラ8側に搬送される。
【0079】
その後、ステップT2の動作で電磁クラッチ24が作動してから第1センサ13がその用紙3の先端部を検知するまでの時間がエラー時間内に収まっているか否かを制御部51が判断する(ステップT6)。ここでの「エラー時間」というのは、上記第1の実施形態のステップS8の動作で説明した設定時間と同様に、用紙3の搬送不良が発生しているか否かを判断するための指標であって、上記設定時間よりも長く設定されており、上記設定時間と同様に制御部61のROM又はRAMに予め設定された値として格納されている。
【0080】
以後、上記第1の実施形態における給紙装置1と同様の動作がおこなわれる。ただし、図7に示すステップT7,ステップT8,ステップT10〜ステップT14の各動作において、ステップT7の動作は上記ステップS9の動作に対応しており、ステップT8の動作は上記ステップS10の動作に対応しており、ステップT10の動作は上記ステップS12の動作に対応しており、ステップT11の動作は上記ステップS13の動作に対応しており、ステップT12の動作は上記ステップS14の動作に対応しており、ステップT13の動作は上記ステップS15の動作に対応しており、ステップT14の動作は上記ステップS16の動作に対応している。
【0081】
つまり上記第1の実施形態における給紙装置1では、ステップS5及びステップS8の動作で「設定時間」及び「エラー時間」が第2センサ14による用紙3の検知から第1センサ13によるその用紙3の検知までの時間を対象としているのに対して、本第2の実施形態における給紙装置100では、ステップT3及びステップT6の動作で「設定時間」及び「エラー時間」が電磁クラッチ24の作動から第1センサ13による用紙3の検知までの時間を対象としており、この点で給紙装置100の動作が給紙装置1のそれと異なっている。したがって以上の給紙装置100でも、給紙装置1と同様の理由から、用紙3の搬送不良が生じるのを防止することができる。(複数枚の用紙3が重なった状態で搬送されるのを確実に防止することができる。)
【0082】
【発明の効果】
請求項1によれば、第2伝達機構が作動した状態において設定時間内に第1センサが用紙を検知しなかったら、第2伝達機構の作動が一時停止するため、給紙ローラと分離ローラとの間を通過する用紙には、搬送方向と逆方向の送り戻し力が一時的に掛からなくなり、このとき、第1伝達機構の作動により給紙ローラの回転力だけで用紙が搬送されるので、給紙ローラの回転力を確実に用紙に伝達することができ、給紙ローラが用紙との接触面で滑って用紙の搬送不良が生じるのを防止することができる。
【0083】
請求項2、3に記載の発明によれば、請求項1と同様に、第2伝達機構が作動した状態において設定時間内に第1センサが用紙を検知しなかったら、第2伝達機構の作動が一時停止するため、給紙ローラと分離ローラとの間を通過する用紙には、搬送方向と逆方向の送り戻し力が一時的に掛からなくなり、このとき第1伝達機構の作動により給紙ローラの回転力だけで用紙が搬送されるので、給紙ローラの回転力を確実に用紙に伝達することができ、給紙ローラが用紙との接触面で滑って用紙の搬送不良が生じるのを防止することができる。
【0084】
請求項4に記載の発明によれば、第2センサの近傍を通過する用紙を瞬時に検知することができる。
【0085】
請求項5に記載の発明によれば、分離ローラに余分な回転力を伝達するのを防止することができる。
【0086】
請求項6に記載の発明によれば、分離ローラに一定以上の回転力が伝達されるのを防止することができる。
【0087】
請求項7に記載の発明によれば、電磁クラッチを通電させることで給紙ローラに回転力を伝達することができる。
【0088】
請求項8に記載の発明によれば、電磁クラッチを通電させることで分離ローラに回転力を伝達することができる。
【0089】
請求項9に記載の発明によれば、送り出しローラと給紙ローラとを互いに同期させて回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における給紙装置の側面図である。
【図2】第1の実施形態における給紙装置の正面図である。
【図3】第1の実施形態における給紙装置の回路構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態における給紙装置の動作を表すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態における給紙装置の側面図である。
【図6】第2の実施形態における給紙装置の回路構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態における給紙装置の動作を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1,100…給紙装置
2…トレイ
3…用紙
4…送り出しローラ
5…給紙ローラ
6…分離ローラ
7…トルクリミッタ
8…搬送ローラ
9…従動ローラ
10,11,12…ガイド板
13…第1センサ
14…第2センサ
15…第3センサ
16…第1伝達機構
17…第2伝達機構
18…回転軸
19…第2伝達ギヤ
20…モータ
21…ギヤ
22…第1伝達ギヤ
23…シャフト
24…電磁クラッチ
25…クラッチギヤ
26…回転軸
27,28…プーリ
29…ベルト
30…シャフト
31…電磁クラッチ
32…クラッチギヤ
34,35,36…ギヤ
41…電磁クラッチ
50,60…制御装置
51,61…制御部

Claims (9)

  1. 用紙を給紙方向に搬送するように回転する給紙ローラと、前記給紙ローラの給紙方向とは逆方向に用紙を搬送するように回転力が伝達される分離ローラとを有し、前記給紙ローラが回転することにより用紙が前記給紙ローラと前記分離ローラとの間を通過しながら搬送される給紙装置において、
    前記給紙ローラに回転力を伝達するか否かを切り替え可能な第1伝達機構と、
    前記分離ローラに回転力を伝達するか否かを切り替え可能な第2伝達機構と、
    用紙の搬送方向の前記給紙ローラより下流側に配置されて用紙の有無を検知する第1センサと、
    前記第1伝達機構及び前記第2伝達機構をそれぞれ制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記第1伝達機構及び前記第2伝達機構をそれぞれ作動させて前記給紙ローラ及び前記分離ローラにそれぞれ回転力が伝達された状態のときに、用紙の給紙動作を開始してから予め設定された設定時間内に前記第1センサが用紙を検知しなかったら、前記第2伝達機構の作動を一時停止させて前記第2伝達機構を再度作動させることを特徴とする給紙装置。
  2. 請求項1に記載の給紙装置において、
    用紙の搬送方向の前記第1センサより上流側に配置されて用紙の有無を検知する第2センサを備え、
    前記制御部は、
    前記第1伝達機構及び前記第2伝達機構をそれぞれ作動させて前記給紙ローラ及び前記分離ローラにそれぞれ回転力が伝達された状態のときに、前記第2センサが用紙を検知してから前記設定時間内に前記第1センサが用紙を検知しなかったら、前記第2伝達機構の作動を一時停止させて、その後に前記第1センサが用紙を検知したら前記第2伝達機構を再度作動させることを特徴とする給紙装置。
  3. 請求項1に記載の給紙装置において、
    前記制御部は、
    前記第1伝達機構及び前記第2伝達機構をそれぞれ作動させて前記給紙ローラ及び前記分離ローラにそれぞれ回転力が伝達された状態のときに、前記第2伝達機構を作動させてから前記設定時間内に前記第1センサが用紙を検知しなかったら、前記第2伝達機構の作動を一時停止させて、その後に前記第1センサが用紙を検知したら前記第2伝達機構を再度作動させることを特徴とする給紙装置。
  4. 請求項2に記載の給紙装置において、
    前記給紙ローラから前記第2センサまでの間隔が、前記給紙ローラの半径以内の距離に収まっていることを特徴とする給紙装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の給紙装置において、
    用紙の搬送方向の前記給紙ローラより下流側に配置されて前記給紙ローラと同じ方向に回転する搬送ローラと、
    用紙の搬送方向の前記搬送ローラより下流側に配置されて用紙の有無を検知する第3センサと、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記第2伝達機構を一時停止させた後に前記第2伝達機構を再度作動させて前記分離ローラに回転力が伝達された状態のときに、第3センサが用紙を検出している状態から用紙を検出しなくなったら、前記第2伝達機構の作動を停止させることを特徴とする給紙装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の給紙装置において、
    前記第2伝達機構は、前記分離ローラに伝達すべき回転力を制限するトルクリミッタを有し、前記トルクリミッタを介して前記分離ローラに回転力を伝達することを特徴とする給紙装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の給紙装置において、
    前記第1伝達機構は、前記給紙ローラに回転力を伝達するか否かを切り替え可能な電磁クラッチを有することを特徴とする給紙装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の給紙装置において、
    前記第2伝達機構は、前記分離ローラに回転力を伝達するか否かを切り替え可能な電磁クラッチを有することを特徴とする給紙装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の給紙装置において、
    複数枚の用紙を収納可能なトレイと、
    前記トレイに収納された用紙を前記給紙ローラと前記分離ローラとの間に送り出す送り出しローラと、
    を備え、
    前記送り出しローラの回転軸と前記給紙ローラの回転軸との間には、無端のベルトが巻回されていることを特徴とする給紙装置。
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