JP4010680B2 - ブレースダンパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレースダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物では、地震等の振動エネルギーを減衰させるために制震機(ダンパー)が利用されており、例えば、鋼材の塑性変形能力を利用した制震機や、粘弾性体の変形により振動エネルギーを熱エネルギーに変換してエネルギーを消散して制震効果を得る制震機が利用されている。また、制震機として、建築物の上下階の柱と梁を結ぶブレースダンパーが、低、中、高層建築物に利用されている。このようなブレースダンパーとして、近年、粘弾性体からなる粘弾性シートと鋼板とを交互に積層した積層体であって、粘弾性体の特性を利用したブレースダンパー(粘弾性ダンパーとも言われる)が検討されている。
しかし、鋼製の制震機では、建築部材としての制震機にかかる建築物の荷重を支持できるものの剛性が高く制震性が低かった。また、大きな振動エネルギーが建築物に入ると制震機の建築物への取付け部の剛性が高いため、応力が集中し、大きな振動により取付け部が座屈し易い。粘弾性体を利用した制震機に用いられる制震機用材料としては、ゴムアスファルトや、シリコンオイル等の液状物質が利用されているが、ゴムアスファルトは、成形性が良好で減衰性が大きいものの、弾性率の温度依存性が大きいため、外気温度により制震性能が大幅に変化する。シリコンオイル等の液状物質では、減衰性が高く粘弾性率の温度依存性が小さいものの、液状であるため流動し、制震機の形状、制震機の取付け方法等に制約が大きいという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、減衰性に優れ、動的貯蔵弾性率の温度依存性が小さく、成形加工性に優れ、且つ、制震機の形状、取付け等についての制約の少ないブレースダンパーを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ゴム組成物から得られる粘弾性シートと、鋼板とを交互に積層した積層体を有するブレースダンパーであって、
前記ゴム組成物が、天然ゴムおよび/またはブタジエンゴムと、液状ゴムとを含有するゴム100重量部に対し、
CTAB比表面積が120〜250〔m 2 /g〕であり、CTAB比表面積〔m2/g〕/よう素吸着量〔mg/g〕が1.0以下であるカーボンブラックを40〜100重量部、
シリカを20重量部以上含有し、
前記ゴムの10〜30重量%が液状ゴムである、ブレースダンパーを提供する。
【0005】
前記液状ゴムは、液状イソプレンゴムおよび/または液状ブタジエンゴムであるのが好ましい。
【0006】
前記ゴムは、更にポリノルボーネンを含有し、前記ゴムの3〜20重量%がポリノルボーネンであるのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、以下の態様を含む。
本発明のブレースダンパーは、ゴム組成物から得られる粘弾性シートと、鋼板とを交互に積層した積層体を有するブレースダンパーであって、前記ゴム組成物が、天然ゴムおよび/またはブタジエンゴムと、液状ゴムとを含有するゴム100重量部に対し、CTAB比表面積が120〜250〔m 2 /g〕であり、CTAB比表面積〔m2/g〕/よう素吸着量〔mg/g〕が1.0以下であるカーボンブラックを40〜100重量部、シリカを20重量部以上含有し、前記ゴムの10〜30重量%が液状ゴムである。
【0008】
本発明に用いられるカーボンブラックは、CTAB比表面積(以下、CTABとも記す)が120〜250〔m 2 /g〕で、好ましくは130〜185〔m2 /g〕であり、かつ、CTAB比表面積〔m2 /g〕/よう素吸着量(以下、IAと記す)〔mg/g〕が1.0以下、好ましくは0.95以下であるカーボンブラックである。
これらのパラメーターは、カーボンブラック粒子の特性を示し、CTABはカーボンブラックの比表面積の尺度を表し、CTAB/IAはカーボンブラックの表面活性度を表す。このような微粒子カーボンブラックを用いるゴム組成物は、弾性率が低減され、減衰性能が高い(ヒステリシスロスが高い)。
なお、これらのカーボンブラック特性の測定方法は、以下のとおりである。
CTAB比表面積:ASTM−D3765−80による。
よう素吸着量:JIS K−6221による。
【0009】
このようなカーボンブラックの配合量は、ゴム100重量部に対し、40〜100重量部、好ましくは50〜85重量部である。この範囲であれば、ゴム組成物製造時の加工性が良好で、得られるゴム組成物が減衰性に優れ、かつ、加硫後のゴム組成物の物性、特に伸びが大きく好ましい。
【0010】
本発明に用いるシリカは、特に限定はなく、例えば沈降性シリカ、ヒュームドシリカ等が使用できる。シリカの配合量は、ゴム100重量部に対し、20重量部以上である。この範囲であれば、加工性を損なうことなく、得られる本発明のゴム組成物が高い減衰性を獲得することができ、また、上記ゴム組成物を利用したブレースダンパー(粘弾性ダンパー)の破壊時剪断伸びを大きくでき、振動吸収特性を大きくすることができる。
【0011】
本発明に用いられる未加硫ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(臭素化、塩素化等)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エポキシ化天然ゴム、trans−ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。これらの中でも、天然ゴム、イソプレンゴムは減衰性、加工性等のバランスがよく好ましく、また、ブタジエンゴムは、耐寒性に優れ好ましい。これらのゴムは1種単独でも2種を併用してもよい。
【0012】
本発明に用いられる液状ゴムとしては、炭素数4または5で炭素−炭素二重結合を分子内に2つ持つジエンが2分子以上付加重合してなるジエン系液状ゴムが挙げられ、オリゴマーを含むポリマーである。具体的には、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状スチレン・ブタジエンゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、液状ポリクロロプレン、液状ポリ(オキシプロピレン)等が挙げられる。本発明に好適に用いることのできる液状ゴムの分子量としては、例えば、100,000以下のものが使用可能であり、さらには50,000以下のものが好ましい。
液状ゴムの配合量は、本発明に用いられるゴム(液状ゴムも含む)の合計重量の10〜30重量%である。この範囲であると、得られるゴム組成物のモジュラスを低減できる。さらに上記ゴム組成物を、粘弾性体の特性を利用して振動エネルギーを消散し制震効果を得るブレースダンパー(粘弾性ダンパー)の粘弾性シートとして用いると、破壊伸びを大きくでき、動的剪断弾性係数(G)を低くすることができる。
【0013】
上記ゴム組成物には、ポリノルボーネン(ノルボーネンゴムともいう)を配合してもよい。ポリノルボーネンとは、一般にエチレンとシクロペンタジエンからディールスアルダー反応により得られるノルボーネンを開環重合して得られるゴムである。このゴムは、分子量が200万以上と極めて高く、ガラス転移温度が35℃であって、室温で樹脂状もしくは粉末状である。一般に、ポリノルボーネン単味の粉末状で用いることもでき、また、油や樹脂を加えた油展品、樹脂伸展品として用いることもできる。
ポリノルボーネン(ノルボーネンゴム)の配合量は、上記ゴム組成物に含有されるゴム(ポリノルボーネンも含む)の合計重量の3〜20重量%が好ましく、5〜15重量%がより好ましい。該範囲であれば、高い減衰性能(高いヒステリシスロス)が得られ、また、組成物製造時において、ポリノルボーネンを含有する組成物をロール等で混練する際、組成物がロールに密着して剥がれないということなく混練でき、練り効率すなわち加工性が良好となり好ましい。
【0014】
本発明に用いられるゴム組成物には、樹脂を配合してもよい。樹脂としては、特に限定はなく、例えば、天然系樹脂、石油系炭化水素樹脂、ロジン系樹脂等、具体的には、クマロン樹脂、フェノールテルペン樹脂、脂肪族−芳香族共重合樹脂、芳香族不飽和炭化水素樹脂等を挙げることができる。芳香族不飽和炭化水素樹脂としては、C5 系の芳香族不飽和炭化水素樹脂の(共)重合体、C5 系とC9 系の芳香族不飽和炭化水素樹脂の共重合体が挙げられる。このような芳香族不飽和炭化水素樹脂としては、市販品を利用することができ、例えばハイレジン(東邦化学工業社製)、エスクロン(新日鉄化学社製)、FTR(三井石油化学工業社製)等が挙げられる。
上記ゴム組成物は、上記樹脂を、前記ゴム100重量部に対し、好ましくは15〜60重量部、より好ましくは25〜55重量部含有すると、さらに減衰性を高める上で好ましい。
【0015】
本発明に用いられるゴム組成物には、上記成分に加え、本発明の目的を損なわない範囲で、充填剤、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、可塑剤、軟化剤、加工助剤、老化防止剤、顔料等を含有することができる。
充填剤としては、上述のカーボンブラック、シリカに加え、炭酸カルシウム、タルク、クレー等を用いることもできる。
加硫剤としては、硫黄、塩化硫黄、亜鉛華や、TMTD等の有機含硫黄化合物、ジクミルペルオキシド等の有機過酸化物等が挙げられる。
【0016】
可塑剤としては、DBP、DOP等のフタール酸誘導体、DBS等のセバシン酸誘導体、といったモノエステル類、プロセスオイル、石油樹脂、植物油等が挙げられる。可塑剤の配合量は、100重量部に対し、5〜30重量部が好ましい。
軟化剤としては、アロマオイル等が挙げられる。
老化防止剤としては、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N,N’−ジナフチル−p−フェニレンジアミン(DNPD)、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、スチレン化フェノール(SP)等が挙げられる。
【0017】
本発明に用いられるゴム組成物の製造方法としては、特に限定はなく従来公知の方法、例えば、加硫剤、加硫促進剤以外の各成分を、先ずバンバリーミキサー等で混練し、ついで、混練ロール機等にて硫黄等の加硫剤、加硫促進剤を混練する方法を例示することができる。
【0018】
本発明に用いられるゴム組成物は、上述の構成を採ることにより、減衰性が大きく(ヒステリシスロスが大きく)、動的貯蔵弾性率の温度依存性が低い。特に、従来、粘弾性体を利用した制震機に粘弾性体として代表的に用いられているゴムアスファルトと比較して、温度依存性は大きく改善されている。
また、液状ゴムを含む上記ゴム組成物は、モジュラスを低減できる。さらにブレースダンパー(粘弾性ダンパー)の粘弾性シートとして用いることで、動的剪断弾性係数を低くすることができ、高い破壊伸びを獲得することができる。
また、ポリノルボーネンを含む上記ゴム組成物は、減衰性能に優れ、しかも製造時、加工性が良好である。
【0019】
上記ゴム組成物は、粘弾性体を利用した制震機、特に粘弾性シートと鋼板を積層した積層体から構成されるブレースダンパー(以下、粘弾性ダンパーという)に用いられる粘弾性シートとして用いることができる。
ここで、粘弾性ダンパーとは、建築物に耐震性と制震性を与えるために、建築物の架構の層間に設けられるゴムと鋼板との積層体であり、例えば、建築構造物の補強部材として斜方向に張設され、安定板として鋼板等を用い、これと粘弾性シートを強固に積層した建築部材である。その形状や構造は施工される建築物の大きさや形状、施工場所に応じて種々のものが考えられ、特に限定されない。粘弾性ダンパーは、既存の建築物に外付けすることができるし、耐震補強が必要となった時点で取り付けることも出来、取付けに関しての制約は少ない。
【0020】
図1に本発明のブレースダンパー(以下、ダンパーと記す)の1好適例を示す。図1は、ダンパー1の1好適例の平面図である。
この好適例に例示されるダンパー1では、ブラケット11と12との間に、鋼板と粘弾性シートとを積層した積層部25からなる長尺物が固定されている。ブラケット11、12と積層部25との間には、それぞれ空間23、24が設けられている。
ブラケット11は、積層部25の中央に設けられる積層部25より延在する鋼板2と一体として形成される平面13と、それに直角に固着された平面14とにより構成される。
積層部25の最外層板(鋼板)9、10の両表面は、積層部25の積層枚数に応じたスペーサー17、18を介してブラケット11の平面13にボルト・ナット21により固定される。最外層板9、10と鋼板2に囲まれた、スペーサー17、18と積層部25の間の空間が、前述の空間23である。
積層部25の中央の鋼板2は粘弾性シート5、6と、粘弾性シート5、6は鋼板3、4と、鋼板3、4は粘弾性シート7、8と加硫接着されている。さらに粘弾性シート7、8は、最外層板9、10と加硫接着されている。
平面13には、最外層板9、10がスペーサー17、18を介してボルト・ナット21で固定されている。
積層部25のブラケット11と反対の端部から鋼板3、4が延在し、鋼板3、4の端部はスペーサー19、20を介してブラケット12にボルト・ナット21により固定されている。このブラケット12は、鋼板3、4を固定する平面15と、それに直角に固着された平面16とにより構成されている。積層部25とブラケット12の間には空間24が設けられている。
この空間24と、前述の空間23は、共に、積層部25の中央の鋼板2と他の鋼板3、4と粘弾性シート5、6、7、8との剪断変形を許容するために設けられている。
このように、積層部25の鋼板2と3、4は、積層部25から交互にそれぞれ異なる側に延在し、ブラケット11、12にそれぞれ固定され、ブラケット11、12それぞれの動きに応じて振動することで、有効に振動のエネルギーを粘弾性シート5〜8に伝えて、振動エネルギーを吸収、消散する。
ダンパーとしては、上記好適例に限定されることなく、交互に積層される鋼板、粘弾性シートの枚数、厚さ、大きさは、特に限定されず、適宜決定することができる。
鋼板は、ダンパー内に安定板として用いるもので、従来公知の各種鋼板等が使用でき、特に限定されるものではないが、例えば、一般構造用鋼板、冷間圧延鋼板等が挙げられる。
【0021】
上記ゴム組成物を、ブレースダンパー(粘弾性ダンパー)の粘弾性シートとして用いると、減衰性が大きく、その減衰性および剛性は温度依存性が低く、広い適用温度範囲で優れた制震性能を発揮する。減衰性の指標となるtanδも、従来の粘弾性体を利用した制震機より大きくすることができる。液状ゴムを含有する上記ゴム組成物は特に動的剪断弾性係数(G)を低減することができ、等価減衰定数で評価した振動吸収特性も大きくでき、このようなゴム組成物を用いたブレースダンパー(粘弾性ダンパー)では、振幅の大きな振動ばかりでなく、小さな振動にも十分な制震性能を示す。
上記ゴム組成物をブレースダンパー(粘弾性ダンパー)の粘弾性シートとして用いると、従来制震機用材料として用いられてきたシリコンオイル等の液状物質を用いた制震機と異なり、積層体という簡単な構造とすることができる。また、取付けについても制限の少ない制震機が供給できる。シリコンオイル等の液状物質やゴムアルファルトと異なり、ゴム組成物のシートなので、制震機からのフローやはみ出しが非常に少ない。液状物質ではもちろん、ゴムアスファルトでは、ダンパーにかかる建築物等からの荷重を支持するのが困難であるが、上記ゴム組成物は、荷重を支持することもできる。また、上記ゴム組成物はシート状に容易に成形され、鋼板と加硫接着されるので、このようにして得られる粘弾性ダンパーは長期耐久性に優れる。従来の鋼材の塑性変形能力を利用したダンパーでは、制震機と建築物との取付け部の剛性が大きく、地震等の振動による応力が取付け部に集中しやすく座屈しやすかったが、上記ゴム組成物を利用したブレースダンパーでは取付け部にかかる応力はゴム組成物の弾性により低減されており取付け部は座屈しにくい。
このようなゴム組成物を用いるブレースダンパーとしては、剪断破壊時の伸びが400%以上が好ましく、450%以上がより好ましい。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1〜4、比較例1〜5)
下記表1に示す組成でゴム組成物を調整した。ゴム組成物を148℃で45分間加熱加硫し、加硫ゴムを得た。下記の方法で、未加硫時のゴム組成物について加工性を、得られた加硫ゴムについて、150%モジュラス(M150 )、ヒステリシスロスを測定した。結果を表1に示す。また、実施例1〜4については、動的貯蔵弾性率を求めその温度依存性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例6)
ゴム組成物の代わりにゴムアルファルトを用い、動的貯蔵弾性率を求めその温度依存性を評価した。結果を表2に示す。
【0023】
<加工性(ロール密着性)>
表1に示す組成で混合した後、このゴム混合物に硫黄、加硫促進剤(CBS)、加硫助剤(ステアリン酸)を8インチの試験用練りロール機で混練した際の、組成物のロールへの密着性を目視にて評価した。表中、◎は組成物がロールにほとんど密着せず混練を極めて良好に行えたことを、○は組成物がロールに一時的に密着しても、その後はがれて混練を良好に行えたことを、×はロールへの組成物の密着が顕著で混練が困難であったことを示す。
<150%モジュラス>
実施例1〜4、比較例1〜5で得られた加硫ゴムを幅10mm、厚さ2mmの短冊状とし試験用サンプルとした。引張試験機を用いて、測定温度23℃、引張速度100mm/minの条件で、試験用サンプルを5回150%繰り返し伸長させた際の5回目のモジュラスを測定した。
<ヒステリシスロス>
測定温度23℃、引張速度100mm/minの条件で、5回150%繰り返し伸長させた際の5回目の、ゴム組成物にかかる応力と、応力増加期の歪み、応力減少期の歪みとからヒステリシスカーブを得て、この結果からヒステリシスロス〔%〕を算出した。
<温度依存性>
JIS K 7198に記載の方法に準拠して、10℃、20℃、30℃において、実施例1〜4で調整したゴム組成物と、ゴムアスファルト(比較例6)に、振動数20Hzで13%の初期伸長を加えた上で、±5%の変形(ひずみ)を加え、粘弾性スペクトロメータを用いて測定した応力と変位とから複素弾性率を求め、実数部の定数を動的貯蔵弾性率として求め、得られた値をそれぞれ10℃E’、20℃E’、30℃E’と置き、10℃、20℃での動的貯蔵弾性率の比、10℃E’/20℃E’、30℃、20℃での動的貯蔵弾性率の比、30℃E’/20℃E’を算出して評価した。結果を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
<表中の各成分>
天然ゴム:TSR20
ブタジエンゴム:ウベポール−VCR、宇部興産社製
液状IRゴム:LIR−50、クラレイソプレン社製
液状BRゴム:NISSO−PB B−1000、日本曹達(株)社製
ポリノルボーネン:NSX15AR、日本ゼオン社製、60重量%油展品
シリカ:トクシールGU、(株)トクヤマ社製
樹脂:エクスソロンV120(クマロンインデン樹脂、新日鉄化学工業社製)
亜鉛華:亜鉛華3号、正同化学社製
ステアリン酸:LUNAC YA、花王社製
加硫促進剤CBS:ノクセラーCZ、大内新興化学社製
硫黄:粉末イオウ、軽井沢精練所製
【0027】
実施例、比較例で使用したカーボンブラックのCTAB、CTAB/IAを示す。
【0028】
【表3】
【0029】
実施例1〜4、比較例1〜5の組成で未加硫ゴムシート(厚さ10mm)を作製し、鋼板(100mm×100mm×20mm)2枚と重ね合わせ、130℃で90分間加熱加硫接着し、粘弾性積層体サンプルを作製した。作製したサンプルを用いて、動的剪断弾性係数G、振動吸収特性を測定した。
<動的剪断弾性係数G>
上記サンプルを用いて、2軸剪断試験機による0.5Hz、150%歪時の動的剪断弾性係数を測定した。
<振動吸収特性>
上記サンプルを用いて、2軸剪断試験機による0.5Hz、150%歪時の等価減衰定数heqを求め振動吸収特性として評価した。
結果を表1に併せて記す。
【0030】
【発明の効果】
本発明に用いられるゴム組成物は、減衰性が大きく、動的貯蔵弾性率の温度依存性が小さく、成形加工性に優れる。上記ゴム組成物を用いることにより、動的剪断弾性係数が小さく、振動吸収特性が大きく、破断時伸びが大きな制震性に優れ、制震性能が発揮される適応温度範囲の広いブレースダンパーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のブレースダンパー(粘弾性ダンパー)の1好適例の平面図である。
【符号の説明】
1 ダンパー
2〜4 鋼板
5〜8 粘弾性シート
9、10 最外層板
11、12 ブラケット
13〜16 平面
17〜20 スペーサー
21、22 ボルト・ナット(ボルトとナット)
23、24 空間
25 積層部
Claims (3)
- ゴム組成物から得られる粘弾性シートと、鋼板とを交互に積層した積層体を有するブレースダンパーであって、
前記ゴム組成物が、天然ゴムおよび/またはブタジエンゴムと、液状ゴムとを含有するゴム100重量部に対し、
CTAB比表面積が120〜250〔m 2 /g〕であり、CTAB比表面積〔m2/g〕/よう素吸着量〔mg/g〕が1.0以下であるカーボンブラックを40〜100重量部、
シリカを20重量部以上含有し、
前記ゴムの10〜30重量%が液状ゴムである、ブレースダンパー。 - 前記液状ゴムが、液状イソプレンゴムおよび/または液状ブタジエンゴムである請求項1に記載のブレースダンパー。
- 前記ゴムが更にポリノルボーネンを含有し、前記ゴムの3〜20重量%がポリノルボーネンである請求項1または2に記載のブレースダンパー。
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