JP4008298B2 - 多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法 - Google Patents

多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層配線基板(多層プリント配線板)、多層配線基板用基材およびその製造方法に関し、特に、フリップチップ実装などの高密度実装が可能な多層のフレキシブルプリント配線板等の多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミド樹脂は、高耐熱性、電気絶縁性、高屈曲性を有した樹脂であり、フレキシブルプリント配線板(FPC)など、プリント配線板の絶縁層材料として利用されている。ポリイミド樹脂を絶縁層材料として応用したものの一つとして、ポリイミドフィルムを絶縁層材料として使用したフレキシブルプリント配線板(FPC)を多層積層し、一括穴あけされたスルーホールによって層間導通を得る多層FPCがある。
【0003】
しかし、スルーホールによる多層FPCでは、層間接続位置の制約のために、配線設計の自由度が低く、スルーホール上にチップを実装することができないため、実装密度を高くすることに限界があり、近年のより一層の高密度実装化の要求に対応できなくなっている。
【0004】
このことに対処すべく、層間接続をスルーホールによらずにIVH(Interstitial Via Hole)によって行い、ビア・オン・ビアが可能な樹脂多層プリント配線板、例えば、松下電器産業社のALIVH(Any Layer Interstitial Via Hole)基板や、ポリイミドによるFPCをスルーホールを使用せずにビルドアップ方式で多層に積層するソニーケミカル社のポリイミド複合多層ビルドアップ集積回路基板(MOSAIC)が開発されている。
【0005】
また、ポリイミドフィルムを絶縁層としてそれの片面に銅箔による導電層を貼り付けられている汎用の銅張樹脂基材を出発基材として、簡便な工程によりIVH構造の多層FPCを得る構造と製法が本願出願人と同一の出願人による特願2001−85224号で提案されている。
【0006】
特願2001−85224号で提案されている多層配線基板用基材では、絶縁層の一方の面に銅箔を設けた銅張樹脂基材に貫通孔(バイアホール)を穴あけした後、導電性樹脂組成物(樹脂系の導電性ペースト)を銅箔側からスクリーン印刷法等による印刷法によって充填することで、図13に示されているようなIVH部分を形成している。なお、図13において、101は絶縁層を、102は銅箔部を、104は貫通孔を、105は貫通孔104に充填された導電性樹脂組成物を各々示している。
【0007】
そして、スクリーン印刷時のマスクの開口部の口径をIVH径より大きくすることにより、印刷時の位置合わせ精度にある程度の余裕ができ、また銅箔部102上に導電性樹脂組成物105によるマスク開口部口径相当の大きさのヘッド状部105Aが形成され、貫通孔104に充填された導電性樹脂組成物105と銅箔部102との接触面積を大きくすることができ、貫通孔104に充填された導電性樹脂組成物105の貫通孔104よりの抜け落ちも防止できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ヘッド状部105Aは印刷用マスクの厚さ等により基材表面よりも数10μm程度の厚さをもって突出するため、多層配線基板の表面平滑性を確保するためには、銅箔部102上のヘッド状部105Aの全体を層間接着剤の層内に埋め込むに十分な接着層の厚さが必要になり、接着層の厚さが厚くなることによって多層配線基板の厚膜化を招くことになる。これに対し、接着層を厚くしない場合には、多層配線基板の表面平滑性の低下を招くことになる。
【0009】
導電性樹脂組成物が完全に硬化する以前に、多層積層を行うことで、導電性樹脂組成物と他層の銅箔との接触が密接に行われるようにすることが考えられるが、しかし、この場合には、図14に示されているように、導電性樹脂組成物105の銅箔部102より上の部分(ヘッド状部105A)が、多層積層時の積層圧Pによって押しつぶれ、圧潰状態で広がってしまい、基板表面上から見たヘッド状部105Aの大きさを均一化することが困難であるばかりか、他配線部102’までヘッド状部105Aの導電性樹脂組成物が広がってしまい、回路の短絡を招く虞れがある。
【0010】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、導電性樹組成物と導電回路部の接触信頼性を損なうことなく、しかも基板の平滑性を低下させることなく薄い多層配線基板を得ることができる多層配線基板用基材およびその製造方法および多層配線基板を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材は、絶縁性基材の片面に配線パターンをなす銅箔等による導電層を設けられ、前記絶縁性基材と前記導電層を貫通する貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填された多層配線基板用基材であって、前記貫通孔の前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより前記導電層の外表面側の孔径Dbが小さい。
【0012】
この多層配線基板用基材によれば、貫通孔の孔径が、導電層と絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより導電層の外表面側の孔径Dbのほうが小さいから、導電層部分の貫通孔の内壁面が縦断面で見て曲面(近円弧面)あるいは傾斜面で、導電層外表面側が先細となるテーパ状の貫通孔になり、貫通孔内壁面の面積が同一径によるストレートな貫通孔である場合に比して大きくなり、貫通孔に充填された導電性樹脂組成物と導電層との導通接触が、増大された貫通孔内壁面(側周面)で確実に取られ、導電性樹脂組成物の導電層より上の部分(ヘッド状部)と導電層との接触面積確保から派生する諸問題から解放される。
【0013】
また、この発明による多層配線基板用基材は、孔径Da>孔径Dbを前提として、前記貫通孔の前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daが前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcより大きく、さらには、孔径Da、Db、Dcの相互の大小関係を、孔径Da>孔径Dc>孔径Dbとすることができる。
【0014】
また、この発明による多層配線基板用基材は、孔径Da>孔径Dbを前提として、前記貫通孔の前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcが前記境界部における前記導電層部分の孔径Daに等しいかあるいはそれより大きいものにすることもできる。
【0015】
また、この発明による多層配線基板用基材は、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられ、前記導電層と前記絶縁性基材と前記接着層を貫通する貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填された多層配線基板用基材であって、前記貫通孔の前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより前記導電層の外表面側の孔径Dbが小さい。
【0016】
この多層配線基板用基材でも、貫通孔の孔径が、導電層と絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより導電層の外表面側の孔径Dbのほうが小さいから、導電層部分の貫通孔の内壁面が縦断面で見て曲面(近円弧面)あるいは傾斜面で、導電層外表面側が先細となるテーパ状の貫通孔になり、貫通孔内壁面の面積が同一径によるストレートな貫通孔である場合に比して大きくなり、貫通孔に充填された導電性樹脂組成物と導電層との導通接触が、増大された貫通孔内壁面(側周面)で確実に取られ、導電性樹脂組成物の導電層より上の部分(ヘッド状部)と導電層との接触面積確保から派生する諸問題から解放される。
【0017】
また、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられた多層配線基板用基材でも、孔径Da>孔径Dbを前提として、前記貫通孔の前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daが前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcより大きく、さらには、孔径Da、Db、Dcの相互の大小関係を、孔径Da>孔径Dc>孔径Dbとしたり、あるいは、前記貫通孔の前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcが前記境界部における前記導電層部分の孔径Daに等しいかあるいはそれより大きいものにすることができる。
【0018】
この発明による多層配線基板用基材では、絶縁性基材をポリイミド等の可撓性樹脂フィルムにより構成し、可撓性樹脂フィルムの一方の面に銅箔による導電層を貼り付けられている汎用の銅張樹脂基材を出発基材とすることができる。また、接着層は熱可塑性ポリイミドにより構成することができる。
【0019】
この発明による多層配線基板は、上述の発明による多層配線基板用基材を複数枚、重ねて接合したものである。
【0020】
また、上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の片面に配線パターンをなす導電層を設けられたものに、導電層と絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより導電層の外表面側の孔径Dbが小さい貫通孔を穿孔する穿孔工程、あるいは、導電層と絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより導電層の外表面側の孔径Dbが小さく、且つ、前記境界部における前記導電層部分の孔径Daが前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcより大きい貫通孔を穿孔する穿孔工程、あるいは、前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより前記導電層の外表面側の孔径Dbが小さく、且つ、前記境界部における前記導電層部分の孔径Daが前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcより大きく、しかも、前記孔径Da>前記孔径Dc>前記孔径Dbである貫通孔を穿孔する穿孔工程、あるいは、前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより前記導電層の外表面側の孔径Dbが小さく、且つ、前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcが前記境界部における前記導電層部分の孔径Daに等しいかあるいはそれより大きい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程とを有する。
【0021】
また、上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、導電層と絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより導電層の外表面側の孔径Dbが小さい貫通孔を穿孔する穿孔工程、あるいは、導電層と絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより導電層の外表面側の孔径Dbが小さく、且つ、前記境界部における前記導電層部分の孔径Daが前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcより大きい貫通孔を穿孔する穿孔工程、あるいは、前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより前記導電層の外表面側の孔径Dbが小さく、且つ、前記境界部における前記導電層部分の孔径Daが前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcより大きく、しかも、前記孔径Da>前記孔径Dc>前記孔径Dbである貫通孔を穿孔する穿孔工程、あるいは前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより前記導電層の外表面側の孔径Dbが小さく、且つ、前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcが前記境界部における前記導電層部分の孔径Daに等しいかあるいはそれより大きい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程とを有する。
【0022】
この発明による多層配線基板用基材の製造方法における前記穿孔工程は、絶縁性基材、あるいは、接着層と絶縁性基材とに所定の孔径の穴あけを行う第1穴あけ工程と、穴あけされた絶縁性基材、あるいは、接着層・絶縁性基材の側から等方性を有するエッチングによって導電層に穴あけを行う第2穴あけ工程とを含んでおり、第2穴あけ工程は、回路形成のための導電層のエッチングと同工程で行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
【0024】
(実施形態1)
図1はこの発明による一実施形態に係わる多層配線基板用基材の基本構成を示している。
【0025】
図1に示されている多層配線基板用基材は、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層11の一方の面に配線パターンをなす銅箔等による導電層12を、他方の面に層間接着のための接着層13を各々設けられ、接着層13と絶縁樹脂層11と導電層12とを貫通する貫通孔14を穿設されている。貫通孔14には導電性樹脂組成物15が充填され、IVH(バイアホール)を形成している。
【0026】
導電性樹脂組成物15は、導電機能を有する金属粉末を樹脂バインダに混入したものを溶剤を含む粘性媒体に混ぜてペースト状にした導電性ペーストであり、接着層13の側よりスクイジング等によって貫通孔14に満遍なく穴埋め充填される。
【0027】
FPCでは、絶縁樹脂層11は、全芳香族ポリイミド(API)等によるポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の可撓性を有する樹脂フィルムで構成され、絶縁樹脂層11と導電層12と接着層13との3層構造は、汎用の片面銅箔付きポリイミド基材(銅張樹脂基材)を出発基材として、ポリイミド部(絶縁樹脂層11)の銅箔(導電層12)とは反対側の面に接着層13としてポリイミド系接着材を貼付したもので構成できる。
【0028】
ポリイミド系接着材による接着層13は、熱可塑性ポリイミド(TPI)あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムの貼り付けにより形成することができる。熱可塑性ポリイミドの場合、基板の耐熱性を考慮し、ガラス転移点の高いものを使用するのが好ましい。
【0029】
貫通孔14は、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層12の外表面側の孔径Dbが小さく、すなわち、Da>Dbで、しかも、貫通孔14の導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daがこの境界部における絶縁樹脂層11の部分の孔径Dcより大きい、すなわち、Da>Dcに形成されている。更に、導電層12の外表面側の孔径Dbは前記境界部における絶縁樹脂層11の部分の孔径Dcより更に小さく、Da>Dc>Dbになっている。この貫通孔14の孔内全域に導電性樹脂組成物15が充填されている。
【0030】
これにより、貫通孔14のうち、導電層12を貫通する部分(孔)14A(図5(e)参照)の内壁面16が縦断面で見て曲面あるいは傾斜面で、貫通孔14は、導電層部分14Aにおいて、導電層外表面側が先細となるテーパ状、換言すれば、すり鉢状をなしている。
【0031】
貫通孔14の穿孔は、第1穴あけ工程として、絶縁樹脂層11および接着層13にレーザ加工あるいは異方性エッチングによって所定孔径(導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における絶縁樹脂層11部分の孔径Dc)による略ストレートな孔14B(図5(c)参照)をあけ、第1穴あけ工程完了後に、第2穴あけ工程として、穴あけされた接着層・絶縁樹脂層の側(図1にて上側)から、すなわち、孔14Bより等方性を有するエッチングによって導電層12に、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層12の外表面側の孔径Dbが小さい孔14Aをあける。
【0032】
導電層12を貫通する部分14Aの貫通孔14の内壁面形状は、等方性エッチングにおける縦方向進行速度と横方向進行速度との速度比等により決まり、エッチャントの選定により、全体が一つの曲率による湾曲面(球面)、異なる複数の曲率による湾曲面が滑らかに連続した曲面、その他、回転楕円面、回転放物線面、あるいは直線状の傾斜面等、任意のものにできる。
【0033】
この多層配線基板用基材では、貫通孔14の導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層12の外表面側の孔径Dbが小さいから、導電層12部分の貫通孔14の内壁面16が縦断面で見て曲面(近円弧面)あるいは傾斜面で、導電層12部分の貫通孔14は導電層外表面側が先細となるテーパ状になり、貫通孔内壁面16の面積が同一径によるストレートな貫通孔である場合に比して大きくなる。
【0034】
これにより、貫通孔14に充填された導電性樹脂組成物15と導電層12との導通接触が、増大された貫通孔内壁面(側周面)16で、所要の接触面積をもって信頼性高く行われ、導電性樹脂組成物の導電層より上の部分(ヘッド状部)と導電層との接触面積確保から派生する諸問題から解放される。
【0035】
図2はこの発明による多層配線基板の一つの実施形態を示している。この多層配線基板は、図1に示されている構造の多層配線基板用基材を、1層目の基材10Aと2層目の基材10Bとして、2枚重ね合わせ、1層目の基材10Aの接着層13によって1層目の基材10Aと2層目の基材10Bとを互いに接着接合してなる。2層目の基材10Bの接着層13上には表面部の配線パターンをなす銅箔による導電層17が形成されている。
【0036】
導電性樹脂組成物15を充填された各貫通孔14はIVHをなし、各貫通孔14の導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Da(図1参照)より導電層12の外表面側の孔径Db(図1参照)が小さく、導電層12部分の貫通孔14の内壁面16が縦断面で見て曲面(近円弧面)あるいは傾斜面で、導電層12部分の貫通孔14が導電層外表面側が先細となるテーパ状であるから、貫通孔内壁面16の面積が同一径によるストレートな貫通孔である場合に比して大きくなり、貫通孔14に充填された導電性樹脂組成物15と導電層12との導通接触が、増大された貫通孔内壁面16で取られ、従来のものように、導電性樹脂組成物の導電層より上の部分(ヘッド状部)を設けなくても、導電性樹脂組成物15と導電層12との接触面積を確保でき、基板の平滑性を低下させることなく、薄い多層配線基板を得ることができる。
【0037】
この発明による多層配線基板用基材は、図3に示されているように、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層21を、熱可塑性ポリイミド(TPI)あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したものなど、絶縁樹脂層自体が層間接着のための接着性を有するもので構成することができる。この場合には、絶縁樹脂層21の一方の面に配線パターンをなす銅箔等による導電層22を設け、他方の面の積層する接着層を省略できる。
【0038】
この多層配線基板用基材では、絶縁樹脂層21と導電層22とを貫通する貫通孔24を穿設され、その貫通孔24に導電性樹脂組成物25が充填されてIVH(バイアホール)が形成される。
【0039】
貫通孔24は、導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層22の外表面側の孔径Dbが小さく、すなわち、Da>Dbで、しかも、貫通孔24の導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における導電層12部分の孔径Daがこの境界部における絶縁樹脂層21の部分の孔径Dcより大きい、すなわち、Da>Dcに形成されている。更に、導電層22の外表面側の孔径Dbは前記境界部における絶縁樹脂層21の部分の孔径Dcより更に小さく、Da>Dc>Dbになっている。この貫通孔24の孔内全域に導電性樹脂組成物15が充填されている。
【0040】
これにより、貫通孔24のうち、導電層22を貫通する部分の内壁面26が縦断面で見て曲面あるいは傾斜面で、貫通孔24は、導電層22部分において、導電層外表面側が先細となるテーパ状、換言すれば、すり鉢状をなしている。
【0041】
貫通孔24の穿孔は、第1穴あけ工程として、絶縁樹脂層21にレーザ加工あるいは異方性エッチングによって所定孔径(導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における絶縁樹脂層21部分の孔径Dc)による略ストレートな孔をあけ、第1穴あけ工程完了後に、第2穴あけ工程として、穴あけされた絶縁樹脂層21の側(図3にて上側)から、すなわち、絶縁樹脂層21にあけられた孔より等方性を有するエッチングによって導電層22に、導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層22の外表面側の孔径Dbが小さい孔をあける。
【0042】
この場合も、導電層22を貫通する部分の貫通孔24の内壁面形状は、等方性エッチングにおける縦方向進行速度と横方向進行速度との速度比等により決まり、液状エッチャントの選定により、全体が一つの曲率による湾曲面(球面)、異なる複数の曲率による湾曲面が滑らかに連続した曲面、その他、回転楕円面、回転放物線面、あるいは直線状の傾斜面等、任意のものにできる。
【0043】
この多層配線基板用基材でも、貫通孔24の導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層22の外表面側の孔径Dbが小さいから、導電層12部分の貫通孔24の内壁面26が縦断面で見て曲面(近円弧面)あるいは傾斜面で、導電層22部分の貫通孔24は導電層外表面側が先細となるテーパ状になり、貫通孔内壁面26の面積が同一径によるストレートな貫通孔である場合に比して大きくなる。
【0044】
これにより、貫通孔24に充填された導電性樹脂組成物25と導電層22との導通接触が、増大された貫通孔内壁面(側周面)26で、所要の接触面積をもって信頼性高く行われ、導電性樹脂組成物の導電層より上の部分(ヘッド状部)と導電層との接触面積確保から派生する諸問題から解放される。
【0045】
図4はこの発明による多層配線基板の他の実施の形態を示している。この多層配線基板は、図3に示されている構造の多層配線基板用基材を、1層目の基材20Aと2層目の基材20Bとして、2枚重ね合わせ、1層目の基材20Aの接着性を有する絶縁樹脂層21によって1層目の基材20Aと2層目の基材20Bとを互いに接着接合してなる。2層目の基材20Bの絶縁樹脂層21上には表面部の配線パターンをなす銅箔による導電層27が形成されている。
【0046】
この多層配線基板でも、導電性樹脂組成物25を充填された各貫通孔24はIVHをなし、各貫通孔24の導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における導電層22部分の孔径Da(図3参照)より導電層22の外表面側の孔径Db(図3参照)が小さく、導電層22部分の貫通孔24の内壁面26が縦断面で見て曲面(近円弧面)あるいは傾斜面で、導電層22部分の貫通孔24が導電層外表面側が先細となるテーパ状であるから、貫通孔内壁面26の面積が同一径によるストレートな貫通孔である場合に比して大きくなり、貫通孔24に充填された導電性樹脂組成物25と導電層22との導通接触が、増大された貫通孔内壁面26で取られ、従来のものように、導電性樹脂組成物の導電層より上の部分(ヘッド状部)を設けなくても、導電性樹脂組成物25と導電層22との接触面積を確保でき、基板の平滑性を低下させることなく、薄い多層配線基板を得ることができる。
【0047】
つぎに、図1に示されている多層配線基板用基材の製造方法、およびその多層配線基板用基材による多層配線基板の製造方法の一実施形態を図5、図6を参照して詳細に説明する。
【0048】
まず、図5(a)、(b)に示されているように、絶縁樹脂層(ポリイミドフィルム)11の片面に銅箔による導電層12を設けられた基材の絶縁樹脂層11側に、熱可塑性ポリイミドあるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムを貼り付けて接着層13を形成し、接着層13側にPETによるマスキングテープ18を貼り付ける。
【0049】
つぎに、第1穴あけ工程として、図5(c)に示されているように、マスキングテープ18の側からレーザ光照射を行い、マスキングテープ18を貫通して導電層12を除いた部分、すなわち接着層13と絶縁樹脂層11とに、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における絶縁樹脂層11部分の孔径がDcとなるIVHのための略ストレートな孔14Bをあける。
【0050】
つぎに、図5(d)に示されているように、導電層12の表面に回路形成のためのエッチングレジスト19を形成し、図5(e)に示されているように、エッチングレジスト19をマスクとして導電層12側からエッチャントを侵蝕させて導電層12に回路形成のためのエッチングを施すと同時に、第2穴あけ工程として、接着層13、絶縁樹脂層11にあけられている孔14Bの側からもエッチャントを侵蝕させ、貫通孔形成のための等方性エッチングを導電層12に施し、導電層12にIVHのための孔14Aをあける。
【0051】
導電層12が銅箔の場合、導電層12に行う等方性エッチングは、塩化第2鉄を主成分とした水溶液や塩化第2銅を主成分としたエッチャントを用いて行うことができる。
【0052】
等方性エッチングの場合、サイドエッチングによって導電層12部分の貫通孔14(孔14A)の内壁面16は、図5(e)に示されているように、縦断面で見て曲面(近円弧面)あるいは傾斜面になり、導電層12部分の貫通孔14はアンダカットを含んで導電層外表面側が先細となるテーパ状になる。
【0053】
エッチングが完了すれば、図5(f)に示されているように、エッチングレジスト19を除去し、IVHのための貫通孔14が完成する。この場合、貫通孔14は、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層12の外表面側の孔径Dbが小さく、しかも、貫通孔14の導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daがこの境界部における絶縁樹脂層11部分の孔径Dcより大きいものになる。
【0054】
貫通孔14の穿孔が完了すれば、図5(g)に示されているように、スクリーン印刷で使用するようなスキージプレート51を使用してマスキングテープ18側から導電性樹脂組成物(導電ペースト)15をスクイジング(印刷法)によって貫通孔14に穴埋め充填する。図5(h)は、導電性樹脂組成物15の穴埋め充填完了状態を示している。
【0055】
導電性樹脂組成物15は、後の工程における加熱に対する酸化を避けるため、銀ペーストを使用した。この時、粘度を300dPa・sのものを使用したところ、銅箔部(導電層12)の孔14Aから導電ペーストが抜け落ちることなく的確に穴埋め充填することができた。なお、導電性樹脂組成物15としては、銀ペースト以外に、銅フィラーやカーボン混合物による導電性ペーストを使用することも可能である。
【0056】
基材にはPETによるマスキングテープ18が貼り付けられているから、メタルマスクやスクリーンマスクを介さず、スキージプレート51を基材に直接接触させて穴埋めを行うことができるが、メタルマスクやスクリーンマスクを介して穴埋めを行うこともでき、導電性樹脂組成物15の無駄を削減できる。
【0057】
貫通孔14は、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層12の外表面側の孔径Dbが小さく、IVH(貫通孔14)断面の導電層12部分の形状が近円弧状であるため、銅箔部(導電層12)と導電性樹脂組成物15との密着が導電層12部分の貫通孔14の内壁面(側周面)16で十分に行われる。
【0058】
導電層12部分の貫通孔14の孔径は、導電性樹脂組成物15との接触抵抗からの要求に加えて、導電性樹脂組成物15の粘度やチキソ性といった諸特性に応じ、気泡の残留と導電性樹脂組成物15の脱落を回避できるように選択することになり、30〜50μm程度になる。
【0059】
導電性樹脂組成物15の充填が完了すれば、図5(i)に示されているように、メマスキングテープ18を外して1枚の基材10Aを完成する。
【0060】
この基材10Aを1層目の基材とし、図5(a)〜(i)に示されているこれまでと同様の製法で作製した基材10Bと、銅箔による導電層17を各々適当な位置合わせ法によって位置合わせしつつ積層加熱圧着(ラミネーション)することで、図6(a)、(b)に示されているように、多層化が達成される。
【0061】
ラミネーションの際、基板を真空下に曝しながら加熱圧着することで、導電層12による回路パターンの凹凸に対する接着層13の追従性を高くすることができる。また、導電性樹脂組成物15が柔らかい状態で積層を行い、導電性樹脂組成物15と他層の銅箔との接触を密接にすることができる。
【0062】
最後に、図6(c)に示されているように、最外層の導電層17をエッチングによって回路形成することで、多層配線板として完成を見る。
【0063】
なお、図3に示されている多層配線基板用基材、およびその多層配線基板用基材による多層配線基板も、上述した製造方法と同等の製造方法によって製造することができる。
【0064】
(実施形態2)
図7(a)、(b)はこの発明による他の実施形態に係わる多層配線基板用基材の基本構成を示している。なお、図7(a)、(b)において、図1に対応する部分は、図1に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0065】
図7(a)、(b)に示されている多層配線基板用基材は、図1に示されているものと同様に、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層11の一方の面に配線パターンをなす銅箔等による導電層12を、他方の面に層間接着のための接着層13を各々設けられ、接着層13と絶縁樹脂層11と導電層12とを貫通する貫通孔14を穿設されている。貫通孔14には導電性樹脂組成物15が充填され、IVH(バイアホール)を形成している。
【0066】
この実施の形態でも、FPCでは、絶縁樹脂層11は、全芳香族ポリイミド(API)等によるポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の可撓性を有する樹脂フィルムで構成でき、絶縁樹脂層11と導電層12と接着層13との3層構造は、汎用の片面銅箔付きポリイミド基材(銅張樹脂基材)を出発基材として、ポリイミド部(絶縁樹脂層11)の銅箔(導電層12)とは反対側の面に接着層13としてポリイミド系接着材を貼付したもので構成できる。
【0067】
また、導電性樹脂組成物15は、導電機能を有する金属粉末を樹脂バインダに混入したものを溶剤を含む粘性媒体に混ぜてペースト状にした導電性ペーストであってよく、接着層13の側よりスクイジング等によって貫通孔14に満遍なく穴埋め充填される。
【0068】
ここで、図7(a)に示す実施形態では、貫通孔14は、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層12の外表面側の孔径Dbが小さく、すなわち、Da>Dbで、しかも、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における絶縁樹脂層11部分の孔径Dcが、この境界部における導電層12部分の孔径Daに等しいか、これより少し大きい、すなわち、Dc≧Daに形成され、孔内全域に導電性樹脂組成物15を充填されている。
【0069】
これにより、貫通孔14のうち、導電層12を貫通する部分(孔)14A(図5(e)参照)の内壁面16が縦断面で見て曲面あるいは傾斜面で、貫通孔14は、導電層部分14Aにおいて、導電層外表面側が先細となるテーパ状、換言すれば、すり鉢状をなしている。
【0070】
貫通孔14の穿孔は、第1穴あけ工程として、絶縁樹脂層11および接着層13にレーザ加工あるいは異方性エッチングによって所定孔径による略ストレートな孔14B(図11(c)参照)をあけ、第1穴あけ工程完了後に、第2穴あけ工程として、穴あけされた接着層・絶縁樹脂層の側(図7にて上側)から、すなわち、孔14Bより等方性を有するエッチングによって導電層12に、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層12の外表面側の孔径Dbが小さい孔14Aをあけ、この後に、第3穴あけ工程として、絶縁樹脂層11および接着層13の孔14Bを、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における絶縁樹脂層11部分の孔径Dcがこの境界部における導電層12部分の孔径Daに等しいか、これより少し大きい孔14C(図11(g)参照)に拡大する。
【0071】
この場合も、導電層12を貫通する部分14Aの貫通孔14の内壁面形状は、等方性エッチングにおける縦方向進行速度と横方向進行速度との速度比等により決まり、エッチャントの選定により、全体が一つの曲率による湾曲面(球面)、異なる複数の曲率による湾曲面が滑らかに連続した曲面、その他、回転楕円面、回転放物線面、あるいは直線状の傾斜面等、任意のものにできる。
【0072】
この多層配線基板用基材では、貫通孔14の導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層12の外表面側の孔径Dbが小さいから、導電層12部分の貫通孔14の内壁面16が縦断面で見て曲面(近円弧面)あるいは傾斜面で、導電層12部分の貫通孔14は導電層外表面側が先細となるテーパ状になり、貫通孔内壁面16の面積が同一径によるストレートな貫通孔である場合に比して大きくなる。
【0073】
これにより、貫通孔14に充填された導電性樹脂組成物15と導電層12との導通接触が、増大された貫通孔内壁面(側周面)16で、所要の接触面積をもって信頼性高く行われ、導電性樹脂組成物の導電層より上の部分(ヘッド状部)と導電層との接触面積確保から派生する諸問題から解放される。
【0074】
しかも、貫通孔14の導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における絶縁樹脂層11部分の孔径Dcが、この境界部における導電層12部分の孔径Daに等しいか、あるいはこれより少し大きいことにより、接着層13の側から貫通孔14内に行われる導電性樹脂組成物15の充填において、それの充填流れに対して淀み領域になるアンダカット領域がなく、貫通孔14内に気泡が残留することがなく、導電層12部分の貫通孔14の内壁面16における導電性樹脂組成物15と導電層12との導通接触が所要の面積をもって確実に行われるようになる。
【0075】
図7(b)は、図7(a)に示した実施形態の変形例である。ここで、図7(b)に示す変形例では、貫通孔14は、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層12の外表面側の孔径Dbが小さく、すなわち、Da>Dbで、しかも、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における絶縁樹脂層11部分の孔径Dcが、この境界部における導電層12部分の孔径Daより大きい、すなわち、Dc>Daに形成され、孔内全域に導電性樹脂組成物15を充填されている。
【0076】
すなわち、この図7(b)に示した変形例によれば、図7(a)に示した実施形態の効果に加え、導電性樹脂組成物15と導電層12との接触面積が図7(b)のEで示す部分だけ拡大するので、より接続性が向上する効果がある。
【0077】
図8はこの発明による多層配線基板の他の実施形態を示している。この多層配線基板は、図7に示されている構造の多層配線基板用基材を、1層目の基材10Aと2層目の基材10Bとして、2枚重ね合わせ、1層目の基材10Aの接着層13によって1層目の基材10Aと2層目の基材10Bとを互いに接着接合してなる。2層目の基材10Bの接着層13上には表面部の配線パターンをなす銅箔による導電層17が形成されている。
【0078】
導電性樹脂組成物15を充填された各貫通孔14はIVHをなし、各貫通孔14の導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Da(図7参照)より導電層12の外表面側の孔径Db(図7参照)が小さく、導電層12部分の貫通孔14の内壁面16が縦断面で見て曲面(近円弧面)あるいは傾斜面で、導電層12部分の貫通孔14が導電層外表面側が先細となるテーパ状であるから、貫通孔内壁面16の面積が同一径によるストレートな貫通孔である場合に比して大きくなり、貫通孔14に充填された導電性樹脂組成物15と導電層12との導通接触が、増大された貫通孔内壁面16で取られ、従来のものように、導電性樹脂組成物の導電層より上の部分(ヘッド状部)を設けなくても、導電性樹脂組成物15と導電層12との接触面積を確保でき、基板の平滑性を低下させることなく、薄い多層配線基板を得ることができる。
【0079】
しかも、貫通孔14の導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における絶縁樹脂層11部分の孔径Dc(図7参照)が、この境界部における導電層12部分の孔径Daに等しいか、あるいはこれより少し大きいことにより、
接着層13の側から貫通孔14内に行われる導電性樹脂組成物15の充填において、それの充填流れに対して淀み領域になるアンダカット領域がなく、貫通孔14内に気泡が残留することがなく、導電層12部分の貫通孔14の内壁面16における導電性樹脂組成物15と導電層12との導通接触が所要の面積をもって確実に行われるようになる。
【0080】
この実施の形態においても、多層配線基板用基材は、図9に示されているように、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層21を、熱可塑性ポリイミド(TPI)あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したものなど、絶縁樹脂層自体が層間接着のための接着性を有するもので構成することができる。この場合には、絶縁樹脂層21の一方の面に配線パターンをなす銅箔等による導電層22を設け、他方の面の積層する接着層を省略できる。
【0081】
この多層配線基板用基材では、絶縁樹脂層21と導電層22とを貫通する貫通孔24を穿設され、その貫通孔24に導電性樹脂組成物25が充填されてIVH(バイアホール)が形成される。
【0082】
貫通孔24は、導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層22の外表面側の孔径Dbが小さく、すなわち、Da>Dbで、しかも、導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における絶縁樹脂層21部分の孔径Dcが、この境界部における導電層12部分の孔径Daに等しいか、これより少し大きい、すなわち、Dc≧Daに形成され、孔内全域に導電性樹脂組成物15を充填されている。
【0083】
これにより、貫通孔24のうち、導電層22を貫通する部分の内壁面26が縦断面で見て曲面あるいは傾斜面で、貫通孔24は、導電層22部分において、導電層外表面側が先細となるテーパ状、換言すれば、すり鉢状をなしている。
【0084】
貫通孔24の穿孔は、第1穴あけ工程として、絶縁樹脂層21にレーザ加工あるいは異方性エッチングによって所定孔径による略ストレートな孔をあけ、第1穴あけ工程完了後に、第2穴あけ工程として、穴あけされた絶縁樹脂層21の側(図9にて上側)から、すなわち、絶縁樹脂層21にあけられた孔より等方性を有するエッチングによって導電層22に、導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における導電層22部分の孔径Daより導電層22の外表面側の孔径Dbが小さい孔をあけ、この後に、第3穴あけ工程として、絶縁樹脂層21の孔24Bを、貫通孔24の導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における絶縁樹脂層21の孔径Dcが、この境界部における導電層12部分の孔径Daに等しいか、これより少し大きい孔に拡大する。
【0085】
この場合も、導電層22を貫通する部分の貫通孔24の内壁面形状は、等方性エッチングにおける縦方向進行速度と横方向進行速度との速度比等により決まり、液状エッチャントの選定により、全体が一つの曲率による湾曲面(球面)、異なる複数の曲率による湾曲面が滑らかに連続した曲面、その他、回転楕円面、回転放物線面、あるいは直線状の傾斜面等、任意のものにできる。
【0086】
この多層配線基板用基材でも、貫通孔24の導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における導電層22部分の孔径Daより導電層22の外表面側の孔径Dbが小さいから、導電層22部分の貫通孔24の内壁面26が縦断面で見て曲面(近円弧面)あるいは傾斜面で、導電層22部分の貫通孔24は導電層外表面側が先細となるテーパ状になり、貫通孔内壁面26の面積が同一径によるストレートな貫通孔である場合に比して大きくなる。
【0087】
これにより、貫通孔24に充填された導電性樹脂組成物25と導電層22との導通接触が、増大された貫通孔内壁面(側周面)26で、所要の接触面積をもって信頼性高く行われ、導電性樹脂組成物の導電層より上の部分(ヘッド状部)と導電層との接触面積確保から派生する諸問題から解放される。
【0088】
しかも、通孔24の導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における絶縁樹脂層21部分の孔径Dcが、この境界部における導電層12部分の孔径Daに等しいか、これより少し大きいことにより、絶縁樹脂層21の側から貫通孔24内に行われる導電性樹脂組成物25の充填において、それの充填流れに対して淀み領域になるアンダカット領域がなく、貫通孔24内に気泡が残留することがなく、導電層22部分の貫通孔24の内壁面26における導電性樹脂組成物25と導電層22との導通接触が所要の面積をもって確実に行われるようになる。
【0089】
図10はこの発明による多層配線基板の他の実施形態を示している。この多層配線基板は、図9に示されている構造の多層配線基板用基材を、1層目の基材20Aと2層目の基材20Bとして、2枚重ね合わせ、1層目の基材20Aの接着性を有する絶縁樹脂層21によって1層目の基材20Aと2層目の基材20Bとを互いに接着接合してなる。2層目の基材20Bの絶縁樹脂層21上には表面部の配線パターンをなす銅箔による導電層27が形成されている。
【0090】
この多層配線基板でも、導電性樹脂組成物25を充填された各貫通孔24はIVHをなし、各貫通孔24の導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における導電層22部分の孔径Da(図9参照)より導電層22の外表面側の孔径Db(図9参照)が小さく、導電層22部分の貫通孔24の内壁面26が縦断面で見て曲面(近円弧面)あるいは傾斜面で、導電層22部分の貫通孔24が導電層外表面側が先細となるテーパ状であるから、貫通孔内壁面26の面積が同一径によるストレートな貫通孔である場合に比して大きくなり、貫通孔24に充填された導電性樹脂組成物25と導電層22との導通接触が、増大された貫通孔内壁面26で取られ、従来のものように、導電性樹脂組成物の導電層より上の部分(ヘッド状部)を設けなくても、導電性樹脂組成物25と導電層22との接触面積を確保でき、基板の平滑性を低下させることなく、薄い多層配線基板を得ることができる。
【0091】
しかも、貫通孔24の導電層22と絶縁樹脂層21との境界部における絶縁樹脂層21部分の孔径Dc(図9参照)が、この境界部における導電層22部分の孔径Daに等しいか、これより少し大きいことにより、絶縁樹脂層21の側から貫通孔24内に行われる導電性樹脂組成物25の充填において、それの充填流れに対して淀み領域になるアンダカット領域がなく、貫通孔24内に気泡が残留することがなく、導電層22部分の貫通孔24の内壁面26における導電性樹脂組成物25と導電層22との導通接触が所要の面積をもって確実に行われるようになる。
【0092】
つぎに、図7に示されている多層配線基板用基材の製造方法、およびその多層配線基板用基材による多層配線基板の製造方法の一実施形態を図11、図12を参照して詳細に説明する。
【0093】
まず、図11(a)、(b)に示されているように、絶縁樹脂層(ポリイミドフィルム)11の片面に銅箔による導電層12を設けられた基材の絶縁樹脂層11側に、熱可塑性ポリイミドあるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムを貼り付けて接着層13を形成し、接着層13側にPETによるマスキングテープ18を貼り付ける。
【0094】
つぎに、第1穴あけ工程として、図11(c)に示されているように、マスキングテープ18の側からレーザ光照射を行い、マスキングテープ18を貫通して導電層12を除いた部分、すなわち接着層13と絶縁樹脂層11とに、所定孔径によるIVHのための略ストレートな孔14Bをあける。
【0095】
つぎに、図11(d)に示されているように、導電層12の表面に回路形成のためのエッチングレジスト19を形成し、図11(e)に示されているように、エッチングレジスト19をマスクとして導電層12側からエッチャントを侵蝕させて導電層12に回路形成のためのエッチングを施すと同時に、第2穴あけ工程として、接着層13、絶縁樹脂層11にあけられている孔14Bの側からもエッチャントを侵蝕させ、貫通孔形成のための等方性エッチングを導電層12に施し、導電層12にIVHのための孔14Aをあける。
【0096】
導電層12が銅箔の場合、導電層12に行う等方性エッチングは、塩化第2鉄を主成分とした水溶液や塩化第2銅を主成分としたエッチャントを用いて行うことができる。
【0097】
等方性エッチングの場合、サイドエッチングによって導電層12部分の貫通孔14(孔14A)の内壁面16は、図11(e)に示されているように、縦断面で見て曲面(近円弧面)あるいは傾斜面になり、導電層12部分の貫通孔14はアンダカットを含んで導電層外表面側が先細となるテーパ状になる。
【0098】
エッチングが完了すれば、図11(f)に示されているように、エッチングレジスト19を除去し、その後に、図11(g)に示されているように、第3穴あけ工程として、接着層13、絶縁樹脂層11にあけられている孔14Bの孔径を、レーザ加工によって、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daとほぼ等しい孔径Dcに拡大し、IVHのための貫通孔14が完成する。この場合、貫通孔14は、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層12の外表面側の孔径Dbが小さく、しかも、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における絶縁樹脂層11部分の孔径Dcが、この境界部における導電層12部分の孔径Daにほぼ等しいものになる。
【0099】
貫通孔14の穿孔が完了すれば、図11(h)に示されているように、スクリーン印刷で使用するようなスキージプレート51を使用してマスキングテープ18側から導電性樹脂組成物(導電ペースト)15をスクイジング(印刷法)によって貫通孔14に穴埋め充填する。図11(i)は、導電性樹脂組成物15の穴埋め充填完了状態を示している。
【0100】
貫通孔14は、導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における導電層12部分の孔径Daより導電層12の外表面側の孔径Dbが小さく、IVH(貫通孔14)断面の導電層12部分の形状が近円弧状であるため、銅箔部(導電層12)と導電性樹脂組成物15との密着が導電層12部分の貫通孔14の内壁面(側周面)16で十分に行われる。しかも、貫通孔14の導電層12と絶縁樹脂層11との境界部における絶縁樹脂層11部分の孔径Dcが、この境界部における導電層12部分の孔径Daにほぼ等しいことにより、接着層13の側から貫通孔14内に行われる導電性樹脂組成物15の充填において、それの充填流れに対して淀み領域になるアンダカット領域がなく、貫通孔14内に有害な気泡が残留することがない。
【0101】
導電性樹脂組成物15の充填が完了すれば、図11(j)に示されているように、メマスキングテープ18を外して1枚の基材10Aを完成する。
【0102】
この基材10Aを1層目の基材とし、図11(a)〜(j)に示されているこれまでと同様の製法で作製した基材10Bと、銅箔による導電層17を各々適当な位置合わせ法によって位置合わせしつつ積層加熱圧着(ラミネーション)することで、図12(a)、(b)に示されているように、多層化が達成される。
【0103】
ラミネーションの際、基板を真空下に曝しながら加熱圧着することで、導電層12による回路パターンの凹凸に対する接着層13の追従性を高くすることができる。また、導電性樹脂組成物15が柔らかい状態で積層を行い、導電性樹脂組成物15と他層の銅箔との接触を密接にすることができる。
【0104】
最後に、図12(c)に示されているように、最外層の導電層17をエッチングによって回路形成することで、多層配線板として完成を見る。
【0105】
なお、図9に示されている多層配線基板用基材、およびその多層配線基板用基材による多層配線基板も、上述した製造方法と同等の製造方法によって製造することができる。
【0106】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、いずれも、フレキシブルプリント配線板について述べたが、この発明はこれに限られることはなく、絶縁性基材がエポキシ樹脂系やプリプレグ等によるリジットタイプのプリント配線板にも同様に適用できる。
【0107】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法によれば、貫通孔の孔径が、導電層と絶縁性基材との境界部における導電層部分の孔径Daより導電層の外表面側の孔径Dbのほうが小さく、導電層部分の貫通孔の内壁面が縦断面で見て曲面(近円弧面)あるいは傾斜面で、導電層外表面側が先細となるテーパ状の貫通孔になるから、貫通孔内壁面の面積が同一径によるストレートな貫通孔である場合に比して大きくなり、貫通孔に充填された導電性樹脂組成物と導電層との導通接触が、増大された貫通孔内壁面(側周面)で確実に取られ、導電性樹脂組成物の導電層より上の部分(ヘッド状部)と導電層との接触面積確保から派生する諸問題から解放され、導電性樹脂組成物と導電層との導通が高い信頼性をもって安定して行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1に係わる多層配線基板用基材の基本構成を示す断面図である。
【図2】この発明の実施形態1に係わる多層配線基板を示す断面図である。
【図3】この発明の実施形態1に係わる多層配線基板用基材の他の基本構成を示す断面図である。
【図4】この発明の実施形態1に係わる多層配線基板を示す断面図である。
【図5】(a)〜(i)はこの発明の実施形態1に係わる多層配線基板用基材の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図6】(a)〜(c)はこの発明の実施形態1に係わる多層配線基板の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図7】(a)はこの発明の実施形態2に係わる多層配線基板用基材の基本構成を示す断面図であり、(b)はその変形例である。
【図8】この発明の実施形態2に係わる多層配線基板を示す断面図である。
【図9】この発明の実施形態2に係わる多層配線基板用基材の他の基本構成を示す断面図である。
【図10】この発明の実施形態2に係わる多層配線基板を示す断面図である。
【図11】(a)〜(j)はこの発明の実施形態2に係わる多層配線基板用基材の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図12】(a)〜(c)はこの発明の実施形態2に係わる多層配線基板の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図13】従来の多層配線基板用基材のIVH構造を示す断面図である。
【図14】従来の多層配線基板用基材のIVH構造における不具合を示す断面図である。
【符号の説明】
10A 1層目の基材
10B 2層目の基材
11 絶縁樹脂層
12 導電層
13 接着層
14 貫通孔
15 導電性樹脂組成物
16 内壁面
17 導電層
20A 1層目の基材
20B 2層目の基材
21 絶縁樹脂層
22 導電層
24 貫通孔
25 導電性樹脂組成物
26 内壁面
27 導電層

Claims (8)

  1. 絶縁性基材の片面に配線パターンをなす導電層を設けられたものに、前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより前記導電層の外表面側の孔径Dbが小さい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、
    導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程と、を有し、
    前記穿孔工程は、絶縁性基材に所定の孔径の穴あけを行う第1穴あけ工程と、穴あけされた絶縁性基材の側から等方性を有するエッチングによって導電層に穴あけを行う第2穴あけ工程とを含んでおり、前記第2穴あけ工程は、回路形成のための導電層のエッチングと同工程で行う多層配線基板用基材の製造方法。
  2. 絶縁性基材の片面に配線パターンをなす導電層を設けられたものに、前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより前記導電層の外表面側の孔径Dbが小さく、且つ、前記境界部における前記導電層部分の孔径Daが前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcより大きい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、
    導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程と、を有し、
    前記穿孔工程は、絶縁性基材に所定の孔径の穴あけを行う第1穴あけ工程と、穴あけされた絶縁性基材の側から等方性を有するエッチングによって導電層に穴あけを行う第2穴あけ工程とを含んでおり、前記第2穴あけ工程は、回路形成のための導電層のエッチングと同工程で行う多層配線基板用基材の製造方法。
  3. 絶縁性基材の片面に配線パターンをなす導電層を設けられたものに、前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより前記導電層の外表面側の孔径Dbが小さく、且つ、前記境界部における前記導電層部分の孔径Daが前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcより大きく、しかも、前記孔径Da>前記孔径Dc>前記孔径Dbである貫通孔を穿孔する穿孔工程と、
    導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程と、を有し、
    前記穿孔工程は、絶縁性基材に所定の孔径の穴あけを行う第1穴あけ工程と、穴あけされた絶縁性基材の側から等方性を有するエッチングによって導電層に穴あけを行う第2穴あけ工程とを含んでおり、前記第2穴あけ工程は、回路形成のための導電層のエッチングと同工程で行う多層配線基板用基材の製造方法。
  4. 絶縁性基材の片面に配線パターンをなす導電層を設けられたものに、前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより前記導電層の外表面側の孔径Dbが小さく、且つ、前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcが前記境界部における前記導電層部分の孔径Daに等しいかあるいはそれより大きい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、
    導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程と、を有し、
    前記穿孔工程は、絶縁性基材に所定の孔径の穴あけを行う第1穴あけ工程と、穴あけされた絶縁性基材の側から等方性を有するエッチングによって導電層に穴あけを行う第2穴あけ工程とを含んでおり、前記第2穴あけ工程は、回路形成のための導電層のエッチングと同工程で行う多層配線基板用基材の製造方法。
  5. 絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより前記導電層の外表面側の孔径Dbが小さい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、
    導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程と、を有し、
    前記穿孔工程は、接着層と絶縁性基材とに所定の孔径の穴あけを行う第1穴あけ工程と、穴あけされた接着層・絶縁性基材の側から等方性を有するエッチングによって導電層に穴あけを行う第2穴あけ工程とを含み、前記第2穴あけ工程は、回路形成のための導電層のエッチングと同工程で行う多層配線基板用基材の製造方法。
  6. 絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、導電層と絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより導電層の外表面側の孔径Dbが小さく、且つ、前記境界部における前記導電層部分の孔径Daが前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcより大きい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、
    導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程と、を有し、
    前記穿孔工程は、接着層と絶縁性基材とに所定の孔径の穴あけを行う第1穴あけ工程と、穴あけされた接着層・絶縁性基材の側から等方性を有するエッチングによって導電層に穴あけを行う第2穴あけ工程とを含み、前記第2穴あけ工程は、回路形成のための導電層のエッチングと同工程で行う多層配線基板用基材の製造方法。
  7. 絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより前記導電層の外表面側の孔径Dbが小さく、且つ、前記境界部における前記導電層部分の孔径Daが前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcより大きく、しかも、前記孔径Da>前記孔径Dc>前記孔径Dbである貫通孔を穿孔する穿孔工程と、
    導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程と、を有し、
    前記穿孔工程は、接着層と絶縁性基材とに所定の孔径の穴あけを行う第1穴あけ工程と、穴あけされた接着層・絶縁性基材の側から等方性を有するエッチングによって導電層に穴あけを行う第2穴あけ工程とを含み、前記第2穴あけ工程は、回路形成のための導電層のエッチングと同工程で行う多層配線基板用基材の製造方法。
  8. 絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、前記導電層と前記絶縁性基材との境界部における前記導電層部分の孔径Daより前記導電層の外表面側の孔径Dbが小さく、且つ、前記境界部における前記絶縁性基材部分の孔径Dcが前記境界部における前記導電層部分の孔径Daに等しいかあるいはそれより大きい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、
    導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程と、を有し、
    前記穿孔工程は、接着層と絶縁性基材とに所定の孔径の穴あけを行う第1穴あけ工程と、穴あけされた接着層・絶縁性基材の側から等方性を有するエッチングによって導電層に穴あけを行う第2穴あけ工程とを含み、前記第2穴あけ工程は、回路形成のための導電層のエッチングと同工程で行う多層配線基板用基材の製造方法。
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