JP4006149B2 - ポンプ水車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
同一のランナーを使って、回転方向を変えて、ポンプ,水車両方の運転を可能にしたポンプ水車に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、ポンプ水車、特に高揚程ポンプ水車のランナーは、ポンプ運転時に高揚程を得るために、充分なる遠心ポンプ作用を発揮するように設計される。
【0003】
しかしながら、この設計が、ポンプ水車の水車運転には悪影響を与える。特に一例として後述のS字特性と呼ばれる特性が現れる場合には、これを完全に回避するのは難しいと考えられている。ポンプ水車の流量特性は、一般に、案内羽根開度をパラメータにして単位落差当り回転数(N1=N/√H)と単位落差当り流量(Q1=N/√H)との関係を示す一群の特性曲線で表す。他方、ポンプ水車のトルク特性は、案内羽根開度をパラメータにして単位落差当り回転数(N1=N/√H)と単位落差当りトルク(T1=T/H)との関係を示す一群の特性曲線で表す。なお、これら2種類の特性曲線を総称して完全特性と呼ぶ。そして、上記流量特性曲線は、水車運転領域において、N1の値の増加に伴ってQ1の値が減少する第1の部分と、N1の値の減少に伴ってQ1の値が減少する第2の部分とを有する。説明の便宜上、本明細書においては、前記第2の部分を、S字特性部分と称する。更に、S字特性部分におけるポンプ水車の特性を、以後、S字特性と称する。S字特性部分における水車運転にあっては、単位落差当りトルク(T1)もまた、単位落差当り回転数(N1)の減少に伴い、減少する。
【0004】
ポンプ水車の水車モードの通常運転は、上記第1の部分において行われる。しかしながら、負荷しゃ断により、単位落差当りの回転数(N1)が急激に大きく増加する場合は、ポンプ水車は、S字特性部分において運転されることになる。S字特性部分における運転が開始されると、ポンプ水車の運転点はS字特性部分を一端から他端へとたどりつつ、まず単位落差当りの流量(Q1)と単位落差当りの回転数(N1)は減少する。その後、今度は振子が振返すようにS字特性部分を逆方向にたどりつつ、Q1とN1は増加する。S字特性部分におけるこの往復運動は、案内羽根開度を閉めない限りいつまでも継続する。この間、単位落差当りのトルク(T1)も、減少と増加をくり返す。
【0005】
水車運転領域においてS字特性を有するポンプ水車の特性を、図11(A)および図11(B)に示す。図11(A)においては、ポンプ水車の特性が、案内羽根開度をパラメータにとり、単位落差当りの回転数(N1)と単位落差当りの流量(Q1)との関係として示されている。一方、図11(B)においては、ポンプ水車の特性が、同じパラメータにより、単位落差当りの回転数(N1)と単位落差当りのトルク(T1)との関係として示されている。
【0006】
上記において、符号N,Q,HおよびTは、それぞれ、ポンプ水車の回転数,流量,有効落差およびトルクを示す。
【0007】
特性曲線1および1′は、所定の比較的大きな案内羽根開度の下で得られる。特性曲線2および2′は、それよりも小さな案内羽根開度の下で得られる。特性曲線3および3′は更にそれよりも小さい案内羽根開度の下で得られる。
【0008】
特性曲線1のa−d−h部分においては、Q1の値は、N1の減少に伴い減少する。上述の様に、この曲線部分a−d−hを、本明細書においては、S字特性部分と称する。同様に、曲線部分b−e−iは、特性曲線2のS字特性部分であり、曲線部分c−f−jは、特性曲線3のS字特性部分である。一見して明らかなように、特性曲線1のS字特性部分a−d−hは、特性曲線2のS字特性部分b−e−iより長く、特性曲線2のS字特性部分b−e−iは、特性曲線3のS字特性部分c−f−jよりも長い。このことは、案内羽根開度が小さくなるとS字特性部分の長さが短くなることを意味する。
【0009】
図11(A)におけると同様に、図11(B)においても、曲線部分a′−d′−h′,b′−e′−i′およびc′−f′−j′は、それぞれ特性曲線1′,2′および3′のS字特性部分である。
【0010】
図11(B)は、図11(A)と密接な関係がある。例えば、図11(A)の曲線3上のQ1=Q1x,N1=N1xを満たす点xは、図11(B)の曲線3′上の点x′に対応している。点x′は、T1=T1x′,N1=N1x′(=N1x)を満たす点である。同様に、図11(A)における点a,b,c,d,e,f,h,iおよびjはそれぞれ図11(B)における点a′,b′,c′,d′,e′,f′,h′,i′およびj′に対応している。
【0011】
曲線nrは、無負荷流量曲線である。曲線1,2,3と曲線nrとの交点α,β,γは、それぞれ、曲線1′,2′,3′と直線T1=0との交点α′,β′,γ′に対応している。
【0012】
次に、特性曲線1と1′を参照しながらポンプ水車の水車運転(発電運転)について説明を行う。上述したように特性曲線1を1′に対応する特性は、案内羽根開度を比較的大きな値にした時に得られる。通常は、ポンプ水車の水車運転は、特性曲線1の上部、すなわち、S字特性部分a−d−hより上部の曲線部分において行われる。しかしながら、もし例えばポンプ水車に加わっている負荷が突然失われた場合は、ポンプ水車の回転数(N)が急激に増加するので、N1の値も急激に増加する。こうして、ポンプ水車は、S字特性部分において運転され始まる。運転点が一旦S字特性部分に入ると、ポンプ水車の回転数(N)の低下によりN1の値が低下すると、Q1の値が低下し、ポンプ水車流量(Q)が減少する。この様子を詳しく説明すると図12になる。なお、Hの値、すなわちポンプ水車入口とポンプ水車出口との水頭差は、流量Qの減少に伴って上昇する。このようにして一旦N1の値が減少すると、流量Qが減少し、流量Qの減少は、ポンプ水車の有効落差Hの増加をもたらす。この有効落差Hの増加は、更にN1の減少をもたらし、N1の減少は、更にQ1の減少をもたらす。このようにして、一旦S字特性部分における運転が始まると、Q1とN1は、S字特性部分をQ1減少方向、すなわち点aから点dの方向にたどりつつ、加速度的に、減少する。もちろん、この間に管路摩擦等の減衰作用も働くのでQの減少の進展にも自ずと抑制が作用することは言うまでもない。とにかく、Q1とN1は、正帰還制御回路におけると同様に、加速度的に、減少する傾向がある。
【0013】
ポンプ水車の運転点がS字特性部分を点aから点hまでたどり終えると、上記の現象は、負帰還制御回路におけると同様に次第に緩和され、その後、反転し、やがてS字特性部分をQ1増加方向、すなわち点hを少し過ぎた点から点aへたどることになる。S字特性部分を逆方向にたどるのも矢張り正帰還制御回路と同様の様式で行われる。図13はこの振れ戻し作用を説明するものである。
【0014】
負荷遮断後、ポンプ水車の案内羽根を閉鎖せずに放置した場合には、ポンプ水車の運転点は当該案内羽根に相当するS字特性曲線上を、上記のように往復運動する。このようにポンプ水車特性任せの運転は有害で、場合によっては危険である。なぜならば、ポンプ水車流量は増減を繰り返し、水力発電所各水路系に激しい水撃が繰り返し発生するからである。
【0015】
S字特性部分における運転に伴うこのような悪影響は、S字特性部分の長さが短くなければ減少する。例えば、もし案内羽根開度を小さくして、より短いS字特性部分b−e−iを有する特性曲線2に従ってポンプ水車を運転するならば、S字特性に伴う悪影響は軽減される。
【0016】
S字特性部分におけるポンプ水車の運転は、ポンプ水車のトルクTにも悪影響を与える。S字特性部分においてN1の値が減少すると、図11(B)に示すように、T1の値が減少する。ここで再び図11(A)に示される特性曲線1上の点aとhは、図11(B)に示される特性曲線1′上の点a′とh′にそれぞれ対応することに注意しなければならない。
【0017】
有効落差Hが一定であると仮定すれば、T1減少は、ポンプ水車トルクTの減少を意味する。更に、ポンプ水車トルクTの減少が、ポンプ水車回転数Nの減少をもたらすことは明白である。ポンプ水車回転数Nが減少すると、それに対応してN1が減少し、次にT1が更に減少することになる。現実にはこの間に前記したように有効落差Hが増加しているのでこの加速傾向は益々強まる。このようにして、ポンプ水車は、特性曲線1を、Q1減少方向にたどる間、同時に特性曲線1′を点a′から点h′へとたどっていることになる。そのたどり方は、正帰還制御回路の場合と同様である。その後、S字特性部分をたどる方向が逆転すると、特性曲線1′は点h′から点a′の方向へと、たどることになる。明らかに、上述したようなトルク変動は、不利益である。
【0018】
負荷遮断後ポンプ水車の運転点がS字特性を辿り下っている時に案内羽根を速く閉めるのは危険である。N1の低下を助長する作用が働くためである。
【0019】
このため従来から、水車運転モードにおいては、案内羽根の所定開度、例えば80%より下では、案内羽根の閉鎖速度の上限制限を、案内羽根80%以上の時の閉鎖速度上限制限より下げて設定している。この結果、負荷遮断時には、運転点がS字特性に入る直前に、案内羽根の閉鎖速度が急速閉鎖から緩慢閉鎖に移行し、閉鎖パターンでみればここで腰折が入る。この腰折を図14で説明すると、例えば、案内羽根開度が100%近くにあって負荷遮断(時刻to)が起きた場合を考えると、案内羽根は最初比較的速く閉まり、案内羽根開度が予め設定された開度Yaに達した時点taで閉鎖速度制限がより小さい値に切り換えられる。したがってポンプ水車回転速度が最大値を超えて降下に転じたころから始まる運転点のS字特性突入と流量減少方向への辿り下りが進行中には、案内羽根閉鎖速度は比較的遅い速度に制限され、前述のようなN1低下による過度の正帰還現象助長が抑えられ過度の水撃は防止できる。
【0020】
ところで、この案内羽根開度に応じた閉鎖速度切換に依存する従来の負荷遮断時の案内羽根閉鎖パターンと水撃、特に上池側管路水圧Hpの上昇の関係についてはこの図14のような関係になることが知られている。すなわち、案内羽根閉鎖速度を急速から緩慢閉鎖に切り換える条件となる案内羽根開度Yaを上げると、上池側管路水圧Hpの1波目のピーク値Hpxは下がってHpx1 となるが、2波目のピーク値Hpyは上がってHpy1 となる。下池側管路水圧Hdの波形は図示してないが、Hp波形の上下を逆にしたようになり、2波目のピークHdy1はHdyより下がる。尚、案内羽根の急速閉鎖部の速度制限を変えた場合もHp波形は変わる。すなわち、より緩慢な勾配に制限すれば、1波目のピーク値Hpxは下がり、2波目のピーク値Hpyは上がる。最も典型的な例は、急速閉鎖速度が腰折点以下の緩慢閉鎖速度と同じになった場合である。
【0021】
従って、この案内羽根閉鎖パターンの腰折だけに依存する従来技術においては例えば特開昭54−40946 号の第5図のように、負荷遮断直後の案内羽根急閉鎖中の上池側管路水圧のピーク値Hpxと回転速度が降下に転じた後にS字特性によって現れる上池側管路水圧のピーク値Hpyが略等しくなるように案内羽根閉鎖パターンを決めていた。具体的には、腰折開度Yaの値やY>Yaにおける案内羽根急閉鎖速度制限およびY<Yaにおける案内羽根緩閉鎖速度制限を調整していた。
【0022】
しかし、案内羽根閉鎖パターンの腰折だけに依存する従来技術では問題があることが判明した。例えば、S字特性を有する複数台のポンプ水車が図15のように各ポンプ水車の上流側または下流側または両側を共有する場合には、水撃の相互干渉によって上流側水圧が異常上昇したり、下流側水圧が異常低下することがあることが知られている。当該の複数台のポンプ水車が同一仕様の場合を仮定すると、同時負荷遮断された時に発生する上流側水圧の最高値より、相次いで負荷遮断される時間差遮断時に発生する上流側水圧の最高値の方が高くなる問題や、同時負荷遮断された時に発生する下流側水圧の最低値より、相次いで負荷遮断される時間差負荷遮断時に発生する下流側水圧の最低値の方が低くなり、場合によっては水柱分離が発生するという問題があった。しかもこれらの異常水撃現象がS字特性を辿り下る微妙なタイミングに関係しているため最悪になる時間差等の条件を事前に特定しにくいという問題があった。図16(A),図16(B),図16(C)は時間差負荷遮断時のこの種の相互干渉の難しさを説明する例図である。この場合には3台のポンプ水車が上下流水路を共有する場合で、1号機が20秒の時点で全負荷遮断されてからTd1秒後に2号機が全負荷遮断され、さらにこれより遅いTd2秒後に3号機が全負荷遮断される。結果的に1号機の下流側水圧が33.6秒の時点、すなわち、負荷遮断後13.6秒の時点で急降下している。このようにこの種の相互干渉による下流側水圧低下は突然スパイク状に発生する。それでもポンプ水車の下流側管路に水柱分離が発生しないようにするためにはポンプ水車の据付高さを充分低くして下池との水位差を充分な値に確保する必要があり、ポンプ水車用の掘削量が増大し、土木コストが異常にアップする。
【0023】
なお、この場合には、各号機が単独で全負荷遮断された場合に、回転速度が降下に転じた後にS字特性によって現れる上池側管路水圧のピーク値Hpyに比べて案内羽根急閉鎖中の上池側管路水圧のピーク値Hpxが充分高くなるように案内羽根閉鎖パターンを設定しているので(図17(A)参照)、相互干渉による異常水撃が上流側にはあまり顕著には現れていない。換言すれば、HpxをHpyに対して充分高くし、上池側管路の設計水圧を充分高くできた場合で、上流側の建設コストの高騰を覚悟した設計である。もちろん、上流側の建設コスト低減を狙うためにはHpxの低下が必要で、その場合には、上池側管路の水撃の相互干渉問題に直面する。さらに、図17(A)のような案内羽根閉鎖パターンを採用して、たとえ上池側管路の水撃の相互干渉による異常上昇問題を回避したとしても、図16 (A),図16(B),図16(C)のように下流側管路の相互干渉によるスパイク問題は依然として残る。
【0024】
このように、高落差ポンプ水車の場合には上下流水路や据付高さ等の土木設計を決める上でS字特性が大きな問題になるとの認識から従来もS字特性対応制御の提案がなされている。例えば、特開昭53−143842号では添付の図18のように負荷遮断後ポンプ水車の運転点がS字特性を流量減少方向に辿っている時に一時的に案内羽根を開き、運転点がS字特性を逆に流量増加方向に辿り始めた時か流量が略ゼロになった時点で案内羽根を急閉鎖する案が提案されている。しかし、この案では、負荷遮断後回転速度が一旦上昇した後降下に転じるが、この回転速度降下がガバナーの設定で決まる所定回転速度付近まで一気に進むようにしている。そのために案内羽根開度Y<Yaで案内羽根閉鎖速度制限を緩閉鎖に移行させる腰折を使わず一時開きした後の案内羽根閉鎖を負荷遮断直後の急閉鎖と同一レートで一気に閉めている。これではS字特性対応制御が故障した場合を考えると危険である。また、一時開きした後の案内羽根再閉鎖開始の時点を流量が減少から増加に転じる時点または流量が略ゼロになる点としているが、ポンプ水車の過渡状態において信頼性の高い流量検出をすることは難しい。たとえ信頼性の高い流量検出ができたとしても案内羽根の動作を急に反転させることは難しく案内羽根が開き過ぎになることは容易に推定できる。特に運転点がS字特性を流量減少方向に辿り終えて流量増加方向辿りに移った後も案内羽根開操作を続けると逆にS字特性を助長する結果になる。上述した問題点を考えると特開昭53−143842号が複数台のポンプ水車が同一管路を共有する場合、特に自分の運転状態だけでなく該他号機からの水撃干渉で流量が複雑に変動する場合にも安定した性能を発揮できない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、従来のポンプ水車では困難であった負荷遮断時の水撃その他の過渡現象を安定させたポンプ水車を提示することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明ではランナーと、
該ランナーに接続された発電電動機と、
前記ランナーを通過する水量を調整する水量調整手段と、
前記ランナーの回転速度を検出し前記ランナーの回転速度が所定値になるように前記水量調整手段を制御するガバナーを備えたポンプ水車において、
前記発電電動機の発電電力が遮断される負荷遮断時に、遮断後の前記ランナーの回転速度の目標値が高くなるように前記ガバナーを補正制御することを特徴としたものである。
【0027】
また、ランナーと、該ランナーのトルクを発電電動機に伝える主軸と、前記ランナーを通過する水量を調整する水量調整手段を備え、前記ランナーの回転方向を切換えることによって揚水、発電の両モードで運転可能にしたポンプ水車に関し、前記ランナーの回転速度を検出し前記ランナーの回転速度が定常的には予め定められた所定値に落ち着くように前記水量調整手段を制御するように構成したガバナーを備え、前記発電電動機の発電電力が遮断される負荷遮断時には、遮断直後の過渡時に限って回転速度の目標値が定常時の目標値に比して実質的に高くなるように前記ガバナーを補正制御することを特徴としたものである。
【0028】
また、本発明では負荷遮断直後の過渡時に前記ガバナーの速度設定値を上げ補正するように構成することである。
【0029】
また、本発明では負荷遮断直後の回転速度上昇に伴って前記ガバナーの速度設定値を上げ補正するように構成することである。
【0030】
また、本発明では負荷遮断直後の回転速度上昇に伴って回転速度の目標値が実質的に上昇するように前記ガバナーに補正制御を掛ける一方、回転速度が下降に転じた後は前記補正制御を徐々に解除する(下げる)ようにし、定常状態になれば実質的に完全に解除するように構成することである。
【0031】
また、本発明では負荷遮断直後の回転速度上昇中は、速度設定値が回転速度上昇カーブを僅かに下回りながら追従して上昇するようにすることである。
【0032】
また、本発明では前記ガバナーは前記水量調整手段の開度に応じて前記水量調整手段の閉鎖速度を制限する閉鎖速度制限手段を備え、前記閉鎖速度制限手段が前記水量調整手段の開度が第1の所定値以上にある間は、前記水量調整手段の閉鎖速度を比較的高い第2の所定値以下に制限し、前記水量調整手段の開度が前記第1の所定値以下になった後は閉鎖速度を比較的低い第3の所定値以下に制限するように構成されている場合、少なくとも負荷遮断直後で前記水量調整手段の開度が前記第1の所定値以下に閉鎖するまでは、前記補正制御はガバナーによる前記水量調整手段本来の閉動作を阻害しない程度にすることである。
【0033】
また、本発明では負荷遮断後、前記水量調整手段の開度が前記第1の所定値以下に閉鎖し前記水量調整手段の閉鎖速度が一旦前記第3の所定値以下に移行した後に、前記補正制御によって前記水量調整手段の開度が前記ガバナーからの閉鎖続行指令にもかかわらず一時的に開くようにすることである。
【0034】
また、本発明では負荷遮断後回転速度の上昇が止み(この時の回転速度を第1の凸値と呼ぶ)下降に転じた後に前記補正制御によって前記水量調整手段の開度が一時的に開くようにすることである。
【0035】
また、本発明では負荷遮断後回転速度が前記第1の凸値を経て下降に転じた後に前記補正制御によって前記水量調整手段の開度が一時的に開くようにし、結果的に回転速度が前記ガバナーによって与えられる本来の定常時目標値に比べて格段に高い値において下降が止み(この時の回転速度を第1の凹値と呼ぶ)再び上昇に転じるようにすることである。
【0036】
また、本発明では負荷遮断後回転速度が前記第1の凸値を経て下降に転じた後に前記補正制御によって前記水量調整手段の一時的開動作を始め、その後回転速度曲線が上に凸から下に凸に移る点付近まで継続し、結果的に回転速度が前記ガバナーによって与えられる本来の定常時目標値に比べて格段に高い値において下降が止み(この時の回転速度を第1の凹値と呼ぶ)再び上昇に転じるようにすることである。
【0037】
また、本発明では負荷遮断後回転速度が前記第1の凸値に達する前から前記補正制御によって前記水量調整手段の一時的開動作を始め、その後も回転速度が前記第1の凸値を経て下降に転じた後回転速度曲線が上に凸から下に凸に移る点付近まで継続し、結果的に回転速度が前記ガバナーによって与えられる本来の定常時目標値に比べて格段に高い値において下降が止み(この時の回転速度を第1の凹値と呼ぶ)再び上昇に転じるようにすることである。
【0038】
また、本発明では回転速度は前記第1の凹値を経てから再上昇するが、やがてこの再上昇も止み再び下降に転ずるが(この時の回転速度を第2の凸値と呼ぶ)前記第2の凸値は前記第1の凸値より低くなるように前記補正制御の解除レートを設定することである。
【0039】
また、本発明では回転速度は前記第2の凸値を経てから再度下降するが、やがて下降が止み三度目の上昇に転ずるが(この時の回転速度を第2の凹値と呼ぶ)前記第2の凹値は前記第1の凹値より低くなるように前記補正制御の解除レートを設定することである。
【0040】
また、本発明では負荷遮断直後の回転速度上昇に伴って回転速度の目標値が実質的に上昇するように前記ガバナーに補正制御を掛ける一方、回転速度が第1のピーク(この時の回転速度を第1の凸値と呼ぶ)を越えて下降に転じた後は前記補正制御を徐々に解除する(下げる)ようにし、定常状態になれば実質的に完全に解除するように構成することである。
【0041】
また、本発明では前記ガバナーが、回転速度検出部と、目標回転速度設定部と、少なくとも前記目標回転速度設定部からの目標回転速度指令と前記回転速度検出部からの実際の回転速度信号の偏差信号(これを速度偏差信号と呼ぶ)を入力して前記水量調整手段に対する開度指令信号を出力する演算部と、前記演算部の出力に応じて前記水量調整手段を操作する増幅部を備えた前記ポンプ水車に関し、少なくとも回転速度信号を入力して前記ガバナーに対して前記目標回転速度指令を実質的に補正する補正信号を出力する手段を備え(これを補正手段と呼ぶ)ることである。
【0042】
また、本発明では回転速度が第4の所定値以上になった時だけ回転速度信号を通す第1の演算器と、前記第1の演算器からの出力信号を入力として受けて該入力が上昇中にはこれに比較的高速に応答して上昇し、該入力が下降に転じた後は比較的低速に応答してゆっくり下降する信号(ターゲット信号と呼ぶ)を出力する第2の演算器を備え、前記第2の演算器の出力即ち前記ターゲット信号を前記ガバナーに与えて前記目標回転速度指令を実質的に補正する前記補正手段を備えることである。
【0043】
また、本発明では前記第4の所定値を前記発電電動機が電力系統に接続されている通常運転中に起こりうる回転速度の最大値より充分高く設定することである。
【0044】
また、本発明では前記第1の演算器からの出力信号が上昇中には比較的短い時定数の一次遅れ応答をする一方、下降中には比較的長い時定数の一次遅れ応答をする前記第2の演算器を備えることである。
【0045】
また、本発明では前記第1の演算器からの出力信号が上昇中には比較的短い時定数の一次遅れ応答をする一方、下降に転じた後は下降に転じる前の出力を起点とし比較的長い時定数の減衰カーブ状に減衰応答する前記第2の演算器を備えることである。
【0046】
また、本発明では前記ガバナーの前記演算部がPID演算形で構成されている場合(P(比例)+I(積分)+D(微分)演算の場合)前記補正信号をP,I,D全ての演算の前で印加することである。
【0047】
また、本発明では前記ガバナーの前記演算部がPID演算形で構成されている場合(P(比例)+I(積分)+D(微分)演算の場合)前記補正信号をP,Iの2演算だけに影響を与えるように印加することである。
【0048】
また、本発明では前記補正制御によって前記水量調整手段の開度が前記ガバナーからの閉鎖続行指令にもかかわらず一時的に開き始める時点が、負荷遮断直後の回転速度上昇が止む時点より早くなるように補正信号レベルを調整することである。
【0049】
また、本発明ではランナーと、前記ランナーのトルクを発電電動機に伝える主軸と、前記ランナーを通過する水量を調整する水量調整手段を備え、前記ランナーの回転方向を切り換えることによって揚水,発電の両モードで運転可能にしたポンプ水車に関し、発電モードにおいて前記ランナーの回転速度を検出しながら前記ランナーの回転速度が定常的には予め定められた所定値に落ち着くように前記水量調整手段を制御するように構成した第1のガバナーと、前記発電電動機の発電電力が負荷遮断された後に前記第1のガバナーに代わって前記水量調整手段を制御するように構成した前記第2のガバナーを備え、前記第2のガバナーの回転速度の目標値は少なくとも負荷遮断直後の過渡時には前記第1のガバナーの回転速度目標値に比して実質的に高くなるようにしておくことである。
【0050】
また、上記目的を達成するために、本発明は
ランナーと、
該ランナーに接続された発電電動機と、
前記ランナーを通過する水量を調整する水量調整手段と、
前記ランナーの回転速度を検出し前記ランナーの回転速度が所定値になるように前記水量調整手段を制御するガバナーを備えたポンプ水車において、
前記発電電動機の発電電力が遮断される負荷遮断時に、前記水量の逆流が発生しないことを特徴とするものである。
【0051】
また、本発明では前記発電電動機の発電電力が遮断される負荷遮断後の過渡時に、
前記ランナーの回転数が前記ガバナーの設定で定まる値まで回転数が低下しないことを特徴とするものである。
【0052】
また、上記目的を達成するために、本発明はランナーと、
該ランナーに接続された発電電動機と、
前記ランナーを通過する水量を調整する水量調整手段と、
前記ランナーの回転速度を検出し前記ランナーの回転速度が所定値になるように前記水量調整手段を制御するガバナーを備えたポンプ水車において、
前記発電電動機の発電電力が遮断される負荷遮断時に、前記ランナーの回転数が前記ガバナーの設定で定まる値まで回転数が低下しないことを特徴とするものである。
【0053】
また、本発明では前記発電電動機の発電電力が遮断される負荷遮断後の過渡時に、前記水量の逆流が発生しないことを特徴とするものである。
【0054】
ポンプ水車においては負荷遮断と同時に発電出力はゼロになるが、水車出力はすぐにはゼロにならないため回転が上昇してしまう、すなわち、この出力差による余剰エネルギーを一時的に回転部の慣性効果に溜め込むことは当然の結果で意図した通りである。しかし、従来技術によれば、回転速度が下降に転じた後回転速度が定格回転速度付近まで一気に低下している。これは溜め込んだエネルギーをすぐに吐き出すことを意味する。しかし、この回転部の慣性エネルギーの一気の吐き出しが問題となる。この一気の回転部エネルギーの吐き出しでは回転部に代わって同エネルギーを一気に受け取るものがあるためである。それはポンプ水車上下流の水柱で、吐き出されたエネルギーはこの長大な水柱が異常に速く減速され、さらには逆にポンプ流れさえ引き起こすために使用されるためである。負荷遮断後に落ち着く先の目標流量は無負荷流量であるので、本来ならば負荷遮断前の出力相当流量から無負荷流量へスムースに移行してほしいところである。しかし、実際には負荷遮断前の出力相当流量から無負荷流量をはるかに通り過ぎて一時的にポンプ領域まで突っ込む。当然ながら、このような異常な水柱の加速は反動を招く。すなわち、今度はポンプ流れから無負荷流量を大きく超えて過大な水車流量を招く。この時は水柱のエネルギーを回転部慣性効果が受け取る番で回転速度が再び上昇する。このように、従来技術によれば、過大な余剰エネルギーが回転部慣性効果と水柱の間を行ったり来たりし、この間にポンプ水車流量を過大に振らせてポンプ水車上下流水路に過大な水撃をもたらす。図17(B)は図17(A)のような従来技術による負荷遮断を行った場合のポンプ水車の運転点軌跡の例を示す。ところで問題の発端である負荷遮断後最初の回転速度の一気低下は回転速度を制御するガバナーが求めたものである。ガバナーの立場で考えれば当然の要求となる。すなわち、S字特性を有するポンプ水車にとっては、負荷遮断時にガバナーだけの要求に合わせて制御することは流量制御,水撃制御の観点では誠に合理的でないことになる。このような考えから本発明では負荷遮断直後一時的に、ガバナーが認識する回転速度の目標値が定常時の目標値に比して実質的に高くなるように補正制御を掛け、少なくとも負荷遮断後初めの回転速度降下で回転速度が一気に定格回転付近まで進むことがないようにする。
【0055】
具体的には負荷遮断直後に一時的に前記ガバナーの速度設定値を上げ補正すれば、回転速度の下降がまだ充分進んでいない段階でガバナーは所望の回転速度へ下がったと認識し、案内羽根を閉操作から開操作に反転させることになる。
【0056】
ところで負荷遮断後回転速度が上昇し、下降に転じた段階で急いで前記ガバナーの速度設定値を上げ補正しても手後れになる。そこで負荷遮断直後の回転速度上昇の段階で、回転速度上昇に合わせて前記ガバナーの速度設定値を上げ補正しておくのがよい。回転速度はスムースに上昇するのでこれに合わせて上げれば速度設定値もスムースに上げることができる。
【0057】
なお、前記の回転速度の目標値の補正は用済後できるだけすみやかに解除するべきである。これは負荷遮断後回転速度がすみやかに低下しないことになるためである。従って、回転速度が下降に転じた後は前記補正制御を徐々に解除する (下げる)ようにし、定常状態になれば実質的に完全に解除されるようにすべきである。
【0058】
負荷遮断直後の最初の回転速度上昇中はS字特性に突入する前であり、ポンプ水車の上下流水路の水撃が許す限りできるだけ速く案内羽根を閉鎖すべきである。これは運転点がS字特性に突入する前にこれから辿るS字特性をできるだけ小さくしておくという意味がある。従って、少なくとも負荷遮断後最初の回転速度上昇中の速度設定値の上げ操作はこの最初の案内羽根急閉鎖を妨げない程度に抑えるべきである。すなわち、回転速度上昇カーブを所定幅以上下回りながら追従させるのがよい。
【0059】
換言すると、負荷遮断後、前記水量調整手段、すなわち、案内羽根の開度が前記第一の所定値以下に閉鎖するまでは、ガバナーが求める前記水量調整手段本来の閉動作が阻害されないように前記補正制御を調整することである。
【0060】
さらに詳しく説明すれば、負荷遮断後、前記水量調整手段の開度が前記第一の所定値以下に閉鎖し前記水量調整手段の閉鎖速度が一旦前記第三の所定値以下に移行した後に、前記水量調整手段の開度が前記ガバナーからの閉鎖続行指令にもかかわらず前記補正制御によって一時的に開くように調整する。
【0061】
負荷遮断後回転速度の上昇が止み(この時の回転速度を第1の凸値と呼ぶ)下降に転じた後にポンプ水車の運転点がS字特性を流量減少方向に辿り始めるのでこの時に前記水量調整手段の開度が一時的に開くように前記補正制御を調整すればS字特性の加振作用を軽減することができる。
【0062】
そして、結果的に最初の回転降下の段階で回転速度が前記ガバナーによって与えられる本来の定常時目標値に比べて格段に高い値において下降が止み(この時の回転速度を第1の凹値と呼ぶ)再び上昇に転じるようにする。この結果、最初の回転速度降下で、ポンプ水車上下流水路の水柱が受け取るエネルギーが制限される。
【0063】
ポンプ水車がS字特性を流量減少方向に辿っている時間は、ポンプ水車特性によって若干の差はあるが、回転速度の下降開始から下降中の回転速度の降下曲線が上に凸から下に凸に移る点(変極点)付近に相当する。従って、前記補正制御による前記水量調整手段の一時的開動作は、少なくとも、負荷遮断後回転速度が前記第1の凸値を経て下降に転じた時に始め、その後回転速度曲線が上に凸から下に凸に移る点付近まで継続するべきである。
【0064】
なお、前記補正制御は回転速度が前記第1の凸値に達する少し前から始めると遅れがないので効果的である。すなわち、前記第1の凸値に達する少し前から前記補正制御による前記水量調整手段の一時的開動作を始め、その後回転速度降下曲線が上に凸から下に凸に移る点付近まで継続すると効果的である。結果的に回転速度が前記ガバナーによって与えられる本来の定常時目標値に比べて格段に高い値において下降が止み(この時の回転速度を第1の凹値と呼ぶ)再び上昇に転じるようになる。なお、この場合でも回転速度の前記第1の凸値はほとんど変わらない。S字特性を有するポンプ水車の場合にはこの第1の凸値はその時の水量調整手段、すなわち、案内羽根の開度のS字特性開始位置(N1)に依存し、しかも案内羽根開度によるこのN1の変化が極めて僅かなためである。
【0065】
当然ながら前記補正制御は必要に応じて動作させるが、用済後はできるだけ早く解除するべきである。さもないと、負荷遮断後回転速度がいつまでもガバナーが求める所定値まで復帰しないことになるからである。この意味で、回転速度は前記第1の凹値を経てから再上昇するが、やがてこの再上昇も止み再び下降に転ずるが(この時の回転速度を第2の凸値と呼ぶ)前記第2の凸値は前記第1の凸値より低くなるように前記補正制御の解除レートを設定する。
【0066】
回転速度は前記第2の凸値を経てから再度下降するが、やがて下降が止み三度目の上昇に転ずるが(この時の回転速度を第2の凹値と呼ぶ)前記第2の凹値は前記第1の凹値より低くなるように前記補正制御の解除レートを設定するのは上記と同じ意味である。
【0067】
負荷遮断直後の回転速度上昇に伴って回転速度の目標値が実質的に上昇するように前記ガバナーに補正制御をかける一方、回転速度が第1のピーク(この時の回転速度を第1の凸値と呼ぶ)を越えて下降に転じた後は前記補正制御を徐々に解除する(下げる)ようにし、定常状態になれば実質的に完全に解除するのも上記と同様の意味である。
【0068】
ガバナーが、回転速度検出部と、目標回転速度設定部と、少なくとも前記目標回転速度設定部からの目標回転速度指令と前記回転速度検出部からの実際の回転速度信号の偏差信号(これを速度偏差信号と呼ぶ)を入力して前記水量調整手段に対する開度指令信号を出力する演算部と、前記演算部の出力に応じて前記水量調整手段を操作する増幅部を備えた前記ポンプ水車の場合には、少なくとも回転速度信号を入力して前記ガバナーに対して前記目標回転速度指令を実質的に補正する補正信号を出力する手段(これを補正手段と呼ぶ)を備える構成にすれば本発明を従来技術のポンプ水車に簡単に適用できる。
【0069】
なお、前記補正制御手段の構成例として次の案がある。すなわち、回転速度が第4の所定値以上になった時だけ回転速度信号を通す第1の演算器と、前記第1の演算器からの出力信号を入力として受けて該入力が上昇中にはこれに比較的高速に応答して上昇し、該入力が下降に転じた後は比較的低速に応答してゆっくり下降する信号(ターゲット信号と呼ぶ)を出力する第2の演算器を備え、前記第2の演算器の出力即ち前記ターゲット信号を前記ガバナーに与えて前記目標回転速度指令を実質的に補正する構成にする案である。
【0070】
なお、前記補正制御手段は発電電動機が電力系統に接続されている通常運転時には動作しないようにしておくべきである。この意味で前記第4の所定値を前記発電電動機が電力系統に接続されている通常運転中に起こりうる回転速度の最大値より充分高く設定する必要がある。
【0071】
前記第2の演算器の具体例として次の案がある。すなわち、前記第1の演算器からの出力信号が上昇中には比較的短い時定数の一次遅れ応答をする一方、下降中には比較的長い時定数の一次遅れ応答をする前記第2の演算器を備えることである。
【0072】
また前記第2の演算器の他の具体例としては次の案がある。すなわち、前記第1の演算器からの出力信号が上昇中には比較的短い時定数の一次遅れ応答をする一方、下降に転じた後は下降に転じる前の出力を起点とし比較的長い時定数の減衰カーブ状に減衰応答する前記第2の演算器を備えることである。
【0073】
次に、前記補正制御信号を前記ガバナーに印加する具体的方法について次の案を提案する。先ず、前記ガバナーの前記演算部がPID演算形で構成されている場合(P(比例)+I(積分)+D(微分)演算の場合)前記補正信号をP,I,D全ての演算の前で印加することである。
【0074】
前記補正制御信号を前記ガバナーに印加する他の例としては、次の案がある。すなわち、前記ガバナーの前記演算部がPID演算形で構成されている場合(P(比例)+I(積分)+D(微分)演算の場合)前記補正信号をP,Iの2演算だけに影響を与えるように印加することである。
【0075】
前記補正制御によって前記水量調整手段の開度が前記ガバナーからの閉鎖続行指令にもかかわらず一時的に開き始める時点が、負荷遮断直後の回転速度上昇が止む時点より若干早くなるようにすれば補正制御の動作遅れは改善され効果的である。
【0076】
通常運転用の第1のガバナーの他に、前記発電電動機の発電電力が負荷遮断された後に前記第1のガバナーに代わって前記水量調整手段を制御するように構成した前記第2のガバナーを備え、前記第2のガバナーの回転速度の目標値は少なくとも負荷遮断直後の過渡時には前記第1のガバナーの回転速度目標値に比して実質的に高くなるようにしても本発明と同等の効果を発揮できる。
【0077】
また、本発明のポンプ水車は、発電電動機の発電電力が遮断される負荷遮断時に、水量の逆流が発生しないようにしたものである。
【0078】
また、本発明のポンプ水車ではランナーの回転数がガバナーの設定で定まる値まで低下しないようにしたものである。
【0079】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を図面を用いて説明する。図3は本発明の一実施例のポンプ水車のガバナーのプロック線図である。このブロック図には水車100の回転速度Nを検出する速度検出部1、速度検出信号Xn,回転速度の基準値を設定する速度調整部2、速度調整部2からの設定値X0,加算部3,速度調定率設定部からの復元信号Xσ,加算部3の出力信号Xε,補正制御回路200からは補正制御信号X200が出力され、X20AはXεを補正制御信号X200で補正した信号ですぐ下流のPID演算回路の入力信号となる。発電電動機が大電力系統に接続される通常の発電運転時の比例演算要素(P要素)4a、また、負荷遮断後の無負荷運転時に使用する比例演算要素(P要素)4bを示す。なお、前者の比例演算要素のゲインKpa>後者の比例演算要素のゲインKpbとなっている。通常の発電運転時の積分演算要素(I要素)5a,負荷遮断後の無負荷運転時に使用する積分演算要素(I要素)5bを示し、前者の積分ゲインKia>後者の積分ゲインKibとなっている。なお、図示してない発電電動機の遮断器の開閉を直接または間接的に検出する接点19a,19bは遮断器が開いた時、同時にスイング動作して下側接点を開き上側接点を閉じる。接点19a,19bが各2個ある理由は比例演算要素,積分演算要素共に同時に切り換えするためである。
【0080】
微分演算要素6(D要素)からは出力信号Zdが出力される。また、接点19bからは比例演算要素の出力信号Zp,積分演算要素の出力信号Ziが出力される。
【0081】
そして、これらの信号は加算部7で加算される。ZはZp比例演算要素の出力信号、積分演算要素の出力信号Zi,微分演算要素の出力信号Zdを総合したもので案内羽根開度指令を示している。実際の案内羽根開度は信号Yで示される。加算部8,リミッター9,油圧サーボモーター10は一種の油圧増幅器になっており、伝達関数ではリミッター付一次遅れ要素を構成し、案内羽根開度指令Zを増幅して水量制御手段である案内羽根を直接操作するに充分なストロークと操作力をもつ案内羽根開度Yに変換するものである。Yε1は案内羽根開度指令Zと実際の案内羽根開度Yの偏差を示し、リミッター9のθRは案内羽根の開速度をθR.Cyに、θLは閉速度をθl.Cyに制限するためのものである。すなわち、Yε2は偏差信号Yε1を上記開閉速度制限を考慮して制限した信号である。なお、加算部11には出力調整部13から所望の案内羽根開度設定信号Yaが与えられる。もし実際の案内羽根開度YがYaに達していない場合には、すなわち、Y<Yaの場合にはその差がゼロになるまでガバナーのPID演算部に開信号σ(Ya−Y)が送り続けられるので、やがてはY=Yaとなりその段階で落ち着く。速度調定率設定部12は上記の係数σを設定する部分である。換言するとσは速度検出信号Xnの変化に対する案内羽根開度Yの変化の割合を決めるゲインで、一般には電力系統の中での当該プラントの役割、すなわち、負荷分担の割合を考慮して一度決めたら変更されないものである。また水路系を含む水車14の要素が組み込まれている。水車軸に直結された発電機に与えられる当該発電所の負荷電力L,電力系統側から与えられる負荷電力RL,信号PgはLとRLを総合した発電機負荷を示す。そして、電力系統からの負荷特性17bが組み込まれ、水車100の自己制御性17aは具体的には回転速度上昇に伴い増加する機械損や効率低下等を総合した特性部である。従って、信号RTは回転速度変化に伴う自己制御性による水車出力のロスを示す。かくして水車からみればPgだけでなくRTも一種の負荷のようにみなすことができる。すなわち、水車の出力Ptを消費する総合負荷LΣ=Pg+RTとみなすことができる。よって信号(Pt−LΣ)が回転部慣性効果部16の入力となり、回転部慣性効果部16の出力が回転速度Nとなる。なお、負荷遮断後は信号Pgは信号Lに等しくなる。
【0082】
ここで、速度調整部2,出力調整部13,速度調定率設定部12の作用を図20(A),図20(B)により説明する。なお、ここで無負荷時の案内羽根開度は0.2(pu)と仮定する。図20(A)の右下がりの実線はこのプラントが電力系統に接続される直前の状態を示す。すなわち、回転速度の定格値N(同期速度)ラインとこの実線の交点が案内羽根開度を示すが、丁度無負荷開度0.2 になっている。なお、水車を起動する前はこの実線はこれより低い位置に設定される。例えば図20(A)の点線の位置に設定される。このように図20(A)の実線より下側でこの実線を上下に平行移動させるのが、速度調整部2である。この実線を上下に平行移動した時無負荷開度0.2 線上の交点が上下に動くことから速度調整部の名が付いている。他方、このプラントが電力系統に接続された後の動きについて図20(B)により説明する。この場合は、実線と定格速度との交点はY=1.0 になっている。すなわち、100%負荷運転中を示す。図20(A)の並列時の実線位置は図20(B)では点線の位置になる。このように実線を平行移動させて案内羽根開度を調整するのが出力調整部13である。出力調整部13は、実線を水平方向に平行移動させるものであるが、無限大電力系統に連繋された状態では、回転速度は事実上1.0 に固定されるので、実線の水平方向移動に伴うN=1.0 線上の交点は左右に動くことから、この名が付けられている。図20 (B)の実線の設定では、定常時はN=1.0,Y=1.0で運転されるが、今、仮に電力系統の周波数が3%上昇しN=1.03になったとすると、Yは0.2になる。電力系統周波数の上昇幅が1.5%であれば、Y=0.6に閉め込まれる。このように周波数変化幅と案内羽根閉め込み幅の間に比例関係を与えているのが、速度調定率設計部12である。速度調定率設計部12のゲインを大きくすれば、図20(B)の実線の右下がり勾配はよりきつくなり、周波数変化に対する案内羽根開度応答幅のゲインが下がってくる。従って、図20(B)の実線の設定で定格回転速度で(N=1.0で)全負荷(100%負荷)運転中に負荷遮断が起きれば、ガバナーは回転速度Nを最終的には定格値より速度調定率分だけ高い1.03 に落ち着かせるように作動する。
【0083】
図21(A)はポンプ水車の案内羽根閉鎖速度制限を示す典型的な例図である。ポンプ水車の場合には、従来より案内羽根開度Y>Yaの範囲では勾配がθ1aより大きくならないよう、Y<Yaの範囲では勾配がθ1aよりさらに小さいθ1bより大きくならないよう速度制限を与える。すなわち、図3の要素9のθLをY>Yaの範囲では比較的大きいtan(θ1a)/Cyに、Y<Yaの範囲では比較的小さいtan(θ1b)/Cyに設定する。他方、案内羽根の開動作については、閉動作のようにS字特性の影響を受けないので、例えば図21(B)のように案内羽根開度に関係なく|θ1a|>|θ2|>|θ1b|となるような一定値θ2に設定する。
【0084】
図3の本発明のガバナーにある補正制御回路200の具体例を図5に示す。 Xn速度検出信号を入力として受けて、補正制御手段の出力X200を発生させ、また加算器209,積分器210を備える。なお、負荷遮断開始時点の積分器210の初期値は定格回転速度相当の1.0 である。かくして、加算器209の出力X209はXnを不完全微分した値になるので、x209によってdN/dtが正か負か(回転速度が上昇中か、下降中か)判別できる。回路211は x209が正の時1.0 を出力し、負の時0を出力するスイッチである。回路201は(Xn>所定値Xc1)を満たすXnだけを通す不動帯要素として働く。なお、Xc1は定格回転速度相当のXn=1.0 より充分大きい値で、発電電動機が電力系統に連繋される通常運転では到達できず、負荷遮断時に限って到達できる値に設定する。例えば、1.04〜1.05に設定する。加算器202を介してリレー要素203でスイッチ211の出力X211が正の場合には加算器202の出力X202を出力し、負の場合にはゼロを出力する。積分器204はリレー要素203の出力X203を入力とする。かくして、信号X201に対する信号X204の応答は、回転速度が上昇中には時定数1/Kc1でゲイン1の一次遅れ応答となり、回転速度降下中には全く変化せず、回転速度が降下に転ずる直前の値を保持する。加算器205を介してリレー要素206はスイッチ211の出力X211が負の場合には加算器206の出力X206を出力し、正の場合にはゼロを出力する。積分器207はリレー要素206の出力X206を入力とする。かくして、信号X204に対する信号X205の応答は、回転速度下降中は信号X204を指数関数的にゆっくり減少せしめる時定数1/Kc3でゲイン1の不完全微分形応答となる。他方、回転速度上昇中には信号X204は上昇し、信号X207は回転速度上昇に転じる直前の値で保持されるので信号X205は上昇する。すなわち、信号X205は回転速度上昇中は一緒に上昇し、下降に転じたら指数関数的にゆっくり降下するようにした負荷遮断時の回転速度変化のモデル曲線に相当する。
【0085】
図4に示した制御回路は図3の回路の変形例で本発明の他の一実施例である。この場合には微分演算要素6(D要素)の入力はXεとし、PI演算回路の入力であるX20BはXεを補正制御信号X200で補正した信号とする。すなわち、補正制御回路の直接の影響は比例演算要素(P要素)と積分演算要素(I要素)だけに現れるようにする例である。その他の回路構成は図3と同じであるので割愛する。
【0086】
図4および図5の実施例を採用したあるポンプ水車の負荷遮断時の時間応答を図1に示す。この図1では負荷遮断時の案内羽根開度Y,回転速度N,流量Q,水車入口水圧Hp,水車出口水圧Hdの変化を示している。案内羽根は回転速度降下中に開く補正制御が働いており、最初の回転速度低下においても、ガバナーの設定で決まる所定値すなわち(定格回転速度+速度調定率)まで回転速度が一気に降下することはない。また流量も一時的逆流(ポンプ流れ)を生ずることなくスムースに無負荷流量に向かって減衰していく。図2はN1対Q1の完全特性上でこのポンプ水車の負荷遮断時の運転点軌跡がどのようになるかを示す図である。この軌跡でも流量が無負荷運転流量の前後に大きく振れるS字特性特有の加振作用の影響がかなり抑制されていることが解る。従来技術の場合の典型例である図17(B)と比べればその差は歴然である。なお、上述した図1,図2の応答を引き出す図5の案内羽根補正制御回路の各部の挙動を示すのが図6から図7のグラフである。また図8はこの時のPIDガバナーの各演算要素の出力を示す。かくして、最終的な案内羽根開度指令は図7のZのグラフになる。
【0087】
図9は上述したポンプ水車のガバナー制御を用いた場合の装置構成を示す一例であり、例えば特開平3−70874号に示されたものである。
【0088】
巻線形誘導機2aの1次側が電力系統1に接続されて、2次側が電力変換器3に接続され誘導機2aの入力は、この電力変換器3により交流励磁電流の位相指令に応じて増減されるシステムとなっている。実際の入力PM は電力検出器6により検出され加算器20へ、また、実際の回転速度Nは、回転速度検出器5により検出され、加算器18へ各々入力される構成となっている。
【0089】
図10は図9と同様にポンプ水車のガバナー制御を用いた場合の装置構成を示す一例である。
【0090】
発電電動機として同期機10を用い、系統1と同期機10との間に電力変換器17を用いた場合である。この電力変換器17への位相指令との突合せのため位相検出器11を設けている。
【0091】
また、上記図9,図10以外にも通常の同期機を用いた揚水発電システムに本発明が適用できることは言うまでもない。
【0092】
以上に説明した実施例は一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0093】
そして、本発明の効果は上記から明らかである。すなわち、図1のグラフが示すとおりポンプ水車の負荷遮断に過大な流量変動を伴うことなくスムースに無負荷流量に収斂していく。このため水車の上流側水圧上昇幅を、特に第2ピークHpyを低くし、場合によってはほとんど消去することが可能である。従って、第1ピークHpxはいかなる条件でも第2ピークHpyより低くしないようにとの従来主流になっている調整方法を踏襲しても、第1ピークHpxを大幅に下げることが可能になる。このため水車上流側管路及びポンプ水車自体の設計水圧を大幅に下げることが可能である。水車の下流側管路についてもS字特性に起因する水圧低下幅を大幅に縮小可能である。特に、下流管路を複数のポンプ水車が共有する場合の号機間相互干渉による異常スパイクを解消することができる。このため同じ下池水位の下でポンプ水車の据付高さを高くすることが可能になり、特に地下発電所の場合土木掘削量を少なくすることが可能である。S字特性による異常な流量変動幅を大幅に圧縮できるため、ポンプ水車が受ける過渡的な水スラスト変動を大幅に低減できる可能性がある。従って、スラスト軸受の設計合理化が可能になる。ポンプ水車の上流側または下流側管路を共有する複数台のポンプ水車においては、従来、異常水撃干渉の対策として各号機に運転制限を与えている場合もあったが、これが必要なくなり、各号機はお互いに自由に運転できるようになる。さらには、負荷遮断時の余計な流量変動を抑制できるので振動,騒音等が軽減されポンプ水車自身の運転状態が改善され寿命の延長が可能になる。上述の効果は全てが揚水発電所コスト低減に貢献することは言うまでもない。また、本発明はガバナーに補正制御回路を付加するだけで達成することが可能になり、特に演算部のプログラムを外部から入力可能なマイクロプロセッサ型ガバナーの場合には単に演算プログラムだけの修正で本発明を実施することが可能になる。
【0094】
【発明の効果】
本発明では負荷遮断時の上流側水圧上昇を低減することが可能になり、これにより上流側水路及びポンプ水車自身の設計水圧の低減が可能で、耐水圧設計のためのコストを低減することが可能になる。負荷遮断時の下流側水圧低下幅も低減するので従来と比較してポンプ水車据付高さを浅い位置に設置することが可能になるので発電所の掘削ボリュームを低減し土木コストを低減することが可能になる。
【0095】
また、上流側、または下流側の管路が複数のポンプ水車で共有されている場合でも、有害な水撃相互干渉を少なくすることが可能になるので、運用上の無用な制限が不要になる。
【0096】
また、負荷遮断時の流量の変動を抑制できるので過渡時の水スラストを軽減できるスラストメタルの設計を合理化することが実現できる。
【0097】
そして、ポンプ水車自身の負荷遮断時の運転の安定化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポンプ水車の負荷遮断時のグラフ。
【図2】本発明のポンプ水車の負荷遮断時の運転点軌跡グラフ。
【図3】本発明の一実施例のブロック線図。
【図4】本発明の他の一実施例。
【図5】本発明の詳細なブロック線図。
【図6】本発明の回路各部の動作グラフ。
【図7】本発明の回路各部の動作グラフ。
【図8】本発明の回路各部の動作グラフ。
【図9】本発明の装置構成例。
【図10】本発明の装置構成例。
【図11】ポンプ水車の特性グラフ。
【図12】ポンプ水車の動作フローチャート。
【図13】ポンプ水車の動作フローチャート。
【図14】案内羽根の閉鎖パターンの説明グラフ。
【図15】複数のポンプ水車を有する発電所の例図。
【図16(A)】従来のポンプ水車の動作図。
【図16(B)】従来のポンプ水車の動作図。
【図16(C)】従来のポンプ水車の動作図。
【図17(A)】従来のポンプ水車の動作図。
【図17(B)】従来のポンプ水車の動作図。
【図18】従来のポンプ水車の動作図。
【図19】従来のポンプ水車の動作説明図。
図20(A)(B)は従来のポンプ水車用ガバナの説明図。
図21(A)(B)は従来の案内羽根の開閉速度制限の説明グラフ。
【符号の説明】
10…油圧サーボモータ、12…速度調定率設定部、13…出力調整部、16…回転部慣性効果部、100…水車、200…補正制御回路。

Claims (15)

  1. ランナーと、
    該ランナーに接続された発電電動機と、
    前記ランナーを通過する水量を調整する水量調整手段と、
    前記ランナーの回転速度を検出し前記ランナーの回転速度が所定値になるように前記水量調整手段を制御するガバナーであって、回転速度検出部と、目標回転速度設定部と、少なくとも前記目標回転速度設定部からの目標回転速度指令と前記回転速度検出部からの実際の回転速度信号の偏差信号を入力して前記水量調整手段に対する開度指令信号を出力する演算部と、前記演算部の出力に応じて前記水量調整手段を操作する増幅部を有するガバナーとを備えたポンプ水車において、
    前記発電電動機の発電電力が遮断される負荷遮断時に、前記目標回転速度指令を上げ補正することを特徴としたポンプ水車。
  2. 請求項1において、前記ガバナーは、前記回転速度検出部からの回転速度信号を入力して補正信号を出力する補正手段を備え、該補正手段からの出力信号を前記偏差信号に加算することにより前記目標回転速度指令を実質的に上げ補正することを特徴としたポンプ水車。
  3. 請求項1又は2において、前記ガバナーは、負荷遮断直後の回転速度上昇に伴って前記目標回転速度指令を上げ補正するように構成したポンプ水車。
  4. 請求項1又は2において、前記ガバナーは、負荷遮断直後の回転速度上昇に伴って前記目標回転速度指令を上げ補正し、回転速度が下降に転じた後は前記目標回転速度指令の上げ補正を徐々に解除するように構成したポンプ水車。
  5. 請求項3又は4において、前記ガバナーは、前記負荷遮断直後の回転速度上昇中は、前記目標回転速度指令が回転速度上昇カーブを所定幅以上下回りながら追従して上昇するようにしたポンプ水車。
  6. 請求項1又は2において、前記ガバナーは前記水量調整手段の開度に応じて前記水量調整手段の閉鎖速度を制限する閉鎖速度制限手段を備え、前記閉鎖速度制限手段が前記水量調整手段の開度が所定値より大にある間は、前記水量調整手段の閉鎖速度を所定値( )以下に制限し、前記水量調整手段の開度が前記所定値より小になった後は閉鎖速度を前記所定値(高)よりもい所定値(低)以下に制限するように構成され負荷遮断直後で前記水量調整手段の開度が前記所定値以下に閉鎖するまでは、前記目標回転速度指令の上げ補正はガバナーによる前記水量調整手段本来の閉動作を阻害しない程度にしたポンプ水車。
  7. 請求項8において、前記ガバナーは、負荷遮断後、前記水量調整手段の開度が前記所定値以下に閉鎖し前記水量調整手段の閉鎖速度が一旦前記所定値(低)以下に移行した後に、前記目標回転速度指令の上げ補正によって前記水量調整手段の開度が前記ガバナーからの閉鎖続行指令にもかかわらず一時的に開くようにしたポンプ水車。
  8. 請求項1又は2において、前記ガバナーは、負荷遮断後回転速度の上昇が止み(この時の回転速度を第1の凸値と呼ぶ)下降に転じた後に前記目標回転速度指令の上げ補正によって前記水量調整手段の開度が一時的に開くようにしたポンプ水車。
  9. 請求項1又は2において、前記ガバナーは、負荷遮断後回転速度の上昇が止む(この時の回転速度を第1の凸値と呼ぶ)前から前記目標回転速度指令の上げ補正によって前記水量調整手段の一時的開動作を始め、その後も回転速度が前記第1の凸値を経て下降に転じた後回転速度曲線が上に凸から下に凸に移る点付近まで継続るようにしたポンプ水車。
  10. 請求項2において、前記補正手段は、回転速度が所定値以上になった時だけ回転速度信号を通す第1の演算器と、前記第1の演算器からの出力信号を入力として受けて該入力が上昇中にはこれに高速応答して上昇し、該入力が下降に転じた後は前記高速応答よりも低速に応答してゆっくり下降する信号(ターゲット信号と呼ぶ)を出力する第2の演算器を備え、前記第2の演算器の出力である前記ターゲット信号を前記補正信号として出力するポンプ水車。
  11. 請求項10において、前記第1の演算器の前記所定値を前記発電電動機が電力系統に接続されている通常運転中に起こりうる回転速度の最大値より高く設定したポンプ水車。
  12. 請求項10において、前記第2の演算器は、前記第1の演算器からの出力信号が上昇中には短い時定数の一次遅れ応答をする一方、下降中には上昇中の時定数よりも長い時定数の一次遅れ応答をするポンプ水車。
  13. 請求項10において、前記第2の演算器は、前記第1の演算器からの出力信号が上昇中には短い時定数の一次遅れ応答をする一方、下降に転じた後は下降に転じる前の出力を起点とし上昇中の時定数よりも長い時定数の減衰カーブ状に減衰応答するポンプ水車。
  14. 請求項1又は2において、前記ガバナーの前記演算部がPID演算形で構成されている場合(P(比例)+I(積分)+D(微分)演算の場合)前記目標回転速度指令の上げ補正の影響をP,I,D全ての演算に与えるようにしたポンプ水車。
  15. 請求項1又は2において、前記ガバナーの前記演算部がPID演算形で構成されている場合(P(比例)+I(積分)+D(微分)演算の場合)前記目標回転速度指令の上げ補正の影響をP,Iの2演算だけに与えるようにしたポンプ水車。
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