JP3752110B2 - 発電機用水車の調速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電機を駆動する水車の調速制御を行う発電機用水車の調速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、運転中の水車発電機を系統から解列(水車負荷遮断)すると、負荷から解列されることにより水車の回転速度が上昇するため、調速機の作用によって水車のガイドベーンは急閉され、回転上昇を抑えられる。このようにガイドベーンが急閉されると、水撃作用によって水圧管内の水圧が異常に上昇したり、また、過渡的に水車の入出力バランスが崩れて水車の回転速度が上昇するため、ガイドベーンの閉鎖速度を途中から遅くした「2段腰折れ」と言われる閉鎖方式が採用されている。
【0003】
上述した2段腰折れ閉鎖方式を実現するための調速機として、例えば図11に示されたようなものが知られている。調速機100は、ガイドベーン(図示せず)と機械的に接続される油圧サーボモータ101と、圧油装置(図示せず)から送られてくる圧油を調整して油圧サーボモータ101に供給、あるいは油圧サーボモータ101から排出する配圧弁102と、油圧サーボモータ101の作動位置を検出する位置検出器(マイクロスイッチ)103とを有している。配圧弁102は、油圧サーボモータ101の開側油室101aに圧油を供給すると共に油圧サーボモータ101の閉側油室101bから圧油を排出する状態と開側油室101aから圧油を排出すると共に閉側油室101bに圧油を供給する状態とを切替える。油圧サーボモータ101は、開側油室101aに圧油が供給されると共に閉側油室101bから圧油が排出されることによりガイドベーンを開作動させ、閉側油室101bに圧油が供給されると共に開側油室101aから圧油が排出されることによりガイドベーンを閉作動させる。
【0004】
開側油室101aから配圧弁102を介して排出される圧油の排出通路は第1排出通路104と第2排出通路105とに分れて設けられており、第1排出通路104には圧油が作用することにより第1排出通路104の通路断面積を減少させる第1閉側絞り106が、第2排出通路105には圧油が作用することにより第2排出通路105の通路断面積を減少させる第2閉側絞り107が各々設けられている。第1閉側絞り106への圧油の供給状態は第1電磁ソレノイド弁108により制御されており、第1電磁ソレノイド弁108が励磁されることにより圧油が第1閉側絞り106に供給されて、第1排出通路104の通路断面積が減少する。第2閉側絞り107への圧油の供給状態は第2電磁ソレノイド弁109により制御されており、第2電磁ソレノイド弁109が励磁されることにより圧油が第2閉側絞り107に供給されて、第2排出通路105の通路断面積が減少する。図11においては、第1電磁ソレノイド弁108及び第2電磁ソレノイド弁109が非励磁とされた状態を示している。
【0005】
次に、図12を用いて、調速機100におけるガイドベーンの2段腰折れ閉鎖方式について説明する。例えば、ガイドベーンの開度が100%の状態で水車負荷遮断がなされた場合、位置検出器103がガイドベーンの開度が例えば70%となる状態を検出するまでは、第1電磁ソレノイド弁108及び第2電磁ソレノイド弁109を非励磁とする。これにより、圧油は第1排出通路104及び第2排出通路105を介して排出され、ガイドベーンの閉鎖速度は第1速度(5秒/100%)となる(図12において、領域Aの部分)。位置検出器103がガイドベーンの開度が例えば70%となる状態を検出すると、第1電磁ソレノイド弁108及び第2電磁ソレノイド弁109を励磁する。これにより、第1排出通路104及び第2排出通路105の通路断面積が減少し、圧油の排出量が制限され、ガイドベーンの閉鎖速度は第1速度より遅い第2速度(40秒/100%)となる(図12において、領域Bの部分)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、調速機の構成の複雑化、及び、コストの上昇を招くことなく、水車負荷遮断時における水圧管内の水圧上昇、あるいは、水車の回転速度上昇を大幅に抑制することが可能な発電機用水車の調速機を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの調査研究の結果、水車負荷遮断時における水圧管内の水圧上昇、あるいは、水車の回転速度上昇を大幅に抑制するためには、ガイドベーンの閉鎖速度を3段以上の閉鎖方式にて制御することが有効であることが判明した。しかしながら、上述した構成の調速機において3段以上の閉鎖方式を実現するためには、閉鎖方式の段数に応じて電磁ソレノイド弁及び閉側絞りを設ける必要があり、調速機の構成が複雑となり、コスト上昇を招く恐れがある。更に、複数の電磁ソレノイド弁の励磁/非励磁を切替えるため、制御系の信頼性が低下する恐れもある。
【0008】
このため、本発明による発電機用水車の調速機は、開側油室と閉側油室とを有し、水車のガイドベーンを開閉作動させる油圧サーボモータと、開側油室に圧油を供給すると共に閉側油室から圧油を排出する状態と開側油室から圧油を排出すると共に閉側油室に圧油を供給する状態とを切替えて、油圧サーボモータを制御する配圧弁とを備えた発電機用水車の調速機であって、通路断面積が変更されることにより、開側油室から配圧弁を介して排出される圧油の排出量を調整して、ガイドベーンの閉鎖速度を制御する可変絞り手段と、可変絞り手段における通路断面積を変更する比例制御弁と、ガイドベーンの開度を検出するガイドベーン開度検出手段と、ガイドベーン開度検出手段からの出力信号に応じて、比例制御弁を制御する制御手段とを有していることを特徴としている。
【0009】
上述の発電機用水車の調速機によれば、制御手段がガイドベーンの開度に応じて比例制御弁を制御することにより、可変絞り手段における通路断面積が変更されて、開側油室から配圧弁を介して排出される圧油の排出量が調整されるので、開度に対応した閉鎖速度にてガイドベーンが閉鎖されることになる。これにより、調速機の構成の複雑化、及び、コストの上昇を招くことなく、水車負荷遮断時における水圧管内の水圧上昇、あるいは、水車の回転速度上昇を大幅に抑制することができる。
【0010】
また、制御手段は、ガイドベーンの開度が所定の第1開度に到達するまでの間、所定の第1速度にてガイドベーンを閉鎖し、ガイドベーンの開度が第1開度から所定の第2開度に到達するまでの間、第1速度より遅い所定の第2速度にてガイドベーンを閉鎖し、更に、ガイドベーンの開度が第2開度から全閉となるまでの間、第1速度より遅い所定の第3速度にてガイドベーンを閉鎖するように、比例制御弁を制御することが好ましい。この場合、ガイドベーンが開度に応じて、第1速度、第2速度及び第3速度のいずれかの閉鎖速度にて閉鎖される。これにより、調速機の構成の複雑化、及び、コストの上昇を招くことなく3段腰折れ方式が実現され、水車負荷遮断時における水圧管内の水圧上昇、あるいは、水車の回転速度上昇を大幅に抑制することができる。
【0011】
また、本発明者らは、水車負荷遮断時における水圧管内の水圧上昇、あるいは、水車の回転速度上昇を大幅に抑制するために、ガイドベーンの閉鎖速度を水圧管内の水圧及び水車の回転速度に対応して制御すること有効であることも見出した。しかしながら、上述した構成の調速機においてガイドベーンの閉鎖速度を水圧管内の水圧及び水車の回転速度に対応した制御を実現するためには、多数組の電磁ソレノイド弁及び閉側絞りを設ける必要があり、水圧管内の水圧及び水車の回転速度に対応した制御を実現することは極めて難しい。
【0012】
このため、本発明による発電機用水車の調速機は、開側油室と閉側油室とを有し、水車のガイドベーンを開閉作動させる油圧サーボモータと、開側油室に圧油を供給すると共に閉側油室から圧油を排出する状態と開側油室から圧油を排出すると共に閉側油室に圧油を供給する状態とを切替えて、油圧サーボモータを制御する配圧弁とを備えた発電機用水車の調速機であって、通路断面積が変更されることにより、開側油室から配圧弁を介して排出される圧油の排出量を調整して、ガイドベーンの閉鎖速度を制御する可変絞り手段と、可変絞り手段における通路断面積を変更する比例制御弁と、水車の回転速度を検出する回転速度検出手段と、水車より上流側の水圧管内の水圧を検出する水圧検出手段と、回転速度検出手段及び水圧検出手段からの出力信号に応じて、比例制御弁を制御する制御手段とを有していることを特徴としている。
【0013】
上述の発電機用水車の調速機によれば、制御手段が水圧管内の水圧及び水車の回転速度に応じて比例制御弁を制御することにより、可変絞り手段における通路断面積が変更されて、開側油室から配圧弁を介して排出される圧油の排出量が調整されるので、水圧管内の水圧及び水車の回転速度に対応した閉鎖速度にてガイドベーンが閉鎖されることになる。これにより、調速機の構成の複雑化、及び、コストの上昇を招くことなく、水車負荷遮断時における水圧管内の水圧上昇、あるいは、水車の回転速度上昇を大幅に抑制することができる。
【0014】
また、制御手段は、回転速度検出手段にて検出された水車の回転速度と所定の設定値との差に基づいて、差の小さい場合には大きい場合に比してガイドベーンの閉鎖速度が早くなるように比例制御弁を制御する回転速度対応制御部と、水圧検出手段にて検出された水圧管内の水圧と所定の設定値との差に基づいて、差が大きい場合には小さい場合に比してガイドベーンの閉鎖速度が早くなるように比例制御弁を制御する水圧対応制御部と、回転速度検出手段にて検出された水車の回転速度に応じて、回転速度対応制御部による制御と水圧対応制御部による制御とを切替える制御部切替え手段とを有していることが好ましい。この場合、水車負荷遮断時の水車の回転速度上昇、あるいは、水圧管内の水圧上昇が設定値内に抑えられる閉鎖速度にてガイドベーンが閉鎖されるため、水車負荷遮断時における水圧管内の水圧上昇、あるいは、水車の回転速度上昇を大幅に抑制することができる。
【0015】
また、本発明による発電機用水車の調速機は、開側油室と閉側油室とを有し、水車のガイドベーンを開閉作動させる油圧サーボモータと、開側油室に圧油を供給すると共に閉側油室から圧油を排出する状態と開側油室から圧油を排出すると共に閉側油室に圧油を供給する状態とを切替えて、油圧サーボモータを制御する配圧弁とを備えた発電機用水車の調速機であって、通路断面積が変更されることにより、開側油室から配圧弁を介して排出される圧油の排出量を調整して、ガイドベーンの閉鎖速度を制御する可変絞り手段と、可変絞り手段における通路断面積を変更する比例制御弁と、ガイドベーンの開度を検出するガイドベーン開度検出手段と、水車の回転速度を検出する回転速度検出手段と、水車より上流側の水圧管内の水圧を検出する水圧検出手段と、ガイドベーン開度検出手段からの出力信号に応じて、比例制御弁を制御する第1制御手段と、回転速度検出手段及び水圧検出手段からの出力信号に応じて、比例制御弁を制御する第2制御手段と、第1制御手段による制御と第2制御手段による制御とを切替える切替え手段とを有していることを特徴としている。
【0016】
上述の発電機用水車の調速機によれば、切替え手段により第1制御手段による制御、あるいは、第2制御手段による制御が切替えられ、第1制御手段による制御に切替えられている際には、第1制御手段がガイドベーンの開度に応じて比例制御弁を制御することにより、可変絞り手段における通路断面積が変更されて、開側油室から配圧弁を介して排出される圧油の排出量が調整されるので、開度に対応した閉鎖速度にてガイドベーンが閉鎖されることになる。一方、第2制御手段による制御に切替えられている際には、第2制御手段が水圧管内の水圧及び水車の回転速度に応じて比例制御弁を制御することにより、可変絞り手段における通路断面積が変更されて、開側油室から配圧弁を介して排出される圧油の排出量が調整されるので、水圧管内の水圧及び水車の回転速度に対応した閉鎖速度にてガイドベーンが閉鎖されることになる。これにより、より適切な制御に切替えて、調速機の構成の複雑化、及び、コストの上昇を招くことなく、水車負荷遮断時における水圧管内の水圧上昇、あるいは、水車の回転速度上昇を大幅に抑制することができる。
【0017】
また、第1制御手段は、ガイドベーンの開度が所定の第1開度に到達するまでの間、所定の第1速度にてガイドベーンを閉鎖し、ガイドベーンの開度が第1開度から所定の第2開度に到達するまでの間、第1速度より遅い所定の第2速度にてガイドベーンを閉鎖し、更に、ガイドベーンの開度が第2開度から全閉となるまでの間、第2速度より遅い所定の第3速度にてガイドベーンを閉鎖するように、比例制御弁を制御することが好ましい。この場合、ガイドベーンが開度に応じて、第1速度、第2速度及び第3速度のいずれかの閉鎖速度にて閉鎖される。これにより、調速機の構成の複雑化、及び、コストの上昇を招くことなく3段腰折れ方式が実現され、水車負荷遮断時における水圧管内の水圧上昇、あるいは、水車の回転速度上昇を大幅に抑制することができる。
【0018】
また、第2制御手段は、回転速度検出手段にて検出された水車の回転速度と所定の設定値との差に基づいて、差の小さい場合には大きい場合に比してガイドベーンの閉鎖速度が早くなるように比例制御弁を制御する回転速度対応制御部と、水圧検出手段にて検出された水圧管内の水圧と所定の設定値との差に基づいて、差が大きい場合には小さい場合に比してガイドベーンの閉鎖速度が早くなるように比例制御弁を制御する水圧対応制御部と、回転速度検出手段にて検出された水車の回転速度に応じて、回転速度対応制御部による制御と水圧対応制御部による制御とを切替える制御部切替え手段とを有していることが好ましい。この場合、水車負荷遮断時の水車の回転速度上昇、あるいは、水圧管内の水圧上昇が設定値内に抑えられる閉鎖速度にてガイドベーンが閉鎖されるため、水車負荷遮断時における水圧管内の水圧上昇、あるいは、水車の回転速度上昇を大幅に抑制することができる。
【0019】
また、可変絞り手段は、通路断面積を変更する可変絞り部と、可変絞り部の通路断面積を変更させる可変絞り用油圧サーボモータとを有しており、比例制御弁は、可変絞り用油圧サーボモータへの圧油の供給状態を制御することが好ましい。この場合、可変絞り手段における通路断面積を変更し得る構造を簡易且つ低コストで実現可能となる。
【0020】
また、可変絞り手段よりも開側油室からの圧油の排出方向で見て下流側に設けられ、ガイドベーンが所定の速度にて閉鎖されるように通路断面積が規定された固定絞り部を有していることが好ましい。この場合、可変絞り手段が故障した場合においても、ガイドベーンが固定絞り部における通路断面積に対応した所定の閉鎖速度にて閉鎖されるので、水圧管内の水圧の異常上昇、あるいは、水車の回転速度の異常上昇を抑制することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。
【0022】
図1は、本発明による発電機用水車の調速機の実施形態が用いられた、水力発電所の全体構成を示している。水力発電所1は、上下ダム2,3、サージタンク4、水車5、発電機6、導水路7、水圧管8などから構成される。上ダム2から導水路7を通ってサージタンク4まで導かれた水は水圧管8により一気に下降し、入り口弁9を通って1号機の水車5に入る。水圧管8から送られる高圧の水は、ケーシング10を通ってガイドベーン11に導かれ、ランナ12を回転駆動する。ランナ12は発電機6に接続されており、ランナ12の回転が発電機6に伝わることにより、発電が行われる。ランナ12を回転駆動してエネルギを失った水は、吸出し管13により減速され、放水路14を通って下ダム3に放流される。水圧管8は途中から分岐しており、高圧の水を図示しない2号機の水車に導いている。2号機の水車のランナを回転駆動してエネルギを失った水は、放水路14の途中にて合流し、下ダム3に放流される。
【0023】
発電機6を駆動する水車5の調速制御は、ガイドベーン11の開度を調節し、水車5に流入する水量を変化させることにより行われている。ガイドベーン11の開度は、設定された回転数(周波数)あるいは負荷のもとで水車5が作動するように調速機15により自動的に制御される。ガイドベーン11の開閉はリンク機構(図示せず)と油圧サーボモータ20により行われ、油圧サーボモータ20のストロークSTがガイドベーン11に伝達されることにより、ガイドベーン11が開閉作動されることになる。発電機6には、信号発電機(図示せず)を介して、回転速度検出手段としての周波数検出器16が接続されており、この周波数検出器16はランナ12(水車5)の回転速度を検出している。周波数検出器16にて検出されたランナ12の回転速度は、電気信号に変換されて調速機15に送られる。入り口弁9下流のケーシング10には、水圧検出手段としての水圧検出器17が設けられており、この水圧検出器17はケーシング10内の水圧を検出することで、間接的に水圧管8内の水圧を検出している。水圧検出器17にて検出された水圧管8内の水圧は、電気信号に変換されて調速機15に送られる。なお、水圧検出器17は、水圧管8内の水圧を直接的に検出するように、水圧管8に設けるようにしてもよい。
【0024】
調速機15は、図2に示されるように、ガイドベーン11と機械的に接続される油圧サーボモータ20と、圧油装置(図示せず)から送られてくる圧油を調整して油圧サーボモータ20に供給、あるいは油圧サーボモータ20から排出する配圧弁21とを有している。配圧弁21は、電気油圧変換機構(図示せず)とリンク機構22を介して接続されていると共に、圧油装置からの圧油供給通路23と、開側排油通路24と、閉側排油通路25とが接続されている。配圧弁21は、油圧サーボ機構(図示せず)の動作により、油圧サーボモータ20の開側油室20aに圧油を供給すると共に油圧サーボモータ20の閉側油室20bから圧油を排出する状態と、開側油室20aから圧油を排出すると共に閉側油室20bに圧油を供給する状態とに切替えられる。油圧サーボモータ20は、開側油室20aに圧油が供給されると共に閉側油室20bから圧油が排出されることによりガイドベーン11を開作動させ、閉側油室20bに圧油が供給されると共に開側油室20aから圧油が排出されることによりガイドベーン11を閉作動させる。油圧サーボモータ20には、油圧サーボモータ20のストロークSTを検出するための第1位置検出器(LVDT)26が設けられており、この第1位置検出器26は、油圧サーボモータ20のストロークSTを検出することで、間接的にガイドベーン11の開度を検出しており、各請求項におけるガイドベーン開度検出手段を構成している。
【0025】
ガイドベーン11の開作動は、配圧弁21が図2において下側に移動することにより、圧油が油圧サーボモータ20の開側油室20aに供給され、油圧サーボモータ20が図2において右側にストロークすることにより行われる。このとき、閉側油室20b内の圧油は、配圧弁21及び開側排油通路24を通して排出される。この開側排油通路24には、所定の通路断面積を有する開側固定絞り27が設けられており、開側固定絞り27により圧油の排出量が制限されて、ガイドベーン11の閉鎖速度が機械的に規定される。また、ガイドベーン11の閉作動は、配圧弁21が図2において上側に移動することにより、圧油が油圧サーボモータ20の閉側油室20bに供給され、油圧サーボモータ20が図2において左側にストロークすることにより行われる。このとき、開側油室20a内の圧油は、配圧弁21及び閉側排油通路25を通して排出される。この閉側排油通路25には、所定の通路断面積を有する閉側固定絞り28と、通路断面積を変更可能な閉側可変絞り29とが設けられており、閉側固定絞り28及び閉側可変絞り29により圧油の排出量が制限されて、ガイドベーン11の閉鎖速度が機械的に規定される。閉側固定絞り28は、閉側排油通路25における圧油の排出方向で見て、閉側可変絞り29よりも下流側に設けられている。ここで、閉側固定絞り28は各請求項における固定絞り部を構成しており、閉側可変絞り29は各請求項における可変絞り部を構成している。
【0026】
閉側固定絞り29における通路断面積は、閉側可変絞り29の通路断面積が最大の状態にてガイドベーン11が全開から全閉まで閉鎖された場合に、ガイドベーン11の閉鎖速度が、水圧管8の水圧が水圧管8の降伏応力を超えないような閉鎖速度(例えば、5秒/100%)となるように設定されている。
【0027】
調速機15は、更に、可変絞り用油圧サーボモータ30、比例制御弁31、比例制御弁制御部32とを有している。可変絞り用油圧サーボモータ30は、閉側可変絞り29と機械的に接続されており、開側油室30aと閉側油室30bとを有している。比例制御弁31は、圧油装置から送られてくる圧油を調整して可変絞り用油圧サーボモータ30に供給、あるいは可変絞り用油圧サーボモータ30から排出するためのスプール弁31aを有しており、比例制御弁制御部32から出力された制御信号が入力されて、この制御信号に応じてスプール弁31aの位置を制御している。スプール弁31aは、中立位置を保つように1組のばね31b,31bから付勢力が与えられており、いずれか一方の付勢力に抗してその位置が変更される。比例制御弁31(スプール弁31a)は、比例制御弁制御部32からの制御信号に応じて、可変絞り用油圧サーボモータ30の開側油室30aに圧油を供給すると共に可変絞り用油圧サーボモータ30の閉側油室30bから圧油を排出する状態と、開側油室30aから圧油を排出すると共に閉側油室30bに圧油を供給する状態とに切替えられる。可変絞り用油圧サーボモータ30には、可変絞り用油圧サーボモータ30のストロークを検出するための第2位置検出器(LVDT)33が設けられている。ここで、閉側可変絞り29及び可変絞り用油圧サーボモータ30は、各請求項における可変絞り手段を構成している。
【0028】
可変絞り用油圧サーボモータ30は、開側油室30aに圧油が供給されると共に閉側油室30bから圧油が排出されることにより、通路断面積を大きくするように閉側可変絞り29を作動させ、閉側油室30bに圧油が供給されると共に開側油室30aから圧油が排出されることにより、通路断面積を小さくするように閉側可変絞り29を作動させる。閉側可変絞り29は、可変絞り用油圧サーボモータ30のストロークに応じて、閉側可変絞り29における通路断面積が変更されることになる。閉側可変絞り29の通路断面積を大きくする方向への作動は、スプール弁31aが図2において下側に移動することにより、圧油が可変絞り用油圧サーボモータ30の開側油室30aに供給され、可変絞り用油圧サーボモータ30が図2において上側にストロークすることにより行われる。このとき、閉側油室30b内の圧油は排出される。また、閉側可変絞り29の通路断面積を小さくする方向への作動は、スプール弁31aが図2において上側に移動することにより、圧油が可変絞り用油圧サーボモータ30の閉側油室30bに供給され、可変絞り用油圧サーボモータ30が図2において下側にストロークすることにより行われる。このとき、開側油室30a内の圧油は、排出される。
【0029】
比例制御弁制御部32には、第1位置検出器26、第2位置検出器33、水圧検出器17及び周波数検出器16からの出力信号が入力されている。比例制御弁制御部32では、これら第1位置検出器26、第2位置検出器33、水圧検出器17及び周波数検出器16からの出力信号に基づいて演算を行い、比例制御弁31を制御する制御信号としての出力信号を出力している。
【0030】
比例制御弁制御部32は、第1制御部41、第2制御部42、第1切替え器43、演算増幅器44、開閉器45とを有している。第1制御部41は、ガイドベーン11を3段腰折れ閉鎖方式にて閉鎖するためのもので、第1位置検出器26及び第2位置検出器33からの出力信号が入力されており、油圧サーボモータ20の作動速度を制御するための制御信号を出力する。油圧サーボモータ20はガイドベーン11と機械的に接続されているため、比例制御弁制御部32から出力される制御信号により、結果的に、ガイドベーン11の閉鎖速度が制御されることになる。ここで、第1制御部41は、各請求項における第1制御手段を構成している。
【0031】
第2制御部42は、無段腰折れ閉鎖方式にて閉鎖するためのもので、回転速度対応制御部51と水圧対応制御部52とを有している。回転速度対応制御部51には周波数検出器16からの出力信号が入力されており、油圧サーボモータ20の作動速度を制御するための信号を出力する。水圧対応制御部52には水圧検出器17からの出力信号が入力されており、同様に、油圧サーボモータ20の作動速度を制御するための信号を出力する。回転速度対応制御部51及び水圧対応制御部52からの出力信号は、第2切替え器53に入力される。第2切替え器53には、回転速度対応制御部51からの出力信号も入力されており、この回転速度対応制御部51からの出力信号に基づいて、回転速度対応制御部51からの出力信号と水圧対応制御部52からの出力信号のうち、いずれか一方の出力信号を第2制御部42の出力信号として選択して、出力する。ここで、第2制御部42は、各請求項における第2制御手段を構成している。
【0032】
第1切替え器43には、第1制御部41及び第2制御部42からの出力信号が入力されており、いずれか一方の出力信号を選択して、演算増幅器44に対して出力する。第1切替え器43においては、水力発電所1の運用上、第1制御部41及び第2制御部42からの出力信号のうちどちらかを選択するかが、予め選択されるように構成されており、水力発電所1の運転中には切替えられるようには構成されていない。ここで、第1切替え器43は、各請求項における切替え手段を構成している。
【0033】
演算増幅器44には、第1切替え器43からの出力信号及び比例制御弁31からの帰還信号が入力されており、最終的に、油圧サーボモータ20の作動速度を制御するための制御信号が開閉器45を介して比例制御弁31に出力される。比例制御弁31は、この制御信号により制御されて、スプール弁31aの位置を変更する。開閉器45は、通常、閉状態が選択されている。しかしながら、ガイドベーン11が最大速度である閉側固定絞り28により規定された第1速度(5秒/100%)で常に閉鎖されたとしても、水圧上昇が水圧管8の保証値より小さい、例えば、他号機(2号機)が停止している状態、自号機(1号機)が部分負荷にて運転している状態、又は、上ダム2の水位が最下位にある状態等の場合には、開閉器45にて開状態が選択される。開閉器45が開状態にあるときには、比例制御弁31は、スプール弁31aの位置を図2において最下側の位置として、可変絞り用油圧サーボモータ30の開側油室30aに圧油を供給し、閉側可変絞り29の通路断面積が最大となるように可変絞り用油圧サーボモータ30をストロークさせる。
【0034】
第1制御部41は、図3に示される制御特性を有している。第1切替え器43にて第1制御部41からの出力信号を出力するように、第1制御部41による制御が選択されている場合、ガイドベーン11の開度が100%の状態で水車負荷遮断がなされると、第1制御部41は、第1位置検出器26がガイドベーン11の開度が第1開度(70%)となる油圧サーボモータ20のストロークを検出するまでは、ガイドベーン11の閉鎖速度が第1速度(5秒/100%)となる(図3において、領域A1の部分)ように出力信号を生成する。生成された出力信号は、演算増幅器44を介して制御信号として比例制御弁31に出力され、比例制御弁31は、スプール弁31aの位置を図2において最下側の位置として、可変絞り用油圧サーボモータ30の開側油室30aに圧油を供給し、閉側可変絞り29の通路断面積が最大となるように可変絞り用油圧サーボモータ30をストロークさせる。この結果、閉側排油通路25からの圧油の排出量は、閉側固定絞り28により規定され、ガイドベーン11の閉鎖速度が第1速度(5秒/100%)となる。
【0035】
第1位置検出器26が、ガイドベーン11の開度が第1開度(70%)となる状態を検出すると、第1制御部41は、ガイドベーン11の閉鎖速度が第1速度より遅い第2速度(40秒/100%)となる(図3において、領域B1の部分)ように出力信号を生成する。生成された出力信号は、演算増幅器44を介して制御信号として比例制御弁31に出力され、比例制御弁31は、スプール弁31aの位置を最下側の位置から図2において上方に移動させて、可変絞り用油圧サーボモータ30の閉側油室30bにも圧油を供給するようにし、閉側可変絞り29の通路断面積を小さくするように可変絞り用油圧サーボモータ30をストロークさせる。この結果、閉側排油通路25からの圧油の排出量は、閉側可変絞り29により規定され、ガイドベーン11の閉鎖速度が第2速度(40秒/100%)となる。このとき、第2位置検出器33から出力される可変絞り用油圧サーボモータ30のストロークに基づいて、第2速度(40秒/100%)が維持されるように制御がなされる。
【0036】
第1位置検出器26が、ガイドベーン11の開度が第2開度(40%)となる状態を検出すると、第1制御部41は、ガイドベーン11の閉鎖速度が第2速度より遅い第3速度(150秒/100%)となる(図3において、領域C1の部分)ように出力信号を生成する。生成された出力信号は、演算増幅器44を介して制御信号として比例制御弁31に出力され、比例制御弁31は、スプール弁31aの位置を図2において上方に更に移動させて、可変絞り用油圧サーボモータ30の閉側油室30bに圧油を供給するようにし、閉側可変絞り29の通路断面積を更に小さくするように可変絞り用油圧サーボモータ30をストロークさせる。この結果、閉側排油通路25からの圧油の排出量は、閉側可変絞り29により規定され、ガイドベーン11の閉鎖速度が第3速度(150秒/100%)となる。このとき、第2位置検出器33から出力される可変絞り用油圧サーボモータ30のストロークに基づいて、第3速度(150秒/100%)が維持されるように制御がなされる。
【0037】
回転速度対応制御部51は、図4に示される制御特性を有しており、周波数検出器16にて検出された水車5(ランナ12)の回転速度と所定の設定値としての保証値(Δnmax)との差nを算出し、この差nに基づいて、油圧サーボモータ20の作動速度、すなわちガイドベーン11の閉鎖速度を制御するための出力信号を生成する。回転速度対応制御部51は、周波数検出器16にて検出された水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差nが小さい場合には、大きい場合に比して、油圧サーボモータ20の作動速度が早くなるように制御することになる。
【0038】
水圧対応制御部52は、図5に示される制御特性を有しており、水圧検出器17にて検出された水圧管8(ケーシング10)内の水圧と所定の設定値としての保証値(Pmax)との差εを算出し、この差εに基づいて、油圧サーボモータ20の作動速度、すなわちガイドベーン11の閉鎖速度を制御するための出力信号を生成する。水圧対応制御部52は、水圧検出器17にて検出された水圧管8(ケーシング10)内の水圧と保証値(Pmax)との差εが大きい場合には、小さい場合に比して、油圧サーボモータ20の作動速度が早くなるように制御することになる。
【0039】
第2切替え器53は、回転速度対応制御部51から出力される、周波数検出器16にて検出された水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差nを表す信号に基づいて、回転速度対応制御部51からの出力信号と水圧対応制御部52からの出力信号のうち、いずれか一方を選択する。詳細には、周波数検出器16にて検出された水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差nが設定値n1以下となった場合に、回転速度対応制御部51による制御が選択されて、回転速度対応制御部51からの出力信号が出力される。周波数検出器16にて検出された水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差nが設定値n1に到達するまでは、水圧対応制御部52による制御が選択されて、第2切替え器53からは水圧対応制御部52からの出力信号が出力される。周波数検出器16にて検出された水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差nが設定値n1に到達した後は、回転速度対応制御部51による制御が選択されて、第2切替え器53からは回転速度対応制御部51からの出力信号が出力される。ここで、第2切替え器53は、各請求項における制御部切替え手段を構成している。
【0040】
第1切替え器43にて第2切替え器53からの出力信号を出力するように、第2制御部42による制御が選択されている場合、第2切替え器53からの出力信号は、演算増幅器44を介して制御信号として比例制御弁31に出力される。比例制御弁31は、スプール弁31aを制御信号に対応した位置に移動させて、可変絞り用油圧サーボモータ30の開側油室30aあるいは閉側油室30bに圧油を供給し、閉側可変絞り29の通路断面積を変更するように可変絞り用油圧サーボモータ30をストロークさせる。この結果、閉側排油通路25からの圧油の排出量は、閉側可変絞り29により規定され、ガイドベーン11の閉鎖速度が、水車5(ランナ12)の回転速度あるいは、水圧管8(ケーシング10)内の水圧に基づいて制御されることになる。
【0041】
以下、図6〜図10に基づいて、本実施形態における調速機15の動作について説明する。まず、調速機15の全体構成について、図6に示されるブロック図に基づいて説明する。調速機15は、負荷設定器(65P)61、周波数設定器(65F)62、PID演算部63、油圧サーボモータ(1/S)20を有している。
【0042】
負荷設定器61は、結合器64及び結合器65を順に介してPID演算部63に接続される。周波数設定器62は結合器65を介してPID演算部63に接続される。PID演算部63は、比例動作を行う比例器(P)、微分動作を行う微分器(D)及び積分動作を行う積分器(I)を有している。PID演算部63は、結合器66及び利得(K)67を順に介して速度変換部68に接続される。速度変換部68は、切替え器(SWT)69を介して油圧サーボモータ20に接続される。油圧サーボモータ20のストロークSTは、ガイドベーン11に伝えられると共に、第1位置検出器26にて検出されて、結合器64及び結合器66に接続されている。周波数検出器16の出力端子は結合器65及び結合器70に接続されている。結合器70には、保証値設定器71が接続されており、更に結合器70は速度変換部72に接続されている。水圧検出器17の出力端子は結合器73に接続されている。結合器73には、保証値設定器74が接続されており、更に結合器73は速度変換部75に接続されている。速度変換部72及び速度変換部75は、第2切替え器53に接続されている。利得67は、速度変換部76にも接続されている。第2切替え器53及び速度変換部76は、第1切替え器43に接続されており、この第1切替え器43は切替え器69に接続されている。速度変換部76は、油圧サーボモータ20のストロークSTが、70%以上の場合に速度変換部68の特性a1を選択し、70%より小さい場合に速度変換部68の特性a2を選択するように構成されている。
【0043】
上述した構成においては、負荷設定器61からの出力信号は、結合器64に加算入力される。結合器64には、第1位置検出器26からの出力信号も減算入力され、負荷設定器61からの出力信号と第1位置検出器26からの出力信号とが結合されて結合器65に出力される。結合器65には、周波数設定器62からの出力信号が加算入力されると共に、周波数検出器16からの出力信号が減算入力され、結合器64からの出力信号と、周波数設定器62からの出力信号と、周波数検出器16からの出力信号とが結合されてPID演算部63に出力される。PID演算部63からの出力信号は、利得67を介して速度変換部68に入力され、速度変換部68からは、油圧サーボモータ20の作動速度を表す信号Vが出力される。また、PID演算部63からの出力信号は、利得67を介して速度変換部76に入力され、速度変換部76からは、油圧サーボモータ20の作動速度を表す信号Xが第1切替え器43に出力される。
【0044】
周波数検出器16からの出力信号は、結合器70に減算入力される。結合器70には、保証値設定器71からの出力信号も加算入力され、周波数検出器16からの出力信号と保証値設定器71からの出力信号とが結合されて速度変換部72に出力される。速度変換部72からは、油圧サーボモータ20の作動速度を表す信号Nが出力される。水圧検出器17からの出力信号は、結合器73に減算入力される。結合器73には、保証値設定器74からの出力信号も加算入力され、水圧検出器17からの出力信号と保証値設定器74からの出力信号とが結合されて速度変換部75に出力される。速度変換部75からは、油圧サーボモータ20の作動速度を表す信号Pが出力される。速度変換部72から出力された油圧サーボモータ20の作動速度を表す信号N、及び、速度変換部75から出力された油圧サーボモータ20の作動速度を表す信号Pは、第2切替え器53に入力され、いずれか一方の信号が信号Yとして第1切替え器43に出力される。
【0045】
第1切替え器43からは、信号Xと信号Yのうち、いずれか一方が切替え器69に出力される。そして、切替え器69からは、速度変換部68から出力された油圧サーボモータ20の作動速度を表す信号Vと、第1切替え器43から出力された信号(信号Xと信号Yのうち、いずれか一方)とを比較して、小値となる方が油圧サーボモータ20に出力される。
【0046】
次に、調速機15の動作を説明する。ここでは、第1切替え器43において、信号Yが選択される、すなわち、第2制御部42(回転速度対応制御部51、あるいは、水圧対応制御部52)による制御が選択された場合について説明する。
【0047】
図7は、1号機及び2号機のガイドベーン11の開度が100%の状態で、1号機及び2号機において水車負荷遮断がなされた場合を示している。
【0048】
水車負荷遮断がなされると、負荷から解列されることにより水車5(ランナ12)の回転速度が上昇するため、調速機15(PID演算部63)の作用によってガイドベーン11は急閉される。このとき、信号Y(信号P)に比して信号Vの方が小値となるため、切替え器69では、信号Vが選択されることになる。すなわち、第2制御部42にて生成された出力信号は、演算増幅器44を介して制御信号として比例制御弁31に出力され、比例制御弁31は、スプール弁31aの位置を図2において最下側の位置として、可変絞り用油圧サーボモータ30の開側油室30aに圧油を供給し、閉側可変絞り29の通路断面積が最大となるように可変絞り用油圧サーボモータ30をストロークさせる。この結果、閉側排油通路25からの圧油の排出量は、閉側固定絞り28により規定され、ガイドベーン11の閉鎖速度が第1速度(5秒/100%)となる(図7において、D1の領域)。
【0049】
ガイドベーン11の閉鎖に伴い、水車5(ランナ12)の回転速度及び水圧管8(ケーシング10)内の水圧が上昇する。水圧管8(ケーシング10)内の水圧と保証値Pmaxとの差εが設定値ε1となると(時刻T1)、信号Vに比して信号Yの方が小値となるため、切替え器69では、信号Yが選択されることになる。この時点では、水車5(ランナ12)の回転速度と保証値Δnmaxとの差nがn1より大きく、n1に到達していないため、第2切替え器53では、信号Pが選択されて、出力されることになる。すなわち、水圧対応制御部52にて生成された出力信号が、第2制御部42の出力信号として出力され、この出力信号が制御信号として比例制御弁31に入力される。水圧対応制御部52にて生成された出力信号は、図5に示されるように、水圧検出器17にて検出された水圧管8(ケーシング10)内の水圧と保証値(Pmax)との差εに応じた大きさを有しており、比例制御弁31は、スプール弁31aの位置を水圧対応制御部52にて生成された出力信号の大きさに対応した位置として、可変絞り用油圧サーボモータ30の閉側油室30bにも圧油を供給し始める。可変絞り用油圧サーボモータ30の閉側油室30bへの圧油の供給により、可変絞り用油圧サーボモータ30がストロークして、閉側可変絞り29の通路断面積が、水圧管8(ケーシング10)内の水圧と保証値(Pmax)との差εに対応した通路断面積となり、結果的に、水圧管8(ケーシング10)内の水圧と保証値(Pmax)との差εに対応したガイドベーン11の閉鎖速度が得られることになる。(図7において、D2の領域)。
【0050】
その後、水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差nが設定値n1に到達すると(時刻T2)、第2切替え器53では、信号Nが選択されて、出力されることになる。なお、この時点でも、信号Vに比して信号Yの方が小値となるため、切替え器69では、信号Yが選択される。すなわち、回転速度対応制御部51にて生成された出力信号が、第2制御部42の出力信号として出力され、この出力信号が制御信号として比例制御弁31に入力される。回転速度対応制御部51にて生成された出力信号は、図4に示されるように、周波数検出器16にて検出された水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差nに応じた大きさを有しており、比例制御弁31は、スプール弁31aの位置を回転速度対応制御部51にて生成された出力信号の大きさに対応した位置として、可変絞り用油圧サーボモータ30の閉側油室30bにも圧油を供給し始める。可変絞り用油圧サーボモータ30の閉側油室30bへの圧油の供給により、可変絞り用油圧サーボモータ30がストロークして、閉側可変絞り29の通路断面積が、水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差nに対応した通路断面積となり、結果的に、水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差nに対応したガイドベーン11の閉鎖速度が得られることになる。(図7において、D3の領域)。
【0051】
ガイドベーン11が更に閉鎖されて、ガイドベーン11の開度が小さくなり、水車5(ランナ12)の回転速度が低下すると、信号Yに比して信号V(信号N)の方が小値となるため(時刻T3)、切替え器69では信号Vが選択されることになる。すなわち、PID演算部63からの出力信号に基づいて油圧サーボモータ20が制御されることにより、ガイドベーン11が閉鎖されて(図7において、D4の領域)、その後全閉とされる(時刻T4)。
【0052】
このように、1号機及び2号機をガイドベーン11の開度が100%の状態で水車負荷遮断した場合において、水圧管8(ケーシング10)内の水圧及び水車5(ランナ12)の回転速度が、各々の保証値(Pmax)(Δnmax)を越えることなく、ガイドベーン11が閉鎖される。
【0053】
図8は、1号機のみガイドベーン11の開度が100%の状態において、水車負荷遮断がなされた場合を示している。
【0054】
水車負荷遮断がなされると、負荷から解列されることにより水車5の回転速度が上昇するため、調速機15(PID演算部63)の作用によってガイドベーン11は急閉される。このとき、信号Y(信号P)に比して信号Vの方が小値となるため、切替え器69では、信号Vが選択されることになる。すなわち、第2制御部42にて生成された出力信号は、演算増幅器44を介して制御信号として比例制御弁31に出力される。比例制御弁31は、スプール弁31aの位置を図2において最下側の位置として、可変絞り用油圧サーボモータ30の開側油室30aに圧油を供給し、閉側可変絞り29の通路断面積が最大となるように可変絞り用油圧サーボモータ30をストロークさせる。この結果、閉側排油通路25からの圧油の排出量は、閉側固定絞り28により規定され、ガイドベーン11の閉鎖速度が第1速度(5秒/100%)となる。
【0055】
ガイドベーン11の閉鎖に伴い、水車5(ランナ12)の回転速度及び水圧管8(ケーシング10)内の水圧が上昇するが、1号機及び2号機をガイドベーン11の開度が100%の状態で水車負荷遮断した場合に比して、水車5(ランナ12)の回転速度及び水圧管8(ケーシング10)内の水圧の上昇は緩やかになり、水圧管8(ケーシング10)内の水圧と保証値(Pmax)との差ε2は設定値ε1に達することはなく(ε2>ε1)、また、水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差n2も設定値n1に達することはない(n2>n1)。このため、ガイドベーン11の閉鎖速度が第1速度(5秒/100%)とされた状態が維持される(図8において、E1の領域)。ガイドベーン11が更に閉鎖され、ガイドベーン11の開度が小さくなると(時刻T5)、ガイドベーン11は、速度変換部68の特性に従って、ガイドベーン11の閉鎖速度が第1速度(5秒/100%)より遅い閉鎖速度にて閉鎖され(図8において、E2の領域)、その後全閉とされる(時刻T6)。
【0056】
このように、1号機のみガイドベーン11の開度が100%の状態で水車負荷遮断がなされた場合において、速やかにガイドベーン11が閉鎖される(T4>T6)。1号機のみを水車負荷遮断するので、水車5(ランナ12)の回転速度及び水圧管8(ケーシング10)内の水圧の上昇代には、1号機及び2号機をガイドベーン11の開度が100%の状態で水車負荷遮断した場合に比して、余裕があり、ガイドベーン11の閉鎖速度を第1速度(5秒/100%)としても、水車5(ランナ12)の回転速度及び水圧管8(ケーシング10)内の水圧が、各々の保証値(Pmax),(Δnmax)を越えることはない。
【0057】
図9は、1号機及び又は2号機をガイドベーン11の開度が50%の状態において、水車負荷遮断がなされた場合を示している。
【0058】
水車負荷遮断がなされると、負荷から解列されることにより水車5の回転速度が上昇するため、調速機15(PID演算部63)の作用によってガイドベーン11は急閉される。このとき、信号Y(信号P)に比して信号Vの方が小値となるため、切替え器69では、信号Vが選択されることになる。すなわち、第2制御部42にて生成された出力信号は、演算増幅器44を介して制御信号として比例制御弁31に出力される。比例制御弁31は、スプール弁31aの位置を図2において最下側の位置として、可変絞り用油圧サーボモータ30の開側油室30aに圧油を供給し、閉側可変絞り29の通路断面積が最大となるように可変絞り用油圧サーボモータ30をストロークさせる。この結果、閉側排油通路25からの圧油の排出量は、閉側固定絞り28により規定され、ガイドベーン11の閉鎖速度が第1速度(5秒/100%)となる。
【0059】
ガイドベーン11の閉鎖に伴い、水車5(ランナ12)の回転速度及び水圧管8(ケーシング10)内の水圧が上昇するが、1号機及び2号機をガイドベーン11の開度が100%の状態で水車負荷遮断した場合に比して、水車5(ランナ12)の回転速度及び水圧管8(ケーシング10)内の水圧の上昇は、更に緩やかになり、水圧管8(ケーシング10)内の水圧と保証値(Pmax)との差ε3は設定値ε1よりも更に小さくなり(ε3≫ε1)、また、水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差n3も設定値n1よりかなり小さい(n3≫n1)。このため、ガイドベーン11の閉鎖速度が第1速度(5秒/100%)とされた状態が維持される(図9において、F1の領域)。ガイドベーン11が更に閉鎖され、ガイドベーン11の開度が小さくなると(時刻T7)、ガイドベーン11は、速度変換部68の特性に従って、ガイドベーン11の閉鎖速度が第1速度(5秒/100%)より遅い閉鎖速度にて閉鎖され(図9において、F2の領域)、その後全閉とされる(時刻T8)。
【0060】
このように、1号機及び又は2号機をガイドベーン11の開度が50%の状態で水車負荷遮断がなされた場合、1号機のみガイドベーン11の開度が100%の状態で水車負荷遮断がなされた場合と同様に、速やかにガイドベーン11が閉鎖される(T4>T8)。ガイドベーン11の開度が50%の状態から水車負荷遮断するので、水車5(ランナ12)の回転速度及び水圧管8(ケーシング10)内の水圧の上昇代には、1号機及び2号機をガイドベーン11の開度が100%の状態で水車負荷遮断した場合に比して、余裕があり、ガイドベーン11の閉鎖速度を第1速度(5秒/100%)としても、水車5(ランナ12)の回転速度及び水圧管8(ケーシング10)内の水圧が、各々の保証値(Pmax),(Δnmax)を越えることはない。
【0061】
比較例として、図10に、従来の2段腰折れ閉鎖方式を採用した場合を示す。
【0062】
1号機及び2号機のガイドベーン11の開度が100%の状態で、1号機及び2号機において水車負荷遮断がなされると、ガイドベーン11の開度が70%に達するまでの間(図10において、G1の領域)、ガイドベーン11は第1速度(5秒/100%)の閉鎖速度にて閉鎖される。その後、ガイドベーン11の開度が70%に達した時点で(時刻T9)、第2速度(40秒/100%)の閉鎖速度にて閉鎖され(図10において、G2の領域)、その後全閉とされる(時刻T10)。
【0063】
従来の2段腰折れ閉鎖方式では、水圧管8(ケーシング10)内の水圧と保証値(Pmax)との差が設定値ε1以上とならないように、また、水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差も設定値n1以上とならないように、ガイドベーン11の閉鎖速度が設定されており、図10に示されるように、水車5(ランナ12)の回転速度及び水圧管8(ケーシング10)内の水圧の上昇は抑制される。しかしながら、従来の2段腰折れ閉鎖方式では、水車5(ランナ12)の回転速度あるいは水圧管8(ケーシング10)内の水圧の上昇代に余裕がある場合においても、予め設定された閉鎖速度にてガイドベーン11が閉鎖されるので、ガイドベーン11が全閉されるまでの時間が長くなる(T6<T10,T8<T10)。
【0064】
このように、第1切替え器43により第1制御部41による制御と第2制御部42による制御のうち、いずれか一方の制御が選択され、第1制御部41による制御が選択されている際には、第1制御部41が第1位置検出器26により検出された油圧サーボモータ20のストロークに応じて比例制御弁31を制御することにより、可変絞り用油圧サーボモータ30を介して閉側可変絞り29における通路断面積が変更されて、油圧サーボモータ20の開側油室20aから配圧弁21を介して排出される圧油の排出量が調整されるので、油圧サーボモータ20のストローク、すなわちガイドベーン11の開度に対応した閉鎖速度にてガイドベーン11が閉鎖されることになる。一方、第2制御部42による制御に切替えられている際には、第2制御部42が水圧検出器17により検出された水圧管8(ケーシング10)内の水圧及び周波数検出器16により検出された水車5(ランナ12)の回転速度に応じて比例制御弁31を制御することにより、可変絞り用油圧サーボモータ30を介して閉側可変絞り29における通路断面積が変更されて、油圧サーボモータ20の開側油室20aから配圧弁21を介して排出される圧油の排出量が調整されるので、水圧管8(ケーシング10)内の水圧及び水車5(ランナ12)の回転速度に対応した閉鎖速度にてガイドベーン11が閉鎖されることになる。これにより、調速機15の構成の複雑化、及び、コストの上昇を招くことなく、水車負荷遮断時における水圧管8(ケーシング10)内の水圧上昇、あるいは、水車5(ランナ12)の回転速度上昇を大幅に抑制することができる。
【0065】
水車負荷遮断時における水圧管8(ケーシング10)内の水圧上昇を抑制することにより、水圧管8、ケーシング10等を設計する際に考慮すべき最大水圧が小さくなり、水圧管8、ケーシング10等の板厚を薄くして設計することが可能となる。この結果、水力発電所1の建設費を低減することができる。また、サージタンク4を有している水力発電所1においては、水圧管8(ケーシング10)内の水圧上昇を抑制することにより、サージタンク4の容積を小さくすることが可能となり、水力発電所1の建設費を更に低減することができる。また、水車負荷遮断時における水車5(ランナ12)の回転速度上昇を大幅に抑制することにより、発電機6の慣性モーメントGD2を小さくしても水車5の回転速度変動を小さくできるので、水車5の軽量化及び低コスト化を図ることができると共に、水車5の疲労強度上の信頼性及び速応性を向上することができる。
【0066】
また、第1切替え器43により第1制御部41による制御と第2制御部42による制御のうち、いずれか一方の制御が選択されるので、水力発電所1の運転に対して、より適切な制御を選択することができる。
【0067】
また、第1制御部41は、第1位置検出器26により検出された油圧サーボモータ20のストロークSTに基づいて、ガイドベーン11の開度が第1開度(70%)に到達するまでの間、第1速度(5秒/100%)にてガイドベーン11を閉鎖し、ガイドベーン11の開度が第1開度(70%)から第2開度(40%)に到達するまでの間、第1速度より遅い第2速度(40秒/100%)にてガイドベーン11を閉鎖し、更に、ガイドベーン11の開度が第2開度(40%)から全閉(0%)となるまでの間、第2速度より遅い第3速度(150秒/100%)にてガイドベーン11を閉鎖するように、比例制御弁31を制御し、閉側可変絞り29における通路断面積を変更して、油圧サーボモータ20の開側油室20aから配圧弁21を介して排出される圧油の排出量を調整するので、ガイドベーン11が、ガイドベーン11の開度(油圧サーボモータ20のストロークST)に応じて、第1速度、第2速度及び第3速度の順にて閉鎖される。これにより、調速機15の構成の複雑化、及び、コストの上昇を招くことなく3段腰折れ方式が実現され、水車負荷遮断時における水圧管8(ケーシング10)内の水圧上昇、あるいは、水車5(ランナ12)の回転速度上昇を大幅に抑制することができる。
【0068】
また、第2制御部42は、周波数検出器16にて検出された水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差に基づいて、この差の小さい場合には大きい場合に比してガイドベーン11の閉鎖速度が早くなるように比例制御弁31を制御する回転速度対応制御部51と、水圧検出器17にて検出された水圧管8(ケーシング10)内の水圧と保証値(Pmax)との差に基づいて、差が大きい場合には小さい場合に比してガイドベーン11の閉鎖速度が早くなるように比例制御弁31を制御する水圧対応制御部52と、周波数検出器16にて検出された水車5(ランナ12)内の回転速度に応じて、回転速度対応制御部51による制御と水圧対応制御部52による制御とを選択する第2切替え器53とを有しているので、水車負荷遮断時の水車5(ランナ12)の回転速度上昇、あるいは、水圧管8(ケーシング10)内の水圧上昇が各々の保証値(Pmax),(Δnmax)内に抑えられる閉鎖速度にてガイドベーン11が閉鎖されるため、水車負荷遮断時における水圧管8(ケーシング10)内の水圧上昇、あるいは、水車5(ランナ12)の回転速度上昇を大幅に抑制することができる。
【0069】
また、閉側排油通路25に、通路断面積を変更可能な閉側可変絞り29を設けると共に、この閉側可変絞り29における通路断面積を変更させるための可変絞り用油圧サーボモータ30を設け、比例制御弁31は、可変絞り用油圧サーボモータ30への圧油の供給状態を制御するように構成しているので、閉側排油通路25の通路断面積を変更し得る構造を簡易且つ低コストで実現可能となる。
【0070】
また、閉側排油通路25における圧油の排出方向で見て閉側可変絞り29よりも下流側に、所定の通路断面積を有する閉側固定絞り28を設け、この閉側固定絞り28における通路断面積が、閉側可変絞り29の通路断面積が最大の状態にてガイドベーン11が全開から全閉まで閉鎖された場合に、ガイドベーン11の閉鎖速度が、水圧管8の水圧が水圧管8の降伏応力を超えないような閉鎖速度(第1速度(5秒/100%))となるように設定されているので、閉側可変絞り29の通路断面積が最大の状態にて故障した場合においても、ガイドベーン11が閉側固定絞り28における通路断面積に対応した閉鎖速度(第1速度(5秒/100%))にて閉鎖されるので、水圧管8(ケーシング10)内の水圧の異常上昇、あるいは、水車5(ランナ12)の回転速度の異常上昇を抑制することができる。
【0071】
また、水圧管8(ケーシング10)内の水圧と保証値(Pmax)との差εが設定値ε1となると、水圧対応制御部52による制御が選択され、あるいは、水車5(ランナ12)の回転速度と保証値(Δnmax)との差nが設定値n1となると、回転速度対応制御部51による制御が選択されるので、1号機及び又は2号機をガイドベーン11の開度が50%の状態で水車負荷遮断がなされた場合、あるいは、1号機のみガイドベーン11の開度が100%の状態で水車負荷遮断がなされた場合のように、負荷が低い状態にて水車負荷遮断された場合には、ガイドベーン11を全閉とするまでの期間が短くなり、速やかにガイドベーン11を閉鎖することができる。この結果、過渡現象の収束も早くなり、次の起動指令に対する待機状態に迅速に移行することができると共に、水車5の信頼性の低下を抑制することができる。なお、負荷が低い状態にて水車負荷遮断された場合には、水車5(ランナ12)の回転速度及び水圧管8(ケーシング10)内の水圧の上昇代には、1号機及び2号機をガイドベーン11の開度が100%の状態で水車負荷遮断した場合に比して、余裕があり、ガイドベーン11の閉鎖速度を第1速度(5秒/100%)としても、水車5(ランナ12)の回転速度及び水圧管8(ケーシング10)内の水圧が、各々の保証値(Pmax),(Δnmax)を越えることはない。
【0072】
なお、本実施形態においては、第1制御部41及び第2制御部42を設け、第1切替え器43により第1制御部41による制御と第2制御部42による制御のうち、いずれか一方の制御を選択し得るように構成しているが、第1制御部41と第2制御部42のうちいずれか一方のみを設け、比例制御弁31を制御するように構成してもよい。
【0073】
また、本実施形態においては、調速機15又は比例制御弁制御部32の各要素を個別に構成することとしているが、ディジタル式制御装置を用い、これらの要素を当該制御装置中のソフトウェアにて構成してもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、請求項1に記載の発電機用水車の調速機によれば、制御手段がガイドベーンの開度に応じて比例制御弁を制御することにより、可変絞り手段における通路断面積が変更されて、開側油室から配圧弁を介して排出される圧油の排出量が調整されるので、開度に対応した閉鎖速度にてガイドベーンが閉鎖されることになる。これにより、調速機の構成の複雑化、及び、コストの上昇を招くことなく、水車負荷遮断時における水圧管内の水圧上昇、あるいは、水車の回転速度上昇を大幅に抑制することができる。
【0075】
また、請求項3に記載の発電機用水車の調速機によれば、制御手段が水圧管内の水圧及び水車の回転速度に応じて比例制御弁を制御することにより、可変絞り手段における通路断面積が変更されて、開側油室から配圧弁を介して排出される圧油の排出量が調整されるので、水圧管内の水圧及び水車の回転速度に対応した閉鎖速度にてガイドベーンが閉鎖されることになる。これにより、調速機の構成の複雑化、及び、コストの上昇を招くことなく、水車負荷遮断時における水圧管内の水圧上昇、あるいは、水車の回転速度上昇を大幅に抑制することができる。
【0076】
また、請求項5に記載の発電機用水車の調速機によれば、切替え手段により第1制御手段による制御、あるいは、第2制御手段による制御が切替えられ、第1制御手段による制御に切替えられている際には、第1制御手段がガイドベーンの開度に応じて比例制御弁を制御することにより、可変絞り手段における通路断面積が変更されて、開側油室から配圧弁を介して排出される圧油の排出量が調整されるので、開度に対応した閉鎖速度にてガイドベーンが閉鎖されることになる。一方、第2制御手段による制御に切替えられている際には、第2制御手段が水圧管内の水圧及び水車の回転速度に応じて比例制御弁を制御することにより、可変絞り手段における通路断面積が変更されて、開側油室から配圧弁を介して排出される圧油の排出量が調整されるので、水圧管内の水圧及び水車の回転速度に対応した閉鎖速度にてガイドベーンが閉鎖されることになる。これにより、より適切な制御に切替えて、調速機の構成の複雑化、及び、コストの上昇を招くことなく、水車負荷遮断時における水圧管内の水圧上昇、あるいは、水車の回転速度上昇を大幅に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発電機用水車の調速機の実施形態が用いられた、水力発電所の全体構成図である。
【図2】本発明による発電機用水車の調速機の実施形態を示す要部構成図である。
【図3】本発明による発電機用水車の調速機の実施形態に含まれる、第1制御部における制御特性を示す図表である。
【図4】本発明による発電機用水車の調速機の実施形態に含まれる、回転速度対応制御部における制御特性を示す図表である。
【図5】本発明による発電機用水車の調速機の実施形態に含まれる、水圧対応制御部における制御特性を示す図表である。
【図6】本発明による発電機用水車の調速機の実施形態を示すブロック図である。
【図7】本発明による発電機用水車の調速機の実施形態における、ガイドベーン開度、水車の回転速度及び水圧管内の水圧の変化を示す図表である。
【図8】本発明による発電機用水車の調速機の実施形態における、ガイドベーン開度、水車の回転速度及び水圧管内の水圧の変化を示す図表である。
【図9】本発明による発電機用水車の調速機の実施形態における、ガイドベーン開度、水車の回転速度及び水圧管内の水圧の変化を示す図表である。
【図10】従来の発電機用水車の調速機における、ガイドベーン開度、水車の回転速度及び水圧管内の水圧の変化を示す図表である。
【図11】従来の発電機用水車の調速機を示す要部構成図である。
【図12】従来の発電機用水車の調速機における、ガイドベーンの閉鎖特性を示す図表である。
【符号の説明】
1…水力発電所、4…サージタンク、5…水車、6…発電機、8…水圧管、10…ケーシング、11…ガイドベーン、12…ランナ、15…調速機、16…周波数検出器、17…水圧検出器、20…油圧サーボモータ、20a…開側油室、20b…閉側油室、21…配圧弁、23…圧油供給通路、24…開側排油通路、25…閉側排油通路、26…第1位置検出器、30…可変絞り用油圧サーボモータ、30a…開側油室、30b…閉側油室、31…比例制御弁、31a…スプール弁、32…比例制御弁制御部、33…第2位置検出器、41…第1制御部、42…第2制御部、43…第1切替え器、44…演算増幅器、45…開閉器、51…回転速度対応制御部、52…水圧対応制御部、53…第2切替え器、61…負荷設定器、62…周波数設定器、63…PID演算部、68…速度変換部、69…切替え器、71…保証値設定器、72…速度変換部、74…保証値設定器、75…速度変換部、76…速度変換部、100…調速機、101…油圧サーボモータ、101a…開側油室、101b…閉側油室、102…配圧弁、103…位置検出器、104…第1排出通路、105…第2排出通路、106…第1閉側絞り、107…第2閉側絞り、108…第1電磁ソレノイド弁、109…第2電磁ソレノイド弁。

Claims (6)

  1. 開側油室と閉側油室とを有し、水車のガイドベーンを開閉作動させる油圧サーボモータと、
    前記開側油室に圧油を供給すると共に前記閉側油室から圧油を排出する状態と前記開側油室から圧油を排出すると共に前記閉側油室に圧油を供給する状態とを切替えて、前記油圧サーボモータを制御する配圧弁とを備えた発電機用水車の調速機であって、
    通路断面積が変更されることにより、前記開側油室から前記配圧弁を介して排出される圧油の排出量を調整して、前記ガイドベーンの閉鎖速度を制御する可変絞り手段と、
    前記可変絞り手段における前記通路断面積を変更する比例制御弁と、
    前記水車の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記水車より上流側の水圧管内の水圧を検出する水圧検出手段と、
    前記回転速度検出手段及び前記水圧検出手段からの出力信号に応じて、前記比例制御弁を制御する制御手段とを有し、
    さらに、前記制御手段は、
    前記回転速度検出手段にて検出された前記水車の回転速度と所定の設定値との差に基づいて、前記差の小さい場合には大きい場合に比して前記ガイドベーンの閉鎖速度が早くなるように前記比例制御弁を制御する回転速度対応制御部と、
    前記水圧検出手段にて検出された前記水圧管内の水圧と所定の設定値との差に基づいて、前記差が大きい場合には小さい場合に比して前記ガイドベーンの閉鎖速度が早くなるように前記比例制御弁を制御する水圧対応制御部と、
    前記回転速度検出手段にて検出された前記水車の回転速度に応じて、前記回転速度対応制御部による制御と前記水圧対応制御部による制御とを切替える制御部切替え手段とを有していることを特徴とする発電機用水車の調速機。
  2. 開側油室と閉側油室とを有し、水車のガイドベーンを開閉作動させる油圧サーボモータと、
    前記開側油室に圧油を供給すると共に前記閉側油室から圧油を排出する状態と前記開側油室から圧油を排出すると共に前記閉側油室に圧油を供給する状態とを切替えて、前記油圧サーボモータを制御する配圧弁とを備えた発電機用水車の調速機であって、
    通路断面積が変更されることにより、前記開側油室から前記配圧弁を介して排出される圧油の排出量を調整して、前記ガイドベーンの閉鎖速度を制御する可変絞り手段と、
    前記可変絞り手段における前記通路断面積を変更する比例制御弁と、
    前記ガイドベーンの開度を検出するガイドベーン開度検出手段と、
    前記水車の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記水車より上流側の水圧管内の水圧を検出する水圧検出手段と、
    前記ガイドベーン開度検出手段からの出力信号に応じて、前記比例制御弁を制御する第1制御手段と、
    前記回転速度検出手段及び前記水圧検出手段からの出力信号に応じて、前記比例制御弁を制御する第2制御手段と、
    前記第1制御手段による制御と前記第2制御手段による制御とを切替える切替え手段とを有していることを特徴とする発電機用水車の調速機。
  3. 前記第1制御手段は、
    前記ガイドベーンの開度が所定の第1開度に到達するまでの間、所定の第1速度にて前記ガイドベーンを閉鎖し、前記ガイドベーンの開度が前記第1開度から所定の第2開度に到達するまでの間、前記第1速度より遅い所定の第2速度にて前記ガイドベーンを閉鎖し、更に、前記ガイドベーンの開度が前記第2開度から全閉となるまでの間、前記第2速度より遅い所定の第3速度にて前記ガイドベーンを閉鎖するように、前記比例制御弁を制御することを特徴とする請求項2に記載の発電機用水車の調速機。
  4. 前記第2制御手段は、
    前記回転速度検出手段にて検出された前記水車の回転速度と所定の設定値との差に基づいて、前記差の小さい場合には大きい場合に比して前記ガイドベーンの閉鎖速度が早くなるように前記比例制御弁を制御する回転速度対応制御部と、
    前記水圧検出手段にて検出された前記水圧管内の水圧と所定の設定値との差に基づいて、前記差が大きい場合には小さい場合に比して前記ガイドベーンの閉鎖速度が早くなるように前記比例制御弁を制御する水圧対応制御部と、
    前記回転速度検出手段にて検出された前記水車の回転速度に応じて、前記回転速度対応制御部による制御と前記水圧対応制御部による制御とを切替える制御部切替え手段とを有していることを特徴とする請求項2に記載の発電機用水車の調速機。
  5. 前記可変絞り手段は、通路断面積を変更する可変絞り部と、前記可変絞り部の前記通路断面積を変更させる可変絞り用油圧サーボモータとを有しており、
    前記比例制御弁は、前記可変絞り用油圧サーボモータへの圧油の供給状態を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発電機用水車の調速機。
  6. 前記可変絞り手段よりも前記開側油室からの圧油の排出方向で見て下流側に設けられ、前記ガイドベーンが所定の速度にて閉鎖されるように通路断面積が規定された固定絞り部を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の発電機用水車の調速機。
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