JP4003705B2 - 半田付け用端子の製造方法 - Google Patents
半田付け用端子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4003705B2 JP4003705B2 JP2003185748A JP2003185748A JP4003705B2 JP 4003705 B2 JP4003705 B2 JP 4003705B2 JP 2003185748 A JP2003185748 A JP 2003185748A JP 2003185748 A JP2003185748 A JP 2003185748A JP 4003705 B2 JP4003705 B2 JP 4003705B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gold
- terminal
- nickel
- plating
- solder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)
- Connections Effected By Soldering, Adhesion, Or Permanent Deformation (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半田付けに備えて表面処理がなされた半田付け用端子(例えば、コネクタ端子)を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7はコネクタ(ソケット)Aの一例を示すものであり、コネクタ基台10に多数本のコネクタ端子1′を平行に2列取り付けることによって形成されている。コネクタ端子1′は一端部に端子部2′を、他端部に接点部3′を設けるように折り曲げ加工して形成されており、端子部2′がコネクタ基台10の下面に配置されるように取り付けてある。またコネクタ端子1′の表面には一般に、ニッケルめっきの下地めっきを施した上に、金めっきが施してある。
【0003】
そしてこのようなコネクタ端子1′を組み込んで形成したコネクタAは、図8に示すようにプリント配線板11に実装して使用されるものであり、プリント配線板11の上にコネクタAを配置して、コネクタ端子1′の端子部2′をプリント配線板11に半田付けすることによって、コネクタAの実装を行うようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
上記のようにプリント配線板11の上にコネクタAを配置して、コネクタ端子1′の端子部2′を半田付けするにあたって、コネクタ端子1′の表面の全面には金めっきが施してあるので、金に対する半田の濡れ易さなどから、半田が端子部2′から接点部3′へとコネクタ端子1′の金めっきを施した表面に沿って這い上がり、この結果、端子部2′に十分な量の半田が残らず、プリント配線板11との半田接合強度が不足するおそれがあるという問題がある。また、半田が端子部2′から金めっきの表面を這い上がって接点部3′に到達した場合、メス側となるコネクタAに、オス側となるヘッダ(図示省略)を差し込んだとき、コネクタAがヘッダを十分に保持することができなくなるという問題もある。
【0005】
そこで、コネクタ端子1′のうち、表面を金めっきで被覆することが必要な端子部2′と接点部3′のみに金めっきを施し、端子部2′と接点部3′の間の部分には金めっきが施されないように、部分金めっきを行うことが検討されている(例えば、特許文献2、3参照。)。このように端子部2′と接点部3′の間に金めっきを施さず、ニッケルの下地めっきを露出させたままにしておくことによって、ニッケルに対する半田の濡れ難さなどから、端子部2′から接点部3′へと半田が這い上がることを遮断して防ぐことができるのである。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−8753号公報(段落番号[0028])
【0007】
【特許文献2】
特開平2−15662号公報(特許請求の範囲、第3頁)
【0008】
【特許文献3】
特開平6−204377号公報(特許請求の範囲、第3頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コネクタ端子1′は図6に示すように長尺の金属帯板12(銅素材など)にその長手方向の側端縁に沿って多数本突設して形成されているものであり、これをフープ材13の態様にして、フープ材13を長手方向に送りながら金めっき浴に浸漬することによって、コネクタ端子1′に金めっきを施すようにしてある。従ってコネクタ端子1′は全体が金めっき浴に浸漬されるので、コネクタ端子1′に部分的に金めっきを施すようにすることは難しく、敢えてコネクタ端子1′に部分的に金めっきを施すようにすればフープ材13の送り速度を数分の一程度に減速せざるを得なくなり、生産性に問題が生じることになるものであった。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、半田付けする半田付け部(コネクタ端子においては端子部)から半田付けしない非半田付け部(コネクタ端子においては接点部)へと半田が這い上がることを防ぐことができる半田付け用端子の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る半田付け用端子の製造方法は、半田付けする半田付け部2と半田付けしない非半田付け部3とを設けて形成され、下地めっき9であるニッケルめっき7の表面に、半田が這い上がる金−ニッケル合金めっき8を施した半田付け用端子を製造するにあたって、半田付け部2と非半田付け部3との間の部分に電磁波Lを照射し、この部分の金−ニッケル合金のニッケルを表面へ拡散させ、金−ニッケル合金めっき8より半田濡れ性が劣る拡散層8aを形成することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項2に係る半田付け用端子の製造方法は、半田付けする半田付け部2と半田付けしない非半田付け部3とを設けて形成され、下地めっき9であるニッケルめっき7の表面にパラジウム−ニッケル合金めっき6を介して、半田が這い上がる金−ニッケル合金めっき8を施した半田付け用端子を製造するにあたって、半田付け部2と非半田付け部3との間の部分に電磁波Lを照射し、この部分の金−ニッケル合金のニッケルを表面へ拡散させ、金−ニッケル合金めっき8より半田濡れ性が劣る拡散層8aを形成することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
本発明の請求項1に係る半田付け用端子の製造方法は、半田付けする半田付け部2と半田付けしない非半田付け部3とを設けて形成され、下地めっき9であるニッケル(Ni)めっき7の表面に金−ニッケル(Au−Ni)合金めっき8を施した半田付け用端子1を製造する方法に関するものであり、一方、本発明の請求項2に係る半田付け用端子の製造方法は、半田付けする半田付け部2と半田付けしない非半田付け部3とを設けて形成され、下地めっき9であるニッケル(Ni)めっき7の表面にパラジウム−ニッケル(Pd−Ni)合金めっき6を介して金−ニッケル(Au−Ni)合金めっき8を施した半田付け用端子1を製造する方法に関するものである。
【0015】
上記半田付け用端子1の中には、コネクタ端子1′のほか、表面実装型半導体装置のパッケージに設けられたリード等が含まれるものである。すなわち、表面実装型半導体装置のパッケージも、コネクタ端子1′と同様にプリント配線板に実装して使用されるものであり(例えば、特開平7−263610号公報参照。)、プリント配線板の上方に上記パッケージを配置して、このパッケージに設けられたリードの先端部をプリント配線板に半田付けすることによって、上記パッケージの実装を行うものである。そしてこの場合には、リードの先端部が半田付け部2に相当し、リードの基部(根もと)が非半田付け部3に相当する。
【0016】
以下においては、半田付け用端子1の具体例であるコネクタ端子1′の製造方法について説明するが、その他の半田付け用端子1もコネクタ端子1′と同様に製造することができる。なお、コネクタ端子1′において、端子部2′が半田付け部2に相当し、接点部3′が非半田付け部3に相当する。
【0017】
まず請求項1の発明について説明する。コネクタ端子1′は既述のように、一端部に端子部2′を、他端部に接点部3′を設けるように折り曲げ加工して形成されているものであり、長尺の金属帯板12(銅素材など)をプレス加工することによって、既述の図6のように金属帯板12の長手方向の一側端縁に沿って多数本を平行に配列して、金属帯板12と一体に形成してある。そして多数本のコネクタ端子1′を一体に設けた金属帯板12をフープ材13の態様にして長手方向に送ることによって、多数本の各コネクタ端子1′に生産性高く加工を行うことができるようにしてある。すなわち、フープ材13を長手方向に送りながらニッケルめっき浴に浸漬することによって、まずコネクタ端子1′の表面の全面にニッケルの下地めっき9を施し、さらにフープ材13を長手方向に送りながら金−ニッケル合金めっき浴に浸漬することによって、下地めっき9の上から、コネクタ端子1′の表面の全面に金−ニッケル合金めっき8を施すことができるものである。
【0018】
ここで、ニッケルめっき浴としては、特に限定されるものではないが、電流密度を上げやすく生産性を高めることができることから、スルファミン酸ニッケルめっき浴を用いるのが好ましい。ニッケルめっき7は、膜厚が0.3〜10μmとなるように施すのが好ましい。また、金−ニッケル合金めっき浴としては、特に限定されるものではないが、共析比率が金:ニッケル=70:30〜99.9〜0.1であるものを用いるのが好ましい。金−ニッケル合金めっき浴の具体例としては、日鉱メタルプレーティング株式会社の製品を挙げることができる。金−ニッケル合金めっき8は、膜厚が0.01〜0.5μmとなるように施すのが好ましい。
【0019】
そして、図1に示すように、コネクタ端子1′の表面に端子部2′と接点部3′を含む全面に金−ニッケル合金めっき8を施した後、端子部2′と接点部3′の間の部分に電磁波L(レーザー)を照射することによって、この部分の半田濡れ性を他の部分の半田濡れ性よりも低下させるようにしてある。このような電磁波Lによる加工によれば、微小スポットに集光でき、かつエネルギー条件を選べば、パワー密度を自由に制御できるので、上記のように半田濡れ性の低い部分を精度良くしかも短時間で形成することができるものである。なお、電磁波Lを照射する箇所は端子部2′と接点部3′との間であればどの箇所であってもよく、端子部2′に近い箇所に電磁波Lを照射するようにするのが望ましい。
【0020】
このように端子部2′と接点部3′の間の部分の半田濡れ性を低下させた後、コネクタ端子1′を金属帯板12から切り離し、コネクタ端子1′をコネクタ基台10の両側部にそれぞれ複数本ずつ平行に取り付けることによって、既述の図7のようなコネクタAを作製することができるものである。そして、このようにコネクタ端子1′を組み込んで形成したコネクタAをプリント配線板11に実装するにあたって、既述の図8のようにプリント配線板11の上にコネクタAを配置し、コネクタ端子1′の端子部2′をプリント配線板11に半田付けする際に、半田が端子部2′から金−ニッケル合金めっき8の表面を這い上がってきても、金−ニッケル合金めっき8より半田濡れ性を低下させた箇所で半田の這い上がりは停止し、それ以上半田は這い上がらなくなる。従って、半田が接点部3′にまで這い上がって端子部2′に十分な量の半田が残らなくなることを防ぐことができ、プリント配線板11への端子部2′の半田接合強度を高く保つことができるものである。
【0021】
また、従来の技術においては、耐食性を確保するため封孔処理が必要であるが、請求項1の発明によれば、封孔処理をしなくても耐食性を十分に確保することができるため、リレーやプリント基板等のように封孔処理ができない商品にも応用することができるものである。
【0022】
上記のようにコネクタ端子1′の端子部2′と接点部3′の間の部分の半田濡れ性を低下させるにあたって、請求項1の発明では、端子部2′と接点部3′との間の部分において、金−ニッケル合金めっき8を剥離する電磁波よりも小さなエネルギーを有する電磁波Lを図1に示すように照射し、図2に示すように上記の部分の金−ニッケル合金のニッケルを表面へ拡散させることによって、この部分に拡散層8aを形成するようにしている。この拡散層8aはニッケルめっき7と同様に金−ニッケル合金めっき8に比べて半田濡れ性が劣っているので、この拡散層8aを端子部2′と接点部3′の間の部分に形成しておくと、半田が端子部2′から金−ニッケル合金めっき8の表面を這い上がってきても、拡散層8aと金−ニッケル合金めっき8との境界の箇所で半田の這い上がりが停止し、それ以上半田は這い上がらなくなる。従って、半田が接点部3′にまで這い上がって端子部2′に十分な量の半田が残らなくなることを防ぐことができ、プリント配線板11への端子部2′の半田接合強度を高く保つことができるものである。また、半田が端子部2′から金−ニッケル合金めっき8の表面を這い上がって接点部3′に到達することを防ぐことができるので、メス側となるコネクタAに、オス側となるヘッダ(図示省略)を差し込んだとき、コネクタAがヘッダを十分に保持することができるものである。
【0023】
ここで、金−ニッケル合金めっき8を剥離してニッケルめっき7を露出させておくと、このニッケルめっき7と金−ニッケル合金めっき8との境界の箇所において局部電池が形成されることによって、耐食性が低下するおそれがあるが、請求項1の発明では、金−ニッケル合金のニッケルを拡散させることによって、金−ニッケル合金めっき8を剥離しないでニッケルめっき7を露出させないようにしているので、耐食性を向上させることができるものである。なお、金−ニッケル合金めっき8に電磁波Lを照射して拡散層8aを形成する箇所は端子部2′と接点部3′との間であればどの箇所であってもよいが、端子部2′に近い箇所であることが望ましい。
【0024】
ここで、電磁波Lとしては、1パルス当りのエネルギーが3mJ/pulse以下(実質上の下限は1200mJ/pulse)、かつ、単位面積当りのエネルギーが1200mJ/mm2以下(実質上の下限は50mJ/mm2)であるものを用いるのが好ましい。1パルス当りのエネルギーが3mJ/pulseを超えるような電磁波Lや、単位面積当りのエネルギーが1200mJ/mm2を超えるような電磁波Lを用いると、金−ニッケル合金めっき8の下の下地めっき9であるニッケルめっき7も除去したり、コネクタ端子1′の金属(銅など)を溶融させたりするおそれがある。例えば、コネクタ端子1′の金属が銅である場合において、過剰なエネルギーを有する電磁波Lを照射するとニッケルめっき7の下の銅が露出されることとなるが、銅は半田濡れ性が良好であるため、半田の這い上がりを防止することができなくなるものであり、しかも耐食性も低下するものである。なお、請求項1の発明において電磁波Lとしては、1パルス当りのエネルギーが1〜5mJ/pulse、単位面積当りのエネルギーが400〜2000mJ/mm2であるものを用いるのが好ましい。
【0025】
次に、請求項2の発明について説明する。コネクタ端子1′は既述のように、一端部に端子部2′を、他端部に接点部3′を設けるように折り曲げ加工して形成されているものであり、長尺の金属帯板12(銅素材など)をプレス加工することによって、既述の図6のように金属帯板12の長手方向の一側端縁に沿って多数本を平行に配列して、金属帯板12と一体に形成してある。そして多数本のコネクタ端子1′を一体に設けた金属帯板12をフープ材13の態様にして長手方向に送ることによって、多数本の各コネクタ端子1′に生産性高く加工を行うことができるようにしてある。すなわち、フープ材13を長手方向に送りながらニッケルめっき浴に浸漬することによって、まずコネクタ端子1′の表面の全面にニッケルの下地めっき9を施し、次にフープ材13を長手方向に送りながらパラジウム−ニッケル合金めっき浴に浸漬することによって、下地めっき9の上から、コネクタ端子1′の表面の全面にパラジウム−ニッケル合金めっき6を施し、さらにフープ材13を長手方向に送りながら金−ニッケル合金めっき浴に浸漬することによって、パラジウム−ニッケル合金めっき6の上から、コネクタ端子1′の表面の全面に金−ニッケル合金めっき8を施すことができるものである。
【0026】
ここで、ニッケルめっき浴としては、特に限定されるものではないが、電流密度を上げやすく生産性を高めることができることから、スルファミン酸ニッケルめっき浴を用いるのが好ましい。ニッケルめっき7は、膜厚が0.3〜10μmとなるように施すのが好ましい。また、パラジウム−ニッケル合金めっき浴としては、電流密度を上げやすく生産性を高めることができるものを用いるのが好ましいが、特に限定されるものではない。パラジウム−ニッケル合金めっき6は、膜厚が0.01〜1.0μmとなるように施すのが好ましい。さらに、金−ニッケル合金めっき浴としては、特に限定されるものではないが、共析比率が金:ニッケル=70:30〜99.9〜0.1であるものを用いるのが好ましい。金−ニッケル合金めっき浴の具体例としては、日鉱メタルプレーティング株式会社の製品を挙げることができる。また、金−ニッケル合金めっき8は、膜厚が0.01〜0.5μmとなるように施すのが好ましい。
【0027】
そして、図3に示すように、コネクタ端子1′の表面に端子部2′と接点部3′を含む全面に金−ニッケル合金めっき8を施した後、端子部2′と接点部3′の間の部分に電磁波L(レーザー)を照射することによって、この部分の半田濡れ性を他の部分の半田濡れ性よりも低下させるようにしてある。このような電磁波Lによる加工によれば、微小スポットに集光でき、かつエネルギー条件を選べば、パワー密度を自由に制御できるので、上記のように半田濡れ性の低い部分を精度良くしかも短時間で形成することができるものである。なお、電磁波Lを照射する箇所は端子部2′と接点部3′との間であればどの箇所であってもよく、端子部2′に近い箇所に電磁波Lを照射するようにするのが望ましい。
【0028】
このように端子部2′と接点部3′の間の部分の半田濡れ性を低下させた後、コネクタ端子1′を金属帯板12から切り離し、コネクタ端子1′をコネクタ基台10の両側部にそれぞれ複数本ずつ平行に取り付けることによって、既述の図7のようなコネクタAを作製することができるものである。そして、このようにコネクタ端子1′を組み込んで形成したコネクタAをプリント配線板11に実装するにあたって、既述の図8のようにプリント配線板11の上にコネクタAを配置し、コネクタ端子1′の端子部2′をプリント配線板11に半田付けする際に、半田が端子部2′から金−ニッケル合金めっき8の表面を這い上がってきても、金−ニッケル合金めっき8より半田濡れ性を低下させた箇所で半田の這い上がりは停止し、それ以上半田は這い上がらなくなる。従って、半田が接点部3′にまで這い上がって端子部2′に十分な量の半田が残らなくなることを防ぐことができ、プリント配線板11への端子部2′の半田接合強度を高く保つことができるものである。
【0029】
また、従来の技術においては、耐食性を確保するため封孔処理が必要であるが、請求項2の発明によれば、封孔処理をしなくても耐食性を十分に確保することができるため、リレーやプリント基板等のように封孔処理ができない商品にも応用することができるものである。
【0030】
上記のようにコネクタ端子1′の端子部2′と接点部3′の間の部分の半田濡れ性を低下させるにあたって、請求項2の発明では、端子部2′と接点部3′との間の部分において、金−ニッケル合金めっき8を剥離する電磁波よりも小さなエネルギーを有する電磁波Lを図3に示すように照射し、図4に示すように上記の部分の金−ニッケル合金のニッケルを表面へ拡散させることによって、この部分に拡散層8aを形成するようにしている。この拡散層8aはニッケルめっき7と同様に金−ニッケル合金めっき8に比べて半田濡れ性が劣っているので、この拡散層8aを端子部2′と接点部3′の間の部分に形成しておくと、半田が端子部2′から金−ニッケル合金めっき8の表面を這い上がってきても、拡散層8aと金−ニッケル合金めっき8との境界の箇所で半田の這い上がりが停止し、それ以上半田は這い上がらなくなる。従って、半田が接点部3′にまで這い上がって端子部2′に十分な量の半田が残らなくなることを防ぐことができ、プリント配線板11への端子部2′の半田接合強度を高く保つことができるものである。また、半田が端子部2′から金−ニッケル合金めっき8の表面を這い上がって接点部3′に到達することを防ぐことができるので、メス側となるコネクタAに、オス側となるヘッダ(図示省略)を差し込んだとき、コネクタAがヘッダを十分に保持することができるものである。しかもパラジウム−ニッケル合金めっき6は、下地めっき9であるニッケルめっき7に比べて耐食性が優れているので、腐食を進行させにくくすることができるものである。なお、金−ニッケル合金めっき8に電磁波Lを照射して拡散層8aを形成する箇所は端子部2′と接点部3′との間であればどの箇所であってもよいが、端子部2′に近い箇所であることが望ましい。
【0031】
ここで、電磁波Lとしては、1パルス当りのエネルギーが3mJ/pulse以下(実質上の下限は1200mJ/pulse)、かつ、単位面積当りのエネルギーが1200mJ/mm2以下(実質上の下限は50mJ/mm2)であるものを用いるのが好ましい。1パルス当りのエネルギーが3mJ/pulseを超えるような電磁波Lや、単位面積当りのエネルギーが1200mJ/mm2を超えるような電磁波Lを用いると、金−ニッケル合金めっき8の下のパラジウム−ニッケル合金めっき6も除去したり、下地めっき9であるニッケルめっき7も除去したり、コネクタ端子1′の金属(銅など)を溶融させたりするおそれがある。例えば、コネクタ端子1′の金属が銅である場合において、過剰なエネルギーを有する電磁波Lを照射するとニッケルめっき7の下の銅が露出されることとなるが、銅は半田濡れ性が良好であるため、半田の這い上がりを防止することができなくなるものであり、しかも耐食性も低下するものである。なお、請求項2の発明において電磁波Lとしては、1パルス当りのエネルギーが1〜5mJ/pulse、単位面積当りのエネルギーが400〜2000mJ/mm2であるものを用いるのが好ましい。
【0032】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る半田付け用端子の製造方法によれば、例えば、半田付け用端子としてコネクタ端子を製造する場合において、端子部と接点部との間の部分において金−ニッケルめっきの層のニッケルが拡散した拡散層は半田の濡れ性が低くなり、コネクタ端子の端子部をプリント配線板などに半田付けする際に、半田が端子部から金−ニッケルめっきの表面を這い上がってきても、ニッケルが拡散した拡散層で半田の這い上がりが停止し、半田が接点部にまで這い上がって端子部に十分な量の半田が残らなくなることを防ぐことができるものであり、プリント配線板への端子部の半田接合強度を高く保つことができるものである。
【0033】
また、封孔処理をしなくても耐食性を十分に確保することができるため、封孔処理ができない商品にも応用することができるものである。
【0034】
本発明の請求項2に係る半田付け用端子の製造方法によれば、例えば、半田付け用端子としてコネクタ端子を製造する場合において、端子部と接点部との間の部分において金−ニッケルめっきの層のニッケルが拡散した拡散層は半田の濡れ性が低くなり、コネクタ端子の端子部をプリント配線板などに半田付けする際に、半田が端子部から金−ニッケルめっきの表面を這い上がってきても、ニッケルが拡散した拡散層で半田の這い上がりが停止し、半田が接点部にまで這い上がって端子部に十分な量の半田が残らなくなることを防ぐことができるものであり、プリント配線板への端子部の半田接合強度を高く保つことができるものである。
【0035】
また、封孔処理をしなくても耐食性を十分に確保することができるため、封孔処理ができない商品にも応用することができるものである。
【0036】
しかもパラジウム−ニッケル合金めっきは、下地めっきであるニッケルめっきに比べて耐食性が優れているので、腐食を進行させにくくすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例を示すものであり、コネクタ端子の一部を拡大した断面図である。
【図2】 同上の他例を示すものであり、コネクタ端子の一部を拡大した断面図である。
【図3】 同上の他例を示すものであり、コネクタ端子の一部を拡大した断面図である。
【図4】 同上の他例を示すものであり、コネクタ端子の一部を拡大した断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態の一例を示すものであり、コネクタ端子の正面図である。
【図6】 金属帯板にコネクタ端子を一体に設けて形成されるフープ材を示すものであり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図7】 コネクタのソケットを示すものであり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図8】 コネクタのソケットをプリント配線板に実装する状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半田付け用端子
1′ コネクタ端子
2 半田付け部
2′ 端子部
3 非半田付け部
3′ 接点部
6 パラジウム−ニッケル合金めっき
7 ニッケルめっき
8 金−ニッケル合金めっき
9 下地めっき
L 電磁波
Claims (2)
- 半田付けする半田付け部と半田付けしない非半田付け部とを設けて形成され、下地めっきであるニッケルめっきの表面に、半田が這い上がる金−ニッケル合金めっきを施した半田付け用端子を製造するにあたって、半田付け部と非半田付け部との間の部分に電磁波を照射し、この部分の金−ニッケル合金のニッケルを表面へ拡散させ、金−ニッケル合金めっきより半田濡れ性が劣る拡散層を形成することを特徴とする半田付け用端子の製造方法。
- 半田付けする半田付け部と半田付けしない非半田付け部とを設けて形成され、下地めっきであるニッケルめっきの表面にパラジウム−ニッケル合金めっきを介して、半田が這い上がる金−ニッケル合金めっきを施した半田付け用端子を製造するにあたって、半田付け部と非半田付け部との間の部分に電磁波を照射し、この部分の金−ニッケル合金のニッケルを表面へ拡散させ、金−ニッケル合金めっきより半田濡れ性が劣る拡散層を形成することを特徴とする半田付け用端子の製造方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003185748A JP4003705B2 (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 半田付け用端子の製造方法 |
TW092128152A TWI227579B (en) | 2002-10-10 | 2003-10-09 | Contact used in a connector, and method for manufacturing an element to be soldered |
KR1020047011963A KR100597068B1 (ko) | 2002-10-10 | 2003-10-10 | 커넥터용 콘택트 및 납땜되는 부품의 제조방법 |
US10/505,453 US8294063B2 (en) | 2002-10-10 | 2003-10-10 | Connector-use contact and production method for component to be soldered |
PCT/JP2003/013094 WO2004034521A1 (ja) | 2002-10-10 | 2003-10-10 | コネクタ用コンタクト及びはんだ付けされる部品の製造方法 |
CN200380100193.8A CN1692529B (zh) | 2002-10-10 | 2003-10-10 | 被软钎焊的零件的制造方法 |
EP03751468A EP1551081B1 (en) | 2002-10-10 | 2003-10-10 | Production method for component to be soldered |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003185748A JP4003705B2 (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 半田付け用端子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005019334A JP2005019334A (ja) | 2005-01-20 |
JP4003705B2 true JP4003705B2 (ja) | 2007-11-07 |
Family
ID=34185105
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003185748A Expired - Lifetime JP4003705B2 (ja) | 2002-10-10 | 2003-06-27 | 半田付け用端子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4003705B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4660231B2 (ja) * | 2005-03-10 | 2011-03-30 | 株式会社シミズ | 表面処理方法およびそれを用いる電子部品の製造方法 |
JP4945221B2 (ja) * | 2005-11-25 | 2012-06-06 | オーエム産業株式会社 | 電子部品の製造方法 |
JP5060146B2 (ja) * | 2007-03-29 | 2012-10-31 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 半田吸い上がりバリア部を持つ端子及びその製造方法 |
TWI367552B (en) * | 2007-08-22 | 2012-07-01 | Everlight Electronics Co Ltd | Soldering process for electrical component and apparatus thereof |
DE102008042777A1 (de) * | 2008-10-13 | 2010-04-15 | Robert Bosch Gmbh | Selektiver Lötstop |
JP5479406B2 (ja) * | 2011-06-30 | 2014-04-23 | 日本航空電子工業株式会社 | コネクタ |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60238489A (ja) * | 1984-05-12 | 1985-11-27 | Daiki Gomme Kogyo Kk | 表面被覆金属層の作製する方法 |
JP2628725B2 (ja) * | 1988-11-17 | 1997-07-09 | 株式会社日立製作所 | パターン形成方法及びろう接方法 |
JPH05315408A (ja) * | 1992-05-12 | 1993-11-26 | Nitto Denko Corp | フィルムキャリアおよびこれを用いた半導体装置 |
JP3143089B2 (ja) * | 1996-12-31 | 2001-03-07 | 第一電子工業株式会社 | 電子部品 |
JP2002008753A (ja) * | 2000-06-16 | 2002-01-11 | Matsushita Electric Works Ltd | コネクタ |
JP4074751B2 (ja) * | 2000-10-25 | 2008-04-09 | 日本航空電子工業株式会社 | 電子部品 |
JP2004152559A (ja) * | 2002-10-30 | 2004-05-27 | Toshin Kogyo Kk | 電子部品及びその製造方法 |
JP4091458B2 (ja) * | 2003-03-18 | 2008-05-28 | 大和電機工業株式会社 | 表面処理方法、電子部品の製造方法、およびコネクタピンの製造方法 |
-
2003
- 2003-06-27 JP JP2003185748A patent/JP4003705B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005019334A (ja) | 2005-01-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3760075B2 (ja) | 半導体パッケージ用リードフレーム | |
KR100597068B1 (ko) | 커넥터용 콘택트 및 납땜되는 부품의 제조방법 | |
KR20000005939A (ko) | 반도체장치및그제조방법 | |
CN101248556B (zh) | 超小型触点及其制造方法和电子部件 | |
JPWO2007125939A1 (ja) | 配線接続用クラッド材及びそのクラッド材から加工された配線接続部材 | |
JP2019021815A (ja) | 半導体素子搭載用基板及びその製造方法 | |
JP4003705B2 (ja) | 半田付け用端子の製造方法 | |
JP2008300359A (ja) | 半田付け端子の表面の処理方法 | |
CN111403296B (zh) | 一种半导体封装件及其制作方法 | |
JP2005244033A (ja) | 電極パッケージ及び半導体装置 | |
JP2010043346A (ja) | 導電性パターンの形成方法及びめっき端子の製造方法 | |
JP4945221B2 (ja) | 電子部品の製造方法 | |
EP0598006A1 (en) | MELTING SOLDERING METHOD FOR FORMING A SOLDERING STICK ON A PRINT PLATE. | |
JP4363261B2 (ja) | 接点と半田付け端子を有する電子部品及びその表面処理方法 | |
JP2004277837A (ja) | 表面処理方法、電子部品並びにコネクタピンの製造方法、および電子部品 | |
JPWO2017188254A1 (ja) | パワーモジュール用基板、パワーモジュールおよびパワーモジュール用基板の製造方法 | |
JP6460160B2 (ja) | 電気接続用部材、電気接続構造、および電気接続用部材の製造方法 | |
JP4012527B2 (ja) | 電子部品の製造方法 | |
JP2004315941A (ja) | 半田付け用端子の製造方法 | |
JP4201060B2 (ja) | 半導体装置、およびその製造方法 | |
JP3838560B2 (ja) | 低い抵抗値を有するチップ抵抗器とその製造方法 | |
JP4133396B2 (ja) | ストライプめっき用金属条及びストライプめっき条の製造方法 | |
WO2020110287A1 (ja) | 電気接続用部材、電気接続構造、および電気接続用部材の製造方法 | |
JPH06334090A (ja) | 樹脂封止型半導体装置のリード構造およびその製造方法 | |
JP2002184925A (ja) | 半導体モジュール用リード端子部材とその製造方法、およびそれを用いた半導体モジュール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041208 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070109 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070312 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070424 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070625 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20070629 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070731 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070813 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4003705 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100831 Year of fee payment: 3 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100831 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120831 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130831 Year of fee payment: 6 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |