JP4003250B2 - 半導体レーザ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体光素子に係り、特に光通信用モジュール、光通信システム、光ネットワークに用いる好適な半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
III-V族化合物半導体であるGaAsやInPを用いた半導体レーザは光情報処理、光通信分野での基本部品となっており、さらなる高性能化、低コスト化が進められている。一般的に用いられている狭ストライプ型の半導体レーザの横構造に着目すると、レーザ埋め込みヘテロ(BH)構造を必要としないリッジ導波路(以下、RWGと記す)構造の半導体レーザは(a)レーザ結晶を導波路加工するのみの簡易構造を有する、(b)温度変化による特性変動が少ない、(c)高信頼であるなどの特徴から低コスト光通信用途の長波長帯光源として魅力的である。しかし現状のRWG構造の半導体レーザでは同じ活性層を持つBH構造の素子と比較すると室温でのしきい値電流が3乃至5割程度高いという問題がある。RWG型レーザのしきい値電流がBH型に比べ高い本質的な理由は、RWG素子には横方向の拡散無効電流が存在するためである。一般にRWGレーザでは活性層がストライプ状に加工されるBH型と異なり活性層がジャンクション平面内に繋がっている。このため、リッジ部に注入された電流の一部はリッジ両脇部に漏れ広がる。電流が漏れ広がった領域には導波光は殆ど分布していないため、この部分で生じた光学利得は導波光のモード利得には寄与しない。この影響でRWGレーザのしきい値電流の約4割程度もの成分が無効電流で占められている。
【0003】
このような理由で、RWG型半導体レーザは構造及び作製の簡易性で大きな長所を有するものの、光通信用途の長波長帯光源として広く用いられている状況下にはないのが現状である。したがって、一部RWG構造は実用化されているものの、今までのところ光通信用途の長波長帯光源としてはBH型が主流である。
【0004】
一方、量子井戸レーザの特性を改善する手法として、量子井戸層や障壁層に意図的に不純物を添加しバンド構造を変化させる手法がある。特に、障壁層のみに不純物を添加する変調ドープ量子井戸構造は基本的に量子井戸層での不純物準位での発光がないため有効である。しかし、実際変調ドープ量子井戸構造を作製する場合、数nmオーダーの井戸層、障壁層間で不純物の拡散移動が生じる。特にポジ型不純物である亜鉛、ネガ型純物であるセレンは共に良く用いられている代表的な元素であるが、成長中高温時の不純物の拡散移動が生じやすいため、障壁層に添加した不純物が量子井戸層に移動し、この結果本来の変調ドープ量子井戸構造の効果が十分に引き出されない問題がある。
【0005】
尚、上述した前者のRWG型半導体レーザは、例えばIEEE LEOS'95 8th Annual meeting SLC6.1, 1995に開示されている。また、後者の変調ドープ量子井戸構造の半導体レーザは、Japan J. Appl. Phys., vol.29, pp.81-94, 1990や、特開昭62−249496号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は横方向の拡散電流を容易な手法で低減することにより低しきい値電流で動作可能なRWG型半導体レーザを実現することにある。更なる目的は、この低しきい値RWG型レーザを用いた光モジュールおよびこれを用いた低コストで実現可能な光通信システムおよびその簡易な実現手法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は次の通りである。
ネガ導電型の(100)InP半導体基板上部にネガ導電型のバッファ層、ネガ導電型の光閉じ込め層、InGaAsP材料よりなる量子井戸発光層、ポジ導電型の光閉じ込め層及びポジ導電型のクラッド層をこの順に積層した構造を有し、且つ該量子井戸発光層を構成する量子井戸層は真性キャリア濃度1×1017cm-3以下のアンドープであり且つ障壁層がシリコンのドープによりキャリア濃度1×1017cm-3以上のネガ導電型の半導体層で構成され、
量子井戸発光層へのシリコンの変調ドープにより、前記クラッド層はリッジ状に形成され、前記リッジ状クラッド層両脇へのキャリアの横方向拡散を低減するものであることを特徴とするリッジ導波路型構造の半導体レーザ。
上記目的を達成するために、本発明者らは、レーザ活性層に不純物を添加することにより、活性層内のキャリアの横方向拡散を低減する半導体レーザの素子構造を考案した。また、この横方向拡散を低減する好適な変調ドープ多重量子井戸活性層構造を考案した。
本発明の基本的な特徴の一つは、量子井戸層をこれより禁制帯幅の大きい障壁層で挟んだ所謂量子井戸構造を有する光学的活性領域(便宜上、活性領域と記す:例えば、発光領域)と当該活性領域上又は上部に形成され、当該活性領域に光を閉じ込め(活性領域より小さい屈折率を有し)、当該活性領域にキャリアを供給し、或いは当該活性領域における光の導波を律する領域(便宜上、第1の領域と記す:例えば、クラッド層)とで構成される半導体光素子において、上記第1の領域を活性領域に対しリッジ(Ridge)状、即ち突起状に構成し(部分的でも全部でも構わない)、且つ上記量子井戸層を人為的に不純物を導入せず、且つ上記障壁層にネガ型不純物を導入して構成するところにある。なお、基板材料はネガ導電型の (100)InP 半導体であり、量子井戸発光層は上述の通り、 InGaAsP 材料よりなる。
【0008】
本発明に関連する構成は、第1の導電型の半導体基板上部に第1の導電型のバッファ層、第1の導電型の光閉じ込め層、量子井戸発光層、第2の導電型の閉じ込め層及び第2の導電型のクラッド層をこの順に積層した構造を有し、且つ該量子井戸発光層を構成する量子井戸層は真性キャリア濃度1×1017cm-3以下の、所謂アンドープ状態とし、且つ障壁層がキャリア濃度1×1017cm-3以上のネガ導電型の半導体層(不純物ドープ状態)としたリッジ導波路型構造の半導体レーザにある。リッジ導波路型構造とは、上述のように第1領域にリッジ状の部分を設けたことを特徴とする半導体光素子の構造を指す。
【0009】
本発明に関連する他の構成は、ネガ導電型のInP半導体基板上部にネガ導電型のバッファ層、ネガ導電型の光閉じ込め層、量子井戸発光層、ポジ導電型の光閉じ込め層及びポジ導電型のクラッド層をこの順に積層した構造を有し、且つ該量子井戸発光層を構成する量子井戸層は真性キャリア濃度1×1017cm-3以下のアンドープであり且つ障壁層がキャリア濃度1×1017cm-3以上のネガ導電型の半導体層で構成されることを特徴とするリッジ導波路型構造の半導体レーザにある。
【0010】
具体的な構成の限定された別の例は、ネガ導電型のInP半導体基板上部にネガ導電型のバッファ層、ネガ導電型の光閉じ込め層、量子井戸発光層、ポジ導電型の光閉じ込め層及びポジ導電型のクラッド層をこの順に積層した構造を有し、且つ該量子井戸発光層を構成する量子井戸層は真性キャリア濃度1×1017cm-3以下のアンドープであり且つ障壁層がキャリア濃度1×1017cm-3以上のシリコン(Si元素)を添加したネガ導電型の半導体層で構成されることを特徴とするリッジ導波路型構造の半導体レーザにある。
【0012】
いずれの具体例においても、量子井戸層は人為的にアンドープとされるため、真性キャリア濃度は、1×1017cm-3未満とするのが望ましい。また、リッジ状に形成された上記クラッド層の両脇へのキャリアの拡散長は、25℃で1μm以下、85℃で0.3μm以下とするとよい。さらに、上記リッジ状クラッド層両側の側壁が(111)A結晶面、又は(01−1)結晶面とするとよい。
【0013】
上述の各態様の半導体レーザ(リッジ導波路型構造の半導体レーザ)においては、スポット拡大機能を有する光導波路をモノリシック集積化するとよく、またリッジ導波路が形成された側の素子表面に実装基板に素子の光軸を位置合わせするための位置決めマーカを形成してもよい。
【0014】
以上に記した本発明の半導体レーザは、光導波路または光ファイバが設けられた実装基板上にジャンクションダウン実装して光送信モジュールを構成し、またはこの送受信モジュールを光通信システムに応用することにより、光通信システムの機能を向上させる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましき実施の形態を実施例1乃至7及び図1〜図7に開示した具体例を以て説明する。
【0016】
<実施例1>
図1は本発明を用いて波長1.3μm帯の半導体レーザを作製した例である。図1に示すように、n型(100)InP半導体基板101上に有機金属気相成長法によりn型InPバッファ層1.0μm102、5周期の多重量子井戸層(6.0nm厚の1%圧縮歪InGaAsP(組成波長1.45μm)井戸層103と10nm厚のInGaAsP(組成波長1.05μm)障壁層104からなる)をn型InGaAsP下側ガイド層(組成波長1.05μm、厚さ0.1μm)とInGaAsP上側光ガイド層(組成波長1.05μm、厚さ0.05μm)とで挟んでなる歪多重量子井戸活性層105(各光ガイド層は図示せず)、p型InPクラッド層1.7μm106、高濃度p型InGaAsキャップ層0.2μm107を順次形成する。この際、障壁層104はキャリア濃度2×1018cm-3のシリコンを添加しn型とした変調ドープ構造とした。多重量子井戸活性層103の発光波長は約1.30μmである。
【0017】
次に活性層横幅約2μmのリッジ導波路型レーザ構造および活性層横幅60μmのブロードエリアレーザに加工形成した後、酸化シリコン膜108、平坦化ポリイミド膜109、上部電極110、下部電極111を形成する。劈開工程により素子長300μmの素子に切り出した後、素子の両端面には反射率約50%、90%の高反射膜112、113を形成する。比較のため、障壁層の添加元素をキャリア濃度2×1018cm-3のセレンとしたn型変調ドープ構造の素子障壁層がアンドープの素子を作製した。
【0018】
作製した活性層幅2μmのシリコン変調ドープ構造の素子は室温、連続条件においてしきい値電流5mA、発振効率0.45W/Aを示した。また、85℃の高温においてもしきい値電流は13mA、発振効率0.35W/Aと良好な発振特性を得た。一方、セレン変調ドープ構造および障壁層がアンドープの素子の発振しきい値は室温、85℃でそれぞれ8mA、18mA、10mA、22mAであった。また、素子長300μmのアンコート素子の室温でのしきい値電流密度はシリコン変調ドープ素子、セレン変調ドープ素子、アンドープ素子でそれぞれ800kA/cm2、920kA/cm2、1050kA/cm2でありシリコン変調ドープ素子ではアンドープ素子に比べ24%のしきい値低減が見られた。
【0019】
このように発振しきい値が低減された理由は以下のように説明される。一般にn型の変調ドープ構造多重量子井戸構造では活性媒質が利得を出し始めるキャリア密度がアンドープ構造に比べ低いためしきい値電流密度が低減する。シリコン変調ドープ素子の低減率がセレン変調ドープ素子に比べ大きいのはセレン変調ドープ構造では結晶成長時にセレン元素が障壁層から移動してしまい、理想的な変調ドープ構造ができていないためである。一方、活性層幅2μmの素子でのシリコン変調ドープ構造によるアンドープ構造に対するしきい値低減率は25、85℃において各々50%、41%でありしきい値電流密度の低減率を上回っている。これは、リッジn型変調ドープにおいてリッジ両脇への拡散電流が低減されているためである。これはn型変調ドープ構造においてキャリアの移動度、キャリア寿命が低減されるため、活性層内での横方向電流広がりが低減することから説明される。しきい値電流の活性層幅依存性の評価から、室温でのキャリアの拡散長を推定した結果、キャリアの拡散長は変調ドープ素子、アンドープ素子でそれぞれ0.8μm、1.1μmであることがわかった。
【0020】
尚、本構造は1.3μm帯のみならず1.55μm帯の半導体レーザや分布帰還型半導体レーザにも適用可能であることを付記する。
【0021】
<実施例2>
図2に示すように、n型(100)InP半導体基板201上に公知の手法により平坦な部分での層構造が0.3μm厚n型InPバッファ層202、6.0nm厚のInGaAsP(組成波長1.49μm)井戸層203と10nm厚のInGaAsP(組成波長1.05μm)障壁層204からなる7周期の多重量子井戸構造を0.1μm厚n型InGaAsP(組成波長1.05μm)下側光ガイド層及び0.1μm厚InGaAsP(組成波長1.05μm)上側光ガイド層で挟んでなる多重量子井戸活性層205(両光ガイド層は図示せず)を逐次形成し、多重量子井戸活性層を構成する各層厚を平坦な部分での厚さの1/3〜1/4迄減少させて膜厚テーパ導波路を作製する。このテーパ導波路の実現には有機金属気相成長法での選択成長法またはシャドーマスク成長法を用いた。この際、障壁層204はキャリア濃度2×1018cm-3のシリコンを添加しn型とした変調ドープ構造とした。多重量子井戸活性層103の発光波長は約1.30μmである。次に、基板全面に(上述の多重量子井戸活性層を覆うように)3.5μm厚p−InPクラッド層206、p型InGaAsキャップ層0.2μm207を順次形成した。
【0022】
次に通常のフォトリソグラフィーとエッチングによりキャップ層205をフレアストライプ状に加工する、ストライプ方向は[011]とする。続いて、臭化水素酸と燐酸の混合水溶液によるウェットエッチングを用いて、図2Bに示すような(111)A面を側壁にもつ逆メサ断面形状のリッジ導波路を形成する。この結果、リッジ導波路の横幅はフレア部先端で8μm、後端で2μmである。
【0023】
続いて熱CVD法により基板全面に厚さ0.5μmのシリコン酸化膜208を形成した。この後、フォトレジストマスクをマスク材として一様膜厚である導波路領域と膜厚テーパ領域に約50μm程度を除く領域に、イオン打込法によりプロトンをクラッド層中に打ち込みプロトン打込領域209を形成する。この際、ドーズ量は1×10-14cm-2であり打込深さ約3μmまでプロトンが均一に分布するようにイオン加速エネルギーを多段階に分けた。
【0024】
続いて、フォトレジストマスクを除去した後、エッチバック法、フォトリソグラフィー、エッチングを用いてプロトンが打込まれていないリッジ導波路上部のシリコン酸化膜208を除去する。次に、上部電極210を斜め蒸着法を用いて、リッジの側壁にも電極が形成されるように形成する。電極窓はプロトンが打込まれていない部分のみに形成した。下部電極211形成の後、劈開工程により共振器長600μmの素子に切り出した。前端面には反射率47%の高反射膜212、後端面には反射率90%の高反射膜213を公知の手法により形成した。図2は完成素子の構造である。
【0025】
素子は室温、連続条件において発振波長は1.3μm、室温において発振しきい値5〜7mA、発振効率0.40W/Aと良好な発振特性を示した。また、85℃の高温条件においてもしきい値は15〜18mA、発振効率は0.27W/A程度と良好であった。素子の光出射角は水平、垂直方向でそれぞれ11°、12°であった。コア径10μmの光ファイバと距離20μmで直接結合させた場合、結合効率は最大2dBであった。また、素子の長期信頼性を85℃の高温条件下で評価したところ10万時間以上の推定寿命を示した。
【0026】
<実施例3>
図3は実施の形態1の半導体レーザ301をヒートシンク302上に実装した後、光学レンズ303、後端面光出力モニタ用のフォトダイオード304と光ファイバ305とを一体化したモジュールの構造図である。室温、連続条件においてしきい値電流5mA、発振効率0.20W/Aであった。また、簡易な作製を反映して、85℃の高温においてもしきい値電流13mA、発振効率0.13W/Aと良好な発振特性を得た。
【0027】
<実施例4>
図4は実施例1、2の半導体レーザを光ファイバが装着されたシリコン基板上に実装して光モジュールを作製した例である。図において、(100)シリコン基板401の一部分に形成されたV型溝402に光ファイバ403を固定し、ファイバ端面部に実施例1または実施例2の波長1.3μmの半導体レーザ404およびレーザの光出力モニタ用の導波路型受光素子405をジャンクダウン実装する。レーザ、光ファイバ間およびレーザ、受光素子間の光軸位置合わせにはシリコン基板401、半導体レーザ404、受光素子405に各々設けられた位置決め用のマーカを用いた。
【0028】
素子は室温、連続条件において発振波長は1.3μm、発振しきい値6mA前後、ファイバ結合効率は実施の形態2の半導体レ−ザでは狭窄化されたビーム形状を反映して約50%と良好な結合特性を示した。また、85℃の高温条件においてもしきい値は15mA前後、動作電流60mAでファイバ端光出力2mWを得た。また、素子の長期信頼性を10mW、85℃、85%の高温高湿条件下で評価したところ10万時間以上の推定寿命を示した。
【0029】
<実施例5>
図5は実施例2の半導体レーザを光導波路が形成されたシリコン基板上に実装した、光モジュールを作製した例である。図において、(100)シリコン基板501上部に形成された光導波路502に光ファイバ503を固定し、光導波路端面部に実施の形態2の半導体レーザ504、光出力モニタ用の導波路型受光素子505および受信用の導波路型受光素子506をジャンクションダウン実装(電極210をシリコン基板501上面に接するように実装)する。レーザ、光ファイバ間およびレーザ、受光素子間の光軸位置合わせにはシリコン基板501、半導体レーザ504、受光素子505、506、に各々設けられた位置決め用のマーカを用いた。
【0030】
素子は室温、連続条件において発振波長は1.3μm、発振しきい値5〜6mA、ファイバ結合効率は狭窄化されたビーム形状を反映して約50%と良好な結合特性を示した。また、85℃の高温条件においてもしきい値は15〜17mA、動作電流60mAでファイバ端光出力4mWを得た。。また、素子の長期信頼性を10mW、85℃、85%の高温高湿条件下で評価したところ10万時間以上の推定寿命を示した。
【0031】
<実施例6>
図6は実施例4の光モジュールを用いたアクセス系光通信システムである。送受信モジュール601は光モジュール602と駆動段603、受信増幅段604とを有する。送受光信号は2本のファイバ605で各々伝送された後復調され、電気分割段606にて10以上の電気信号に分岐されるためシステムコストの大幅な削減が実現できる。これは、高温時も少ない動作電流で動作する高性能光素子及びそのモジュールに基づいている。
【0032】
<実施例7>
図7は実施例5の光モジュールを用いたアクセス系光通信システムである。送受信モジュール701は光モジュール702と駆動段703、受信増幅段704とを有する。光信号はファイバ705で伝送される途中、16以上に分岐されるためシステムコストの大幅な削減が実現できる。これは、高い光出力を少ない動作電流で実現する高性能光素子及びそのモジュールに基づいている。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る半導体発光素子よれば、信頼性の高く、且つ高温動作に優れたリッジ導波路型光素子、特に半導体レーザを容易な手法で実現できる。本発明を用いれば、素子性能、歩留まりが飛躍的に向上するだけでなく、この素子を適用した光モジュールの高性能化、低コスト化、光通信システムの低コスト化を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するための図である。
【図2】本発明の実施例を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例を説明するための図である。
【図4】本発明の実施例を説明するための図である。
【図5】本発明の実施例を説明するための図である。
【図6】本発明の実施例を説明するための図である。
【図7】本発明の実施例を説明するための図である。
【符号の説明】
101…n型(100)InP半導体基板、102…n型InPバッファ層、103…井戸層、104…障壁層、105…変調ドープ構造歪多重量子井戸構造、106…p−InPクラッド層、107…p型InGaAsキャップ層、108…シリコン酸化膜、109…平坦化ポリイミド膜、110…上部電極、111…下部電極、112…高反射膜、113…高反射膜、201…n型(100)InP半導体基板、202…n型InPバッファ層、203…井戸層、204…障壁層、205…テーパ多重量子井戸構造、206…p−InPクラッド層、207…p型InGaAsキャップ層、208…シリコン酸化膜、209…プロトン打込領域、210…上部電極、211…下部電極、212…高反射膜、213…高反射膜、301…半導体レーザ、302…ヒートシンク、303…光学レンズ、304…フォトダイオード、305…光ファイバ、401…(100)シリコン基板、402…V型溝、403…光ファイバ、404…半導体レーザ、405…導波路型受光素子、501…(100)シリコン基板、502…光導波路、503…光ファイバ、504…半導体レーザ、505…導波路型受光素子、506…導波路型受光素子、601…送受信モジュール、602…光モジュール、603…駆動段、604…受信増幅段、605…光ファイバ、606…電気分割段、701…送受信モジュール、702…光モジュール、703…駆動段、704…受信増幅段、705…光ファイバ。

Claims (8)

  1. ネガ導電型の(100)InP半導体基板上部にネガ導電型のバッファ層、ネガ導電型の光閉じ込め層、InGaAsP材料よりなる量子井戸発光層、ポジ導電型の光閉じ込め層及びポジ導電型のクラッド層をこの順に積層した構造を有し、前記クラッド層はリッジ状に形成され、且つ該量子井戸発光層を構成する量子井戸層は真性キャリア濃度1×1017cm-3以下のアンドープであり且つ障壁層がシリコンのドープによりキャリア濃度1×1017cm-3以上のネガ導電型の半導体層で構成され、
    量子井戸発光層へのシリコンの変調ドープにより、前記リッジ状クラッド層両脇へのキャリアの横方向拡散を低減するものであることを特徴とするリッジ導波路型構造の半導体レーザ。
  2. 上記リッジ状クラッド層両脇へのキャリアの拡散長が25℃で1μm以下、85℃で0.3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のリッジ導波路型構造の半導体レーザ。
  3. 上記リッジ状クラッド層両側の側壁が(111)A結晶面であることを特徴とする請求項2に記載のリッジ導波路型構造の半導体レーザ。
  4. 上記リッジ状クラッド層両側の側壁が(01−1)結晶面であることを特徴とする請求項2に記載のリッジ導波路型構造の半導体レーザ。
  5. 上記半導体レーザにスポット拡大機能を有する光導波路をモノリシック集積化してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のリッジ導波路型構造の半導体レーザ。
  6. 上記半導体レーザのリッジ導波路が形成された側の素子表面に実装基板に素子の光軸を位置合わせするための位置決めマーカが形成されていることを特徴とする請求項1乃至5に記載のリッジ導波路型構造の半導体レーザ。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の半導体レーザを、光導波路または光ファイバが設けられた実装基板上にジャンクションダウン実装されてなることを特徴とした光送信モジュール。
  8. 請求項7に記載の送受信モジュールを用いたことを特徴とする光通信システム。
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