JP4002655B2 - パターン検査方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線または光などを用いて半導体ウエハ、TFT、ホトマスクなどの対象物の物理的性質を現した画像を得、その画像と別途得られた画像とを比較することにより欠陥または欠陥候補、特に微細な欠陥または欠陥候補を検出するパターン検査方法およびその装置並びに電子線画像に基づくパターン検査方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術1としては、特開昭57ー196377号公報に記載されているように、繰り返しのあるパターンを含む半導体ウエハなどの検査対象のパターンを検出し、検出したパターンを記憶するようにし、検出したパターンと一つ前に記憶しておいたパターンとを画素単位に位置合わせし、位置合わせした2つのパターンの不一致を抽出することにより欠陥を認識する検査が知られている。また、従来技術2としては、特開平3ー177040公報に記載されているように、正常部における両画像間の不一致の問題のうち、二つの画像の検出位置の狂いに起因する部分を改善する技術が知られている。即ち、従来技術2には、対象パターンを画像信号として検出し、検出したパターンの画像信号と予め記憶しておいたパターンの画像信号または別途検出したパターンの画像信号とを画素単位に位置合わせをし、該画素単位に位置合わせした画像信号同士を更に画素以下の精度で位置合わせをし、該画素以下の精度で位置合わせされた2つのパターンの画像信号の誤差を抽出・比較してパターンの欠陥を認識する技術が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
比較する二つの画像間には、正常部といえども、検査対象物および画像検出系に起因するパターン形状の微小な差異、階調値の差異、パターンの歪み、位置ずれ等が存在する。即ち、正常部での不一致には、対象物に起因する不一致と、検査装置側に起因する不一致とがある。
【0004】
検査対象物に起因する不一致とは、露光、現像、エッチング等のウエハ製作過程を通して生じる繰り返しパターン同士の微妙な差異による。これは、検出画像上では、パターン形状の微小な差異、階調値の差異となって現れる。
【0005】
検査装置側に起因する不一致とは、ステージの振動、種々の電気的なノイズ、フォーカスのずれ、サンプリングに起因する量子化誤差、光学式においては照明光量の変動、電子線式においては電子ビーム電流の変動、電子光学系や検査対象物の帯電による電子ビームの走査位置のずれなどによる。特に電子線式においては、検査対象物の周辺部において幾何学的歪みの影響は顕著である。これらは、検出画像上では、部分画像の階調値の差異、幾何学的歪み、位置ずれとなって現れる。
【0006】
上記従来の技術1においては、上に挙げた要因によって正常部においても不一致が発生するため、不一致部を逐一欠陥と判定とすれば虚報が多発することになり、それを防ぐために欠陥判定の基準をゆるめれば微細な欠陥の検出ができなくなるという課題を有していた。
【0007】
また上記従来技術2においては、検査対象物および画像検出系に起因するパターン形状の微小な差異、階調値の差異、パターンの歪み、位置ずれのうち、画像間の位置ずれによる影響を軽減する効果はあるものの十分とはいえず、その他については考慮されていなかった。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決すべく、検査対象物および画像検出系に起因した不一致が引き起こす虚報をさらに低減し、より微細な欠陥の検出を可能とするパターン検査方法およびその装置を提供することにある。
【0009】
また本発明の他の目的は、検査対象物の電子線画像に基づく、検査対象物および画像検出系に起因した不一致が引き起こす虚報をさらに低減し、より微細な欠陥の検出を可能にした電子線画像に基づくパターン検査方法およびその装置を提供することにある。
【0010】
また本発明の他の目的は、検査対象物の電子線画像に基づく、検査対象物および画像検出系に起因した、検出画像上の不均一な歪みが引き起こす虚報をさらに低減し、より微細な欠陥の検出を可能にした電子線画像に基づくパターン検査方法およびその装置を提供することにある。
【0011】
また本発明の他の目的は、検査対象物の電子線画像を用いたパターン検査において、検査に適した安定した階調値を有し、かつ、幾何学的歪みが小さい電子線像を得ることができるようにした方法および装置を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、検査対象物の電子線画像を用いたパターン検査において、検査対象物の中央部も周辺部も含めた、全面の検査が可能にした方法および装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、検査対象物上の選択された一定領域の物理量のサンプリング値を階調値として2次元に配列してなる第1の連続画像データf0(x,y)と、第1の連続画像データの比較対象となり得る内容を持った第2の連続画像データg0(x,y)とに基いて、検査対象物上の欠陥または欠陥候補を検査するパターン検査方法およびその装置並びに電子線画像に基づくパターン検査方法およびその装置であって、次に示すことを特徴とする。
【0014】
即ち、本発明は、前記第1の連続画像データf0(x,y)と第2の連続画像データg0(x,y)との各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された第1の画像と第2の画像との各々について例えば動的な歪みを無視できる程度の小さい領域単位[f1a(x,y)〜f1d(x,y)、g1a(x,y)〜g1d(x,y)]に分割して切出す画像分割切出過程またはその手段と、該画像分割切出過程またはその手段で分割して切出された第1の分割画像と第2の分割画像とを分割単位毎に比較して両画像の差[sub(x,y)またはdiff(x,y)]を算出し、この分割単位毎に算出される両画像の差に基いて欠陥または欠陥候補であるか否かを判定する判定過程またはその手段とを有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記第1の連続画像データf0(x,y)と第2の連続画像データg0(x,y)との各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された第1の画像と第2の画像との各々について小さい領域単位[f1a(x,y)〜f1d(x,y)、g1a(x,y)〜g1d(x,y)]に分割して切出す画像分割切出過程またはその手段と、該画像分割切出過程またはその手段で分割されて切出された第1の分割画像と第2の分割画像とを分割単位毎に比較して両画像の差[suba(x,y)〜subd(x,y)またはdiffa(x,y)〜diffd(x,y)]を算出し、この分割単位毎に算出される両画像の差に基いて欠陥または欠陥候補であるか否かを判定する判定過程またはその手段とを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記第1の連続画像データf0と第2の連続画像データg0との各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された第1の画像と第2の画像との各々について小さい領域単位[f1a〜f1d、g1a〜g1d]に分割して切出す画像分割切出過程またはその手段と、該画像分割切出過程またはその手段で分割されて切出された前記第1の分割画像と第2の分割画像との間の位置ずれ量[δx0a〜δx0d、δy0a〜δy0d]を分割単位毎に検出する位置ずれ検出過程またはその手段と、前記画像分割切出過程またはその手段で分割されて切出された第1の分割画像と第2の分割画像とを分割単位毎に比較して前記位置ずれ検出過程で分割単位毎に検出された位置ずれ量[δx0a〜δx0d、δy0a〜δy0dまたはzureXa(x,y)〜zureXd(x,y)、zureYa(x,y)〜zureYd(x,y)]を考慮して欠陥または欠陥候補であるか否かを判定する判定過程またはその手段とを有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記第1の連続画像データf0と第2の連続画像データg0との各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された第1の画像と第2の画像との各々について大きい領域単位から小さい領域単位へと段階的に順次に分割して切出す画像分割切出過程またはその手段と、該画像分割切出過程またはその手段で大きい領域単位から小さい領域単位へと段階的に順次に分割されて切出された前記第1の分割画像[f7;f6a,f6b;f1a〜f1d]と第2の分割画像[g7;g6a,g6b;g1a〜g1d]とについて、段階的に順次検出される前記両分割画像の間の位置ずれ量[δx2,δy2;δx1a〜δx1b,δy1a〜δy1b]を小さい領域単位の方へと提供することによって小さい領域単位の方において探索範囲を狭めて前記両分割画像の間の位置ずれ量[δx0a〜δx0d、δy0a〜δy0dまたはzureXa(x,y)〜zureXd(x,y)、zureYa(x,y)〜zureYd(x,y)]を検出する位置ずれ検出過程またはその手段と、前記画像分割切出過程またはその手段で小さい領域単位の段階において分割単位毎に分割されて切出された第1の分割画像と第2の分割画像とを分割単位毎に比較して前記位置ずれ検出過程またはその手段で小さい領域単位の段階において分割単位毎に検出された位置ずれ量[δx0a〜δx0d、δy0a〜δy0dまたはzureXa(x,y)〜zureXd(x,y)、zureYa(x,y)〜zureYd(x,y)]を考慮して欠陥または欠陥候補であるか否かを判定する判定過程またはその手段とを有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記第1の連続画像データf0と第2の連続画像データg0との各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された第1の画像と第2の画像との各々について小さい領域単位[f1a〜f1d、g1a〜g1d]に分割して切出す画像分割切出過程またはその手段と、該画像分割切出過程またはその手段で分割されて切出された前記第1の分割画像と第2の分割画像との間の位置ずれ量[δx0a〜δx0d、δy0a〜δy0d]を分割単位毎に検出する位置ずれ検出過程またはその手段と、前記画像分割切出過程またはその手段で分割されて切出された第1の分割画像と第2の分割画像とを分割単位毎に比較して両画像の差[suba(x,y)〜subd(x,y)]を算出し、この分割単位毎に算出される両画像の差に対して、欠陥または欠陥候補であるか否かを判定し、欠陥または欠陥候補を抽出する判定基準(閾値)に、前記位置ずれ検出過程で分割単位毎に検出された位置ずれ量[δx0a〜δx0d、δy0a〜δy0dまたはzureXa(x,y)〜zureXd(x,y)、zureYa(x,y)〜zureYd(x,y)]に応じた階調値の変動成分を組み入れる判定過程またはその手段とを有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記第1の連続画像データと第2の連続画像データとの各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された第1の画像と第2の画像との各々について小さい領域単位に分割して切出す画像分割切出過程と、 該画像分割切出過程またはその手段で分割されて切出された第1の分割画像と第2の分割画像との間の位置ずれ量を分割単位毎に検出する位置ずれ検出過程またはその手段と、 前記画像分割切出過程またはその手段で分割されて切出された第1の分割画像と第2の分割画像とを分割単位毎に比較して両画像の階調値の差[suba(x,y)〜subd(x,y)]を算出し、この分割単位毎に算出される両画像の階調値の差に対して、前記位置ずれ検出過程またはその手段で分割単位毎に検出された位置ずれ量[δx0a〜δx0d、δy0a〜δy0dまたはzureXa(x,y)〜zureXd(x,y)、zureYa(x,y)〜zureYd(x,y)]に応じて算出される階調値の変動成分[Aa(x,y)〜Ad(x,y)]を含む判定基準値[thHa(x,y)〜thHd(x,y)およびthLa(x,y)〜thLd(x,y)]に基いて欠陥または欠陥候補であるか否かを判定する判定過程またはその手段とを有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記第1の連続画像データと第2の連続画像データとの各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された第1の画像と第2の画像との各々について小さい領域単位に分割して切出す画像分割切出過程またはその手段と、該画像分割切出過程またはその手段で分割されて切出された第1の分割画像と第2の分割画像との間の位置ずれ量を分割単位毎に検出する位置ずれ検出過程またはその手段と、前記画像切出分割過程またはその手段で分割されて切出された第1の分割画像[f1a(x,y)〜f1d(x,y)]と第2の分割画像[g1a(x,y)〜g1d(x,y)]とを分割単位毎に比較して前記位置ずれ検出過程またはその手段で分割単位毎に検出された位置ずれ量[δx0a〜δx0d、δy0a〜δy0dまたはzureXa(x,y)〜zureXd(x,y)、zureYa(x,y)〜zureYd(x,y)]に応じて両画像の差[diffa(x,y)〜diffd(x,y)]を算出し、この分割単位毎に算出される両画像の差に基いて欠陥または欠陥候補であるか否かを判定する判定過程またはその手段とを有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記第1の連続画像データと第2の連続画像データとの各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された第1の画像と第2の画像との各々について小さい領域単位に分割して切出す画像分割切出過程またはその手段と、 該画像分割切出過程またはその手段で分割されて切出された第1の分割画像と第2の分割画像との間の位置ずれ量を分割単位毎に検出する位置ずれ検出過程またはその手段と、前記画像切出分割過程またはその手段で分割されて切出された第1の分割画像[f1a(x,y)〜f1d(x,y)]と第2の分割画像[g1a(x,y)〜g1d(x,y)]とを分割単位毎に比較して前記位置ずれ検出過程またはその手段で分割単位毎に検出された位置ずれ量[δx0a〜δx0d、δy0a〜δy0dまたはzureXa(x,y)〜zureXd(x,y)、zureYa(x,y)〜zureYd(x,y)]に応じて相対的に位置ずれ補正を施し、この位置ずれ補正が分割単位毎に施された第1の分割画像と第2の分割画像との差[diffa(x,y)〜diffd(x,y)]を算出し、この分割単位毎に算出される両画像の差に基いて欠陥または欠陥候補であるか否かを判定する判定過程またはその手段とを有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、第1の画像と第2の画像との間において抽出された階調値の差に対して欠陥または欠陥候補が存在するか否かを判定する判定基準値(閾値)[thHa(x,y)〜thHd(x,y)およびthLa(x,y)〜thLd(x,y)]に、それら分割単位毎の位置ずれ量[δx0a〜δx0d、δy0a〜δy0dまたはzureXa(x,y)〜zureXd(x,y)、zureYa(x,y)〜zureYd(x,y)]から(数18)式に基いて算出される階調値の変動成分[Aa(x,y)〜Ad(x,y)]と、許容する比較するパターンエッジの微小な位置ずれに応じて(数19)式に基いて算出される階調値の変動成分[Ba(x,y)〜Bd(x,y)]と、許容する比較するパターンから得られる階調値の微小な差異に応じて(数20)式に基いて算出される階調値の変動成分[Ca(x,y)〜Cd(x,y)]を組み入れることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、前記分割単位毎に検出する位置ずれ検出過程またはその手段において、分割単位ピッチで求めた位置ずれ量[δx0a〜δx0d、δy0a〜δy0d]を内挿して分割単位以下のピッチで位置ずれ量[zureXa(x,y)〜zureXd(x,y)、zureYa(x,y)〜zureYd(x,y)]を算出することを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、前記分割単位毎の判定過程またはその手段において、第1の画像と第2の画像との間において抽出された階調値の差に対して欠陥候補が存在するか否かを判定する判定基準値に、前記分割単位以下のピッチで算出した位置ずれ量[zureXa(x,y)〜zureXd(x,y)、zureYa(x,y)〜zureYd(x,y)]に応じた階調値の変動成分を組み入れたことを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、分割されて切出された第1の画像と第2の画像の階調値がほぼ等しくなるよう、少なくとも一方の階調値を補正する過程またはその手段を備えることを特徴とする。
【0026】
また、本発明は、前記分割単位ごとに算出した位置ずれ量に応じて、分割単位ごとに画像のシフトおよび、階調値の内挿により位置合わせを行う過程またはその手段を備えることを特徴とする。
【0027】
また、本発明は、分割単位毎の第1の画像と第2の画像との画素単位以上の位置ずれ量を算出するのに、(数5)式および(数6)式に基づいて第1の画像と第2の画像のうちの一方を他方に対して1画素ずつx、y方向にシフトさせながら、順に類似度(整合度)を計算し、類似度(整合度)が最も高いシフト量を位置ずれ量とする方法を用いることを特徴とする。
【0028】
また、本発明は、位置ずれ量を検出する際、整合度として相互相関を用いることを特徴とする。
【0029】
また、本発明は、分割単位毎の第1の画像と第2の画像との位置ずれ量を算出するのに、第1の画像と第2の画像に2次元離散的フーリエ変換を施してそれぞれのフーリエ変換画像[F1(s,t)、G1(s,t)]を作成し、次いで、一方のフーリエ変換画像に他方のフーリエ変換画像の複素共役を掛け合わせたクロスパワースペクトル画像csp(s,t)を作成し、次いで、クロスパワースペクトル画像を逆フーリエ変換して相互相関画像[corr(x,y)]を得、相互相関画像上で最も階調値すなわち相関値が高い座標を位置ずれ量として(相互相関画像の階調値分布から)、画素の精度で位置ずれ量を求めることを特徴とする。
【0030】
また、本発明は、分割単位毎の第1の画像と第2の画像との位置ずれ量を算出するのに、第1の画像と第2の画像に2次元離散的フーリエ変換を施してそれぞれのフーリエ変換画像[F1(s,t)、G1(s,t)]を作成し、次いで、一方のフーリエ変換画像に他方のフーリエ変換画像の複素共役を掛け合わせたクロスパワースペクトル画像csp(s,t)を作成し、次いで、クロスパワースペクトル画像を逆フーリエ変換して相互相関画像[corr(x,y)]を得、相互相関画像の階調値の内挿により、画素以下の精度で位置ずれ量を求めることを特徴とする。
【0031】
また、本発明は、物理量のサンプリングの結果生ずる画像上の幾何学的歪みを予め計測して歪みを補正するための補正式あるいは補正データテーブルを作成しておき、検査時に得られた第1の画像データ、第2の画像データに対して、前記歪み補正式あるいは歪み補正データテーブルを用いて、座標変換により歪みを補正する過程またはその手段を備えることを特徴とする。
【0032】
また、本発明は、対象物を固定し移動させるステージと、電子ビームを前記ステージの移動方向と直交する方向に走査する手段と、前記ステージに固定された対象物に対して前記電子ビームを走査した時に対象物から発生する電子を所定のサンプリング間隔で検知してデジタル画像信号に変換することによって、検査対象物の電子線像を画像内容として持つ、連続画像データを生成することを特徴とする。
【0033】
また、本発明は、電子ビームブランキング中の検出信号を基準として暗レベルを補正する前処理回路と、電子ビーム電流に基づいて検出信号を正規化して電子ビームの揺らぎを補正する前処理回路と、電子ビームの走査位置による検出信号強度の違いを補正する前処理回路とを備えることを特徴とする。
【0034】
また、本発明は、電子線像を画像内容として持つ2次元画像上の幾何学的歪みを計測して歪みを補正するための補正式あるいは補正データテーブルを予め作成しておき、電子ビーム走査を、前記補正式あるいは補正データテーブルを用いて制御することを特徴とする。
【0035】
また、本発明は、前記パターン検査方法および装置は、電子線画像に基づくパターン検査方法および装置であって、動的な画像歪みに対して対処できるようにしたことを特徴とする。
【0036】
以上説明したように、前記構成によれば、電子顕微鏡等による被検査対象物上に形成されたパターンの検査において、被検査対象物および検査装置側に起因した、パターン形状の微小な差異、階調値の差異、パターンの歪み、位置ずれといった不一致が引き起こす虚報を低減し、より微細な欠陥または欠陥候補の検出が可能となる。特に動的な画像歪みに対して対処することが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明に係るパターン検査方法および装置の実施の形態を図を用いて説明する。
【0038】
<<第1の実施の形態>>
本発明に係るパターン検査方法および装置の第1の実施の形態を図1に示す。ここでは、電子線30によりウエハ等の検査対象物100を走査して、電子線の照射によって検査対象物100から発生する電子を検知し、その強度変化に基づいて走査部位の電子線像を得、電子線像を用いてパターン検査を行う。
検査対象物100としては、例えば図2に示す如く半導体ウエハ1がある。この半導体ウエハ1には最終的に同一の製品となるチップ1aが多数配列されている。チップ1aの内部のパターンレイアウトは、同図の拡大図に示すように、メモリセルが2次元的に同一ピッチで規則的に配列しているメモリマット部1cと、周辺回路部1bとからなる。この半導体ウエハ1のパターン検査は、あるチップ(例えばチップ1d)での検出画像を記憶しておき、別のチップ(例えばチップ1e)での検出画像とを比較する(以下「チップ比較」と呼ぶ)、あるいは、あるメモリセル(例えばメモリセル1f)での検出画像を記憶しておき、別のセル(例えばセル1g)での検出画像とを比較する(以下「セル比較」と呼ぶ)ことにより実施する。
【0039】
本パターン検査システムは、図1に示す如く、検出部101、画像取り出し部102,画像処理部103、システム全体を制御する全体制御部104からなる。全体制御部104には、検査対象物100や標準試料に関する情報等を入力するための記録媒体やネットワークも含む入力手段146と、様々な制御情報や画像処理部103から得られる欠陥や欠陥候補に関する情報等を表示(モニタ)できるデイスプレイ等の表示手段148とが接続されている。なお、本パターン検査システムは、室内が真空排気される検査室105と、該検査室105内に検査対象物100を搬入、搬出するための予備室(図示せず)を備えており、この予備室は検査室105とは独立して真空排気できるように構成されている。
【0040】
<第1の実施の形態の検出部101>
まず、検出部101について図1を用いて説明する。
即ち、検出部101における検査室105内は、大別して、電子光学系106、電子検出部107、試料室109、および光学顕微鏡部108から構成される。電子光学系106は、電子銃31、電子線引き出し電極111、コンデンサレンズ32、ブランキング用偏向器113、走査偏向器34、絞り114、対物レンズ33、反射板117、ExB偏向器115、およびビーム電流を検出するファラデーカップ(図示せず)から構成される。反射板117は、円錐形状にして二次電子増倍効果を持たせた。
電子検出部107のうち、例えば二次電子、反射電子等の電子を検出する電子検出器35が検査室105内の例えば対物レンズ33の上方に設置されている。電子検出器35の出力信号は、検査室105の外に設置されたアンプ36で増幅される。
【0041】
試料室109は、Xステージ131、Yステージ132、位置モニタ用測長器134、検査基板高さ測定器135から構成されている。なお、ステージには、回転ステージを設けても良い。
位置モニタ用測長器134は、ステージ131、132等の位置をモニタし、その結果を全体制御部104に転送するものである。またステージ131、132の駆動系も全体制御部104によって制御される。この結果、全体制御部104は、これらのデータに基いて電子線30が照射されている領域や位置が正確に把握できるようになっている。
検査基板高さ測定器135は、光学式測定器が使用されてステージ131、132上に載置された検査対象物100の高さを測定するものである。そして、検査基板高さ測定器135で測定された測定データに基いて、電子線30を細く絞るための対物レンズ33の焦点距離がダイナミックに補正され、常に検査領域に焦点があった状態で電子線を照射できるように構成されている。なお、図1では、検査基板高さ測定器135は、検査室105の内部に設置されているが、検査室105の外部に設置し、ガラス窓等を通して検査室105の内部に光を投影するなどする方式でもよい。
【0042】
光学顕微鏡部108は、検査室105の室内における電子光学系106の近傍であって、互いに影響を及ぼさない程度離れた位置に設置されており、電子光学系106と光電顕微鏡部108との間の距離は当然既知の値となって構成されている。そして、Xステージ131またはYステージ132が電子光学系106と光学顕微鏡部108との間の既知の距離を往復移動するように構成されている。光学顕微鏡部108は、光源142、光学レンズ141、CCDカメラ140により構成されている。光学顕微鏡部108は、検査対象物100である例えば半導体ウエハ1に形成された回路パターンの光学画像を検出し、この検出された光学画像に基いて回路パターンの回転ずれ量を算出し、この算出された回転ずれ量を全体制御部104に送信する。すると全体制御部104は、この回転ずれ量分を例えば回転ステージを回転させることによって補正をすることが可能となる。また全体制御部104は、この回転ずれ量を補正制御回路143に送り、補正制御回路143によりこの回転ずれ量に基いて例えば走査偏向器34による電子線の走査偏向位置を補正することによって回転ずれの補正が可能となる。また光学顕微鏡部108は、検査対象物100である例えば半導体ウエハ1に形成された回路パターンの光学画像を検出し、例えばこの光学画像をモニタ(図示せず)に表示して観察し、この観察された光学画像に基いて検査領域の座標を入力手段146を用いて全体制御部104に入力することによって、検査領域を全体制御部104に対して設定することもできる。また例えば半導体ウエハ1に形成された回路パターンにおけるチップ間のピッチ、或いはメモリセルのような繰り返しパターンの繰り返しピッチを予め測定して、全体制御部104に入力させることも可能となる。なお、光学顕微鏡部108は、図1では検査室105の内部にあるが、検査室105の外部に配置して、ガラス窓等を通して半導体ウエハ1の光学画像を検出するのでも良い。
【0043】
図1に示す如く、電子銃31を出た電子ビームは、コンデンサレンズ32、対物レンズ33を経て、試料面では画素サイズ程度のビーム径に絞られる。この際、グランド電極38、リターディング電極37によって、試料100に負電位を引加し、対物レンズ33と検査対象物(試料)100間で電子ビームを減速することで低加速電圧領域での高分解能化を図る。電子線が照射されると、検査対象物(ウエハ1)100からは電子が発生する。走査偏向器34による電子線のX方向の繰り返し走査と、ステージ132による検査対象物(試料)100のY方向の連続的な移動に同期して検査対象物100から発生する電子を検出することで、検査対象物の2次元の電子線像が連続的に得られる(:連続画像データ)。
【0044】
なお、リターディング方式では、グランド電極38、およびリターディング電極37により電位分布を作り出して、実効的な加速電圧を低下させている。仮にステージ132が移動して検査個所が検査対象物100の端部(周辺部)に来たときでも、中央の時と変わらない電位分布であるならば歪みは生じないが、それには電極(グランド電極38、およびリターディング電極37)を無限に大きくする必要がある。しかしながら、電極を無限に大きくできないことからして、リターディング方式では、検査対象物100の端部(周辺部)と中央部の磁界分布を等しくすることは非常に難しいので、中央部の歪が無いと定義すれば、特に検査対象物の周辺部において歪みが存在することになる。このように、検査対象物の周辺部において磁界分布が歪むことにより、電子ビームの走査が乱れ、その結果検出画像に歪みが生ずることになる(図5参照)。図5に示す状況では検査対象物全面を検査するのは難しい。この対策として、検査に先立ち予め既知の寸法または形状を有する繰り返しパターンを形成した標準試料をステージ132に搭載し、画像取り出し部102において該標準試料から得られる検出画像を検出して前処理された画像を例えばメモリ42aまたは42bに記憶させ、例えば全体制御部104内の計算機(CPU)または全体制御部104に接続された計算機によりメモリ42aまたは42bに記憶された前処理された検出画像から歪みを計測しておき、検査時には計測データ用いて、補正制御回路143を介して偏向制御部144で電子ビームの走査速度、走査地点(X座標およびY座標)を制御するようにする。例えば、偏向器34に対して与える電圧を図6に示す実線から、破線のようにする。リターディング起因の歪みは、再現性があるため、この方法により歪みが改善され、検査可能領域を広げられるようになる。予め歪みのデータをとるには、例えば、同一パターンが適当なピッチで規則的に配列されたような試料を用いるのが望ましい。またそうしたパターンを持つ歪み計測用専用試料を製作して用いてもよい。そして、予め歪みのデータを取るには、適当なパターンピッチを持つテストパターン付き試料の画像を画像取り出し部102において検出し、全体制御部104内の計算機(CPU)または全体制御部104に接続された計算機により検出画像上で歪みを計測すればよい。上記計算機は、画像上で、繰り返しパターンの最小単位毎に位置を認識し(繰り返しパターンの適当な特徴を認識しても良いし、あるいは繰り返しパターンの最小単位をテンプレートとするテンプレートマッチングを行なっても良い。)、その認識された位置と上記パターンのあるべき位置とを比較することによって歪み量を算出して計測することができる。なお、歪み方は、試料のサイズが等しければほぼ再現するが、試料のサイズが異なれば異なった歪み方になるため、試料のサイズ別に補正データを持つ必要がある。さらに、場合によっては試料上のパターンが絶縁体か、導電体かによっても差が生ずることもあるため、上記計算機において、適宜補正データを準備する必要がある。
【0045】
検査対象物(試料)100から発生した電子は検出器35で捕らえられ、アンプ36で増幅される。ここで、高速検査を可能にするために、電子ビームをX方向に繰り返し走査させる偏向器34としては、偏向速度の速い静電偏向器を用いることが、また、電子銃31としては、電子ビーム電流を大きくできるので照射時間が短くできる熱電界放射型電子銃を用いることが、また、検出器35には高速駆動が可能な半導体検出器を用いることが望ましい。
【0046】
<第1の実施の形態の画像取り出し部102>
次に、画像取り出し部102について、図1、図3、図4を用いて説明する。即ち、電子検出部107における電子検出器35で検出された電子検出信号は、アンプ36で増幅され、A/D変換器39によりデジタル画像データ(階調画像データ)に変換される。そして、A/D変換器39の出力を、光変換手段(発光素子)123、伝送手段(光ファイバケーブル)124、および電気変換手段(受光素子)125により伝送するように構成した。この構成によれば、伝送手段124はA/D変換器39のクロック周波数と同じ伝送速度であれば良い。A/D変換器39の出力は、光変換手段(発光素子)123において光デジタル信号に変換され、伝送手段(光ファイバケーブル)124によって光伝送されて電気変換手段(受光素子)125によりデジタル画像データ(階調画像データ)に変換される。このように光信号に変換して伝送するのは、反射板117からの電子52を半導体検出器35に導くために、半導体検出器35から光変換手段123までの構成要素(半導体検出器35、アンプ36、A/D変換器39、および光変換手段(発光素子)123)を高電圧電源(図示せず)により正の高電位にフローティングする必要があるからである。正確には、半導体検出器35のみを正の高電圧にすればよい。しかしアンプ36とA/D変換器39は、ノイズの混入と信号の劣化を防ぐため、半導体検出器の直近にある方が望ましく、半導体検出器35のみを正の高電圧に保つことは困難で、上記構成要素全体を高電圧にする。すなわち、伝送手段(光ファイバケーブル)124は高絶縁材料で形成されているため、光変換手段(発光素子)123においては正の高電位レベルにあった画像信号が、伝送手段(光ファイバケーブル)124を通過後、電気変換手段(受光素子)125からはアースレベルの画像信号の出力が得られる。
【0047】
前処理回路(画像補正回路)40は、図3に示すごとく、暗レベル補正回路72、電子源の揺らぎ補正回路73、シェーディング補正回路74、フィルタリング処理回路81,歪み補正回路84等によって構成される。電気変換手段(受光素子)125から得られるデジタル画像データ(階調画像データ)71は、前処理回路(画像補正回路)40において、暗レベル補正、電子源の揺らぎ補正、シェーディング補正等の画像補正が行われる。暗レベル補正回路72における暗レベル補正は、図4に示すように、全体制御部104から得られる走査ライン同期信号75に基いて抽出されるビーム・ブランキング期間中における検出信号71を基準に暗レベルを補正する。即ち暗レベルを補正する基準信号は、ビーム・ブランキング期間中の例えば特定位置における特定数画素の階調値の平均を暗レベルとし、走査ライン毎に更新する。このように暗レベル補正回路72において、ビーム・ブランキング期間中に検出される検出信号が、ライン毎に更新される基準信号に暗レベル補正が行われる。電子源の揺らぎ補正回路73における電子源の揺らぎ補正は、図4に示すように、暗レベル補正がなされた検出信号76を、補正周期(例えば100kHzのライン単位)で上記ビーム電流を検出するファラデーカップ(図示せず)でモニタされたビーム電流77で正規化して行う。電子源の揺らぎには、急激な変動がないので、1〜数ライン前に検出されたビーム電流を用いてもよい。シェーディング補正回路74におけるシェーディング補正は、図4に示すように、電子源の揺らぎ補正された検出信号78に対して、全体制御部104から得られるビーム走査位置79による光量変動を補正するものである。即ち、シェーディング補正は、予め検出した基準明るさデータ83をもとに画素毎に補正(正規化)を行うものである。シェーディング補正用基準データ83は、予め、シェーディング補正機能をoffにした上で検出して、検出された画像データを一旦画像メモリ(例えば147)に格納し、この格納された画像データを、全体制御部104内に設けられた計算機または全体制御部104にネットワークで接続された上位の計算機に送信し、全体制御部104内に設けられた計算機または全体制御部104にネットワークで接続された上位の計算機においてソフトウエアで処理して作成する。またシェーディング補正用基準データ83は、全体制御部104にネットワークで接続された上位の計算機において予め算出して保持しておき、検査開始時にダウンロードし、このダウンロードしたデータをシェーディング補正回路74におけるCPUが取り込めるようにしても良い。全視野幅対応については、シェーディング補正回路74内に、通常の電子ビームの振り幅の画素数(例えば1024画素)の補正メモリを2面持ち、検査領域外の時間(1視野検査終了から次の1視野検査開始までの時間)にメモリを切り換えることにより対応する。補正データとしては、電子ビームの最大の振り幅の画素数(例えば5000画素)分持ち、各補正メモリに次の1視野検査終了までにCPUが書き替えればよい。
【0048】
以上、電気変換手段(受光素子)125から得られるデジタル画像データ(階調画像データ)71に対して、暗レベル補正(ビーム・ブランキング期間中における検出信号71を基準に暗レベルを補正する。)、電子ビーム電流の揺らぎ補正(ビーム電流強度をモニターし、信号をビーム電流で正規化する)、シェーディング補正(ビーム走査位置による光量変動を補正)を行った後、補正されたデジタル画像データ(階調画像データ)80に対して、フィルタリング処理回路81において、ガウシアンフィルタ、平均値フィルタ、あるいはエッジ強調フィルタなどによるフィルタリング処理を行って、画質を改善する。
【0049】
また、必要に応じて、歪み補正回路84により、画像の歪みを補正する。歪みの少ない画像を検出するために偏向器34を制御して電子ビームの走査箇所をコントロールすることを先に述べたが、本歪み補正回路84は、一旦検出された画像上で歪みを補正するものである。すなわち、予め、画像の検出位置と歪み量の関係を調べ、次に示す(数1)式で示されるような座標に応じた歪みの補正式を作っておき、補正式により検出画像の座標変換を行う。すなわち、補正前の画素の座標を(x,y)、補正後の画素の座標を(X,Y)とした時、歪みの補正式を高次多項式とするならば、次に示す(数1)式のように表される。
【0050】
【数1】
Figure 0004002655
【0051】
例えば、2次多項式の場合には、次ぎに示す(数2)式の関係となる。
X=a11+a21x+a12y+a22xy
Y=b11+b21x+b12y+b22xy (数2)
予め、画像の検出位置と歪みの関係を調べるには、既知の寸法または形状を有する繰り返しパターンを形成した標準試料をステージ132に搭載し、画像取り出し部102において該標準試料から得られる検出画像を検出して前処理された画像を例えばメモリ42aまたは42bに記憶させ、例えば全体制御部104内の計算機(CPU)または全体制御部104に接続された計算機によりメモリ42aまたは42bに記憶された前処理された検出画像における繰り返しパターンの最小単位毎の位置(補正前の画素の座標(x,y)に対応する。)を認識し、該認識された繰り返しパターンの最小単位毎の位置と、該繰り返しパターンがあるべき位置(補正後の画素の座標(X,Y)に対応する。)との関係から、上記(数1)式に示す係数aij,bijを試料上における位置座標ごとに、例えば最小2乗法により決定して歪み補正回路84に記憶しておく。
【0052】
歪み補正回路84において、X、Yが非整数の場合には、なんらかの内挿近似により画素と画素の間の階調値を決定する。内挿には、座標(x,y)における階調値をf(x,y)、画素と画素の間の座標(x+dx,y+dy)における階調値をf(x+dx,y+dy)とすれば、たとえば次に示す(数3)式の線形近似を用いる。
【0053】
Figure 0004002655
ただし、dx,dyは0〜0.5
図3に示す前処理回路(画像補正回路)40において行なう種々の補正は、後の欠陥判定処理において有利なように検出画像を変換するためのものである。常に全ての補正が必要というわけではなく、また、これらの補正の順序も図3に示す通りでなくともかまわない。
ところで、シフトレジスタ等で構成される遅延回路41は、前処理回路40から画質が改善されたデジタル画像信号(階調画像信号)を一定時間だけ遅延させるが、遅延時間を、全体制御部104から得て、例えばステージ2がチップピッチ分(図2でのd1)移動する時間にすれば、遅延された信号g0と遅延されていない信号f0とは隣り合うチップの同じ箇所での画像信号となり、前述したチップ比較検査となる。あるいは遅延時間を、全体制御部104から得て、ステージ2がメモリセルのピッチ分(図2でのd2)移動する時間にすれば、遅延された信号g0と遅延されていない信号f0とは隣り合うメモリセルの同じ箇所での画像信号となり、前述したセル比較検査となるわけである。このように遅延回路41は、全体制御部104から得られる情報に基いて、読み出す画素位置を制御することによって任意の遅延時間を選択できるように構成されている。以上のようにして、画像取り出し部102から、比較すべきデジタル画像信号(階調画像信号)f0とg0とが取り出される。以下、f0を検出画像、g0を比較画像と呼ぶことにする。
【0054】
<第1の実施の形態の画像処理部103a>
次に画像処理部103aについて、図1を用いて説明する。
本発明に係る第一の実施の形態では、座標(x,y)の階調値がf0(x,y)である検出画像(第1の画像)と座標(x,y)の階調値がg0(x,y)である比較画像(第2の画像)とを比較して欠陥判定を行う。比較をする際、まず問題となるのは、画像の歪みである。偏向器34の制御によって、あるいは、歪み補正回路84を用いることによって、静的な歪み(予測可能な歪み)が補正されても、ステージ131、132等の振動、検査対象物100のパターン分布によって生ずる磁界の変化などがもたらす動的な歪みは、予め補正しておくことはできない。
【0055】
本発明では、こうした、動的な歪みに対処するために、図7に示すように、該動的な歪みが無視できる程度のサイズまで、画像を細かく分割し、分割単位ごとに欠陥判定を行うようにする。
【0056】
分割単位のサイズは、次の(1)、(2)、(3)のことを考慮して決定する。(1)その系で検出される画像の歪みの程度。
(2)検出すべき欠陥のサイズ(検出すべき欠陥のサイズが小さいほどわずかな歪みも問題になる)。
(3)分割単位を小さくすると分割単位あたりの画素数が減少して位置ずれ計測の精度が低くなること。
【0057】
図1に示す画像処理部103は、図8に示すように電子線によるX方向の1走査を例えば4分割する場合の構成である。画像取り出し部102から出力される連続画像データf0(x,y)と、g0(x,y)とは、始めに2次元の各画像メモリ42a、42bに格納される。該2次元の画像メモリ42a、42bはそこから読み出す領域を自由に設定できる機能を持つ画像メモリである。各2次元の画像メモリ42a、42bには、2次元のメモリ部分421a、421bと、読み出し開始・終了アドレス格納用のレジスタ422a、422bとを有する。図8に示すような位置の画像が処理されるべく、全体制御部104がレジスタ422a、422bに値を設定(セット)する。この値により、メモリ部分421a、421bに記憶された画像データの一部(分割単位)であるf1(x,y)およびg1(x,y)が読み出されることになる。即ち、図8に示すように、全体制御部104によって分割単位の座標でもって、読み出し開始・終了アドレス格納用のレジスタ422a、422bに対して設定された(セットされた)2次元のメモリ部分421a、421bに記憶された分割単位の領域から連続画像データf1(x,y)およびg1(x,y)が読み出されることになる。なお、上記説明では、各画像メモリ42a、42bにおいて、各読み出し開始・終了アドレス格納用のレジスタ422a、422bによってセットされた分割単位の領域毎に、各2次元のメモリ部分421a、421bに記憶された画像を切出して読み出すように構成したが、更に分割単位毎に切出し2次元のメモリ部分を有し、全体制御部104によって指定される分割単位の座標に基いて各2次元のメモリ部分421a、421bから分割単位毎の画像を切出して分割単位毎に設置された切出し2次元のメモリ部分に記憶させて分割単位毎の連続画像データf1(x,y)と、g1(x,y)とを用意しても良い。
【0058】
分割単位毎の位置ずれ検出部44aは、全体制御部104からの分割単位の座標に基く指定によって各2次元の画像メモリ42a、42bから第1の分割単位で読み出された画像の第1の部分f1a(x,y)、g1a(x,y)について、画素単位の位置合わせ部441、447において画素単位で位置合わせが行われてf2a(x,y)、g2a(x,y)またはf4a(x,y)、g4a(x,y)が出力され、その後画素単位以下の位置ずれ検出部442においてサブピクセルの精度でf2a(x,y)、g2a(x,y) またはf4a(x,y)、g4a(x,y)間の位置ずれ量であるx方向の位置ずれ量δx0aと、y方向の位置ずれ量δy0aとを求める。同じく、分割単位毎の位置ずれ検出部44bは、全体制御部104からの分割単位の座標に基く指定によって各2次元のメ画像モリー42a、42bから第2の分割単位で読み出された画像の第2の部分f1b(x,y)、g1b(x,y)について、画素単位の位置合わせ部441において画素単位で位置合わせが行われてf2b(x,y)、g2b(x,y)またはf4a(x,y)、g4a(x,y)が出力され、その後画素単位以下の位置ずれ検出部442においてサブピクセルの精度でf2b(x,y)、g2b(x,y)またはf4b(x,y)、g4b(x,y)間の位置ずれ量δx0b、δy0bを求める。分割単位毎の位置ずれ検出部44cおよび44dについても同様に、全体制御部104からの分割単位の座標に基く指定によって各2次元の画像メモリ42a、42bから第3の分割単位および第4の分割単位で読み出された画像の第3の部分f1c(x,y)、g1c(x,y)および画像の第4の部分f1d(x,y)、g1d(x,y)について、画素単位の位置合わせ部441において画素単位で位置合わせが行われてf2c(x,y)、g2c(x,y)またはf4c(x,y)、g4c(x,y)およびf2d(x,y)、g2d(x,y)またはf4d(x,y)、g4d(x,y)が出力され、その後画素単位以下の位置ずれ検出部442においてサブピクセルの精度でf2c(x,y)、g2c(x,y)間の位置ずれ量δx0c、δy0cまたはf4c(x,y)、g4c(x,y)およびf2d(x,y)、g2d(x,y)またはf4d(x,y)、g4d(x,y)間の位置ずれ量δx0d、δy0dを求める。全体制御部104が画像メモリ42aに対して設定して指定する分割単位の座標におけるf1a(x,y)、f1b(x,y)、f1c(x,y)、f1d(x,y)の連続画像データ上での位置関係を図8に示す。全体制御部104が画像メモリ42aに対して設定して指定する分割単位をオーバーラップさせるのは、位置ずれにより検査できない領域を生じさせないためである。オーバーラップ量は、位置ずれ量として予想される最大値分以上が必要である。全体制御部104が画像メモリ42bに対して設定して指定する分割単位の座標におけるg1a(x,y)、g1b(x,y)、g1c(x,y)、g1d(x,y)の連続画像データ上での位置関係も同様となる。各分割単位毎の位置ずれ検出部44a〜44dは、図10に示すように、各画像メモリ42aおよび42bから図8に実線で示す分割単位で読み出された画像に対して例えば画素単位での位置合わせ処理が終了すると、破線で示す分割単位の画像f2a(x,y)、f2b(x,y)、f2c(x,y)、f2d(x,y)と画像g2a(x,y)、g2b(x,y)、g2c(x,y)、g2d(x,y)との間の位置合わせ処理が開始される。即ち、図10(a)には、実線で示す分割単位の処理内容を示し、図10(b)には、破線で示す分割単位の処理内容を示す。画像は、次々と連続的に検出されるので、実線で示す分割単位がある処理を行なっている間、破線で示す分割単位は、実線で示す分割単位が一つ前に行なっていた処理を行なう(いわゆるパイプライン形処理)。
【0059】
即ち、実線で示す分割単位について▲1▼441における処理のとき、破線で示す分割単位について画像メモリ42a、42bからの読み出しが行われる。ついで、実線で示す分割単位について▲2▼442における処理&メモリ45a、45bへの書き込みのとき、破線で示す分割単位について▲1▼441における処理が行われる。ついで、実線で示す分割単位について▲3▼461,462における処理のとき、破線で示す分割単位について▲2▼442における処理&メモリ45a、45bへの書き込みが行われる。ついで、実線で示す分割単位について▲4▼463における処理のとき、破線で示す分割単位について▲3▼461,462における処理が行われる。ところで、図8に示すように、検査できない領域が生じさせないためにy方向についても同様に画像メモリ42aおよび42bからオーバーラップさせて読み出す必要がある。なお、図13、図15、図17、図18および図20に示す第1の実施の形態における変形例では、上記説明と多少異なることになる。
【0060】
続いて、各分割単位毎の位置ずれ検出部44a〜44dについて、図9を参照して説明する。図9は、4組ある分割単位毎の位置ずれ検出部44a〜44d、分割単位毎の欠陥判定部46a〜46dのうちの一組分を示したものである。一組の分割単位毎の位置ずれ検出部44では、分割単位毎の画素単位の位置合わせ部441において画素の精度で位置合わせを行った後、分割単位毎の画素以下の位置ずれ検出部442において、画素以下の位置ずれ量(δx0,δy0)を算出する。
分割単位毎の画素単位の位置合わせ部441では、上記分割単位毎の検出画像f1(x,y)に対する比較画像g1(x,y)の位置ずれ量が0〜1画素の間になるように、いいかえれば、f1(x,y)とg1(x,y)との「整合度」が最大となる位置が0〜1画素の間になるように、例えばg1(x,y)の位置をずらす。なお、上記「整合度」としては、次に示す(数4)式などが考えられる。
ΣΣ|f1−g1|, ΣΣ(f1−g1)2 (数4)
ΣΣ|f1−g1|は、検出画像f0(x,y)と比較画像g1(x,y)との差の絶対値の各分割単位に亘る画像内の合計である。ΣΣ(f1−g1)2は、検出画像f0(x,y)と比較画像g1(x,y)との差を2乗して各分割単位に亘ってx方向およびy方向に積分した値を示す。あるいは、よく知られている、f1とg1の相互相関を用いてもよい。ここではΣΣ|f1−g1|を採用した場合について示す。
【0061】
分割単位毎に得られる比較画像g1(x,y)のx方向のずらし量をmx,y方向のずらし量をmy(ただしmx,myは整数)とし、e1(mx,my)、s1(mx,my)の各々を次に示す(数5)式および(数6)式のように定義する。
e1(mx,my)=ΣΣ|f1(x,y)−g1(x+mx,y+my)| (数5)
s1(mx,my)=e1(mx,my)+e1(mx+1,my)+e1(mx,my+1)+e1(mx+1,my+1) (数6)
(数5)式において、ΣΣは各分割単位内の合計を表す。ここで求めたいのはs1(mx,my)が最小となるx方向のずらし量をmx,y方向のずらし量をmyの値なので、mx,およびmyの各々を±0,1,2,3,4・・・・・nと変化させて、いいかえれば、各分割単位において、比較画像g1(x,y)を画素ピッチでずらして、その時々のs1(mx,my)を算出する。そして、それが最小となるmxの値mx0と、myの値my0とを求める。なお、比較画像の最大ずらし量であるnは、検出部101の位置精度に応じて、位置精度が悪いほど大きな値にする必要がある。
【0062】
分割単位毎の画素単位の位置合わせ部441からは、各分割単位毎に得られる検出画像f1(x,y)はもとのまま、各分割単位毎に得られる比較画像g1(x,y)は(mx0,my0)だけずらして出力する。すなわち、f2(x,y)=f1(x,y)、g2(x,y)=g1(x+mx0,y+my0)である。なお、f1とg1の画像のサイズが元々等しければ、mx0、my0の位置ずれにより、各分割単位毎の画像の周辺部においてmx0画素幅、my0画素幅が無効領域となる(比較相手の画像が存在しない領域のため)。図8で、分割単位をオーバーラップさせているのは、この無効領域があるためである。
分割単位毎の画素以下の位置ずれ検出部442では,分割単位に亘る画素以下の位置ずれ量(位置ずれ量は0〜1の実数となる。)を算出する。分割単位に亘る画素以下の位置ずれとは、図11に示すような状況である。図11において、鎖線で示された四角の升目が画素を示し、電子検出器35で検出されてA/D変換器39でサンプリングされてデジタル値(階調値)に変換される単位である。同図では分割単位毎の(分割単位に亘る)比較画像g2が分割単位毎の(分割単位に亘る)検出画像f2に対して、x方向に2*δx、y方向に2*δyだけ位置がずれている。整合度の測度としては、やはり(数4)式で示すような選択肢があるが、ここでは、「差の2乗和」(ΣΣ(f2−g2)2)を採用した例を示す。
【0063】
分割単位毎の検出画像f2(x,y)と分割単位毎の比較画像g2(x,y)との中間位置を位置ずれ量0とする。すなわち、図11に示す状況では、f2はx方向に−δx、y方向に−δy、g2はx方向に+δx、y方向に+δyだけずれていると仮定する。δx、δyは整数ではないため、δx、δyだけずらすには、画素と画素の間の値を定義する必要がある。分割単位毎の検出画像f2をx方向に+δx、y方向に+δyだけずらした分割単位毎の検出画像f3、g1をx方向に−δx、y方向に−δyだけずらした分割単位毎の比較画像g3を、次に示す(数7)式および(数8)式のように定義する。
f3(x,y)=f2(x+δx,y+δy)=f2(x,y)+δx(f2(x+1,y)−f2(x,y))+δy(f2(x,y+1)−f2(x,y)) (数7)
g3(x,y)=g2(x−δx,y−δy)=g2(x,y)+δx(g2(x−1,y))−g2(x,y))+δy(g2(x,y−1)−g2(x,y)) (数8)
(数7)(数8)式はいわゆる線形補間である。 f3とg3との整合度e2(δx,δy)は「差の2乗和」を採用すると次に示す(数9)式のようになる。
【0064】
e2(δx,δy)=ΣΣ(f3(x,y)−g3(x,y))2 (数9)
ΣΣは分割単位内の合計である。分割単位毎の画素以下の位置ずれ検出部442の目的は、分割単位においてe2(δx,δy)が最小値をとるδxの値δx0、δyの値δy0を求めることである。それには、上記(数9)式をδx,δyで偏微分した式を0とおいて、それをδx,δyについて解けばよい。結果は次に示す(数10)式および(数11)式のようになる。
δx0={(ΣΣC0*Cy)*(ΣΣCx*Cy)−(ΣΣC0*Cx)*(ΣΣCy*Cy)}/{(ΣΣCx*Cx)*(ΣΣCy*Cy)−(ΣΣCx*Cy)*(ΣΣCx*Cy)} (数10)
δy0={(ΣΣC0*Cx)*(ΣΣCx*Cy)−(ΣΣC0*Cy)*(ΣΣCx*Cx)}/{(ΣΣCx*Cx)*(ΣΣCy*Cy)−(ΣΣCx*Cy)*(ΣΣCx*Cy)} (数11)
ここでC0、Cx、Cyは、次に示す(数12)式、(数13)式、(数14)式の関係である。
【0065】
C0=f2(x,y)−g2(x,y) (数12)
Cx={f2(x+1,y)−f2(x,y)}−{g2(x−1,y)−g2(x,y)} (数13)
Cy={f2(x,y+1)−f2(x,y)}−{g2(x,y−1)−g2(x,y)} (数14)
δx0,δy0の各々を求めるには、上記(数10)式、および(数11)式に示すように、分割単位毎に上記種々の統計量ΣΣCk*Ck(但しCk=C0、Cx、Cy)を求める必要がある。統計量算出部443は、分割単位に亘って、画素単位の位置合わせ部441から得られる画素単位で位置合わせされた階調値からなる分割単位毎の検出画像f2(x,y)と分割単位毎の比較画像g2(x,y)に基いて、上記種々の統計量ΣΣCk*Ckの算出を行う。サブCPU444は、統計量算出部443において分割単位に亘って計算されたΣΣCk*Ckを用いて、上記(数10)式、(数11)式の演算を行ってδx0、δy0を求める。
シフトレジスタ等で構成された遅延回路45a,45bは、分割単位毎の画素以下の位置ずれ検出部442でδx0、δy0を求めるのに要する時間分だけ画像信号f2とg2を遅延させるためのものである。
【0066】
続いて、図1に示す分割単位毎の欠陥判定部46a〜46dの内の一組の分割単位毎の欠陥判定部46について、図9を参照して説明する。分割単位毎の欠陥判定部46では、分割単位毎の差分抽出回路461において分割単位毎の検出画像f2と分割単位毎の比較画像g2との差画像を作成する一方、分割単位毎の閾値演算回路462において各画素に対する閾値を算出し、分割単位毎の閾値処理部463において差画像の階調値と閾値を比較して欠陥か否かを判定する。
分割単位毎の差分抽出回路461は、計算上2*δx0、2*δy0の位置ずれを有する分割単位の検出画像f2と分割単位の比較画像g2との分割単位毎の差画像sub(x,y)を求める。この分割単位毎の差画像sub(x,y)は、(数15)式のように表わされる。
【0067】
sub(x,y)=g1(x,y)−f1(x,y) (数15)
分割単位毎の閾値演算回路462は、遅延回路45を経た分割単位毎の画像f2、g2および、画素以下の位置ずれ検出部442から得られる分割単位毎の画素以下の位置ずれ量δx0、δy0を用いて、欠陥候補か否かを判定する、分割単位毎の二つの閾値thH(x,y)、thL(x,y)を算出する。thH(x,y)は、分割単位毎に得られる差画像sub(x,y)の上限を規定する閾値であり、thL(x,y)は、分割単位毎に得られる差画像sub(x,y)の下限を規定する閾値である。分割単位毎の閾値演算回路48の構成を図12に示す。分割単位毎の閾値演算回路462における演算の内容を(数16)式および(数17)式で表すと次のようになる。
thH(x,y)=A(x,y)+B(x,y)+C(x,y) (数16)
thL(x,y)=A(x,y)−B(x,y)−C(x,y) (数17)
ただし、A(x,y)は、次に示す(数18)式の関係で示され、分割単位毎に得られる画素以下の位置ずれ量δx0、δy0を用いて、実質的に分割単位毎に得られる差画像sub(x,y)の値に応じて閾値を補正するための項である。
【0068】
またB(x,y)は、次に示す(数19)式の関係で示され、分割単位毎に得られる検出画像f2と分割単位毎に得られる比較画像g2との間において、パターンエッジの微小な位置ずれ(パターン形状の微小な差異、パターン歪みも局所的に見ればパターンエッジの微小な位置ずれに帰着する)を許容するための項である。
【0069】
またC(x,y)は、次に示す(数20)式の関係で示され、分割単位毎に得られる検出画像f2と分割単位毎に得られる比較画像g2との間において、階調値の微小な差異を許容するための項である。
A(x,y)={dx1(x,y)*δx0−dx2(x,y)*(−δx0)}+ {dy1(x,y)*δy0−dy2(x,y)*(−δy0)}={dx1(x,y)+dx2(x,y)}*δx0+{dy1(x,y)+dy2(x,y)}*δy0 (数18)
B(x,y)=|{dx1(x,y)*α−dx2(x,y)*(−α)}|+|{dy1(x,y)*β−dy2(x,y)*(−β)}|=|{dx1(x,y)+dx2(x,y)}*α|+|{dy1(x,y)+dy2(x,y)}*β| (数19)
C(x,y)=((max1+max2)/2)*γ+ε (数20)
ここで、α、βは0〜0.5の実数、γは0以上の実数、εは0以上の整数である。
【0070】
dx1(x,y)は、次に示す(数21)式の関係で示され、分割単位毎に得られる検出画像f2(x,y)におけるx方向+1隣りの画像との階調値の変化分を示す。
またdx2(x,y)は、次に示す(数22)式の関係で示され、分割単位毎に得られる比較画像g2(x,y)におけるx方向−1隣りの画像との階調値の変化分を示す。
またdy1(x,y)は、次に示す(数23)式の関係で示され、分割単位毎に得られる検出画像f2(x,y)におけるy方向+1隣りの画像との階調値の変化分を示す。
またdy2(x,y)は、次に示す(数24)式の関係で示され、分割単位毎に得られる比較画像g2(x,y)におけるy方向−1隣りの画像との階調値の変化分を示す。
【0071】
dx1(x,y)=f2(x+1,y)−f2(x,y) (数21)
dx2(x,y)=g2(x,y)−g2(x−1,y) (数22)
dy1(x,y)=f2(x,y+1)−f2(x,y) (数23)
dy2(x,y)=g2(x,y)−g2(x,y−1) (数24)
max1は、次に示す(数25)式の関係で示され、分割単位毎に得られる検出画像f2(x,y)における自身も含め、x方向+1隣りの画像、y方向+1隣りの画像の最大階調値を示す。また、max2は、次に示す(数26)式の関係で示され、分割単位毎に得られる比較画像g2(x,y)における自身も含め、x方向−1隣りの画像、y方向−1隣りの画像の最大階調値を示す。
【0072】
max1=max{f2(x,y),f2(x+1,y),f2(x,y+1),f2(x+1,y+1)} (数25)
max2=max{g2(x,y),g2(x−1,y),g2(x,y−1),g(x−1,y−1)} (数26)
まず、分割単位毎の閾値thH(x,y)、thL(x,y)を算出する(数16)式および(数17)式における第1項A(x,y)について説明する。即ち、分割単位毎の閾値thH(x,y)、thL(x,y)を算出する(数16)式および(数17)式における第1項A(x,y)は、分割単位毎の画素以下の位置ずれ検出部442で求めた分割単位毎の画素以下の位置ずれ量δx0、δy0に対応して閾値を補正するための項である。例えば(数21)式で表されるdx1は、分割単位毎の検出画像f2の階調値のx方向の局所的な変化率だから、分割単位における(数18)式に示されるdx1(x,y)*δx0は、位置がδx0ずれた時のf2の階調値の変化の予測値ということができる。よって、分割単位における(数18)式に示される第1項{dx1(x,y)*δx0−dx2(x,y)*(−δx0)}は、x方向にf2の位置をδx0、g2の位置を−δx0ずらした時に、f2とg2の差画像の階調値がどのぐらい変化するかを画素ごとに予測した値ということができる。同様に第2項はy方向について予測した値ということができる。即ち、分割単位における{dx1(x,y)+dx2(x,y)}*δx0は、分割単位毎の検出画像f2と分割単位毎の比較画像g2との差画像におけるx方向の局所的変化率{dx1(x,y)+dx2(x,y)}に対して位置ずれδx0を掛け算してf2とg2の差画像の階調値がx方向にどのぐらい変化するかを画素ごとに予測した値であり、分割単位における{dy1(x,y)+dy2(x,y)}*δy0は、分割単位毎の検出画像f2と分割単位毎の比較画像g2との差画像におけるy方向の局所的変化率{dy1(x,y)+dy2(x,y)}に対して位置ずれδy0を掛け算してf2とg2の差画像の階調値がy方向にどのぐらい変化するかを画素ごとに予測した値である。
以上説明したように、各分割単位毎の閾値thH(x,y)、thL(x,y)における第1項A(x,y)は、各分割単位毎の既知の位置ずれδx0、δy0をキャンセルするための項である。
【0073】
次に、各分割単位毎の閾値thH(x,y)、thL(x,y)を算出する(数16)式および(数17)式における第2項B(x,y)について説明する。即ち、各分割単位毎の閾値thH(x,y)、thL(x,y)を算出する(数16)式および(数17)式における第2項B(x,y)は、各分割単位におけるパターンエッジの微小な位置ずれ(パターン形状の微小な差異、も局所的に見ればパターンエッジの微小な位置ずれに帰着する)を許容するための項である。A(x,y)を求める(数18)式とB(x,y)を求める(数19)式を対比させれば明らかなように、B(x,y)は位置ずれα、βによる差画像の階調値の変化予測の絶対値である。A(x,y)によって位置ずれがキャンセルされるとするならば、A(x,y)にB(x,y)を加算するのは、位置の合った状態から、さらにパターン形状やパターンの歪みに基づく微小な差異によるパターンエッジの微小な位置ずれを考慮してx方向にα、y方向にβだけ位置をずらすことを意味している。つまり、分割単位毎のパターン形状やパターンの歪みに基づく微小な差異によるパターンエッジの微小な位置ずれとして、x方向に+α、y方向に+βを許容するのが、上記(数16)式で示す+B(x,y)である。また、上記(数17)式で示す如くA(x,y)からB(x,y)を減ずるのは、分割単位毎に位置の合った状態からさらにx方向に−α、y方向に−βだけ位置をずらすことを意味している。x方向に−α、y方向に−βの位置ずれを許容するのが、上記(数17)式で示す−B(x,y)である。上記(数16)式および(数17)式で示すごとく、分割単位毎に閾値に上限thH(x,y)、下限thL(x,y)を設けることによって、分割単位毎に±α、±βの位置ずれを許容することになるわけである。そして、分割単位毎の閾値演算回路462において、入力されるパラメータα、βの値を適切な値に設定することによって、分割単位毎にパターン形状やパターンの歪みに基づく微小な差異による許容する位置ずれ量(パターンエッジの微小な位置ずれ量)を自由にコントロールすることが可能となる。
【0074】
次に、分割単位毎の閾値thH(x,y)、thL(x,y)を算出する(数16)式および(数17)式における第3項C(x,y)について説明する。分割単位毎の閾値thH(x,y)、thL(x,y)を算出する(数16)式および(数17)式における第3項C(x,y)は、分割単位毎の検出画像f2と分割単位毎の比較画像g2との間において、階調値の微小な差異を許容するための項である。(数16)式で示すようにC(x,y)の加算は、分割単位毎の比較画像g2の階調値が分割単位毎の検出画像f2の階調値よりもC(x,y)だけ大きいのを許容することを意味し、(数17)式で示すようにC(x,y)の減算は、分割単位毎の比較画像g2の階調値が分割単位毎の検出画像f2の階調値よりもC(x,y)だけ小さいのを許容することを意味する。ここでは、C(x,y)を、(数20)式で示すように、局所領域での階調値の代表値(ここではmax値)に比例定数γを掛けた値と、定数εとの和としたが、この関数にこだわる必要はなく、階調値の変動の仕方が既知であれば、それに合った関数するのがよい。例えば、階調値の平方根に変動幅が比例すると分かっていれば、(数20)式の代わりに、次に示す(数27)式とすべきである。
【0075】
C(x,y)=((max1+max2)の平方根)*γ+ε (数27)
また、階調値の代表値に対するC(x,y)のルックアップテーブル(LUT)をあらかじめ作成しておき、LUTに、階調値の代表値が入力されれば、C(x,y)が出力されるようにしておいてもよい。階調値の変動の仕方が関数で表しづらい場合にはLUTは好都合である。そして、分割単位毎の閾値演算回路462において、B(x,y)と同様、入力されるパラメータγ、εによって、分割単位毎に許容する階調値の差異を自由にコントロールすることが可能となる。
【0076】
図12に示すように、分割単位毎の閾値演算回路462は、遅延回路45から入力される分割単位毎の検出画像f2(x,y)と分割単位毎の比較画像g2(x,y)とに基いて、{dx1(x,y)+dx2(x,y)}なる演算を施す演算回路91と、{dy1(x,y)+dy2(x,y)}なる演算を施す演算回路92と、(max1+max2)なる演算を施す演算回路93とを有する。
演算回路94は、演算回路91から得られる分割単位毎の{dx1(x,y)+dx2(x,y)}と、分割単位毎の画素以下のずれ検出部442から得られるδx0と、入力されるパラメータαとに基いて、(数18)式の一部と(数19)式の一部である({dx1(x,y)+dx2(x,y)}*δx0±|{dx1(x,y)+dx2(x,y)}|*α)なる演算を施す。演算回路95は、演算回路92から得られる分割単位毎の{dy1(x,y)+dy2(x,y)}と分割単位毎の画素以下の位置ずれ検出部44から得られるδy0と、入力されるパラメータβとに基いて、(数18)式の一部と(数19)式の一部である({dy1(x,y)+dy2(x,y)}*δy0±|{dy1(x,y)+dy2(x,y)}|*β)なる演算を施す。演算回路96は、演算回路93から得られる分割単位毎の(max1+max2)と、入力されるパラメータγ、εとに基いて、例えば(数20)式に従って(((max1+max2)/2)*γ+ε)なる演算を施す。
【0077】
更に、分割単位毎の閾値演算回路462は、演算回路94から得られる({dx1(x,y)+dx2(x,y)}*δx0+|{dx1(x,y)+dx2(x,y)}|*α)と演算回路95から得られる({dy1(x,y)+dy2(x,y)}*δy0+|{dy1(x,y)+dy2(x,y)}|*β)と演算回路96から得られる(((max1+max2)/2)*γ+ε)とを+演算して上限の閾値thH(x,y)を出力する加算回路98と、演算回路96から得られる(((max1+max2)/2)*γ+ε)を−演算する減算回路97と、演算回路94から得られる({dx1(x,y)+dx2(x,y)}*δx0−|{dx1(x,y)+dx2(x,y)}|*α)と演算回路95から得られる({dy1(x,y)+dy2(x,y)}*δy0−|{dy1(x,y)+dy2(x,y)}|*β)と減算回路97から得られる−(((max1+max2)/2)*γ+ε)とを+演算して下限の閾値ちthL(x,y)を出力する加算回路99とを有している。
なお、分割単位毎の閾値演算回路462に入力されるパラメータα、β、γ、εは、検査対象の種類(ウエハの品種、工程など)ごとにパラメータα、β、γ、εの適切な値を記述した、検査パラメータファイルを準備しておき、検査開始時に、品種を入力すると、そのファイルが自動的にロードされるような仕掛けを設けておくと好都合である。
【0078】
分割単位毎の閾値処理部463は、分割単位毎の差画像抽出回路(差分抽出回路)461から得られる分割単位毎の差画像sub(x,y)、並びに分割単位毎の閾値演算回路462から得られる分割単位毎の下限の閾値thL(x,y)、および上限の閾値thH(x,y)を用いて、次に示す(数28)式の関係を満たせば、ある分割単位における位置(x,y)の画素は非欠陥候補、満たさなければ位置(x,y)の画素は欠陥候補と判定する。分割単位毎の閾値処理部463は、ある分割単位において非欠陥候補画素は0、欠陥候補画素は1の値を持つ2値画像def(x,y)を出力する。
thL(x,y)≦sub(x,y)≦thH(x,y) (数28)
図1における、各分割単位毎の欠陥編集部47a、47b、47c、47dでは、ノイズ除去処理(例えば、2値画像def(x,y)に対して縮小・膨張の処理を行う。例えば3×3画素の全てに亘って同時に欠陥候補画素ではないときには、その中心の画素として例えば0(非欠陥候補画素)にして縮小処理を行って消去し、それを膨張処理して元に戻すことを行う)によってノイズ的(例えば3×3画素の全てに亘って同時に欠陥候補画素ではない。)な出力を削除したあと、近隣の欠陥候補部を一つにまとめる欠陥候補部のマージ処理を行う。その後、各分割単位毎において、一まとまりごとに、重心座標、XY投影長(x方向およびy方向における最大長さを示す。なお、(X投影長の2乗+Y投影長の2乗)の平方根は最大長さとなる。)、面積などの特徴量88を算出して全体制御部104に対して出力する。
【0079】
以上説明したように、全体制御部104によって制御される画像処理部103aからは、電子ビームが照射されて電子検出器35で検出させる被検査対象物(試料)100上において分割された各分割単位の領域から被検査対象物100上の座標に応じて欠陥候補部の特徴量(例えば、重心座標、XY投影長、面積など)88が得られることになる。
全体制御部104では、検出画像上での欠陥候補部の位置座標を被検査対象物(試料)100上の座標系に変換し、疑似欠陥の削除を行い、最終的に、被検査対象物(試料)100上での位置と画像処理部103aにおける分割単位毎の欠陥編集部47a、47b、47c、47dから算出された特徴量とからなる欠陥データをまとめる。
【0080】
本実施の形態によれば、検出画像を、画像歪みが無視できる程度のサイズに分割して、分割単位ごとに位置ずれを補正してから欠陥判定を行うため、画像歪みに起因する虚報が防げる。また、分割単位毎に、個々のパターンエッジの微小な位置ずれや、階調値の微小な差異が許容されるため、正常部を欠陥と誤認識することがなくなる。また、分割単位毎に、パラメータα、β、γ、εを適切な値に設定することによって、位置ずれ、階調値の変動の許容量のコントロールを容易に行うことが可能となる。
なお、以上の説明では、A(x,y)とB(x,y)+C(x,y)を加算してthH(x,y)を求め((数16)式参照)、A(x,y)からB(x,y)+C(x,y)を減算してthL(x,y)を求めたが((数17)式参照)、その代わりに、次に示す(数29)式、および(数30)式を用いてもよい。
【0081】
thH(x,y)=A(x,y)+{B(x,y)2+C(x,y)2}の平方根 (数29)thL(x,y)=A(x,y)−{B(x,y)2+C(x,y)2}の平方根 (数30) (数29)式、および(数30)式にすることによってハードウエア規模は大きくなるが、個々のパターンエッジの微小な位置ずれと階調値の変動が独立事象ならば、(数29)式、および(数30)式の方が現実に則しており、より高い性能が得られるはずである。
また、ここでは、A(x,y)、B(x,y)、C(x,y)の算出方法として、(数18)式、(数19)式、(数20)式を用いたが、他にも無数の算出法がありうる。本発明は、そうした種々の算出法も含むものである。
【0082】
<第1の実施の形態のオプション機能>
また、本発明に係るパターン検査装置は以上述べたようなパターン検査機能以外に、次のような検査を支援するオプション機能を持つ。
(1)検出画像の入力
入力手段146等から入力した、所望の画像取り込み開始座標を始点とする画像データをメモリ147に蓄え、それを全体制御部104内に設けられた計算機、または全体制御部104にネットワークで接続された上位の計算機に入力したり、ディスプレイ等の表示手段148に表示する機能を持つ。なお、前処理回路40の機能の一部あるいは全ての機能をOFFにした状態での画像データを得ることも可能である。
【0083】
(2)計算機上の画像処理手段
全体制御部104内に設けられた計算機、または全体制御部104にネットワークで接続した上位の計算機は、次に示すような画像処理機能を有す。
a.画像のヒストグラムの生成・表示、画像の断面波形の算出・表示機能。
ユーザは、本機能により、例えば前処理回路40における種々の画像補正の適正性を判断したり、画像取り出し部102の電子光学系の条件を様々に変化させた時の画像を比較して、最適な条件(例えば、加速電圧値、ビーム電流値、収差補正の係数、オートフォーカスのオフセット値など)を設定したりすることができる。
b.画像の歪み状態の計測機能。
画像の歪みを計測して、画面上に座標ごとの歪み具合を表示し、必要に応じて、歪みの振幅・周波数なども教示する機能である。前述のように、本検査装置では、歪みが無視できるサイズにまで画像を分割することにより歪んだ画像の検査を実現している。歪み具合は、検査対象物の材質や、検査対象物のサイズによって異なることがあり、また、問題となる歪みは必要な検査性能によっても異なる。本機能は、どんな分割の仕方にすべきか(各分割単位が扱える最大の画素数にはハードウエアの構成上上限があるが、それ以下であれば自由に設定できるような構成とする)を判断するのに役立つ。
c.試し検査機能。
これは、画像処理部103で行うのと同様の比較検査を計算機上で実現する機能である。ユーザは、本機能により、分割の仕方を変えた場合や、種々の検査パラメータを変更した時、検査結果がどのように変化するかを試して、最適値を求めることができる。電子光学系の場合、画像を複数回検出した時、常に等しい画像が得られる保証はないため(チャージアップや汚染の影響)、本機能がないと、純粋に検査パラメータが検査結果に及ぼす影響が見られないのである。また、最終的な検査結果だけではなく、位置ずれ補正前の画像や、差画像といった、途中段階の画像を表示する機能も持つ。
【0084】
<第1の実施の形態の変形その1>
本発明に係るパターン検査方法および装置の第1の実施の形態の第1の変形を、図13に示す。図9に示す第1の実施の形態では、分割単位毎に画素以下の位置ずれによる階調値の変化を予測して、それを閾値に組み入れたが、本第1の変形では、分割単位毎に階調値の変化を予測するかわりに、分割単位毎に画素以下の位置ずれ検出の結果得られた位置ずれ量δx0、δy0により、分割単位毎の位置ずれ補正部464において、位置を合わせた画像を生成する。
分割単位毎の位置ずれ補正部464では、次に示す(数31)式により分割単位毎に画素単位に位置合わせされて得られる検出画像f2(x,y)をx方向にδx0、y方向にδy0ずらした画像f3(x,y)、および次に示す(数32)式により分割単位毎に画素単位に位置合わせされて得られる比較画像g2(x,y)をx方向に−δx0、y方向に−δy0ずらした画像g3(x,y)を生成する。
【0085】
f3(x,y)=f2(x+dx0,y+dy0)=(1−dx0)(1−dy0)f2(x,y)+dx0(1−dy0)f2(x+1,y)+(1−dx0)dy0f2(x,y+1)+dx0dy0f2(x+1,y+1) (数31)
g3(x,y)=g2(x−dx0,y−dy0)=(1−dx0)(1−dy0)g2(x,y)+dx0(1−dy0)g2(x−1,y)+(1−dx0)dy0g2(x,y−1)+dx0dy0g2(x−1,y−1) (数32)
上記(数31)式、(数32)式はいわゆる双線形補間である。やや精度は落ちるが、(数31)、(数32)式の代わりに、前記(数7)式、(数8)式の線形補間を用いることも可能である。あるいは、双線形補間、線形補間以外の補間方法を採用しても良い。
分割単位毎の差分抽出回路466は、分割単位毎の位置ずれ補正部464で補正された分割単位毎の検出画像f3と比較画像g3の差の絶対値画像diff(x,y)を求める。この差の絶対値画像diff(x,y)は、(数33)式のように表わされる。
diff(x,y)=|g3(x,y)−f3(x,y)| (数33)
分割単位毎の閾値演算回路465は、分割単位毎の位置ずれ補正部464で補正された画像f3、g3を用いて、分割単位毎に欠陥候補か否かを判定する閾値th(x,y)を算出する。th(x,y)は、diff(x,y)の上限を規定する閾値である。分割単位毎の閾値演算回路465における演算の内容を(数34)式に示す。
【0086】
th(x,y)=B(x,y)+C(x,y) (数34)
B(x,y)は(数19)式と同じでも構わないが(ただし、(数21)式、(数22)式、(数23)式、(数24)式のf2、g2を、f3、g3に変更する。)、ここでは、次に示す(数35)式により算出することにする。また、C(x,y)は (数20)式と同じでも構わないが(ただし、(数25)式、(数26)式のf2、g2を、f3、g3に変更する。)、ここでは、次に示す(数36)式により算出することにする。
B(x,y)=[{(maxf(x,y)−minf(x,y)}/2+{maxg(x,y)−ming(x,y)}/2]/2×a (数35)
C(x,y)=((f3(x,y)+g3(x,y))/2)×b+c (数36)
ここで、aは0〜0.5の実数、bは0以上の実数、cは0以上の整数である。
【0087】
ただし、maxf(x,y)は次に示す(数37)式で示されるf3(x,y)の近傍3×3画素の最大値、minf(x,y)は次に示す(数38)式で示されるf3(x,y)の近傍3×3画素の最小値、maxg(x,y)は次に示す(数39)式で示されるg3(x,y)の近傍3×3画素の最大値、ming(x,y)は、次に示す(数40)式で示されるg3(x,y)の近傍3×3画素の最小値である。
【0088】
maxf(x,y)=max{f3(x−1,y−1),f3(x,y−1),f3(x+1,y−1),f3(x−1,y),f3(x,y),f3(x+1,y),f3(x−1,y+1),f3(x,y+1),f3(x+1,y+1)} (数37)
minf(x,y)=min{f3(x−1,y−1),f3(x,y−1),f3(x+1,y−1),f3(x−1,y),f3(x,y),f3(x+1,y),f3(x−1,y+1),f3(x,y+1),f3(x+1,y+1)} (数38)
maxg(x,y)=max{g3(x−1,y−1),g3(x,y−1),g3(x+1,y−1),g3(x−1,y),g3(x,y),g3(x+1,y),g3(x−1,y+1),g3(x,y+1),g3(x+1,y+1)} (数39)
minf(x,y)=min{g3(x−1,y−1),g3(x,y−1),g3(x+1,y−1),g3(x−1,y),g3(x,y),g3(x+1,y),g3(x−1,y+1),g3(x,y+1),g3(x+1,y+1)} (数40)
まず、分割単位毎に閾値th(x,y)を算出する(数34)式における第1項B(x,y)について説明する。(数35)式のF=(maxf(x,y)−minf(x,y))/2は、分割単位毎の位置ずれ補正部464で補正された検出画像f3(x,y)の近傍3×3画素における階調値の変化率(1画素あたりの階調値の変化)を表し、G=(maxg(x,y)−ming(x,y))/2は、分割単位毎の位置ずれ補正部464で補正された比較画像g3(x,y)の近傍3×3画素における階調値の変化率(1画素あたりの階調値の変化)を表すので、aを掛ける以前の[F+G]/2は、f3(x,y)の階調値の変化率と、g3(x,y)の階調値の変化率の平均ということになる。よって、[F+G]/2にaを掛けたB(x,y)は、位置ずれaに起因する、差の絶対値画像diff(x,y)の変化予測値と解釈できる。すなわち、(数35)式で表されるB(x,y)は、(数19)式で表されるB(x,y)と同様、パターンエッジの微小な位置ずれとしてaを許容することを意味している。そして、(数19)における、α、βがそうであったように、aにより許容量を自由にコントロールすることが可能である。
【0089】
次に、分割単位毎に閾値th(x,y)を算出する(数34)式における第2項C(x,y)について説明する。(数36)式における、(f3(x,y)+g3(x,y))/2は、言うまでもなく、分割単位毎の位置ずれ補正部464から得られる検出画像f3と比較画像g3の座標(x,y)での階調値の平均である。よって、C(x,y)=(f3(x,y)+g3(x,y))/2)×b+cは、両画像の階調値の平均値に応じて値が変わるので、(数20)式で表されるC(x,y)と同様、差の絶対値画像diff(x,y)の許容値を階調値に応じて変化させるための項ということができる。なお、ここでは、C(x,y)を、階調値の代表値(ここでは平均値)に比例定数bを掛けた値と、定数cとの和としたが、階調値の変動の仕方が既知であれば、それに合った関数すべきであるのは、(数17)式の説明で述べたのと同様である。また、(数17)における、γ、εがそうであったように、b、cにより許容量を自由にコントロールすることが可能である。
【0090】
分割単位毎の閾値演算回路465の構成を図14に示す。図14に示すように、分割単位毎の閾値演算回路465は、[maxf(x,y)−minf(x,y)+maxg(x,y)−ming(x,y)]なる演算を施す演算回路4651と、[f3(x,y)+g3(x,y)]なる演算を施す演算回路4652とを有する。演算回路4653は、演算回路4651から入力される[maxf(x,y)−minf(x,y)+maxg(x,y) −ming(x,y)]と、入力されるパラメータa'=a/4に基づいて、[{maxf(x,y)−minf(x,y)+maxg(x,y)−ming(x,y)}×a']なる演算を施す。すなわち、(数35)式のB(x,y)を求める。演算回路4654は、演算回路4652から入力される[f3(x,y)+g3(x,y)]と、入力されるパラメータb'=b/2、cとに基づいて、[(f3(x,y)+g3(x,y))×b'+c]なる演算を施す。すなわち、(数36)式のC(x,y)を求める。
【0091】
更に、分割単位毎の閾値演算回路465は、演算回路4653から得られる[{maxf(x,y)−minf(x,y)+maxg(x,y)−ming(x,y)}×a']と、演算回路4654から得られる[(f3(x,y)+g3(x,y))×b'+c]とを+演算して上限の閾値th(x,y)を出力する加算回路4655を有している。
【0092】
分割単位毎の閾値処理部467は、分割単位毎の差画像抽出回路466から分割単位毎に得られる差の絶対値画像diff(x,y)、並びに分割単位毎の閾値演算回路465から分割単位毎に得られる閾値th(x,y)を次に示す(数41)式の関係を満たせば、ある分割単位における位置(x,y)の画素は非欠陥候補、満たさなければ位置(x,y)の画素は欠陥候補と判定する。分割単位毎の閾値処理部467は、分割単位毎に非欠陥候補画素は0、欠陥候補画素は1の値を持つ2値画像def(x,y)を出力する。
【0093】
diff(x,y)≦th(x,y) (数41)
以上示した、第1の実施の形態の第1の変形は、検出画像を、画像歪みが無視できる程度のサイズに分割して、分割単位ごとに位置ずれを補正してから欠陥判定を行う点は、第1の実施の形態と変わらない。従って、画像歪みに起因する虚報が防げることは同様である。
また、分割単位毎に、個々のパターンエッジの微小な位置ずれや、階調値の微小な差異が許容されるため、正常部を欠陥と誤認識することがなくなること、また、分割単位毎に、パラメータa、b、cを適切な値に設定することによって、位置ずれ、階調値の変動の許容量のコントロールを容易に行うことが可能となることも同様である。
【0094】
<第1の実施の形態の変形その2>
本発明に係るパターン検査方法および装置の第1の実施の形態の第2の変形を、図15に示す。図9に示す第1の実施の形態との相違点は、分割単位毎に、分割単位毎の画素単位の位置合わせ部441において画素単位の位置合わせ後、検出画像f2と比較画像g2の階調値を補正する階調補正部445を備えたことである。
階調補正部445では、分割単位毎の検出画像f2の階調値の平均値avgFと、その標準偏差sigmaF、および分割単位毎の比較画像の階調値の平均値avgGと、その標準偏差sigmaGを求め、次に示す(数42)式に従って、分割単位毎の比較画像f2の階調値を変換する。
g4(x,y)=(sigmaF/sigmaG)×(g2(x,y)−avgG)+avgF (数42)
上記(数42)式により、g2は平均値がavgF、標準偏差がsigmaFの画像g3に変換される。一方、検出画像f2は、何も手を加えられずそのまま出力される。すなわち、f4(x,y)=f2(x,y)である。従って、階調補正部445に入力された段階では、互いに異なった平均値と標準偏差を持っていたf2とg2とは、階調補正部445を経て平均値と標準偏差が互いに等しい画像f4、g4になる。そして、もともと、分割単位毎において、f4とg4とは画素の精度で位置が合っているので、これらの平均値と標準偏差を等しくすれば、全体としての両者の階調値を等しくしたこととほぼ等価である。
【0095】
次に、第1の実施の形態の第2の変形の利点を説明する。
【0096】
本発明は、基本的に、分割単位毎の検出画像と比較画像とを比較して、階調値の差が大きい箇所を欠陥と判定する方式である。このため、欠陥箇所以外では、分割単位毎の検出画像と比較画像との階調値が等しいことが前提となる。しかし、実際には分割単位毎の検出画像と比較画像は、画像を検出した時期、画像検出箇所が異なるため、画像全体の階調値が異なることもあり得る。例えば、画像を検出した時期が異なると、電子光学系や検査対象物自体の帯電状態が変化し、電子検出器35(図1参照)で捕える電子数が変わるので、図16(a)に示すように画像の階調値が全体的に高くなったり、低くなったりすることがあり得る。また、検査対象物100上の画像検出箇所が異なれば、膜厚の違い等のために、図16(b)に示すようにパターンのコントラストが異なることもあり得る。図16(a)はオフセットの差異、図16(b)はゲインの差異といえるが、どちらでも、あるいはそれらの複合でも、上記(数42)式により補正することが可能である。
【0097】
この階調値の全体的な差異は、一般に画像の検出時期が違うほど、また、画像検出箇所が離れているほど大きくなるので、前述の「セル比較方式」ではさほど問題とならなくとも、「チップ比較方式」では虚報が頻発したり、虚報を減らすために検査条件を緩くすれば、欠陥の見逃しが発生することになる。
以上のように、この第2の変形によれば、分割単位毎に設けられた階調補正部445によって分割単位毎の検出画像、比較画像間の階調値が等しくなるため、より厳密な比較検査が可能となる。そして、この効果は、比較間隔が広い「チップ比較方式」において顕著である。
なお、(数42)式では、分割単位毎に、比較画像g2の階調値分布が、検出画像f2の階調値分布に等しくなるようにしているが、平均値、標準偏差の基準値を定めておき、分割単位毎の検出画像、比較画像の両方をその基準的な階調値分布に合わせるように補正してもよい。
【0098】
また、以上説明した第2の変形を、前述の第1の変形と組み合わせて、図17に示すように構成することも可能である。
また、ここでは、階調の補正方法として(数42)式を採用したが、要は比較画像と検出画像の階調値を等しくする過程またはその手段を含むことが重要であり、(数42)式に限る必要はなく、本発明は、そうした種々の階調値補正を適用した場合も含むものである。
【0099】
<第1の実施の形態の変形その3>
本発明に係るパターン検査方法および装置の第1の実施の形態の第3の変形を、図18に示す。図9に示す第1の実施の形態との相違点は、図9のように、分割単位毎に、分割単位毎の画素単位の位置合わせ部441において画素単位の位置合わせの終了後、改めて分割単位毎の画素以下の井位置ずれ検出部442において画素以下の位置ずれ検出を行うのでなく、分割単位毎に、検出画像f1(x,y)と比較画像g1(x,y)の整合度が最大となるようなg1(x,y)のずらし量を求める過程またはその手段で作成する整合度の配列を用い、配列要素の補間により、f1(x,y)、g1(x,y)の位置ずれ量を画素以下の精度で算出する構成としたことである。
分割単位毎の整合度配列作成部446では、分割単位毎に得られる比較画像g1(x,y)をxおよびy方向に−n〜n画素ずらした画像それぞれと分割単位毎に得られる検出画像f1(x,y)との整合度を求め、図19に示すような2次元配列s(p,q)を作成する。整合度としては、上記(数1)式のΣΣ|f1−g1|、ΣΣ(f1−g1)2、または相関係数などを用いる。図19はn=4の場合の整合度配列であり、例えばs(−2,3)は、g1をx方向に−2画素、y方向に3画素ずらした時の整合度である。整合度配列作成部446で作成した整合度の2次元配列s(p,q)は、CPU444へと出力される。
【0100】
CPU444では、分割単位毎の整合度配列作成部446から入力される次元配列s(p,q)から、始めに整合度が最大値をとるpの値p0と、qの値q0(ただし、ΣΣ|f1−g1|、ΣΣ(f1−g1)2を採用した場合、これらの値が最小値をとるpの値p0と、qの値q0)を求める。そして、s(p0−1,q0)、s(p0,q0)、s(p0+1,q0)に対して放物線をあてはめ、放物線が極値をとるpの値p0+pδを求める。
ここで、pδは−1<pδ<1の非整数である。同様に、s(p0,q0−1)、s(p0,q0)、s(p0,q0+1)に対して放物線をあてはめ、放物線が極値をとるqの値q0+qδを求める。ここで、qδは−1<qδ<1の非整数である。p0+pδが画素以下の精度で求められた分割単位毎の検出画像f1と比較画像g1とのx方向の位置ずれ量であり、q0+qδが画素以下の精度で求められた分割単位毎の検出画像f1と比較画像g1とのy方向の位置ずれ量である。
【0101】
シフトレジスタ等で構成された遅延回路45a,45bは、p0+pδおよびq0+qδを求めるのに要する時間分だけ画像信号f1とg1を遅延させるためのものである。
分割単位毎の画素単位の位置ずれ補正部447は、CPU444より、p0、q0の値を得て、分割単位毎に得られる検出画像f1(x,y)はもとのまま、分割単位毎に得られる比較画像g1(x,y)は(p0,q0)だけずらして出力する。すなわち、f5(x,y)=f1(x,y)、g5(x,y)=g1(x+p0,y+q0)である。
分割単位毎の欠陥判定部46は、図9に示す第1の実施の形態と同様である。すなわち、分割単位毎の欠陥判定部46では、分割単位毎の差分抽出回路461において検出画像f5と比較画像g5との差画像subを作成する一方、分割単位毎の閾値演算回路462において分割単位毎に各画素に対する閾値thH、thLを算出し、分割単位毎の閾値処理部463において分割単位毎に差画像の階調値subと閾値thH、thLを比較して欠陥か否かを判定する。ただし、画素以下の位置ずれ量としてδx0の代わりにCPU444から得られるpδを、δy0の代わりにCPU444から得られるqδを用いる。
【0102】
また、以上説明した第3の変形における分割単位毎の位置ずれ検出部44を、図13に示す前述の第1の変形における分割単位毎の欠陥判定部46と組み合わせて、図20に示すように構成することも可能である。
なお、分割単位毎に、画素以下の位置ずれ量を求めるのに、ここではs(p0−1,q0)、s(p0,q0)、s(p0+1,q0)、s(p0,q0−1)、s(p0,q0+1)の5個のデータだけを用いる方法を示したが、より多くのデータを利用すれば、より真値に近いpδ、qδが求まるはずである。さらに、整合度の2次元配列の全体的な傾向(例えば整合度のピークが単一峰なのか山脈状なのか、あるいは、ほとんど整合度に差のない平野状なのかなど)を利用して、pδ、qδの算出にある種の制限を加えることも考えられる。このように、本第3の変形は、整合度の配列を作成するのはハードウエアであるが、それを用いて位置ずれ量を算出する部分をCPU444におけるソフトウエア処理が担っているため、算出法の変更を容易に行え、また、より知識的な処理を行える可能性を持つ。
【0103】
なお、分割単位毎に、整合度の2次元配列を作成するのに、分割単位毎の比較画像g1(x,y)をxおよびy方向に−n〜n画素ずらした画像を作成し、それぞれについて整合度を求める方法を述べたが、次のように、f1(x,y)、g1(x,y)にフーリエ変換画像を用いて相互相関の2次元配列を求めてもよい。
【0104】
2次元離散的フーリエ変換をF、逆変換をF~1と書くことにすれば、f1(x,y)のフーリエ変換画像をF1(s,t)、g1(x,y)のフーリエ変換画像をG1(s,t)は、次に示す(数43)式、および(数44)式のように書き表される。
【0105】
F1(s,t)=F[f1(x,y)] (数43)
G1(s,t)=F[g1(x,y)] (数44)
これらのクロスパワースペクトルcps(s,t)は、次に示す(数45)式により求められる。
【0106】
cps(s,t)=F1(s,t)・G1(s,t)* (数45)
ここで、G1(s,t)*は、G1(s,t)*の複素共役である。相互相関画像corr(x,y)は、次に示す(数46)式のように、cps(p,q)を逆フーリエ変換すれば求まる。
【0107】
corr(x,y)=F~1[cps(s,t)] (数46)
この相互相関画像corr(x,y)が、目的の相互相関の2次元配列である。相互相関の2次元配列が求められた以降の処理は、既述の通りである。相互相関画像corr(x,y)上、最も階調値が高い座標が(x0,y0)であるとすると、x方向の画素単位の位置ずれ量がx0、y方向の画素単位の位置ずれ量がy0、すなわち、p0=x0,q0=y0である。
フーリエ変換を用いることの利点は、場合によってはハードウエアの規模をかなり小さくできる点にある。例えば、g1(x,y)をxおよびy方向に±4画素(n=4)ずらして、それぞれにおける整合度を求める場合、時間遅れなく整合度の2次元配列を得るには、(4×2+1)2=81個(図19参照)の配列要素が同時に求まらなければならない。つまり、ハードウエア上に81個の位置をずらした画像を持つことが必要になるわけである。これに比べて、フーリエ変換を用いる場合、ハードウエアの規模はnにはよらない。フーリエ変換を用いると、処理は複雑にはなるが、特にnが大きい場合、すなわち大きな位置ずれが見込まれる場合には、ハードウエア規模の面でかなり有利である。
【0108】
また、位置ずれに敏感な相互相関画像(位置が合ったところでのみ鋭いピークを有するような相互相関画像の意)を得るために、フーリエ変換画像をフーリエ振幅画像とフーリエ位相画像の積に変換し、フーリエ位相画像の方だけを用いてクロスパワースペクトルcps(s,t)を求め、それを逆変換して、相互相関画像corr(x,y)を求めるようにしてもよい。
さらに、この第3の変形を、前述の第1の変形と組み合わせて、図20のようにすることも可能である。
【0109】
<第1の実施の形態の変形その4>
本発明に係るパターン検査方法および装置の第1の実施の形態の第4の変形を、図21に示す。図9に示す第1の実施の形態との相違点は、第1の実施の形態では、分割単位ピッチで位置ずれ量を求め、分割単位内では共通の位置ずれ量(δx0,δy0)としていたのに対し、この第4の変形では、分割単位ピッチで求めた画素単位以下の位置ずれ量(δx0a,δy0a)、(δx0b,δy0b)、(δx0c,δy0c)、(δx0d,δy0d)を内挿して、画素ピッチで位置ずれ量を求めるようにしたことである。
第4の変形の概念を図22により説明する。分割単位ピッチで求められた位置ずれ量(δx0a,δy0a)、(δx0b,δy0b)、(δx0c,δy0c)、(δx0d,δy0d)が図22における黒点である。第1の実施の形態では分割単位毎の位置ずれ量を、分割単位内共通の画素単位以下の位置ずれ量(δx0,δy0)としていたが(同図の太線)、第4の変形では黒点をなめらかな曲線(図で破線)で結んで、画素ごとの位置ずれ量を求める。分割単位を小さくしすぎると、領域内にパターンが存在しなくなり位置ずれ量が定まらないため、まずは一定のサイズを有する分割単位ごとに位置ずれ量を求めておいて、それらを内挿するわけである。
【0110】
図21において、分割単位毎の画素単位の位置合わせ部441、分割単位毎の画素以下の位置ずれ検出部442における統計量算出部443での処理は、第1の実施の形態と同じである。サブCPU444では、(数10)式、(数11)式により、当該分割単位の位置ずれ量(δx0a、δy0a)を算出するとともに、図示しない、他の分割単位の統計量算出部443から得た統計量により、他の分割単位における位置ずれ量(δx0b、δy0b)、(δx0c、δy0c)、(δx0d、δy0d)を求める(図1では1走査を4分割する場合の構成を示したので、ここでも4分割として説明する。分割数が多ければ、当然のことながら(δx0e、δy0e)、(δx0f、δy0f)・・・も求める)。その後、δx0a、δx0b、δx0c、δx0dをなめらかな曲線で結んで、画素ごとのx方向の位置ずれ量zureXa(x,y)、zureXb(x,y)、zureXc(x,y)、zureXd(x,y)を求め、x方向ずれ量テーブル448に書き込む。即ち、x方向ずれ量テーブル448には、δx0a、δx0b、δx0c、δx0dをなめらかな曲線で結んで得られる画素ごとのx方向の位置ずれ量zureX(x,y)( zureXa(x,y)は、分割単位1内において画素毎に逐次変化するx方向の位置ずれ量を示し、zureXb(x,y)は、分割単位2内において画素毎に逐次変化するx方向の位置ずれ量を示し、zureXc(x,y)は、分割単位3内において画素毎に逐次変化するx方向の位置ずれ量を示し、zureXd(x,y)は、分割単位4内において画素毎に逐次変化するx方向の位置ずれ量を示す。)が書き込まれる。また、δy0a、δy0b、δy0c、δy0dをなめらかな曲線で結んで、画素ごとのy方向の位置ずれ量zureYa(x,y)、zureYb(x,y)、zureYc(x,y)、zureYd(x,y)を求め、y方向ずれ量テーブル449に書き込む。即ち、y方向ずれ量テーブル449には、δy0a、δy0b、δy0c、δy0dをなめらかな曲線で結んで得られる画素ごとのx方向の位置ずれ量zureY(x,y)(zureYa(x,y)は、分割単位1内において画素毎に逐次変化するy方向の位置ずれ量を示し、zureYb(x,y)は、分割単位2内において画素毎に逐次変化するy方向の位置ずれ量を示し、zureYc(x,y)は、分割単位3内において画素毎に逐次変化するy方向の位置ずれ量を示し、zureYd(x,y)は、分割単位4内において画素毎に逐次変化するy方向の位置ずれ量を示す。)が書き込まれる。なめらかな曲線で結ぶ方法としては、Bスプライン、多項式近似などの手法を用いる。この第4の変形例の場合、ある分割単位に設けられた統計量算出部443、サブCPU444、x方向ずれ量テーブル448、およびy方向ずれ量テーブル449によって構成される画素単位以下の位置ずれ検出部442を共通に使用することが可能である。
【0111】
続いて、分割単位毎の欠陥判定部46について説明する。以下の説明は、全分割単位で共通であるため、分割単位の区別を表したa,b,c,dの添え字を省略する。
シフトレジスタ等で構成された遅延回路45a,45bは、zureXa(x,y)、zureXb(x,y)、zureXc(x,y)、zureXd(x,y)、zureYa(x,y)、zureYb(x,y)、zureYc(x,y)、zureYd(x,y)を算出するのに要する時間分だけ画像信号f2とg2を遅延させる。
分割単位毎の差分抽出回路461は、第1の実施の形態と同様、次に示す(数47)式で示される演算により分割単位毎にf2とg2との差画像sub(x,y)を求める。
【0112】
sub(x,y)=g1(x,y)−f1(x,y) (数47)
分割単位毎の閾値演算回路462は、遅延回路45a、45bを経た画像f2、g2および、ある分割単位における画素以下の位置ずれ検出部442から得られる画素毎に逐次変化する画素以下の位置ずれ量zureX(x,y)、zureY(x,y)を用いて、欠陥候補か否かを判定する画素単位毎の二つの閾値thH(x,y)、thL(x,y)を算出する。画素単位毎のthH(x,y)は、画素単位毎の差画像sub(x,y)の上限を規定する閾値であり、画素単位毎のthL(x,y)は、画素単位毎の差画像sub(x,y)の下限を規定する閾値である。これらの閾値は、第1の実施の形態と同様、次に示す(数48)、(数49)式のように、画素以下の位置ずれ量を実質的に閾値を補正するA(x,y)、パターンエッジの微小な位置ずれを許容するためのB(x,y)、階調値の微小な差異を許容するためのC(x,y)からなる。
【0113】
thH(x,y)=A(x,y)+B(x,y)+C(x,y) (数48)
thL(x,y)=A(x,y)−B(x,y)−C(x,y) (数49)
A(x,y)は、次に示す(数50)式の関係で示さる。これは、(数18)式のδx0がzureX(x,y)に、δy0がzureY(x,y)に変わったものである。
【0114】
A(x,y)={dx1(x,y)*zureX(x,y)−dx2(x,y)*(−zureX(x,y))}+{dy1(x,y)*zureY(x,y)−dy2(x,y)*(−zureY(x,y))}={dx1(x,y)+dx2(x,y)}*zureX(x,y)+{dy1(x,y)+dy2(x,y)}*zureY(x,y) (数50)
B(x,y)、C(x,y)は第1の実施の形態と同一であり、それぞれ、(数19)、(数20)式により求める。
分割単位毎の閾値処理部463における処理も第1の実施の形態と同様である。すなわち、分割単位毎の差画像抽出回路(差分抽出回路)461から得られる差画像sub(x,y)、並びに分割単位毎の閾値演算回路462から得られる下限の閾値thL(x,y)、および上限の閾値thH(x,y)を用いて、前記(数28)式の関係を満たせば、ある分割単位における位置(x,y)の画素は非欠陥候補、満たさなければある分割単位における位置(x,y)の画素は欠陥候補として、非欠陥候補画素は0、欠陥候補画素は1の値を持つ2値画像def(x,y)を出力する。
【0115】
この第4の変形と、第1の実施の形態とを比較すると、第1の実施の形態においては、分割単位内で位置ずれ量が変化している場合、分割単位の中央部と周辺部とで欠陥検出性能に差が生じるが、この第4の変形では、近似的にではあるが分割領域内の位置ずれ量を画素ごとに求め、この求められた画素ごとの位置ずれ量zureX(x,y)、zureY(x,y)に基いて上記(数50)式によりA(x,y)の値、即ちthH(x,y)、およびthL(x,y)の値が変わり、分割単位内での欠陥検出性能の差が緩和されるという利点がある。
なお、以上の説明では、同一タイミングの分割単位(例えば図8において、実線で示された分割単位)を1組として、それらで算出された位置ずれ量を用いて内挿を行ったが、遅延回路45の遅延量を倍あるいは3倍・・・として、次の1組の分割単位(例えば図8において、破線で示された分割単位)、さらにその次の1組の分割単位で算出された位置ずれ量を合わせて用いることも可能である。この場合は、2次元に並んだずれ量の配列から、それらをなめらかに結ぶ曲面を求めればよい。
さらに、この第4の変形を、前述の第1の変形と組み合わせて、図23に示すように構成することも可能である。また、この第4の変形を前述の第2の変形と組み合わせて、図24に示すように構成することも可能である。
【0116】
<第2の実施の形態>
本発明に係るパターン検査方法および装置の第2の実施の形態を図25を用いて説明する。本実施の形態も図1に示した第一の実施の形態と同様、検出部101,画像取り出し部102,画像処理部103b、システム全体を制御する全体制御部104からなる。検出部101、画像取り出し部102、全体制御部104は第一の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
始めに本第2の実施の形態の概念を説明し、続いて画像処理部103bについて説明することにする。
本第2の実施の形態も、ステージ131、132等の振動、検査対象物100のパターン分布によって生ずる磁界の変化などがもたらす動的な歪みに対処するために、図7に示すように、該動的な歪みが無視できる程度のサイズまで、画像を細かく分割し、分割単位ごとに欠陥判定を行うという点では、前述の第1の実施の形態と同様である。第1の実施の形態との違いは、動的な歪みが無視できる程度のサイズに最初から分割するのでなく、段階的に分割していくという点にある。説明の都合上、第1の実施の形態を非段階的分割法、本第2の実施の形態を、段階的分割法と呼ぶことにする。
【0117】
始めに、段階的分割法の概念を図26を用いて説明する。
段階的分割法では、段階的に分割し最終的に第1の実施の形態と同じサイズの分割単位とするが、区別のため、最終的な分割単位を小分割単位、その1段階前の分割単位を中分割単位、その1段階前の分割単位を大分割単位・・・と呼ぶことにする。図26は、横軸に位置座票を、縦軸に検出画像と比較画像間の位置ずれ量をとっている。位置ずれはx方向、y方向の両方向があるが、図26はその一方だけを示したものである。位置ずれ量の変化が、図26のようなプロフィールである場合、非段階的分割法では、同図(a)に示すように、位置ずれ量を求めるために±n画素の探索(±n画素の範囲で整合度を調べること)が必要である。それに対して、段階的分割法では、同図(b)に示すように、予め中分割単位で位置ずれ検出をするため、小分割単位での探索は、中分割単位で求めた位置ずれ量を中心に行えばよく、探索範囲を±nよりかなり小さくできる。これが段階的分割法の概念である。
【0118】
段階的分割法には、次の二つのメリットがある。
(1)ハードウエア規模を小さくできる可能性がある。
即ち、ハードウエアの規模は(分割単位の面積×探索範囲2×分割単位の個数)におおよそ比例する。段階的分割法において1段階目の探索範囲をn1、2段階目の探索範囲をn2、3段階目も探索範囲をn3とすると、非段階的分割法における探索範囲nは、おおよそ、段階的分割法における各段階における探索範囲の和に等しいはずである。すなわち、非段階的分割法における探索範囲nは、段階数をtとすると、(数51)式のような関係である。
n=n1+n2+n3+・・・・+nt (数51)
この時、段階的分割法のハードウエア規模と、非段階的分割法のハードウエア規模の比rは、(数52)式のようになり、この値は明らかに1以下である。
r=(n12+n22+n32+・・・・+nt2)/(n1+n2+n3+・・・・+nt)2 (数52)
すなわち、段階的分割法の方がハードウエア規模を小さくすることができる。
【0119】
(2)正しい位置ずれ量が求まる可能性が高い。
【0120】
即ち、非段階的分割法では、小分割単位の探索範囲が広いため、探索範囲がパターンピッチを越えると、正しく位置合わせされない場合がある。図27において、小分割単位が図27(a)に示すサイズであり、パターンピッチがd、探索範囲が±1.5dとする。この時、比較画像上で小分割単位の位置が合う箇所を探索すると、複数の箇所で同等の整合度が得られるため、間違ったところに位置合わせする可能性がある。例えば、図27(b)では、「小分割単位の位置が合う箇所1」が正しく、「小分割単位の位置が合う箇所2」は誤りであるが、位置ずれ検出の算出結果はどちらにもなる可能性がある。一方、段階的分割法では、小分割単位での探索は中分割単位において位置合わせされたところを中心に探索する。中分割単位は小分割単位に比べて画像のサイズが大きいため、ユニークなパターンが含まれる率がより高く、従って、探索範囲が広くとも、間違った位置合わせをする可能性は低い。従って、小分割単位は、正しく位置のあったとことを中心に狭い範囲を探索すればよいため、間違った位置合わせの可能性は少なくなるのである。中分割単位といえども、ユニークなパターンが含まれなかったり、探索範囲が非常に大きい場合には、やはり間違った位置合わせをする場合もあるが、非段階的分割法に比べれば、その確率が低くなるのは明らかである。
【0121】
次に画像処理部103bについて、図25〜図29を参照して説明する。
【0122】
図25は、1段階目は分割せずに位置ずれ検出を行い、2段階目では2分割し、さらに3段階目で2分割する、合計3段階で行う場合の構成である。すなわち、大分割単位の横幅(x方向の幅)は走査幅そのものであり、中分割単位の横幅は走査幅の1/2強、小分割単位の横幅は走査幅の1/4強である。各分割単位の連続画像データ上での位置関係を図28(a)(b)(c)に示す。図28(a)は大分割単位、図28(b)は中分割単位、図28(c)は小分割単位の場合を示す。なお、同図において各分割単位を適宜オーバーラップしているのは、第1の実施の形態の説明で述べたように、検査領域に隙間を生じさせないためである。
【0123】
図25に示す如く、画像取り出し部102から出力される連続画像データf0(x,y)と、g0(x,y)は、所定走査分(大分割単位の縦幅相当分)がそれぞれ2次元の画像メモリ48a,48bに格納される。該各2次元の画像メモリ48a、48bは、各2次元の画像メモリ42a、42bと同様に、2次元のメモリ部分と読み出し開始・終了アドレス格納用のレジスタとによって構成される。従って、各2次元の画像メモリ48a、48bにおいて、全体制御部104から読み出し開始・終了アドレス格納用のレジスタに対して大分割単位の座標(読み出し開始・終了アドレス)が設定(セット)され、2次元のメモリ部分から大分割単位毎の検出画像データf7(x,y)と比較画像データg7(x,y)とが切出されて読み出されることになる。位置ずれ検出部49は、図9および図13に示すように、統計量算出部443とサブCPU444とからなる位置ずれ検出部442を有し、画像メモリ48aおよび48bから切出されて読み出された大分割単位毎の検出画像f7(x,y)と比較画像g7(x,y)との間における大分割単位に亘っての位置ずれ量δx2、δy2を、例えば上記(数5)式および(数6)式に基いて画素の精度で求めて、位置ずれ検出部51a、51bの各々に入力する。上記(数5)式および(数6)式は、画素単位以上の位置ずれ量を算出する場合であり、δx2はmx0に対応し、δy2はmy0に対応する。画素単位以下の位置ずれ量を算出する場合は、例えば上記(数10)式および(数11)式に基く。x方向のずらし量mx,y方向のずらし量myの各々を±0,1,2,3,4・・・・・nと変化させて、いいかえれば、大分割単位において、比較画像g7(x,y)を画素ピッチでずらして、その時々のs1(mx,my)を算出する。そして、それが最小となるmxの値mx0と、myの値my0とを求める。なお、比較画像の最大ずらし量であるnは、大分割単位であるため、大きな値にする必要がある。
【0124】
これらδx2、δy2は、大分割単位に亘っての検出画像f7(x,y)と比較画像g7(x,y)と間の位置ずれ量であり、δx2は大分割単位に亘ってのx方向の位置ずれ量、δy2は大分割単位に亘ってのy方向の位置ずれ量である。その間、各画像メモリ50a、50bには、各画像メモリ48a、48bから切出して読み出された大分割単位の検出画像f7(x,y)と比較画像g7(x,y)とが書き込まれる。なお、位置ずれ検出部49における位置ずれ量算出の方法は、第1の実施の形態の位置ずれ検出部44における方法でも、第1の実施の形態の第3の変形の位置ずれ検出部44における方法でも良いが、大分割単位間の位置ずれ量を画素以下の精度で求める必要はないため、画素の精度で位置ずれ量を求める段階までを、ここの位置ずれ検出部に組み込むものとする。
【0125】
画像メモリ50a、50bも、画像メモリ、48bまたは画像メモリ42a、42bと同様に構成される。従って、各2次元の画像メモリ50a、50b において、全体制御部104から読み出し開始・終了アドレス格納用のレジスタに対して中分割単位の座標(読み出し開始・終了アドレス)が設定(セット)され、2次元のメモリ部分から中分割単位毎の検出画像データf6a(x,y)およびf6b(x,y)と、比較画像データg6a(x,y)およびg6b(x,y)とが切出されて読み出されることになる。位置ずれ検出部51aは、画像メモリ50a、50bから切出されて読み出された第1の中分割単位に相当する部分の検出画像f6a(x,y)と比較画像g6a(x,y)との間の位置ずれ量δx1a、δy1aを、画素単位の精度で例えば上記(数5)式および(数6)式に基いて求めて、位置ずれ検出部53a、53bの各々に入力する。δx1a、δy1aは第1の中分割単位に亘っての位置ずれ量である。それと同期して、位置ずれ検出部51bは、画像メモリ50a、50bから切出されて読み出された第2の中分割単位に相当する部分の検出画像f6b(x,y)と比較画像g6b(x,y)との間の位置ずれ量δx1b、δy1bを、画素単位の精度で例えば上記(数5)式および(数6)式に基いて求めて、位置ずれ検出部53c、53dの各々に入力する。δx1b、δy1bは第2の中分割単位に亘っての位置ずれ量である。第1および第2の中分割単位の各々においてδx1a、δx1bはmx0に対応し、δy1a、δy1bはmy0に対応する。x方向のずらし量mx,y方向のずらし量myの各々を±0,1,2,3,4・・・・・nと変化させて、いいかえれば、第1および第2の中分割単位において、比較画像g6a(x,y)、およびg6b(x,y)を、画素ピッチでずらして、その時々のs1(mx,my)を算出する。そして、それが最小となるmxの値mx0と、myの値my0とを求める。即ち、各位置ずれ検出部51a、51bにおいて行なう比較画像の最大ずらし量であるnは、大分割単位において位置ずれ検出部49から求められたδx2、δy2の値に応じて非常に狭めることが可能となり、ハードウエア規模または処理時間を小さくすることができる。なお、大分割単位において画素単位の精度で位置ずれ量が求まる場合には、各位置ずれ検出部51a、51bにおいて、上記(数10)式および(数11)式に基いて画素単位以下の精度で位置ずれ量δx1a、δy1aとδx1b、δy1bとを求めても良い。そして、各位置ずれ検出部51a、51bにて位置ずれ検出が行われている間、画像メモリ52aと52b、52cと52dには、それぞれ、画像メモリ50a、50bの各々から読み出された中分割単位の検出画像f6a、およびf6bと比較画像g6a、およびg6bが書き込まれることになる。なお、上記各位置ずれ検出部51a、51bは、図9および図13に示すように、統計量算出部443とサブCPU444とからなる位置ずれ検出部442を有する構成である。即ち、各位置ずれ検出部51a、51bにおける位置ずれ量算出の方法は、第1の実施の形態の位置ずれ検出部44における方法でも、第1の実施の形態の第3の変形の位置ずれ検出部44における方法でも良いが、中分割単位間の位置ずれ量についても、位置ずれ量を画素以下の精度で求める必要はないため、画素の精度で位置ずれ量を求める段階までをここの位置ずれ検出部に組み込むものとする。
【0126】
そして、画像メモリ52a、および52cの各々からは、図1に示す画像メモリ42aと同様に小分割単位毎に検出画像f1a(x,y)、f1b(x,y)、f1c(x,y)、f1d(x,y)が切出されて読み出されることになる。同時に、画像メモリ52b、および52dの各々からは、図1に示す画像メモリ42bと同様に小分割単位毎に比較画像g1a(x,y)、g1b(x,y)、g1c(x,y)、g1d(x,y)が切出されて読み出されることになる。
位置ずれ検出部53a〜53d、欠陥判定部46a〜46d、欠陥編集部47a〜47dにおける処理内容は、基本的に第1の実施の形態における処理と同様である。すなわち、位置ずれ検出部53a〜53d、欠陥判定部46a〜46dでは、第1の実施の形態の方法(図9参照)、あるいは、第1の実施の形態の第1の変形における方法(図13参照)、第1の実施の形態の第3の変形における方法(図18参照)、あるいは、第1の実施の形態の第4の変形における方法(図21参照)のいずれかを実施する。
【0127】
位置ずれ検出部53a〜53dは、図1に示す位置ずれ検出部44a〜44dと同様な構成であり、欠陥判定部46a〜46dは、図1に示すものと同様な構成であり、欠陥編集部47a〜47dは、図1に示すものと同様な構成である。しかし、位置ずれ検出部53a、53bには、位置ずれ検出部51aで求められた第1の中分割単位に亘っての画素の精度の位置ずれ量δx1a、δy1aが入力され、位置ずれ検出部53c、53dには、位置ずれ検出部51bで求められた第2の中分割単位に亘っての画素の精度の位置ずれ量δx1b、δy1bが入力されることになる。従って、位置ずれ検出部53aにおける画素単位の位置合わせ部441は、小分割単位で入力された検出画像f1a(x,y)と比較画像g1a(x,y)とを、上記入力された第1の中分割単位に亘っての画素の精度の位置ずれ量δx1a、δy1aに基いて位置合わせをすれば良い。また、位置ずれ検出部53bにおける画素単位の位置合わせ部441は、小分割単位で入力された検出画像f1b(x,y)と比較画像g1b(x,y)とを、上記入力された第1の中分割単位に亘っての画素の精度の位置ずれ量δx1a、δy1aに基いて位置合わせをすれば良い。また、位置ずれ検出部53cにおける画素単位の位置合わせ部441は、小分割単位で入力された検出画像f1c(x,y)と比較画像g1c(x,y)とを、上記入力された第2の中分割単位に亘っての画素の精度の位置ずれ量δx1b、δy1bに基いて位置合わせをすれば良い。また、位置ずれ検出部53dにおける画素単位の位置合わせ部441は、小分割単位で入力された検出画像f1d(x,y)と比較画像g1d(x,y)とを、上記入力された第2の中分割単位に亘っての画素の精度の位置ずれ量δx1b、δy1bに基いて位置合わせをすれば良い。もし、入力された第1および第2の中分割単位に亘っての画素の精度の位置ずれ量δx1a、δy1aおよびδx1b、δy1bに基いて位置合わせをしただけで満足できない場合には、位置ずれ検出部53a〜53dの各々における画素単位の位置合わせ部441において、該位置ずれ量δx1a、δy1aおよびδx1b、δy1bに基いて探索範囲を狭めて位置ずれ量を求めれば良い。
このように位置ずれ検出部53a〜53dの各々における画素単位の位置合わせ部441において、位置ずれ量を求めるための探索範囲は、第1の実施の形態に比べて少なくするか、またはなくすことが可能となる。
【0128】
<第2の実施の形態の変形その1>
本発明に係るパターン検査方法および装置の第2の実施の形態の第1の変形を、図29および図30に示す。図29には、第1の実施の形態の第2の変形で述べた階調補正部445を、画像メモリ48aと画像メモリ50aとの間、および画像メモリ48bと画像メモリ50bとの間に設けた。即ち、階調補正部445は、画像メモリ48a、48bの各々によって切出された大分割単位毎(1段階目)の検出画像f7(x,y)と比較画像g7(x,y)とについて階調補正するように構成した。
図30には、第1の実施の形態の第2の変形で述べた階調補正部445a、445bを、画像メモリ50aと画像メモリ52a、52cとの間、および画像メモリ50bと画像メモリ52b、52dとの間に設けた。即ち、階調補正部445a、445bは、画像メモリ50a、50bの各々によって切出された中分割単位毎(2段階目)の検出画像f6a(x,y)、f6b(x,y)と比較画像g6a(x,y)、g6b(x,y)とについて階調補正するように構成した。
【0129】
また、図15および図17に示すように、階調補正部445により、画像メモリ52a、52b、52c、52d(42a、42b)の各々によって切出された小分割単位毎(3段階目)の検出画像f1a(x,y)、f1b(x,y)、f1c(x,y)、f1d(x,y)と比較画像g1a(x,y)、g1b(x,y)、g1c(x,y)、g1d(x,y)とについて階調補正するようにしても良い。なお、この場合、階調補正部445を各画像メモリ52a〜52dと各位置ずれ検出部53a〜53dとの間に設けても良い。
以上説明したように、階調補正部445により位置ずれ検出を行なう何れの段階において、階調補正を行なっても良い。また、以上述べた全ての段階で階調補正を行ってもよい。
第2の実施の形態は、段階的に位置ずれ検出を行うので、ある段階で階調補正を行うと、次の段階からは、階調値がほぼ等しい画像間の位置ずれ量を求めることになる。階調値がほぼ等しい画像間での位置ずれ検出は、階調値が異なった画像間での位置ずれ検出と比較してより正確な位置ずれ量の算出が可能となる。その意味で、位置ずれ検出と階調補正とを交互に実施することができるのも、本実施の形態の利点の一つである。
【0130】
<第1の実施の形態と第2の実施の形態共通の変形>
以上説明した第一、第二の実施の形態では、同一の対象物から得た二つの画像を比較する方法を示したが、別の対象物で検出してあらかじめ格納しておいた画像、あるいは設計データから生成した画像と比較する場合でも画像処理部における内容は同様に実施できることは明らかである。
また、以上説明した第一、第二の実施の形態では、電子光学的検出手段を用いる装置の場合について説明したが、図31に示すような光学的検出手段等、いかなる検出手段を用いる方式でも同様に実施できることは言うまでもない。しかしながら、本発明においては、ステージの振動、検査対象物のパターン分布によって生じる磁界の変化などがもたらす動的な画像歪みを課題とし、この課題に対処できるようにしたことにある。従って、光学的検出手段等においても、動的な画像歪みが生じてこの動的な画像歪みに対処しなければならない場合に、図7に示すように、動的な歪みを無視できる程度のサイズまで、画像を細かく分割し、分割単位毎に欠陥判定を行なうことが必要となる。
【0131】
即ち、図31には、光学的検出手段(検出部)101’を用いるパターン検査装置の概略構成を示す。検出部101’は、半導体ウエハ等の被検査対象物100を載置してx,y方向に移動するステージ2と、光源3と、該光源3から出射した光を集光する照明光学系4と、該照明光学系4で集光された照明光を被検査対象物100に照明し、被検査対象物100から反射して得られる光学像を結像させる対物レンズ5と、該対物レンズ5を含めた検出光学系で結像された光学像を受光して明るさに応じた画像信号に変換する光電変換素子の一実施例である1次元イメージセンサ6とから構成される。そして、検出部101’の1次元イメージセンサ6で検出された画像信号は、画像入力部(画像切り出し部)102’に入力される。画像入力部102’は、A/D変換器39と、A/D変換器39から得られる階調値を有するデジタル画像信号から比較画像g0を作成するために該デジタル画像信号を記憶する画像メモリ部(遅延回路)41’とを有している。当然、画像入力部102’には、シェーディング補正、暗レベル補正、フィルタリング処理等の前処理回路40を備えても良い。画像処理部103a(103b)は、図1および図25に示す構成と同様にして、同じ画像処理に基づく欠陥候補と非欠陥候補との判定と、欠陥候補についての特徴量の算出を行うことができる。
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば、被検査対象物および検査装置側に起因した、パターン形状の微小な差異、階調値の差異、パターンの歪み、位置ずれといった不一致が引き起こす虚報を低減し、より微細な欠陥または欠陥候補の検出が可能となる効果を奏する。
また本発明によれば、電子顕微鏡による被検査対象物上に形成されたパターンの検査において、被検査対象物および検査装置側に起因した、パターン形状の微小な差異、階調値の差異、パターンの歪み、位置ずれといった不一致が引き起こす虚報を低減し、より微細な欠陥または欠陥候補の検出が可能となる効果を奏する。
また、本発明によれば、検出画像の歪みを低減することが可能となり、従来検査が難しかった、検査対象物の周辺部分まで検査が可能となり、検査領域が広がるという効果を奏する。
また本発明によれば、電子顕微鏡による被検査対象物上に形成されたパターンから安定した階調値を有する画像信号を得ることができ、その結果安定してより微細な欠陥または欠陥候補の検査を実現することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子顕微鏡を用いたパターン検査方法及び装置の第1の実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る被検査対象物の一例として示した半導体ウエハのレイアウト図である。
【図3】本発明に係る前処理回路の具体的構成を示す図である。
【図4】図3に示す前処理回路で補正する内容を説明するための図である。
【図5】電子顕微鏡を用いたパターン検査装置における検出画像の歪み分布の様子を示す図である。
【図6】偏向器へ与える電圧を変化させる様子を示す図である。
【図7】歪みが無視できるサイズに画像を分割した様子を説明するための図である。
【図8】連続画像データ上での分割単位の位置関係を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る位置ずれ検出部、および欠陥判定部の構成を示す図である。
【図10】図8に実線と破線とで示す分割単位における処理内容の時間経過を示す図である。
【図11】画素以下の位置ずれの意味を説明するための図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る閾値演算回路の具体的構成を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態の第1の変形における位置ずれ検出部、および欠陥判定部の構成を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態の第1の変形に係る閾値演算回路の具体的構成を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態の第2の変形における位置ずれ検出部、および欠陥判定部の構成を示す図である。
【図16】階調変化の状況を説明するための図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態の第1の変形と第2の変形を組み合わせた時の位置ずれ検出部、および欠陥判定部の構成を示す図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態の第3の変形における位置ずれ検出部、および欠陥判定部の構成を示す図である。
【図19】整合度配列を説明するための図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態の第1の変形と第3の変形を組み合わせた時の位置ずれ検出部、および欠陥判定部の構成を示す図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態の第4の変形における位置ずれ検出部、および欠陥判定部の構成を示す図である。
【図22】本発明の第1の実施の形態の第4の変形の概念を説明するための図である。
【図23】本発明の第1の実施の形態の第1の変形と第4の変形を組み合わせた時の位置ずれ検出部、および欠陥判定部の構成を示す図である。
【図24】本発明の第1の実施の形態の第2の変形と第4の変形を組み合わせた時の位置ずれ検出部、および欠陥判定部の構成を示す図である。
【図25】本発明に係る電子顕微鏡を用いたパターン検査方法及び装置の第2の実施の形態を示す概略構成図である。
【図26】本発明の第2の実施の形態の概念を説明するための図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態の効果を説明するための図である。
【図28】本発明の第2の実施の形態における、連続画像データ上での分割単位の位置関係を示す図である。
【図29】本発明の第2の実施の形態と第1の実施の形態の第2の変形とを組み合わせた時の構成の一例を示す図である。
【図30】本発明の第2の実施の形態と第1の実施の形態の第2の変形とを組み合わせた時の構成の別の一例を示す図である。
【図31】本発明に係る光学顕微鏡を用いたパターン検査方法及び装置の第1の実施の形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…ウエハ、3…光源、4…照明光学系、5…対物レンズ、6…1次元イメージセンサ、31…電子銃、32…コンデンサレンズ、33…対物レンズ、34…走査偏向器、35…電子検出器、36…アンプ、37…グランド電極、38…リターディング電極、39…A/D変換器、40…前処理回路、41…遅延回路、42a、42b、48a、48b、50a、50b、52a〜52d…画像メモリ、44a〜44d…分割単位毎の位置ずれ検出部、45a、45b…遅延回路、46a〜46d…分割単位毎の欠陥判定部、47a〜47d…分割単位毎の欠陥編集部、49…大分割単位の位置ずれ検出部、51a、51b…中分割単位の位置ずれ検出部、53a〜53d…小分割単位毎の位置ずれ検出部、101…検出部、102…画像取り出し部、103a、103b…画像処理部、104…全体制御部、108…光学顕微鏡部、105…検査室、111…電子線引き出し電極、113…ブランキング用偏向器、114…絞り、117…反射板、115…ExB偏向器、123…発光素子、124…光ファイバケーブル、125…受光素子、131…Xステージ、132…Yステージ、134…位置測長用モニタ、135…検査基板高さ測定器、143…補正制御回路、142…光源、141…光学レンズ、421a、421b…メモリ部分、422a、442b…読み出し開始・終了アドレス格納用のレジスタ、441…画素単位の位置合わせ部、442…画素以下の位置ずれ検出部、443…統計量算出部、444…サブCPU、445…階調補正部、447…画素単位の位置ずれ補正部、448…x方向ずれ量テーブル、449…y方向ずれ量テーブル、461…差分抽出回路、462…閾値演算回路、463…閾値処理部、464…画素以下の位置ずれ補正部、465…閾値演算回路、466…差画像抽出回路、467…閾値処理部

Claims (11)

  1. 物理量検出手段により、サンプリング箇所をずらしながら、検査対象物の物理量をサンプリングし、そのサンプリング値を階調値として2次元に配列してなる第1の連続画像データと、第1の連続画像データの比較対象となり得る内容を持った第2の連続画像データとに基いて、前記検査対象物上のパターンの欠陥または欠陥候補を検査するパターン検査方法であって、
    前記第1の連続画像データと第2の連続画像データとの各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された所定の領域分についての第1の画像と第2の画像との各々について画像上に生じうる動的な歪みを無視できる程度の小さい領域単位に分割して切出す画像分割切出過程と、
    該画像分割切出過程で分割単位毎に分割して切出された第1の分割画像と第2の分割画像との間における少なくとも画素単位での位置ずれ量を分割単位毎に算出する第1の位置ずれ量算出過程と、
    前記画像分割切出過程で分割単位毎に分割して切出された第1の分割画像と第2の分割画像とを前記第1の位置ずれ量算出過程で分割単位毎に算出された少なくとも画素単位での位置ずれ量がなくなるように少なくとも画素単位で位置合せを行う位置合せ過程と、
    該位置合せ過程で分割単位毎に位置合せが行われた第1の分割画像と第2の分割画像との間における1画素単位以下の位置ずれ量を分割単位毎に算出する第2の位置ずれ量算出過程と、
    該第2の位置ずれ量算出過程において分割単位毎に算出された1画素単位以下の位置ずれ量に応じた、前記位置合せ過程で分割単位毎に位置合せが行われた第1の分割画像と第2の分割画像との間における諧調値の変動成分を組み入れて分割単位毎の許容範囲を算出する許容範囲算出過程と、
    前記位置合せ過程で分割単位毎に位置合せが行われた第1の分割画像と第2の分割画像とを比較して分割単位毎に両画像の諧調値による差を算出し、分割単位毎に算出される両画像の諧調値による差が前記許容範囲算出過程で算出された分割単位毎の許容範囲に入っているか否かに応じて欠陥または欠陥候補を判定する判定過程とを有することを特徴とするパターン検査方法。
  2. 物理量検出手段により、サンプリング箇所をずらしながら、検査対象物の物理量をサンプリングし、そのサンプリング値を階調値として2次元に配列してなる第1の連続画像データと、第1の連続画像データの比較対象となり得る内容を持った第2の連続画像データとに基いて、前記検査対象物上のパターンの欠陥または欠陥候補を検査するパターン検査方法であって、
    前記第1の連続画像データと第2の連続画像データとの各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された所定の領域分についての第1の画像と第2の画像との各々について画像上に生じうる動的な歪みを無視できる程度の小さい領域単位に分割して切出す画像分割切出過程と、
    該画像分割切出過程で分割単位毎に分割して切出された第1の分割画像と第2の分割画像との間における少なくとも画素単位での位置ずれ量及び1画素単位以下の位置ずれ量を分割単位毎に算出する位置ずれ量算出過程と、
    前記画像分割切出過程で分割単位毎に分割して切出された第1の分割画像と第2の分割画像とを前記位置ずれ量算出過程で分割単位毎に算出された少なくとも画素単位での位置ずれ量がなくなるように少なくとも画素単位で位置合せを行う位置合せ過程と、
    前記位置ずれ量算出過程において分割単位毎に算出された1画素単位以下の位置ずれ量に応じた、前記位置合せ過程で分割単位毎に位置合せが行われた第1の分割画像と第2の分割画像との間における諧調値の変動成分を組み入れて分割単位毎の許容範囲を算出する許容範囲算出過程と、
    前記位置合せ過程で分割単位毎に位置合せが行われた第1の分割画像と第2の分割画像とを比較して分割単位毎に両画像の諧調値による差を算出し、分割単位毎に算出される両画像の諧調値による差が前記許容範囲算出過程で算出された分割単位毎の許容範囲に入っているか否かに応じて欠陥または欠陥候補を判定する判定過程とを有することを特徴とするパターン検査方法。
  3. 物理量検出手段により、サンプリング箇所をずらしながら、検査対象物の物理量をサンプリングし、そのサンプリング値を階調値として2次元に配列してなる第1の連続画像データと、第1の連続画像データの比較対象となり得る内容を持った第2の連続画像データとに基いて、前記検査対象物上のパターンの欠陥または欠陥候補を検査するパターン検査方法であって、
    前記第1の連続画像データと第2の連続画像データとの各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された所定の領域分についての第1の画像と第2の画像との各々について画像上に生じうる動的な歪みを無視できる程度の小さい領域単位に分割して切出す画像分割切出過程と、
    該画像分割切出過程で分割単位毎に分割して切出された第1の分割画像と第2の分割画像との間における少なくとも画素単位での位置ずれ量を分割単位毎に算出する第1の位置ずれ量算出過程と、
    前記画像分割切出過程で分割単位毎に分割して切出された第1の分割画像と第2の分割画像とを前記第1の位置ずれ量算出過程で算出された少なくとも画素単位での位置ずれ量がなくなるように少なくとも画素単位で位置合せを行う位置合せ過程と、
    該位置合せ過程で分割単位毎に位置合せが行われた第1の分割画像と第2の分割画像との間における諧調値の平均値及び階調値の標準偏差が等しくなるように補正する諧調値補正過程と、
    該位置合せ過程で分割単位毎に位置合せが行われ、前記諧調値補正過程で諧調値が補正された第1の分割画像と第2の分割画像との間における1画素単位以下の位置ずれ量を算出する第2の位置ずれ量算出過程と、
    該第2の位置ずれ量算出過程において分割単位毎に算出された1画素単位以下の位置ずれ量に応じた、前記位置合せ過程で分割単位毎に位置合せが行われ、前記諧調値補正過程で諧調値が補正された第1の分割画像と第2の分割画像との間における諧調値の変動成分を組み入れて分割単位毎の許容範囲を算出する許容範囲算出過程と、
    前記位置合せ過程で分割単位毎に位置合せが行われ、前記諧調値補正過程で諧調値が補正された第1の分割画像と第2の分割画像とを分割単位毎に比較して両画像の諧調値による差を算出し、該分割単位毎に算出される両画像の諧調値による差が前記許容範囲算出過程で算出された分割単位毎の許容範囲に入っているか否かに応じて欠陥または欠陥候補を判定する判定過程とを有することを特徴とするパターン検査方法。
  4. 前記許容範囲算出過程において算出する分割単位毎の許容範囲に、更に許容値として設定されるパターンエッジの1画素以下の微小な位置ずれ量に応じた諧調値の変動成分を組み入れたことを特徴とする請求項1又は2又は3記載のパターン検査方法
  5. 前記許容範囲算出過程において算出する分割単位毎の許容範囲に、更に許容値として設定されるパターンエッジの1画素以下の微小な位置ずれ量に応じた諧調値の変動成分と、許容値として設定される各位置座標における諧調値の変動成分とを組み入れたことを特徴とする請求項1又は2又は3記載のパターン検査方法
  6. 物理量検出手段により、サンプリング箇所をずらしながら、検査対象物の物理量をサンプリングし、そのサンプリング値を階調値として2次元に配列してなる第1の連続画像データと、第1の連続画像データの比較対象となり得る内容を持った第2の連続画像データとに基づいて、前記検査対象物上のパターンの欠陥または欠陥候補を検査するパターン検査装置であって、
    前記第1の連続画像データと第2の連続画像データとの各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された所定の領域分についての第1の画像と第2の画像との各々について画像上に生じうる動的な歪みを無視できる程度の小さい領域単位に分割して切出す画像分割切出部と、
    該画像分割切出部で分割単位毎に分割して切出された第1の分割画像と第2の分割画像との間における少なくとも画素単位での位置ずれ量を分割単位毎に算出する第1の位置ずれ量算出部と、
    前記画像分割切出手段で分割単位毎に分割して切出された第1の分割画像と第2の分割画像とを前記第1の位置ずれ量算出部で分割単位毎に算出された少なくとも画素単位での位置ずれ量がなくなるように少なくとも画素単位で位置合せを行う位置合せ部と、
    該位置合せ部で分割単位毎に位置合せが行われた第1の分割画像と第2の分割画像との間における1画素単位以下の位置ずれ量を分割単位毎に算出する第2の位置ずれ量算出部と、
    該第2の位置ずれ量算出部において分割単位毎に算出された1画素単位以下の位置ずれ量に応じた、前記位置合せ部で分割単位毎に位置合せが行われた第1の分割画像と第2の分割画像との間における諧調値の変動成分を組み入れて分割単位毎の許容範囲を算出する許容範囲算出部と、
    前記位置合せ部で分割単位毎に位置合せが行われた第1の分割画像と第2の分割画像とを比較して分割単位毎に両画像の諧調値による差を算出し、該分割単位毎に算出される両画像の諧調値による差が前記許容範囲算出部で算出された分割単位毎の許容範囲に入っているか否かに応じて欠陥または欠陥候補を判定する判定処理部と
    を有する画像処理部を備えたことを特徴とするパターン検査装置
  7. 物理量検出手段により、サンプリング箇所をずらしながら、検査対象物の物理量をサンプリングし、そのサンプリング値を階調値として2次元に配列してなる第1の連続画像データと、第1の連続画像データの比較対象となり得る内容を持った第2の連続画像データとに基づいて、前記検査対象物上のパターンの欠陥または欠陥候補を検査するパターン検査装置であって、
    前記第1の連続画像データと第2の連続画像データとの各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された所定の領域分についての第1の画像と第2の画像との各々について画像上に生じうる動的な歪みを無視できる程度の小さい領域単位に分割して切出す画像分割切出部と、
    該画像分割切出部で分割単位毎に分割して切出された第1の分割画像と第2の分割画像との間における少なくとも画素単位での位置ずれ量及び1画素単位以下の位置ずれ量を分割単位毎に算出する位置ずれ量算出部と、
    前記画像分割切出部で分割単位毎に分割して切出された第1の分割画像と第2の分割画像とを前記位置ずれ量算出部で分割単位毎に算出された少なくとも画素単位での位置ずれ量がなくなるように少なくとも画素単位で位置合せを行う位置合せ部と、
    前記位置ずれ量算出部において分割単位毎に算出された1画素単位以下の位置ずれ量に応じた、前記位置合せ部で分割単位毎に位置合せが行われた第1の分割画像と第2の分割画像との間における諧調値の変動成分を組み入れて分割単位毎の許容範囲を算出する許容範囲算出部と、
    前記位置合せ部で分割単位毎に位置合せが行われた第1の分割画像と第2の分割画像とを比較して分割単位毎に両画像の諧調値による差を算出し、該分割単位毎に算出される両画像の諧調値による差が前記許容範囲算出部で算出された分割単位毎の許容範囲に入っているか否かに応じて欠陥または欠陥候補を判定する判定処理部と
    を有する画像処理部を備えたことを特徴とするパターン検査装置
  8. 物理量検出手段により、サンプリング箇所をずらしながら、検査対象物の物理量をサンプリングし、そのサンプリング値を階調値として2次元に配列してなる第1の連続画像デ ータと、第1の連続画像データの比較対象となり得る内容を持った第2の連続画像データとに基づいて、前記検査対象物上のパターンの欠陥または欠陥候補を検査するパターン検査装置であって、
    前記第1の連続画像データと第2の連続画像データとの各々について所定の領域分を順次記憶し、この順次記憶された所定の領域分についての第1の画像と第2の画像との各々について画像上に生じうる動的な歪みを無視できる程度の小さい領域単位に分割して切出す画像分割切出部と、
    該画像分割切出部で分割単位毎に分割して切出された第1の分割画像と第2の分割画像との間における少なくとも画素単位での位置ずれ量を分割単位毎に算出する第1の位置ずれ量算出部と、
    前記画像分割切出部で分割単位毎に分割して切出された第1の分割画像と第2の分割画像とを前記第1の位置ずれ量算出部で算出された少なくとも画素単位での位置ずれ量がなくなるように少なくとも画素単位で位置合せを行う位置合せ部と、
    該位置合せ部で分割単位毎に位置合せが行われた第1の分割画像と第2の分割画像との間における諧調値の平均値及び階調値の標準偏差が等しくなるように補正する諧調値補正部と、
    該位置合せ部で分割単位毎に位置合せが行われ、前記諧調値補正部で諧調値が補正された第1の分割画像と第2の分割画像との間における1画素単位以下の位置ずれ量を算出する第2の位置ずれ量算出部と、
    該第2の位置ずれ量算出部において分割単位毎に算出された1画素単位以下の位置ずれ量に応じた、前記位置合せ部で分割単位毎に位置合せが行われ、前記諧調値補正部で諧調値が補正された第1の分割画像と第2の分割画像との間における諧調値の変動成分を組み入れて分割単位毎の許容範囲を算出する許容範囲算出部と、
    前記位置合せ部で分割単位毎に位置合せが行われ、前記諧調値補正部で諧調値が補正された第1の分割画像と第2の分割画像とを分割単位毎に比較して両画像の諧調値による差を算出し、該分割単位毎に算出される両画像の諧調値による差が前記許容範囲算出部で算出された分割単位毎の許容範囲に入っているか否かに応じて欠陥または欠陥候補を判定する判定処理部と
    を有する画像処理部を備えたことを特徴とするパターン検査装置
  9. 前記許容範囲算出部において算出する分割単位毎の許容範囲に、更に許容値として設定されるパターンエッジの1画素以下の微小な位置ずれ量に応じた諧調値の変動成分を組み入れたことを特徴とする請求項6又は7又は8記載のパターン検査装置
  10. 前記許容範囲算出部において算出する分割単位毎の許容範囲に、更に許容値として設定されるパターンエッジの1画素以下の微小な位置ずれ量に応じた諧調値の変動成分と、許容値として設定される各位置座標における諧調値の変動成分とを組み入れたことを特徴とする請求項6又は7又は8記載のパターン検査装置
  11. 前記物理量検出手段は、検査対象物を移動させるステージと、電子ビームを前記ステージの移動方向とほぼ直交する方向に走査する走査手段と、前記検査対象物に対して電子ビームを走査して照射したときに検査対象物から発生する荷電粒子を検知する荷電粒子検知手段とを有する走査電子顕微鏡によって構成されることを特徴とする請求項6乃至10の何れか一つに記載のパターン検査装置
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