JP3999469B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも書込み用の誘導型電磁変換素子を有する薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録再生装置における記録方式には、信号磁化の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)とする長手磁気記録方式と、信号磁化の向きを記録媒体の面に対して垂直な方向とする垂直磁気記録方式とがある。垂直磁気記録方式は、長手磁気記録方式に比べて、記録媒体の熱揺らぎの影響を受けにくく、高い線記録密度を実現することが可能であると言われている。
【0003】
長手磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドは、一般的に、記録媒体に対向する媒体対向面(エアベアリング面)と、互いに磁気的に連結され、媒体対向面側においてギャップ部を介して互いに対向する磁極部分を含む第1および第2の磁性層と、少なくとも一部が第1および第2の磁性層の間に、第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを備えた構造になっている。
【0004】
一方、垂直磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドには、長手磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドと同様の構造のリングヘッドと、一つの主磁極によって記録媒体の面に対して垂直方向の磁界を印加する単磁極ヘッドとがある。単磁極ヘッドを用いる場合には、記録媒体としては一般的に、基板上に軟磁性層と磁気記録層とを積層した2層媒体が用いられる。
【0005】
ところで、近年の高記録密度化に伴い、薄膜磁気ヘッドではトラック幅の縮小が望まれている。そのため、上記単磁極ヘッドにおいても主磁極の幅の縮小が望まれている。しかしながら、従来、主磁極の幅の縮小を妨げる以下の2つの問題点があった。
【0006】
第1の問題点は、主磁極の幅を例えば0.5μm以下とするような主磁極の高精度のパターニングが困難なことである。すなわち、主磁極は、例えば、フォトリソグラフィ技術によって形成されたレジストフレームを用いて、電気めっき法(フレームめっき法)によって形成される。ところが、従来、主磁極は、コイルを覆って盛り上がった絶縁層の上に形成されるため、レジストフレームも凹凸の高低差の大きな絶縁層の上に形成されることになる。この場合、レジストの膜厚を均一にすることは難しいため、レジストフレームを精度よくパターニングすることが難しい。そのため、主磁極の高精度のパターニングが困難になる。
【0007】
第2の問題点は、主磁極の幅を縮小すると、磁束が主磁極の先端に到達する前に飽和してしまい、媒体対向面において主磁極の先端より発生される磁界が小さくなることである。
【0008】
ところで、従来、長手磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドにおいても同様な問題点があった。この問題点を解決するために、長手磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドでは、一方の磁性層を、媒体対向面に露出する磁極部分と、磁極部分へ磁束を導くヨーク部分とに分けた構造が多く採用されている。
【0009】
そこで、垂直磁気記録方式用の単磁極ヘッドにおいても、主磁極を、媒体対向面に露出する磁極部分と、磁極部分へ磁束を導くヨーク部分とに分けた構造が提案されている。この構造によれば、磁極部分の飽和磁束密度をヨーク部分の飽和磁束密度よりも大きくすることで磁束を効率的に主磁極の先端まで導くことが可能になり、且つ幅の小さな磁極部分を形成することが可能になる。
【0010】
ところで、従来、長手磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドでは、一方の磁性層を磁極部分とヨーク部分とに分けた構造とする場合、磁極部分とヨーク部分との接合は、磁極部分のギャップ部とは反対側の面でのみ行われることが多かった。しかし、この構造では、磁極部分とヨーク部分との接合面積が小さいため、接合部分で磁束が飽和しやすく、特に近年の書き込み磁界の増大の要求に応えることができない。そこで、特開平11−102506号公報、特開2000−57522号公報、特開2000−67413号公報、特開2000−149218号公報等に示されるように、磁極部分のギャップ部とは反対側の面のみならず、磁極部分の側面や磁極部分の媒体対向面とは反対側の面でも、磁極部分とヨーク部分との接合を行わせる構造の薄膜磁気ヘッドが提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
垂直磁気記録方式用の単磁極ヘッドにおいて、主磁極を磁極部分とヨーク部分とに分けた構造とする場合に、上述の長手磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドと同様に、磁極部分のギャップ部とは反対側の面のみならず、磁極部分の側面や磁極部分の媒体対向面とは反対側の面でも、磁極部分とヨーク部分との接合を行わせる構造を採用することも考えられる。
【0012】
垂直磁気記録方式用のヘッドでは、記録媒体の面に対して垂直な方向の磁界を大きくすることが重要である。しかしながら、垂直磁気記録方式用のヘッドにおいて上記の構造を採用しても、磁極部分の媒体対向面とは反対側の面や磁極部分の側面における接合面積は、磁極部分のギャップ部とは反対側の面における接合面に比べて相対的に小さいため、記録媒体に対して垂直な方向の磁界を大きくすることができないという問題点がある。
【0013】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、磁極部分より発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくすることができ、且つ記録密度を向上させることができるようにした薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜磁気ヘッドは、
記録媒体に対向する媒体対向面と、
記録媒体の進行方向の前後に所定の間隔を開けて互いに対向するように配置された磁極部分を含むと共に、媒体対向面から離れた位置において互いに磁気的に連結された第1および第2の磁性層と、
非磁性材料よりなり、第1の磁性層と第2の磁性層との間に設けられたギャップ層と、
少なくとも一部が第1および第2の磁性層の間に、第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを備え、
第2の磁性層は、磁極部分を含み、媒体対向面における幅がトラック幅を規定する磁極部分層と、磁極部分と第1の磁性層とを磁気的に接続するヨーク部分層とを有し、
ヨーク部分層は、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において、磁極部分層に対して磁気的に接続され、磁極部分層のヨーク部分層との接続面の少なくとも一部は、磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な方向に対して傾いているものである。
【0015】
本発明の薄膜磁気ヘッドでは、磁極部分層のヨーク部分層との接続面の少なくとも一部が、磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な方向に対して傾いていることから、接続面が磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な場合に比べて接続面の面積が大きくなる。これにより、接続面を介してヨーク部分層から磁極部分層へ効率よく磁束を導くことが可能となり、その結果、磁極部分より発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくすることが可能となる。
【0016】
本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、接続面の少なくとも一部は、接続面の少なくとも一部と磁極部分層のギャップ層側の面とのなす角度が90°を超えるように傾いていてもよい。
【0017】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、接続面の少なくとも一部を含む断面において、ヨーク部分層の厚みは磁極部分層の厚みよりも大きくてもよい。
【0018】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面において、磁極部分層に対して磁気的に接続されていてもよい。この場合、薄膜磁気ヘッドは、更に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面に接する非磁性層を備え、ヨーク部分層は、非磁性層を介して磁極部分層のギャップ層とは反対側の面に隣接し、非磁性層を介して磁極部分層に磁気的に接続されていてもよい。
【0019】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドは、更に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面の全面に接する非磁性層を備えていてもよい。この場合、ヨーク部分層のギャップ層とは反対側の面のうち、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において磁極部分層に対して磁気的に接続される部分の近傍は、非磁性層のギャップ層とは反対側の面と共に平坦化されていてもよい。
【0020】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギャップ層側の面において、磁極部分層に対して磁気的に接続されていてもよい。
【0021】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、磁極部分層の飽和磁束密度は、ヨーク部分層の飽和磁束密度以上であってもよい。
【0022】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドは、更に、再生素子としての磁気抵抗効果素子を備えていてもよい。
【0023】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドは、垂直磁気記録方式に用いられるものであってもよい。
【0024】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、記録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体の進行方向の前後に所定の間隔を開けて互いに対向するように配置された磁極部分を含むと共に、媒体対向面から離れた位置において互いに磁気的に連結された第1および第2の磁性層と、非磁性材料よりなり、第1の磁性層と第2の磁性層との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が第1および第2の磁性層の間に、第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを備え、第2の磁性層は、磁極部分を含み、媒体対向面における幅がトラック幅を規定する磁極部分層と、磁極部分と第1の磁性層とを磁気的に接続するヨーク部分層とを有する薄膜磁気ヘッドを製造する方法であって、
第1の磁性層を形成する工程と、
ギャップ層を形成する工程と、
薄膜コイルを形成する工程と、
ヨーク部分層が、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において、磁極部分層に対して磁気的に接続され、且つ、磁極部分層のヨーク部分層との接続面の少なくとも一部が磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な方向に対して傾いて配置されるように、磁極部分層とヨーク部分層とを有する第2の磁性層を形成する工程と
を備えたものである。
【0025】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、磁極部分層のヨーク部分層との接続面の少なくとも一部が、磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な方向に対して傾いて配置されることから、接続面が磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な場合に比べて、接続面の面積が大きくなる。これにより、接続面を介してヨーク部分層から磁極部分層へ効率よく磁束を導くことが可能となり、その結果、磁極部分より発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくすることが可能となる。
【0026】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、接続面の少なくとも一部は、接続面の少なくとも一部と磁極部分層のギャップ層側の面とのなす角度が90°を超えるように傾いて配置されてもよい。
【0027】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、接続面の少なくとも一部を含む断面において、ヨーク部分層の厚みは磁極部分層の厚みよりも大きくてもよい。
【0028】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面において、磁極部分層に対して磁気的に接続されてもよい。この場合、薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面に接する非磁性層を形成する工程を備え、ヨーク部分層は、非磁性層を介して磁極部分層のギャップ層とは反対側の面に隣接し、非磁性層を介して磁極部分層に磁気的に接続されてもよい。
【0029】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面の全面に接する非磁性層を形成する工程を備えていてもよい。この場合、第2の磁性層を形成する工程は、非磁性層を形成する工程の後で、ヨーク部分層のうちの少なくとも磁極部分層に対して磁気的に接続される部分を形成する工程と、非磁性層およびヨーク部分層を覆うように保護層を形成する工程と、非磁性層が露出するまで保護層を研磨して、ヨーク部分層のギャップ層とは反対側の面のうち、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において磁極部分層に対して磁気的に接続される部分の近傍を、非磁性層のギャップ層とは反対側の面と共に平坦化する工程とを含んでいてもよい。
【0030】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギャップ層側の面において、磁極部分層に対して磁気的に接続されてもよい。
【0031】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、磁極部分層の飽和磁束密度は、ヨーク部分層の飽和磁束密度以上であってもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図1は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。また、図1において記号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を表している。図2は図1のA−A線断面図である。図3は図1に示した薄膜磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。図4は図1に示した薄膜磁気ヘッドの要部を示す斜視図である。
【0033】
図1および図2に示したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、アルティック(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1と、この基板1の上に形成されたアルミナ(Al23)等の絶縁材料よりなる絶縁層2と、この絶縁層2の上に形成された磁性材料よりなる下部シールド層3と、この下部シールド層3の上に、絶縁層4を介して形成された再生素子としてのMR(磁気抵抗効果)素子5と、このMR素子5の上に絶縁層4を介して形成された磁性材料よりなる上部シールド層6とを備えている。下部シールド層3および上部シールド層6の厚みは、それぞれ例えば1〜2μmである。
【0034】
MR素子5の一端部は、媒体対向面(エアベアリング面)ABSに配置されている。MR素子5には、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。
【0035】
薄膜磁気ヘッドは、更に、上部シールド層6の上に形成された非磁性層7と、この非磁性層7の上に形成された磁性材料よりなる第1の磁性層8と、この第1の磁性層8の上において薄膜コイル10を形成すべき位置に形成された絶縁層9Aと、この絶縁層9Aの上に形成された薄膜コイル10と、少なくとも薄膜コイル10の巻線間に充填された絶縁層9Bとを備えている。絶縁層9Aには、媒体対向面ABSから離れた位置において、コンタクトホール9aが形成されている。
【0036】
第1の磁性層8の厚みは例えば1〜2μmである。第1の磁性層8を構成する磁性材料は、例えば鉄−ニッケル系合金すなわちパーマロイでもよいし、後述するような高飽和磁束密度材でもよい。また、第1の磁性層8は、2つ以上の層で構成してもよい。
【0037】
絶縁層9Aは、アルミナ等の非導電性且つ非磁性の材料よりなり、その厚みは例えば0.1〜1μmである。
【0038】
薄膜コイル10は、銅等の導電性の材料よりなり、その巻線の厚みは例えば0.3〜2μmである。薄膜コイル10の巻数は任意であり、巻線のピッチも任意である。
【0039】
絶縁層9Bは、形成時に流動性を有する非導電性且つ非磁性の材料よりなる。具体的には、絶縁層9Bは、例えば、フォトレジスト(感光性樹脂)のような有機系の非導電性非磁性材料によって形成してもよいし、塗布ガラスよりなるスピンオングラス(SOG)膜で形成してもよい。
【0040】
薄膜磁気ヘッドは、更に、コンタクトホール9aが形成された位置において第1の磁性層8の上に形成された磁性材料よりなる連結部14Cと、薄膜コイル10、絶縁層9Aおよび絶縁層9Bを覆うように形成された絶縁層9Cとを備えている。連結部14Cは、後述する第2の磁性層14の一部となる。薄膜コイル10は、連結部14Cの回りに巻回されている。
【0041】
連結部14Cの形状は、例えば、厚みが2〜4μm、奥行き(媒体対向面ABSに垂直な方向の長さ)が2〜10μm、幅が5〜20μmである。連結部14Cを構成する磁性材料は、例えば鉄−ニッケル系合金すなわちパーマロイでもよいし、後述するような高飽和磁束密度材でもよい。
【0042】
絶縁層9Cは、絶縁層9Bよりも耐食性、剛性および絶縁性が優れた非導電性且つ非磁性の材料よりなる。このような材料としては、アルミナやシリコン酸化物(SiO2)等の無機系の非導電性非磁性材料を用いることができる。媒体対向面ABSにおける絶縁層9Aおよび絶縁層9Cの合計の厚みは、例えば2〜4μmである。また、この厚みは、連結部14Cの厚み以上とする。
【0043】
絶縁層9A,9B,9Cは、第1の磁性層8と後述する第2の磁性層14との間に設けられるギャップ層9を構成する。
【0044】
薄膜磁気ヘッドは、絶縁層9Cの上に形成された磁性材料よりなる第2の磁性層14を備えている。第2の磁性層14は、前述の連結部14Cと、磁極部分を含む磁極部分層14Aと、ヨーク部分となり、連結部14Cを介して磁極部分層14Aと第1の磁性層8とを磁気的に接続するヨーク部分層14Bとを有している。磁極部分層14Aは、媒体対向面ABSから、媒体対向面ABSと連結部14Cとの間の所定の位置にかけて、絶縁層9Cの上に形成されている。ヨーク部分層14Bは、連結部14Cの第1の磁性層8とは反対側の端部(以下、上端部と言う。)と磁極部分層14Aの媒体対向面ABSとは反対側の端面(以下、後端面と言う。)とを磁気的に接続する。また、ヨーク部分層14Bは、その内部において連結部14Cの上端部と磁極部分層14Aの後端面との間を最短距離で結ぶ磁気経路が形成されるような形状を有している。薄膜磁気ヘッドは、更に、磁極部分層14Aの上に形成された非磁性層15を備えている。非磁性層15は、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の面の全面に接している。ヨーク部分層14Bの媒体対向面ABS側の一部は、非磁性層15を介して磁極部分層14Aの上面に隣接し、非磁性層15を介して磁極部分層14Aの上面の一部に磁気的に接続されている。薄膜磁気ヘッドは、更に、アルミナ等の非導電性且つ非磁性の材料よりなり、第2の磁性層14を覆うように形成された保護層17を備えている。
【0045】
薄膜コイル10の第2の磁性層14側の面は、媒体対向面ABSにおけるギャップ層9の第2の磁性層14側の端部(絶縁層9Cの磁性層14側の端部)の位置および連結部14Cの上端部の位置よりも第1の磁性層8側の位置に配置されている。
【0046】
磁極部分層14Aの厚みは、好ましくは0.1〜0.8μmであり、更に好ましくは0.3〜0.8μmである。また、媒体対向面ABSから磁極部分層14Aの後端面までの長さは2μm以上である。
【0047】
図4に示したように、磁極部分層14Aは、媒体対向面ABS側に配置された第1の部分14A1と、この第1の部分14A1よりも媒体対向面ABSから離れた位置に配置された第2の部分14A2とを含んでいる。第1の部分14A1は、第2の磁性層14における磁極部分となる。第1の磁性層8における磁極部分は、第1の磁性層8のうちギャップ層9を介して上記第1の部分14A1に対向する部分を含む。
【0048】
第1の部分14A1は、トラック幅と等しい幅を有している。すなわち、第1の部分14A1の媒体対向面ABSにおける幅がトラック幅を規定している。第2の部分14A2の幅は、第1の部分14A1との境界位置では第1の部分14A1の幅と等しく、その位置から媒体対向面ABSより遠ざかる程、徐々に大きくなった後、一定の大きさになっている。ヨーク部分層14Bの媒体対向面ABS側の一部は、非磁性層15を介して磁極部分層14Aの第2の部分14A2の上に重なっている。
【0049】
第1の部分14A1の媒体対向面ABSにおける幅、すなわちトラック幅は、好ましくは0.5μm以下であり、更に好ましくは0.3μm以下である。ヨーク部分層14Bと重なる部分における第2の部分14A2の幅は、第1の部分14A1の媒体対向面ABSにおける幅よりも大きく、例えば2μm以上である。
【0050】
ヨーク部分層14Bの厚みは、例えば1〜2μmである。ヨーク部分層14Bは、図1に示したように、磁極部分層14Aの後端面に磁気的に接続されていると共に、図2に示したように、磁極部分層14Aの幅方向の両側面に磁気的に接続されている。磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面は、本発明における接続面に対応する。また、ヨーク部分層14Bの媒体対向面ABS側の端部は、媒体対向面ABSから例えば1.5μm以上離れた位置に配置されている。
【0051】
磁極部分層14Aの飽和磁束密度は、ヨーク部分層14Bの飽和磁束密度以上となっている。磁極部分層14Aを構成する磁性材料としては、飽和磁束密度が1.4T以上の高飽和磁束密度材を用いるのが好ましい。高飽和磁束密度材としては、鉄および窒素原子を含む材料、鉄、ジルコニアおよび酸素原子を含む材料、鉄およびニッケル元素を含む材料等を用いることができる。具体的には、高飽和磁束密度材としては、例えば、NiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)、FeNやその化合物、Co系アモルファス合金、Fe−Co、Fe−M(必要に応じてO(酸素原子)も含む。)、Fe−Co−M(必要に応じてO(酸素原子)も含む。)の中のうちの少なくとも1種類を用いることができる。ここで、Mは、Ni,N,C,B,Si,Al,Ti,Zr,Hf,Mo,Ta,Nb,Cu(いずれも化学記号)の中から選択された少なくとも1種類である。
【0052】
ヨーク部分層14Bを構成する磁性材料としては、例えば、飽和磁束密度が1.0T程度となる鉄およびニッケル元素を含む材料を用いることができる。このような材料は、耐食性に優れ、且つ磁極部分層14Aを構成する材料よりも高抵抗である。また、このような材料を用いることにより、ヨーク部分層14Bの形成が容易になる。
【0053】
また、ヨーク部分層14Bを構成する磁性材料としては、磁極部分層14Aを構成する磁性材料と同じ組成系のものを用いることもできる。この場合には、ヨーク部分層14Bの飽和磁束密度を、磁極部分層14Aの飽和磁束密度よりも小さくするために、ヨーク部分層14Bを構成する磁性材料としては、磁極部分層14Aを構成する磁性材料に比べて、鉄原子の組成比の小さい材料を用いるのが好ましい。
【0054】
非磁性層15の平面的な形状は、磁極部分層14Aと同様である。また、非磁性層15は、媒体対向面ABSに露出している。非磁性層15の厚みは、好ましくは0.5μm以下である。また、非磁性層15は、省くことも可能である。
【0055】
非磁性層15を構成する材料としては、例えば、チタンまたはタンタルを含む材料(合金および酸化物を含む。)や、アルミナやシリコン酸化物(SiO2)等の無機系の非導電性非磁性材料を用いることができる。また、磁極部分層14Aをドライエッチングによって形成する場合には、非磁性層15を構成する材料として、磁極部分層14Aを構成する材料、およびギャップ層9のうちの磁極部分層14Aに接する絶縁層9Cを構成する材料よりもドライエッチングに対するエッチング速度が小さい材料を用いるのが好ましい。このような材料としては、例えばチタンまたはタンタルを含む材料(合金および酸化物を含む。)を用いることができる。
【0056】
図3に示したように、媒体対向面ABSに露出する磁極部分層14Aの面の形状は、記録媒体の進行方向Tの後側(スライダにおける空気流入端側)に配置される下辺が上辺よりも小さい台形であることが好ましい。また、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面と、媒体対向面ABSに露出する磁極部分層14Aの面における側辺とのなす角度は92〜110゜が好ましい。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面ABSと再生ヘッドと記録ヘッド(誘導型電磁変換素子)とを備えている。再生ヘッドは、再生素子としてのMR素子5と、媒体対向面ABS側の一部がMR素子5を挟んで対向するように配置された、MR素子5をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層6を備えている。
【0058】
記録ヘッドは、媒体対向面ABS側において記録媒体の進行方向Tの前後に所定の間隔を開けて互いに対向するように配置された磁極部分を含むと共に、媒体対向面ABSから離れた位置において互いに磁気的に連結された第1の磁性層8および第2の磁性層14と、非磁性材料よりなり、第1の磁性層8と第2の磁性層14との間に設けられたギャップ層9と、少なくとも一部が第1の磁性層8および第2の磁性層14の間に、これらの磁性層8,14に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイル10とを備えている。
【0059】
第2の磁性層14は、磁極部分を含み、媒体対向面ABSにおける幅がトラック幅を規定する磁極部分層14Aと、ヨーク部分となり、連結部14Cを介して磁極部分層14Aと第1の磁性層8とを磁気的に接続するヨーク部分層14Bと連結部14Cを有している。ヨーク部分層14Bは、磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面に磁気的に接続されている。また、磁極部分層14Aの飽和磁束密度は、ヨーク部分層14Bの飽和磁束密度以上となっている。
【0060】
本実施の形態によれば、第2の磁性層14が磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bとを有するようにしたので、記録媒体に印加される磁界の強度を低下させることなくトラック幅を縮小することが可能になる。
【0061】
また、本実施の形態では、図1に示したように、磁極部分層14Aの後端面は、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面に垂直な方向に対して傾いている。すなわち、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面と磁極部分層14Aの後端面とのなす角度θは、理論上は、0°<θ<90°および90°<θ<180°の範囲内の値となる。磁極部分層14Aの後端面は、この後端面と磁極部分層14Aのギャップ層9側の面とのなす角度が90°を超えるように傾いているのが好ましい。すなわち、角度θは、90°<θ<180°の範囲内の値であることが好ましい。角度θは、92〜110°であることがより好ましい。
【0062】
ここで、磁極部分層14Aの後端面が磁極部分層14Aのギャップ層9側の面に垂直な方向に対して傾いていることによる効果について説明する。まず、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドとの比較のための比較例を挙げる。図5は、この比較例の薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図、図6は図5のB−B線断面図である。この比較例の薄膜磁気ヘッドの構成は、磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面が磁極部分層14Aのギャップ層9側の面に垂直である点以外は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様である。
【0063】
ここで、図1に示した断面および図5に示した断面において、非磁性層15の後端面と非磁性層15の磁極部分層14Aとは反対側の面とが交わる点をaとし、磁極部分層14Aの後端面と磁極部分層14Aの非磁性層15側の面とが交わる点をbとし、磁極部分層14Aの後端面と磁極部分層14Aのギャップ層9側の面とが交わる点をcとする。
【0064】
図5に示した比較例の薄膜磁気ヘッドでは、線分bの長さは磁極部分層14Aの膜厚dと等しくなる。一方、図1に示した本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、線分bの長さは、磁極部分層14Aの膜厚dと前述の角度θを用いて、以下の式(1)で表される。
【0065】
=d/|sinθ| …(1)
【0066】
|sinθ|は1より小さいので、本実施の形態における線分bの長さは、比較例における線分bの長さよりも大きくなる。すなわち、磁極部分層14Aの後端面において磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bが磁気的に接続する部分の面積は、比較例に比べて本実施の形態の方が大きくなる。また、|sinθ|が小さくなればなるほど、線分bの長さが大きくなり、それと共に、磁極部分層14Aの後端面において磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bが磁気的に接続する部分の面積が大きくなる。従って、本実施の形態によれば、磁極部分層14Aの後端面を介してヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aへ効率よく磁束を導くことが可能になり、その結果、磁極部分層14Aの媒体対向面側の端部より発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくすることが可能になる。
【0067】
また、磁極部分層14Aの後端面が、この後端面と磁極部分層14Aのギャップ層9側の面とのなす角度が90°を超えるように傾いている場合には、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の面において磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bが磁気的に接続する部分の面積が大きくなる。これによって、ヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aへより効率よく磁束を導くことが可能になる。
【0068】
また、本実施の形態では、図2に示したように、磁極部分層14Aの後端面と同様に、磁極部分層14Aの幅方向の両側面も、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面に垂直な方向に対して傾いている。すなわち、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面と磁極部分層14Aの幅方向の両側面とのなす角度θは、理論上は、0°<θ<90°および90°<θ<180°の範囲内の値となる。磁極部分層14Aの幅方向の両側面は、各側面と磁極部分層14Aのギャップ層9側の面とのなす角度が90°を超えるように傾いているのが好ましい。すなわち、角度θは、90°<θ<180°の範囲内の値であることが好ましい。角度θは、92〜110°であることがより好ましい。
【0069】
ここで、図2に示した断面および図6に示した断面において、非磁性層15の側面と非磁性層15の磁極部分層14Aとは反対側の面とが交わる点をaとし、磁極部分層14Aの側面と磁極部分層14Aの非磁性層15側の面とが交わる点をbとし、磁極部分層14Aの側面と磁極部分層14Aのギャップ層9側の面とが交わる点をcとする。線分bの長さは、磁極部分層14Aの膜厚dと前述の角度θを用いて、以下の式(2)で表される。
【0070】
=d/|sinθ| …(2)
【0071】
従って、本実施の形態における線分bの長さは、比較例における線分bの長さよりも大きくなる。すなわち、磁極部分層14Aの幅方向の両側面において磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bが磁気的に接続する部分の面積は、比較例に比べて本実施の形態の方が大きくなる。また、|sinθ|が小さくなればなるほど、線分bの長さが大きくなり、それと共に、磁極部分層14Aの側面において磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bが磁気的に接続する部分の面積が大きくなる。これにより、磁極部分層14Aの側面を介してヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aへ効率よく磁束を導くことが可能になり、その結果、磁極部分層14Aの媒体対向面側の端部より発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくすることが可能になる。
【0072】
また、本実施の形態に係るヘッドにおいて、媒体対向面ABSに露出する磁極部分層14Aの面の形状は、記録媒体の進行方向Tの後側(スライダにおける空気流入端側)に配置される下辺が上辺よりも小さい台形形状とするのが好ましい。これにより、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを垂直磁気記録方式に用いた場合には、スキュー角が生じたときの記録トラック幅の変化を抑えることができ、長手磁気記録方式に用いた場合にはトラック幅をより縮小することが可能となる。媒体対向面ABSに露出する磁極部分層14Aの面において、磁極部分層14Aのギャップ層9側の辺と磁極部分層14Aの幅方向の各辺とのなす角度は、92〜110°であることがより好ましい。
【0073】
また、本実施の形態では、ヨーク部分層14Bと磁気的に接続される磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面を含む断面において、ヨーク部分層14Bの厚みは磁極部分層14Aの厚みよりも大きくなっている。そのため、磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bとの接続部分の近傍において、ヨーク部分層14B側での磁束の飽和を防止することができる。これにより、ヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aへ効率よく磁束を導くことが可能になり、その結果、磁極部分層14Aの媒体対向面側の端部より発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくすることが可能になる。
【0074】
ここで、磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面において磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bとが磁気的に接続する部分におけるヨーク部分層14Bの厚みをT、その接続部分における磁極部分層14Aの厚みをT、ヨーク部分層14Bの飽和磁束密度をBSY、磁極部分層14Aの飽和磁束密度をBSPとすると、ヨーク部分層14B側での磁束の飽和を防止するためには、以下の式(3)の関係となるのが好ましい。
【0075】
/T>BSP/BSY …(3)
【0076】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、垂直磁気記録方式に用いるのに適している。この薄膜磁気ヘッドを垂直磁気記録方式に用いる場合、第2の磁性層14の磁極部分層14Aにおける第1の部分14A1が主磁極となり、第1の磁性層8の磁極部分が補助磁極となる。なお、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを垂直磁気記録方式に用いる場合には、記録媒体としては2層媒体と単層媒体のいずれをも使用することが可能である。
【0077】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、第2の磁性層14が磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bとを有し、ヨーク部分層14Bは、磁極部分層14Aに磁束を導くための十分な体積を有し、また、磁極部分層14Aの飽和磁束密度がヨーク部分層14Bの飽和磁束密度以上であることから、第2の磁性層14の途中における磁束の飽和を防止することができる。
【0078】
また、本実施の形態では、薄膜コイル10のうち磁性層8,14の間に配置された部分の第2の磁性層14側の面は、媒体対向面ABSにおけるギャップ層9の第2の磁性層14側の端部の位置および連結部14Cの上端部の位置よりも第1の磁性層8側の位置に配置されている。そして、ヨーク部分層14Bは、連結部14Cの上端部と磁極部分層14Aの後端面とを磁気的に接続している。従って、ヨーク部分層14Bは、連結部14Cと磁極部分層14Aとの間に短い磁気経路で且つ強い磁気的結合を形成することができる。
【0079】
これらのことから、本実施の形態によれば、第2の磁性層14の磁極部分より発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくし、且つ磁路長を短縮して高周波特性を向上させることが可能になる。磁極部分層14Aに高飽和磁束密度材を用いた場合には、特に、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくすることができ、保磁力の大きな記録媒体への記録も可能となる。
【0080】
また、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、記録媒体の面に垂直な方向の磁界は長手方向の磁界よりも大きく、ヘッドが発生する磁気エネルギを効率よく、記録媒体に伝達することができる。従って、この薄膜磁気ヘッドによれば、記録媒体の熱揺らぎの影響を受けにくくして、線記録密度を高めることができる。
【0081】
図1に示したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、第1の磁性層8を記録媒体の進行方向Tの後側(薄膜磁気ヘッドを含むスライダにおける空気流入端側)に配置し、第2の磁性層14を記録媒体の進行方向Tの前側(薄膜磁気ヘッドを含むスライダにおける空気流出端側)に配置するのが好ましい。しかし、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを垂直磁気記録方式に用いる場合には、第1の磁性層8と第2の磁性層14の配置は、上記の配置とは逆でもよい。
【0082】
また、図1に示したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、第2の磁性層14のヨーク部分層14Bは、その内部において連結部14Cの上端部と磁極部分層14Aの後端面との間を最短距離で結ぶ磁気経路が形成されるような形状を有している。これにより、特に磁路長を短縮でき、高周波特性を向上させることが可能になる。
【0083】
また、図1に示したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、媒体対向面ABSにおける磁極部分層14Aと第1の磁性層8との間の距離は、連結部14Cの厚み以上としている。そして、ヨーク部分層14Bは、磁極部分層14Aの後端面との接続位置から連結部14Cとの接続位置にかけて、徐々に第1の磁性層8に近づいている。これにより、特に磁路長を短縮でき、高周波特性を向上させることが可能になる。
【0084】
また、図1に示したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク部分層14Bの少なくとも一部は、第1の磁性層8側に突出する弧状に形成されている。これにより、ヨーク部分層14Bの一部が、薄膜コイル10に近くなり、薄膜コイル10によって発生される磁界をヨーク部分層14Bで効率よく吸収することが可能になる。
【0085】
また、図3に示したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク部分層14Bは、磁極部分層14Aの後端面と幅方向の両側面とに磁気的に接続されている。これにより、磁極部分層14Aの体積が小さくても、ヨーク部分層14Bと磁極部分層14Aとの接続部分の面積を増やすことができ、この接続部分における磁束の飽和を防止することができる。その結果、磁束を効率よくヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aへ導くことができ、記録媒体に印加される磁界を大きくすることができる。
【0086】
また、図1に示したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク部分層14Bの媒体対向面ABS側の端部は、媒体対向面ABSから離れた位置に配置されている。これにより、ヨーク部分層14Bの媒体対向面ABS側の端部より発生される磁界によって記録媒体に情報の書き込みが生じることを防止することができる。
【0087】
また、図4に示したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、磁極部分層14Aのヨーク部分層14Bと接する部分の幅は、磁極部分層14Aの媒体対向面ABSにおける幅よりも大きくなっている。これにより、磁極部分層14Aのヨーク部分層14Bと接する部分の面積を大きくすることができ、この部分での磁束の飽和を防止することができる。その結果、磁束を効率よくヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aへ導くことができ、且つ磁極部分層14Aの媒体対向面ABSにおける露出面積を小さくすることで、記録媒体に印加される磁界を大きくすることができる。
【0088】
また、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドにおいて、媒体対向面ABSから磁極部分層14Aの後端面までの長さは2μm以上とすることにより、磁極部分層14Aの厚みや幅を大きくすることなく、磁極部分層14Aのヨーク部分層14Bと接する部分の面積を大きくして、この部分での磁束の飽和を防止することができる。その結果、磁束を効率よくヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aへ導くことができる。
【0089】
また、図1に示したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の面の全面に接する非磁性層15を備えている。非磁性層15がない場合には、磁極部分層14Aをドライエッチングによって形成する際や、ヨーク部分層14Bを電気めっき法によって形成する際に、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の面がダメージを受け、この面に例えば0.1〜0.3μm程度の凹凸が生じる。本実施の形態では、非磁性層15を設けていることから、磁極部分層14Aをドライエッチングによって形成する際や、ヨーク部分層14Bを電気めっき法によって形成する際に、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の面がダメージを受けることを防止でき、その面を平坦にすることができる。特に、本実施の形態では、非磁性層15を設けることにより、磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面と磁極部分層14Aの非磁性層15側の面とが交差するエッジ(図1における点bや図2における点bを含むエッジ)を保護することができ、磁極部分層14Aの後端面や幅方向の両側面において磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bが磁気的に接続する部分の面積を十分に確保することができる。また、本実施の形態では、非磁性層15が媒体対向面ABSに露出しているので、媒体対向面ABSにおいて、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の端部を平坦に保つことができる。これにより、媒体対向面ABSにおいて磁極部分層14Aより発生される磁界を、トラックに交差する方向について均一化することができる。その結果、記録媒体におけるビットパターン形状の歪みを抑えて、線記録密度を向上させることができる。
【0090】
また、本実施の形態では、ヨーク部分層14Bの媒体対向面ABS側の一部は、非磁性層15を介して磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の面に隣接し、非磁性層15を介して磁極部分層14Aに磁気的に接続されている。その結果、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の面からも、非磁性層15を介してヨーク部分層14Bからも磁極部分層14Aの媒体対向面ABS側へ磁束を導くことができる。
【0091】
また、非磁性層15を、磁極部分層14Aを構成する材料、およびギャップ層9のうちの磁極部分層14Aと接する部分を構成する材料よりもドライエッチングに対するエッチング速度が小さい材料で構成した場合には、磁極部分層14Aをドライエッチングによって形成する際に、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の面がダメージを受けることを防止することができる。
【0092】
また、図1に示したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、薄膜コイル10のうち第1の磁性層8と第2の磁性層14の間に配置された部分は、第1の磁性層8と第2の磁性層14の中間の位置よりも第1の磁性層8に近い位置に配置されている。これにより、第2の磁性層14よりも体積の大きな第1の磁性層8によって、薄膜コイル10から発生する磁界を効率よく吸収でき、薄膜コイル10が第2の磁性層14に近い場合に比べて、第1の磁性層8および第2の磁性層14における磁界の吸収率を高めることができる。
【0093】
また、図1に示したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、ギャップ層9は、形成時に流動性を有する材料よりなり、少なくとも薄膜コイル10の巻線間に充填された第1の部分(絶縁層9B)と、この第1の部分よりも耐食性、剛性および絶縁性が優れた材料よりなり、薄膜コイル10および第1の部分を覆い、第1の磁性層8および第2の磁性層14に接する第2の部分(絶縁層9A,9C)とを有している。ギャップ層9の第2の部分は、媒体対向面ABSに露出している。薄膜コイル10の巻線間に隙間なく非磁性材料を充填することは、スパッタリング法では困難であるが、有機系の材料のように流動性を有する非磁性材料を用いた場合には容易である。しかし、有機系の材料は、ドライエッチングに対する耐性、耐食性、耐熱性、剛性等の点で信頼性に乏しい。本実施の形態では、上述のように、形成時に流動性を有する材料によって薄膜コイル10の巻線間に充填された第1の部分(絶縁層9B)を形成し、この第1の部分よりも耐食性、剛性および絶縁性が優れた材料によって、薄膜コイル10および第1の部分を覆い、第1の磁性層8および第2の磁性層14に接する第2の部分(絶縁層9A,9C)を形成するようにしたので、薄膜コイル10の巻線間に隙間なく非磁性材料を充填でき、且つギャップ層9の信頼性を高めることができる。
【0094】
また、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、再生素子としてのMR素子5を備えている。これにより、誘導型電磁変換素子を用いて再生を行う場合に比べて、再生性能を向上させることができる。また、MR素子5は、シールド層3,6によってシールドされているので、再生時の分解能を向上させることができる。
【0095】
次に、図7ないし図14を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。
【0096】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、基板1の上に絶縁層2を形成する。次に、絶縁層2の上に下部シールド層3を形成する。次に、下部シールド層3の上に、絶縁層4の一部となる絶縁膜を形成し、この絶縁膜の上にMR素子5と、このMR素子5に接続される図示しないリードとを形成する。次に、MR素子5およびリードを、絶縁層4の他の一部となる新たな絶縁膜で覆い、MR素子5およびリードを絶縁層4内に埋設する。
【0097】
次に、絶縁層4の上に上部シールド層6を形成し、その上に非磁性層7を形成する。次に、この非磁性層7の上に、第1の磁性層8を所定の形状に形成する。次に、図示しないが、非磁性層7および第1の磁性層8をアルミナ等の非磁性材料で覆い、第1の磁性層8が露出するまで非磁性材料を研磨して、第1の磁性層8の上面を平坦化する。なお、図7ないし図14では、基板1ないし非磁性層7を省略している。
【0098】
次に、図7に示したように、第1の磁性層8の上に、アルミナ等の非導電性且つ非磁性の材料をスパッタして、絶縁層9Aを形成する。次に、周知のフォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術とを用いて、連結部14Cを形成すべき位置において、絶縁層9Aにコンタクトホール9aを形成する。次に、周知のフォトリソグラフィ技術および成膜技術(例えば電気めっき法)を用いて、絶縁層9Aの上に薄膜コイル10を形成する。次に、周知のフォトリソグラフィ技術を用いて、少なくとも薄膜コイル10の巻線間に充填される絶縁層9Bを形成する。
【0099】
次に、図8に示したように、周知のフォトリソグラフィ技術および成膜技術(例えば電気めっき法)を用いて、コンタクトホール9aが形成された位置において第1の磁性層8の上に連結部14Cを形成する。連結部14Cの厚みは、例えば2〜4μmとする。次に、スパッタ法を用いて、薄膜コイル10、絶縁層9A、絶縁層9Bおよび連結部14Cを覆うように絶縁層9Cを形成する。この時点における絶縁層9Cの厚みは、連結部14Cを十分に覆うことができる厚みであればよく、例えば5μmとする。
【0100】
次に、図9に示したように、例えば化学機械研磨を用いて、絶縁層9Cおよび連結部14Cの上面を平坦化する。この時点で、第1の磁性層8の上面から絶縁層9Cおよび連結部14Cの上面までの距離は、例えば2〜4μmとする。なお、この時点では、必ずしも連結部14Cを露出させる必要はなく、後の工程で露出させてもよい。また、媒体対向面における絶縁層9Aおよび絶縁層9Cの厚みの総和は、記録ヘッド(誘導型電磁変換素子)のギャップ長となる。
【0101】
次に、図10に示したように、絶縁層9Cおよび連結部14Cの上に、磁極部分層14Aを構成する材料よりなる被エッチング層14Aeを形成する。被エッチング層14Aeの厚みは、好ましくは0.1〜0.8μmとし、更に好ましくは0.3〜0.8μmとする。被エッチング層14Aeの形成方法は、電気めっき法でもよいし、スパッタ法でもよい。被エッチング層14Aeの表面の粗さが大きい場合(例えば、算術平均粗さRaが12オングストローム以上の場合)の場合は、化学機械研磨等によって被エッチング層14Aeの表面を研磨して平坦化することが好ましい。
【0102】
次に、被エッチング層14Aeの上に、非磁性層15eを形成する。非磁性層15eの厚みは、好ましくは0.5μm以下とする。
【0103】
次に、図示しないが、非磁性層15eの上に、スパッタ法により、電気めっき法のための電極層を形成する。この電極層の厚みは0.1μm以下とし、材料は例えば鉄−ニッケル合金とする。
【0104】
次に、図11に示したように、上記電極層の上に、磁極部分層14Aおよび非磁性層15の形状を決定するためのマスク32を形成する。このマスク32の厚みは1〜4μmとし、材料は例えば鉄−ニッケル合金とする。マスク32の材料は、後で行われるドライエッチングに対する耐性に優れた材料であることが好ましい。マスク32の材料が鉄−ニッケル合金の場合には、マスク32の形成方法としては、例えばフレームめっき法が用いられる。また、マスク32はフォトレジストによって形成してもよい。この場合には、マスク32はフォトリソグラフィ技術を用いて形成される。
【0105】
次に、図12に示したように、マスク32を用いて、イオンミリング等のドライエッチング技術によって、非磁性層15eおよび被エッチング層14Aeをエッチングして、非磁性層15および磁極部分層14Aの外形を決定する。また、このエッチングにより、媒体対向面における磁極部分層14Aの幅を、トラック幅の規格に一致するように規定してもよい。
【0106】
本実施の形態では、上記のエッチングの際に、磁極部分層14Aの後端面および両側面の少なくとも一部に傾斜を付ける。このとき、媒体対向面に露出する磁極部分層14Aの面の形状も決定する。上記各面に傾斜を付ける方法としては、例えば、エッチング方法としてイオンミリングを用いる場合には、イオンの照射方向を基板の面(非磁性層15および磁極部分層14Aの面)に垂直な方向に対して傾いた方向から照射する方法が挙げられる。磁極部分層14Aの後端面と両側面、および媒体対向面に露出する磁極部分層14Aの面における磁極部分層14Aの幅方向の各辺が、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面となす角度は、全て92〜110゜であることが好ましい。この場合には、一度のエッチングで同時に、磁極部分層14Aの後端面と両側面、および媒体対向面に露出する磁極部分層14Aの面の形状を決定することができる。
【0107】
エッチングは、図12に示した絶縁層9Cの斜面gの上端が、磁極部分層14Aの後端面と磁極部分層14Aのギャップ層9側の面とが交わる位置と一致したところで終了するとよい。このとき、マスク32は、非磁性で、耐食性等の点で信頼性が十分にあれば残っていてもよいし、不要ならば除去してもよい。
【0108】
上記のエッチングにより、非磁性層15および磁極部分層14Aの外形が決定されるのと同時に、連結部14Cが露出する。なお、このときに連結部14Cが露出するように、連結部14Cの厚みは予め所望の厚み以上に大きくしておく。
【0109】
次に、図示しないが、非磁性層15、絶縁層9Cおよび連結部14Cの上に、スパッタ法により、電気めっき法のための電極層を形成する。この電極層の厚みは0.1μm以下とし、材料は例えば鉄−ニッケル合金とし、下地にTi(チタン)を成膜してもよい。
【0110】
次に、図13に示したように、上記電極層の上に、フォトレジストによって、ヨーク部分層14Bの形状に対応した空隙部を有するレジストフレーム35を形成する。
【0111】
次に、図14に示したように、レジストフレーム35を用いて、電気めっき法(フレームめっき法)によって、電極層の上にヨーク部分層14Bを形成する。次に、レジストフレーム35を除去する。なお、ヨーク部分層14Bは、リフトオフ法を用いて形成することも可能であるが、ヨーク部分層14Bの形状を下地の形状に追従させるためには電気めっき法を用いるのが最も好ましい。
【0112】
次に、図示しないが、電極層のうち、ヨーク部分層14Bの下に存在する部分以外の部分をドライエッチングで除去する。
【0113】
次に、図1に示したように、第2の磁性層14を覆うように保護層17を形成する。次に、保護層17の上に配線や端子等を形成し、スライダ単位で基板を切断し、媒体対向面ABSの研磨、浮上用レールの作製等を行って、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0114】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様の作用、効果の他に、以下のような作用、効果が得られる。
【0115】
本実施の形態では、磁極部分層14Aを形成する工程は、ギャップ層9および連結部14Cの上に、磁極部分層14Aを構成する材料よりなる被エッチング層14Aeを形成する工程と、被エッチング層14Aeをドライエッチングによって選択的にエッチングして、磁極部分層14Aの外形を決定すると共に連結部14Cを露出させる工程とを含む。本実施の形態では、被エッチング層14Aeをドライエッチングすることによって、磁極部分層14Aの後端面から連結部14Cの上端部にかけて緩やかな傾斜を持つように、ヨーク部分層14Bの下地の形状が決定される。従って、この下地の上にヨーク部分層14Bを形成することにより、連結部14Cと磁極部分層14Aとの間を最短距離で結ぶ磁気経路を形成することが可能になる。
【0116】
また、本実施の形態において、被エッチング層14Aeを形成する工程の後で、研磨により、被エッチング層14Aeの上面を平坦化した場合には、媒体対向面ABSにおいて、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の端部を完全に平坦化することができる。これにより、媒体対向面ABSにおいて磁極部分層14Aより発生される磁界を、トラックに交差する方向について均一化することができ、その結果、記録媒体におけるビットパターン形状の歪みを抑えて、線記録密度を向上させることができる。
【0117】
また、本実施の形態では、被エッチング層14Aeを形成する工程の前に、研磨により、被エッチング層14Aeの下地となる絶縁層9Cおよび連結部14Cの上面を平坦化している。これにより、媒体対向面ABSにおいて、磁極部分層14Aのギャップ層9側の端部を平坦化することができる。また、被エッチング層14Aeをスパッタ法によって形成する場合には、被エッチング層14Aeの成膜時の膜厚均一性がよいため、媒体対向面ABSにおいて、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の端部も平坦化することができる。これらのことから、媒体対向面ABSにおいて磁極部分層14Aより発生される磁界を、トラックに交差する方向について均一化することができ、その結果、記録媒体におけるビットパターン形状の歪みを抑えて、線記録密度を向上させることができる。
【0118】
また、本実施の形態において、磁極部分層14Aを形成する工程は、被エッチング層14Aeを形成し、被エッチング層14Aeの上に非磁性層15eを形成し、非磁性層15eの上に、磁極部分層14Aの形状に対応したマスク32を形成し、このマスク32を用いて、非磁性層15eおよび被エッチング層14Aeをエッチングして、磁極部分層14Aの外形を決定している。従って、本実施の形態によれば、被エッチング層14Aeの上面を非磁性層15eで保護した状態で磁極部分層14Aの外形を決定でき、磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面と磁極部分層14Aの非磁性層15側の面とが交差するエッジを保護することができると共に、媒体対向面において磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の端部の平坦性を維持することができる。
【0119】
また、本実施の形態において、ドライエッチングに対する耐性に優れたマスク32を用いた場合には、磁極部分層14Aを構成する材料がドライエッチングに対する耐性に優れている場合でも、マスク32を用いたドライエッチングによって磁極部分層14Aの外形を決定することが可能になる。
【0120】
また、本実施の形態において、ヨーク部分層14Bを形成する工程は、電気めっき法によってヨーク部分層14Bを形成してもよい。この場合には、ヨーク部分層14Bを容易に形成できると共に、ヨーク部分層14Bを、その下地の形状によく追従した形状に形成することが可能になる。
【0121】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。まず、図15ないし図17を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。図15は本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図15は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。また、図15において記号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を表している。図16は図15のC−C線断面図である。図17は図15に示した薄膜磁気ヘッドの要部を示す斜視図である。
【0122】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、第1の実施の形態におけるヨーク部分層14Bのうち、非磁性層15を介して磁極部分層14Aの上面に隣接する部分を除いた構成になっている。本実施の形態では、ヨーク部分層14Bの周囲には、アルミナ等の非導電性且つ非磁性の材料よりなる保護層17Aが設けられている。ヨーク部分層14Bのギャップ層9とは反対側の面のうち、磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面において磁極部分層14Aに対して磁気的に接続される部分の近傍は、非磁性層15のギャップ層9とは反対側の面および保護層17Aの上面と共に平坦化されている。そして、これらの平坦化された面の上に、第1の実施の形態における保護層17と同様の保護層17Bが設けられている。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドのその他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0123】
次に、図18および図19を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。なお、図18および図19では、基板1ないし非磁性層7を省略している。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、図14に示したように、ヨーク部分層14Bを形成する工程までは、第1の実施の形態と同様である。
【0124】
本実施の形態では、次に、図18に示したように、非磁性層15およびヨーク部分層14Bを覆うように保護層17Aを形成する。
【0125】
次に、図19に示したように、例えば化学機械研磨を用いて、非磁性層15が露出するまで保護層17Aを研磨して、ヨーク部分層14Bのギャップ層9とは反対側の面のうち、磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において磁極部分層14Aに対して磁気的に接続される部分の近傍を、非磁性層15のギャップ層9とは反対側の面および保護層17Aの上面と共に平坦化する。なお、図19では、ヨーク部分層14Bのギャップ層9とは反対側の面の一部のみが保護層17Aより露出しているが、ヨーク部分層14Bのギャップ層9とは反対側の面の全体が保護層17Aより露出するようにしてもよい。
【0126】
次に、図15に示したように、積層面の全体を覆うように保護層17Bを形成する。次に、保護層17Bの上に配線や端子等を形成し、スライダ単位で基板を切断し、媒体対向面ABSの研磨、浮上用レールの作製等を行って、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0127】
本実施の形態によれば、ヨーク部分層14Bのギャップ層9とは反対側の面のうち、磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面において磁極部分層14Aに対して磁気的に接続される部分の近傍を、非磁性層15のギャップ層9とは反対側の面と共に平坦化したので、磁極部分より発生される磁界のうち、記録媒体の面に垂直な方向の成分の割合を大きくすることが可能になる。
【0128】
本実施の形態におけるその他の作用および効果は、第1の実施の形態ではヨーク部分層14Bが非磁性層15を介して磁極部分層14Aの上面に対して磁気的に接続されるのに対し、本実施の形態ではそれがないことによる違い以外は、第1の実施の形態と同様である。
【0129】
なお、本実施の形態では、非磁性層15を設けずに、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の面を保護層17Aの上面と共に平坦化してもよい。この場合には、非磁性層15を設けなくとも、媒体対向面において磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の端部の平坦性を維持することができる。
【0130】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。まず、図20および図21を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。図20は本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図20は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。また、図20において記号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を表している。図21は図20のD−D線断面図である。
【0131】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク部分層14Bは、第1の磁性層8と磁極部分層14Aのギャップ層9側の面とに接し、これらに対して磁気的に接続された第1層14B1と、この第1層14B1と磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面とに接し、これらに対して磁気的に接続された第2層14B2とを含んでいる。
【0132】
ヨーク部分層14Bの第1層14B1は、コンタクトホール9aが形成された位置から媒体対向面ABSに向けて、絶縁層9Cの媒体対向面ABSとは反対側の端面の位置まで、第1の磁性層8および絶縁層9Bの上に形成されている。コンタクトホール9aの位置における第1層14B1の厚みは、絶縁層9Aと絶縁層9Bの合計の厚みより大きく、例えば3μm以上である。第1層14B1の媒体対向面ABS側の端部は、媒体対向面ABSから例えば1.5μm以上離れた位置であって、磁極部分層14Aの後端面よりは媒体対向面ABSに近い位置に配置されている。第1層14B1を構成する磁性材料は、例えば鉄−ニッケル系合金すなわちパーマロイでもよいし、高飽和磁束密度材でもよい。
【0133】
ヨーク部分層14Bの第1層14B1における媒体対向面ABS側の一部および絶縁層9Cの上面は平坦化されている。磁極部分層14Aは、この平坦化された第1層14B1および絶縁層9Cの上面の上に形成されている。従って、ヨーク部分層14Bの第1層14B1は、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面の一部に接し、これに対し磁気的に接続されている。
【0134】
ヨーク部分層14Bの第2層14B2は、第1層14B1および非磁性層15の上に配置されている。第2層14B2は、第1層14B1と磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面とに接し、これらに対して磁気的に接続されている。また、第2層14B2の媒体対向面ABS側の一部は、非磁性層15を介して磁極部分層14Aの上面に隣接し、非磁性層15を介して磁極部分層14Aに磁気的に接続されている。ヨーク部分層14Bの第2層14B2の厚みは、例えば0.5〜2μmである。第2層14B2を構成する磁性材料は、例えば鉄−ニッケル系合金すなわちパーマロイでもよいし、高飽和磁束密度材でもよい。
【0135】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドのその他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0136】
次に、図22ないし図29を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。なお、図22ないし図29では、基板1ないし非磁性層7を省略している。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、図7に示したように、絶縁層9Bを形成する工程までは、第1の実施の形態と同様である。
【0137】
本実施の形態では、次に、図22に示したように、周知のフォトリソグラフィ技術および成膜技術(例えば電気めっき法)を用いて、コンタクトホール9aが形成された位置から媒体対向面ABSに向けて所定の位置まで、第1の磁性層8および絶縁層9Bの上にヨーク部分層14Bの第1層14B1を形成する。この時点で、第1層14B1の形状は、例えば、厚みが3μm以上、奥行き(媒体対向面ABSに垂直な方向の長さ)が2〜10μm、幅が5〜20μmである。
【0138】
次に、図23に示したように、スパッタ法を用いて、絶縁層9A、絶縁層9Bおよびヨーク部分層14Bの第1層14B1を覆うように絶縁層9Cを形成する。この時点で、絶縁層9Cの厚みは、第1層14B1の厚み以上とする。
【0139】
次に、図24に示したように、例えば化学機械研磨を用いて、ヨーク部分層14Bの第1層14B1が露出するまで絶縁層9Cの表面を研磨して、絶縁層9Cおよび第1層14B1の上面を平坦化する。この時点で、第1の磁性層8の上面から絶縁層9Cの上面までの距離は、例えば3〜6μmとする。
【0140】
次に、図25に示したように、絶縁層9Cおよび第1層14B1の上に、第1の実施の形態と同様の被エッチング層14Aeおよび非磁性層15eを順に形成する。
【0141】
次に、図示しないが、非磁性層15eの上に、スパッタ法により、電気めっき法のための電極層を形成する。この電極層の厚みは0.1μm以下とし、材料は例えば鉄−ニッケル合金とする。
【0142】
次に、図26に示したように、上記電極層の上に、第1の実施の形態と同様に、磁極部分層14Aおよび非磁性層15の形状を決定するためのマスク32を形成する。
【0143】
次に、図27に示したように、マスク32を用いて、イオンミリング等のドライエッチング技術によって、非磁性層15eおよび被エッチング層14Aeをエッチングして、非磁性層15および磁極部分層14Aの外形を決定する。第1の実施の形態と同様に、上記のエッチングの際には、磁極部分層14Aの後端面および両側面の少なくとも一部に傾斜を付ける。このとき、媒体対向面に露出する磁極部分層14Aの面の形状も決定する。マスク32は、非磁性で、耐食性等の点で信頼性が十分にあれば残っていてもよいし、不要ならば除去してもよい。
【0144】
次に、図示しないが、非磁性層15、絶縁層9Cおよびヨーク部分層14Bの第1層14B1の上に、スパッタ法により、電気めっき法のための電極層を形成する。この電極層の厚みは0.1μm以下とし、材料は例えば鉄−ニッケル合金とし、下地にTi(チタン)を成膜してもよい。
【0145】
次に、図28に示したように、上記電極層の上に、フォトレジストによって、ヨーク部分層14Bの第2層14Bの形状に対応した空隙部を有するレジストフレーム35を形成する。
【0146】
次に、図29に示したように、レジストフレーム35を用いて、電気めっき法(フレームめっき法)によって、電極層の上にヨーク部分層14Bの第2層14Bを形成する。次に、レジストフレーム35を除去する。
【0147】
次に、図示しないが、電極層のうち、ヨーク部分層14Bの第2層14Bの下に存在する部分以外の部分をドライエッチングで除去する。
【0148】
次に、図20に示したように、第2の磁性層14を覆うように保護層17を形成する。次に、保護層17の上に配線や端子等を形成し、スライダ単位で基板を切断し、媒体対向面ABSの研磨、浮上用レールの作製等を行って、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0149】
本実施の形態では、ヨーク部分層14Bは、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面でも磁極部分層14Aに対して磁気的に接続されている。従って、本実施の形態によれば、磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bとの磁気的な接続部分の面積を大きくすることができ、その結果、磁束を効率よくヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aへ導くことができる。
【0150】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は第1の実施の形態と同様である。
【0151】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。まず、図30を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。図30は本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図30は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。また、図30において記号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を表している。
【0152】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、第3の実施の形態におけるヨーク部分層14Bの第2層14B2のうち、非磁性層15を介して磁極部分層14Aの上面に隣接する部分を除いた構成になっている。本実施の形態では、第2層14B2の周囲には、アルミナ等の非導電性且つ非磁性の材料よりなる保護層17Aが設けられている。第2層14B2のギャップ層9とは反対側の面のうち、磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面において磁極部分層14Aに対して磁気的に接続される部分の近傍は、非磁性層15のギャップ層9とは反対側の面および保護層17Aの上面と共に平坦化されている。そして、これらの平坦化された面の上に、第2の実施の形態と同様に保護層17Bが設けられている。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドのその他の構成は、第3の実施の形態と同様である。
【0153】
次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、図29に示したように、ヨーク部分層14Bの第2層14B2を形成する工程までは、第3の実施の形態と同様である。
【0154】
本実施の形態では、次に、非磁性層15および第2層14B2を覆うように保護層17Aを形成する。次に、例えば化学機械研磨を用いて、非磁性層15が露出するまで保護層17Aを研磨して、第2層14B2のギャップ層9とは反対側の面のうち、少なくとも磁極部分層14Aに対して磁気的に接続される部分の近傍を、非磁性層15のギャップ層9とは反対側の面および保護層17Aの上面と共に平坦化する。なお、図30では、第2層14B2のギャップ層9とは反対側の面の一部のみが保護層17Aより露出しているが、第2層14B2のギャップ層9とは反対側の面の全体が保護層17Aより露出するようにしてもよい。次に、図30に示したように、積層面の全体を覆うように保護層17Bを形成する。次に、保護層17Bの上に配線や端子等を形成し、スライダ単位で基板を切断し、媒体対向面ABSの研磨、浮上用レールの作製等を行って、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0155】
本実施の形態によれば、ヨーク部分層14Bの第2層14B2のギャップ層9とは反対側の面のうち、少なくとも磁極部分層14Aに対して磁気的に接続される部分の近傍を、非磁性層15のギャップ層9とは反対側の面と共に平坦化したので、磁極部分より発生される磁界のうち、記録媒体の面に垂直な方向の成分の割合を大きくすることが可能になる。
【0156】
本実施の形態におけるその他の作用および効果は、第3の実施の形態ではヨーク部分層14Bの第2層14B2が非磁性層15を介して磁極部分層14Aの上面に対して磁気的に接続されるのに対し、本実施の形態ではそれがないことによる違い以外は、第3の実施の形態と同様である。
【0157】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、各実施の形態では、ヨーク部分層14Bは、磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面に磁気的に接続されているが、磁極部分層14Aの後端面と幅方向の両側面のうち、いずれか一方にのみ磁気的に接続されていてもよい。
【0158】
また、本発明では、磁極部分層14Aのヨーク部分層14Bとの接続面の少なくとも一部が、磁極部分層14Aのギャップ層側の面に垂直な方向に対して傾いていればよい。従って、例えば、上記接続面は湾曲していてもよい。この場合には、点c,cにおける角度θ,θは90°であってもよい。なお、接続面は湾曲している場合には、「接続面の少なくとも一部を含む断面」は、接続面の少なくとも一部に接する断面ということになる。
【0159】
また、本発明は、垂直磁気記録方式に用いられる薄膜磁気ヘッドに限らず、長手磁気記録方式に用いられる薄膜磁気ヘッドにも適用することができる。長手磁気記録方式の場合には、ギャップ層が薄いため、磁極部分層のギャップ層側のエッジからギャップ層へ磁束が漏れやすく、そのため、記録媒体に印加される磁界が小さくなる。一方、ヨーク部分層からの磁界を効率よく磁極部分層が吸収するためには、磁極部分層の体積が大きいことが必要である。そこで、本発明のように、磁極部分層のヨーク部分層との接続面を、この接続面と磁極部分層のギャップ層側の面とのなす角度が90°を超えるように傾ければ、磁極部分層のギャップ層側の面の面積を大きくすることなく、磁極部分層の体積を増加させることができる。すなわち、磁極部分層からギャップ層への磁束の漏れを抑えながら、ヨーク部分層からの磁界を効率よく磁極部分層によって吸収することが可能になる。
【0160】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の薄膜磁気ヘッドによれば、第2の磁性層が磁極部分層とヨーク部分層とを有するようにしたので、記録媒体に印加される磁界の強度を低下させることなくトラック幅を縮小することが可能になる。また、本発明によれば、磁極部分層のヨーク部分層との接続面の少なくとも一部が、磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な方向に対して傾いていることから、接続面が磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な場合に比べて接続面の面積が大きくなり、接続面を介してヨーク部分層から磁極部分層へ効率よく磁束を導くことが可能になる。これらのことから、本発明によれば、磁極部分より発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくすることができ、且つ記録密度を向上させることができるという効果を奏する。
【0161】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、接続面の少なくとも一部は、接続面の少なくとも一部と磁極部分層のギャップ層側の面とのなす角度が90°を超えるように傾いていてもよい。この場合には、ヨーク部分層が磁極部分層のギャップ層とは反対側の面においても磁極部分層に対して磁気的に接続される場合に、磁極部分層とヨーク部分層が磁気的に接続する部分の面積が大きくなり、ヨーク部分層から磁極部分層へより効率よく磁束を導くことが可能になるという効果を奏する。
【0162】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、接続面の少なくとも一部を含む断面において、ヨーク部分層の厚みは磁極部分層の厚みよりも大きくてもよい。この場合には、磁極部分層とヨーク部分層との接続部分の近傍において、ヨーク部分層側での磁束の飽和を防止することができる。従って、本発明によれば、接続面を介してヨーク部分層から磁極部分層へ効率よく磁束を導くことが可能になり、その結果、磁極部分より発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくすることが可能になるという効果を奏する。
【0163】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面において、磁極部分層に対して磁気的に接続されていてもよい。この場合には、磁極部分層とヨーク部分層が磁気的に接続する部分の面積が大きくなり、ヨーク部分層から磁極部分層へより効率よく磁束を導くことが可能になるという効果を奏する。
【0164】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド、更に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面の全面に接する非磁性層を備えていてもよい。この場合には、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面が、薄膜磁気ヘッドの製造工程においてダメージを受けることを防止でき、その面を平坦に保つことができる。そのため、本発明によれば、媒体対向面において、磁極部分層のギャップ層とは反対側の端部を平坦に保ち、媒体対向面において磁極部分層より発生される磁界を、トラックに交差する方向について均一化することができ、その結果、記録媒体におけるビットパターン形状の歪みを抑えて、線記録密度を向上させることができるという効果を奏する。
【0165】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、ヨーク部分層のギャップ層とは反対側の面のうち、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において磁極部分層に対して磁気的に接続される部分の近傍は、非磁性層のギャップ層とは反対側の面と共に平坦化されていてもよい。この場合には、磁極部分より発生される磁界のうち、記録媒体の面に垂直な方向の成分の割合を大きくすることが可能になるという効果を奏する。
【0166】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギャップ層側の面において、磁極部分層に対して磁気的に接続されていてもよい。この場合には、磁極部分層とヨーク部分層が磁気的に接続する部分の面積が大きくなり、ヨーク部分層から磁極部分層へより効率よく磁束を導くことが可能になるという効果を奏する。
【0167】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、磁極部分層の飽和磁束密度は、ヨーク部分層の飽和磁束密度以上であってもよい。この場合には、第2の磁性層の途中における磁束の飽和を防止することができるという効果を奏する。
【0168】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド、再生素子としての磁気抵抗効果素子を備えていてもよい。この場合には、誘導型電磁変換素子を用いて再生を行う場合に比べて、再生性能を向上させることができるという効果を奏する。
【0169】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドは、垂直磁気記録方式に用いられるものであってもよい。この場合には、記録媒体の熱揺らぎの影響を受けにくくして、線記録密度を高めることができるという効果を奏する。
【0170】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第2の磁性層が磁極部分層とヨーク部分層とを有するようにしたので、記録媒体に印加される磁界の強度を低下させることなくトラック幅を縮小することが可能になる。また、本発明によれば、磁極部分層のヨーク部分層との接続面の少なくとも一部が、磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な方向に対して傾いて配置されることから、接続面が磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な場合に比べて接続面の面積が大きくなり、接続面を介してヨーク部分層から磁極部分層へ効率よく磁束を導くことが可能になる。これらのことから、本発明によれば、磁極部分より発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくすることができ、且つ記録密度を向上させることができるという効果を奏する。
【0171】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、接続面の少なくとも一部は、接続面の少なくとも一部と磁極部分層のギャップ層側の面とのなす角度が90°を超えるように傾いて配置されてもよい。この場合には、ヨーク部分層が磁極部分層のギャップ層とは反対側の面においても磁極部分層に対して磁気的に接続される場合に、磁極部分層とヨーク部分層が磁気的に接続する部分の面積が大きくなり、ヨーク部分層から磁極部分層へより効率よく磁束を導くことが可能になるという効果を奏する。
【0172】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、接続面の少なくとも一部を含む断面において、ヨーク部分層の厚みは磁極部分層の厚みよりも大きくてもよい。この場合には、磁極部分層とヨーク部分層との接続部分の近傍において、ヨーク部分層側での磁束の飽和を防止することができる。従って、本発明によれば、接続面を介してヨーク部分層から磁極部分層へ効率よく磁束を導くことが可能になり、その結果、磁極部分より発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくすることが可能になるという効果を奏する。
【0173】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面において、磁極部分層に対して磁気的に接続されてもよい。この場合には、磁極部分層とヨーク部分層が磁気的に接続する部分の面積が大きくなり、ヨーク部分層から磁極部分層へより効率よく磁束を導くことが可能になるという効果を奏する。
【0174】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法、更に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面の全面に接する非磁性層を形成する工程を備えていてもよい。この場合には、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面が、薄膜磁気ヘッドの製造工程においてダメージを受けることを防止でき、その面を平坦に保つことができる。そのため、本発明によれば、媒体対向面において、磁極部分層のギャップ層とは反対側の端部を平坦に保ち、媒体対向面において磁極部分層より発生される磁界を、トラックに交差する方向について均一化することができ、その結果、記録媒体におけるビットパターン形状の歪みを抑えて、線記録密度を向上させることができるという効果を奏する。
【0175】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、ヨーク部分層のギャップ層とは反対側の面のうち、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において磁極部分層に対して磁気的に接続される部分の近傍は、非磁性層のギャップ層とは反対側の面と共に平坦化されてもよい。この場合には、磁極部分より発生される磁界のうち、記録媒体の面に垂直な方向の成分の割合を大きくすることが可能になるという効果を奏する。
【0176】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギャップ層側の面において、磁極部分層に対して磁気的に接続されてもよい。この場合には、磁極部分層とヨーク部分層が磁気的に接続する部分の面積が大きくなり、ヨーク部分層から磁極部分層へより効率よく磁束を導くことが可能になるという効果を奏する。
【0177】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において、磁極部分層の飽和磁束密度は、ヨーク部分層の飽和磁束密度以上であってもよい。この場合には、第2の磁性層の途中における磁束の飽和を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1に示した薄膜磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。
【図4】図1に示した薄膜磁気ヘッドの要部を示す斜視図である。
【図5】比較例の薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図8】図7に続く工程を示す断面図である。
【図9】図8に続く工程を示す断面図である。
【図10】図9に続く工程を示す断面図である。
【図11】図10に続く工程を示す断面図である。
【図12】図11に続く工程を示す断面図である。
【図13】図12に続く工程を示す断面図である。
【図14】図13に続く工程を示す断面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。
【図16】図15のC−C線断面図である。
【図17】図15に示した薄膜磁気ヘッドの要部を示す斜視図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図19】図18に続く工程を示す断面図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。
【図21】図20のD−D線断面図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図23】図22に続く工程を示す断面図である。
【図24】図23に続く工程を示す断面図である。
【図25】図24に続く工程を示す断面図である。
【図26】図25に続く工程を示す断面図である。
【図27】図26に続く工程を示す断面図である。
【図28】図27に続く工程を示す断面図である。
【図29】図28に続く工程を示す断面図である。
【図30】本発明の第4の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
3…下部シールド層、4…絶縁層、5…MR素子、6…上部シールド層、7…非磁性層、8…第1の磁性層、9…ギャップ層、9A,9B,9C…絶縁層、10…薄膜コイル、14…第2の磁性層、14A…磁極部分層、14B…ヨーク部分層、14C…連結部、15…非磁性層。

Claims (16)

  1. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    記録媒体の進行方向の前後に所定の間隔を開けて互いに対向するように配置された磁極部分を含むと共に、前記媒体対向面から離れた位置において互いに磁気的に連結された第1および第2の磁性層と、
    非磁性材料よりなり、前記第1の磁性層と第2の磁性層との間に設けられたギャップ層と、
    少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルと、
    前記磁極部分層の前記ギャップ層とは反対側の面の全面に接する非磁性層とを備え、
    前記非磁性層の前記ギャップ層とは反対側の面は平坦であり、
    前記第2の磁性層は、磁極部分を含み、媒体対向面における幅がトラック幅を規定する磁極部分層と、前記磁極部分と前記第1の磁性層とを磁気的に接続するヨーク部分層とを有し、
    前記ヨーク部分層は、前記磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において、前記磁極部分層に対して磁気的に接続され、
    前記磁極部分層の前記ヨーク部分層との接続面の少なくとも一部は、前記磁極部分層の前記ギャップ層側の面に垂直な方向に対して傾いており、
    前記ヨーク部分層は、更に、前記磁極部分層の前記ギャップ層側の面において、前記磁極部分層に対して磁気的に接続されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記ヨーク部分層は、更に、前記非磁性層を介して前記磁極部分層の前記ギャップ層とは反対側の面に隣接し、前記非磁性層を介して前記磁極部分層に磁気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    記録媒体の進行方向の前後に所定の間隔を開けて互いに対向するように配置された磁極部分を含むと共に、前記媒体対向面から離れた位置において互いに磁気的に連結された第1および第2の磁性層と、
    非磁性材料よりなり、前記第1の磁性層と第2の磁性層との間に設けられたギャップ層と、
    少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを備え、
    前記第2の磁性層は、磁極部分を含み、媒体対向面における幅がトラック幅を規定する磁極部分層と、前記磁極部分と前記第1の磁性層とを磁気的に接続するヨーク部分層とを有し、
    前記ヨーク部分層は、前記磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において、前記磁極部分層に対して磁気的に接続され、
    前記磁極部分層の前記ヨーク部分層との接続面の少なくとも一部は、前記磁極部分層の前記ギャップ層側の面に垂直な方向に対して傾いており、
    前記ヨーク部分層は、更に、前記磁極部分層の前記ギャップ層側の面において、前記磁極部分層に対して磁気的に接続されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記接続面の少なくとも一部は、前記接続面の少なくとも一部と前記磁極部分層の前記ギャップ層側の面とのなす角度が90°を超えるように傾いていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記接続面の少なくとも一部を含む断面において、前記ヨーク部分層の厚みは前記磁極部分層の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記磁極部分層の飽和磁束密度は、前記ヨーク部分層の飽和磁束密度以上であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 更に、再生素子としての磁気抵抗効果素子を備えたことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 垂直磁気記録方式に用いられることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 記録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体の進行方向の前後に所定の間隔を開けて互いに対向するように配置された磁極部分を含むと共に、前記媒体対向面から離れた位置において互いに磁気的に連結された第1および第2の磁性層と、非磁性材料よりなり、前記第1の磁性層と第2の磁性層との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルと、前記磁極部分層の前記ギャップ層とは反対側の面の全面に接する非磁性層とを備え、前記非磁性層の前記ギャップ層とは反対側の面は平坦であり、前記第2の磁性層は、磁極部分を含み、媒体対向面における幅がトラック幅を規定する磁極部分層と、前記磁極部分と前記第1の磁性層とを磁気的に接続するヨーク部分層とを有する薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記第1の磁性層を形成する工程と、
    前記ギャップ層を形成する工程と、
    前記薄膜コイルを形成する工程と、
    ヨーク部分層が、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において、磁極部分層に対して磁気的に接続され、且つ、磁極部分層のヨーク部分層との接続面の少なくとも一部が磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な方向に対して傾いて配置されるように、磁極部分層とヨーク部分層とを有する前記第2の磁性層を形成する工程と、
    前記非磁性層を形成する工程とを備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  10. 前記ヨーク部分層は、更に、前記非磁性層を介して前記磁極部分層の前記ギャップ層とは反対側の面に隣接し、前記非磁性層を介して前記磁極部分層に磁気的に接続されることを特徴とする請求項記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  11. 前記第2の磁性層を形成する工程は、前記非磁性層を形成する工程の後で、前記ヨーク部分層のうちの少なくとも前記磁極部分層に対して磁気的に接続される部分を形成する工程と、前記非磁性層およびヨーク部分層を覆うように保護層を形成する工程と、前記非磁性層が露出するまで前記保護層を研磨して、前記ヨーク部分層の前記ギャップ層とは反対側の面のうち、前記磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において前記磁極部分層に対して磁気的に接続される部分の近傍を、前記非磁性層の前記ギャップ層とは反対側の面と共に平坦化する工程とを含むことを特徴とする請求項記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  12. 前記ヨーク部分層は、更に、前記磁極部分層の前記ギャップ層側の面において、前記磁極部分層に対して磁気的に接続されることを特徴とする請求項ないし11のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  13. 記録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体の進行方向の前後に所定の間隔を開けて互いに対向するように配置された磁極部分を含むと共に、前記媒体対向面から離れた位置において互いに磁気的に連結された第1および第2の磁性層と、非磁性材料よりなり、前記第1の磁性層と第2の磁性層との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを備え、前記第2の磁性層は、磁極部分を含み、媒体対向面における幅がトラック幅を規定する磁極部分層と、前記磁極部分と前記第1の磁性層とを磁気的に接続するヨーク部分層とを有する薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記第1の磁性層を形成する工程と、
    前記ギャップ層を形成する工程と、
    前記薄膜コイルを形成する工程と、
    ヨーク部分層が、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において、磁極部分層に対して磁気的に接続され、且つ、磁極部分層のヨーク部分層との接続面の少なくとも一部が磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な方向に対して傾いて配置されるように、磁極部分層とヨーク部分層とを有する前記第2の磁性層を形成する工程とを備え、
    前記ヨーク部分層は、更に、前記磁極部分層の前記ギャップ層側の面において、前記磁極部分層に対して磁気的に接続されることを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  14. 前記接続面の少なくとも一部は、前記接続面の少なくとも一部と前記磁極部分層の前記ギャップ層側の面とのなす角度が90°を超えるように傾いて配置されることを特徴とする請求項ないし13のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  15. 前記接続面の少なくとも一部を含む断面において、前記ヨーク部分層の厚みは前記磁極部分層の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項ないし14のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  16. 前記磁極部分層の飽和磁束密度は、前記ヨーク部分層の飽和磁束密度以上であることを特徴とする請求項ないし15のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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