JP3997886B2 - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素半導体装の製造方法に関し、特にパワーFET(電界効果トランジスタ)の炭化珪素半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素(以下SiC)はバンドギャップが広く、また最大絶縁破壊電界がシリコン(以下Si)と比較して一桁も大きい。さらに、SiCの自然酸化物はSiO2 であり、Siと同様の方法により容易にSiCの表面上に熱酸化膜を形成できる。このため、SiCは電気自動車の高速/高電圧スイッチング素子、特に高電力ユニ/バイポーラ素子として用いた際に非常に優れた材料となることが期待される。
【0003】
図5は例えば以下に示す文献(特許文献1、特許文献2参照)に記載された、一般的なSiCパワーMOSFETの構造を示す断面図である。図5において、高濃度N+ 型SiC基板501上にN- 型SiCエピタキシャル領域502が形成されている。エピタキシャル領域502の表層部における所定領域には、P型ウエル領域503が形成され、P型ウエル領域503内にはN+ 型ソース領域504が形成され、P型ウエル領域503内のN+ 型ソース領域504間には、コンタクト領域505が形成されている。
【0004】
また、P型ウエル領域503上にはゲート絶縁膜506を介してゲート電極507が配置され、ゲート電極507は層間絶縁膜508にて覆われている。P型ウエル領域503およびN+ 型ソース領域504に接するようにソース電極509が形成されるとともに、N+ 型SiC基板501の裏面にはドレイン電極510が形成されている。
【0005】
このパワーMOSFETの動作としては、ドレイン電極510とソース電極509との間に電圧が印加された状態で、ゲート電極507に正の電圧が印加されると、ゲート電極507に対向したP型ウエル領域503の表層に反転型のチャネルが形成され、ドレイン電極510からソース電極509へと電流を流すことが可能となる。また、ゲート電極507に印加された電圧を取り去ることによってドレイン電極510とソース電極508との間は電気的に絶縁され、スイッチング機能を示すことになる。
【0006】
このようなSiCを用いた高耐圧デバイスの製造においては、Siに比して不純物拡散係数が一桁程度小さいために、不純物領域をイオン注入技術により形成している。
【0007】
次に、イオン注入を用いた上記SiCパワーMOSFETの製造方法の一例を、図6(a)〜同図(f)の工程断面図を用いて説明する。
【0008】
まず、図6(a)の工程においては、N+ 型SiC基板501上に例えば不純物濃度が1E14〜1E18cm-3、厚さが1〜100μmのN- 型SiCエピタキシャル領域502を形成する。
【0009】
次に、図6(b)の工程においては、エピタキシャル領域502に対して犠牲酸化を行い、その犠牲酸化膜を除去した後にマスク材601を用いて、例えば100〜1000℃の高温でアルミニウムイオン602を10k〜3MeVの加速電圧で多段注入し、P型ウエル領域503を形成する。総ドーズ量は、例えば1E12〜1E16/cm2 である。なお、P型不純物としてはアルミニウムの他にほう素、ガリウムなどを用いてもよい。
【0010】
次に、図6(c)の工程においては、2つのマスク材、すなわちマスク材603とマスク材604を用いて例えば100〜1000℃の高温で燐イオン605を10k〜1MeVの加速電圧で多段注入し、N+ 型ソース領域504を形成する。総ドーズ量は、例えば1E14〜1E16/cm2 である。なお、N型不純物としては燐の他に窒素、ヒ素などを用いてもよい。
【0011】
次に、図6(d)の工程においては、マスク材606を用いて例えば100〜1000℃の高温でアルミニウムイオン607を10k〜1MeVの加速電圧で多段注入し、P+ 型コンタクト領域505を形成する。総ドーズ量は、例えば1E14〜1E16/cm2 である。なお、P型不純物としてはアルミニウムの他にほう素、ガリウムなどを用いてもよい。また、各領域を形成するイオン注入を行う順番については、本例で示す限りではない。
【0012】
次に、図6(e)の工程においては、例えば1000〜1800℃での熱処理を行い、注入した不純物を活性化させる。
【0013】
最後に、図6(f)の工程においては、ゲート絶縁膜506を1200℃程度での熱酸化により形成し、続いて例えば多結晶シリコンによりゲート電極507を形成する。次に、層間絶縁膜508としてCVD酸化膜を堆積する。
【0014】
その後は、特に図示しないが、層間膜絶縁膜508に対して、N+ 型ソース領域504及びP+ 型コンタクト領域505上にコンタクトホールを開孔し、ソース電極509を形成する。また、基板501の裏面にドレイン電極510として金属膜を蒸着し、例えば600〜1400℃程度で熱処理してオーミック電極とし、図5に示す従来のSiCパワーMOSFETが完成する。
【0015】
【特許文献1】
特開平10−233503号公報(第5頁、図1)
【0016】
【特許文献2】
特開平11−68097号公報(第6頁、図1)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、不純物拡散係数の小さいSiCを用いて、イオン注入によってP型ウエル領域503を形成する、従来のSiCパワーMOSFETでは、N+ 型ソース領域504に対してウエル領域503を十分に深く形成することが難しい。そのため、ドレイン電極510に高電圧が印加されたときに、P型ウエル領域503でパンチスルーが起きやすくなるという問題があった。
【0018】
パンチスルーを防ぐためには、P型ウエル領域503の不純物濃度を十分高くする必要がある。ところが、P型ウエル領域503の不純物濃度を大きくすると、ゲートしきい値電圧が高くなるという問題が生じると共に、不純物散乱の増大によりチャネル移動度が低下し、チャネル抵抗が大きくなるという問題があった。
【0019】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、しきい値電圧の増大ならびにパンチスルーを防止し、かつチャネル抵抗の低下を達成し得る炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、第1導電型の炭化珪素半導体基板上に第1導電型のドリフト領域を形成する第1の工程と、前記第1の工程で形成された前記ドリフト領域の表層部に第2導電型の低濃度ウエル領域を形成する第2の工程と、前記第1の工程で形成された前記ドリフト領域上に、第1のマスクパターンと第2のマスクパターンを形成する第3の工程と、前記第1ならびに第2のマスクパターンを介して前記低濃度ウエル領域に不純物を導入し、前記低濃度ウエル領域内に第1導電型のソース領域を形成する第4の工程と、前記第2のマスクパターンのみを除去する第5の工程と、前記第1のマスクパターンを介して前記ソース領域よりも深く不純物を導入し、少なくとも前記低濃度ウエル領域の一部に接合して第2導電型の高濃度ウエル領域を、前記ソース領域に対して自己整合的に形成する第6の工程と、前記ソース領域と前記ドリフト領域との間に形成されるチャネル領域上にゲート電極を形成する第7の工程とを有することを特徴とする。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高濃度ウエル領域とドリフト領域との接合に高電界が印加されても高濃度ウエル領域には、空乏層が伸張しないため、パンチスルーを防止することができる。また、ウエル抵抗が小さくなり、アバランシェ耐量を大きくすることができる。さらに、チャネルは低濃度のウエル領域内に形成されるため、チャネル内における不純物散乱は小さく、ゲートしきい値電圧を小さくできるとともに、チャネル抵抗を小さくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0023】
図1は本発明の第1の実施形態に係る炭化珪素半導体装置の構成を示す断面図である。図1において、この第1の実施形態の炭化珪素半導体装置は、高濃度
N+ 型SiC基板101上にN- 型SiCエピタキシャル領域(ドリフト領域)102が形成されている。エピタキシャル領域102の表層部における所定領域には、P- 型低濃度ウエル領域103が形成されている。P- 型低濃度ウエル領域103内には、N+ 型ソース領域105が形成され、このソース領域105の直下には、P+ 型高濃度ウエル領域104が形成されている。P+ 型高濃度ウエル領域104内のN+ 型ソース領域105間には、コンタクト領域106が形成されている。
【0024】
また、P- 型低濃度ウエル領域103上には、ゲート絶縁膜107を介してゲート電極108が配置され、ゲート電極108は層間絶縁膜109にて覆われている。N+ 型ソース領域105に接するようにソース電極110が形成されているとともに、N+ 型SiC基板101の裏面にはドレイン電極111が形成されている。
【0025】
上記構成の半導体装置における動作を説明する。なお、基本的な動作は図5に示す従来のSiCパワーMOSFETのそれと同様である。
【0026】
ドレイン電極111とソース電極110との間に電圧が印加された状態で、ゲート電極108に正の電圧が印加されると、ゲート電極108に対向するP- 型低濃度ウエル領域103の表層に、反転型チャネルが形成される。その結果、ドレイン電極111からP- 型低濃度ウエル領域103、N+ 型ソース領域105を経て、ソース電極110へと電流が流れる。一方、ゲート電極108に印加された電圧を取り去ると、P- 型低濃度ウエル領域103の表層に形成されたチャネルは消失する。その結果、ドレイン電極111とソース電極110との間は電気的に絶縁され、スイッチング機能を示すことになる。
【0027】
ドレイン電圧が大きくなると、P+ 型高濃度ウエル領域104とN- 型エピタキシャル領域102との接合界面からエピタキシャル領域102側に伸張する空乏層によって、P- 型低濃度ウエル領域103およびゲート絶縁膜107に印加される電界が緩和される。そして、素子の耐圧は、P+ 型高濃度ウエル領域104とN- 型エピタキシャル領域102間のPN接合のアバランシェブレークダウンで決まるから、P+ 型高濃度ウエル領域104が無い場合に比べてドレイン耐圧が高くなる。
【0028】
次に、図1に示す構成の半導体装置の製造方法の一例を、図2(a)〜同図(h)に示す工程断面図を用いて説明する。
【0029】
まず、図2(a)の工程においては、N+ 型SiC基板101上に例えば不純物濃度が1E14〜1E18cm-3、厚さが1〜100μmのN- 型SiCエピタキシャル領域102を形成する。
【0030】
次に、図2(b)の工程においては、エピタキシャル領域102に対して犠牲酸化を行い、その犠牲酸化膜を除去した後(犠牲酸化はしなくても構わない)、マスク材201を用いて、例えば100〜1000℃の高温でアルミニウムイオン202を10k〜3MeVの加速電圧で多段注入し、P- 型低濃度ウエル領域103を形成する。総ドーズ量は、例えば1E12〜1E16/cm2 である。なお、P型不純物としてはアルミニウムの他にほう素、ガリウムなどを用いてもよい。
【0031】
次に、図2(c)の工程においては、同時に形成した2つのマスク材、すなわちマスク材203ならびにマスク材204を用いて、例えば100〜1000℃の高温で燐イオン205を10k〜1MeVの加速電圧で多段注入し、N+ 型ソース領域105を形成する。総ドーズ量は、例えば1E14〜1E16/cm2 である。なお、N型不純物としては燐の他に窒素、ヒ素などを用いてもよい。
【0032】
次に、図2(d)の工程においては、例えば感光材(フォトレジスト)206を用いて、マスク材203は残したままマスク材204だけを除去する。
【0033】
このとき、感光材206は必ずマスク材203を覆って、かつマスク材204に接触しないようにフォトリソグラフィによりパターニングして形成する必要がある。しかし、マスク材203とマスク材204との間隔は、最小設計寸法の数倍は確保されるため、フォトリソグラフィの合わせずれを見込んだデザイン設計をする必要はない。例えば、現状ではマスク材203とマスク材204との間隔は、コンタクト抵抗の低減やコンタクトホールの形成時のサイドエッチングを考慮しなくてはならない等、他のプロセス・デバイス要因に律速されて、最低でも3μm程度は確保されなくてはならない。そして、3μmもあれば、感光材206を通常のフォトリソグラフィにより、マスク材203を覆ってかつマスク材204に接触しないように形成することが十分可能である。
【0034】
次に、図2(e)の工程においては、感光材(フォトレジスト)206を除去した後に、マスク材203を用いて例えば100〜1000℃の高温でアルミニウムイオン207を10k〜3MeVの加速電圧で多段注入し、P+ 型高濃度ウエル領域104を形成する。総ドーズ量は、例えば1E14〜1E16/cm2 である。なお、P型不純物としてはアルミニウムの他にほう素、ガリウムなどを用いてもよい。
【0035】
上記工程において、マスク材203を用いることで、N+ 型ソース領域105に対してP+ 型高濃度ウエル領域104が自己整合的に形成される。
【0036】
次に、図2(f)の工程においては、マスク材208用いて例えば100〜1000℃の高温でアルミニウムイオン209を10k〜1MeVの加速電圧で多段注入し、P+ 型コンタクト領域106を形成する。総ドーズ量は、例えば1E14〜1E16/cm2 である。なお、P型不純物としてはアルミニウムの他にほう素、ガリウムなどを用いてもよい。
【0037】
なお、各領域を形成するイオン注入を行う順番については、本例で示す限りではない。
【0038】
次に、図2(g)の工程においては、例えば1000〜1800℃での熱処理を行い。注入した不純物を活性化させる。
【0039】
最後に、図2(h)の工程においては、ゲート絶縁膜107を1200℃程度での熱酸化により形成し、続いて例えば多結晶シリコンによりゲート電極108を形成する。次に、層間膜絶縁膜109としてCVD酸化膜を堆積する。その後、特に図示しないが、層間膜絶縁膜109に対して、N+ 型ソース領域105及びP+ 型コンタクト領域106上にコンタクトホールを開孔し、ソース電極110を形成する。また、基板101裏面にドレイン電極111として金属膜を蒸着し、例えば600〜1400℃程度で熱処理してオーミック電極として、図1に示す半導体装置が完成する。
【0041】
上記第1の実施形態においては、N+ 型ソース領域105の直下にP+ 型高濃度ウエル領域104を自己整合的に形成できるため、P+ 型高濃度ウエル領域104とN- 型エピタキシャル領域102との接合に高電界が印加されても、P+ 型高濃度ウエル領域104には空乏層が伸張しないので、パンチスルーを防ぐことができる。
【0042】
また、ウエル抵抗が小さくなり、P+ 型高濃度ウエル領域104でのキャリアの滞留が生じにくくなる。これにより、N+ 型ソース領域105、P+ 型高濃度ウエル領域104とN- 型エピタキシャル領域102により形成される寄生バイポーラトランジスタが動作しにくくなるという、いわゆるアバランシェ耐量を大きくすることができる。さらに、チャネルは低濃度のウエル領域103内に形成されるため、チャネル内における不純物散乱は小さくなり、ゲートしきい値電圧を小さくすることができるとともに、チャネル抵抗も小さくすることができる。
【0044】
図3は本発明の第2の実施形態に係る炭化珪素半導体装置の構成を示す断面図である。図3において、この第2の実施形態の炭化珪素半導体装置の特徴とするところは、前述した第1の実施形態の構成に比べて、N+ 型ソース領域105の直下に形成されるP+ 型高濃度ウエル領域301が、P- 型低濃度ウエル領域302に覆われている点である。すなわち、P+ 型高濃度ウエル領域301は、
N- 型エピタキシャル領域102に形成されたP- 型低濃度ウエル領域302内に形成されている。他の構成は、図1に示す第1の実施形態と同様である。
【0045】
次に、この第2の実施形態の半導体装置の動作について説明する。なお、基本的な動作は、図1に示す第1の実施形態のそれと同様である。
【0046】
ドレイン電極111とソース電極110との間に電圧が印加された状態で、ゲート電極108に正の電圧が印加されると、ゲート電極108に対向するP- 型低濃度ウエル領域302の表層に、反転型チャネルが形成される。その結果、ドレイン電極111からP- 型低濃度ウエル領域302、N+ 型ソース領域105を経て、ソース電極110へと電流が流れる。一方、ゲート電極108に印加された電圧を取り去ると、P- 型低濃度ウエル領域302の表層に形成されたチャネルは消失する。その結果、ドレイン電極111とソース電極110との間は電気的に絶縁され、スイッチング機能を示すことになる。
【0047】
そして、素子の耐圧は、P- 型低濃度ウエル領域302を介して形成される
P+ 型高濃度ウエル領域301とN- 型エピタキシャル領域102間のPN接合のアバランシェブレークダウンで決まるため、P+ 型高濃度ウエル領域301が無い場合に比べてドレイン耐圧が高くなる。
【0048】
次に、図3に示す第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を、図4(a)〜同図(g)の工程断面図を用いて説明する。
【0049】
まず、図4(a)の工程においては、N+ 型SiC基板101上に例えば不純物濃度が1E14〜1E18cm-3、厚さが1〜100μmのN- 型SiCエピタキシャル領域102を形成する。
【0050】
次に、図4(b)の工程においては、エピタキシャル領域102に対して犠牲酸化を行い、その犠牲酸化膜を除去した後(犠牲酸化はしなくても構わない)に、同時に形成した2つのマスク材、すなわちマスク材401とマスク材402を用いて、例えば100〜1000℃の高温で燐イオン403を10k〜1MeVの加速電圧で多段注入し、N+ 型ソース領域105を形成する。総ドーズ量は、例えば1E14〜1E16/cm2 である。なお、N型不純物としては燐の他に窒素、ヒ素などを用いてもよい。
【0051】
次に、図4(c)の工程においては、例えば感光材(フォトレジスト)404を用いて、マスク材401は残したままマスク材402だけを除去する。このとき、感光材404は必ずマスク材401を覆って、かつマスク材402に接触しないようにフォトリソグラフィによりパターニングして形成する必要がある。しかし、マスク材401とマスク材402との間隔は、最小設計寸法の数倍は確保されるため、フォトリソグラフィの合わせずれを見込んだデザイン設計をする必要はない。例えば、現状ではマスク材401とマスク材402との間隔は、コンタクト抵抗の低減やコンタクトホールの形成時のサイドエッチングを考慮しなくてはならない等、他のプロセス・デバイス要因に律速されて、最低でも3μm程度は確保されなくてはならない。そして、3μmもあれば、感光材404を通常のフォトリソグラフィにより、マスク材401を覆ってかつマスク材402に接触しないように形成することが十分可能である。
【0052】
次に、図4(d)の工程においては、感光材(フォトレジスト)404を除去した後に、マスク材401を用いて例えば100〜1000℃の高温でほう素イオン405を10k〜3MeVの加速電圧で多段注入し、P+ 型高濃度ウエル領域301を形成する。総ドーズ量は、例えば1E14〜1E16/cm2 である。このような工程において、マスク材401を用いることで、N+ 型ソース領域105に対してP+ 型高濃度ウエル領域301が自己整合的に形成される。
【0053】
なお、この後、図4(f)に示す工程にて行う熱処理により、不純物を拡散させて、P- 型低濃度ウエル領域302を形成する。そのためには、P+ 型高濃度ウエル領域301を形成するP型不純物は、ほう素が好ましい。SiCを熱処理した時に、ほう素はSiC中を拡散しやすいためである。ほう素を用いることで拡散により容易にP- 型低濃度ウエル領域302を形成できる。なお、ほう素とアルミニウムを共に注入して、熱処理時にほう素を拡散させることで、P- 型低濃度ウエル領域302を形成してももよい。
【0054】
次に、図4(e)の工程においては、マスク材406を用いて、例えば100〜1000℃の高温でアルミニウムイオン407を10k〜1MeVの加速電圧で多段注入し、P+ 型コンタクト領域106を形成する。総ドーズ量は、例えば1E14〜1E16/cm2 である。なお、P型不純物としてはアルミニウムの他にほう素、ガリウムなどを用いてもよい。
【0055】
なお、各領域を形成するイオン注入を行う順番については、本例で示す限りではない。
【0056】
次に、図4(f)の工程においては、例えば1000〜1800℃で熱処理を行い、注入した不純物を活性化させる。熱処理時、図4(d)に示す工程でP+ 型高濃度ウエル領域301を形成するために導入した不純物を拡散させて、P- 型低濃度ウエル領域302を形成する。N+ 型ソース領域105とP+ 型高濃度ウエル領域301は、自己整合的に形成されるため、N+ 型ソース領域105に対してP- 型低濃度ウエル領域302も自己整合的に形成される。
【0057】
最後に、図4(g)の工程においては、ゲート絶縁膜107を1200℃程度での熱酸化により形成し、続いて例えば多結晶シリコンによりゲート電極108を形成する。次に、層間膜絶縁膜109としてCVD酸化膜を堆積する。その後、特に図示しないが、層間膜絶縁膜109に対してN+ 型ソース領域105及びP+ 型コンタクト領域106上にコンタクトホールを開孔し、ソース電極110を形成する。また、基板101裏面にドレイン電極111として金属膜を蒸着し、例えば600〜1400℃程度で熱処理してオーミック電極として、図3に示す第2の実施形態の半導体装置が完成する。
【0059】
上記第2の実施形態の半導体装置においては、N+ 型ソース領域105に対して、P- 型低濃度ウエル領域302も自己整合的に形成できるため、先の第1の実施形態で得られる効果に加えて、P- 型低濃度ウエル領域103とN+ 型ソース領域105を形成するための図2(c)に示すそれぞれのマスク材201とマスク材203の、合わせ精度を考慮したデザイン設計をする必要がなくなり、素子を微細化することができる。さらに、図2(b)に示す工程で使用されるマスク材201を形成する工程、ならびに図2(b)に示すイオン注入を行う工程が不要となるため、第1の実施形態に比べて、製造プロセスの簡略化を図ることができる。
【0061】
なお、上記第1ならびに第2の実施形態で用いられる炭化珪素(SiC)のポリタイプは4Hが代表的であるが、6H、3C等その他のポリタイプでも構わない。また、上記実施形態では、すべてドレイン電極111をSiC基板101の裏面に形成し、ソース電極110を基板101の表面に配置して、電流を素子内部に縦方向に流す構造の半導体装置で説明したが、例えばドレイン電極をソース電極と同じく基板表面に配置して、電流を横方向に流す構造の半導体装置でも本発明が適用可能である。
【0062】
また、上記実施形態においては、例えばドレイン領域101がN型、低濃度ウエル領域103がP型となるような構成で説明したが、N型、P型の組み合わせはこの限りではなく、例えばドレイン領域101がP型、低濃度ウエル領域103がN型となるような構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る炭化珪素半導体装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す構成の半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る炭化珪素半導体装置の構成を示す断面図である。
【図4】図3に示す構成の半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。
【図5】従来の炭化珪素半導体装置の構成を示す断面図である。
【図6】図5に示す構成の半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。
【符号の説明】
101 N+ 型SiC基板
102 N- 型SiCエピタキシャル領域
103,302 P- 型低濃度ウエル領域
104,301 P+ 型高濃度ウエル領域
105 N+ 型ソース領域
106 P+ 型コンタクト領域
107 ゲート絶縁膜
108 ゲート電極
109 層間絶縁膜
110 ソース電極
111 ドレイン電極
201,203,204,208,401,402,406 マスク材
202,207,209 アルミニウムイオン注入
205 燐イオン注入
206,404 フォトレジスト
405 ほう素イオン注入

Claims (2)

  1. 第1導電型の炭化珪素半導体基板上に第1導電型のドリフト領域を形成する第1の工程と、
    前記第1の工程で形成された前記ドリフト領域の表層部に第2導電型の低濃度ウエル領域を形成する第2の工程と、
    前記第の工程で形成された前記ドリフト領域上に、第1のマスクパターンと第2のマスクパターンを形成する第3の工程と、
    前記第1ならびに第2のマスクパターンを介して前記低濃度ウエル領域に不純物を導入し、前記低濃度ウエル領域内に第1導電型のソース領域を形成する第4の工程と、
    前記第2のマスクパターンのみを除去する第5の工程と、
    前記第1のマスクパターンを介して前記ソース領域よりも深く不純物を導入し、少なくとも前記低濃度ウエル領域の一部に接合して第2導電型の高濃度ウエル領域を、前記ソース領域に対して自己整合的に形成する第6の工程と、
    前記ソース領域と前記ドリフト領域との間に形成されるチャネル領域上にゲート電極を形成する第7の工程と
    を有することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 第1導電型の炭化珪素半導体基板上に第1導電型のドリフト領域を形成する第1の工程と、
    前記第1の工程で形成された前記ドリフト領域上に、第1のマスクパターンと第2のマスクパターンを形成する第2の工程と、
    前記第1ならびに第2のマスクパターンを介して前記ドリフト領域に不純物を導入し、前記ドリフト領域内に第1導電型のソース領域を形成する第3の工程と、
    前記第2のマスクパターンのみを除去する第4の工程と、
    前記第1のマスクパターンを介して不純物を導入し、前記ソース領域の直下に、第2導電型の高濃度ウエル領域を、前記ソース領域に対して自己整合的に形成する第5の工程と、
    前記第5の工程で導入された不純物を熱処理により前記高濃度ウエル領域の周囲に拡散させ、前記高濃度ウエル領域の周囲に第2導電型の低濃度ウエル領域を形成する第6の工程と、
    前記ソース領域と前記ドリフト領域との間に形成されるチャネル領域上にゲート電極を形成する第7の工程と
    を有することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
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