JP3997659B2 - 機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法 - Google Patents

機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工性に優れ、かつ機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱延鋼板および冷延鋼板は、自動車、産業機械等に広く使用されている。そして、それらの用途にはプレス加工で成形される部材が多いため、その部材の形状に応じて様々な加工性が要求される。
【0003】
しかしながら、近年の自動車、産業機械等のメーカーからの合理化の要求が厳しく、特に同メーカーでの製品の製造時での歩留まりのさらなる向上が求められている。このような背景から、材質面では特に均一性の高いことが重要となっている。
【0004】
このような観点から、熱延連続化のプロセスを用いて、圧延鋼板の先端部および後端部での材質の向上を図るとともに、コイル内の材質のばらつきの解消を図る技術が提案されている(特開平9−241742号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この技術において得られている材質特性(コイル幅中央での測定値)は、30K級〜70K級の鋼板での引張強度(TS)の変動幅でみて4.5〜6.3%と必ずしもユーザー側で満足のいくものではなかった。さらに、この技術ではコイルの幅方向については考慮されておらず、実際にこの技術を用いた場合にはコイルの幅方向の均一性に劣るといった問題が生じる。
【0006】
このように、コイルの幅方向で組織がばらつくと、に寸法精度の厳しいプレス加工品においては、プレス加工時にコイル内の製品採取位置により、スプリングバックの違いに起因してプレス加工後における加工部品の寸法精度に問題が生じるため、製品の歩留まりが低くなるといった問題が生じる。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、寸法精度の厳しいプレス加工用途にも適合し得る、機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、自動車、産業機械等のメーカーでの使用条件からみて、コイルからの製品採取を高歩留まりで行なうことができる、機械的性質が均一な薄鋼板を得るためには、組成を適正なものとした鋼の連続鋳造スラブを再加熱後または直接熱間圧延するに際して、
(1)コイル内の仕上げ圧延温度差を50℃以下とし、かつ、該仕上げ圧延温度範囲を圧延対象材の変態点に応じて、C≦0.80%の場合にはAr−20〜Ar+50℃、C>0.80%ではArcm−20〜Arcm+100℃の範囲内に制御すること
(2)続いて、ランナウト冷却における冷却速度のコイル内での変動を30℃/sec以下とし、その後の巻き取りにおけるコイル内の巻き取り温度差を50℃以内とすること
が必要であることを見出した。
【0009】
また、コイル内の仕上げ圧延温度差を50℃以下とするためには、仕上げ圧延において、コイル内の圧延速度差を400mpm以下とし、かつ前記鋼帯の全体の再加熱温度を加熱装置の前後に設置された温度計により検出することにより調整することが有効であること、および、再加熱の前工程、または後工程、または前後工程で鋼帯の幅方向エッジを鋼帯の温度を基準として100℃以下で加熱することが、機械的性質の均一性をより高める観点から好ましいことを見出した。
【0010】
一方、機械的性質が均一な冷延鋼板を得るためには、上記のようにして得られた熱延鋼板を素材として用いて、冷間圧延と再結晶焼鈍を施すことが必要であることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(6)を提供するものである。
(1) 重量%にて、C:1%以下、Si:2.5%以下、Mn:3.0%以下を含有する鋼を連続鋳造した後、得られた鋼スラブを再加熱後または直接熱間圧延するに際して、粗圧延を施し、その後に該鋼帯の全体を再加熱し、仕上げ圧延を行う際に、コイル内の圧延速度差を400mPm以下とし、コイル内の仕上げ圧延温度差を50℃以下とし、さらに該仕上げ圧延温度範囲を圧延対象材の変態点に応じて、C≦0.80%の場合にはAr−20〜Ar+50℃、C>0.80%ではArcm−20〜Arcm+100℃の範囲内に制御し、引き続きランナウト冷却における冷却速度のコイル内での変動を30℃/sec以下とし、その後の巻き取りにおけるコイル内の巻き取り温度差を50℃以内とすることを特徴とする、機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法。
【0012】
(2) 重量%にて、C:1%以下、Si:2.5%以下、Mn:3.0%以下を含有する鋼を連続鋳造した後、得られた鋼スラブを再加熱後または直接熱間圧延するに際して、粗圧延を施し、その後に該鋼帯の全体を再加熱し、仕上げ圧延を行う際に、コイル内の圧延速度差を400mPm以下とし、コイル内の仕上げ圧延温度差を50℃以下とし、さらに該仕上げ圧延温度範囲を圧延対象材の変態点に応じて、C≦0.80%の場合にはAr−20〜Ar+50℃、C>0.80%ではArcm−20〜Arcm+100℃の範囲内に制御し、引き続きランナウト冷却における冷却速度のコイル内での変動を30℃/sec以下とし、引き続き行われる巻き取りにおけるコイル内の巻き取り温度差を50℃以内とし、その後、冷間圧延および再結晶焼鈍することを特徴とする、機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法。
【0013】
(3) 上記(1)、(2)において、仕上げ圧延の際におけるコイル内の圧延速度差を400mpm以下とし、かつ前記再加熱に用いられる加熱装置の前後に設置された温度計により前記再加熱温度を検出してその加熱温度を調整することにより、コイル内の仕上げ圧延温度差を50℃以下とすることを特徴とする、機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法。
【0014】
(4) 上記(1)〜(3)において、前記再加熱の前工程、または後工程、または前後工程で鋼帯の幅方向エッジを鋼帯の温度を基準として100℃以下で加熱することを特徴とする、機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法。
【0015】
(5) 上記(1)〜(4)において、さらにTi、Nb、V、Zrのうち1種または2種以上を0.01〜0.2%含有することを特徴とする、機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法。
【0016】
(6) 上記(1)〜(5)において、さらにB:0.0001〜0.010%を含有することを特徴とする、機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】
上述したように、コイルからの製品採取を高歩留まりで行なうためには、まず、鋼中の成分を最適化することが必要である。
【0018】
このために本発明では、鋼の基本組成を、重量%にて、C:1%以下、Si:2.5%以下、Mn:3.0%以下としている。
以下、これらの限定理由について説明する。
【0019】
C:1%以下
Cは鋼板の加工性に悪影響を及ぼす元素であるため、その含有量は少ない方が好ましい。C量が1%を超えると、加工性の劣化が著しくなることから、その含有量を1%以下とした。加工性の向上のためのより好ましい範囲は0.2%であり、加工性をさらに高いレベルとする観点からは0.05%以下であることが一層好ましい。
【0020】
Si:2.5%以下
Siは鋼板を固溶強化する作用を有するが、加工性に悪影響を及ぼす元素であるため少ないほうが好ましい。Si量が2.5%を超えると、加工性の劣化が著しくなることから、その含有量を2.5%以下とした。加工性の向上のためのより好ましい範囲は0.5%以下である。加工性をさらに高いレベルとする観点からは0.1%以下であることが一層好ましい。
【0021】
Mn:3.0%以下
Mnは鋼板の靭性を改善し、鋼板を固溶強化する作用を有するが、加工性に悪影響を及ぼす元素である。Mn量が3.0%を超えると、強度が上昇し、加工性の劣化が著しくなることから、その含有量を3.0%以下とした。加工性の向上のためのより好ましい範囲は2.0%以下である。加工性をさらに高いレベルとする観点からは0.5%以下であることが一層好ましい。
【0022】
上記成分に加えて、P、S、Nを以下のように規定することが好ましい。
P:0.2%以下
Pは鋼板を固溶強化する作用を有するが、その含有量が0.2%を超えると粒界偏析による粒界脆化が生じやすくなる。したがって、Pの含有量は0.2%以下が好ましい。加工性の向上のためのより好ましい範囲は0.1%である。加工性をさらに高いレベルとする観点からは0.02%以下であることが一層好ましい。
【0023】
S:0.05%以下
Sは0.05%を超えると硫化物の析出量が多くなり、加工性が劣化する。したがって、Sの含有量は0.05%以下が好ましい。加工性の向上のためのより好ましい範囲は0.02%以下である。加工性をさらに高いレベルとする観点からは0.005%以下であることが一層好ましい。
【0024】
N:0.02%以下
Nはその含有量が少ないほど後述する炭窒化物形成元素の添加量が少なくなり経済的である。N量が0.02%を超えると炭窒化物形成元素を添加してNを固定しても鋼板の加工性の低下が避けられない。よって、N含有量は0.02%以下が好ましい。加工性の向上のためのより好ましい範囲は0.005%以下である。
【0025】
なお、素材鋼としては、上記した成分に加えて、さらにTi、Nb、V、Zrのうち1種または2種以上を0.01〜0.4%含有してもよい。これらの成分は炭窒化物や硫化物を形成し、鋼中のC、N、Sを減少させ、C量が0.01%未満の鋼において、加工性をより優れたものとすることができるので、必要に応じて単独または複合で添加することが好ましい。また、C量が0.01%超の鋼では、上記した炭窒化物により効率的に強度を上昇させることができ、結果として、性能の優れた高張力材を製造し得る。しかし、これらの合計含有量が0.01%未満では所望の効果が得られず、一方、0.4%を超えると強度が上昇しすぎて加工性が劣化するため、0.01〜0.4%の範囲とした。
【0026】
さらには、本発明においては、IF鋼の耐縦割れ性やほうろう材における耐爪とび性の向上を目的として、Bを0.0001〜0.01%の範囲で添加してもよい。B量が0.0001%未満では耐縦割れ性や耐爪とび性向上の効果が得られず、一方、0.01%を超えると、その効果が飽和する。よって、B量の範囲を0.0001〜0.01%とした。
【0027】
次に、本発明の製造条件について説明する。
自動車および産業機械等のメーカーでの使用条件からみて、コイルからの製品採取を高歩留まりで行うためには、上述のように鋼組成を適切に制御した上で、その鋼を連続鋳造した後、得られた鋼スラブを再加熱後または直接熱間圧延するに際して、(1)コイル内の仕上げ圧延温度差を50℃以下とし、かつ、該仕上げ圧延温度範囲を圧延対象材の変態点に応じて、C≦0.80%の場合にはAr−20〜Ar+50℃、C>0.80%ではArcm−20〜Arcm+100℃の範囲内に制御すること、(2)続いて、ランナウト冷却における冷却速度のコイル内での変動を30℃/sec以下とし、その後の巻き取りにおけるコイル内の巻き取り温度差を50℃以内とすることが必要であり、そのために本発明では、鋼スラブを再加熱後または直接熱間圧延するに際して、粗圧延を施し、その後に該鋼帯の全体を再加熱し、仕上げ圧延を行う際に、コイル内の仕上げ圧延温度差を50℃以下とし、さらに該仕上げ圧延温度範囲を圧延対象材の変態点に応じて、C≦0.80%の場合にはAr−20〜Ar+50℃、C>0.80%の場合にはArcm−20〜Arcm+100℃の範囲内にし、引き続きランナウト冷却における冷却速度のコイル内での変動を30℃/sec以下とし、その後の巻き取りにおけるコイル内の巻き取り温度差を50℃以内とする。
以下、製造条件の限定理由について説明する。
【0028】
(a)コイル内の仕上げ圧延温度差:50℃以下
(b)仕上げ圧延温度範囲:
C≦0.80%の場合 Ar−20〜Ar+50℃
C>0.80%の場合 Arcm−20〜Arcm+100℃
コイル内の仕上げ圧延温度差(仕上げ圧延の最終スタンドでの温度差)を50℃以下とし、かつ仕上げ圧延温度を範囲を圧延対象材の変態点に応じて、C≦0.80%の場合にはAr−20〜Ar+50℃、C>0.80%の場合にはArcm−20〜Arcm+100℃の範囲内にすることにより、コイル内の組織を均一にすることができ、本発明で意図する均一な機械的性質を得ることができる。
【0029】
上記仕上げ圧延温度差および仕上げ圧延温度範囲は、仕上げ圧延の際におけるコイル内の圧延速度差を400mpm以下とし、かつ再加熱に用いられる加熱装置の前後に設置された温度計により再加熱温度を検出してその加熱温度を調整することにより達成することができる。また、このように仕上げ圧延の際におけるコイル内の圧延速度差を400mpm以下とすることにより、ランナウト冷却における冷却速度、巻き取り温度のコイル内の温度差を本発明で規定する範囲とすることができる。
【0030】
(c)ランナウト冷却における冷却速度のコイル内での変動:30℃/sec以下
(d)巻き取りにおけるコイル内の巻き取り温度差:50℃以内
このように、粗圧延後の鋼帯全体の再加熱を最適に行う前提で、ランナウト冷却における冷却速度のコイル内での変動を30℃/sec以下とし、巻き取りにおけるコイル内の巻き取り温度差を50℃以内とすることにより、コイル内での変態を一様にすることができ、本発明で意図する均一な機械的性質を得ることができる。
【0031】
本発明においては、粗圧延後の鋼帯の全体加熱の前工程、または後工程、または前後工程で、鋼帯の幅方向エッジを、鋼帯の温度を基準として100℃以下で加熱することが好ましい。これにより、より好ましい、より均一な機械的性質を得ることができる。具体的には、このように鋼帯の幅方向エッジを加熱することにより、鋼帯の幅方向の機械的性質をより均一にすることができる。
【0032】
なお、本発明で特徴とする粗圧延バーの加熱はコイルBOX等を用いた連続熱延プロセスに対しても効果的に使用することができる。この際、粗圧延バーの加熱は、上記以外に、コイルBOXの前後や、粗圧延機の間または後に行ってもよい。また、コイルBOXの後で、溶接機の前後で粗圧延バーの加熱を行っても、本発明の効果は十分に発揮される。
【0033】
本発明における冷延鋼板を得る方法としては、上記方法によって得られた熱延鋼板を素材として、冷間圧延と再結晶焼鈍を施すことにより得られる。
冷間圧延は鋼板を所定の板厚にするとともに、圧延集合組織を発達させて、その後の再結晶焼鈍工程において加工性の向上に好ましい集合組織を発達させるために施される。冷間圧延の条件は特に限定されるものではないが、上記目的のためには、50%以上の圧下率で最終板厚に加工することが好ましい。
【0034】
再結晶焼鈍は通常採用される条件で行えばよい。具体的には550〜900℃の温度範囲で焼鈍を行なってフェライトを再結晶させる。550℃未満の温度では、長時間の箱焼鈍でも再結晶が十分に生じない。一方、900℃を超える温度ではオーステナイト化が進行して加工性が劣化する。
再結晶焼鈍を行なう方法としては、連続焼鈍、箱焼鈍、または溶融亜鉛めっき処理に先行する連続熱処理のいずれでもよい。
【0035】
以上のような鋼組成および製造条件を採用することにより、連続鋳造スラブを再加熱後または直接熱間圧延して熱延鋼板を得る場合でも、このような熱延鋼板を素材として冷延鋼板を得る場合でも、機械的性質が均一な薄鋼板を得ることができる。
【0036】
上述した組成の素材鋼は、例えば転炉、電気炉等により溶製される。鋼片の製造は造塊-分塊圧延法または連続鋳造法、薄スラブ鋳造法、ストリップ鋳造法のいずれでも構わない。なお、本発明においては、連続鋳造または造塊、分塊圧延により得られたスラブ加熱する製造方法においては、スラを室温以上の温度まで冷却した後、熱延加熱炉に装入する。その場合、熱延加熱炉への装入温度はAr点以下であることが組織を制御する上で好ましい。
【0037】
なお、本発明においては、粗圧延鋼帯を加熱する前工程、もしくは後工程でレベラー等の矯正装置によって形状矯正を行うことが好ましい。矯正を粗圧延鋼帯を加熱する前工程で行なう場合、粗圧延鋼帯の形状が良くなることにより粗圧延鋼帯の加熱時の均一性が良くなり、粗圧延鋼帯内の組織の均一性が高くなり、さらには仕上げ圧延機に挿入される粗圧延鋼帯の形状が良いため、仕上げ圧延における塑性変形時の均一性が高くなり、結果として得られる鋼板の組織も均一になる。また、矯正を粗圧延鋼帯を加熱する後工程で行う場合、少なくとも仕上げ圧延機に挿入される粗圧延鋼帯の形状が良いため、仕上げ圧延における塑性変形時の均一性が高くなり、結果として組織が均一となる。
【0038】
なお、本発明は、連続鋳造されたスラブを直送または再加熱する方法も含まれる。特に、スラブを室温まで冷却せずに再加熱する方法は、省エネルギーの観点からより好ましい。
【0039】
本発明方法によって得られた冷延鋼板は、適宣、表面処理(溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、電気めっき、有機被覆コーテングなど)やプレス加工を施した後、例えば、自動車、家電製品、鋼構造物などに使用されるが、特にこれらの用途において要求される高加工性と強度を有するものである。
【0040】
【実施例】
次に、本発明による具体的な実施例について、比較例と比較しながら以下に説明する。
表1に示す化学組成を有する鋼(材料No.1〜7)を、表2に示す条件で熱間圧延し、冷却して巻取り処理を行なった。材料No.1〜7の各材は、粗バー鋼帯の全体の再加熱の際の温度を加熱装置の前後に設置された温度計により検出することにより調整した材料である。また、材料No.4〜6の材料は、熱延板を酸洗後、冷間圧延と焼鈍とを行った。
【0041】
機械的性質の評価としては、上記熱延板および冷延板のコイル長手方向のうち5箇所(非定常部に対応する先後端および定常部に該当する中央部分から均等に距離をおいた3箇所)、および前記5箇所より採取したサンプルより幅方向の中央部および端部から等間隔で5箇所より試験片を採取し、引張試験を行い、コイル長手方向およびコイル幅方向の破断強さ(TS)を求めた。結果を表3に示した。なお、コイル幅方向については、変動が最も大きいデータを表3に記載した。
【0042】
表3から明らかなように、本発明に従って製造した鋼板においては、TSの変動(表2中のΔ)が比較例に比べて小さく、明らかに機械的性質の均一性に優れていることが確認された。
【0043】
なお、本発明例のNo.5、6の各材は、エッジヒーターを使用した場合であり、コイル幅方向でのTSの変動がさらに小さくなっていることが確認された。
【0044】
【表1】
Figure 0003997659
【0045】
【表2】
Figure 0003997659
【0046】
【表3】
Figure 0003997659
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、加工性に優れ、かつ機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法を提供することができ、工業上有用な効果がもたらされる。本発明による鋼板は自動車用、産業機器用、家電用(テレビ用のフレーム材、シャドウマスク材およびインナーシールド材、各種容器材など)、ほうろう用等に供することができる。

Claims (6)

  1. 重量%にて、C:1%以下、Si:2.5%以下、Mn:3.0%以下を含有する鋼を連続鋳造した後、得られた鋼スラブを再加熱後または直接熱間圧延するに際して、粗圧延を施し、その後に該鋼帯の全体を再加熱し、仕上げ圧延を行う際に、コイル内の圧延速度差を400mPm以下とし、コイル内の仕上げ圧延温度差を50℃以下とし、さらに該仕上げ圧延温度範囲を圧延対象材の変態点に応じて、C≦0.80%の場合にはAr−20〜Ar+50℃、C>0.80%ではArcm−20〜Arcm+100℃の範囲内に制御し、引き続きランナウト冷却における冷却速度のコイル内での変動を30℃/sec以下とし、その後の巻き取りにおけるコイル内の巻き取り温度差を50℃以内とすることを特徴とする、機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法。
  2. 重量%にて、C:1%以下、Si:2.5%以下、Mn:3.0%以下を含有する鋼を連続鋳造した後、得られた鋼スラブを再加熱後または直接熱間圧延するに際して、粗圧延を施し、その後に該鋼帯の全体を再加熱し、仕上げ圧延を行う際に、コイル内の圧延速度差を400mPm以下とし、コイル内の仕上げ圧延温度差を50℃以下とし、さらに該仕上げ圧延温度範囲を圧延対象材の変態点に応じて、C≦0.80%の場合にはAr−20〜Ar+50℃、C>0.80%ではArcm−20〜Arcm+100℃の範囲内に制御し、引き続きランナウト冷却における冷却速度のコイル内での変動を30℃/sec以下とし、引き続き行われる巻き取りにおけるコイル内の巻き取り温度差を50℃以内とし、その後、冷間圧延および再結晶焼鈍することを特徴とする、機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法。
  3. 仕上げ圧延の際におけるコイル内の圧延速度差を400mpm以下とし、かつ前記再加熱に用いられる加熱装置の前後に設置された温度計により前記再加熱温度を検出してその加熱温度を調整することにより、コイル内の仕上げ圧延温度差を50℃以下とすることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の、機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法。
  4. 前記再加熱の前工程、または後工程、または前後工程で鋼帯の幅方向エッジを鋼帯の温度を基準として100℃以下で加熱することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の、機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法。
  5. さらにTi、Nb、V、Zrのうち1種または2種以上を0.01〜0.2%含有することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の、機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法。
  6. さらにB:0.0001〜0.010%を含有することを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の、機械的性質が均一な薄鋼板の製造方法。
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