JP3995458B2 - 全反射蛍光顕微鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全反射照明による蛍光観察を可能にした全反射蛍光顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、生体細胞の機能解析が盛んに行われるようになっているが、これら細胞の機能解析の中で、特に、細胞膜の機能を観察するために、細胞膜およびその近傍からの全反射蛍光画像を取得する全反射蛍光顕微鏡が注目されるようになっている。
【0003】
このような全反射蛍光顕微鏡には、ガラス表面近傍の試料のみを局所的に照明する全反射照明が用いられている。この全反射照明は、ガラスと試料の境界面で試料側に数百nm程度しみだすエバネッセント光を利用したもので、バックグラウンド・ノイズ(散乱光など)が極めて低いため、蛍光色素1分子の蛍光観察が可能となっている。
【0004】
ところで、このような全反射照明による蛍光観察では、ガラスの屈折率などによってガラス表面から試料側にしみ出すエバネッセント光のしみだし深さが異なり、また、このしみだし深さは、標本の、どの程度の深さまで観察したいかということであり、検鏡者の目的によっても異なる。
【0005】
そこで、従来、標本の条件や、観察したい深さによって、ガラスから試料への照明光の入射角を可変するようなことが考えられている。
【0006】
特開平9−159922号公報は、このような考えを採用したもので、光源からの光を対物レンズ側に反射するミラーを移動させて、照明光を光軸よりシフトさせることによりガラスから試料への入射角を連続的に変化させ、落射蛍光照明と全反射照明の切換えを行うようにしている。
【0007】
また、一般に、照明光を反射するミラーの移動、つまりガラスから試料への入射角の調整は、微調整が必要であることからマイクロメータなどが用いられていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−159922号公報のものでは、例えば、全反射照明で蛍光観察をする際に、ガラスから試料への入射角の調整時に落射蛍光照明に切換えてしまうことがあり、この場合、改めて、ミラーを全反射照明の位置まで移動させる必要があるが、この間、ガラス表面の試料には、強度の強い落射照明が励起光として照射されるため、試料全体が退色してしまうおそれがある。
【0009】
また、落射蛍光照明から全反射照明の範囲でミラーを移動させるのに、マイクロメータ等を使用すると、マイクロメータは、回転操作部の一回転当たりの移動量が小さいため、落射照明から全反射照明の切換えの際は、回転回数が多くなり、切換えまでに、手間がかかり、蛍光観察の操作性が著しく低下する。また、このことは、試料に照明励起光を当てたまま落射蛍光照明から全反射照明に切換えようとすると、この切換えの間にも試料全体を退色させてしまうおそれがある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、全反射照明および近全反射照明による安定した蛍光観察を実現できるとともに、操作性の向上を図ることができる全反射蛍光顕微鏡を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、光源と照明光学系と対物レンズを介して試料に照射される照明光の入射角を変化させる前記照明光学系に含まれる移動部と、前記移動部を移動させることで全反射照明および近全反射照明の切換えを可能にした全反射蛍光顕微鏡において、
前記移動部を微小移動させる微動機構と、前記微動機構を操作する操作部と、前記移動部の移動範囲を規制する規制手段を設け、
前記移動範囲は、前記照明光の前記対物レンズを介して前記試料への入射角が全反射照明および近全反射照明が得られる範囲であることを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記照明光学系は、光ファイバを有し、前記移動部は、前記光ファイバの出射端を、光軸に対して垂直方向に移動可能に設けられ、前記規制手段は、前記操作部の操作による前記光ファイバの出射端の光軸に対して垂直方向の移動範囲を前記全反射照明および近全反射照明が得られる範囲に規制することを特徴としている。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記照明光学系は、反射部材を有し、前記移動部は前記移動部材を、前記反射部材への照明光の入射光路、または反射光路の光軸方向に沿って移動させ、前記規制手段は、前記入射光路、または反射光路の光軸方向に沿った移動範囲を前記全反射照明および近全反射照明が得られる範囲に規制することを特徴としている。
【0014】
請求項記載の発明は、請求項1または記載の発明において、前記照明光学系の光路に前記照明光を拡散させる光学素子を挿脱可能に設けたことを特徴としている。
【0015】
この結果、本発明によれば、照明光の対物レンズを介して試料への入射角を常に全反射照明および近全反射照明が得られる範囲に規制するようにできるので、落射蛍光照明による強い光で試料全体が退色してしまうのを防止でき、全反射照明および近全反射照明による安定した蛍光観察を得ることができる。また、常に、全反射照明および近全反射照明の範囲で対物レンズから試料への照明光の入射角を調整できるので、操作性の向上を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0017】
まず、本発明に関する全反射蛍光観察の概要を図1を用いて説明する。この場合、試料2の下方に配置された対物レンズ7により観察を行う倒立型顕微鏡の例を示している。
【0018】
試料2は、その下側にカバーガラス3が配置され、このカバーガラス3の下方にオイル5を介して対物レンズ7が設けられている。
【0019】
対物レンズ7の光軸8上には、2個以上の蛍光ミラーユニット10a、10bを保持した回転可能なミラーユニットターレット9が配置され、ミラーユニットターレット9の回転軸14を中心の回転操作により全反射照明または落射蛍光照明に対応する蛍光ミラーユニット10a、10bを選択的に光軸8上に切換えるようにしている。図面では、全反射照明に対応する蛍光ミラーユニット10aが光軸8上に切換えられている。蛍光ミラーユニット10a、10bの入射光路には、高反射ミラー24が配置されている。この高反射ミラー24は、ミラー保持部22に接着等で固定されている。ミラー保持部22には、アリ部22aが設けられている。このアリ部22aは、落射投光管17に設けられたアリ溝部20に紙面垂直方向に移動可能に保持されており、操作ツマミ23を出し入れすることにより、高反射ミラー24を紙面垂直方向に移動させることができるようになっている。この場合、図示のように落射投光管17の光軸19上にあるときは、レーザ光源41からの光を蛍光ミラーユニット10a、10b側に反射する。
【0020】
一方、レーザ光源41からのレーザ光は、光ファイバ入射部40から導入された後、光ファイバ出射部38から出射される。この光ファイバ出射部38からの出射光21aは、ファイバ投光管28のコリメートレンズ29で平行光21bに変換され、高反射ミラー24で反射されたのち、集光レンズ18で集光され、蛍光ミラーユニット10aに導かれる。蛍光ミラーユニット10aには、ダイクロイックミラー11aと吸収フィルタ12aが設けられており、集光レンズ18で集光された光は、ダイクロイックミラー11aで反射され、対物レンズ7の後側焦点位置6に焦点を結び、対物レンズ7の先端からの出射光は、カバーガラス3から試料2へ入射する。ここで、対物レンズ7の先端から出射され、カバーガラス(高屈折率側)3から試料(低屈折率側)2への入射する入射光の入射角度を臨界角より大きくなるように、光ファイバ出射部38からの出射光21aの光軸31を、ファイバ投光管28の光軸30に対して垂直方向にシフトさせれば、試料(低屈折率側)2に、カバーガラス3との境界面から数百nm程度の範囲でしみ出すエバネッセント光4を発生させることができる。
【0021】
エバネッセント光4が発生しているカバーガラス3の表面近傍に存在する試料2中の蛍光物質は、励起光であるエバネッセント光4により励起され蛍光を発し、対物レンズ7、ダイクロイックミラー11aを通過し、吸収フィルタ12aで、蛍光以外の波長域である不利益な光が除去されたのち、観察結像系15に導かれ、高感度カメラ(CCD等)16に結像され、試料2中の蛍光物質を観察することができる。
【0022】
一方、通常の落射蛍光照明の場合は、図2に示すように、高反射ミラー24を落射投光管17の光軸19から外し、蛍光ミラーユニット10aを落射蛍光照明用の蛍光ミラーユニット10bに切換える。この場合、蛍光ミラーユニット10bは、ダイクロイックミラー11b、吸収フィルタ12bおよび励起フィルタ13bを有し、水銀ランプハウス25の水銀バーナー26からの光線のうち、励起光のみが励起フィルタ13bを透過され、ダイクロイックミラー11bにより反射され、対物レンズ7の先端からの出射光は、カバーガラス3から試料2へ入射する。そして、試料2中の蛍光物質からの蛍光は、ダイクロイックミラー11bを透過し、吸収フィルタ12bで、蛍光以外の波長域である不利益な光が除去されたのち、観察結像系15に導かれ、高感度カメラ(CCD等)16に結像され、試料2中の蛍光物質を観察することができる。
【0023】
次に、具体的な実施の形態について説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
図3(a)(b)(c)は、本発明の第1の実施の形態が適用された全反射蛍光顕微鏡の概略構成を示している。なお、図3は、図1と同一部分には、同符号を付している。
【0025】
この場合、落射投光管17は、倒立顕微鏡本体(図示せず)に固定されている。この落射投光管17は、ファイバ投光管28との連結部17a、水銀バーナー26を保持する水銀ランプハウス25との連結部17bを有している。ファイバ投光管28の光軸30は、落射投光管17の光軸19と直交するように、水銀ランプハウス25の光軸27は、落射投光管の光軸19と一致するように、それぞれ連結されている。
【0026】
落射投光管17内部には、高反射ミラー24がファイバ投光管28の平行光21bを落射投光管17の光軸19上に反射させるように、ミラー保持部22に接着等で固定されている。ミラー保持部22には、アリ部22aが設けられている。このアリ部22aは、落射投光管17に設けられたアリ溝部20に紙面垂直方向に移動可能に保持されており、落射投光管17の外部から操作ツマミ23を紙面垂直方向に出し入れすることにより、高反射ミラー24を紙面垂直方向に移動させることができるようになっている。また、ミラー保持部22は、水銀ランプハウス25側の側面に、遮光部22bが設けられている。
【0027】
ファイバ投光管28は、コリメートレンズ29、ファイバ導入部32より構成されている。このファイバ投光管28の落射投光管17側と反対側端部には、ファイバ導入部32が連結されている。
【0028】
一方、レーザ光源41からの出射光は、光ファイバ入射部40から、光ファイバ39に入射され、光ファイバ出射部38から出射光21aが出射される。光ファイバ出射部38は、移動部37にビス等(図示せず)で固定されている。移動部37の外側面部37aは、ファイバ導入部32の内側面部32a1と嵌合されており、紙面左右方向54に移動可能となっている。
【0029】
ここで、ファイバ導入部32には、移動部37の紙面左右方向54と平行に中心線36を持ったネジ穴32aと嵌合穴32bが空いており、ネジ穴32aには、ネジ部を持つフタ筒33が係合され、嵌合穴32bには、アダプタ35が嵌合されている。
【0030】
そして、フタ筒33とアダプタ35の間には、弾性体である圧縮コイルばね34が自然長よりも、短い状態で、挟まれており、アダプタ35は、移動部37の外側面部37aに当接するようになっている。一方、移動部37の外側面部37aの反対側には、斜面当接部37bが設けられている。
【0031】
ファイバ導入部32には、マイクロメータ保持部42がネジ等(図示せず)で固定されている。このマイクロメータ保持部42には、マイクロメータ本体44がネジ等(図示せず)で保持されている。
【0032】
マイクロメータ本体44は、回転部44aに、ツマミ46がネジ等(図示せず)で係合されている。また、ファイバ導入部32には、ネジ穴32aと、嵌合穴32bの中心線と直交する中心線を持つ筒穴32cが設けられており、この筒穴32cに嵌合されるとともに、斜面当接部37bとマイクロメータ本体44の回転部44aの先端部44bに挟まれた状態で、カプセルアダプタ43が配置されている。
【0033】
これにより、マイクロメータ本体44のツマミ46を回転操作し、回転部44aの先端部44bのカプセルアダプタ43により移動部37の斜面当接部37bを押圧し、移動部37を圧縮コイルばね34の押圧力に抗して移動させることで、対物レンズ7先端から出射され、カバーガラス(高屈折率側)3から試料(低屈折率側)2へ入射する入射光の入射角度を調整できるように、光ファイバ出射部38からの出射光21aの光軸31を、ファイバ投光管28の光軸30より(図では左側に)シフトできるようにしている。
【0034】
マイクロメータ本体44の固定部44cには、規制手段として同図(c)に示すように開口部45aとコの字型の切り欠き部45cを持った切り欠きストッパ45の開口部45aが嵌合されている。そして、コの字型の切り欠き部45cの間隔を調整するビス47が設けられている。
【0035】
次に、このように構成された第1の実施の形態の作用について説明する。
【0036】
この場合、アダプタ35は、圧縮コイルばね34により、移動部37の外側面部37aを押した状態になっており、一方、マイクロメータ本体44のツマミ46を回転操作することで、先端部44bを紙面上下方向55に移動させることができ、カプセルアダプタ43を介して、移動部37を紙面左右方向54に移動させることができる。これにより、光ファイバ出射部38からの出射光21aの光軸31をファイバ投光管28の光軸30に対して平行な状態で、且つファイバ投光管28の光軸30に対して垂直方向に調整できることになる。
【0037】
また、同時に、対物レンズ7の先端から出射され、カバーガラス3から試料2への入射光角度も調整することができるようになるが、ここで、カバーガラス3から試料2への入射角度を臨界角よりやや大きな状態になるように、ツマミ46を回転操作して移動部37の位置調整を行い、その位置で、切り欠きストッパ45の側面部45dをマイクロメータ本体44の回転部44aの当接部44aaに当て付け、さらに切り欠きストッパ45の切り欠き部45cの間隔をビス47で締め付け、開口部45aによりマイクロメータ本体44の固定部44cを挟み込むことで、切り欠きストッパ45をマイクロメータ本体44に対して位置決め固定する。
【0038】
従って、これ以降は、移動部37は、切り欠きストッパ45の規制により、光ファイバ出射部38をファイバ投光管28の光軸30側に移動させることができなくなり、カバーガラス3から試料2への入射角度が臨界角より大きい、全反射照明の範囲でのみの移動に規制される。
【0039】
一方、水銀ランプハウス25からの光線(図示せず)は、ミラー保持部22の遮光部22bで遮光されているが、操作ツマミ23を紙面垂直方向の手前側に引き出し、ミラー保持部22を光路から外すことで、水銀バーナー26からの光線(図示せず)を落射投光管17に導くことができる。この際は、ミラーユニットターレット9を回転軸14を中心に回転させることで、励起フィルタ13b、ダイクロイックミラー11bおよび吸収フィルタ12bを備えた蛍光ミラーユニット10bを光軸上に配置することで、通常の落射蛍光照明観察をすることができる。
【0040】
従って、このような第1の実施の形態によれば、マイクロメータ本体に固定された切り欠きストッパ45により、カバーガラス3から試料2への入射角度を調整する際に、この入射角度を臨界角より大きくなる範囲内に規制されるため、全反射照明のみで蛍光観察を行うことができる。このため、落射蛍光照明による強い光で試料全体が退色してしまうのを防止でき、全反射照明による安定した蛍光観察を得ることができる。また、常に、全反射照明の範囲でカバーガラス3から試料2への入射角度を調整できるので、操作性の向上を図ることができる。さらに、全反射照明と落射蛍光照明の切換えは、高反射ミラー24の出し入れで迅速に行えるため、試料に照明光を当てたまま、落射蛍光照明から全反射照明へ切換える際に(または、その逆)、試料が退色する原因も回避することができる。
【0041】
なお、この第1の実施の形態では、倒立顕微鏡について説明したが、正立顕微鏡に適用した場合も同様の効果が得られる。
【0042】
(第1の実施例の変形例)
次に、第1の実施例の変形例を説明する。図4(a)(b)は、第1の実施例の変形例を説明するもので、図3と同一部分には同符号を付している。
【0043】
この場合、ファイバ投光管28には、コリメートレンズ29の後側(落射投光管17側)にスライド開口部28aが設けられ、このスライド開口部28aには、開口48aと開口48bを持つスライダー48が紙面左右方向54に移動可能設けられている。このスライダー48は、開口48aに、拡散板49がリングネジ(図示せず)により固定されている。
【0044】
一方、高反射ミラー24のミラー保持部22は、落射投光管17の固定部50にネジ等(図示せず)で直接固定されている。
【0045】
このような構成とすると、上述した第1の実施の形態で述べたように全反射照明に設定されている状態で、スライダー48の開口48bをファイバ投光管28の光軸30に配置させると、この状態のままに維持されるが、スライダー48を移動させて、拡散板49を有する開口48aを光軸30に配置させるると平行光21bが拡散され、落射蛍光照明に切換えられる。
【0046】
このようにすれば、上述した第1の実施の形態と同様の効果が選られるのに加えて、水銀ランプハウス25を使わずに、全反射照明と落射蛍光照明の切換えを実現することができる。
【0047】
なお、第1の実施の形態の変形例において、ファイバ投光管28を落射投光管17と同軸に備えるようにすれば、高反射ミラー24を省略することも可能で、さらに安価な構造にすることができる。
【0048】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図5は、第1の実施例の変形例を説明するもので、図3と同一部分には同符号を付している。
【0049】
この場合、高反射ミラー24のミラー保持部22には、アリ部51が設けられ、このアリ部51は、落射投光管17に設けられたアリ溝部52に紙面左右方向54に移動可能となるように保持されている。
【0050】
この場合、ミラー保持部22は、常時、圧縮コイルばね34によりアダプタ35を介してアリ部51の当接部51aが押された状態になっている。一方、落射投光管17のアダプタ35の配置位置と反対側側面には、マイクロメータ保持部53が設けられ、このマイクロメータ保持部53にマイクロメータ本体44が設けられている。この場合、マイクロメータ本体44は、ツマミ46の回転により回転される回転部44aの先端部44bをアリ部51の当接部51bに当接させている。
【0051】
この状態で、マイクロメータ本体44のツマミ46を回転することで、アリ部51によりミラー保持部22を高反射ミラー24の反射光路に沿って移動し、高反射ミラー24での平行光21bの反射位置を調整できるようになっている。
【0052】
これにより、平行光21bの高反射ミラー24での反射光21cを光軸19からシフトさせることができ、対物レンズ7から出射され、カバーガラス3から試料2への入射光角度を調整することができる。
【0053】
ここでも、カバーガラス3から試料2への入射角度を臨界角よりやや大きくした状態になるように、ツマミ46を回転操作してミラー保持部22の位置調整を行い、その位置で、切り欠きストッパ45をマイクロメータ本体44の回転部44aに当て付け、切り欠きストッパ45を締付けることで、マイクロメータ本体44に対して位置決め固定する。
【0054】
これにより、これ以降は、ミラー保持部22は、切り欠きストッパ45の規制により高反射ミラー24からの反射光21cを光軸19側に移動させることができなくなり、カバーガラス3から試料2への入射角度が臨界角より大きい、全反射照明の範囲でのみの移動に規制される。
【0055】
この場合、第1の実施の形態の変形例と同様に、スライダー48を設け、拡散板49を持つ開口48aを光軸30に配置させることで、平行光21bを拡散させることで、レーザ光源41を利用した落射蛍光照明を得るようにすることもできる。
【0056】
この第2の実施の形態では、ミラー保持部22を高反射ミラー24の反射光路に沿って移動させるようにしたが、高反射ミラー24の入射光路に沿って移動させるようにしても同様な効果を得ることができる。
【0057】
なお、上述した実施の形態では、マイクロメータ本体44と、このマイクロメータ本体44の回転部44aの移動を規制する切り欠きストッパ45を用いたが、これらを用いない代わりに、ファイバ投光管28の光軸30の中心より左右どちらかにシフトしたスリット孔を備えた遮光板を光ファイバ出射部38の手前に配置し、光ファイバ出射部38から出射される出射光の光軸をファイバ投光管28の光軸30側に移動させても、遮光板により、出射光の光軸中心側の光を遮断するようにすれば、落射照明への切換えは阻止され、全反射照明の範囲でのみの移動に規制するようにできる。この場合、全反射照明とレーザ光源41を利用した落射蛍光照明との切換えは、第1の実施の形態で述べたと同様に高反射ミラー24を光路中から挿脱するよう移動させることで行うことができる。
【0058】
次に、全反射照明を実現する方法について説明する。カバーガラス3から試料2への照明光の入射角が臨界角を超えた時の確認方法は、鏡筒(図示せず)に付いている接眼レンズ(図示せず)をCT(センタリングテレスコープ)(図示せず)に変えて、このCTを用いて対物レンズ7の後側焦点位置6近傍のレンズ群(図示せず)を見る。照明光が対物レンズ7のレンズ群(図示せず)を透過する光でレンズ群の自家蛍光が起り、特に集光されている後側焦点位置6近傍のレンズ群で輝点が観察できる。
【0059】
カバーガラス3から試料2への入射角が臨界角より小さい場合には、対物レンズ7の後側焦点位置6に照明光の入射角側の輝点が1つしか確認されないが、臨界角より大きい場合には対物レンズ7の後側焦点位置6の外周の内側近傍に光軸を中心に対称に輝点が2つ観察される。2つ目の輝点は、カバーガラス3と試料2との境界面で全反射した照明光が対物レンズ7の先端から再び対物レンズ7内に戻るためである。
【0060】
カバーガラス3から試料2への照明光の入射角が臨界角より小さい状態から大きい状態に変化させいくと、最初1つの輝点が対物レンズの光軸の中心側から次第に外周方向に移動し、入射角が臨界角を超えると対物レンズの光軸中心を対称として2つ目の輝点が現れ、この2つ目の輝点が現れた時に切り欠きストッパ45をマイクロメータ本体44に固定する。
【0061】
次に、近全反射照明の定義と第1の実施の形態に適用した場合の作用、及び効果を第1実施例をもとに説明する。構成は、第1の実施の形態と同様なため省略する。また、作用、効果についても第1の実施の形態と同じ部分は省略し、異なる分部についてのみ説明する。
【0062】
まず、はじめに近全反射照明について、以下のように定義する。全反射照明では、カバーガラス3と試料2の境界面で低屈折率媒質側である試料2側に、エバネッセント光4が数百nm程度の範囲で発生しているが、カバーガラス3から試料2への入射角を臨界角をわずかに小さくすると、カバーガラス3から試料2への屈折光が、カバーガラス3から試料2の境界面上近傍に沿って出射される。この照明法では、試料2のうちカバーガラス3近傍の数μmの範囲を照明することができる。これは、暗視野照明の一種であり、本発明では、この照明方法を近全反射照明と呼ぶこととする。
【0063】
次に、近全反射照明の作用について説明する。ここではレーザ光源41による近全反射照明についてのみ記載し、水銀バーナー26を光源とした落射蛍光照明についての記載は省略する。まず、第1の実施の形態と同様に、マイクロメータ44のツマミ46を回転操作し、カバーガラス3から試料2への入射角が臨界角よりも大きくなっている全反射照明にする。次に、カバーガラス3から試料2への入射角が小さくなる方向にマイクロメータ本体44のツマミ46を徐々に回転操作し、前述の近全反射照明となる照明光に調整する。
【0064】
この状態で、第1の実施の形態と同様に、切り欠きストッパ45をマイクロメータ本体44に対して位置決め固定することで、近全反射照明と全反射照明の範囲のみに光ファイバ出射部38の移動を規制する。
【0065】
次に、効果について説明する。近全反射照明の場合でも照明範囲は、カバーガラス3上面近傍の数μm範囲の試料2のみであり、第1実施例と同様に試料2全体の退色を防ぐことができる他、照明光を光軸から遠ざかる方向に移動させて全反射照明へ迅速に変えることが可能である。
【0066】
上述した効果以外にも、全反射照明により発生したエバネッセント光4では観察不可能であった領域や、発生する蛍光が微弱すぎて観察できなかった試料2の観察が可能となる。さらに、水銀バーナー26を光源とした落射蛍光照明では試料2全体から蛍光が発するのに対して、近全反射照明では、照明範囲をカバーガラス3近傍の数μmの範囲に限定できるため、不要な蛍光を除去でき、バックグラウンドノイズの少ない観察が可能となる。
【0067】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
【0068】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0069】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、全反射照明および近全反射照明による安定した蛍光観察を実現できるとともに、操作性の向上を図ることができる全反射蛍光顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する全反射蛍光顕微鏡の概要を説明する概略構成図。
【図2】本発明に関する全反射蛍光顕微鏡の通常の蛍光落射照明時を説明する概略構成図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す図。
【図4】本発明の第1の実施の形態の変形例の概略構成を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の概略構成を示す図。
【符号の説明】
2…試料
3…カバーガラス
4…エバネッセント光
5…オイル
6…後側焦点位置
7…対物レンズ
8…光軸
9…ミラーユニットターレット
10a.10b…蛍光ミラーユニット
11a、11b…ダイクロイックミラー
12a、12b…吸収フィルタ
13b…励起フィルタ
14…回転軸
15…観察結像系
16…高感度カメラ
17…落射投光管
17a…連結部
17b…連結部
18…集光レンズ
19…光軸
20…アリ溝部
21a…出射光
21b…平行光
21c…反射光
22…ミラー保持部
22a…アリ部
22b…遮光部
23…操作ツマミ
24…高反射ミラー
25…水銀ランプハウス
26…水銀バーナー
27…光軸
28…ファイバ投光管
28a…スライド開口部
29…コリメートレンズ
30、31…光軸
32…ファイバ導入部
32a1…内側面部
32a…ネジ穴
32b…嵌合穴
32c…筒穴
33…フタ筒
34…圧縮コイルばね
35…アダプタ
36…中心線
37…移動部
37a…外側面部
37b…斜面当接部
38…光ファイバ出射部
39…光ファイバ
40…光ファイバ入射部
41…レーザ光源
42…マイクロメータ保持部
43…カプセルアダプタ
44…マイクロメータ本体
44a…回転部
44b…先端部
44c…固定部
44aa…当接部
45…切り欠きストッパ
45a…開口部
45c…切り欠き部
45d…側面部
46…ツマミ
47…ビス
48…スライダー
48a、48b…開口
49…拡散板
50…固定部
51…アリ部
51a、51b…当接部
52…アリ溝部
53…マイクロメータ保持部
54…紙面左右方向
55…紙面上下方向

Claims (4)

  1. 光源と照明光学系と対物レンズを介して試料に照射される照明光の入射角を変化させる前記照明光学系に含まれる移動部と、前記移動部を移動させることで全反射照明および近全反射照明の切換えを可能にした全反射蛍光顕微鏡において、
    前記移動部を微小移動させる微動機構と、前記微動機構を操作する操作部と、前記移動部の移動範囲を規制する規制手段を設け、
    前記移動範囲は、前記照明光の前記対物レンズを介して前記試料への入射角が全反射照明および近全反射照明が得られる範囲であることを特徴とする全反射蛍光顕微鏡。
  2. 前記照明光学系は、光ファイバを有し、前記移動部は、前記光ファイバの出射端を、光軸に対して垂直方向に移動可能に設けられ、
    前記規制手段は、前記操作部の操作による前記光ファイバの出射端の光軸に対して垂直方向の移動範囲を前記全反射照明および近全反射照明が得られる範囲に規制することを特徴とする請求項1記載の全反射蛍光顕微鏡。
  3. 前記照明光学系は、反射部材を有し、前記移動部は前記移動部材を、前記反射部材への照明光の入射光路、または反射光路の光軸方向に沿って移動させ、
    前記規制手段は、前記入射光路、または反射光路の光軸方向に沿った移動範囲を前記全反射照明および近全反射照明が得られる範囲に規制することを特徴とする請求項1記載の全反射蛍光顕微鏡。
  4. 前記照明光学系の光路に前記照明光を拡散させる光学素子を挿脱可能に設けたことを特徴とする請求項または3記載の全反射蛍光顕微鏡。
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