JP2005300614A - 照明装置とこれを有する顕微鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レーザ光全反射観察または白色光全反射観察または白色光落射照明による観察を1台で行うことを可能とする顕微鏡装置を提供すること。
【解決手段】 対物レンズG6を介して標本を照明する照明装置において、レーザ光照明光学系2と、白色光照明光学系4とを有し、前記レーザ光照明光学系2は前記標本Oにレーザ全反射照明光を出射し、前記白色光照明光学系4は、前記標本Oに白色光落射照明光または白色光全反射照明光を出射し、前記レーザ全反射照明光と前記白色光落射照明光と前記白色光全反射照明光の少なくとも1つの照明光を前記標本に照射する切換手段M2を有する照明装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 対物レンズG6を介して標本を照明する照明装置において、レーザ光照明光学系2と、白色光照明光学系4とを有し、前記レーザ光照明光学系2は前記標本Oにレーザ全反射照明光を出射し、前記白色光照明光学系4は、前記標本Oに白色光落射照明光または白色光全反射照明光を出射し、前記レーザ全反射照明光と前記白色光落射照明光と前記白色光全反射照明光の少なくとも1つの照明光を前記標本に照射する切換手段M2を有する照明装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、顕微鏡の照明装置、特に落射照明または全反射照明可能な照明装置とこれを有する顕微鏡装置に関する。
従来、全反射照明によりカバーガラスと標本の境界面の極浅い限定された領域の蛍光像が、コントラスト良く得られることが知られている。全反射照明に於いては、標本の屈折率とカバーガラスの屈折率の僅かな違いを利用するため、標本の屈折率より大きな開口(NA)を有する対物レンズの瞳の最周辺部のみに集光された照明光が使用される。このため明るい光源が必要となりレーザ光が一般的に用いられている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、光量を得るためにレーザ光は有効であるが、レーザゆえの可干渉性(コヒーレンシー)が観察像に影響を与えることや、励起光となるレーザ波長が固定されること、あるいは複数の励起光の波長に対応するためには高価になることなどが問題となる。
これを解決するために、高輝度水銀ランプの白色光源を用いた全反射照明装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、現在では多彩な顕微鏡観察手段が要求され、蛍光観察に於いても通常の落射照明と全反射照明とを簡単に切換えられることが必須となっている。
特許第3093145号公報
特開2002−236258号公報
しかしながら、これまで、レーザ光を用いてレーザ光落射蛍光観察またはレーザ光全反射蛍光観察、あるいは白色光を用いて白色光落射蛍光観察または白色光全反射蛍光観察を一台の顕微鏡で行うことは提案されているが、レーザ光全反射観察または白色光全反射観察または白色光落射照明による観察を1台で行うことを可能とする顕微鏡装置は提案されていない。
本発明は、上記課題に鑑みて行われたものであり、レーザ光全反射観察または白色光全反射観察または白色光落射照明による観察を1台で行うことを可能とする顕微鏡装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、対物レンズを介して標本を照明する照明装置において、レーザ光照明光学系と、白色光照明光学系とを有し、前記レーザ光照明光学系は、前記標本にレーザ全反射照明光を出射し、前記白色光照明光学系は、前記標本に白色光落射照明光または白色光全反射照明光を出射し、前記レーザ全反射照明光と前記白色光落射照明光と前記白色光全反射照明光の少なくとも1つの照明光を前記標本に照射する切換手段を有することを特徴とする照明装置を提供する。
また、本発明にかかる照明装置では、前記白色照明光学系は、前記白色光落射照明光と白色光全反射照明光を切換える白色光全反射照明切換手段を有することが好ましい。
また、本発明にかかる照明装置では、前記白色光全反射照明切換手段は、前記白色光照明光学系の光軸に対して傾斜可能なハービングガラスと、円弧状開口絞を有し、前記白色光照明光学系の光軸に挿脱可能であることが好ましい。
また、本発明にかかる照明装置では、前記切換手段は、前記レーザ光照明光学系からのレーザ光と前記白色光照明光学系からの白色光の少なくとも一方の光を透過または反射するミラーからなることが好ましい。
また、本発明にかかる照明装置では、前記照明装置は、前記白色光全反射照明光と前記レーザ光全反射照明光とを同時に前記標本に照射可能であることが好ましい。
また、本発明は、前記照明装置を有することを特徴とする顕微鏡装置を提供する。
本発明によれば、レーザ光全反射観察または白色光全反射観察または白色光落射照明による観察を1台で行うことを可能とする顕微鏡装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態に関し図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる照明光学系とこれを有する顕微鏡装置の概略構成図を示す。図2は、図1に示す顕微鏡装置を用いた照明観察の第1実施例を示し、落射照明観察時の概略構成図を示す。図3は、図1に示す顕微鏡装置を用いた照明観察の第2実施例を示し、全反射照明観察時の概略構成図を示す。図4は、図1に示す顕微鏡装置を用いた照明観察の第3実施例を示し、白色光の全反射照明観察を実現する別の例を示す概略構成図である。
(実施の形態)
図1において、不図示のレーザ光源からの光を伝達するファイバS1(以後、レーザ
光源S1と記す)によりレーザ光がレーザ光照明光学系2に導入される。レーザ光源S1はレーザ光照明光学系2の光軸Jの略垂直方向に移動可能なレーザ光全反射照明切換手段に支持され、レーザ光全反射照明時に光軸Jから所定の距離離れた位置にセットされ、あるいはレーザ光落射照明時に光軸J位置にセットされる。レーザ光源S1から出射したレーザ光は、コリメートレンズG1で略平行光で視野絞りFに入射する光となり、光路偏向ミラーM1に入射される。
図1において、不図示のレーザ光源からの光を伝達するファイバS1(以後、レーザ
光源S1と記す)によりレーザ光がレーザ光照明光学系2に導入される。レーザ光源S1はレーザ光照明光学系2の光軸Jの略垂直方向に移動可能なレーザ光全反射照明切換手段に支持され、レーザ光全反射照明時に光軸Jから所定の距離離れた位置にセットされ、あるいはレーザ光落射照明時に光軸J位置にセットされる。レーザ光源S1から出射したレーザ光は、コリメートレンズG1で略平行光で視野絞りFに入射する光となり、光路偏向ミラーM1に入射される。
白色光源S2(例えば、Hg光源)を出射した光は、コリメートレンズG2で略平行光となり、励起光の波長を決める励起フィルタG8により所定の波長の光が取り出され、集光レンズG3で開口絞りAに結像される。開口絞りAからの光はコリメートレンズG4でコリメートされ切換えミラーM2で反射されて視野絞りFに入射する光となる。
レーザ光と白色光との切換手段である切換えミラーM2を切換えることによって、レーザ光または白色光またはレーザ光と白色光の合成光を標本面Oに照射することが可能となる。切換えミラーM2は、種々の特性を有する複数のミラーを、図1中の紙面に垂直な方向に光軸Lに対して交換可能に配置し、レーザ光と白色光の選択切換えを可能としている。
例えば、レーザ光と白色光とを透過する特性とし、標本面Oにレーザ光のみを照射するようにしたり、レーザ光と白色光とを反射する特性とし、標本面Oに白色光のみを照射したりすることが可能である。また、切換えミラーM2をハーフミラーにして、レーザ光と白色光との合成光を同時に標本面Oに照射するようにすることも可能である。また、切換えミラーM2をダイクロイックミラーにして、レーザ光と白色光とを同時に、あるいはどちらか一方の光のみを標本面Oに照射するようにすることも可能である。また、切換えミラーM2をハーフミラーやダイクロイックミラーにして光軸Jと光軸K内にシャッタを設けてレーザ光、白色光、またはレーザ光と白色光の合成光に切換えるように構成しても良い。その他にも、色々な切換えの構成が可能である。
レーザ光源S1からの光も白色光源S2からの光も視野絞りFでは略平行光となり、集光レンズG5で集光され、ダイクロイックミラーM3で反射され、対物レンズG6の瞳面A’に再び結像され、標本面Oを略平行光で照明する。
標本面Oからの蛍光は、対物レンズG6で集光され、ダイクロイックミラーM3を透過してバリアフィルタG9に入射し、所定の波長の蛍光のみが通過して結像レンズG10で像面Iに配置された撮像素子(例えば、CCD素子)で撮像され不図示のモニターで観察される。
白色光照明光学系4には、白色光全反射照明時に用いる白色光全反射照明切換手段Mが、白色光照明光学系4の光軸Kに挿脱可能に設けられている。白色光全反射照明切換手段Mは、光軸Kに対し傾斜可能なハービングガラスG7と、開口絞りAと同等の位置に配置される円弧状開口絞りACとから構成されている。
ハービングガラスG7は平行平板ガラスにより構成され、ハービングガラスG7の入射面と光軸Kとがなす角を垂直から傾けることにより、ハービングガラスG7から出射する光の光軸をハービングガラスG7に入射した光の光軸に対してほぼ平行にずらすことができる。
なお、ハービングガラスG7を白色照明光学系4の光路に、光軸Kに対して傾斜可能に配置し、円弧状開口絞りACと開口絞りAとを交換可能に構成しても良い。この際、落射照明時にはハービングガラスG7は光軸Kに対して略垂直に配置して開口絞りAを光軸Kに挿入し、全反射照明時には円弧状開口絞りACを光路に挿入し、ハービングガラスG7を光軸Kに対して所定の角度傾けて、ハービングガラスG7を透過した光が円弧状開口絞りACの開口部ASを通るように構成すればよい。
なお、ハービングガラスG7をレーザ光照明光学系2のレーザ光源S1とコリメートレンズG1との間に光軸Jに対して傾斜可能に配置して、レーザ光を全反射照明と落射照明とに切換えるようにしても良い。
本実施の形態では、レーザ光照明光学系2と白色光照明光学系4を有し、レーザ光または白色光またはレーザ光と白色光の合成光を標本の照明光とする切換手段を有しているため、レーザ光全反射蛍光観察、レーザ光落射蛍光観察、白色光落射蛍光観察、白色光全反射蛍光観察、レーザ光と白色光の合成光による落射蛍光観察またはレーザ光と白色光の合成光による全反射蛍光観察を可能にする顕微鏡装置が構成できる。
以下、本発明にかかる照明装置とこれを有する顕微鏡装置の実施例について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施例)
図2は、レーザ光または白色光またはレーザ光と白色光との合成光で標本面Oを落射照明観察する場合の概略構成図である。
図2は、レーザ光または白色光またはレーザ光と白色光との合成光で標本面Oを落射照明観察する場合の概略構成図である。
図2において、レーザ光源S1はレーザ光照明光学系2の光軸Jの略垂直方向に移動可能なレーザ光全反射照明切換手段に支持され、レーザ光がレーザ光照明光学系2の略光軸J位置に導入される。レーザ光源S1から出射したレーザ光は、コリメートレンズG1で視野絞りFの開口を満たす光に広げられ、光路偏向ミラーM1に入射される。
白色光源S2(例えば、Hg光源)を出射した光は、コリメートレンズG2で略平行光となり、励起光の波長を決める励起フィルタG8により所定の波長の光が取り出され、集光レンズG3で開口絞りAの開口に結像される。開口絞りAからの光はコリメートレンズG4でコリメートされ切換えミラーM2で反射されて視野絞りFの開口を満たす光となる。
切換えミラーM2は特性の異なる複数のミラーが光軸Lに交換可能に配置され、切換えミラーM2を切換えることによって、レーザ光源S1または白色光源S2またはレーザ光源S1と白色光源S2との合成光を選択して標本面Oに照射する。なお、切換えミラーM2の構成は前述の実施の形態と同様であり説明を省略する。
レーザ光源S1からの光も白色光源S2からの光も視野絞りFでは略平行光となり、集光レンズG5で集光され、ダイクロイックミラーM3で反射され、対物レンズG6の瞳面A’に再び結像され、標本面Oを略平行光で照明する。
標本面Oからの蛍光は、対物レンズG6で集光され、ダイクロイックミラーM3を透過してバリアフィルタG9に入射し、所定の波長の蛍光のみが通過して結像レンズG10で像面Iに配置された撮像素子(例えば、CCD素子)で撮像され不図示のモニターで観察される。
このように、本第1実施例では、レーザ光または白色光による落射蛍光観察が、あるいはレーザ光と白色光との合成光で落射蛍光観察が、切換えミラーM2の切換えによって可能となる。特に、レーザ光と白色光との合成光で標本を励起することによって異なる波長の励起光で励起された蛍光を同時に観察することが可能となる。
なお、レーザ光と白色光との光量に差があるときには、レーザ光照明光学系2の光路中にニュートラルデンシティフィルタ(NDフィルタ)のような光量調整手段を設け、レーザ光の光量を減少させることによって標本に照射する2種の励起光(λ1、λ2)のバランスを調整することが可能である。
本第1実施例のように、一方の光源を白色光とし励起フィルタにより照射する波長を選択することにより、波長選択の自由度が高くなる。さらに、高価なレーザ光源を多数用意する必要がなくなるため、安価に装置を構成することができる。
(第2実施例)
図3は、レーザ光または白色光またはレーザ光と白色光との合成光で標本面Oを全反射照明観察する場合の概略構成図である。全反射照明観察に於いては対物レンズG6の瞳面A’の最周辺部のみに入射する光束を照明光として使用するため、瞳面A’に入射する光束はそれに応じた照明光束とする必要がある。
図3は、レーザ光または白色光またはレーザ光と白色光との合成光で標本面Oを全反射照明観察する場合の概略構成図である。全反射照明観察に於いては対物レンズG6の瞳面A’の最周辺部のみに入射する光束を照明光として使用するため、瞳面A’に入射する光束はそれに応じた照明光束とする必要がある。
照明光源としてレーザ光源S1を使用する場合、光源像を対物レンズG6の瞳面A’の最周縁部に結像させる手段として光源倍率に応じてレーザ光源S1の位置を光軸Jに対して略垂直方向にシフトさせる方法が用いられる。
白色光源S2を全反射照明の光源に用いる場合、例えば、Hg光源S2は陰極と陽極の極間距離が0.5mm程度であり、全反射照明観察に使用される対物レンズG6の瞳径は最大10mmφ弱である。この比から単純に光源倍率を算出すると20倍以上が必要となるが、照野の関係、光源としての角度特性からこのような大きな倍率は使用できず、白色光照明光学系4の全体のバランスから10倍程度が実効的な倍率となる。また、Hg光源S2の輝度分布は両電極付近が高く両電極間の中央部は相対的に低くなっている。従って、白色光源S2を用いた全反射照明観察では、白色光源S2の最も輝度の高い部分を対物レンズG6の瞳面A’の最周辺部と共役な位置(円弧状開口絞りAC内での光軸Kを中心とした半径方向での位置)に一致するように白色光源S2像を光軸Kに略垂直な方向にシフトさせる。
図3において、レーザ光源S1は、レーザ照明光学系2の光軸Jの略垂直方向に移動可能なレーザ光全反射照明切換手段に支持され、レーザ光がレーザ光照明光学系2の光軸Jに対して略垂直な方向に所定量ずらして配置されている。このレーザ光源S1から出射したレーザ光は、コリメートレンズG1の周辺部分に入射し視野絞りFの開口を通過する光となり光路偏向ミラーM1に入射される。
白色光源S2(例えば、Hg光源)の光源位置は、光軸Kに対して略垂直な方向に所定量ずらして配置されている。Hg光源S2のようなアークランプの場合、最大の輝度を得るために最も輝度の高い部分が所定位置に来るように配置される。白色光源S2を出射した光は、コリメートレンズG2で略平行光となり、励起光の波長を決める励起フィルタG8により所定の波長の光が取り出され、集光レンズG3で円弧状開口絞りACの開口部ASに結像される。円弧状開口絞りACの断面は図1に示すように光軸Kから離れた位置に開口部ASが設けられており、開口部ASの位置は透過した光が対物レンズの瞳面A’の最周辺部のみに入射するように設定されている。円弧状開口絞りACからの光はコリメートレンズG4でコリメートされ切換えミラーM2で反射されて視野絞りFの開口部を通過する光となる。
切換えミラーM2を切換えることによって、レーザ光源S1または白色光源S2またはレーザ光源S1と白色光源S2との合成光の選択を行う。なお、切換えミラーM2の構成は前述の実施の形態と同様であり説明を省略する。
レーザ光源S1からの光も白色光源S2からの光も視野絞りFでは光軸Lに対して傾いた光となり、集光レンズG5の周辺部分に入射する。集光レンズG5を出射した光は、ダイクロイックミラーM3で反射され、対物レンズG6の瞳面A’の最周辺部に再び結像される。
対物レンズG6の瞳面A’の最周辺部に結像された光は、標本面Oに対して全反射角度以上の入射角度で対物レンズG6から出射し、標本面Oを全反射照明する。この全反射照明光により標本面Oのカバーガラスと標本との境界近傍にエバネッセント波が発生し標本を励起する。
エバネッセント波で励起されて発生した標本面Oからの蛍光は、対物レンズG6で集光され、ダイクロイックミラーM3を透過してバリアフィルタG9に入射し、所定の波長の蛍光のみが通過し、結像レンズG10で像面Iに配置された撮像素子(例えば、CCD素子)で撮像され不図示のモニターで観察される。
このように、本第2実施例では、切換えミラーM2を適宜選択することによって、レーザ光全反射照明観察、白色光全反射照明観察、またはレーザ光源S1と白色光源S2との合成光による全反射照明観察が可能となる。特に、レーザ光と白色光との合成光で標本を励起することによって異なる波長の励起光で励起された蛍光を同時に観察することが可能となる。
(第3実施例)
図4は、第2実施例と同様にレーザ光または白色光またはレーザ光と白色光との合成光で標本面Oを全反射照明観察する場合の別の概略構成図である。全反射照明観察に於いては対物レンズG6の瞳面A’の最周辺部のみに入射する光束を照明光として使用するため、瞳面A’に入射する光束はそれに応じた照明光とする必要がある。
図4は、第2実施例と同様にレーザ光または白色光またはレーザ光と白色光との合成光で標本面Oを全反射照明観察する場合の別の概略構成図である。全反射照明観察に於いては対物レンズG6の瞳面A’の最周辺部のみに入射する光束を照明光として使用するため、瞳面A’に入射する光束はそれに応じた照明光とする必要がある。
照明光源としてレーザ光源S1を使用する場合、光源像を対物レンズG6の瞳面A’の最周縁部に結像させる手段として光源倍率に応じて単にレーザ光源S1の位置をレーザ光照明光学系2の光軸Jに対して略垂直な方向にシフトさせる方法が用いられる。なお、レーザ光源S1のシフトのために図1に示すハービングガラスG7をレーザ光源S1とコリメートレンズG1との間に光軸Jに対して傾斜可能に配置しても良い。
白色光源S2を全反射照明の光源に用いる場合、例えば、Hg光源S2は陰極と陽極の極間距離が0.5mm程度であり、全反射照明観察に使用される対物レンズG6の瞳径は最大10mmφ弱である。この比から単純に光源倍率を算出すると20倍以上が必要となるが、照野の関係、光源としての角度特性からこのような大きな倍率は使用できず、白色光照明光学系2の全体のバランスから10倍程度が実効的な倍率となる。また、Hg光源S2の輝度分布は両電極付近が高く両電極間の中央部は相対的に低くなっている。従って、白色光源S2を用いた全反射照明観察では、光源の最も輝度の高い部分を対物レンズG6の瞳面A’の最周辺部と共役な位置(円弧状開口絞りAC内での光軸を中心とした半径方向での位置)に一致するように光源像を光軸Kに対して略垂直な方向にシフトさせることが必要となる。
このために、本第3実施例では、図1に示すように、光軸Kに対して傾斜可能なハービングガラスG7と円弧状開口絞りACからなる白色光全反射照明切換手段Mを、白色光照明光学系4に挿脱可能に構成し、ハービングガラスG7の光軸Kに対しての傾きを調整することにより、円弧状開口絞りACの開口部ASを最も輝度が高い部分が透過するように調整することを可能としている。ハービングガラスG7に入射する光束がハービングガラスG7を出射する際の光束の光軸Kからのシフト量は、ガラスの厚さと光軸Kに対するハービングガラスG7の傾き角で容易に変更が可能であり、対物レンズG6の交換に伴う瞳径A’の変更に容易に対応することが可能となる。
対物レンズG6は、高NAを有する必要があるため、60倍から100倍が一般に使用される。60倍と100倍とでは、対物レンズG6の瞳面A’の最周辺部と共役な位置(円弧状開口絞りAC内での光軸Kを中心とした半径方向での位置)が異なる。従って、対物レンズG6の交換に対応するためにも光束のシフト量は可変とすることが望ましい。
図4において、レーザ照明光学系2の光軸Jの略垂直方向に移動可能なレーザ光全反射照明切換手段に支持され、レーザ光がレーザ光照明光学系2の光軸Jに対して略垂直な方向に所定の量ずらして配置されている。このレーザ光源S1から出射したレーザ光は、コリメートレンズG1で視野絞りFの開口を通過する光であり、光路偏向ミラーM1に入射される。
白色光源S2(例えば、Hg光源)の最も輝度の高い光源位置は、略光軸Kの位置に配置されている。白色光源S2を出射した光は、コリメートレンズG2で略平行光となり、励起光の波長を決める励起フィルタG8により所定の波長の光が取り出され、集光レンズG3で集光され、ハービングガラスG7に入射し、光束が光軸Kから所定量ずらされ円弧状開口絞りACの開口部ASに結像される。円弧状開口絞りACからの光はコリメートレンズG4でコリメートされ切換えミラーM2で反射されて視野絞りFを通過する光となる。
切換えミラーM2を切換えることによって、レーザ光源S1まはた白色光源S2またはレーザ光源S1と白色光源S2との合成光の選択を行う。なお、切換えミラーM2の構成は前述の実施の形態と同様であり説明を省略する。
レーザ光源S1からの光も白色光源S2からの光も視野絞りFでは光軸Lに対して傾いた光となり、集光レンズG5の周辺部分に入射する。集光レンズG5を出射した光束は、ダイクロイックミラーM3で反射され、対物レンズG6の瞳面A’の最周辺部に再び結像される。
瞳面A’の最周辺部に結像された光束は、標本面Oに対して全反射角度以上の入射角度で対物レンズG6から出射し、標本面Oを全反射照明する。この全反射照明光により標本面Oのカバーガラスと標本との境界近傍にエバネッセント波が発生し標本を励起する。
エバネッセント波で励起されて発生した標本面Oからの蛍光は、対物レンズG6で集光され、ダイクロイックミラーM3を透過してバリアフィルタG9に入射し、所定の蛍光のみが通過し、結像レンズG10で像面Iに配置された撮像素子(例えば、CCD素子)で撮像され不図示のモニターで観察される。
このように、本第3実施例では、レーザ光源S1をレーザ光照明光学系2の光軸Jに対して略垂直な方向に所定量ずらすことによってレーザ光全反射照明観察を可能にすることができる。また、ハービングカラスG7を集光レンズG3と円弧状開口絞りACとの間に傾斜可能に挿入することによって、白色光源S1の最大輝度位置を白色光照明光学系4の光軸Kに対して略垂直な方向に所定量ずらすことができ、白色光全反射照明観察を可能にすることができる。さらに、レーザ光と白色光の合成光による全反射照明観察が切換えミラーM2の切換えによって可能となる。特に、レーザ光と白色光との合成光で標本を励起することによって異なる波長の励起光で励起された蛍光を同時に観察することが可能となる。
このように、本発明によれば、レーザ光または白色光またはレーザ光と白色光との合成光を用い、落射照明または全反射照明を可能にする照明装置とこれを用いた落射蛍光顕微鏡または全反射蛍光顕微鏡を提供することができる。
また、落射蛍光観察/レーザ光全反射蛍光観察/白色光全反射蛍光観察等の蛍光観察が、1台の顕微鏡に於いて照明装置の簡単な切換えで実現できるため、低コストの顕微鏡を提供することができる。
また、白色光における全反射照明では、全反射条件を達成するには厳密な調整が必要であるが、白色光照明光学系にハービングガラスと円弧状開口絞りを挿脱可能に構成することによって、調整を容易に行うことができる。
なお、上述の実施の形態は例に過ぎず、上述の構成や形状に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜修正、変更が可能である。
2 レーザ光照明光学系
4 白色光照明光学系
S1 ファイバ(レーザ光源)
S2 白色光源(Hg光源)
G1、G2、G4 コリメートレンズ
G3、G5 集光レンズ
G6 対物レンズ
G7 ハービングガラス
G8 励起フィルタ
G9 バリアフィルタ
G10 結像レンズ
M1 ミラー
M2 切換えミラー
M3 ダイクロイックミラー
O 標本面
I 像面
A 開口絞り
F 視野絞り
AC 円弧状開口絞り
AS 開口部
4 白色光照明光学系
S1 ファイバ(レーザ光源)
S2 白色光源(Hg光源)
G1、G2、G4 コリメートレンズ
G3、G5 集光レンズ
G6 対物レンズ
G7 ハービングガラス
G8 励起フィルタ
G9 バリアフィルタ
G10 結像レンズ
M1 ミラー
M2 切換えミラー
M3 ダイクロイックミラー
O 標本面
I 像面
A 開口絞り
F 視野絞り
AC 円弧状開口絞り
AS 開口部
Claims (6)
- 対物レンズを介して標本を照明する照明装置において、
レーザ光照明光学系と、白色光照明光学系とを有し、
前記レーザ光照明光学系は、前記標本にレーザ全反射照明光を出射し、
前記白色光照明光学系は、前記標本に白色光落射照明光または白色光全反射照明光を出射し、
前記レーザ全反射照明光と前記白色光落射照明光と前記白色光全反射照明光の少なくとも1つの照明光を前記標本に照射する切換手段を有することを特徴とする照明装置。 - 前記白色照明光学系は、前記白色光落射照明光と白色光全反射照明光を切換える白色光全反射照明切換手段を有することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
- 前記白色光全反射照明切換手段は、前記白色光照明光学系の光軸に対して傾斜可能なハービングガラスと、円弧状開口絞を有し、前記白色光照明光学系の光軸に挿脱可能であることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
- 前記切換手段は、前記レーザ光照明光学系からのレーザ光と前記白色光照明光学系からの白色光の少なくとも一方の光を透過または反射するミラーからなることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
- 前記照明装置は、前記白色光全反射照明光と前記レーザ光全反射照明光とを同時に前記標本に照射可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の照明装置。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載の照明装置を有することを特徴とする顕微鏡装置。
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