JP3995408B2 - 電子楽器および電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押鍵操作に連動して駆動される質量体と、押鍵状態を検出する検出手段とを備え、該検出された押鍵状態に応じて楽音を発音する電子楽器および電子楽器の鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
押鍵操作に連動して駆動される質量体と、押鍵状態を検出する検出手段とを備え、該検出された押鍵状態に応じて楽音を発音する電子楽器の鍵盤装置として、たとえば、特表昭56−500055号公報に記載されたものがある。
【0003】
図15は、この従来の鍵盤装置における1つの鍵と電気信号出力装置との組み合わせの側面図である。
【0004】
同図に示すように、鍵201の後端部には、質量体203を押し上げるためのジャッキ202が設けられ、質量体203の後端部上には、その後端部を越えて延びるバネ腕204の一方の端部が接着されて設けられ、バネ腕204のもう一方の端部にはローラ205が設けられている。ローラ205は、該ローラ205により押圧される上部感圧層206を備えたスイッチ板207に押圧されて接触する。
【0005】
鍵201が押鍵されると、質量体203はジャッキ202によって押し上げられ、これにより、ローラ205は、質量体203が腕止め208に当接するまで、スイッチ板207上を押圧しながら下方になでていく。
【0006】
そして、この従来の鍵盤装置では、押鍵状態は、ストロークの始点付近と終点付近はミスタッチやリバウンド等により不安定であるためにその領域を避け、スイッチ板207の略中央に位置する第1接点から第2接点の最初の端部までの間で検出するように構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の電子楽器の鍵盤装置では、上述したように、押鍵状態はスイッチ板207の略中央に位置する領域内で検出されるに過ぎないため、一つの鍵を連打して再発音する場合には、たとえばアコースティックピアノの鍵盤装置と比較して、鍵ストロークをより深くする必要があり、演奏者は違和感を感じていた。
【0008】
また、同様の理由により、上記従来の鍵盤装置では、ダイナミックレンジの広い押鍵状態を検出することができなかった。
【0009】
上記従来の鍵盤装置でも、押鍵状態を検出する領域を拡大させれば、連打時の鍵ストロークをアコースティックピアノで用いられる鍵盤装置に近づけ、また、ダイナミックレンジの広い押鍵状態を検出することができそうに思われる。
【0010】
しかし、上記従来の鍵盤装置では、(1)第1接点の最初の端部を、鍵ストロークのより浅い位置に変更すると、鍵201に少し触れるだけでその押鍵状態の検出が開始し、これとは逆に、第2接点の最初の端部を、鍵ストロークのより深い位置に変更すると、鍵201を押し切らなければ押鍵状態の検出は終了しない、(2)鍵201を強打すると、質量体203は腕止め208に当接して停止するが、このとき、腕止め208のフェルトが沈み込んだ後に戻り、さらに押鍵を続けると、また少し沈むという現象により、ローラ205がスイッチ板207上を行ったり来たり(リバウンド)し、このローラ205のリバウンドによるキーチャタリングの発生を抑える必要がある、という理由で、押鍵状態を検出する領域を、上述のように制限しなければならない。
【0011】
また、上記従来の電子楽器の鍵盤装置では、押鍵/離鍵操作と発音/消音タイミングとの間に微妙なずれがあり、アコースティックピアノ、特にグランドピアノのような繊細さを表現することは困難であった。
【0012】
本発明は、この点に着目してなされたものであり、一つの鍵を連打して再発音する場合にも、演奏者の指から鍵へのタッチ入力を、さらに高忠実に表現力に反映させることができる電子楽器および電子楽器の鍵盤装置を提供することを第1の目的とする。
【0013】
また、アコースティックピアノ、特にグランドピアノのような繊細さを表現することができる電子楽器の鍵盤装置を提供することを第2の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の電子楽器は、駆動部を含み、押鍵操作される複数の鍵と、該複数の各鍵の押鍵操作に応じた前記駆動部の、少なくとも押鍵方向の動作に連動する被駆動部を含み、前記駆動部の動作に応じた前記被駆動部の動作により各々揺動駆動される複数の質量体と、前記複数の鍵および該各鍵にそれぞれ対応する各質量体を揺動自在に支持する支持部と、前記複数の各鍵の押鍵操作に応じて各々楽音の発音と消音とを指示する複数の楽音指示手段とを備えた電子楽器において、前記楽音指示手段は、各々、対応する鍵の押鍵操作に応じて、または対応する鍵の押鍵操作に連動した対応する質量体の揺動に応じて、当該鍵ストロークの途中で押離鍵イベントを発生させる第1のスイッチ部と該第1のスイッチ部とは別体に設けられた第2のスイッチ部を含み、前記第1のスイッチ部は、離鍵ストロークの後半に駆動され、該離鍵ストローク中の互いに異なる位置で状態が変化する2つのスイッチを含み、楽音の消音タイミングは、前記第1のスイッチ部に含まれる2つのスイッチのうちで遅く状態が変化する側が変化したタイミングによって規定されるとともに、消音速度は、前記2つのスイッチの状態が変化した時間差によって規定され、前記第2のスイッチ部は、対応する鍵の駆動部に連動する質量体の被駆動部を介して駆動された質量体によって押鍵ストロークの後半に駆動され、押鍵ストローク中の前記第1のスイッチ部とは異なる位置でかつ互いに異なる位置で状態が変化する2つのスイッチを含み、楽音の発音タイミングは、前記第2のスイッチ部に含まれる2つのスイッチのうちで遅く状態が変化する側が変化したタイミングによって規定されるとともに、鍵速度は、前記2つのスイッチの状態が変化したタイミングの差によって規定され、前記楽音指示手段によって発音指示される楽音は、発音時には鍵速度によって、消音時には前記消音速度によって制御されることを特徴とする。
【0015】
ここで、鍵ストロークの前半と後半とは、鍵ストロークを2等分したときの前半部と後半部を意味するのではなく、それよりも広く、鍵ストロークを任意の割合で分割したときの前半部と後半部を意味する。
【0016】
また、第1および第2のセンサは、タッチセンサを用いても、全行程センサを用いてもよい。全行程センサを用いる場合には、全行程のうちの一部の行程における検出値に基づいて、上記各種タイミングを規定する。
【0017】
請求項1に記載の構成では、鍵ストロークの前半に駆動される第1のセンサにより、楽音の消音タイミングが規定され、鍵ストロークの後半に駆動される第2のセンサにより、楽音の発音タイミングが規定されるとともに、鍵速度を規定するためのタイミングが、鍵ストローク時の、前記支持部に対する鍵の位置によって規定されるので、再発音する場合には、その鍵ストロークを、鍵ストローク前半の消音タイミングまで持って行かなくても、鍵ストローク後半の所定タイミングまで持って行けばよいので、再発音を容易に行うことができ、これにより、再発音時にも、演奏者の指から鍵へのタッチ入力を、さらに高忠実に表現力に反映させることができる。
【0019】
また、請求項1に記載の電子楽器において、好ましくは、前記第1のスイッチ部は、対応する鍵によって駆動されるものであることを特徴とする(請求項2)。
【0020】
さらに、請求項1に記載の電子楽器において、好ましくは、前記第1および第2のスイッチ部は、各々複数の接点を一体に形成した接点集合体を含むことを特徴とする(請求項3)。
【0023】
さらに、請求項1に記載の電子楽器において、好ましくは、前記第1および第2のスイッチ部は、各々可動部と固定部とからなるとともに、各々独立し、前記固定部は、各々、分離された各基板上に配設されることを特徴とする(請求項)。
【0025】
ここで、準備とは、第2の位置が再度検出されてから再度第1の位置が検出されて、当該楽音の再発音が指示されるまでになされる各種処理をすべて含む意味である。すなわち、この準備段階を経た上で、押鍵が進み、再度第1の位置が検出されると、当該楽音の再発音が指示されるのであって、第2の位置が再度検出されただけでは、当該楽音の再発音は指示されない。
【0026】
また、第3の位置は、鍵ストロークの前半内の位置であれば、どのような位置であってもよい。たとえば、後述する図5において、請求項8の「第3の位置」は、図5の「第3の位置」と「第4の位置」の間の任意の位置を意味している。また、請求項8の「第3の位置」は、図5の「第2の位置」よりも近い(浅い)位置であればよいとも言い得る。
【0027】
請求項8に記載の構成では、対応する第2のセンサによって第2の位置が検出されてから第1の位置が検出されたときに、対応する楽音の発音が指示され、該楽音の発音が指示されている状態で、当該第2のセンサによって再度前記第2の位置が検出されたときに、当該楽音の再発音が準備されるので、再発音(の準備)する場合には、その鍵の位置を、第3の位置、すなわち鍵ストローク前半内の位置まで持って行かなくても、鍵ストローク後半内の第2の位置まで持って行けばよいので、再発音(の準備)を容易に行うことができ、これにより、再発音(の準備)時にも、演奏者の指から鍵へのタッチ入力を、さらに高忠実に表現力に反映させることができる。
【0028】
上記第1の目的を達成するため、請求項に記載の電子楽器の鍵盤装置は、駆動部を含み、押鍵操作される鍵と、該複数の各鍵の押鍵操作に応じた前記駆動部の押鍵方向の動作に連動するとともに、戻り時にその戻り動作に対して前記駆動部と連動する被駆動部を含み、前記駆動部の動作に応じた前記被駆動部の動作により各々揺動駆動される複数の質量体と、前記鍵および該鍵に対応する質量体を揺動自在に支持する支持部と、前記鍵の押鍵操作に応じて楽音の発音と消音とを指示するスイッチ手段とを備えた電子楽器の鍵盤装置において、前記スイッチ手段は、押鍵ストロークの後半に、対応する鍵の駆動部に連動する質量体の被駆動部を介して駆動された質量体により駆動され、当該押鍵駆動の際に発音指示を行うときの鍵位置である第1の位置を表す第1の位置信号を発生する第1の位置信号発生手段と、押鍵ストロークの後半に、対応する鍵の駆動部に連動する質量体の被駆動部を介して駆動された質量体により駆動され、当該押鍵駆動の際に押鍵速度の計測を開始するときの鍵位置である第2の位置に鍵が存在する場合に、該第2の位置を表す第2の位置信号を発生する第2の位置信号発生手段と、離鍵ストロークの後半に駆動され、当該離鍵駆動の際に消音指示するときの鍵位置である第3の位置に鍵が存在する場合に、該第3の位置を表す第3の位置信号を発生する第3の位置信号発生手段とを有し、押鍵によって、前記質量体が前記第1の位置に達したときに、前記第2の位置で開始された第2の位置から第1の位置までの区間の押鍵速度を計測し、前記発音指示に伴って発生される楽音は該押鍵速度に基づき制御され、鍵ストッパおよび質量体ストッパが、それぞれ前記鍵および前記質量体のリバウンドを抑え、前記質量体ストッパが前記質量体の当接時にわずかに沈む材質とすることで衝突を緩和して、質量体が前記第2の位置よりもさらに戻ることを防止することを特徴とする。
【0029】
請求項9に記載の構成では、発音時の質量体のリバウンドによる再発音を行う鍵の限界位置が、離鍵時の鍵の位置を基準として、前記第2の位置よりも遠くに位置するように、該質量体を前記支持部に対して配置するようにしたので、再発音を容易にしながら、再発音時のキーチャタリングの発生を抑制でき、これにより、再発音時にも、演奏者の指から鍵へのタッチ入力を、さらに高忠実に表現力に反映させることができる。
【0030】
また、請求項に記載の電子楽器の鍵盤装置において、好ましくは、前記第3の位置信号発生手段は、前記鍵によって駆動されるスイッチであることを特徴とする(請求項)。
【0031】
さらに、請求項に記載の電子楽器の鍵盤装置において、好ましくは、前記スイッチ手段は、さらに、鍵ストロークの前半に駆動され、当該離鍵駆動の際に離鍵速度の計測を開始するときの鍵位置である第4の位置を表す第4の位置信号を発生する第4の位置信号発生手段を有することを特徴とする(請求項)。
【0037】
また、請求項1に記載の電子楽器において、好ましくは、前記第1および第2のスイッチ部からの出力に基づいて、タッチレスポンス信号を生成するタッチレスポンス信号生成手段と、該生成されたタッチレスポンス信号に基づいて、対応する楽音指示手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする(請求項)。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0039】
図1は、本発明の一実施の形態に係る鍵盤装置を備えた電子楽器の概略構成を示すブロック図である。
【0040】
同図に示すように、本実施の形態の電子楽器は、音高情報を入力するための鍵盤装置1と、各種情報を入力するための複数のスイッチを備えたパネルスイッチ2と、鍵盤装置1の各鍵の押鍵状態を検出する押鍵検出回路3と、パネルスイッチ2の各スイッチの押下状態を検出するスイッチ検出回路4と、装置全体の制御を司るCPU5と、該CPU5が実行する制御プログラムや、各種テーブルデータ等を記憶するROM6と、演奏データ、各種入力情報および演算結果等を一時的に記憶するRAM7と、タイマ割込み処理における割込み時間や各種時間を計時するタイマ8と、各種情報等を表示する、たとえば大型液晶ディスプレイ(LCD)若しくはCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイおよび発光ダイオード(LED)等を備えた表示装置9と、記憶媒体であるフロッピディスク(FD)20をドライブするフロッピディスクドライブ(FDD)10と、前記制御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムや各種データ等を記憶するハードディスク(図示せず)をドライブするハードディスクドライブ(HDD)11と、前記制御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムや各種データ等を記憶するコンパクトディスク−リード・オンリ・メモリ(CD−ROM)21をドライブするCD−ROMドライブ(CD−ROMD)12と、外部からのMIDI(Musical Instrument Digital Interface)信号を入力したり、MIDI信号を外部に出力したりするMIDIインターフェース(I/F)13と、通信ネットワーク101を介して、たとえばサーバコンピュータ102とデータの送受信を行う通信インターフェース(I/F)14と、鍵盤装置1から入力された演奏データや予め設定された演奏データ等を楽音信号に変換する音源回路15と、該音源回路15からの楽音信号に各種効果を付与するための効果回路16と、該効果回路16からの楽音信号を音響に変換する、たとえば、DAC(Digital-to-Analog Converter)やアンプ、スピーカ等のサウンドシステム17とにより構成されている。
【0041】
上記構成要素3〜16は、バス18を介して相互に接続され、CPU5にはタイマ8が接続され、MIDII/F13には他のMIDI機器100が接続され、通信I/F14には通信ネットワーク101が接続され、音源回路15には効果回路16が接続され、効果回路16にはサウンドシステム17が接続されている。
【0042】
HDD11のハードディスクには、前述のように、CPU5が実行する制御プログラムも記憶でき、ROM6に制御プログラムが記憶されていない場合には、このハードディスクに制御プログラムを記憶させておき、それをRAM7に読み込むことにより、ROM6に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU5にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。
【0043】
CD−ROMドライブ12のCD−ROM21から読み出された制御プログラムや各種データは、HDD11内のハードディスクにストアされる。これにより、制御プログラムの新規インストールやバージョンアップ等が容易に行える。なお、このCD−ROMドライブ12以外にも、外部記憶装置として、光磁気ディスク(MO)装置等、様々な形態のメディアを利用するための装置を設けるようにしてもよい。
【0044】
MIDII/F13は、専用のものに限らず、RS−232CやUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)等の汎用のインターフェースより構成してもよい。この場合、MIDIメッセージ以外のデータをも同時に送受信してもよい。
【0045】
通信I/F14は、上述のように、たとえばLAN(Local Area Network)やインターネット、電話回線等の通信ネットワーク101に接続されており、該通信ネットワーク101を介して、サーバコンピュータ102に接続される。HDD11内のハードディスクに上記各プログラムや各種パラメータが記憶されていない場合には、通信I/F14は、サーバコンピュータ102からプログラムやパラメータをダウンロードするために用いられる。クライアントとなるコンピュータ(本実施の形態では、電子楽器)は、通信I/F14および通信ネットワーク101を介してサーバコンピュータ102へとプログラムやパラメータのダウンロードを要求するコマンドを送信する。サーバコンピュータ102は、このコマンドを受け、要求されたプログラムやパラメータを、通信ネットワーク101を介してコンピュータへと配信し、コンピュータが通信I/F14を介して、これらプログラムやパラメータを受信してHDD11内のハードディスクに蓄積することにより、ダウンロードが完了する。
【0046】
この他、外部コンピュータ等との間で直接データのやりとりを行うためのインターフェースを備えてもよい。
【0047】
なお、本実施の形態の電子楽器は、上述の構成から分かるように、汎用的なパーソナルコンピュータ上に構築されたものであるが、これに限らず、本発明を実施できる最小限要素のみから構成した専用装置上に構築してもよい。
【0048】
図2は、上記鍵盤装置1の断面図であり、同図(a)は、非押鍵状態を示し、同図(b)は、押鍵状態を示している。同図では白鍵について図示するが、黒鍵についても同様に構成される。なお、本実施の形態において、演奏者側を前方と称する。
【0049】
鍵盤装置1は、押鍵操作されるシーソー型の鍵31と、鍵31によって駆動され回動支点機構M(質量体回動支点機構)によって回動する質量体40とを有する。回動支点機構Mは、主として、鍵31の後方における棚板32上に設けられた質量体支持部材50と、該質量体支持部材50の上部に、各鍵31に対応して突設された複数の支点ピン53とにより構成される。
【0050】
棚板32上には鍵支持部材33が設けられ、複数の鍵31は鍵支持部材33によって押離鍵方向に回動自在に支持される。ストッパ34は、鍵31と当接して鍵31の押鍵の終端位置(同図(b))を規定する。鍵31の後端部上面は、滑らかに加工されており、質量体40を駆動する駆動部31aとして機能する。
【0051】
質量体40は、回動支点機構Mの主に前方の部分に、押鍵時に適当な慣性力を得るための質量を有する。質量体40の回動支点機構Mの前方には、発音位置調整用ネジ43が設けられている。発音位置調整用ネジ43の下端部は、鍵31の駆動部31aと当接する被駆動部43aとして機能する。鍵31の押鍵操作により、駆動部31aが被駆動部43aと当接して、質量体40が回動する。発音位置調整用ネジ43は、質量体40の回動量と発音タイミングとの関係を調整するのに用いられる。
【0052】
質量体40の回動支点機構Mより後方の部分は、への字状に屈曲しており、下面に第1アクチュエータ41および第2アクチュエータ42が突設されている。質量体40の後半部下方には、第1スイッチ基板51および第2スイッチ基板52が設けられている。第1スイッチ基板51上には第1スイッチ部55が、第2スイッチ基板52上には第2スイッチ部56が、各鍵31に対応してそれぞれ配置されている。第1、第2のスイッチ部55,56はいずれも、ラバー(弾性樹脂体)で構成された接点時間差タイプの2メイク式タッチレスポンススイッチである。鍵ストロークにおいて、第1アクチュエータ41は先に第1スイッチ部55に当接し、これに遅れて第2アクチュエータ42が第2スイッチ部56に当接するように設定されている。
【0053】
図2から推察されるように、第1スイッチ基板51および第2スイッチ基板52は、略同一形状をしており、その配線も、とくに電源に関するものは共通である。このため、同一基板上に、この2個のスイッチ基板をミシン目を入れて作成するとともに、両者の電源線をジャンパ線で接続し、ミシン目から両者を分離することにより、別々のスイッチ基板とする、いわゆる分割基板で、この第1スイッチ基板51および第2スイッチ基板52を製造すれば、製造コストを削減することができる。
【0054】
本実施の形態では、図9および図10を用いて後述する所定のアルゴリズムによって第1スイッチ部55をキーオン検出用に用い、第2スイッチ部56をキーオフ検出用に用いて、検出信号を楽音指示に使用するようにしている。
【0055】
なお、上述したように、本実施の形態では回動支点機構Mにより近い第1スイッチ部55から先に駆動され、回動支点機構Mからより遠い第2スイッチ部56が後から駆動されるようにしたことで、安定した動作が確保される。すなわち、各アクチュエータ41,42が互いに離間している構成では、各スイッチ部55,56の駆動順序を逆に設定すると、作動上不安定になる場合があり好ましくないからである。
【0056】
また、各アクチュエータ41,42間の距離を十分に確保した上で、回動支点機構Mにより近いスイッチ部から順に駆動されるようにしたので、発音タイミング等の精度が向上する。すなわち、たとえばピアノにおけるハンマによる打弦タイミングに対応する位置に各スイッチ部55,56を配置する場合において、この配置が質量体40側で多少ずれたとしても、その影響は鍵31に対応させたら僅かなものとなる。したがって、各スイッチ部55,56自体の精度がそれほど高いものでなくても、これらを組み合わせた発音制御処理システムを構築すれば、発音位置の精度、ひいてはタッチレスポンスの精度を向上することができる。
【0057】
第1スイッチ基板51の後方にはストッパ57が設けられる。ストッパ57は、質量体40の回動時に質量体40の後端部と当接して緩衝機能を果たす。パネル部35は、鍵31の上方に配置され、各種パネルスイッチ2や表示装置9を備える。
【0058】
図3および図4は、それぞれ、第1および第2スイッチ部55,56の外観の一部を拡大した図であり、両図中、(a)はその正面図を示し、(b)はその側面図を示している。
【0059】
図3(b)において、第1スイッチ部55は、上述のように、2メイク式タッチレスポンススイッチであり、第1アクチュエータ41が第1スイッチ部55の表面に当接して、その第1スイッチ部55側の当接面が下方に押し下げられたときに、最初にオンする第1スイッチ55a(可動接点)と、それより遅れてオンする第2スイッチ55b(可動接点)とを内部に一体に形成したラバー(弾性樹脂)から成る可動接点体と、固定接点を成す基板55d(固定接点体)とを有する接点集合体から成る。
【0060】
なお、図3では、ある一つの鍵(質量体)の第1アクチュエータが当接する第1スイッチ部55の一部の外観が示されているのみであり、第1スイッチ部55は、実際には、図示の構成が複数の鍵(質量体)のそれぞれに対して同様に配列されている。そして、図3には、第1スイッチ部55の一方の端部が図示されている。
【0061】
また、第1スイッチ部55には、該第1スイッチ部55を第1スイッチ基板51に固定させるために複数の突起部55cが設けられ、第1スイッチ基板51の対応する位置に設けられた孔(図示せず)にこの突起部55cを挿入することで、第1スイッチ部55を第1スイッチ基板51に固定する。
【0062】
第2スイッチ部56も、上述のように、2メイク式タッチレスポンススイッチであり、図4に示すように第1スイッチ部55と同様に、最初にオンする第1スイッチ56a(可動接点)と、それより遅れてオンする第2スイッチ56b(可動接点)とを有する接点集合体から成り、第2スイッチ基板52に該第2スイッチ部56を固定させるための複数の突起部56cが設けられている。
【0063】
第1スイッチ部55と第2スイッチ部56との相違点は、第1スイッチ部55は、第1アクチュエータ41が当接したときに、第1アクチュエータ41側の当接面が第1スイッチ部55側の当接面上を滑らかにスライドするように、第1スイッチ部55側の当接面に傾斜が設けられているのに対して、第2スイッチ部56は、そのような構造をしていないこと、また、第2スイッチ部56は、その当接面を押下したときに座屈感が生じるような構造をしているのに対して、第1スイッチ部55は、そのような構造をしていないことの2点である。
【0064】
図5は、鍵ストロークにおける各スイッチ部55,56の各スイッチ55a,55b,56a,56bのオン位置(タイミング)を示す図である。
【0065】
同図に示すように、鍵盤装置1の各鍵は、それぞれ、離鍵位置から最も深い押鍵位置に至るまで上下方向に最大10mm変動する。そして、鍵ストロークに従って、まず第3の位置で、第1スイッチ部55の第1スイッチ55aがオンし、次に第4の位置で、第1スイッチ部55の第2スイッチ55bがオンし、次に第2の位置で、第2スイッチ部56の第1スイッチ56aがオンし、最後に第1の位置で、第2スイッチ部56の第2スイッチ56bがオンする。このように、各スイッチ55a,55b,56a,56bがこの順序で順次オンして行くように、すなわち、第1スイッチ部55の第2スイッチ55bがオンする前に第2スイッチ部56の第1スイッチ56aがオンしないように、質量体40の質量体支持部材50に対する位置関係、第1および第2アクチュエータ41,42の形状、第1および第2スイッチ部55の形状、第1および第2スイッチ基板51,52の位置等を決定している。
【0066】
そして、第3の位置を消音タイミング(音源回路15に対して消音を指示するタイミング)を規定する位置とし、第4の位置をキーオフ時間の計測を開始するタイミングを規定する位置とし、第2の位置をキーオン時間の計測を開始するタイミングを規定する位置とし、第1の位置を発音タイミング(音源回路15に対して発音を指示するタイミング)を規定する位置としている。すなわち、第4の位置から第3の位置までがキーオフ時間(このキーオフ時間は、後述するように、キーオフベロシティ(消音速度)を規定する)を計測している状態であり、第2の位置から第1の位置までがキーオン時間(このキーオン時間は、後述するように、キーオンベロシティを規定する)を計測している状態である。これにより、鍵が、第1の位置より深い位置まで押鍵されて楽音が発音されている状態で、同じ音高の楽音を再発音するときには、押鍵位置を第2の位置まで戻した後に第1の位置まで押下すればよい、換言すれば、押鍵位置を第3の位置まで戻さなくても再発音できるので、演奏者の指から鍵へのタッチ入力を、さらに高忠実に表現力に反映させることができる。
【0067】
また、従来技術で前述したように、押鍵に応じて質量体40はリバウンドするが、本実施の形態では図5に示すように、そのリバウンドのリミット位置を第1の位置より浅くかつ第2の位置より深い位置に設定した、すなわち、そのリバウンドのリミット位置を押鍵状態を検出しているタイミング内に設定したので、ダイナミックレンジの広い押鍵状態を検出することができる。さらに、そのリバウンドのリミット位置を第2の位置より深い位置に設定したので、質量体40のリバウンド位置が最大になったとしても、これにより再発音は指示されない、換言すれば、質量体40のリバウンドによるチャタリングの発生を鍵盤装置の構造上抑制するようにしたので、鍵処理にチャタリングを除去する処理を加えなくてもよく、鍵処理を簡単化することができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、鍵盤装置として、上述の構成のものを例に挙げて説明したが、本発明を実現する鍵盤装置は、これに限られるわけではない。
【0069】
具体的には、まず、第1または第2スイッチ部55,56のいずれか一方はそのままにし、他のスイッチ部だけを、鍵31の前半部の略中央に設けられたアクチュエータが当接する位置に設置することにより、本発明を実現できる。
【0070】
次に、第1または第2スイッチ部55,56のいずれか一方はそのままにし、他のスイッチ部だけを、鍵31の後半部の略中央に設けられたアクチュエータが当接する位置に設置し、このスイッチ部の第1および第2スイッチによるスイッチイベントの論理を、本実施の形態の鍵盤装置1と逆にすることにより、本発明を実現できる。
【0071】
次に、第1または第2スイッチ部55,56のいずれか一方を、鍵31の前半部の略中央に設けられたアクチュエータが当接する位置に設置し、他のスイッチ部を、鍵31の後半部の略中央に設けられたアクチュエータが当接する位置に設置し、このスイッチ部の第1および第2スイッチによるスイッチイベントの論理を、本実施の形態の鍵盤装置1と逆にすることにより、本発明を実現できる。
【0072】
さらに、本実施の形態の質量体40の後半部を省略し、質量体支持部材50からこの質量体40を覆うようにフレームを延ばし、そのフレームの内側に第1および第2スイッチ部55,56をその当接面が質量体40と向かい合うように設置するとともに、質量体40の鍵31と逆の面に第1および第2アクチュエータを設置し、この第1および第2アクチュエータが、それぞれ第1および第2スイッチ部55,56を当接するようにしても、本発明を実現できる。
【0073】
また、図6に示すように、質量体70が上方に回動するように指示する支持部材65に、鍵61の後端部が当接する位置に第1スイッチ部71を設けるとともに、支持部材65に設けられたアーム部65aに、質量体70の後端部が当接する位置に第2スイッチ部72を設けるようにしても、本発明を実現できる。
【0074】
図7は、さらに他の鍵盤装置を示し、同図では、鍵盤装置110は、非押鍵状態を側面から見て、ごく概略的に表わされている。
【0075】
図7に示される鍵盤装置110は、白鍵121Wと黒鍵121Bとからなる鍵121と、鍵121に連動して駆動される質量体143とを多数備えている。楽器の棚板部122上には、主鍵支持部123Aおよび副鍵支持部123Bが固着され、両支持部123A,123Bは鍵支持部123を構成する。主鍵支持部123Aには支点ピンWf,Bfが固設され、白鍵121Wは支点ピンWfに回動自在に支持され、黒鍵121Bは支点ピンBfに回動自在に支持されている。鍵121の前方部(図示左側部)には、副鍵支持部123Bから突設させた鍵ガイド部WG,BGが設けられ、白黒鍵121W,121Bを別々に押して離鍵するときの鍵動を鍵ガイド部WG,BGによってガイドする構成になっている。また、副鍵支持部123Bには白鍵用下限ストッパ部WSおよび黒鍵用下限ストッパ部BSが設けられる。
【0076】
鍵支持部123では、主鍵支持部123Aおよび副鍵支持部123Bを固定的に一体成形した接続部LDによって、上方から見てラダー状に両支持部123A,123Bを結合させている。そして、この接続部LDの上方において鍵121の下方に位置するところには、支持部B1,B2を介して棚板部122に設けられた基板SB1上に、前記図3と同様の構成の第1スイッチ(SW)147が配設されている。鍵121の後方では、支点部Mfを有する質量体支持部141が棚板部122に固設され、錘りW1,W2を内包した樹脂製の質量体143の支点部mfが支点部Mfに回動自在に支持され、これにより、質量体143は支持部141に保持されている。支持部141の上部には、前方側に上限ストッパUSが設けられ、後方側にストッパ部141Sが設けられる。
【0077】
この質量体143は、鍵121の後方上面の質量体駆動部WAにより力伝達部144を介して駆動されるように配設される。力伝達部144は、押鍵時に力を質量体に伝達するとともに、発音位置の微調節用ねじでもある。鍵121の質量体駆動部WAは、滑加工面を有する。さらに、質量体143の下方で質量体支持部141の上方に位置するところには、支持部141の上面に基板SB2が載置され、この基板SB2上には質量体駆動スイッチ148が配設されており、このスイッチ148は、前記図4と同様の構成の第2スイッチ(SW)を構成する。鍵121W(121B)は、非押鍵時には、後部が上限ストッパ部USに当接されて静止しているが、押鍵時には、前方においてストッパ部WS(BS)と当接し、このとき、質量体143は、後部下端がストッパ部141Sに当接する。この際、ストッパ部141Sにて質量体143は衝突が緩和されるので機械的雑音が軽減される。
【0078】
このとき、質量体143は、その錘りW1,W2の慣性作用によって、緩衝体からなるストッパ部141Sをわずかに沈ませて停止する。この停止時のわずかな間に、質量体143のリバウンド現象が起こるが、この発明、すなわち請求項9に係る発明では、このリバウンドによる再発音が起こらないように、後述の可動接点cが、これに対応する固定接点(図示せず)に当接したままに設定する。すなわち、鍵ストッパ部WS(BS)および質量体ストッパ部141Sがそれぞれ鍵121W(121B)および質量体143と衝突したときに、物理的にリバウンドが起ころうとしても、第2SW148、すなわち鍵121W(121B)を深押ししたときにオンされるスイッチが完全に「オフ」状態になる位置までは、ストッパ部WS(WB),141Sの材質を考慮して質量体143を物理的にリバウンドさせないようにしている。換言すると、発音時に質量体143がリバウンドし、これにより再発音がなされる鍵の限界位置が、離鍵時の鍵の位置を基準として、前記第2の位置(図5参照)よりも遠くに位置するように、質量体143をその支持部141に対して配置している。
【0079】
このような構成により、図示左側の矢印で示すように下方向に押鍵すると、鍵121の後方および質量体143の前方は、図示中央の矢印a1で示すように上方向に回動し、質量体143の後方は、図示右側の矢印a2で示すように下方向に回動する。離鍵時には、鍵121および質量体143は、それぞれ、矢印とは逆方向に回動して図示の位置に復帰する。
【0080】
この鍵盤装置110では、第1および第2スイッチ(SW)147,148によって押離鍵ストロークを検出している。図7の例では、第1および第2アクチュエータ部145,146が鍵121および質量体143の下面に設けられ、これによって、それぞれ2つの接点を有する第1および第2スイッチ147,148を駆動する。
【0081】
ここで、各アクチュエータ部145,146と各スイッチ(SW)147,148との間の配置は、押鍵ストロークにおいて、まず、第1アクチュエータ部145が第1SW147に当接し、これに遅れて、第2アクチュエータ部146が第2SW148に当接するような関係になっている。第1および第2SW147,148は、いずれも、ラバー(弾性樹脂体)で構成された2つの接点a,b;c,dを備える接点時間差タイプの2メイク式タッチレスポンススイッチであり、各接点a,b;c,dの閉成(オン)および開放(オフ)動作にストローク差が設定されている。
【0082】
すなわち、第1SW147においては、たとえば、押鍵ストロークで第1アクチュエータ部145が当接する場合、まず、第1SW147の第1接点aが閉成(オン)して第1SW147のオン区間(一接点のみがオンして作動的<動作継続中>である区間の意味)を開始し、次に、第1SW147の第2接点bが閉成して第1SW147のオン区間を終了する。第2SW148においても、同様であり、たとえば、押鍵ストロークで第2アクチュエータ部146が当接する場合、まず、第2SW148の第1接点cが閉成して第2SW148のオン区間を開始し、次に、第2SW148の第2接点dが閉成して第2SW148のオン区間を終了する。また、離鍵ストロークでは、これとは逆に、第2SW148の接点d→c、第1SW147の接点b→aの順に開放(オフ)していく。
【0083】
以上説明したように、この鍵盤装置110では、押鍵情報を第2スイッチ148(第2のセンサ)で検出し、離鍵情報を第1スイッチ147(第1のセンサ)で検出するようにした。すなわち、質量体143に設けられた第2アクチュエータ部146によって第2スイッチ148が駆動されたときに押鍵情報が検出され、鍵121に設けられた第1アクチュエータ部145によって第1スイッチ147が駆動されたときに離鍵情報が検出されるようにした。これによって、該各鍵情報が共働してタッチレスポンス信号が生成され、このタッチレスポンス信号を用いて楽音制御がなされる。
【0084】
一般に、アコースティックピアノでは、鍵→ハンマアクション機構→ハンマ→弦への打弦の順に力の伝達がなされる。このとき、弦止め機構としてダンパ機構が鍵動作に連動して作動する。押鍵を開始すると、ダンパフェルトが弦から離れ、離鍵終了直前にてダンパフェルトが弦に当接する。
【0085】
このようなピアノの発音/消音機構において、弦へのハンマ打接時の「力」のみが演奏表現力に反映し、その途中の鍵アクションの振る舞いは演奏表現力にあまり関係しない。しかしながら、離鍵の態様によっては、あるいは離鍵直後の再発音によっては、微妙な表現が可能となり、ジャック頭部がハンマローラを突き上げ得るところ(鍵位置に対応させると、わずかな離鍵位置(たとえば、図5の第2の位置))まで戻れば、再発音可能なように構成されている。このときの弦振動が大きければ大きいほど、ダンパフェルトは、離鍵の早い段階からその弦振動を少しだけ抑えるように働き、完全離鍵時にはその弦振動を完全に抑えて、楽音は消音する。すなわち、離鍵のテクニックによって、音色を微妙に変化させることも可能となっている。
【0086】
一方、本実施の形態に立ち戻ると、移動距離の大きい慣性体である質量体の慣性力情報が、質量体によって駆動される2メイクスイッチの接点時間差に基づいた鍵速度として得られる、すなわち理想的な押鍵情報として得られるようになっており、また、離鍵情報としては慣性体に比べて移動距離が短い鍵の離鍵動を検出するスイッチから得られるようになっているので、離鍵時の離鍵情報による制御(たとえば、楽音制御)がよりリアルに再現可能となる。すなわち、上述したダンパフェルトが半分弦に当接している楽音に、鍵のどの位置から切り換えるかという制御等をしようとした場合にも、アコースティックピアノに対し違和感なく表現することができる。換言すれば、鍵のみによりまたは質量体のみにより駆動されるスイッチを用いて上述の表現を行おうとしても、違和感があり、滑稽である。また、本実施の形態では、再発音するときだけは、大きい離鍵動作をせずに可能とする一方、完全消音するときには、大きい離鍵動作によることとした点も、アコースティックピアノの原理にかなっている。
【0087】
このような理由から、本実施の形態の鍵盤装置では、アコースティックピアノ、特にグランドピアノの鍵盤を押鍵/離鍵操作したときの発音/消音タイミングをよりよくシミュレートすることができ、これによりグランドピアノのような繊細さを表現することができる。
【0088】
以上のように構成された電子楽器が実行する制御処理を、以下、図8〜図14を参照して詳細に説明する。
【0089】
図8は、本実施の形態の電子楽器、特にCPU5が実行するメインルーチンの手順を示すフローチャートである。
【0090】
同図において、まず、図13を用いて後述するバッファKEYBUF,TCBUFおよびカウンタ領域Ton(n),Toff(n)(n:0〜15の整数値)を含む前記RAM7のクリアや、デフォルトテンポおよびデフォルト音色等の設定等の初期化処理を実行する(ステップS1)。
【0091】
次に、演奏者が音色等の楽音パラメータを指定したときに、この指定された楽音パラメータを、前記音源回路15の対応するレジスタ等に設定する楽音パラメータ設定処理を実行する(ステップS2)。
【0092】
そして、演奏者が鍵盤装置1を用いて行った押鍵操作または離鍵操作に応じて、各種発音情報または消音情報を取得するとともに、その取得した発音情報または消音情報を音源回路15に送出することで、音源回路15に対して発音処理または消音処理を指示する鍵処理サブルーチン(その処理の詳細は、図9および図10を用いて後述する)を実行し(ステップS3)、鍵処理による発音処理または消音処理の指示に応じて、音源回路15に対して発音処理または消音処理を開始させる音源処理サブルーチン(その処理の詳細は、図11を用いて後述する)を実行した(ステップS4)後に、前記ステップS2に戻り、ステップS2〜S4の処理を繰り返す。
【0093】
また、CPU5は、このメインルーチンと並行して、前記タイマ8が所定時間(たとえば5μsec)毎に発生するタイマ割り込み信号に応じて起動されるタイマ割り込み処理(その処理の詳細は、図12を用いて後述する)を実行する。
【0094】
図9および図10は、ステップS3の鍵処理サブルーチンの詳細な手順を示すフローチャートである。
【0095】
このフローチャートに基づいて本鍵処理を詳細に説明する前に、その概要を前記図5を参照して説明する。
【0096】
本鍵処理では、大きく分けて、(1)単発(連打ではないという意味に用いている。以下同様)の押鍵に対する処理、(2)連打の押鍵に対する処理、(3)離鍵に対する処理、(4)(1)〜(3)に共通の処理の4種類の処理を行っている。
【0097】
そして、(1)単発の押鍵に対する処理では、▲1▼キーオン時間の計測を開始するタイミング(第2の位置)の決定処理、▲2▼発音タイミングd(第1の位置)の決定処理および発音処理を行い、(3)離鍵に対する処理では、▲3▼キーオフ時間の計測を開始するタイミング(第4の位置)の決定処理、▲4▼消音タイミング(第3の位置)の決定処理および消音処理を行い、(4)(1)〜(3)に共通の処理では、▲5▼発音チャンネルの決定処理を行う。そして、(2)連打の押鍵に対する処理では、ほぼ(1)単発の押鍵に対する処理を使用し、ただ(4)共通の処理中の処理の移行経路が、(1)単発の押鍵に対する処理と異なるのみである。
【0098】
図9および図10において、▲1▼キーオン時間の計測を開始するタイミングの決定処理は、ステップS16→S17→S18→S19→リターンの経路でなされる。そしてこの場合、▲5▼発音チャンネルの決定処理は、ステップS11→S12→S13→S14→S15→S16の経路でなされる。
【0099】
すなわち、まず、いずれかのキーイベントがあるかどうかを判別する(ステップS11)。ここで、キーイベントとは、オンイベントとオフイベントを意味し、オンイベントには、第1スイッチ部55の第1および第2スイッチ55a,55b、第2スイッチ部56の第1および第2スイッチ56a,56bの合計4つのスイッチによる4種類のオンイベントがあり、オフイベントにも、これら4つのスイッチによる4種類のオフイベントがある。したがって、全部で8種類のキーイベントを区別する必要があるため、本実施の形態では、後述する方法により、この8種類のキーイベントを区別している。なお、キーイベント自体の検出(これは、4つのスイッチのオン/オフを常時チェックし、その状態に変化が生じた時点とその変化の方向(オン→オフまたはオフ→オンのいずれか)とを検出することによって検出される)は、本鍵処理以外の図示しないルーチンで行われ、本鍵処理では、その結果のみを使用している。
【0100】
次に、キーイベントが発生したキーコードKCを格納しているチャンネルCHがあるか否かを判別する(ステップS12)。
【0101】
図13は、前記RAM7上に確保されたバッファ領域およびタイマ領域のフォーマットを示す図であり、(a)は、各チャンネル毎の発音情報および消音情報を記憶するためのバッファKEYBUFのフォーマットを示し、(b)は、各チャンネル毎のフラグTCを記憶するためのバッファTCBUFのフォーマットを示し、(c)は、各チャンネル毎のキーオン時間およびキーオフ時間を計測するためのソフトウェアカウンタ領域のフォーマットを示す図である。
【0102】
図13(a)において、バッファKEYBUFは、16個の発音チャンネル(0〜15CH)それぞれに対して、キーコードデータを格納するための領域KC(n)と、キーイベント種類データを格納するための種類領域と、キーオンベロシティデータを格納するための領域Von(n)と、キーオフベロシティデータを格納するための領域Voff(n)とにより構成されている。
【0103】
キーイベント種類データとは、前記8種類のキーイベントを区別するためのデータを言い、3ビットデータで表される。すなわち、3ビットの各データは、第3ビットが0:第1スイッチ部55;1:第2スイッチ部56を示し、第2ビットが0:第1スイッチ;1:第2スイッチを示し、第1ビットが0:オンイベント;1:オフイベントを示している。具体的には、図13(a)の第0チャンネルのキーイベント種類データは、101B(ただし、“B”は、その直前の数値が2進数であることを示す記号である。以下同様)であり、これは、第2スイッチ部56の第1スイッチ56aのキーオンイベントであることを示し、第1チャンネルのキーイベント種類データは、010Bであり、これは、第1スイッチ部55の第2スイッチ55bのキーオフイベントであることを示している。
【0104】
次に、空きチャンネルがあるか否かを判別する(ステップS13)。ここで、空きチャンネルは、バッファKEYBUFの領域KC(n)にキーコードデータが格納されているか否かで判別する。すなわち、キーコードデータが格納されていないチャンネルが空きチャンネルである。
【0105】
ステップS13で、空きチャンネルがあれば、発音割り当てするチャンネルを決定し、その決定チャンネルを、RAM7上に確保された領域n(以下、この内容を「チャンネルn」という)に格納し(ステップS14)、チャンネルnに対応する領域KC(n)および種類領域に、それぞれ、今対象となっているキーイベントのキーコードデータおよびキーイベントの種類を格納する。
【0106】
そして、今対象となっているキーイベントが、第2スイッチ部56の第1スイッチ56aのオンイベントであるとき、つまり、チャンネルnに対応するキーイベントの種類=100Bのときには、フラグTC(n)に01Bをセットして、キーオン時間の計測を開始させる(ステップS16→S17→S19→リターン)。
【0107】
▲2▼発音タイミングの決定処理および発音処理は、ステップS16→S17→S18→S20→S21→S22→S23→リターンの経路でなされる。そしてこの場合、▲5▼発音チャンネルの決定処理は、上記▲1▼の場合と同様の経路でなされる。
【0108】
すなわち、今対象となっているキーイベントが、第2スイッチ部56の第2スイッチのオンイベントであるとき、つまり、チャンネルnに対応するキーイベントの種類=110Bのときには、領域Ton(n)に格納されているキーオン時間に相当するカウント値を、図14(a)に示すTon(n)→Von変換テーブル(TBL1)によってキーオンベロシティ値Vonに変換し、このキーオンベロシティ値Vonを、チャンネルnに対応する領域Von(n)に格納し(ステップS20)、領域Ton(n)およびフラグTC(n)をリセット(Ton(n)←0,TC(n)←00B)し(ステップS21,S22)、発音処理を行う(ステップS23)。
【0109】
ここで、発音処理とは、具体的には、チャンネルデータ(発音チャンネルデータとキーコードデータ)、キーオンおよびキーオンベロシティ値Von(n)を音源回路15に送出する処理を言う。
【0110】
▲3▼キーオフ時間の計測を開始するタイミングの決定処理は、ステップS16→S24→S25→S26→リターンの経路でなされる。そしてこの場合、▲5▼発音チャンネルの決定処理は、ステップS11→S12→S14→S15→S16の経路でなされる。
【0111】
すなわち、この場合、キーイベントが発生したキーコードKCを格納しているチャンネルCHがあるので、バッファKEYBUF中、そのチャンネルCHに対する領域を使えばよく、発音チャンネルを新たに決定する必要はないため、前記ステップS13の判別は行わない(ステップS11→S12→14)。
【0112】
ステップS14では、この場合、チャンネルnには上記キーイベントが発生したキーコードKCを格納しているチャンネルCHが格納される。
【0113】
ステップS15では、前述のように、チャンネルnに対応する領域KC(n)および種類領域に、それぞれ、今対象となっているキーイベントのキーコードデータおよびキーイベントの種類を格納するが、この場合には、キーコードデータは既に領域KC(n)内に格納されているので、同じデータで上書きし、また、キーイベントの種類も既に種類領域内に格納されているが、この格納データは上書きするデータとその第1ビットが異なっている。
【0114】
そして、今対象となっているキーイベントが、第1スイッチ部55の第1スイッチのオフイベントであるとき、つまり、チャンネルnに対応するキーイベントの種類=001Bのときには、フラグTC(n)に10Bをセットして、キーオフ時間の計測を開始させる(ステップS16→S24→S25→S26→リターン)。
【0115】
▲4▼消音タイミングの決定処理および消音処理は、ステップS16→S24→S25→S27→S28→S29→S30→S31→リターンの経路でなされる。そしてこの場合、▲5▼発音チャンネルの決定処理は、上記▲3▼の場合と同様の経路でなされる。
【0116】
すなわち、今対象となっているキーイベントが、第1スイッチ部55の第1スイッチのオフイベントであるとき、つまり、チャンネルnに対応するキーイベントの種類=001Bのときには、領域Toff(n)に格納されているキーオフ時間に相当するカウント値を、図14(b)に示すToff(n)→Voff変換テーブル(TBL2)によってキーオフベロシティ値Voffに変換し、このキーオンベロシティ値Voffを、チャンネルnに対応する領域Voff(n)に格納し(ステップS27)、領域Toff(n)およびフラグTC(n)をリセット(Toff(n)←0,TC(n)←00B)し(ステップS28,S29)、消音処理を行1(ステップS30)、バッファKEYBUF中、チャンネルnに対応するすべての領域をクリアする(ステップS31)。
【0117】
ここで、消音処理とは、具体的には、チャンネルデータ(発音チャンネルデータとキーコードデータ)、キーオフおよびキーオフベロシティ値Voff(n)を音源回路15に送出する処理を言う。
【0118】
図11は、前記ステップS4の音源処理サブルーチンの詳細な手順を示すフローチャートである。
【0119】
本音源処理では、▲1▼音源回路15に対する発音処理の開始、▲2▼音源回路15に対する消音処理の開始、▲3▼キーコードKCが格納されている発音チャンネルCHのEGレベルが消音レベル以下であるときに、バッファKEYBUF,TCBUFおよびカウンタ領域Ton(n),Toff(n)中、このチャンネルCHに対応する全領域のデータのクリアを行う。
【0120】
図11において、▲1▼音源回路15に対する発音処理の開始は、ステップS41→S42→S43→S44→リターンの経路でなされる。
【0121】
すなわち、全発音チャンネル中に消音中のキーコードが設定されているチャンネルがなく、キーデータに関する受信信号があり、キーオン(発音の指示)が設定されているときには、音源回路15に対して発音情報に基づく発音処理を開始させる。この発音処理の開始は、具体的には、音源回路15に対して、発音EGの始動を指示したり、音色変化パラメータを指定したりすること等により行われる。
【0122】
▲2▼音源回路15に対する消音処理の開始は、ステップS41→S42→S43→S45→リターンの経路でなされる。
【0123】
すなわち、全発音チャンネル中に消音中のキーコードが設定されているチャンネルがなく、キーデータに関する受信信号があり、キーオフ(消音の指示)が設定されているときには、音源回路15に対して発音情報に基づく消音処理を開始させる。この消音処理の開始は、具体的には、音源回路15に対して、消音EGの始動を指示したり、音色変化パラメータを指定したりすること等により行われる。
【0124】
なお、本実施の形態では、音源回路15は主としてハードウェアにより構成されているので、上記本音源処理では、音源回路15側に発音または消音の開始の指示を行うに過ぎない。しかし、音源回路15を主としてソフトウェアによって構成することもでき、この場合には、その処理手順は上記音源処理に記載されている処理手順より複雑化する。本発明は、この音源処理にその特徴を有するものではないので、その説明は省略する。
【0125】
図12は、タイマ割り込み処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【0126】
本タイマ割り込み処理では、▲1▼キーオン時間の計時処理、▲2▼キーオフ時間の計時処理を行い、そのいずれの処理を行うか、またはいずれの処理も行わないかは、前記フラグTC(n)の値によって判別される。
【0127】
フラグTC(n)は、図13(c)に示すように、00B,01B,10Bの3種類の値を採り、11Bは使用されていない。そして、
TC(n)=00B:キーオン時間もキーオフ時間も計時しない状態
TC(n)=01B:キーオン時間を計時する状態
TC(n)=10B:キーオフ時間を計時する状態
をそれぞれ示している。
【0128】
図12において、▲1▼キーオン時間の計時処理は、ステップS51→S52→S53→S54→S55→S56→S52でなされ、▲2▼キーオフ時間の計時処理は、ステップS51→S52→S53→S57→S58→S55→S56→S52でなされる。
【0129】
各ステップの処理は、図12のフローチャートを見れば簡単に理解できるので、その詳細な説明を省略する。
【0130】
このように、本実施の形態では、質量体40のリバウンドによるチャタリングの発生を鍵盤装置1の構造上抑制するようにしたので、鍵処理にチャタリングを除去する処理が付加されていない。したがって、鍵処理のアルゴリズムを簡単化させることができる。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、鍵ストロークの前半に駆動される第1のセンサにより、楽音の消音タイミングが規定され、鍵ストロークの後半に駆動される第2のセンサにより、楽音の発音タイミングが規定されるとともに、鍵速度を規定するためのタイミングが、鍵ストローク時の、前記支持部に対する鍵の位置によって規定されるので、再発音する場合には、その鍵ストロークを、鍵ストローク前半の消音タイミングまで持って行かなくても、鍵ストローク後半の所定タイミングまで持って行けばよいので、再発音を容易に行うことができ、これにより、再発音時にも、演奏者の指から鍵へのタッチ入力を、さらに高忠実に表現力に反映させることができる。
【0133】
また、請求項に記載の発明によれば、発音時の質量体のリバウンドによる再発音を行う鍵の限界位置が、離鍵時の鍵の位置を基準として、前記第2の位置よりも遠くに位置するように、該質量体を前記支持部に対して配置するようにしたので、再発音を容易にしながら、再発音時のキーチャタリングの発生を抑制でき、これにより、再発音時にも、演奏者の指から鍵へのタッチ入力を、さらに高忠実に表現力に反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る鍵盤装置を備えた電子楽器の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の鍵盤装置の断面図である。
【図3】 図2の第1スイッチ部の外観の一部を拡大した図である。
【図4】 図2の第2スイッチ部の外観の一部を拡大した図である。
【図5】 全鍵ストロークにおける図3および図4の各スイッチ部の各スイッチのオン位置を示す図である。
【図6】 他の鍵盤装置の断面図である。
【図7】 さらに他の鍵盤装置の断面図である。
【図8】 図1の電子楽器、特にCPUが実行するメインルーチンの手順を示すフローチャートである。
【図9】 図8の鍵処理サブルーチンの詳細な手順を示すフローチャートである。
【図10】 図9の鍵処理サブルーチンの続きを示すフローチャートである。
【図11】 図8の音源処理サブルーチンの詳細な手順を示すフローチャートである。
【図12】 タイマ割り込み処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図13】 図1のRAM上に確保されたバッファ領域およびタイマ領域のフォーマットを示す図である。
【図14】 キーオン時間からキーオンベロシティへの変換テーブルの一例およびキーオフ時間からキーオフベロシティへの変換テーブルの一例を示す図である。
【図15】 従来の鍵盤装置における1つの鍵と電気信号出力装置との組み合わせの側面図である。
【符号の説明】
1,110 鍵盤装置
2 パネルスイッチ
5 CPU
7 RAM
8 タイマ
9 表示装置
15 音源回路
31,121 鍵
33 鍵支持部材
123 鍵支持部
40,143 質量体
50 質量体支持部材
141 質量体支持部
51 第1スイッチ基板
52 第2スイッチ基板
55 第1スイッチ部
56 第2スイッチ部
147 第1スイッチ
148 第2スイッチ
SB1,SB2 基板

Claims (8)

  1. 駆動部を含み、押鍵操作される複数の鍵と、
    該複数の各鍵の押鍵操作に応じた前記駆動部の、少なくとも押鍵方向の動作に連動する被駆動部を含み、前記駆動部の動作に応じた前記被駆動部の動作により各々揺動駆動される複数の質量体と、
    前記複数の鍵および該各鍵にそれぞれ対応する各質量体を揺動自在に支持する支持部と、
    前記複数の各鍵の押鍵操作に応じて各々楽音の発音と消音とを指示する複数の楽音指示手段と
    を備えた電子楽器において、
    前記楽音指示手段は、各々、対応する鍵の押鍵操作に応じて、または対応する鍵の押鍵操作に連動した対応する質量体の揺動に応じて、当該鍵ストロークの途中で押離鍵イベントを発生させる第1のスイッチ部と該第1のスイッチ部とは別体に設けられた第2のスイッチ部を含み、
    前記第1のスイッチ部は、離鍵ストロークの後半に駆動され、該離鍵ストローク中の互いに異なる位置で状態が変化する2つのスイッチを含み、
    楽音の消音タイミングは、前記第1のスイッチ部に含まれる2つのスイッチのうちで遅く状態が変化する側が変化したタイミングによって規定されるとともに、消音速度は、前記2つのスイッチの状態が変化した時間差によって規定され、
    前記第2のスイッチ部は、対応する鍵の駆動部に連動する質量体の被駆動部を介して駆動された質量体によって押鍵ストロークの後半に駆動され、押鍵ストローク中の前記第1のスイッチ部とは異なる位置でかつ互いに異なる位置で状態が変化する2つのスイッチを含み、
    楽音の発音タイミングは、前記第2のスイッチ部に含まれる2つのスイッチのうちで遅く状態が変化する側が変化したタイミングによって規定されるとともに、鍵速度は、前記2つのスイッチの状態が変化したタイミングの差によって規定され、
    前記楽音指示手段によって発音指示される楽音は、発音時には鍵速度によって、消音時には前記消音速度によって制御されることを特徴とする電子楽器。
  2. 前記第1のスイッチ部は、対応する鍵によって駆動されるものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
  3. 前記第1および第2のスイッチ部は、各々複数の接点を一体に形成した接点集合体を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
  4. 前記第1および第2のスイッチ部は、各々可動部と固定部とからなるとともに、各々独立し、前記固定部は、各々、分離された各基板上に配設されることを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
  5. 前記第1および第2のスイッチ部からの出力に基づいて、タッチレスポンス信号を生成するタッチレスポンス信号生成手段と、
    該生成されたタッチレスポンス信号に基づいて、対応する楽音指示手段を制御する制御手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
  6. 駆動部を含み、押鍵操作される鍵と、
    該複数の各鍵の押鍵操作に応じた前記駆動部の押鍵方向の動作に連動するとともに、戻り時にその戻り動作に対して前記駆動部と連動する被駆動部を含み、前記駆動部の動作に応じた前記被駆動部の動作により各々揺動駆動される複数の質量体と、
    前記鍵および該鍵に対応する質量体を揺動自在に支持する支持部と、
    前記鍵の押鍵操作に応じて楽音の発音と消音とを指示するスイッチ手段と
    を備えた電子楽器の鍵盤装置において、
    前記スイッチ手段は、
    押鍵ストロークの後半に、対応する鍵の駆動部に連動する質量体の被駆動部を介して駆動された質量体により駆動され、当該押鍵駆動の際に発音指示を行うときの鍵位置である第1の位置を表す第1の位置信号を発生する第1の位置信号発生手段と、
    押鍵ストロークの後半に、対応する鍵の駆動部に連動する質量体の被駆動部を介して駆動された質量体により駆動され、当該押鍵駆動の際に押鍵速度の計測を開始するときの鍵位置である第2の位置に鍵が存在する場合に、該第2の位置を表す第2の位置信号を発生する第2の位置信号発生手段と、
    離鍵ストロークの後半に駆動され、当該離鍵駆動の際に消音指示するときの鍵位置である第3の位置に鍵が存在する場合に、該第3の位置を表す第3の位置信号を発生する第3の位置信号発生手段と
    を有し、
    押鍵によって、前記質量体が前記第1の位置に達したときに、前記第2の位置で開始された第2の位置から第1の位置までの区間の押鍵速度を計測し、前記発音指示に伴って発生される楽音は該押鍵速度に基づき制御され、
    鍵ストッパおよび質量体ストッパが、それぞれ前記鍵および前記質量体のリバウンドを抑え、前記質量体ストッパが前記質量体の当接時にわずかに沈む材質とすることで衝突を緩和して、質量体が前記第2の位置よりもさらに戻ることを防止することを特徴とする電子楽器の鍵盤装置。
  7. 前記第3の位置信号発生手段は、前記鍵によって駆動されるスイッチである
    ことを特徴とする請求項に記載の電子楽器の鍵盤装置。
  8. 前記スイッチ手段は、さらに、
    離鍵ストロークの前半に駆動され、当該離鍵駆動の際に離鍵速度の計測を開始するときの鍵位置である第4の位置を表す第4の位置信号を発生する第4の位置信号発生手段
    を有することを特徴とする請求項に記載の電子楽器の鍵盤装置。
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