JP3987786B2 - 伸縮ブーム式高所作業車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮ブームの先端部に作業台を有して構成される伸縮ブーム式高所作業車に関し、特に、伸縮ブームが三段以上の段数を備えている伸縮ブーム式高所作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】
伸縮ブーム式高所作業車は、走行体上に起伏及び旋回自在に設けられた伸縮ブームの先端部に作業者搭乗用の作業台が設けられた構成となっている。伸縮ブームは複数のブーム部材が入れ子式に組み立てられるとともに、その内部には伸縮シリンダと呼ばれる油圧シリンダを有しており、この伸縮シリンダを伸長作動させることにより、ワイヤ等を介して連結された各ブーム部材が一定の割合で連動して伸縮作動するようになっているのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は上記特許文献に示された伸縮ブームの構成の一例を示す図である。この例に示す伸縮ブーム100は、基端ブーム100aと、中間ブーム100bと、先端ブーム100cとが入れ子式に構成されており、中間ブーム100bは基端ブーム100a内に、また先端ブーム100cは中間ブーム100b内にそれぞれ収められている。基端ブーム100aと中間ブーム100bとの間には伸縮シリンダ101が位置しており、伸縮シリンダ101のシリンダチューブ101aが中間ブーム100bに、またピストンロッド101bが基端ブーム100aにそれぞれ支軸102,103を介して取り付けられている。伸縮シリンダ101のシリンダチューブ101aは先端ブーム100c内にまで延びており、その先端側(図の左側)の端部には第1のシーブ104が、また基端側(図の右側)の端部には第2のシーブ105が設けられている(第2のシーブ105の回転支軸は上述の支軸102)。また、伸縮ブーム100内には、基端ブーム100aに一端が固定されて他端が先端ブーム100c内にまで延びた棒状部材106が設けられており、その先端側の端部には第1のワイヤ支持部材107が設けられている。第1のシーブ104には、一端がこの第1のワイヤ支持部材107に取り付けられるとともに他端が先端ブーム100c内に設けられた第2のワイヤ支持部材108に固定された第1のワイヤ109が掛け渡されており、第2のシーブ105には、同じく一端が第1のワイヤ支持部材107に取り付けられるとともに他端が第2のワイヤ支持部材108に固定された第2のワイヤ110が掛け渡されている。
【0004】
このような構成の伸縮ブーム100では、伸縮ブーム100の全縮状態(先端ブーム100cが中間ブーム100b内に完全収容され、かつ中間ブーム100bが基端ブーム100a内に完全収容された状態)から伸縮シリンダ101を伸長させると、これに従って中間ブーム100bは基端ブーム100aに対して伸長するが、このとき第1のワイヤ109は第1のシーブ104を介して先端ブーム100cを中間ブーム100bに対して伸長させるので、中間ブーム100b及び先端ブーム100cは同時に伸長作動する。一方、このような伸縮ブーム100の伸長状態から伸縮シリンダ101を収縮させると、これにしたがって中間ブーム100bは収縮するが、このとき第2のワイヤ110は第2のシーブ105を介して先端ブーム100cを中間ブーム100bに対して収縮させるので、中間ブーム100b及び先端ブーム100cは同時に収縮作動する。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−301977号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように少なくとも三段の段数を備えた伸縮ブームでは、伸長時には中間ブームと先端ブームとが同時に伸長し、収縮時には中間ブームと先端ブームとが同時に収縮するので、速やかなブームの伸縮作動が可能なのであるが、同時に次のような問題も存在していた。
【0007】
先ず、このような構成の伸縮ブームを有する高所作業車が電柱上の電線や電車軌道の上方に設置される架線のメンテナンス作業等に用いられる場合には、先端ブームがFRP(強化プラスチック)等の電気絶縁性材料により構成される場合が多いが、上記のようにブーム伸長時に各段のブーム部材が同時に伸長等する場合には、先端ブームを電気絶縁性が十分に確保される一定量まで伸長させることができないために、先端ブームが金属材料からなる基端ブームや中間ブームの内部に隠れてしまい、所要の電気絶縁効果が得られない場合があった。このようなときには先端ブームの伸長量が一定量になるまで伸縮ブーム全体を伸長させる必要が生ずるため、車両を作業領域から離れた位置に設置せざるを得なくなり、作業がしにくくなっていた。また、伸縮ブームの中には、先端ブームが中間ブームに対して屈伸自在に構成されたものがあるが、このような構成のブームでは、先端ブームが屈伸自在となるまでブーム全体を伸長させる必要があるため、上記と同様の問題が生じていた。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、電線等のメンテナンス作業を行う場合や、先端ブームが屈伸自在に構成されている場合において、従来に比して高い作業効率で作業を行うことが可能な構成の伸縮ブーム式高所作業車を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明に係る伸縮ブーム式高所作業車は、走行体と、走行体上に起伏動自在に設けられた伸縮ブームと、伸縮ブームの先端部に取り付けられた作業台とを有し、伸縮ブームが、走行体上に起伏動自在に取り付けられた基端ブームと、基端ブームに対して伸縮自在に設けられた中間ブームと、中間ブームに対して伸縮自在に設けられて先端部に作業台を有した電気絶縁性材料からなる先端ブームとから構成されてなる伸縮ブーム式高所作業車において、中間ブームに対して独立に先端ブームを伸縮させることのできる先端ブーム伸縮手段(例えば、実施形態におけるブーム操作レバー51、コントローラ60及び第1油圧シリンダ70)と、基端ブームに対して独立に中間ブームを伸縮させることのできる中間ブーム伸縮手段(例えば、実施形態におけるブーム操作レバー51、コントローラ60及び第2油圧シリンダ80)と、中間ブームに対する先端ブームの伸長量が所定量以下であるか否かの検出を行う先端ブーム伸長状態検出手段(例えば、実施形態における第1伸長量検出器92)と、伸縮ブームの伸長時、先端ブーム伸長状態検出手段により中間ブームに対する先端ブームの伸長量が上記所定量以下であることが検出されているときには先端ブーム伸縮手段による先端ブームの伸長作動のみを行わせる制御手段(例えば、実施形態におけるコントローラ60)とを備える。なお、上記中間ブームは一つのブーム部材からなるものと、複数のブーム部材が入れ子式に構成されているものとの両方を含むものとする。
【0010】
このように本発明に係る伸縮ブーム式高所作業車では、伸縮ブームの伸長時、先端ブームの伸長量が上記所定量になるまでは、中間ブームに対する先端ブームの伸長作動のみが行われるようになっているので、伸縮ブーム全体の伸長量が小さくても先端ブームの必要長さを確保することができる。このため、電線のメンテナンス作業用に先端ブームがFRP等の電気絶縁性材料から構成されている場合や、先端ブームが屈伸自在な構成になっている場合などには、上記所定量を適当な値に設定することにより、徒に伸縮ブーム全体を伸長させることなく、必要最小限のブーム伸長量で必要な作業を行うことができるようになり、従来に比較して高い作業効率を得ることが可能となる。
【0011】
また、本発明に係る伸縮ブーム式高所作業車では、中間ブームが基端ブームに対してほぼ全縮の状態であるか否かの検出を行う中間ブーム収縮状態検出手段(例えば、実施形態における第2伸長量検出器93)を備え、制御手段は、伸縮ブームの収縮時、先端ブーム伸長状態検出手段により中間ブームに対する先端ブームの伸長量が上記所定量以下であることが検出されており、かつ中間ブーム収縮状態検出手段により中間ブームが基端ブームに対してほぼ全縮の状態でないことが検出されているときには、中間ブーム伸縮手段による中間ブームの収縮作動のみを行わせるようになっていることが好ましい。このような構成では、伸縮ブームの収縮時には、中間ブームに対する先端ブームの伸長量が上記所定量以下であるときには、中間ブームが基端ブームに対してほぼ全縮の状態となるまでは、基端ブームに対する中間ブームの収縮作動のみが行われるので、伸縮ブームの伸長時であると収縮時とであるとに拘わらず先端ブームの必要長さが確保され、上記効果がより効果的に得られることとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図2は本発明の一実施形態に係る伸縮ブーム式高所作業車の側面図を示している。本伸縮ブーム式高所作業車(以下、単に高所作業車と称する)1はタイヤ車輪11,11,…を備えて運転キャビン12から走行運転操作が可能なトラック式の走行体10と、走行体10上に設けられた旋回体20と、この旋回体20から上方に延びて設けられた支柱21の上部にフートピン22により上下揺動自在に取り付けられた伸縮ブーム(以下、単にブームと称する)30と、このブーム30の先端部に取り付けられた作業者搭乗用の作業台40とを有して構成されている。
【0013】
旋回体20は走行体10の後部に上下軸まわり360度回動自在に取り付けられており、走行体10に内蔵された旋回モータ23を油圧駆動することにより水平旋回作動させることができる。ブーム30は基端ブーム30aと、中間ブーム30bと、先端ブーム30cとが入れ子式に構成されており、中間ブーム100bは基端ブーム100a内に、また先端ブーム100cは中間ブーム100b内にそれぞれ収められている。そして、ブーム30の内部において中間ブーム30bと先端ブーム30cとの間に設けられた第1伸縮シリンダ70を油圧駆動することにより先端ブーム30cを中間ブーム30bに対して伸縮作動させることができ、ブーム30の内部において基端ブーム30aと中間ブーム30bとの間に設けられた第2伸縮シリンダ80を油圧駆動することにより、中間ブーム30bを基端ブーム30aに対して伸縮作動させることができる(詳細は後述)。また、ブーム30は基端ブーム30aと支柱21との間に跨設された起伏シリンダ24を油圧駆動することにより上下面内で起伏作動させることができる。
【0014】
先端ブーム30cの先端部には垂直ポスト保持金具31が取り付けられており、この垂直ポスト保持金具31には揺動ピン32を介して垂直ポスト33の下端部が取り付けられている。この垂直ポスト33はブーム30内に設けられた図示しないポスト保持装置により、ブーム30の起伏角度によらず常時垂直姿勢が保持される構成となっている。
【0015】
作業台40は作業者が搭乗する箱状の作業台本体41と、この作業台本体41に取り付けられた作業台保持ブラケット42とを有して構成されており、作業台保持ブラケット42は自身に内蔵されたベアリング(図示せず)を介して垂直ポスト33の上端部に回動自在に取り付けられている。作業台保持ブラケット42の内部には首振りモータ43が設けられており、この首振りモータ43を油圧作動させて垂直ポスト33の周囲に設置されたギヤ(図示せず)を駆動することにより作業台40全体を垂直ポスト33まわりに首振り作動させることができるようになっている。ここで、垂直ポスト33は上記のように常時垂直姿勢が保たれるため、結果として作業台本体41の床面は常時水平に保持される。
【0016】
走行体10の前後左右各箇所には作業中の走行体10を安定状態に支持するためのアウトリガジャッキ13,13,…が設けられている。各アウトリガジャッキ13は上下方向に延びたアウタージャッキ(シリンダチューブ)13aと、このアウタージャッキ13a内に設けられて上下方向に伸縮自在なインナージャッキ(ピストンロッド)13bと、インナージャッキ13bの下端部に首振り自在に取り付けられたジャッキパッド13cとを有して構成されており、各アウトリガジャッキ13においてインナージャッキ13bを下方に移動(伸長)させ、ジャッキパッド13cを地面に接地させて突っ張らせることにより走行体10を持ち上げ状態に支持させることができる。また、各アウトリガジャッキ13は走行体10の側方に張り出させることも可能であり、より高い走行体10の安定が得られるようになっている。なお、これらアウトリガジャッキ13,13,…の作動操作は走行体10の後部に備えられたジャッキ操作レバー14の操作により行われる。
【0017】
作業台40上に備えられた操作ボックス50内には、図3に示すように、ブーム30の起伏、伸縮、旋回操作を行うためのブーム操作レバー51と、作業台40の首振り操作を行うための作業台首振り操作レバー52とが設けられている。
【0018】
ブーム操作レバー51は自動復帰位置である垂直位置を中立位置として前方(向こう側)、後方(手前側)、左方又は右方へ傾動操作することが可能であるとともに、軸回り左又は右方向に捻り操作をすることが可能である。ここで、ブーム操作レバー51を中立位置から前方に傾動操作したときにはブーム30を倒伏作動させることができ、中立位置から後方に傾動操作したときにブーム30を起仰作動させることができる。また、ブーム操作レバー51を中立位置から右方に傾動操作したときにはブーム30を伸長作動させることができ、中立位置から左方に傾動操作したときにはブーム30を収縮作動させることができる。更に、ブーム操作レバー51を中立位置から左回り(反時計回り)に捻り操作したときにはブーム30を(旋回体20を)左回りに旋回作動させることができ、中立位置から右回り(時計回り)に捻り操作したときにはブーム30を右回りに旋回作動させることができる。
【0019】
作業台首振り操作レバー52は自動復帰位置である垂直位置を中立位置として左方又は右方に傾動操作することが可能である。ここで、作業台首振り操作レバー52を中立位置から左方に傾動操作したときには作業台40を右回り(時計回り)に首振り作動させることができ、中立位置から右方に傾動操作したときには作業台40を左回り(反時計回り)に首振り作動させることができる。なお、ブーム30及び作業台40の各方向の作動速度は、対応するレバーの操作量(傾動量)にほぼ比例して大きくなるようになっており、作業者はこれら両レバー51,52の操作量を所望に調節することにより、最適の作動速度を選んでブーム30及び作業台40の作動操作を行うことができる。
【0020】
図1は本高所作業車1におけるブーム30及び作業台40の作動系統を示すブロック図である。ブーム操作レバー51の前後傾動方向の操作状態(操作方向及び操作量)、左右傾動方向の操作状態、左右捻り方向の操作状態はそれぞれブーム操作レバー51の基部に設けられた起伏検知ポテンショメータ53、伸縮検知ポテンショメータ54、旋回検知ポテンショメータ55により検知され、これらポテンショメータ53,54,55より出力される信号がブーム起伏信号、ブーム伸縮信号、ブーム旋回信号として走行体10内に設置されたコントローラ60に入力される。
【0021】
コントローラ60は、起伏検知ポテンショメータ53より出力されたブーム起伏信号に基づいて起伏シリンダ24に対応する第1制御バルブV1を電磁駆動し、伸縮検知ポテンショメータ54より出力されたブーム伸縮信号に基づいて第1伸縮シリンダ70に対応する第2制御バルブV2及び第2伸縮シリンダ80に対応する第3制御バルブV3を電磁駆動する。またコントローラ60は、旋回検知ポテンショメータ55より出力されたブーム旋回信号に基づいて旋回モータ23に対応する第4制御バルブV4を電磁駆動する。
【0022】
走行体内10に設けられた油圧ポンプPより吐出される作動油は上記第1〜第5制御バルブV1,V2,V3,V4,V5経由で起伏シリンダ24、第1伸縮シリンダ70、第2伸縮シリンダ80、旋回モータ23及び首振りモータ43に供給されるようになっている。コントローラ60により駆動された第1〜第4制御バルブV1,V2,V3,V4の各スプール(図示せず)はブーム操作レバー51の各操作方向に応じた方向へ、その操作量に応じたスプール開度になるように動作するため、結果として、起伏シリンダ24、第1伸縮シリンダ70、第2伸縮シリンダ80及び旋回モータ23へ送られる作動油の方向とその流量とがブーム操作レバー51の操作に応じて制御される。このため、起伏シリンダ24、第1伸縮シリンダ70、第2伸縮シリンダ80及び旋回モータ23はブーム操作レバー51の操作方向に対応した方向に、その操作量に応じた作動速度で作動することとなる。
【0023】
また、作業台首振り操作レバー52を左右方向へ傾動操作すると、作業台首振り操作レバー52の基部に設けられた上記第5制御バルブV5のスプール(図示せず)が直接動かされる。これにより上記スプールは、作業台首振り操作レバー52の各操作方向に応じた方向へ、その操作量に応じたスプール開度になるように動作し、結果として、首振りモータ43へ送られる作動油の方向とその流量とが作業台首振り操作レバー52の操作に応じて制御される。このため、首振りモータ43は作業台首振り操作レバー52の操作方向に対応した方向に、その操作量に応じた作動速度で作動することとなる。
【0024】
このような構成であるため、作業台40に搭乗した作業者は、ブーム操作レバー51を操作することによりブーム30を所望の作動速度で起伏、伸縮、旋回させることができるとともに、作業台首振り操作レバー52を操作することにより作業台40を垂直ポスト33まわりに所望の作動速度で首振りさせることができ、自らのレバー操作により作業台40を所望に移動させて任意の位置での作業を行うことが可能である。
【0025】
また、コントローラ60は、ブーム30の先端部(以下、ブーム先端部と称する)が走行体10を転倒させる位置に位置しないように、すなわちブーム30を伸長等させることにより発生した転倒モーメントにより走行体10が転倒することがないようにブーム30の作動を制御する。コントローラ60は、基端ブーム30a内に設けられてブーム30の起伏角度を検出する起伏角度検出器91、中間ブーム30bの先端部に設けられて中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量を検出する第1伸長量検出器92、基端ブーム30aの先端部に設けられて基端ブーム30aに対する中間ブーム30bの伸長量を検出する第2伸長量検出器93及び走行体10内に設けられてブーム30の(旋回体20の)旋回角度を検出する旋回角度検出器94からの各検出情報に基づいて走行体10の基準位置に対するブーム先端部の位置を算出し(ブーム30の長さは、第1伸長量検出器92により検出される先端ブーム30cの中間ブーム30bに対する伸長量と第2伸長量検出器93により検出される中間ブーム30bの基端ブーム30aに対する伸長量との和となる)、このブーム先端部の位置が予め定められた許容領域(以下、許容作業範囲と称する)内に収まるように第1〜第4制御バルブV1,V2,V3,V4をコントロールする。
【0026】
このようなブーム作動規制は、具体的には、ブーム先端部の位置を許容作業範囲から逸脱させるブーム操作レバー51の操作に対応する各信号(ブーム起伏信号、ブーム伸縮信号、ブーム旋回信号)が出力されたときにはコントローラ60がこれを無視することにより行われる。或いは、コントローラ60がアンロードバルブ(図示せず)を駆動して起伏シリンダ24、第1伸縮シリンダ70、第2伸縮シリンダ80、旋回モータ23が作動しないようにするのであってもよい。これにより転倒モーメントが過大になって走行体10が転倒に至るような事態が未然に防止される。
【0027】
図4は、或るブーム30の旋回姿勢(及びアウトリガジャッキ13の張り出し幅)に対応して走行体10の側方に設定される許容作業範囲の一例を示したものである。ここでは、図中に斜線で縁取りした領域Rが許容作業範囲に該当する。この図に示すように、転倒モーメントが許容値に達することによりブーム30の先端部を移動させることができなくなる限界線は領域Rの最も外側の限界線(ほぼ垂直な線)Lとなる。そして、ブーム30の伸長若しくは倒伏を伴う動作によりブーム30の先端部がこの限界線L上に位置したときには上記規制がブーム30に作用することになる。ここで、ブーム30を単純伸長させることによりブーム30の先端部が限界線Lに達したときにはブーム30の伸長作動は強制的に停止されることとなり、ブーム30を倒伏させることによりブーム30の先端部が限界線Lに達したときには、ブーム30は強制的に収縮されつつ、倒伏動作が続行されることとなる。
【0028】
次に、本高所作業車1におけるブーム30の構成について説明する。図5(A)は本高所作業車1におけるブーム30の縦断面図、図5(B)は図5(A)における矢視B−Bより見たブーム30の横断面図である。これらの図に示すように、第1伸縮シリンダ70はシリンダチューブ71が先端ブーム30c内に水平に設けられた支軸73により枢支されるとともに、ピストンロッド72の先端部が中間ブーム30b内に水平に設けられた支軸74により枢支されている。このため第1伸縮シリンダ70を伸縮作動させることにより、先端ブーム30cを中間ブーム30bに対して伸縮させることが可能である。また、第2伸縮シリンダ80はシリンダチューブ81が中間ブーム30b内に水平に設けられた支軸83により、またピストンロッド82の先端部が基端ブーム30a内に水平に設けられた支軸84により、それぞれ枢支されている。このため第2伸縮シリンダ80作動させることにより、中間ブーム30bを基端ブーム30aに対して伸縮させることが可能である。なお、先端ブーム30cは、作業台40と走行体10との間の電気絶縁性を保つため、FRP(強化プラスチック)等の電気絶縁性材料から構成されている。
【0029】
コントローラ60は、ブーム操作レバー51の右方傾動操作によりブーム30を伸長させる指令が行われているときには、第1油圧シリンダ70と第2油圧シリンダ80とを連動して伸長作動させ(先端ブーム30cと中間ブーム30bとを連動して伸長作動させ)、ブーム操作レバー51の左方傾動操作によりブーム30を収縮させる操作が行われているときには、第1油圧シリンダ70と第2油圧シリンダ80とを連動して収縮作動させる(先端ブーム30cと中間ブーム30bとを連動して収縮作動させる)ようになっている。但し、ブーム30の伸長作動を行っているときにおいて、第1伸長量検出器92により中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が予め定めた所定量(これを第1の所定量とする)以下であることが検出されているときには、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長作動、すなわち第1油圧シリンダ70の伸長作動のみを行わせる制御を行う(或いは、第2油圧シリンダ80の伸長作動を禁止する)。
【0030】
このためブーム30の伸長時、先端ブーム30cの伸長量が上記第1の所定量になるまでは、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長作動のみが行われ、先端ブーム30cの伸長量が上記第1の所定量を超えたとき(或いは既に超えているとき)には、先端ブーム30cと中間ブーム30bが連動して伸長する。なお、上記第1の所定量は、例えば、本高所作業車1が電柱のメンテナンス作業に用いられる場合には、先端ブーム30cの電気絶縁性が十分に確保される先端ブーム30cの中間ブーム30bに対する伸長量に設定される。
【0031】
また、コントローラ60はブーム30の収縮作動を行っているときにおいて、第1伸長量検出器92により、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が上記第1の所定量以下であることが検出されており、かつ、第2伸長量検出器93により、基端ブーム30aに対する中間ブーム30bの伸長量が、中間ブーム30bの基端ブーム30aに対してほぼ全縮の状態に相当する予め定めた所定量(これを第2の所定量とする)を超えていることが検出されているとき(すなわち、中間ブーム30bが基端ブーム30aに対してほぼ全縮の状態でないことが検出されているとき)には、基端ブーム30aに対する中間ブーム30bの収縮作動、すなわち第2伸縮シリンダ80の収縮作動のみを行わせる制御を行う(或いは、第1伸縮シリンダ70の収縮作動を禁止する)。
【0032】
このためブームの収縮時、先端ブーム30cの伸長量が上記第1の所定量以下であるときには、中間ブーム30bが基端ブーム30aに対してほぼ全縮の状態となるまでは中間ブーム30bのみが収縮し、中間ブーム30bの伸長量が上記第2の所定量以下となった後(中間ブーム30bが基端ブーム30aに対してほぼ全縮の状態になった後)には、先端ブーム30cと中間ブーム30bとが連動して収縮することとなる。これにより、最終的にはブーム30全体が全縮した状態となる。
【0033】
また、本高所作業車1には、図1に示すように、コントローラ60を介して点灯消灯制御がなされる先端ブーム伸長表示器(ランプ)57と中間ブーム収縮表示器(ランプ)58とが設けられている(これら両表示器57,58は作業台40上に設置される)。コントローラ60は、第1伸長量検出器92により、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が上記第1の所定量以下であることが検出されているときには先端ブーム伸長表示器57を消灯させ、上記第1の所定量を超えていることが検出されているときにはこれを点灯させる。また、第2伸長量検出器93により、基端ブーム30aに対する中間ブーム30bの伸長量が上記第2の所定量を超えていること(中間ブーム30bが基端ブーム30aに対してほぼ全縮の状態になっていないこと)が検出されているときには中間ブーム収縮表示器58を消灯させ、基端ブーム30aに対する中間ブーム30bの伸長量が上記第2の所定量以下になっていること(中間ブーム30bが基端ブーム30aに対してほぼ全縮の状態になっていること)が検出されているときにはこれを点灯させる。
【0034】
図6は、ブーム操作レバー51によりブーム30を伸長させる操作(ブーム操作レバー51を右方へ傾動する操作)が行われているときにコントローラ60が行う制御フローである。この図に示すように、ブーム操作レバー51によりブーム30を伸長させる操作(ブーム30を伸長させる指令)が行われているときには、先ず、第1伸長量検出器92からの検出情報に基づいて、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が上記第1の所定量以下であるか否かの判断を行う(ステップS11)。そして、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が上記第1の所定量以下であると判断したときには、第1伸縮シリンダ70のみを(先端ブーム30cのみを)伸長作動させる(ステップS12)。一方、ステップS11において、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が上記第1の所定量を超えていると判断したときには、第1伸縮シリンダ70と第2伸縮シリンダ80とを連動させて(先端ブーム30cと中間ブーム30bとを連動させて)伸長作動させる(ステップS13)。
【0035】
図7は、ブーム操作レバー51によりブーム30を収縮させる操作(ブーム操作レバー51を左方へ傾動する操作)が行われているときにコントローラ60が行う制御フローである。この図に示すように、ブーム操作レバー51によりブーム30を収縮させる操作(ブーム30を収縮させる指令)が行われているときには、先ず、第2伸長量検出器93からの検出情報に基づいて、基端ブーム30aに対する中間ブーム30bの伸長量が上記第2の所定量以下であるか否か、すなわち中間ブーム30bが基端ブーム30aに対してほぼ全縮の状態であるか否かの判断を行う(ステップS21)。ここで、基端ブーム30aに対する中間ブーム30bの伸長量が上記第2の所定量以上である、すなわち中間ブーム30bが基端ブーム30aに対してほぼ全縮の状態でないと判断したときには、続いて中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が上記第1の所定量以下であるか否かの判断を行う(ステップS22)。ここで、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が上記第1の所定量を超えていると判断したときには、第1伸縮シリンダ70と第2伸縮シリンダ80とを連動させて(先端ブーム30cと中間ブーム30bとを連動させて)収縮作動させる(ステップS23)。一方、ステップS22において、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が上記第1の所定量以下であると判断したときには、第2伸縮シリンダ80のみを(中間ブーム30bのみを)収縮作動させる(ステップS24)。
【0036】
また、上記ステップS21において、基端ブーム30aに対する中間ブーム30bの伸長量が上記第2の所定量以下である、すなわち中間ブーム30bが基端ブーム30aに対してほぼ全縮の状態であると判断したときには、第1油圧シリンダ70と第2油圧シリンダ80とを連動させて(先端ブーム30cと中間ブーム30bとを連動させて)収縮作動させる(ステップS25)。これによりブーム30全体は完全に収縮した状態となる。なお、上記第2の所定量が零、すなわち第2伸長量検出器93が基端ブーム30aに対する中間ブーム30bの完全な全縮状態を検出するようになっているのであれば、上記ステップS25では先端ブーム30cのみを収縮させる制御になるのはいうまでもない。
【0037】
図8はブーム30の伸長作動時におけるブーム30の伸長順序又は収縮作動時におけるブーム30の収縮順序を説明するための図であり、図8(A)はブーム30全体がほぼ全縮した状態、図8(B)は中間ブーム30bが基端ブーム30aに対してほぼ全縮した状態で先端ブーム30cが中間ブーム30bに対して所定量t(第1の所定量に相当)だけ伸長した状態、図8(C)は先端ブーム30cが上記所定量tを超えて伸長し、かつ中間ブーム30bも基端ブーム30aに対して或る程度伸長した状態をそれぞれ示している。ブーム30の伸長作動時には常に(A)→(B)又は(B)→(C)の順序で伸長し、ブーム30の収縮作動時には常に(C)→(B)又は(B)→(A)の順序で収縮する。なお、上述したように、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が上記所定量t以上であるときには先端ブーム伸長表示器57が点灯し、中間ブーム30bが基端ブーム30aに対してほぼ全縮の状態になっていることが検出されているときには中間ブーム収縮表示器58が点灯するので、作業台40上の作業者は、現在のブーム30の状態がどのようになっているかを概ね把握することができる。
【0038】
このように本発明に係る伸縮ブーム式高所作業車(高所作業車1)では、ブーム30の伸長時、先端ブーム30cの伸長量が所定量(第1の所定量)になるまでは、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長作動のみが行われるようになっているので、ブーム30全体の伸長量が小さくても先端ブーム30cの必要長さを確保することができる。このため、電線のメンテナンス作業用に先端ブームがFRP等の電気絶縁性材料から構成されている場合や、先端ブームが屈伸自在な構成になっている場合などには、上記所定量(第1の所定量)を適当な値に設定することにより、徒に伸縮ブーム全体を伸長させることなく、必要最小限のブーム伸長量で必要な作業を行うことができるようになり、従来に比較して高い作業効率を得ることが可能となる。
【0039】
また、本発明に係る伸縮ブーム式高所作業車では、ブーム30の収縮時には、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が上記所定量(第1の所定量)以下であるときには、中間ブーム30bが基端ブーム30aに対してほぼ全縮の状態となるまでは、基端ブーム30aに対する中間ブーム30bの収縮作動のみが行われるので、ブーム30の伸長時であると収縮時とであるとに拘わらず先端ブーム30cの必要長さが確保され、上記効果がより効果的に得られることとなる。
【0040】
なお、ブーム30を倒伏させることによりブーム30の先端部が図4に示す許容作業範囲(領域R)の限界線Lに達したときには、コントローラ60は、ブーム30が強制的に収縮されつつ倒伏動作が続行されるように第1〜第4制御バルブV1,V2,V3,V4をコントロールするが、この際、中間ブーム30bが基端ブーム30a内に収容される方向の収縮動作が優先的に行われるようにブーム30の作動を制御する。
【0041】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に示したものに限定されない。例えば、本発明に係る伸縮ブーム式高所作業車では、ブーム30の伸長時、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が予め定めた所定量(上記第1の所定量)以下であることが検出されているときに、先端ブーム30cの伸長作動のみが行われる構成になっているのであれば、必ずしも上述の実施形態に示した構成に限定されない。例えば、上述の実施形態では、ブーム30の伸長時、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が第1の所定量を超えた後は、先端ブーム30cと中間ブーム30bが連動して伸長する構成であったが、これは一例であり、先端ブーム30cと中間ブーム30bが独立して順に伸長する構成であっても良い。例えば、先端ブーム30cの伸長が完了してから中間ブーム30bの伸長が始まるようにしてもよいし、これとは逆に、中間ブーム30bの伸長が完了してから先端ブーム30cの伸長が始まるようにしてもよい。
【0042】
また、ブーム30の収縮時についても同様であり、上述の実施形態では、ブーム30の収縮時、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が上記所定量(第1の所定量)以下であり、かつ、中間ブーム30bが基端ブーム30aに対してほぼ全縮の状態でないことが検出されているときに、中間ブーム30bの収縮作動のみを行うようになっているのであれば、必ずしも上述の実施形態に示した構成に限定されない。例えば、上述の実施形態では、ブーム30の収縮時、中間ブーム30bが基端ブーム30aに対してほぼ全縮の状態にないときであって、かつ、先端ブーム30cの伸長量が上記第1の所定量を超えているとき、及び、中間ブーム30bがほぼ全縮の状態となっているときには、先端ブーム30cと中間ブーム30bが連動して収縮するようになっていたが、これは先端ブーム30cと中間ブーム30bが独立して順に収縮する構成であってもよい。
【0043】
また、上述の実施形態においては、中間ブームは一つのブーム部材からなる構成であったが、この中間ブームは複数のブーム部材が入れ子式に構成されているものであってもよい。この場合、例えば中間ブームが二つのブーム部材から構成されている場合には、伸縮ブームは、基端ブーム、第1中間ブーム、第2中間ブーム、先端ブームの四段ブーム構成となる。
【0044】
また、上述の実施形態では、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が予め定めた所定量(上記第1の所定量)以下であるか否かの検出を行う手段(先端ブーム伸長状態検出手段)として、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量を検出する第1伸長量検出器92が用いられていたが、これは中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が上記所定量以下であるか否かが分かるものであればよく、例えば、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が上記所定量以下であるときにはオン信号を出力し、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が所定量を超えているときにはオフ信号を出力するリミットスイッチであってもよい(オン、オフの信号出力形態は当然逆であってもよい)。
【0045】
また同様に、上述の実施形態では、基端ブーム30aに対して中間ブーム30bがほぼ全縮の状態であるか否かの検出を行う手段(中間ブーム収縮状態検出手段)として、基端ブーム30aに対する中間ブーム30bの伸長量を検出する第2伸長量検出器93が用いられていたが、これは基端ブーム30aに対して中間ブーム30bがほぼ全縮の状態であるか否かが分かるものであればよく、例えば、基端ブーム30aに対して中間ブーム30bがほぼ全縮の状態であるときにはオン信号を出力し、基端ブーム30aに対して中間ブーム30bがほぼ全縮の状態にないときにはオフ信号を出力するリミットスイッチであってもよい(これについてもオン、オフの信号出力形態は逆であってもよい)。
【0046】
また、上述の実施形態においては、先端ブーム30cの伸長量として予め定める所定量(第1の所定量)の値は固定値であったが、これはコントローラ60を介して可変に設定できる構成にしてもよい。このような構成にすれば、電線のメンテナンス作業時等において、電圧レベルの高低により先端ブーム30cの電気絶縁性を確保するための長さが変化する場合、これに適切に対応できるようになる。
【0047】
また、上述の実施形態においては、上記第1の所定量の設定例として、先端ブーム30cの電気絶縁性が十分に確保される長さとしたが、これは先端ブーム30cをFRP等の絶縁材料製として高所作業車1を電柱のメンテナンス作業に用いる場合の例であり、例えば先端ブームが屈伸自在に構成されているものであれば、上記第1の所定量は、その先端ブームの屈伸作動を行わせることができるまでの先端ブーム30cの中間ブーム30bに対する伸長量に設定することが好ましい。このような場合においても、徒に中間ブームを延ばすことなく、必要最小限のブーム伸長作動で作業を行うことができるようになるので、上述の実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
【0048】
図9はこのような先端ブームが屈伸自在に構成されている伸縮ブーム式高所作業車の構成を例示するものである。ここでは、上述の実施形態において示した伸縮ブーム式高所作業車1と同一の機能を有する構成部材については同一の符号を付すとともに、その末尾にプライム符号「’」を付している。この図中における二点鎖線で示すブーム30はブーム30全体が全縮状態となっている状態を示している。このタイプの伸縮ブーム式高所作業車1’では、先端ブーム30c’が伸縮ブーム部301と屈伸ブーム部302とから構成されており、伸縮ブーム部301は中間ブーム30bに対して伸縮自在、屈伸ブーム部302は伸縮ブーム部301に対して屈伸自在となっている。屈伸ブーム部302は、伸縮ブーム部301と一直線上に延びる姿勢になった状態でのみ中間ブーム30b内に格納させることができ、ブーム30の伸長時には、屈伸ブーム部302の全体が中間ブーム30bより完全に露出した状態においてのみ屈伸作動させることが可能である。したがって、このようなタイプの伸縮ブーム式では、ブーム30の伸長時には屈伸ブーム部302を優先的に伸長させる方が作業性の面からは有利となり、本発明を適用した際に大きな効果が得られる。
【0049】
また、上述の実施形態において示したコントローラ60が、本発明に係る伸縮ブーム式高所作業車における伸縮ブームの作動制御と、先端ブーム、中間ブーム、基端ブームが常に連動して伸縮する通常の伸縮ブームの作動制御との両方を行いうる構成とし、これを作業者が行う切換えスイッチ等の操作により所望に切り換えうる構成としてもよい。また、上述の実施形態では、中間ブーム30bに対する先端ブーム30cの伸長量が予め定めた所定量(第1の所定量)を超えていることを示す先端ブーム伸長表示器57及び基端ブーム30aに対する中間ブーム30bのほぼ全縮状態を示す中間ブーム収縮表示器58はともにランプであったが、これらはブザー等に置き換えることもできる。
【0050】
また、上述の実施形態では、ブーム操作レバー51をブーム30の伸長方向に操作した際、先端ブーム30cが所定量を超えたときには引き続き中間ブーム30bが先端ブーム30cとともに連動して伸長する構成であったが、コントローラ60に信号を送信するトグルスイッチ等の操作手段を別途設け、この操作手段を一の方向に操作したときには、先端ブーム30cが所定量だけ伸長したところで先端ブーム30cの伸長作動が一旦停止し、他の方向に操作したときにはその停止した先端ブーム40cが収縮方向に作動する構成とすることも可能である。このような構成を採用すれば、より有用な効果が得られる。
【0051】
また、本発明に係る伸縮ブーム式高所作業車は、上述の実施形態ではタイヤ車輪により走行する構成であったが、これは必ずしもタイヤ車輪により走行するものでなくてもよく、クローラ装置等により走行するものであってもよい。或いは軌道走行用車輪を備えて軌道上を走行する軌道走行用の高所作業車、更にはタイヤ車輪と軌道走行用車輪との両方を備えた軌陸両用の高所作業車等であってもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る伸縮ブーム式高所作業車では、伸縮ブームの伸長時、先端ブームの伸長量が上記所定量になるまでは、中間ブームに対する先端ブームの伸長作動のみが行われるようになっているので、伸縮ブーム全体の伸長量が小さくても先端ブームの必要長さを確保することができる。このため、電線のメンテナンス作業用に先端ブームがFRP等の電気絶縁性材料から構成されている場合や、先端ブームが屈伸自在な構成になっている場合などには、上記所定量を適当な値に設定することにより、徒に伸縮ブーム全体を伸長させることなく、必要最小限のブーム伸長量で必要な作業を行うことができるようになり、従来に比較して高い作業効率を得ることが可能となる。
【0053】
また、本発明に係る伸縮ブーム式高所作業車では、伸縮ブームの収縮時には、中間ブームに対する先端ブームの伸長量が上記所定量以下であるときには、中間ブームが基端ブームに対してほぼ全縮の状態となるまでは、基端ブームに対する中間ブームの収縮作動のみが行われるので、伸縮ブームの伸長時であると収縮時とであるとに拘わらず先端ブームの必要長さが確保され、上記効果がより効果的に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る伸縮ブーム式高所作業車におけるブーム及び作業台の作動系統を示すブロック図である。
【図2】上記本発明の一実施形態に係る伸縮ブーム式高所作業車の側面図である。
【図3】作業台上の操作ボックス内に設けられたブーム操作レバーと作業台首振り操作レバーの外観を示す斜視図である。
【図4】或るブームの旋回角度姿勢に対応して走行体の側方に設定されるブームの先端部の移動できる領域(許容作業領域)Rを例示する図である。
【図5】(A)は上記高所作業車における伸縮ブームの縦断面図、(B)は(A)における矢視B−Bより見た伸縮ブームの横断面図である。
【図6】ブーム操作レバーによりブームを伸長させる操作が行われているときにコントローラが行う制御のフローである。
【図7】ブーム操作レバーによりブームを収縮させる操作が行われているときにコントローラが行う制御のフローである。
【図8】ブームの伸長作動時におけるブームの伸長順序又は収縮作動時におけるブームの収縮順序を説明するための図であり、(A)はブーム全体がほぼ全縮している状態、(B)は中間ブームが基端ブームに対してほぼ全縮の状態で先端ブームが所定量tだけ伸長した状態、(C)は先端ブームが所定量tを超えて伸長し、かつ中間ブームも基端ブームに対して或る程度伸長した状態をそれぞれ示している。
【図9】先端ブームが屈伸自在に構成されている伸縮ブーム式高所作業車の背面図である。
【図10】従来における伸縮ブームの構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 伸縮ブーム式高所作業車
10 走行体
30 伸縮ブーム
30a 基端ブーム
30b 中間ブーム
30c 先端ブーム
40 作業台
51 ブーム操作レバー
60 コントローラ
70 第1伸縮シリンダ
80 第2伸縮シリンダ
92 第1伸長量検出器
93 第2伸長量検出器
Claims (2)
- 走行体と、前記走行体上に起伏動自在に設けられた伸縮ブームと、前記伸縮ブームの先端部に取り付けられた作業台とを有し、前記伸縮ブームが、前記走行体上に起伏動自在に取り付けられた基端ブームと、前記基端ブームに対して伸縮自在に設けられた中間ブームと、前記中間ブームに対して伸縮自在に設けられて先端部に前記作業台を有した電気絶縁性材料からなる先端ブームとから構成されてなる伸縮ブーム式高所作業車において、
前記中間ブームに対して独立に前記先端ブームを伸縮させることのできる先端ブーム伸縮手段と、
前記基端ブームに対して独立に前記中間ブームを伸縮させることのできる中間ブーム伸縮手段と、
前記中間ブームに対する前記先端ブームの伸長量が所定量以下であるか否かの検出を行う先端ブーム伸長状態検出手段と、
前記伸縮ブームの伸長時、前記先端ブーム伸長状態検出手段により前記中間ブームに対する前記先端ブームの伸長量が前記所定量以下であることが検出されているときには前記先端ブーム伸縮手段による前記先端ブームの伸長作動のみを行わせる制御手段とを備えたことを特徴とする伸縮ブーム式高所作業車。 - 前記中間ブームが前記基端ブームに対してほぼ全縮の状態であるか否かの検出を行う中間ブーム収縮状態検出手段を備え、
前記制御手段は、前記伸縮ブームの収縮時、前記先端ブーム伸長状態検出手段により前記中間ブームに対する前記先端ブームの伸長量が前記所定量以下であることが検出されており、かつ前記中間ブーム収縮状態検出手段により前記中間ブームが前記基端ブームに対してほぼ全縮の状態でないことが検出されているときには、前記中間ブーム伸縮手段による前記中間ブームの収縮作動のみを行わせることを特徴とする請求項1記載の伸縮ブーム式高所作業車。
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