JP3987606B2 - 車椅子踏段付エスカレーター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、多数の踏段が連結された搬送帯が設けられて、この搬送帯に要時に複数が連結されて車椅子積載面を形成する車椅子用踏段が配置された車椅子踏段付エスカレーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
図20〜図23は、例えば特開平7−330273号公報に示された従来の車椅子踏段付エスカレーターを示す図で、図20は概念的側面図、図21は車椅子搬送の第一状況を説明する図20の下端側乗降口箇所の拡大図、図22は車椅子搬送の第二状況を説明する図20の下端側乗降口箇所の拡大図、図23は車椅子搬送の第三状況を説明する図20の下端側乗降口箇所の拡大図である。
【0003】
図において、1は傾斜して配置されたエスカレーターの主枠、2は主枠1の下端、3は主枠1の上端、4は主枠1の下端2及び上端3にそれぞれ形成された乗降口、5は乗降口4に設けられて主枠1中間部側に配置された櫛、6は多数の踏段7が無端状に連結されて主枠1を循環移動する搬送帯である。
【0004】
8は主枠1内に設けられて下端2寄り及び上端3寄りにそれぞれ配置された作動機構で、ラックとピニオンからなり電動機によって駆動される昇降機構9及び主枠1の長手と平行に配置されたローラチェン10からなる係合機構11によって構成されている。
【0005】
12は搬送帯6の一部をなし踏段7の相互間に配置された傾斜車椅子用踏段で、要時に上昇した作動機構8の係合機構11に係合して、搬送帯6の移動によって駆動される傾斜機構13の変位によって傾斜する傾斜踏み板14が設けられている。
【0006】
15は搬送帯6の一部をなし踏段7の相互間に配置されて傾斜車椅子用踏段12の主枠1の下端2側に配置された第一車椅子用踏段で、要時に上昇した作動機構8の係合機構11に係合して、搬送帯6の移動によって駆動される進退機構16によって主枠1の下端側へ突出変位する連結腕17が設けられている。
【0007】
18は搬送帯6の一部をなし踏段7の相互間に配置されて第一車椅子用踏段15の主枠1の下端2側に配置された第二車椅子用踏段で、突出した第一車椅子用踏段15の連結腕17に支持されて第一車椅子用踏段15の傾斜移動により、第二車椅子用踏段18の基部から上昇して第一車椅子用踏段15の踏み板面位置に支持される上昇踏み板19が設けられている。
【0008】
20は第二車椅子用踏段18の主枠1下端2側に設けられた車止め片で、要時に上昇した作動機構8の係合機構11に係合して、搬送帯6の移動によって駆動される変位機構21によって上方に突出変位する。22は車椅子で、主として第一車椅子用踏段15及び第二車椅子用踏段18によって形成された車椅子積載面23に搭載されて搬送される。
【0009】
従来の車椅子踏段付エスカレーターは上記のように構成されて、通常時には、作動機構8の昇降機構9が下降位置に、傾斜車椅子用踏段12の傾斜踏み板14は水平位置に、第一車椅子用踏段15の連結腕17は引退位置に、また第二車椅子用踏段18の上昇踏み板19及び車止め片20は下降位置にそれぞれ配置される。
【0010】
この状態で搬送帯6が主枠1内を循環運転されて踏段7、傾斜車椅子用踏段12、第一車椅子用踏段15及び第二車椅子用踏段18により一般乗客が搬送される。なお、搬送帯6の循環運転により第一車椅子用踏段15等の全部の踏段は、上昇運転の場合に下端2側の乗降口4から水平移動し、次いで傾斜角度が漸増する漸増傾斜移動する。
【0011】
次いで、一定傾斜角度による一定傾斜移動して上端3側の乗降口4に近づくと傾斜角度が漸減する漸減傾斜移動する。その後に上端3側の乗降口4へ水平移動して循環移動する。なお、下降運転のときには全部の踏段が上昇運転の場合とは逆の順序で循環移動する。
【0012】
そして、車椅子22を上昇搬送する場合、すなわち車椅子22を下端2側の乗降口4から上端3側の乗降口4へ搬送するときには、車椅子踏段付エスカレーターの車椅子運転スイッチ(図示しない)により車椅子運転に切り換えられる。これによって、作動機構8の昇降機構9が付勢されて係合機構11が上昇位置に配置される。次いで、搬送帯6が上昇運転される。
【0013】
そして、傾斜車椅子用踏段12が下端2側の乗降口4から上端3側方向へ水平移動することより、上昇した作動機構8の係合機構11に傾斜機構13が係合して駆動される。これによって、傾斜踏み板14が変位して図21に示すように傾斜する。
【0014】
また、第一車椅子用踏段15が下端2側の乗降口4から上端3側方向へ水平移動することより、上昇した作動機構8の係合機構11に進退機構16が係合して駆動される。これによって、連結腕17が主枠1の下端側へ突出変位して図21に示すように上昇踏み板19を支持する。この状態、すなわち図21に示す状態で下端2側の乗降口4から車椅子22が第一車椅子用踏段15及び第二車椅子用踏段18によって形成された車椅子積載面23に搭載される。
【0015】
そして、第二車椅子用踏段18が下端2側の乗降口4から上端3側方向へ水平移動することより、上昇した作動機構8の係合機構11に変位機構21が係合して駆動される。これによって、車止め片20が上方に突出変位して図22に示すように第二車椅子用踏段18の踏み板面から突出する。これによって車椅子積載面23からの車椅子22の主枠1下端2側方向への移動が阻止される。
【0016】
そして、図22に示す状態で、搬送帯6が上昇運転されると第一車椅子用踏段15が漸増傾斜移動及び一定傾斜移動する。これらの傾斜移動時にも第二車椅子用踏段18の上昇踏み板19が第一車椅子用踏段15の連結腕17に支持されているので車椅子積載面23が維持される。そして、図23に示す状態で車椅子22が上昇搬送される。
【0017】
次いで、搬送帯6が移動して傾斜車椅子用踏段12等が上端3側の乗降口4の水平移動箇所近くにおいて、主枠1上端3側における作動機構8の係合機構11と傾斜機構13との係合を介して、傾斜車椅子用踏段12の傾斜踏み板14が水平位置に復帰される。また、係合機構11と進退機構16の係合を介して第一車椅子用踏段15の連結腕17は引退位置に配置されて上昇踏み板19の支持が解除される。
【0018】
この状態で搬送帯6が停止して、車椅子22が車椅子積載面23から主枠1上端3側の乗降口4に降り立つ。次いで、作動機構8の係合機構11と変位機構21の係合を介して第一車椅子用踏段15の車止め片20が下降位置に配置される。その後に、昇降機構9が付勢され作動機構8が下降位置に配置される。これにより、車椅子踏段付エスカレーターが通常運転に復帰するようになっている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の車椅子踏段付エスカレーターにおいて、車椅子踏段付エスカレーターを停止させることなく車椅子22を搭載できるように、車椅子積載面23が形成される。このため、傾斜車椅子用踏段12、第一車椅子用踏段15及び第二車椅子用踏段18が主枠1端部の乗降口4寄りに配置された作動機構8の上を通過している間に、作動機構8との係合を介してそれぞれ動作して車椅子積載面23を形成するように構成されている。
【0020】
したがって、主枠1端部寄りに通常のエスカレーターよりも長い各踏段の水平移動区間が必要となるので、主枠1の全長が長くなり主枠1の両端を支持する建築梁の間隔も増大する。このため、車椅子踏段付エスカレーターの設置が制約されるという問題点があった。また、既設の通常エスカレーターを車椅子踏段付エスカレーターに改造する工事も制約を受けることになる。
【0021】
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、通常エスカレーターにおける乗降口近くの各踏段の水平移動区間に対応した長さの主枠によって構成でき、かつ車椅子により容易に乗降できる車椅子踏段付エスカレーターを得ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる車椅子踏段付エスカレーターにおいては、多数の踏段が無端状に連結されて主枠を循環移動する搬送帯と、主枠の下端側へ変位する連結腕が設けられて踏段の 相互間に配置された第一車椅子用踏段と、踏段の相互間に配置されて第一車椅子用踏段の主枠の下端側に配置され、上昇変位する上昇踏み板、突出変位する車止め片及び主枠の下端側へ突出して突出端が対向する主枠下端側の部材に支持される乗込み台が設けられて、上昇変位した上昇踏み板が突出変位した連結腕に支持されて第一車椅子用踏段の踏み板面とにより車椅子積載面を形成する第二車椅子用踏段と、主枠の乗降口寄りに設けられて要時に上昇し連結腕の機構に係合して連結腕を突出位置に変位させる第一作動機構と、この第一作動機構よりも主枠の乗降口寄りに設けられて昇降機構により要時に上昇して上昇踏み板を上昇位置に変位させると共に昇降機構により第一駆動機構が上昇して車止め片の機構に係合して車止め片を突出位置に変位させ、昇降機構により第二駆動機構が上昇して乗込み台の機構に係合して乗込み台を突出位置に変位させる第二作動機構とが設けられる。
【0023】
また、この発明に係わる車椅子踏段付エスカレーターにおいては、乗込み台が、上昇踏み板に移動自在に保持された基部及びこの基部に水平方向に配置された軸線を介して枢持された突出部によって構成される。
【0024】
また、この発明に係わる車椅子踏段付エスカレーターにおいては、乗込み台の突出先端に合成樹脂製の当接片が設けられる。
【0025】
また、この発明に係わる車椅子踏段付エスカレーターにおいては、乗込み台が、上昇踏み板に移動自在に保持された基部及びこの基部に接続されて踏段移動方向に沿う中間部が屈曲して上昇した形状に形成された突出部によって構成される。
【0026】
また、この発明に係わる車椅子踏段付エスカレーターにおいては、乗込み台の基部及び突出部の枢着箇所を、乗込み台の突出時に上昇位置へ変位させる上昇機構が設けられる。
【0027】
また、この発明に係わる車椅子踏段付エスカレーターにおいては、乗込み台を、上昇踏み板寄り縁部に乗込み台を兼用した車止め片を枢持した構成とし、上昇踏み板に設けられて第二作動機構の駆動機構により駆動され、前段動作により乗込み台を兼用した車止め片を水平突出位置に配置し、後段動作により乗込み台を兼用した車止め片を上向き位置に配置する二段動作機構が設けられる。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図12は、この発明の実施の形態の一例を示す図で、図1は車椅子踏段付エスカレーターの概念的側面図、図2は図1の車椅子踏段付エスカレーターにおける車椅子搬送状況を示す図1の要部拡大図、図3は図1の車椅子踏段付エスカレーターの主枠下端部における車椅子搬送の第一状況を説明する主枠下端部箇所の拡大図、図4は図3の次の第二状況を説明する図、図5は図4の次の第三状況を説明する図、図6は図5の次の第四状況を説明する図、図7は図6の次の第五状況を説明する図、図8は図7の次の第六状況を説明する図である。
【0029】
また、図9は図1の車椅子踏段付エスカレーターの主枠上端部における車椅子搬送の第一状況を説明する主枠上端部箇所の拡大図、図10は図9の次の第二状況を説明する図、図11は図10の次の第三状況を説明する図、図12は図11の次の第四状況を説明する図である。
【0030】
図において、1は傾斜して配置されたエスカレーターの主枠、2は主枠1の下端、3は主枠1の上端、4は主枠1の下端2及び上端3にそれぞれ形成された乗降口、5は乗降口4に設けられて主枠1の中間部側に配置された櫛、6は多数の踏段7が無端状に連結されて主枠1を循環移動する搬送帯である。
【0031】
24は主枠1内に設けられて主枠2の下端2寄り及び上端3寄りにそれぞれ配置された第一作動機構で、電動機によって駆動される昇降機構25及び主枠1の長手と平行に配置されたローラチェンからなる係合機構26によって構成されている。
【0032】
27は主枠1内に設けられて第一作動機構24の主枠1下端側にそれぞれ配置された第二作動機構で、電動機によって駆動される昇降機構28、主枠1の長手と平行に配置されたローラチェンからなる第一駆動機構29及び第一駆動機構29と同様に構成されて平行に配置された第二駆動機構291によって構成されている。
【0033】
12は搬送帯6の一部をなし踏段7の相互間に配置された傾斜車椅子用踏段で、要時に上昇した第一作動機構24の係合機構26に係合し、搬送帯6の移動を介して駆動される傾斜機構13の変位によって傾斜する傾斜踏み板14が設けられている。
【0034】
15は搬送帯6の一部をなし踏段7の相互間に配置されて傾斜車椅子用踏段12の主枠1の下端2側に配置された第一車椅子用踏段で、要時に上昇した第一作動機構24の係合機構26に係合して、係合機構26の動作によって駆動される進退機構16によって主枠1の下端側へ突出変位する連結腕17が設けられている。
【0035】
18は搬送帯6の一部をなし踏段7の相互間に配置されて第一車椅子用踏段15の主枠1の下端2側に配置された第二車椅子用踏段で、要時に上昇した第二作動機構27の第一駆動機構29に係合して、第一駆動機構29の動作によって作動する伝動機構30を介して、第二車椅子用踏段18の基部から上昇する上昇踏み板19が設けられている。なお、上昇踏み板19は突出した第一車椅子用踏段15の連結腕17に支持されて第一車椅子用踏段15の傾斜移動により、第一車椅子用踏段15の踏み板面位置に支持される。
【0036】
20は第二車椅子用踏段18における上昇踏み板19の主枠1下端2側に設けられた車止め片で、要時に上昇した第二作動機構27の第一駆動機構29に係合して、第一駆動機構29の動作によって作動する第一伝動機構30を介して上方に突出変位する。22は車椅子で、主として第一車椅子用踏段15及び第二車椅子用踏段18によって形成された車椅子積載面23に搭載されて搬送される。
【0037】
31は第二車椅子用踏段18の上昇踏み板19に設けられて主枠1の下端2側へ突出する乗込み台で、第二作動機構27の第二駆動機構291に係合して、第二駆動機構291の動作によって作動する第二伝動機構32を介して駆動される。なお、乗込み台31は主枠1の下端2側へ突出した状態で、突出端が乗降口4の櫛5又は第二車椅子用踏段18の主枠1下端2側に配置された一般の踏段7上面、すなわち突出端が対向する静止部材に支持される。
【0038】
上記のように構成された車椅子踏段付エスカレーターにおいて、通常時には第一作動機構24の係合機構26が昇降機構25により下降位置に配置される。また、第二作動機構27の第一駆動機構29及び第二駆動機構291が昇降機構28により下降位置に配置される。また、傾斜車椅子用踏段12の傾斜踏み板14は、傾斜機構13が通常位置に配置されることにより水平位置に保持される。
【0039】
また、第一車椅子用踏段15の連結腕17は引退位置に配置される。そして、第二車椅子用踏段18の上昇踏み板19、車止め片20及び乗込み台31は、第二車椅子用踏段18の第一伝動機構30又は第二伝動機構32が通常位置に配置されることによって、下降位置又は引退位置にそれぞれ配置される。
【0040】
このような第一車椅子用踏段15、第一作動機構24等の各構成部材の状態により、搬送帯6が主枠1内を循環運転されて踏段7、傾斜車椅子用踏段12、第一車椅子用踏段15及び第二車椅子用踏段18により一般乗客が搬送される。なお、搬送帯6の循環運転により第一車椅子用踏段15等の全部の踏段は、上昇運転の場合において下端2側の乗降口4から水平移動し、次いで傾斜角度が漸増する漸増傾斜移動する。
【0041】
次いで、一定傾斜角度による一定傾斜移動して上端3側の乗降口4に近づくと傾斜角度が漸減する漸減傾斜移動する。その後に上端3側の乗降口4へ水平移動して循環移動する。なお、下降運転のときには全部の踏段が上昇運転の場合とは逆の順序で循環移動する。
【0042】
そして、車椅子22を上昇搬送する場合、すなわち車椅子22を下端2側の乗降口4から上端3側の乗降口4へ搬送するときには、車椅子踏段付エスカレーターの車椅子運転スイッチ(図示しない)により車椅子運転に切り換えられる。これによって、昇降機構25の電動機が付勢されて第一作動機構24の係合機構26が上昇位置に配置されて、この状態で搬送帯6が上昇運転される。
【0043】
これにより、傾斜車椅子用踏段12が下端2側の乗降口4から上端3側方向へ水平移動することより、第一作動機構24の上昇して制動された係合機構26に傾斜機構13が係合する。そして、この状態で傾斜車椅子用踏段12が移動するので、傾斜機構13が駆動されて傾斜踏み板14が傾斜し、図3に示す状態から図4に示す傾斜位置に配置される。
【0044】
そして、第一作動機構24が上昇位置から一旦下降位置に配置される。次いで搬送帯6が再度上昇運転されて第一車椅子用踏段15が漸増傾斜移動区間に移動し、図4に示すように第二車椅子用踏段18に対して上昇した段差が生じた状態で第一作動機構24に対向する。また、第二車椅子用踏段18は第二作動機構27と対向する。なお、この状態では第二車椅子用踏段18の主枠1下端側の踏段7の位置が、櫛5の先端から主枠1長手に沿う長さのほぼ三割が前進した位置に配置される。
【0045】
そして、この状態で第一作動機構24が上昇して係合機構26と、第一車椅子用踏段15の進退機構16とが図4に示すように噛み合う。また、図4に示す状態から第二作動機構27の第一駆動機構29が上昇動作して、第二車椅子用踏段18の第一伝動機構30と噛み合うと共に、上昇踏み板19が第二車椅子用踏段18の基台から上方位置に上昇して図5に示すように第一車椅子用踏段15の踏み面に対応した位置に配置される。
【0046】
そして、第一作動機構24の係合機構26が動作して第一車椅子用踏段15の進退機構16が駆動されて連結腕17が突出して、第二車椅子用踏段18の上昇した上昇踏み板19に嵌合する。これによって、図6に示すように第二車椅子用踏段18の上昇踏み板19が第一車椅子用踏段15に支持されて、第一車椅子用踏段15の踏面と上昇踏み板19によって車椅子積載面23が形成される。
【0047】
次いで、第二作動機構27の第二駆動機構291が動作して第二伝動機構32が駆動される。これによって、第二車椅子用踏段18の上昇した上昇踏み板19から乗込み台31が主枠1の下端2側へ突出し、突出端が乗降口4の櫛5上面に支持されて図7に示す状態となる。
【0048】
そして、図7に示す状態において、主枠1の下端2側の乗降口4から車椅子22が乗込み台31を経て車椅子積載面23に乗り込む。その後に第二作動機構27の第一駆動機構29が再度動作して第一伝動機構30が駆動され、この第一伝動機構30の動作を介して車止め片20が上昇踏み板19から上方に突出変位する。これによって、車椅子積載面23からの車椅子22の主枠1下端2側方向への移動が阻止される。
【0049】
そして、車椅子積載面23への車椅子22の乗り込みが終了すると、第二作動機構27の第二駆動機構291が逆動作して第二伝動機構32が逆駆動される。これによって、乗込み台31が第二車椅子用踏段18の上昇した上昇踏み板19に対して、引退した従前の位置に復帰して図8に示す状態となる。そして、第一作動機構24及び第二作動機構27が下降位置に配置された後に、搬送帯6が上昇運転されて図2に示す状態で第一車椅子用踏段15等が漸増傾斜移動及び一定傾斜移動して車椅子22が上昇搬送される。
【0050】
なお、この傾斜移動時においても第二車椅子用踏段18の上昇踏み板19が第一車椅子用踏段15の連結腕17に支持されているので車椅子積載面23が維持される。次いで、搬送帯6が移動して傾斜車椅子用踏段12等が上端3側の乗降口4に近づくと、主枠1下端2側の乗降口4から上昇する場合とは、ほぼ逆に傾斜車椅子用踏段12等が動作する。
【0051】
すなわち、主枠1上端3側の第一作動機構24が動作して係合機構26が上昇する。そして、斜車椅子用踏段12が主枠1上端3側の第一作動機構24位置に近づいたときには、詳細な説明を省略するが他の案内具(図示しない)に案内されて、傾斜位置に保持されていた傾斜踏み板14が水平位置に復帰する。次いで、第一作動機構24の上昇して制動された係合機構26に斜車椅子用踏段12の傾斜機構13が係合すると、搬送帯6の移動によって傾斜機構13が駆動されて、傾斜踏み板14が水平位置に保持されて図9に示す状態となる。
【0052】
そして、第一作動機構24の係合機構26が上昇位置から一旦下降位置に配置される。さらに搬送帯6が上昇運転されて第二車椅子用踏段18が漸減傾斜移動区間に移動する。そして、図10に示すように第二車椅子用踏段18の基部に対して第一車椅子用踏段15の踏み面が上昇した段差を生じた状態で第一車椅子用踏段15が第一作動機構24に対向する。
【0053】
また、この状態では第二車椅子用踏段18は第二作動機構27と対向する。なお、この状態において傾斜踏み板14の位置が、主枠1長手に沿う長さのほぼ三割が櫛5の先端から後退した位置に配置される。この状態、すなわち図10に示す状態で搬送帯6が停止して、車椅子22が車椅子積載面23から上端3側の乗降口4に下り立つ。
【0054】
そして、この状態で第一作動機構24の係合機構26が上昇して第一車椅子用踏段15の進退機構16に図10に示すように噛み合う。また、図10に示す状態から、第二作動機構27の第一駆動機構29が上昇して、第二車椅子用踏段18の伝動機構30と噛み合い、図11に示す状態となる。
【0055】
これによって、第二車椅子用踏段18の上昇踏み板19が第一駆動機構29に支持され、また第一作動機構24が動作して係合機構26と噛み合った第一車椅子用踏段15の進退機構16が駆動されて連結腕17が引退して、第二車椅子用踏段18の上昇した上昇踏み板19との嵌合が解除される。
【0056】
次いで、第二作動機構27の第一駆動機構29が動作して昇降機構28が下降し、上昇踏み板19が第二車椅子用踏段18の基台に対して下降して図12に示すように第一車椅子用踏段15の踏み面に対して下降した位置に配置されて保持される。
【0057】
また、第二作動機構27の第一駆動機構29が第二車椅子用踏段18の伝動機構30と噛み合った状態で、動作して第二車椅子用踏段18の伝動機構30が駆動されて車止め片20が下降して下降位置に保持されて図12に示す状態となる。次いで、第一作動機構24及び第二作動機構27がそれぞれ下降位置に配置されて、車椅子踏段付エスカレーターが通常運転に復帰する。
【0058】
なお、以上は車椅子22を下端2側の乗降口4から上端3側の乗降口4へ搬送する場合について説明した。しかし、車椅子22を上端3側の乗降口4から下端2側の乗降口4へ搬送するときにも、詳細な説明を省略するが乗込み台31の動作を除いて第一作動機構24及び第二作動機構27等の関連機器を、車椅子22の上昇搬送とは逆に動作させる。これによって、車椅子22の上昇搬送時と同様な作用を得ることができる。
【0059】
以上説明したように、主枠1のいずれかの端部の漸増傾斜移動区間又は漸減傾斜移動区間に、第一車椅子用踏段15及び第二車椅子用踏段18のいずれかが移動し、停止した状態で車椅子積載面23が形成される。したがって、主枠1端部寄りに通常のエスカレーターよりも長い各踏段の水平移動区間を設けることなく、車椅子22の乗り込みができ、また降り立つことができる。
【0060】
これにより、主枠1の全長を増したり、主枠1の両端を支持する建築梁の間隔を増大したりすることが不要になる。したがって、車椅子踏段付エスカレーター設置の制約、また既設の通常エスカレーターを車椅子踏段付エスカレーターに改造する場合の制約を解消することができる。
【0061】
また、主枠1の下端2側において車椅子22使用者が乗降する場合に、第二車椅子用踏段18に設けられた乗込み台31が、上昇変位した上昇踏み板19と下端2側の乗降口4の櫛5の間に配置される。このため、主枠1の下端2側において車椅子22使用者が容易に車椅子積載面23に乗降することができる。また、乗込み台31の突出端が櫛5、すなわち対向する静止部材に支持される。したがって、乗込み台31自体及び乗込み台31に関連した機構の構成を軽薄化することができ製造費を低減することができる。
【0062】
実施の形態2.
図13〜図15は、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図13は車椅子踏段付エスカレーターの主枠下端部における車椅子搬送の状況を説明する主枠下端部箇所の拡大図であり前述の図7相当図、図14は図13の要部平面図、図15は図13の次に乗込み台が引退した状況を説明する図である。なお、図13〜図15の他は前述の図1〜図12の実施の形態と同様に車椅子踏段付エスカレーターが構成されている。図において、図1〜図12と同符号は相当部分を示す。
【0063】
33は第二車椅子用踏段18の上昇踏み板19に設けられて主枠1の下端2側へ突出する乗込み台で、第二作動機構27の第二駆動機構291に係合して、第二駆動機構291の動作によって作動する第二伝動機構32を介して駆動される。そして、乗込み台33は次に述べるように構成されている。すなわち、乗込み台33は、平面において後述するラックからなる基部36よりも幅広に形成されて乗降口4の櫛5と対向すると共に、踏段7の移動方向に沿う中間部が屈曲して上昇した形状に形成された突出部331、突出部331の先端に設けられた合成樹脂製の当接片34及び突出部331の反当接片34側の基部の両側にピン35が設けられている。
【0064】
また、乗込み台33には、上昇踏み板19に設けられて主枠1の長手に沿う方向にガイドされ、前端が乗込み台33の突出部331に対向し後端側に第二伝動機構32と噛み合うラックが形成されてなる基部36、基部36の前端側に固定されて両側に張出して形成され両側部にピン35が移動自在に嵌合されて上端が主枠1中間方向へ傾斜した長穴37が設けられたブラケット38、上昇踏み板19に設けられてブラケット38の両側に配置された案内板39及び案内板39に設けられてピン35が移動自在に嵌合され長手が主枠1の長手に沿って配置されて主枠1下端2寄りの端部が上方に傾斜して形成された案内溝40が設けられている。
【0065】
また、351はピン35並びにピン35が摺動自在に嵌合された長穴37及び案内溝40によって構成された上昇機構である。
なお、乗込み台33は主枠1の下端2側へ突出した状態で、基部36にピン35によって枢持された突出部331が乗降口4の櫛5又は第二車椅子用踏段18の主枠1下端2側に配置された一般の踏段7上面、すなわち突出端が対向する静止部材に支持される。
【0066】
上記のように構成された車椅子踏段付エスカレーターにおいても、第一車椅子用踏段15、第二車椅子用踏段18、乗込み台33、第一作動機構24、第二作動機構27等が設けられて図1〜図12の実施の形態と同様に車椅子踏段付エスカレーターが構成される。したがって、詳細な説明を省略するが図13〜図15の実施の形態においても図1〜図12の実施の形態と同様な作用が得られる。
【0067】
また、図13〜図15の実施の形態において、乗込み台33の突出部331は基部36及びブラケット38に対してピン35によって枢持されている。そして、図15に示す状態で、第二作動機構27の第二駆動機構291の動作によって第二伝動機構32が駆動されると基部36が乗降口4の櫛5方向に移動する。このときにピン35が上昇機構351の案内溝40内を摺動して、案内溝40の主枠1下端2寄りの端部で上方に案内されると共に、ピン35がブラット38の長穴37内を上方に変位する。
【0068】
これによって、基部36の移動により乗込み台33は、主枠1下端2側の踏段7上面を摺動して乗降口4の櫛5に乗り上げ図13に示すように配置される。そして、乗込み台33が基部36等に枢持されているので、主枠1下端2側の踏段7上面又は乗降口4の櫛5、すなわち対向する静止部材によって確実に支持される。
【0069】
また、乗込み台33の先端に合成樹脂製の当接片34が設けられるので、乗込み台33の突出部331が主枠1下端2側の踏段7上面等を摺動するときに、摺動騒音が発生せず乗込み台33の動作を静穏化することができる。また、乗込み台33が突出して案内溝40及び長穴37とピン35との係合、すなわち上昇機構351により上昇位置に配置されるので、乗込み台33と上昇した上昇踏み板19との段差が減少する。また、乗込み台33の突出部331によって乗降口4との間に上昇する方向の斜面が形成される。このため、主枠1の下端2側において車椅子22使用者が容易に車椅子積載面23に乗降することができる。
【0070】
実施の形態3.
図16〜図19は、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図16は車椅子踏段付エスカレーターの主枠下端部における車椅子搬送の状況を説明する主枠下端部箇所の拡大図であって前述の図6相当図、図17は図16の次に乗込み台が突出した状況を説明する図、図18は図17の次に車止め片が突出した状況を説明する図、図19は図18の要部平面図である。なお、図16〜図19の他は前述の図1〜図12の実施の形態と同様に車椅子踏段付エスカレーターが構成されている。図において、図1〜図12と同符号は相当部分を示す。
【0071】
41は第二車椅子用踏段18の上昇踏み板19に配置されて枠状をなし主枠1の下端2側へ突出する乗込み台で、第二作動機構27の駆動機構292に係合して、駆動機構292の動作によって作動する伝動機構321を介して駆動される。42はリニアガイド、すなわち案内機構で、上昇踏み板19に設けられて乗込み台41の幅方向の両側に係合し乗込み台41を主枠1の長手方向に摺動自在に案内する。
【0072】
43は枠状の乗込み台41の枠内に配置された車止め片で、反主枠1下端2側が乗込み台41に枢着され、さらに反主枠1下端2側へ突出した作動腕が形成されて長手が水平方向に配置された作動ピン44が設けられている。
【0073】
45は第二車椅子用踏段18の上昇踏み板19に配置されたブラケットで、長手が主枠1の長手方向に沿って配置されて主枠1下端2側に向かって次第に上昇し、上昇端から下方へ屈折状態に湾曲して形成されて作動ピン44が摺動自在に嵌合された案内溝46が設けられている。47はアーム状をなす作動体で、駆動機構292に係合して回動する伝動機構321の鎖歯車と共に回動するように装備されて、回動端には作動ピン44を摺動自在に挟持した挟持部が形成されている。
【0074】
また、48は二段動作機構で、作動ピン44、案内溝46及び作動体47を主要部として構成されて、乗込み台41及び乗込み台41に枢着されて機構的に一体化された車止め片43を統括的に動作させる。
なお、乗込み台41は主枠1の下端2側へ突出した状態で、突出端が乗降口4の櫛5又は第二車椅子用踏段18の主枠1下端2側に配置された一般の踏段7上面、すなわち突出端が対向する静止部材に支持される。
【0075】
上記のように構成された車椅子踏段付エスカレーターにおいても、第一車椅子用踏段15、第二車椅子用踏段18、乗込み台41、第一作動機構24、第二作動機構27等が設けられて図1〜図12の実施の形態と同様に車椅子踏段付エスカレーターが構成される。したがって、詳細な説明を省略するが図16〜図19の実施の形態においても図1〜図12の実施の形態と同様な作用が得られる。
【0076】
また、図16〜図19の実施の形態において、乗込み台41は案内機構42を介して第二車椅子用踏段18の上昇踏み板19に主枠1の長手に沿う方向へ摺動自在に係合される。また、乗込み台41は、枢持した車止め片43の反主枠1下端2側へ突出した作動腕の作動ピン44がブラケット45の案内溝46に嵌合されることによってブラケット45に係合される。
【0077】
また、作動ピン44は作動体47の回動端側の挟持部に摺動自在に挟持されている。このような構成において、図16に示す状態で、第二作動機構27の駆動機構292の動作によって伝動機構321が駆動されると、作動体47が図16において反時計方向に回動する。そして、作動ピン44が案内溝46の直線部の上昇端に到達した位置で作動体47が停止する。この二段動作機構48の前段動作により、乗込み台41及び車止め片43が主枠1の下端2側へ突出して突出端が乗降口4の櫛5に支持されて図17に示す状態となる。
【0078】
この状態で、主枠1の下端2側の乗降口4から車椅子22使用者が乗込み台41及び車止め片43を経て車椅子積載面23に乗り込む。その後に作動体47が図16においてさらに反時計方向に回動し、作動ピン44が案内溝46の湾曲部の下端に到達する。この二段動作機構48の後段動作によって、車止め片43が乗込み台41に対して回動する。これにより、図18に示すように車止め片43が上向き方向へ突出した位置に配置されて、車椅子積載面23からの車椅子22使用者の主枠1の下端2側への移動が阻止される。
【0079】
以下、前述の図1〜図12の実施の形態と同様に車椅子22使用者が搬送される。また、図16〜図19の実施の形態において、二段動作機構48の動作によって作動ピン44が案内溝46の直線部の上昇端に到達した状態で、乗込み台41及び車止め片43が一体的に配置されて、主枠1の下端2側へ突出し突出端が乗降口4の櫛5に支持される。このため、乗込み台41と車止め片43とを兼用することができ、第二作動機構27の駆動機構292及び伝動機構321の構成を簡易化することができる。
【0080】
また、図16〜図19の実施の形態を応用して次に述べるように容易に構成することができる。すなわち、乗込み台41を兼用した車止め片43として、この車止め片43を二段動作機構48の前段動作により、車止め片43を主枠1の下端2側へ突出して突出端が乗降口4の櫛5に支持された乗込み台として使用する。次いで、二段動作機構48の後段動作により、車止め片43を上向き方向へ突出した位置に配置して車止め片の機能を果たす構成とする。このような構成によっても前述の図16〜図19の実施の形態と同様な作用を得ることができる。
【0081】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、多数の踏段が無端状に連結されて主枠を循環移動する搬送帯と、主枠の下端側へ変位する連結腕が設けられて踏段の相互間に配置された第一車椅子用踏段と、踏段の相互間に配置されて第一車椅子用踏段の主枠の下端側に配置され、上昇変位する上昇踏み板、突出変位する車止め片及び主枠の下端側へ突出して突出端が対向する主枠下端側の部材に支持される乗込み台が設けられて、上昇変位した上昇踏み板が突出変位した連結腕に支持されて第一車椅子用踏段の踏み板面とにより車椅子積載面を形成する第二車椅子用踏段と、主枠の乗降口寄りに設けられて要時に上昇し連結腕の機構に係合して連結腕を突出位置に変位させる第一作動機構と、この第一作動機構よりも主枠の乗降口寄りに設けられて昇降機構により要時に上昇して上昇踏み板を上昇位置に変位させると共に昇降機構により第一駆動機構が上昇して車止め片の機構に係合して車止め片を突出位置に変位させ、昇降機構により第二駆動機構が上昇して乗込み台の機構に係合して乗込み台を突出位置に変位させる第二作動機構とを設けたものである。
【0082】
これによって、主枠のいずれかの端部の漸増傾斜移動区間又は漸減傾斜移動区間に、第一車椅子用踏段及び第二車椅子用踏段のいずれかが移動し、停止した状態で車椅子積載面が形成される。したがって、主枠端部寄りに通常のエスカレーターよりも長い各踏段の水平移動区間を設けることなく、車椅子の乗り込みができ、また降り立つことができる。これにより、主枠の全長を増したり、主枠の両端を支持する建築梁の間隔を増大したりすることが不要になる。したがって、車椅子踏段付エスカレーター設置の制約、また既設の通常エスカレーターを車椅子踏段付エスカレーターに改造する場合の制約を解消する効果がある。また、第一作動機構及び第二作動機構とを設けたことにより、駆動機構及び伝動機構の構成を簡易化することができ製造費を低減する効果がある。
【0083】
また、主枠の下端側において車椅子使用者が乗降する場合に、第二車椅子用踏段に設けられた乗込み台が、上昇変位した上昇踏み板と下端側の乗降口の櫛等の部材との間に配置される。このため、主枠の下端側において車椅子使用者が容易に車椅子積載面に乗降することができる。また、乗込み台の突出端が櫛等の対向する静止部材に支持される。したがって、乗込み台自体及び乗込み台に関連した機構の構成を軽薄化することができ製造費を低減する効果がある。
【0084】
また、この発明は以上説明したように、乗込み台を、上昇踏み板に移動自在に保持された基部及びこの基部に水平方向に配置された軸線を介して枢持された突出部によって構成したものである。
【0085】
これによって、乗込み台の突出動作時に突出部が乗降口の櫛等の対向する静止部材を摺動するので、突出部先端が確実に静止部材に支持される。したがって、乗込み台自体及び乗込み台に関連した機構の構成を軽薄化することができ製造費を低減する効果がある。
【0086】
また、この発明は以上説明したように、乗込み台の突出先端に合成樹脂製の当接片を設けたものである。
【0087】
これによって、乗込み台の突出先端が主枠下端側の踏段上面等を摺動するときに、摺動騒音等が発生せず乗込み台の動作を静穏化する効果がある。
【0088】
また、この発明は以上説明したように、乗込み台を、上昇踏み板に移動自在に保持された基部及びこの基部に接続されて踏段移動方向に沿う中間部が屈曲して上昇した形状に形成された突出部によって構成したものである。
【0089】
これによって、乗込み台の突出時に突出部の中間部上面が車椅子積載面の上面に接近して配置されて、乗降口との間に上昇する方向の斜面が形成される。したがって、主枠の下端側における車椅子使用者の車椅子積載面への乗降を容易化する効果がある。
【0090】
また、この発明は以上説明したように、乗込み台の基部及び突出部の枢着箇所を、乗込み台の突出時に上昇位置へ変位させる上昇機構を設けたものである。
【0091】
これによって、乗込み台の突出部の基部との枢着部が、乗込み台が突出した状態において上方に押し上げられて上昇位置に配置される。これによって、乗込み台と上昇した上昇踏み板との段差が減少する。したがって、主枠の下端側における車椅子使用者の車椅子積載面への乗降を容易化する効果がある。
【0092】
また、この発明は以上説明したように、乗込み台を、上昇踏み板寄り縁部に乗込み台を兼用した車止め片を枢持した構成とし、上昇踏み板に設けられて第二作動機構の駆動機構により駆動され、前段動作により乗込み台を兼用した車止め片を水平突出位置に配置し、後段動作により乗込み台を兼用した車止め片を上向き位置に配置する二段動作機構を設けたものである。
【0093】
これによって、二段動作機構の前段動作によって乗込み台を兼用した車止め片が、主枠の下端側へ突出するので車止め片を乗込み台として使用することができる。そして、二段動作機構の後段動作によって乗込み台を兼用した車止め片が上向き位置に配置されて車止め片としての機能を達成する。したがって、第二作動機構の駆動機構及び伝動機構の構成を簡易化することができ製造費を低減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す図で、車椅子踏段付エスカレーターの概念的側面図。
【図2】 図1の車椅子踏段付エスカレーターにおける車椅子搬送状況を示す図1の要部拡大図。
【図3】 図1の車椅子踏段付エスカレーターの主枠下端部における車椅子搬送の第一状況を説明する主枠下端部箇所の拡大図。
【図4】 図3の次の第二状況を説明する図。
【図5】 図4の次の第三状況を説明する図。
【図6】 図5の次の第四状況を説明する図。
【図7】 図6の次の第五状況を説明する図。
【図8】 図7の次の第六状況を説明する図。
【図9】 図1の車椅子踏段付エスカレーターの主枠上端部における車椅子搬送の第一状況を説明する主枠上端部箇所の拡大図。
【図10】 図9の次の第二状況を説明する図。
【図11】 図10の次の第三状況を説明する図。
【図12】 図11の次の第四状況を説明する図。
【図13】 この発明の実施の形態2を示す図で、車椅子踏段付エスカレーターの主枠下端部における車椅子搬送の状況を説明する主枠下端部箇所の拡大図であって前述の図7相当図。
【図14】 図13の要部平面図。
【図15】 図13の次に乗込み台が引退した状況を説明する図。
【図16】 この発明の実施の形態3を示す図で、車椅子踏段付エスカレーターの主枠下端部における車椅子搬送の状況を説明する主枠下端部箇所の拡大図であって前述の図6相当図。
【図17】 図16の次に乗込み台が突出した状況を説明する図。
【図18】 図17の次に車止め片が突出した状況を説明する図。
【図19】 図18の要部平面図。
【図20】 従来の車椅子踏段付エスカレーターを示す概念的側面図。
【図21】 車椅子搬送の第一状況を説明する図20の下端側乗降口箇所の拡大図。
【図22】 車椅子搬送の第二状況を説明する図20の下端側乗降口箇所の拡大図。
【図23】 車椅子搬送の第三状況を説明する図20の下端側乗降口箇所の拡大図。
【符号の説明】
1 主枠、4 乗降口、6 搬送帯、7 踏段、15 第一車椅子用踏段、17 連結腕、18 第二車椅子用踏段、19 上昇踏み板、20 車止め片、23 車椅子積載面、24 第一作動機構、27 第二作動機構、28 昇降機構、29 第一駆動機構、291 第二駆動機構、292 駆動機構、31 乗込み台、33 乗込み台、331 突出部、34 当接片、351 上昇機構、36 基部、42 乗込み台、43 車止め片、48 二段動作機構。
Claims (6)
- 多数の踏段が無端状に連結されて主枠を循環移動する搬送帯と、上記主枠の下端側へ変位する連結腕が設けられて上記踏段の相互間に配置された第一車椅子用踏段と、上記踏段の相互間に配置されて上記第一車椅子用踏段の上記主枠の下端側に配置され、上昇変位する上昇踏み板、突出変位する車止め片及び上記主枠の下端側へ突出して突出端が対向する上記下端側の部材に支持される乗込み台が設けられて、上昇変位した上記上昇踏み板が突出変位した上記連結腕に支持されて上記第一車椅子用踏段の踏み板面とにより車椅子積載面を形成する第二車椅子用踏段と、上記主枠の乗降口寄りに設けられて要時に上昇し上記連結腕の機構に係合して上記連結腕を突出位置に変位させる第一作動機構と、この第一作動機構よりも上記主枠の乗降口寄りに設けられて昇降機構により要時に上昇して上記上昇踏み板を上昇位置に変位させると共に上記昇降機構により第一駆動機構が上昇して上記車止め片の機構に係合して上記車止め片を突出位置に変位させ、上記昇降機構により第二駆動機構が上昇して上記乗込み台の機構に係合して上記乗込み台を突出位置に変位させる第二作動機構とを備えた車椅子踏段付エスカレーター。
- 乗込み台を、上昇踏み板に移動自在に保持された基部及びこの基部に水平方向に配置された軸線を介して枢持された突出部によって構成したことを特徴とする請求項1記載の車椅子踏段付エスカレーター。
- 乗込み台の突出先端に合成樹脂製の当接片を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車椅子踏段付エスカレーター。
- 乗込み台を、上昇踏み板に移動自在に保持された基部及びこの基部に接続されて踏段移動方向に沿う中間部が屈曲して上昇した形状に形成された突出部によって構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の車椅子踏段付エスカレーター。
- 乗込み台の基部及び突出部の枢着箇所を上記乗込み台の突出時に上昇位置へ変位させる上昇機構を備えたことを特徴とする請求項2記載の車椅子踏段付エスカレーター。
- 乗込み台を、上昇踏み板寄り縁部に乗込み台を兼用した車止め片を枢持した構成とし、上記上昇踏み板に設けられて第二作動機構の駆動機構により駆動され、前段動作により上記乗込み台を兼用した車止め片を水平突出位置に配置し、後段動作により上記乗込み台を兼用した車止め片を上向き位置に配置する二段動作機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の車椅子踏段付エスカレーター。
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