JP3985632B2 - 渦電流減速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に用いられる主ブレーキを補助するディスクタイプの渦電流減速装置に関し、さらに詳しくは、制動時の磁気効率に優れ、簡易な構造で、永久磁石の制動位置から非制動位置への切り替えに必要な動力を低減し、小型化、軽量化を図る渦電流減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラックやバス等の自動車用の制動装置には、主ブレーキであるフットブレーキ、補助ブレーキである排気ブレーキの他に長い坂道の降坂等において安定した減速を行い、さらにフットブレーキのベーパーロック現象や焼損を防止するために、渦電流減速装置が使用されている。
【0003】
従来からある渦電流減速装置の一つには、永久磁石を用いて回転しながら対向する導体内に渦電流を生じさせ、ローレンツ力により回転に制動をかける方式がある。本方式は一般的なので図示はしないが、通常、永久磁石を納め内部で永久磁石がスイッチング位置に動けるように構成される案内筒と、案内筒の外側で車体の回転軸に接続されているローター部分とから構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
永久磁石を制動ディスクに対向させて配置した渦電流減速装置では、制動時には保持体を制動ディスクに近づける方向に移動させ、永久磁石を制動ディスクに対向して近接させるようにする。一方、非制動時には保持体を離れる方向に移動させて、永久磁石と制動ディスクとの距離をある程度引き離す必要がある。
【0005】
本発明は、この制動時から非制動時への切り替えに際し、永久磁石を制動ディスクから切り離すために必要とされる動力を低減し、これに要するシリンダー等の機器のコンパクト化を図り、小型、軽量型の渦電流減速装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(1)〜(4)の渦電流減速装置を要旨としている。
(1)車両の回転軸に取り付けられた制動ディスクと、非回転部分に支持板を介して支持されて前記制動ディスクの側方に配置された案内筒と、この案内筒の内部に収容され、前記制動ディスクの回転軸方向に移動可能な保持リングと、この保持リングの円周方向に前記制動ディスクに対向して、隣接する磁極が互いに逆向きに配した複数の永久磁石とを設け、前記永久磁石を制動位置と非制動位置の間を回転軸方向に前後進に移動できる渦電流減速装置であって、前記制動ディスクと永久磁石間に発生する吸引力を検出する吸引力検出手段を備え、前記永久磁石が制動位置にあるとき、前記吸引力検出手段による検出値が第一の設定値以上の場合に、前記永久磁石が非制動位置に移動することを特徴とする渦電流減速装置である。
(2)車両の回転軸に取り付けられた制動ディスクと、非回転部分に支持板を介して支持されて前記制動ディスクの側方に配置された案内筒と、この案内筒の内部に収容され、前記制動ディスクの回転軸方向に移動可能な保持リングと、この保持リングの円周方向に前記制動ディスクに対向して、隣接する磁極が互いに逆向きに配した複数の永久磁石とを設け、前記永久磁石を制動位置と非制動位置の間を回転軸方向に前後進に移動できる渦電流減速装置であって、前記制動ディスクと永久磁石間に発生する吸引力を検出する吸引力検出手段を備え、前記永久磁石が非制動位置にあるとき、前記吸引力検出手段による検出値が第二の設定値以上の場合に、前記永久磁石が非制動位置を保持することを特徴とする渦電流減速装置である。
(3)車両の回転軸に取り付けられた制動ディスクと、非回転部分に支持板を介して支持されて前記制動ディスクの側方に配置された案内筒と、この案内筒の内部に収容され、前記制動ディスクの回転軸方向に移動可能な保持リングと、この保持リングの円周方向に前記制動ディスクに対向して、隣接する磁極が互いに逆向きに配した複数の永久磁石とを設け、前記永久磁石を制動位置と非制動位置の間を回転軸方向に前後進に移動できる渦電流減速装置であって、前記制動ディスクと永久磁石間に発生する吸引力を検出する吸引力検出手段を備え、前記永久磁石が制動位置にあるとき、前記吸引力検出手段による検出値が第一の設定値以上の場合に、前記永久磁石は非制動位置に移動し、前記永久磁石が非制動位置にあるとき、前記吸引力検出手段による検出値が第二の設定値以上の場合に、前記永久磁石が非制動位置を保持することを特徴とする渦電流減速装置である。
(4)上記(1)〜(3)に記載の渦電流減速装置では、制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力を直接的または間接的に検出する手段として、装置を搭載した車両に取り付けられた支持板の変位量を測定する変位計、ピストンロッドに設けられた荷重計(ロードセル)、装置を搭載した車両の車速を検出する車速センサー、または制動ディスクの回転数を測定する回転計を用いることができる。
【0007】
本発明では、「第一の設定値」と「第二の設定値」とが規定されており、これらは異なった設定値である。制動時の吸引力と非制動時の吸引力とは全く異なったものであり、同じとして扱えないからである。すなわち、制動状態にあるときに設定される値を「第一の設定値」とし、非制動状態にあるときに設定される値を「第二の設定値」としている。これにより、「第一の設定値」以上になったとき、永久磁石は非制動位置となり、元々「第二の設定値」以上であったときには、永久磁石は非制動位置を保持することになる。
【0008】
なお、本発明で「検出値が設定値以上」とは、検出された吸引力が予め決められた吸引力と同等かそれよりも強い状態のことをいい、予め決められた吸引力を検出器によって検出される値に換算したものが「設定値」である。
【0009】
【発明の実施の形態】
最近では、渦電流減速装置に対する要求も多様化し、製造コストの低減を図るとともに、小型車への搭載も可能にするような、車両への搭載性を向上させる要請が強くなっている。この搭載性の向上には、小型で軽量化が図れ、かつ簡易構造で経済性に優れることが要求される。
【0010】
上記の要請に対して、ディスクタイプの渦電流減速装置を前提として、永久磁石の磁極面を制動ディスクに対向させて接近させ、ディスク自体に制動トルクを発生させる方式(以下、「磁石極面対向方式」という場合がある)が検討されてきている。この方式であれば、永久磁石の磁力線を短い磁路長さで制動ディスクに付加できるので、磁気回路の磁気抵抗が小さくなり、磁気効率が向上し、制動トルクを増大させることができる。
【0011】
図1および図2は、本発明の永久磁石を用いた「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置の構成の一例を示す断面図である。図1は制動時における装置構成を示しており、図2は非制動時における装置構成を示している。
【0012】
この渦電流減速装置では、回転計11が取り付けられている回転軸1に保持された強磁性体からなる制動ディスク2と、この制動ディスク2の側方に配置された非磁性体からなる案内筒3から構成される。案内筒3は車両等の非回転部分に支持板10を介して支持されており、その内部には、制動ディスク2の制動面に対し垂直方向に前後進が可能な強磁性体からなる保持リング4が収容され、さらに、案内筒3には保持リング4を前後進させるシリンダー5が設けられている。一方、案内筒3の制動ディスクと対向する端面には、強磁性材(ポールピース)8が配置される。
【0013】
保持リング4の制動ディスク2と対向する側面には、複数の永久磁石7が周方向に配置されている。永久磁石7の磁極の方向は制動ディスク2の制動面に対向しており、隣接する永久磁石の磁極が互いに逆向きに配置されている。各永久磁石7の磁極面に対向する強磁性材8は、周方向に永久磁石7と対をなすように複数配置される。
【0014】
永久磁石7の駆動機構は、案内筒3の外端壁にシリンダー5が配置され、シリンダー5に嵌合するピストンロッド6が案内筒3の外端壁を貫通して保持リング4に結合している。このように構成することによって、シリンダー5の作動により制動ディスク2に対し直交する方向に、保持リング4を前後進させることができる。
【0015】
制動時には、図1の矢印で示すように、シリンダー5のピストンロッド6が右方へ移動し、保持リングが制動ディスク2の回転軸方向に前進し、永久磁石7が制動ディスクに対向して接近する。
【0016】
このとき、各永久磁石7が強磁性材8を経て制動ディスク2の制動面に垂直に及ぼす磁力線を回転する制動ディスク2が横切る時、制動ディスク内の磁束の変化から制動ディスク2に渦電流が流れ、制動トルクが発生する。
【0017】
非制動に切り換える際には、シリンダー5の作動を切り換えて、図2の矢印で示すように、ピストンロッド6に直結された保持リング4を左方へ移動させるので、永久磁石7が強磁性材(ポールピース)8から離れ、永久磁石7が制動ディスク2へ及ぼす磁力は弱いものとなる。
【0018】
前記の図1および図2に示す、永久磁石を用いた「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置では、強磁性材(ポールピース)が設けられている。これは、永久磁石は温度依存性が強く、一定温度以上になると磁力が低下し、制動トルクが低減するので、永久磁石の昇温を抑制するため、永久磁石と発熱源である制動ディスク間に適当な距離を設けていることによる。すなわち、これらの距離が大きくなると、制動トルクが低下するため、強磁性材(ボールピース)を両者の間に介在させて、磁気回路上のギャップが最小になるようにしているためである。
【0019】
ところが、案内筒がドラムに覆われたドラムタイプに比べ、ディスクタイプでは、案内筒を発熱部である制動ディスクの外部に露出した構造にできるので、案内筒そのものの放熱性が優れる。そのため、案内筒への入熱量が同等であるとしても、ディスクタイプの案内筒では、外気と直接接する構造にでき、放冷可能な面積を増加できるので、ドラムタイプに比べ案内筒内の温度上昇を抑制できる。
【0020】
さらに、装置の構造をディスクタイプにすることによって、ドラムタイプに比べ、冷却フィンを取り付けることが容易となり、発熱源である制動ディスクの放熱能力を増大させることができる。したがって、制動時において永久磁石の温度上昇が抑制でき、加えて制動ディスクから伝えられる熱そのものも低減できるので、永久磁石と制動ディスクとの距離を極端に小さくすることが可能になる。
【0021】
その結果として、永久磁石を制動ディスクに充分に近づけることができ、強磁性体(ポールピース)を用いずに磁気回路を構成したとしても、十分な制動トルクを確保することができる。このような知見に基づいて、別の強磁性体(ポールピース)を用いない「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置も検討されてきている。
【0022】
示しないが、この渦電流減速装置では、基本的な構成や各部材の作用は前記図1および図2に示されている「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置と同じであり、案内筒3が、その制動ディスクと対向する端面に強磁性体(ポールピース)を配置させることなく、非磁性材で構成されている。
【0023】
また、このタイプの渦電流減速装置は、強磁性材(ポールピース)を設けなくとも、永久磁石からの磁力線を短い磁路長さで、直接、制動ディスクに付加できるので、制動トルクの発生効率を向上させることができる。
【0024】
このように、永久磁石を制動ディスクに対向させて配置した渦電流減速装置では、制動時の磁気効率に優れるとともに、簡易な構造が可能であり、経済性にも優れるものである。しかし、今後の要請が多様化するなかで、新たに取り組むべき課題として、一層の小型化及び軽量化への対応がある。
【0025】
これらの渦電流減速装置において、永久磁石を制動ディスクから離れた非制動位置から永久磁石を制動ディスクに接近させ、制動位置に切り替える際には、永久磁石と強磁性体である制動ディスクとが吸引されるため、永久磁石を切り替えるための動力は殆ど必要としない。 ところが、永久磁石を制動ディスクから切り離して非制動位置に切り替える際には、永久磁石と制動ディスクに発生する吸引力に打ち勝つだけの多大な動力が必要になる。このため、永久磁石を移動させて、制動位置から非制動位置に切り替えるだけの、大きな動力を発生する機器が必要となり、装置の大型化及び重量化の要因となる。
【0026】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力に着目して、さらに詳細に渦電流減速装置の小型化、軽量化について検討を行った結果、次の(a)〜(e)の知見を得ることができた。
(a) 前述の通り、永久磁石を強磁性体からなる制動ディスクに接近させた制動位置から、永久磁石を引き離して非制動位置に切り替えるためには、制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力に打ち勝つだけの多大な力が必要になる。そのため、永久磁石の切り替え用として、大きな動力を発生する装置が必要になる。
【0027】
例えば、前記図1〜図2に示すように、シリンダーで永久磁石を移動させる方式であれば、シリンダー径を大きくしたり、配置するシリンダーの数を増加させる必要が生じ、装置の大型化や重量化を招き、車両への搭載性が悪くなる。
【0028】
このため、制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力が比較的低い段階で、永久磁石を非制動位置に切り替えて制動を解除すれば、必要な動力を低減することができる。これにより、上記シリンダー等の動力発生装置を小容量のものにできるので、装置の小型化及び軽量化が可能になる。
(b) 永久磁石を回転する強磁性体の制動ディスクに接近させ、磁力を作用させると、制動ディスクの表面近傍に渦電流が発生する。この渦電流と磁力の作用により制動ディスクに制動力が作用するが、同時に渦電流と回転する制動ディスクの作用により反発磁場が発生する。この反発磁場の磁力の方向は、永久磁石の磁力線方向と反対であるため、制動ディスクに作用する磁石からの磁力の一部が反発磁力で相殺され、制動ディスクに作用する磁力は見かけ上低下する。
【0029】
制動ディスクの回転数が高いほど、発生する渦電流は大きいため、反発磁場の磁力が強くなる。すなわち、制動ディスクの回転数が高いほど、制動ディスクに作用する見かけ上の磁力が低下し、制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力が低下する。
(c) 上記(a)、(b)の知見から、永久磁石を制動ディスクに接近させた場合に、制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力は、制動ディスクの静止時に最大となり、回転数が増すごとに吸引力が低下することが分かる。永久磁石を制動位置から非制動位置に切り替えるために必要な動力は、制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力を超える必要があることから、制動ディスクの回転数が低いほど、その切り替えに必要な動力が大きくなる。
【0030】
したがって、制動ディスクの回転数が所定値以下になると、永久磁石を非制動位置に切り替えて制動を解除することによって、必要な動力を低減することができる。これにより、切り替えに必要なシリンダー等の動力発生装置を小容量にできるので、装置の小型化及び軽量化が可能になる。
(d)通常、制動ディスクは車両の回転軸に固定されており、その制動ディスクの回転数が低いときは、車両が低速走行しているときに相当する。この低速走行時には、車両が必要とする制動力が小さいため、渦電流減速装置以外のブレーキ、例えば、フットブレーキ、エンジンブレーキ、排気ブレーキなどに余力がある。そこで、制動ディスクの回転数が低く車両が低速走行しているときには、渦電流減速装置を非制動の状態にしても、車両が制動力不足になることがない。
(e)制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力を直接的に検出する手段として、制動ディスクの回転数を測定する回転計、装置を搭載した車両に取り付けられた支持板の変位量を測定する変位計や、ピストンロッドに設けられた荷重計(ロードセル)であってもよい。さらに、吸引力を間接的に検出する手段として、装置を搭載した車両の車速を検出する車速センサーを用いることができる。いずれの検出手段であっても、制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力を直接的または間接的に検出することができる。
【0031】
本発明の渦電流減速装置では、制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力を検出する手段を設け、永久磁石が制動位置にあって吸引力が設定値以上になると、永久磁石を非制動位置に切り替えて制動を解除することによって、過大な動力を必要とせず、車両の制動性能を損うことなく、装置の小型化及び軽量化を達成することができる。
【0032】
制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力を検出する手段として、制動ディスクの回転数を測定する回転計を用いることができる。通常、制動ディスクは車両の回転軸に固定され、回転軸は一体に結合されているため、制動ディスクの回転数または回転軸の回転数のいずれを測定してもよい。また、車両の回転軸と制動ディスクとの間に増速回転機構を設けることがあるが、この場合には、増速比率を換算して制動ディスクの回転数を検出すればよい。測定に用いる回転計は、接触式でも非接触式でもよい。
【0033】
さらに、吸引力を検出する手段として変位計を用いて、特定部位で検出した変位量を基準設定値にすることができる。例えば、永久磁石を収容する案内筒の支持板を車体の固定部に取り付け、その変位量を変位計で測定することによって、制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力を検出できる。
【0034】
制動ディスクと永久磁石に吸引力が発生すると、永久磁石を収容する案内筒及び支持板は制動ディスクに吸引されて変形するが、その変位量は吸引力に依存する。そのため、この変位量を測定すれば、測定した結果に基づいて発生した吸引力を検出することができる。例示として、案内筒の支持板に変位計を取り付けた場合を示したが、この部位に限定されるものではなく、渦電流式減速装置の固定部であればどの部位の変位量を検出する場合であってもよい。
【0035】
吸引力を間接的に検出する手段として車速センサーを用いて、検出した車速に基づいて制動を解除するようにすることができる。車両の回転軸の回転数と車速とは相対的な関係があるから、前述の通り、検出した車速に基づいて制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力を予測することができる。
【0036】
さらに、制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力を検出する手段として、保持リングとピストンロッドの間に介在させた荷重計(ロードセル)を用いることができる。上記吸引力に起因して発生するピストンロッドのひずみ量から荷重を計測して、その出力値が所定値以上になった時点で、制動を解除するようにする。
【0037】
【実施例】
以下に、本発明の渦電流減速装置の具体的な構成例及び適用できる制御の一例を、実施例1〜実施例2に基づいて説明する。
(実施例1)
図1および図2は、実施例1で用いた渦電流減速装置の構成を示す図である。制動ディスク2は、車両の回転軸1に一体的に取り付けられている。一方、案内筒3は、車体、例えば、トランスミッションのリヤーカバーに取り付けられた支持板10に支持され、制動ディスク2の側方に配置される。このとき、制動ディスク2と案内筒の端面の間に所定の間隙が確保されるように、案内筒3が配置される。
【0038】
案内筒3の内部には、制動ディスク2に対し垂直方向に前後進が可能な保持リング4が収容され、保持リング4の制動ディスク2と対向する側面には、複数の永久磁石7が周方向に配置されている。この永久磁石7の磁極の方向は、制動ディスク2の制動面に対向しており、隣接する永久磁石の磁極が互いに逆向きに配置されている。案内筒3の制動ディスクと対向する端面には、各永久磁石7の磁極面に対向するように、強磁性材(ポールピース)8が周方向に複数配置されている。
【0039】
さらに、案内筒3には保持リング4を前後進させるに必要なシリンダー5が設けられており、シリンダー5に嵌合するピストンロッド6が案内筒3の外端壁を貫通して保持リング4に結合している。シリンダー5の作動及びその切り替えによって、永久磁石7が制動位置と非制動位置の間を回転軸方向に沿って、前進及び後進の移動が自在となる。
【0040】
図1および図2に示す渦電流減速装置を用いて、制動ディスクの回転数と制動から非制動への切り替えに要する動力の関係を試験した。使用した制動ディスク2は、CrMo系の低合金鋼からなり、外径450mm、厚さ10mmとした。これと対向する案内筒3は、アルミニウム合金からなり、外径450mm、内径260mm、厚さ10mmとした。永久磁石7は保持リング4の側面円周上に16個配置した。案内筒を支持する支持板10は、鋳鋼からなり厚さ7mmとし、測定用の回転計11を回転軸に取り付けた。
【0041】
試験に際しては、制動ディスク2の回転数が2000rpmの時に制動トルクが70kgmになるように調整した。回転軸1に取り付けた回転計11で制動ディスク2の回転数を測定し、0rpm、600rpm、1000rpm、1600rpm及び2000rpmに変化させて、各回転数における制動から非制動への切り替えに要する動力を測定した。制動から非制動への切り替えに要する動力は、制動ディスク2と永久磁石7に発生する吸引力と同等のものとして、ピストンロッドの中間部に荷重計(図示せず)を結合して測定した。
【0042】
図3は、制動ディスクの回転数と制動から非制動への切り替えに要する動力の関係を示す図である。図3の結果から明らかなように、制動ディスク2の回転数が低いほど、制動ディスク2と永久磁石7に発生する吸引力が大きくなるため、永久磁石7を制動位置から非制動位置への切り替えに要する動力が大きくなる。この結果からも、回転計の検出値に基づいて、制動ディスクの回転数が所定値以下になったときに、制動から非制動への切り替えることによって、切り替えに要する動力を軽減でき、ひいては装置の小型化、軽量化が可能になることが分かる。
(実施例2)
図5は、実施例2で用いた渦電流減速装置の構成を示す図である。実施例2で用いた渦電流減速装置では、回転計11を回転軸1に取り付けるのに加えて、支持板10に変位計12を配しているが、その他は実施例1で用いた渦電流減速装置の構成と同じである。この変位計12は、回転軸1中心から半径方向に130mmの位置で、制動ディスク2が配置されている側と反対側の面の支持板の変位量を測定できるように配置されている。
【0043】
図5に示す渦電流減速装置を用いて、制動ディスクの回転数と支持板の変位量の関係を試験した。試験に際しては、実施例1と同様に、制動ディスク2の回転数が2000rpmの時に制動トルクが70kgmになるように調整した。回転軸1に取り付けた回転計11で制動ディスク2の回転数を測定し、0rpm、600rpm、1000rpm、1600rpm及び2000rpmに変化させた。このときの支持板10の変位量を変位計12で測定した。
【0044】
図4は、制動ディスクの回転数と支持板の変位量の関係を示す図である。制動ディスク2の回転数が低いほど、支持板の変位量が大きくなる。これは、前記図3の結果から、制動ディスク2の回転数が低いほど、制動ディスク2と永久磁石7に発生する吸引力が大きいためである。このため、支持板の変位量は制動ディスクと永久磁石に発生する吸引力とほぼ比例するので、両者の関係を予め求めておれば、支持板の変位量が所定値以上になったときに、制動から非制動への切り替えることによって、切り替えに要する動力を軽減できることが分かる。
【0045】
また、元々非制動状態であって、支持板の変位量が別途設定されていた値より大きいときは、制動状態を切り替える信号が入っても、非制動状態を維持することで、余分な切り替え動作をしないようにできる。
【0046】
図6は、本発明の渦電流減速装置で適用できる、制動及び非制動の切り替え制御の考え得る概略構成の一例を示す図である。渦電流減速装置は、回転軸1に直結した制動ディスク2と、保持リング4や永久磁石7を収容した案内筒3で構成されている。永久磁石7の駆動機構として、案内筒3の外端壁にシリンダー5が配置され、シリンダー5に嵌合するピストンロッド6が案内筒3の外端壁を貫通して保持リング4に結合している。
【0047】
電磁切換弁14の作用により、シリンダー5の両端室5a、5bの一方は空気源13に連通し、他方は大気に通じるように構成される。電磁切換弁14は電磁コイルを励磁すると、弁体が図示の制動位置へ移動する。電磁切換弁14は電磁コイルを消磁すると、ばね力を受けて弁体が左方へ移動し、空気源13の加圧空気がシリンダー5の端室5bへ供給され、シリンダー5の端室5aは大気へ解放される。そして、ピストンロッド6と一緒に永久磁石7が左方へ移動し、非制動位置に切り替わる。
【0048】
電磁切換弁14は、電子制御装置16の出力により開閉される解除スイツチ15を経て通電される。解除スイツチ15は電源バツテリ17に接続している。渦電流減速装置を制御する電子制御装置16は、減速スイツチ、アクセルセンサー及びクラッチセンサー等からの入力信号に基づく減速装置ON/OFF指令と、吸引力の検出手段11からの検出値およびこの電子制御装置16自体が出している指令(ONまたはOFF)とから制動条件を、後述する図7に示すフローチャートに従って判断し、出力信号を発生し、それにより解除スイツチ15を開または閉にする。
【0049】
図7は、本発明の渦電流減速装置で適用できる制動及び非制動の切り替え制御フローチャートの一例を示す図である。図中でFs:吸引力検出値、F1:第一の設定値(制動時の「制動解除」設定値)、およびF2:第二の設定値(非制動時の「制動解除」設定値)をそれぞれ示している。
【0050】
まず、吸引力FsがF1より大きい場合には、解除スイツチ15は開、すなわち、そのとき制動状態であれば非制動状態に切り替わる。ただし、そのとき非制動状態であれば非制動状態が保持される。
【0051】
次に、吸引力FsがF1より小さい場合には、アクセルなどの減速装置ON/OFF指令がOFF(減速しない)であれば、解除スイツチ15は開(非制動状態)とし、減速装置ON/OFF指令がON(減速する)であれば、そのときの制動状態で判断する。そのときの状態が制動状態である場合は、解除スイッチは閉のままであり、制動状態が維持される。また、そのときの状態が非制動状態であれば、吸引力FsとF2とを比較し、吸引力FsがF2より小さい場合には、非制動状態から制動状態に切り替え、吸引力FsがF2より大きい場合には、非制動状態を維持する。
【0052】
そして、このフローチャートに示す手順を周期的に繰り返すことによって、常に状態を監視しながら効率のよい制御を行うことができる。
【0053】
例えば、吸引力FsがF1より小さく、減速装置ON/OFF指令がON(減速する)で、かつ解除スイツチ15は開(非制動状態)時であって、吸引力FsがF2より大きい場合には、電子制御装置16は解除スイツチ15を開く信号を発し、空気源13の加圧空気がシリンダー5の端室5bへ供給されつづける。この結果、永久磁石7は左方へ移動したままとなり、非制動状態が保持されることになる。
【0054】
【発明の効果】
本発明の渦電流減速装置によれば、制動時の磁気効率に優れ、簡易な構造であり、永久磁石の制動位置から非制動位置への切り替えに必要な動力を低減し、小型化及び軽量化を図ることができる。これにより、車両への搭載性を著しく向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明例として「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置の制動時の構成例を説明する図である。
【図2】本発明例として「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置の非制動時の構成例を説明する図である。
【図3】制動ディスクの回転数と制動から非制動への切り替えに要する動力の関係を示す図である。
【図4】本発明例として、別の渦電流減速装置の構成を示す図である。
【図5】制動ディスクの回転数と支持板の変位量の関係を示す図である。
【図6】本発明の渦電流式減速装置で適用できる制動及び非制動の切り替え制御の概略構成の一例を示す図である。
【図7】本発明の渦電流減速装置で適用できる制動及び非制動の切り替え制御フローチャートの一例を示す図である。
【符号の説明】
1:回転軸、 2:制動ディスク
2a:支持端、 3:案内筒
4:保持リング、 5:シリンダー
6:ピストンロッド、 7:永久磁石
8:強磁性材、ポールピース
10:支持板、 11:検出手段、回転計
12:変位計、 13:空気源
14:電磁切替弁、 15:解除スイツチ
16:電子制御装置、 17:電源バツテリ

Claims (7)

  1. 車両の回転軸に取り付けられた制動ディスクと、
    非回転部分に支持板を介して支持されて前記制動ディスクの側方に配置された案内筒と、
    この案内筒の内部に収容され、前記制動ディスクの回転軸方向に移動可能な保持リングと、
    この保持リングの円周方向に前記制動ディスクに対向して、隣接する磁極が互いに逆向きに配した複数の永久磁石とを設け、
    前記永久磁石を制動位置と非制動位置の間を回転軸方向に前後進に移動できる渦電流減速装置であって、
    前記制動ディスクと永久磁石間に発生する吸引力を検出する吸引力検出手段を備え、
    前記永久磁石が制動位置にあるとき
    前記吸引力検出手段による検出値が第一の設定値以上の場合に、前記永久磁石が非制動位置に移動することを特徴とする渦電流減速装置。
  2. 車両の回転軸に取り付けられた制動ディスクと、
    非回転部分に支持板を介して支持されて前記制動ディスクの側方に配置された案内筒と、
    この案内筒の内部に収容され、前記制動ディスクの回転軸方向に移動可能な保持リングと、
    この保持リングの円周方向に前記制動ディスクに対向して、隣接する磁極が互いに逆向きに配した複数の永久磁石とを設け、
    前記永久磁石を制動位置と非制動位置の間を回転軸方向に前後進に移動できる渦電流減速装置であって、
    前記制動ディスクと永久磁石間に発生する吸引力を検出する吸引力検出手段を備え、
    前記永久磁石が非制動位置にあるとき、
    前記吸引力検出手段による検出値が第二の設定値以上の場合に、前記永久磁石が非制動位置を保持することを特徴とする渦電流減速装置。
  3. 車両の回転軸に取り付けられた制動ディスクと、
    非回転部分に支持板を介して支持されて前記制動ディスクの側方に配置された案内筒と、
    この案内筒の内部に収容され、前記制動ディスクの回転軸方向に移動可能な保持リングと、
    この保持リングの円周方向に前記制動ディスクに対向して、隣接する磁極が互いに逆向きに配した複数の永久磁石とを設け、
    前記永久磁石を制動位置と非制動位置の間を回転軸方向に前後進に移動できる渦電流減速装置であって、
    前記制動ディスクと永久磁石間に発生する吸引力を検出する吸引力検出手段を備え、
    前記永久磁石が制動位置にあるとき、
    前記吸引力検出手段による検出値が第一の設定値以上の場合に、前記永久磁石は非制動位置に移動し、
    前記永久磁石が非制動位置にあるとき、
    前記吸引力検出手段による検出値が第二の設定値以上の場合に、前記永久磁石が非制動位置を保持することを特徴とする渦電流減速装置。
  4. 上記吸引力検出手段が装置を搭載した車両に取り付けられた支持板の変位量を測定する変位計であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の渦電流減速装置。
  5. 上記吸引力検出手段が装置を搭載した車両の車速を検出する車速センサーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の渦電流減速装置。
  6. 上記吸引力検出手段が保持リングとこれを回転軸方向に移動させる手段との間に介在させた荷重計(ロードセル)であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の渦電流減速装置。
  7. 上記吸引力検出手段が制動ディスクの回転数を測定する回転計であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の渦電流減速装置。
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